[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
最初に電力線搬送通信システムの一例として、空港フィールドにおいて使用される誘導灯の断芯などの故障診断を電力線搬送通信にて行う灯火監視制御システムについて示す。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電力線搬送通信システムを示す図である。本灯火監視制御システムは一例として、交流電源101、電源装置102、制御装置103、フィルタ104、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108A、結合器105B、106B、107B、108B、灯火器106C、107C、108C、電力線109からなるものとする。なお、上記は一例であり、子伝送局の個数は増減されることができる。また、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aと結合器105B、106B、107B、108Bは別装置とされているが、結合器105B、106B、107B、108Bは、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aに内蔵されるものであってもよい。また、子伝送局106A、107A、108Aにより制御される対象は、灯火器106C、107C、108Cではなく例えば空調装置や、火災警報装置などであってもよい。
交流電源101は、本灯火監視制御システムに外部から電源となる電力を供給する。交流電源101は、例えば電力会社にて発電及び送電された電力であり、後述する電源装置102により本灯火監視制御システムの内部用の電圧に変換され、後述する灯火器106C、107C、108Cの電源になる電源電圧を供給するとともに、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aにより通信される伝送信号が重畳される電源電圧を供給する。交流電源101は、交流の電力を供給するものとしたが、太陽光発電等、直流の電力を供給する直流電源に置き換えてもよい。
電源装置102は、いわゆる安定化電源装置等により構成されており、交流電源101から供給された電力を、灯火監視制御システムの内部用の電源電圧に変換し、後述するフィルタ104を介し、電力線109に電源電圧を出力する。この電源電圧は、後述する灯火器106C、107C、108Cの電源になるとともに、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aにより通信される伝送信号が重畳される。
制御装置103は、パーソナルコンピュータ等により構成されており、後述する親伝送局105Aに、親伝送局105Aから子伝送局106A、107A、108Aに送信される電文を作成し親伝送局105Aに送信する。制御装置103は、電文を送信して電源装置102の起動や停止、親伝送局105Aおよび子伝送局106A、107A、108Aを介し灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線等の灯火の監視・制御を行う。
フィルタ104は、インダクタ(L)や、キャパシタ(C)を組み合わせて構成されたフィルタで、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108A間の伝送信号のキャリア周波数に対し高インピダンスとなるようにフィルタの定数が設定されている。フィルタ104より、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108A間の伝送信号が電源装置102側に漏れにくくなるとともに、電力線109における伝送信号の減衰を軽減させることができる。
親伝送局105Aは後述する図2のような構成となっており、制御装置103近傍の電力線109に設置される。親伝送局105Aは、制御装置103からの電文を受け、電力線109に伝送信号のキャリアを重畳させ子伝送局106A、107A、108Aとの間で電力線搬送通信を行う。親伝送局105Aは、通信に関する監視制御情報および灯火器の照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報の作成を行い子伝送局106A、107A、108Aに電力線搬送通信にて送信し、子伝送局106A、107A、108Aから通信に関する監視制御情報および灯火器の照度制御や断線診断・監視の結果に関する情報等の信号を受信する。
子伝送局106A、107A、108Aは、後述する図3のような構成となっており、後述する灯火器106C、107C、108C近傍の電力線109に設置される。子伝送局106A、107A、108Aは、電力線109にキャリアが重畳された信号を親伝送局105Aから受信し、電力線109に伝送信号のキャリアを重畳させ信号を返信する。子伝送局106A、107A、108Aは親伝送局105Aから、通信に関する監視制御情報および灯火器の照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報等の信号を受信し、通信に関する監視制御情報および灯火器の照度制御や断線診断・監視の結果に関する情報等の信号を親伝送局105Aに返信する。
結合器105B、106B、107B、108Bは、トランス等により構成されており、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108A、から送信された伝送信号を電力線109に重畳させるとともに、電力線109に重畳された伝送信号を、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aに伝達する。
灯火器106C、107C、108Cは、照明器具等により構成されており、滑走路毎、誘導路毎に配置されている。灯火器106C、107C、108Cは、子伝送局106A、107A、108Aに接続されており、照度や点灯消灯を子伝送局106A、107A、108Aにより制御される。また、灯火器106C、107C、108Cは、子伝送局106A、107A、108Aにより断線等の故障診断が行われる。
電力線109は、電力を伝達する電線であり、灯火器106C、107C、108Cの電源になる電源電圧を供給するとともに、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、108Aにより通信される伝送信号が重畳される電源電圧を供給する。
結合器105Bを含めた親伝送局105Aが、本発明における送信装置に相当する。また、結合器106B、107B、108Bを含めた子伝送局106A、107A、108Aが、本発明における受信装置に相当する。制御装置103が、本発明における伝送品質情報収集装置に相当する。しかしながら、子伝送局が本発明における送信装置に相当し、親伝送局が本発明における受信装置に相当してもよい。また、本発明における伝送品質情報収集装置は、送信装置または受信装置内に配置されるものであってもよい。
次に、親伝送局105Aの構成について図2を参照して説明する。親伝送局105Aは一例として、記憶部201、通信部202、制御部203、送信データ作成部204、変調処理部205、信号送信部206、信号受信部207、位相検出部208、復調処理部209、受信データ作成部210からなるものとする。図2において、ブロックにて表現されている各部は、各々ICチップのような個別のハードウェアにて実現されていてもよいし、コンピュータプログラムが実装されたマイクロコンピュータにて実現されていてもよい。
記憶部201は、半導体メモリやハードディスクのような記憶媒体にて構成されており、親伝送局105Aならびに子伝送局106A、107A、108Aの送信出力レベルや受信ゲイン、通信するタイミング情報、各親伝送局ならびに子伝送局の通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間など通信に関する情報および電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度等のノイズに関する情報を記憶する。これらの情報は、工場出荷時やシステムの運転開始時に初期設定されるものであっても、システムの運転中に逐次設定により更新されものであってもよい。
通信部202は、有線および無線の通信に対応したインタフェース回路等により構成され、制御装置103との通信を行う。制御装置103から親伝送局105Aに対し、灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報が送信される。親伝送局105Aは、制御装置103から送信される当該情報に基づき、子伝送局106A、107A、108Aに対し電文を送信することができる。
