JP6830333B2 - 温度調整機能付きユニットシステム - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハ検査装置の為の温度調整機能付きユニットシステムに関する。
半導体素子は使用用途が広範囲である為、半導体素子が形成された半導体ウエハ(以後、素子ウエハと呼ぶ)の検査においては、擬似的に使用環境雰囲気を模した状態を作りだして検査を行っている。
その検査環境は、例えば、−55℃のような低温環境から+200℃のような高温環境を想定したものであって、その方法は、ウエハチャックのウエハ搭載面の下にヒータ機構、チラー機構、ヒートポンプ機構が備えられた温度調整機能付きウエハチャックを装備した半導体検査装置(以後、プローバと呼ぶ。)にて環境を変更して検査を実施している。
ウエハ温度調節機構を備えたプローバは、素子ウエハの検査仕様に基づき指定された温度環境を擬似的に模した環境にて検査を行うために、特に高温環境下においては信頼性向上を図ることを目的として製造ロット毎にウエハチャックの表面温度を所望の温度に変更して検査を行っている。
ウエハチャックのウエハ搭載面の温度は、搭載面全面が同じ温度にはならないこと(充分小さな温度範囲内に入らないこと)は周知の事実であって、その為、例えば、ウエハチャックをドーナツ状に分割して第一ヒータで外周部を、第二ヒータでチャック中央部を加熱すること、並び、チラー機構を有した冷却ユニット(以後、チラーユニットと呼ぶ。)を併用することでウエハチャックのウエハ搭載面の温度分布の均一化を図り素子ウエハの検査をすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−180335号公報
しかしながら、一般的にプローバは、チラーユニットを常設していないので冷却機能を保有していない。その為、チラーユニットを追加するには、プローバの設置場所の近傍にチラーユニットの設置場所が新たに必要となり、プローバによるチラーユニットの制御も必要になってくる。その為チラーユニット接続機能をプローバに搭載しなければならず、導入後のプローバへのチラーユニット接続機能を搭載するには、プローバの装置改造が必要になりプローバとチラーユニットの接続は複雑化するという問題が生じる。
また、チラーユニットを搭載していないプローバの高温環境で使用されたウエハチャックは、自然放熱にて冷却させる為、室温まで冷却するには冷却時間がかかり、半導体検査の生産性を著しく低下させるという問題が生じる。
本発明は、このような問題を解決するものでありチラーユニットを搭載していないプローバのウエハチャックに取り付ける小型で安価な温度調節機能付きユニットシステムの提供を課題としている。
上記目的を実現する本発明の温度調節機能付きユニットシステムは、プローバ内のウエハチャックの回りに空冷による冷却手段とウエハチャックの周辺部の側面を加熱する加熱手段とウエハチャックの周辺部の温度が、所望の温度になった場合、加熱手段のヒータの出力を低下させ、更に冷却手段のファンが作動して冷却を開始する為の温度検知センサを搭載してコントローラにて制御する構成になっている。
そして本発明の温度調節機能付きユニットシステムのユニット本体は、ウエハチャックの側面に取り付けるため2つの半円状の筐体部品からなり、2つの半円状の筐体部品は、可動部(以後、ヒンジと呼ぶ。)にて一対にされており、筐体部品のヒンジが取り付けられていないもう一方は固定装置で2つの半円状の筐体部品を1つに固定できるような構造になっている。さらに本システムのユニット本体は、加熱手段と冷却手段とを有し、温度検知センサを具備しており、ウエハチャックに取り付けて使用するのでプローバの設置場所以外に設置場所を必要としない小型な装置であることを特徴とする。
ユニット本体は、ユニット本体の内周部に台形ギア状に形成された山部と谷部があり、複数の山部にはプローバのウエハチャックの側面に取り付けられるように爪部が施され、更にウエハチャックの側面と接触する山部の先端表面部が略平面に加工され山部の先端表面部とウエハチャックの外周部の間にヒータが挟み込み、ウエハチャックの外周部へ加熱供給できる機能を有する。
さらに、ユニット本体の内周部の複数の谷部には、各々にクーリングファンが搭載されており、筐体外周部へ貫通された吸気口12からエアを吸気しウエハチャックの側面にエア送風して冷却を行なう機能をも有している。
本発明の温度調節機能付きユニットシステムは、プローバのウエハチャックに取り付けて使用される小型な装置であり、ユニット本体に備えた温度検知センサで温度検知してコントローラからの信号でヒータ及びファンを稼動させてウエハ搭載面温度の均一化を図ることができるので素子ウエハの温度特性の検査において高精度な検査工程を提供することができる。