制御部203は、マイクロコンピュータチップ等により構成され、通信部202にて制御装置103から受信した情報にもとづき、灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報に関する電文の作成を行う。具体的には、制御装置103からの電文に基づき、灯火器106C、107C、108Cに対し送信する照度制御や断線診断および監視に関する命令電文を作成する。また、子伝送局106A、107A、108Aから送信された灯火器106C、107C、108Cの断線診断結果・監視結果に関する情報を、制御装置103へ送信するよう通信部201を制御する。
送信データ作成部204、変調処理部205、信号送信部206が本発明における送信部に相当する。送信データ作成部204は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、制御部203により作成された電文に基づき、子伝送局106A、107A、108Aに送信するための送信電文を作成する。当該送信電文は、さらに送信データ作成部204により、誤り検出や訂正用の各種FEC符号が付加される。子伝送局106A、107A、108Aに送信される送信電文は、灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視情報・制御情報および子伝送局106A、107A、108Aに対する通信に関する制御情報等を含み得る。
変調処理部205は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、送信データ作成部204にて作成された送信電文を、周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号に変換する。変調処理部205は、記憶部201に記憶された、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。例えば、位相変調方式の場合、1bit〜複数bit単位で規定されたシンボルを、シンボル毎に対応した位相、時間間隔、搬送周波数を用いて変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。
信号送信部206は、デジタル−アナログ変換用のICチップや回路等により構成され、変調処理部204により作成されたデジタル信号をアナログ信号に変換し電力線109へ送出する。また、信号送信部206は、後述する位相検出部208から得られる電源波形の位相を参照するとともに、記憶部201に記憶された、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に合致した、変調されたアナログ信号を結合器105Bを介して送信する。さらに、送信されるデータのデータ量が過大であるため、1回の送信タイミングで全てのデータを送信できない場合、信号送信部206は、複数回に分けて送信を行うように送信タイミングを調整する。例えば、信号送信部206は、全データ量を、1回で送信できるデータ量で除算した回数で、送信を行う。
信号受信部207は、アナログ−デジタル変換用のICチップや回路等により構成され、電力線109に重畳している子伝送局106A、107A、108Aから送信されたアナログ信号を、結合器105B、106B、107B、108Bを介して受信し、アナログ−デジタル変換してデジタル信号に変換する。また、信号受信部207は、電力線109の電源波形に関する信号をデジタル信号に変換し、またはアナログ信号にて出力する。
位相検出部208は、デジタルまたはアナログのコンパレータ回路等により構成され、信号受信部207から出力された電力線109の電源電圧の波形に関する信号に基づき、電源波形のゼロクロス点を検出する。
復調処理部209は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、信号受信部207にてデジタル信号に変換された受信信号を、復調しデジタルの受信電文に変換する。変調処理部204は、記憶部201に記憶された、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき、また位相検出部208にて検出された電源波形のゼロクロス点に基づき、復調を行いデジタルの受信電文に変換する。例えば、復調処理部209は、一定間隔でシンボルを抽出し、フーリエ変換等で信号強度と位相を算出し、受信信号を復調しデジタルの受信電文に変換する。
受信データ作成部210は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、復調処理部209にて復調されたデジタルの受信電文に誤り検出や訂正用の各種FEC符号を適用しデジタルの受信電文の誤り検出および訂正を行う。受信電文は、灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視情報・制御情報および子伝送局106A、107A、108Aの通信に関する情報等を含みえる。さらに、受信データ作成部210は、上記の受信に関する誤り検出・訂正の処理に関する情報、灯火器106C、107C、108Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視情報・制御情報および子伝送局106A、107A、108Aの通信に関する情報等を制御部203へ送る。
次に、子伝送局106Aの構成について図3を参照して説明する。なお、子伝送局107A、108Aも同様の構成である。子伝送局106Aは一例として、信号受信部301、位相検出部302、復調処理部303、受信データ作成部304、制御部305、送信データ作成部306、変調処理部307、信号送信部308からなるものとする。図3において、ブロックにて表現されている各部は、各々ICチップのような個別のハードウェアにて実現されていてもよいし、コンピュータプログラムが実装されたマイクロコンピュータにて実現されていてもよい。
信号受信部301が本発明における受信部に相当し、復調処理部303が本発明における復調部に相当する。
信号受信部301は、アナログ−デジタル変換用のICチップや回路等により構成され、電力線109に重畳している親伝送局105Aから送信されたアナログ信号を、結合器106Bを介して受信し、アナログ−デジタル変換してデジタル信号に変換する。また、信号受信部301は、電力線109の電源電圧の波形に関する信号をデジタル信号に変換し、またはアナログ信号にて出力する。
位相検出部302は、デジタルまたはアナログのコンパレータ回路等により構成され、信号受信部301から出力された電力線109の電源電圧の波形に関する信号に基づき、電源電圧の波形のゼロクロス点を検出する。
復調処理部303は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、信号受信部301にてデジタル信号に変換された受信信号を、復調しデジタルの受信電文に変換する。変調処理部303は、所定の通信するタイミング情報、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき、また位相検出部302にて検出された電源波形のゼロクロス点に基づき、復調を行いデジタルの受信電文に変換する。例えば、復調処理部303は、一定間隔でシンボルを抽出し、フーリエ変換等で信号強度と位相を算出し、受信信号を復調しデジタルの受信電文に変換する。
受信データ作成部304は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、復調処理部303にて復調されたデジタルの受信電文に、誤り検出や訂正用の各種FEC符号を適用しデジタルの受信電文の誤り検出および訂正を行う。受信電文は、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視情報・制御情報および子伝送局106Aの通信に関する情報等を含みえる。さらに、受信データ作成部304は、上記の受信に関する誤り検出・訂正の処理に関する情報、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報および子伝送局106Aの通信に関する情報等を後述する制御部305へ送る。
制御部305は、受信データ作成部304により誤り検出および訂正された受信電文に基づき灯火器106Cおよび後述する送信データ作成部306の制御を行う。制御部305は、受信データ作成部304により出力された受信電文中の灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報に基づき、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視を行う。その後、制御部305は、灯火器106Cの断線診断・監視の結果に関する情報を作成し、送信データ作成部306に出力する。また制御部305は、受信データ作成部304により出力された受信電文中の子伝送局106Aの通信に関する情報等を受信し、通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を作成し、送信データ作成部306に出力する。
送信データ作成部306は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、制御部305により出力された情報を親伝送局105Aに送信するための送信電文に変換する。当該送信電文は、さらに送信データ作成部306により、誤り検出や訂正用の各種FEC符号が付加される。親伝送局105Aに送信される送信電文は、灯火器106Cの断線診断・監視の結果に関する情報や通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を含んでいる。
変調処理部307は、マイクロコンピュータチップや伝送制御用回路等により構成され、送信データ作成部306にて作成された送信電文を、周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号に変換する。変調処理部307は、所定の送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報等の、伝送情報に基づき周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。当該伝送情報は予め変調処理部307に記憶設定されていてもよいし、親伝送局105Aからの通信により指示されるものであってもよい。例えば、位相変調方式の場合、1bit〜複数bit単位で規定されたシンボルを、シンボル毎に対応した位相、時間間隔、搬送周波数を用いて変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。
信号送信部308は、デジタル−アナログ変換用のICチップや回路等により構成され、変調処理部307により作成されたデジタル信号をアナログ信号に変換し電力線109へ送出する。また、信号送信部308は、位相検出部302から得られる電源電圧の波形の位相を参照するとともに、所定の送信出力レベル、通信するタイミング、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間に合致した、変調されたアナログ信号を結合器106Bを介して送信する。さらに、送信されるデータのデータ量が過大であるため、1回の送信タイミングで全てのデータを送信できない場合、信号送信部308は、複数回に分けて送信を行うように送信タイミングを調整する。例えば、信号送信部308は、全データ量を、1回で送信できるデータ量で除算した回数で、送信を行う。
次に、本実施形態の動作を図4に示すシーケンス図、図5〜9に示す波形図に基づき説明する。最初に図4を参照し、制御装置103、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、の通信シーケンスの概略について説明する。なお図4において子伝送局108Aの表記は省略されているが、子伝送局106A、107Aと同様の動作を行う。
制御装置103は、灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報を作成し親伝送局105Aに送信する(401)。親伝送局105Aは、制御装置103から受信した監視制御情報に変調処理などを加え子伝送局106A、107Aに対し電力線109を介してデータ送信を行う(402)。
子伝送局106A、107Aは、それぞれ、親伝送局105Aから送信されたデータを受信し、データを復調処理(403、404)し、子伝送局106A、107Aに接続された灯火器106C、107Cをそれぞれ制御する。さらに、子伝送局106A、107Aは接続された灯火器106C、107Cから灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報を取得する(405、406)。次に子伝送局106A、107Aは、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報や、親伝送局と子伝送局間の通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を変調処理し、子伝送局106A、107Aごとに定められた送信タイミングで親伝送局105Aに対してデータを送信する(407,408)。親伝送局105は、子伝送局106A、107Aからのデータを受信・復調し(409)、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報をや、親伝送局と子伝送局間の通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を制御装置103へ送信する(410)。なお、親伝送局105は、子伝送局106A、107Aからの応答がない場合や、受信データに異常を検出した場合には子伝送局106A、107Aに対し再送信を行ってもよい。
次に、図2を参照して、親伝送局105Aの送信動作について説明する。
制御装置103は、灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報作成し親伝送局105Aに送信する。親伝送局105Aの通信部202は、制御装置103から灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報を受信する。
制御部203は、通信部202にて制御装置103から受信した監視制御情報にもとづき、灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報の作成および送信電文の作成を行う。
送信データ作成部204は、制御部203により作成された監視制御情報の送信電文に、子伝送局106A、107Aに送信するための修復信号を付加し、新たな送信電文を作成する。具体的には制御部203により作成された監視制御情報の送信電文は、送信データ作成部204により、誤り検出や訂正用の各種FEC符号等の修復信号が付加される。子伝送局106A、107Aに送信される通信信号は、灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報および子伝送局106A、107Aに対する通信に関する監視制御情報等を含んでいる。
変調処理部205は、送信データ作成部204にて作成された送信電文を、周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号に変換する。電力線109に重畳されるキャリアは、周波数変調や位相変調されたアナログ信号である。変調処理部205は、位相変調されたアナログ信号をデジタル値で表現したデジタル信号を作成する。変調処理部205は、記憶部201に記憶された、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。例えば、位相変調方式の場合、1bit〜複数bit単位で規定されたシンボルを、シンボル毎に対応した位相、時間間隔、搬送周波数を用いて変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。
信号送信部206は、変調処理部205により作成されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、結合器105Bを介し電力線109の電源電圧に重畳させて送信する。信号送信部206は、位相検出部208から得られる電力線109の電源電圧の交流波形の位相を参照し、送信信号を重畳させる電源電圧のゼロクロスからの時間位置を決定する。当該ゼロクロスからの時間位置は、記憶部201に予め記憶された、送信出力レベルや受信ゲイン、通信するタイミング情報、各親伝送局ならびに子伝送局の通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間など通信に関する情報および電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度等のノイズに関する情報に基づき判断され、決定される。