本発明の実施の形態の全体構成図である。 本発明の温度調節機能付きユニット本体の斜視図である。 図2におけるXX部断面拡大図である。 図2におけるYY部断面拡大図である
図1は、本発明の実施形態を示す図である。ウエハレベル検査に用いる装置である半導体検査装置(プローバ)100と本発明の実施例となる温度調節機能付きユニットシステム1を接続した概略構成を示している。図1において一点鎖線で囲まれた装置が温度調節機能付きユニットシステム1である。また、図2は、本発明の実施例である温度調節機能付きユニット本体3の斜視図である。
図1に示すように、温度調節機能付きユニットシステム1は、コントローラ2とユニット本体3から構成されている。温度調節機能付きユニットシステム1は、コントローラ2を介してプローバ100に接続されており、プローバ100から温度調節機能付きユニットシステム1を動作させる為の電源供給を受けている。
図2を用いて温度調節機能付きユニットシステム1の機能について説明する。コントローラ2は、ウエハレベル検査を行なうにあたり、素子ウエハ102が搭載されたウエハチャック101を所望の温度条件に設定するためにプローバ100が送信するヒータを作動させる加熱開始信号を受信、または、試験終了後、プローバ100が送信する、ヒータを停止させる加熱停止信号を受信できる機能を有している。それらの信号を受信したコントローラ2がユニット本体3に取り付けてある加熱手段であるヒータ6あるいは冷却手段であるクーリングファン5の動作を開始又は、停止させながらウエハチャック101の外周部の温度制御を行なうのが温度調節機能付きユニットシステム1の機能である。なお、ヒータ6については図3、クーリングファン5については図4にそれぞれ示してある。
一般に、従来の温度調整機能付きウエハチャックにおいては、ウエハチャック101の外周部の表面温度は、ウエハチャック101の外周部側面から放熱されるためウエハチャック101の中央部表面温度よりも低温になる傾向がある。しかしながら、本実施例の温度調節機能付きユニットシステム1のユニット本体3は、所望の温度の設定信号を受け取ったコントローラ2の指示により、ウエハチャック101の外周部側面からウエハチャック101を加熱する。ウエハチャック101の外周部表面温度はユニット本体3の山部10から供給される熱量で決まる。一方、ウエハチャック101の中央部表面温度は外周部側面からの熱伝導により決まるが、外周部全体が加熱されるので、中央部の温度が下がりにくく、温度を高く保つことが容易である。さらに、ウエハチャック101の中央部表面温度とウエハチャック外周部温度とを測定値により比較することで両者の温度差を小さくすることが可能である。
次に、コントローラ2が温度制御を行なうユニット本体3の構成について詳細に説明する。
図2のユニット本体3は、熱伝導性に優れた軽量な金属体で、たとえば、アルミ合金、または、銅合金で形成され、プローバ内のウエハチャックの周囲に取り付けて使用する為に円弧状の部分に分割された複数の筐体部品13と前記筐体部品13を一対に接続しているヒンジ8とウエハチャック101に巻きつけて固定する固定装置9からなる筐体である。図2においては円弧状の部分に分割された複数の筐体部品13は、2つの半円状の筐体部分となっている。
前記筐体は、筐体内周部が台形ギア状に山部10と谷部11が交互に複数形成されている。山部10にはウエハチャック101の側面に接触する山部10の山頂部に加熱手段であるヒータ6(図3を参照)が取り付けられており、これによってウエハチャック101の側面を加熱する構造になっている。谷部11には、冷却装置であるクーリングファン5が挿入されており、クーリングファン5に供給するエアを取り込むために筐体内周部から筐体外周部に架けて貫通した吸気口12を配置してある。
図3は、内周部山部10とヒータ6とウエハチャック101の取り付け部断面であって、図2におけるXX部断面拡大図である。ユニット本体3の各々の山部10には、各々に爪部7が形成され、ウエハチャック101の外周部表面端に掛かるように搭載することが可能となる。そして、爪部7の上部には、温度検出手段である温度検知センサ4を搭載してウエハチャック101の外周部表面温度を計測する構造になっている。
この構造によれば、爪部7の下部にウエハチャック101の外周部表面温度はウエハチャック101の外周部側面へ搭載されたユニット本体3に搭載されたヒータ6の加熱温度に近いものとなる。爪部7の上に配置した温度検知センサ4により外周部表面温度の計測が出来るので外周部表面温度を一定にすることが可能である。