電力線109の電源電圧波形の例を図5に示す。ノイズがない状態では電源電圧波形は正弦波状となるが、負荷が接続されることによりノイズが重畳し、図5に示す電源電圧波形のように歪んだものとなる。例えば灯火器106C、107Cの照度は、サイリスタのスイッチングにより制御されており、サイリスタが導通状態になるときに過大な突入電流が流れ、電源電圧波形にノイズが発生する。また、空港等の大規模な灯火システムでは滑走路や誘導路の数に応じ数多くの灯火器が存在する。この場合、電源として三相電源が使用されるが、三相電源の各相において、灯火器の照度が、サイリスタのスイッチングにより制御されており、このスイッチングノイズが図6に示すようにクロストークとして他の相の電源電圧波形にノイズとして混入する場合もある。また、他の相に重畳されている電力線搬送用の通信信号もクロストークにて他の相の電源電圧の波形にノイズとして混入する場合もある。当該ノイズが重畳している電源電圧波形の部分に、電力線搬送通信の通信信号を重畳させることは、通信エラーの原因となり望ましくない。
システムごとに、電源電圧波形のノイズが発生しやすい部分は予め想定できる。例えば灯火システムの場合、電源電圧の正弦波の90度の前半にてサイリスタのスイッチングを行う場合が多く、従って三相電源の各相とも電源電圧の正弦波の90度の前半ノイズが発生する可能性が高い。例えば電源電圧波形の図7に示す部分にノイズが発生しやすい。そこで、電源電圧波形の一周期を分割し通信用のフレームとして予め設定しておく。一例として図7に示すように、電源電圧波形の一周期を30度ごとに分割し、通信フレームを定めるものとする。図7における通信フレームのうちノイズが発生しやすいフレームaの部分を避け、フレームbの部分の電源電圧波形に送信信号が重畳されるようにする。ノイズが発生しやすいフレームを避け、ノイズが少ないことが想定される電源電圧波形のフレームに送信信号が重畳されるので、ノイズの影響を抑制することができ、通信エラーが軽減される。
または、ノイズの影響を受けやすい通信フレームaに、監視制御情報が配置され、ノイズの影響を受けにくい通信フレームbに、修復信号が配置されるようにしてもよい。ノイズが発生しやすい通信フレームaの部分を避け、ノイズが発生しにくい通信フレームbの部分のみを使用した通信は、電源電圧波形の全体を使用した通信に比べ、通信に時間を多く要してしまう。そこで、ノイズの影響を受けやすい通信フレームaに、監視制御情報が配置され、修復信号がノイズの影響を受けにくいフレームbに配置されるようにすることにより、通信に要する時間を節約することができる。フレームaに配置された監視制御情報に関する信号にノイズの影響による誤りが発生したとしても、修復信号はノイズの影響を受けにくいフレームbにて送信され、修復信号により、監視制御情報に関する信号は修復される。従って、通信エラーが軽減されるとともに、高速にて通信を行うことが可能となる。
システムごとに、電源電圧波形のノイズが発生しやすい部分は予め想定することが可能である。ノイズが発生しやすい電源電圧波形の部分と、ノイズが発生しにくい電源電圧波形の部分を予め算出、または測定しておき、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相として予め通信フレームを定めておく。
この定められた通信フレームは更に、ノイズの影響を受けにくい通信フレームと、ノイズの影響を受けやすい通信フレームとに区分けされ記憶部201に記憶される。各通信フレームは、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相に対応した形で記憶部201に記憶されているものとする。信号伝送部206は、記憶部201に記憶されている電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相に対応した通信フレームに合わせ電文を送信する。このように予めノイズの影響を受けにくい通信フレームと、ノイズの影響を受けやすい通信フレームを区分けしておくことで、誤りが発生したとしても、信号の修復がされやすく高信頼な通信、および高速な通信を行うことが可能となる。なお、交流電源101に代替して太陽光発電装置のような直流電源が用いられる場合は、時間が記憶部201に記憶されたのでもよい。
また、灯火器106C、107Cの照度の制御が行われることにより、ノイズが発生する電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相の位置が変化することが考えられる。例えば灯火器106C、107Cの照度を下げる制御を行った場合、サイリスタのスイッチングは、電源電圧の正弦波の前半から後半へと移動し、図8に示すようにノイズが発生する電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相の位置は、これに伴い変化する。ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列を変更することも可能である。例えば通信エラーの頻度が高くなった場合、従来、通信フレームaに、監視制御情報が配置され、通信フレームbに、修復信号が配置されていたが、通信フレームbに、監視制御情報が配置され、通信フレームaに、修復信号が配置されるようにしてもよい。ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列が変更されることにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
また、ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により、修復信号の情報量が増加されるようにしてもよい。通信エラーの頻度が高くなった場合、例えば従来、電源電圧波形の一周期中の1フレームに修復信号が配置されていたところ、一周期中の複数フレームに修復信号が配置されるようにしてもよい。または、通信エラーの頻度が高くなった場合、例えば従来、電源電圧波形の一周期中の1フレームに1つの種類の修復信号が配置されていたところ、一周期中の複数フレームに複数の種類の修復信号が配置されるようにしてもよい。このように修復信号の情報量を増加させることにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
また、ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により、伝送信号の情報量および伝送レートが加減されるようにしてもよい。通信エラーの頻度が高くなった場合、例えば従来より、電源電圧波形の一周期中の情報量が減らされ、または、伝送レートが下げられるようにしてもよい。通信エラーの頻度が低くなった場合、例えば従来より、電源電圧波形の一周期中の情報量が増やされ、または、伝送レートが上げられるようにしてもよい。このように伝送信号の情報量および伝送レートが加減されることにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
空港フィールドにおいて使用される灯火監視制御システムは、複数の親伝送局と子伝送局が必要とされる。このため親伝送局と子伝送局の配置や距離に応じ、複数の周波数が電力線搬送通信のキャリアに使用される場合がある。図9に示すように、一般に電力線搬送通信に用いられるキャリア周波数が高くなるほど単位時間当たりの情報量は増える。ノイズに起因する通信エラーもキャリア周波数により異なる。ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により、電力線搬送通信に用いられるキャリア周波数ごとに監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列が変更されること、修復信号の情報量が増加されること、伝送信号の情報量および伝送レートが加減されることが行われるようにしてもよい。
次に、図3を参照して、子伝送局106Aの受信動作について説明する。子伝送局107Aおよび図示しない子伝送局108Aも同様の動作を行う。
子伝送局106Aの信号受信部301は、電力線109に重畳している親伝送局105Aから送信されたアナログ信号を、結合器106Bを介して受信し、アナログ−デジタル変換してデジタル信号に変換する。また、信号受信部301は、電力線109の電源電圧波形に関する信号をデジタル信号に変換し、またはアナログ信号にて位相検出部302に出力する。
位相検出部302は、信号受信部301から出力された電力線109の電源電圧波形に関する信号に基づき、電源電圧波形のゼロクロス点を検出する。
復調処理部303は、信号受信部301にてデジタル信号に変換された受信信号を、復調しデジタルの受信電文に変換する。変調処理部303は、所定の通信に関するタイミング情報、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき、また位相検出部302にて検出された電源波形のゼロクロス点に基づき、復調を行いデジタルの受信電文に変換する。例えば、復調処理部303は、一定間隔でシンボルを抽出し、フーリエ変換等で信号強度と位相を算出し、受信信号を復調しデジタルの受信電文に変換する。
受信データ作成部304は、復調処理部303にて復調されたデジタルの受信電文に、修復信号である誤り検出や訂正用の各種FEC符号を適用し、受信電文の誤り検出および訂正を行う。受信電文は、ノイズの影響を受けやすい通信フレームに、監視制御情報が配置され、ノイズの影響を受けにくい通信フレームに、修復信号が配置されている。このため、監視制御情報がノイズの影響を受け、誤りを含んでいても、修復信号には誤りが含まれにくい。従って、監視制御情報がノイズの影響を受けて誤りを含んでいても修復信号により修復されることが可能である。受信電文には、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報および子伝送局106Aの通信に関する監視制御情報等が含まれている。
受信データ作成部304は、上記の受信に関する誤り検出・訂正の処理に関する修復信号、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視に関する監視制御情報および子伝送局106Aの通信に関する監視制御情報等を後述する制御部305へ送る。
制御部305は、修復信号を用いて受信データ作成部304により誤り検出および訂正された受信電文に基づき灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視を行う。その後、制御部305は、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報を作成し、送信データ作成部306に出力する。また制御部305は、受信データ作成部304により出力された受信電文中の子伝送局106Aの通信に関する監視制御情報を受信し、通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を作成し、送信データ作成部306に出力する。
次に、図3を参照して、子伝送局105Aの送信動作について説明する。
送信データ作成部306は、制御部305により出力された情報に修復信号である誤り検出や訂正用の各種FEC符号を付加し、親伝送局105Aに送信するための送信電文を作成する。親伝送局105Aに送信される送信電文は、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報や通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報である。
変調処理部307は、送信データ作成部306にて作成された送信電文を、周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号に変換する。変調処理部307は、所定の送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報等の、通信情報に基づき周波数変調や位相変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。当該通信情報は予め変調処理部307に記憶設定されていてもよいし、親伝送局105Aからの電文により指示されるものであってもよい。例えば、位相変調方式の場合、1bit〜複数bit単位で規定されたシンボルを、シンボル毎に対応した位相、時間間隔、搬送周波数を用いて変調により送信されるアナログ信号に対応したデジタル信号を作成する。
信号送信部308は、変調処理部307により変換されたデジタル信号をアナログ信号に変換し電力線109へ送出する。また、信号送信部308は、位相検出部302から得られる電源波形の位相を参照するとともに、所定の送信出力レベル、通信するタイミング、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間に合致した、変調されたアナログ信号を結合器106Bを介して送信する。さらに、送信されるデータのデータ量が過大であるため、1回の送信タイミングで全てのデータを送信できない場合、信号送信部308は、複数回に分けて送信を行うように送信タイミングを調整する。例えば、信号送信部308は、全データ量を、1回で送信できるデータ量で除算した回数で、送信を行う。信号送信部308は、親伝送局105Aからの電文にて、送信に使用する電源電圧波形における通信フレームを指示されるようにしてもよい。
親伝送局105Aから指示される通信フレームは、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相に対応している。また親伝送局105Aは、電源電圧波形上のノイズの状況、通信エラーの状況から、使用されているキャリア周波数に基づき各子伝送局に適した通信フレームを指示するものとする。親伝送局105Aはノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により、電力線搬送通信に用いられるキャリア周波数ごとに監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列を変更すること、修復信号の情報量を増加すること、伝送信号の情報量および伝送レートを加減することを各子伝送局に指示してもよい。このように伝送信号の通信フレーム、情報量および伝送レートを加減させることを子伝送局が行うことにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
次に、図2を参照して、親伝送局105Aの受信動作について説明する。一例として、子伝送局106Aからの電文の受信について説明するが、子伝送局107A、および108Aからの電文の受信についても同様に行われる。
親伝送局105Aの信号受信部207は、電力線109に重畳している子伝送局106Aから送信されたアナログ信号を、結合器105Bを介して受信し、アナログ−デジタル変換してデジタル信号に変換する。また、信号受信部207は、電力線109の電源電圧波形に関する信号をデジタル信号に変換し、またはアナログ信号にて出力する。
位相検出部208は、デジタルまたはアナログのコンパレータ回路等により構成され、信号受信部207から出力された電力線109の電源電圧波形に関する信号に基づき、電源電圧波形のゼロクロス点を検出する。
復調処理部209は、信号受信部207にてデジタル信号に変換された受信信号を、復調しデジタルの受信電文に変換する。変調処理部204は、記憶部201に記憶された、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に基づき、また位相検出部208にて検出された電源波形のゼロクロス点に基づき、復調を行いデジタルの受信電文に変換する。例えば、復調処理部209は、一定間隔でシンボルを抽出し、フーリエ変換等で信号強度と位相を算出し、受信信号を復調しデジタルの受信電文に変換する。
受信データ作成部210は、復調処理部209にて復調されたデジタルの受信電文に修復信号である誤り検出や訂正用の各種FEC符号を適用しデジタルの受信電文の誤り検出および訂正を行う。受信電文は、ノイズの影響を受けやすい通信フレームに、状態監視情報等の情報が配置され、ノイズの影響を受けにくい通信フレームに、修復信号が配置されている。このため、状態監視情報等の情報がノイズの影響を受け、誤りを含んでいても、修復信号は誤りが含まれにくい。従って、監視制御情報等の情報がノイズの影響を受けて誤りを含んでいても修復信号により修復されることが可能である。
受信電文は、灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報および子伝送局106Aの通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を含んでいる。
受信データ作成部210は、上記の灯火器106Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報および子伝送局106Aの通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を制御部203へ送る。