この温度検知センサ4の配置によれば検出温度が所望の設定温度よりも高い場合、ウエハチャック101の外周部表面温度は、前記ウエハチャック101の中央部表面温度よりも高温状態であると云えるのでヒータ6への電力供給を減少させて温度低下を図るか、もしくは、クーリングファン5を作動させて冷却を行なうか、もしくは、両者を作動させて、設定温度になるよう制御する。
更に、ウエハチャック外周部近傍に存在するユニット本体3の爪部7の上に搭載された温度検知センサの温度検知によってコントローラ2から温度検知センサ近傍に配置しているヒータ6の加熱制御を個々に行なうことでウエハチャック101に高精度な温度環境を提供できるのでウエハレベル検査の検査精度向上に貢献できる。
図4は、内周部谷部11のクーリングファン5とウエハチャック101の取り付け部断面であって、図2におけるYY部断面拡大図である。
ユニット本体3の谷部11には、クーリングファン5が内部に内蔵され、ユニット本体3の内周部から外周部に掛けて吸気口12となる貫通孔が施してある。クーリングファン5は、ユニット本体3の外周部、すなわち、吸気口12に直接、取り付けても良い。本図では、貫通孔の内部にクリーンファン5を搭載した場合の例としてある。
ユニット本体3の外周部から吸気された矢印Aのエアはウエハチャック101の外周部側面へ供給されウエハチャック101の外周から吸熱して、高温となったエアは、矢印B、矢印Cの方向へと放出され放熱を促すことになる。
実際、温度調節機能付きユニットシステム1は、温度制御をしているコントローラ2を取り外してユニット本体3をプローバ100の制御システムへ直接接続して、ウエハチャック101の外周部並びユニット本体3の加熱制御、温度制御をプローバ100の制御システムで制御する形態であってもよい。これが、実施の形態の一変形例で在ることは云うまでもない。
本発明は、半導体検査装置のウエハチャックに取り付ける温度調節機能付きユニットシステムであって、プローバの高温、室温検査における補助的なヒータ加熱と冷却用ファンによって細かな温度調整が可能となり、正確な温度特性の検査が可能となる。
1 温度調節機能付きユニット
2 コントローラ
3 ユニット本体(筐体)
4 温度検知センサ
5 クーリングファン
6 ヒータ
7 爪部
8 可動部(ヒンジ)
9 固定装置(ボルト)
10 山部
11 谷部
12 吸気口
13 円弧状の筐体部品
100 半導体検査装置(プローバ)
101 ウエハチャック
102 素子ウエハ(半導体ウエハ)

Claims (4)

  1. 半導体素子を検査する半導体検査装置のウエハチャックの外周部に取り付けられるユニット本体と前記ユニット本体を制御するコントローラとからなり、
    前記ユニット本体は、
    前記ウエハチャックの外周部を加熱する加熱手段と、
    前記ウエハチャックの外周部を冷却する冷却手段と、
    前記ウエハチャックの外周部の温度を検出する温度検出手段と、
    前記ウエハチャックの外周部に巻きつけて固定するための2つ以上に分割された円弧状の複数の筐体部品と、を備え、
    前記複数の筐体部品は、前記複数の筐体部品を前記ウエハチャックに取り付けるために少なくとも1つの可動部と1つの固定部とを有し、
    前記コントローラは、
    前記ウエハチャックと半導体検査装置の間に接続され、前記温度検出手段によって検出された温度と前記加熱手段に設定された温度との差異を調整して、前記ウエハチャックを設定温度へ制御する、
    ことを特徴とする温度調整機能付きユニットシステム。
  2. 前記ユニット本体は、内周部にギア状の凹凸が形成され、前記凹凸部の凸部の山部には前記ウエハチャックを加熱する前記加熱手段であるヒータを備えており、前記凹凸部の凹部の谷部には前記ユニット本体の内周部から外周部に向かって貫通孔が形成しており、前記貫通孔の近傍に前記冷却手段であるクーリングファンを搭載している請求項1記載の温度調整機能付きユニットシステム。
  3. 前記温度検出手段は温度検知センサであり、前記温度検センサは、前記ウエハチャックを加熱する前記ヒータの上部の爪部に搭載されている請求項記載の温度調整機能付きユニットシステム。
  4. 前記コントローラは前記爪部に搭載された前記温度検出手段によって検知された温度と前記ウエハチャックの外周部から前記ユニット本体から加熱する前記加熱手段の設定温度との差異を調整制御する請求項記載の温度調整機能付きユニットシステム。
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