制御部203は、灯火器の照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報および、親伝送局105Aおよび子伝送局106Aの通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を通信部202を介して制御装置103へ送信する。
本実施形態を用いれば、予めノイズの影響を受けにくい通信フレームと、ノイズの影響を受けやすい通信フレームとが区分けされており、ノイズの影響を受けにくい通信フレームに修復信号が配置されるため、誤りが発生したとしても、信号の修復がされやすく、高信頼な通信を行うことが可能となる。
また、本実施形態を用いれば、ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列が変更されるため、通信品質を向上させることが可能である。
また、本実施形態を用いれば、ノイズの発生状況や通信エラーの発生状況により、一周期中の複数フレームに複数の種類の修復信号が配置されるため、このように修復信号の情報量が増加し通信品質を向上させることが可能である。
なお、上記では親伝送局、子伝送局とも1つの通信信号の送受信に1つの周波数キャリアを用いて電力線109の電源電圧に通信信号を重畳させるものとしたが、1つの通信信号に対し複数の周波数キャリアを用いて電力線109の電源電圧に通信信号を重畳させるものとしてもよい。
なお、交流電源101に代替して太陽光発電装置のような直流電源が用いられる場合は、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相に代替して、時間が記憶部201に記憶されるようにしてもよい。
[第2実施形態]
本発明による電力線搬送通信システムの第2実施形態について図10を参照して説明する。なお、この第2実施形態の各部の構成において、図2に示す第1実施形態の電力線搬送通信システムの各部と同一部分は同一符号で示す。図10には、電力線搬送通信システムの第2実施形態にかかる親伝送局151Aが記載されている。この第2実施形態における、親伝送局151Aが第1実施形態における親伝送局105Aと相違する点は、図2に示すように第1実施形態における親伝送局105Aではノイズ測定部251を備えていなかったのに対し、第2実施形態における親伝送局151Aではノイズ測定部251を備えている点である。なお、その他の構成は第1実施形態と同様である。制ノイズ測定部251が、本発明におけるノイズ測定部に相当する。
ノイズ測定部151Aは、デジタルシグナルプロセッサや専用の回路等により構成されており、電力線109の電源電圧波形のノイズを測定する。信号受信部207は、子伝送局106A、107A、108Aから送信された伝送信号にかかるアナログ信号のみならず、電力線109の電源電圧波形を、アナログ−デジタル変換してデジタル信号に変換している。ノイズ測定部251は、信号受信部207によりアナログ−デジタル変換された電源電圧波形のノイズの発生位置およびノイズの周波数およびノイズの強度を測定する。ノイズ測定部251は、ノイズの発生位置を電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相にて算出する。また、ノイズ測定部251は、フーリエ変換やウェーブレット変換などの手法を用いて、図11に示すように電源電圧波形のノイズの周波数とその強度を算出する。ノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度が算出されるため、灯火器106C、107Cの照度の制御が行われることによる、ノイズが発生する電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相の位置の変化を検出することができる。また、隣接回路で利用している搬送周波数が、ノイズとして混入した場合も、ノイズの周波数および強度を検出することができる。
また、ノイズ測定部251による、ノイズの測定は、すでに通信に使用されている電源電圧波形における所定の区間のみについて行われるようにしてもよい。例えば、図12の例1に示すように、ノイズが多く発生すると見込まれる電源電圧波形の区間は、予め通信には使用されないようにしておき、電源電圧波形における通信に使用される区間のみについて、ノイズの測定が行われるようにしてもよい。また、図12の例2に示すように、さらに通信に使用される区間を細分化し、シンボルが伝送される区間をシンボル区間として予め定義しておき、当該シンボル区間ごとにノイズの測定が行われるようにしてもよい。このようにシンボル区間ごとにノイズの測定が行われることにより、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相を算出する手間が省略され、ノイズの発生位置にかかる演算を軽減することができる。
また、電源電圧波形における通信に使用される区間ごと、シンボル区間ごとのノイズ強度が、ノイズの最大値にて測定されるようにしてもよい。このようにノイズの最大値が測定されるようにすることで、ノイズの周波数および周波数に対応した強度の演算を軽減することができる。
なお、ノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度等のノイズの測定データは、通常1byte〜4byte程度で表現されておりデータ量は過大なものとなる。それぞれノイズの発生位置の範囲、周波数の帯域、周波数に対応した強度の範囲が符号にて表現されるようにしてもよい。例えば図13に示すようにノイズ強度をランク付けした符号にて表現することによりデータ量を削減することができる。
信号送信部206は、ノイズ測定部251により測定されたノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度を評価し、監視制御情報を配置する通信フレーム、修復信号を配置する通信フレームを判断し決定する。例えば、ノイズ測定部251によりフレームaの位置にノイズが多いと判断された場合は、通信フレームaに、監視制御情報が配置され、通信フレームbに、修復信号が配置される。また、例えば、ノイズ測定部251によりフレームbの位置にノイズが多いと判断された場合は、通信フレームbに、監視制御情報が配置され、通信フレームaに、修復信号が配置される。修復信号は、信号送信部206により通信に影響を与えるノイズであると判断されたノイズが位置する、電源電圧波形上のタイミングを避けたタイミングで電源電圧に重畳して送信される。一方、監視制御情報等の通信信号は、信号送信部206により通信に影響を与えるノイズであると判断されたノイズが位置する、電源電圧波形上のタイミングおよび当該タイミングを避けたタイミングで電源電圧に重畳して送信されたのでよい。
灯火器106C、107Cの照度の制御が行われることにより、ノイズが発生する電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相の位置が変化する。信号送信部206は、ノイズ測定部251により逐次測定されたノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に基づき、監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列を変更する。
また、信号送信部206は、ノイズ測定部251により逐次測定されたノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に基づき、修復信号の情報量を増加させるようにしてもよい。ノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に応じ、例えば従来、電源電圧波形の一周期中の1フレームに修復信号が配置されていたところ、一周期中の複数フレームに修復信号が配置されるようにしてもよい。または、例えば従来、電源電圧波形の一周期中の1フレームに1つの種類の修復信号が配置されていたところ、一周期中の複数フレームに複数の種類の修復信号が配置されるようにしてもよい。このように修復信号の情報量を増加させることにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
また、信号送信部206は、ノイズ測定部251により逐次測定されたノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に基づき、伝送信号の情報量および伝送レートが加減されるようにしてもよい。ノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に応じ、例えば従来より、電源電圧波形の一周期中の情報量が減らされる、または、伝送レートが下げられるようにしてもよい。このように伝送信号の情報量および伝送レートを加減させることにより、さらに通信品質を向上させることが可能である。
空港フィールドにおいて使用される灯火監視制御システムは、複数の親伝送局と子伝送局が必要とされる。このため親伝送局と子伝送局の配置や距離に応じ、複数の周波数が電力線搬送通信のキャリアに使用される場合がある。一般に電力線搬送通信に用いられるキャリア周波数が高くなるほど単位時間当たりの情報量は増える。ノイズに起因する通信エラーもキャリア周波数により異なる。ノイズの発生位置、周波数および周波数に対応した強度に応じ、電力線搬送通信に用いられるキャリア周波数ごとに監視制御情報に使用される通信フレーム、修復信号に使用される通信フレームの配列を変更すること、修復信号の情報量を増加させること、伝送信号の情報量および伝送レートを加減することを行うようにしてもよい。
本実施形態を用いれば、逐次ノイズの位置、周波数、および強度の測定を行っているので、ノイズの発生する電源電圧波形における位置が変化した場合でも、ノイズの発生に対応した通信信号の送信を行うことができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
なお本実施形態では、親伝送局151Aにノイズ測定部251を備えるようにしてノイズの測定を行うようにしたが、子伝送局106A、107A、108Aにノイズ測定部を備えるようにしてノイズの測定を行うようにしてもよい。
なお、交流電源101に代替して太陽光発電装置のような直流電源が用いられる場合は、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相に代替して、時刻または所定の時間に対応したノイズ周波数およびノイズ強度がノイズ測定部251により測定されるようにしてもよい。
[第3実施形態]
本発明による電力線搬送通信システムの第3実施形態について図14を参照して説明する。なお、この第3実施形態の各部の構成において、図4に示す第1実施形態の電力線搬送通信システムの各部と同一部分は同一符号で示す。電力線搬送通信システムの第3実施形態にかかる図14には、制御装置103、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、の通信シーケンスの概略が記載されている。電力線搬送通信システムの第3実施形態にかかる制御装置103、親伝送局105A、子伝送局106A、107Aは第1実施形態と同様である。この第3実施形態における、電力線搬送通信システムが第1実施形態における電力線搬送通信システムと相違する点は、通信シーケンスにおいて第1実施形態では図4に示すように通信におけるパラメータを変更する指示を制御装置103が行っていなかったのに対し、第3実施形態では図14に示すように、通信におけるパラメータを変更する指示を制御装置103が行う点である。なお、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図14を参照し、図4における電力線搬送通信システムの通信シーケンスとの相違点について説明する。図14において、子伝送局106A、107Aは、親伝送局105Aからの通信における通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を灯火器106C107Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報と併せて親伝送局105Aへ送信する(451)。
親伝送局105Aは、子伝送局106A、107Aからのデータを受信・復調し(409)、子伝送局106A、107Aにて検出された通信における通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報、灯火器106C、107Cの照度制御や断線診断・監視の結果に関する状態監視情報および、親伝送局105Aにて検出された親伝送局と子伝送局間の通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を制御装置103へ送信する(452)。
制御装置103は、子伝送局106A、107Aにて検出された通信における通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報、および、親伝送局105Aにて検出された親伝送局と子伝送局間の通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を集約し(453)、電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整を行う(454)。
電力線搬送通信にかかる各種パラメータは、送信出力レベル、通信するタイミング情報、通信可能時間、搬送周波数、シンボル数、シンボル速度、交流電圧に割り当てられた通信区間に対応した通信可能時間の情報に関するパラメータである。
制御装置103は、親伝送局105に対し、調整された電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行う(455)。
親伝送局105Aは、制御装置103から指示を変調処理及び送信し(456)、子伝送局106A、107Aに対し、調整された電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行う(457)。
本実施形態を用いれば、子伝送局にて検出された通信における通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報、および、親伝送局にて検出された親伝送局と子伝送局間の通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報が制御装置103に集約されるので、電力電搬送通信における通信異常の状況を詳細に評価することができるとともに、親伝送局および子伝送局に適切な電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行うことができる。通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を多数集約し、電力線搬送通信にかかる各種パラメータを指示することができるので、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
なお本実施形態では、制御装置103に通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を集約し、制御装置103が親伝送局、子伝送局に対し電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしたが、親伝送局105Aに通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報を集約し、親伝送局105Aが子伝送局に対し電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしてもよい。
また、本実施形態では、第1実施形態における親伝送局105Aを用いるものとしたが、第2実施形態におけるノイズ測定部251を備えた親伝送局151Aを用いてノイズの測定を行いノイズの位置、周波数、および強度を制御装置103に送信し、電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしてもよい。
また、ノイズ測定部251を子伝送局106A、107Aに備え、各子伝送局を用いてノイズの測定を行いノイズの位置、周波数、および強度を制御装置103または親伝送局151Aに送信し、電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしてもよい。
[第4実施形態]
本発明による電力線搬送通信システムの第4実施形態について図15を参照して説明する。なお、この第4実施形態の各部の構成において、図4に示す第1実施形態の電力線搬送通信システムの各部と同一部分は同一符号で示す。電力線搬送通信システムの第4実施形態にかかる図14には、制御装置103、親伝送局105A、子伝送局106A、107A、の通信シーケンスが記載されている。電力線搬送通信システムの第4実施形態にかかる制御装置103、親伝送局105A、子伝送局106A、107Aは第1実施形態と同様である。この第4実施形態における、電力線搬送通信システムが第1実施形態における電力線搬送通信システムと相違する点は、通信シーケンスにおいて第1実施形態では図4に示すように通信の評価を制御装置103または親伝送局105Aからの指示で子伝送局106A、107Aが行っていなかったのに対し、第4実施形態では、図15に示すように、通信の評価を制御装置103または親伝送局105Aからの指示で子伝送局106A、107Aが行う点である。なお、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図15を参照し、第4実施形態にかかる電力線搬送通信システムの通信シーケンスについて説明する。最初に制御装置103は、親伝送局105Aに対し評価開始の電文を送信する(461)。親伝送局105Aは、その電文に変調処理などを加え、電力線109を介して子伝送局106A、107Aに対し、通信信号を送信する(462)。通信信号を受信(463、464)した子伝送局106Aおよび107Aは、受信完了の応答を返信し(465、466)、通信の評価を開始する(467、468)。通信の評価としては、通信のエラー発生に関する情報や受信電文の誤り検出や訂正に関する情報の作成が行われる。また、ノイズ測定部251を子伝送局106A、107Aに備え、ノイズ測定部251を用いてノイズの測定を行いノイズの位置、周波数、および強度を通信の評価としてもよい。
評価は、評価停止の電文を子伝送局106A、107Aが受信するまで継続するようにしてもよいし、評価開始の電文中に、評価の対象となる電源電圧波形の周期数等を指定するようにしてもよい。また、通信の評価時に灯火器106C、107Cの照度の制御に応じたノイズの発生状況を把握する必要がある場合は、灯火器106C、107Cの照度の制御に関する電文を評価開始の電文とともに送信してもよい。
また、ノイズの周波数に対する通信エラーの評価を行う場合には、親伝送局105Aから特定の周波数を有するテスト信号を注入してもよい(469)。
次に、制御装置103は、親伝送局105Aに対し評価結果送信指示に関する電文を送信する(470)。親伝送局105Aは、その電文に変調処理などを加え、電力線109を介して子伝送局106A、107Aに対し、通信信号を送信する(471)。通信信号を受信(472、473)した子伝送局106Aおよび107Aは、評価結果を親伝送局105Aに返信し(474、475)、通信の評価を終了する(476、477)。
親伝送局105Aは、子伝送局106A、107Aからのデータを受信・復調し(478)、子伝送局106A、107Aから送信された電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報を評価結果として制御装置103へ送信する(479)。
制御装置103は、子伝送局106A、107Aにて検出された電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報を評価結果として集約し(480)、電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整を行う(454)。
電力線搬送通信にかかる各種パラメータは、電源電圧に送信信号を重畳させるタイミング、送信信号を変調する変調周波数、送信強度、送信速度、通信可能時間、シンボル数、シンボル速度等の通信の情報に関するパラメータである。制御装置103は、親伝送局105に対し、調整された電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行う(図中不示)。
親伝送局105Aは、制御装置103から指示を変調処理及び送信し、子伝送局106A、107Aに対し、調整された電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行う(図中不示)。
本実施形態を用いれば、子伝送局にて評価された通信における電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報が制御装置103に集約されるので、電力電搬送通信における通信異常の状況を詳細に評価することができるとともに、親伝送局および子伝送局に適切な電力線搬送通信にかかる各種パラメータにて通信を行うよう指示を行うことができる。電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報が多数集約され、電力線搬送通信にかかる各種パラメータを指示することができるので、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
なお本実施形態では、制御装置103に電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報が集約され制御装置103が親伝送局、子伝送局に対し電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしたが、親伝送局105Aに電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率等の通信のエラー発生や誤り検出、訂正に関する情報が集約され、親伝送局105Aが子伝送局に対し電力線搬送通信にかかる各種パラメータの調整および指示を行うものとしてもよい。
本願発明の請求項1にかかる電力線搬送通信システム電力受給管理システムによれば、ノイズが、電源電圧に重畳しているタイミングである第1のタイミングを測定するノイズ測定部と、電源電圧に、送信信号を重畳して送信するとともに、前記送信信号を修復する修復信号を、前記ノイズ測定部により測定された前記第1のタイミングを避けた第2のタイミングにて、電源電圧に重畳させて送信する送信部と、を備えた送信装置と、前記送信装置の送信部から送信された、電源電圧に重畳した前記送信信号および前記修復信号を受信する受信部と、前記受信部にて受信された前記送信信号を前記修復信号を用いて復調する復調部と、を備えた受信装置と、を有することを特徴とするので、送信信号にノイズの影響による誤りが発生したとしても、修復信号はノイズの影響を受けにくいので、修復信号により、送信信号が修復され通信エラーが軽減され、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項2にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記第1のタイミングおよび前記第2のタイミングは前記電源電圧の交流波形のゼロクロスからの時間または、位相であることを特徴とするので、ノイズの発生タイミングを的確に把握することができ、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項3にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記送信部は、前記ノイズ測定部により測定された、前記電源電圧における前記第1のタイミングに応じ、前記送信信号および前記修復信号の配列を変更して送信することを特徴とするので、ノイズの発生状況により送信信号、修復信号の送信配列が変更され、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項4にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記ノイズ測定部は、さらにノイズのノイズ強度を測定し、前記送信部は、前記ノイズ測定部により測定された前記ノイズ強度に応じ、前記送信信号の修復に関するデータ量を増減した前記修復信号を送信することを特徴とするので、ノイズの発生状況により送信信号の修復に関するデータ量を増減した修復信号を送信することができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項5にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記送信信号および前記修復信号は、それぞれ複数の周波数キャリア信号に変調され、前記送信部は、前記前記ノイズ測定部により測定された、前記電源電圧における前記第1のタイミングに応じ、前記複数の周波数キャリア信号ごとに、前記送信信号および前記修復信号の配列を変更して送信することを特徴とするので周波数キャリア信号ごとに、送信信号および修復信号の配列を変更して送信することができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項6にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記ノイズ測定部は、ノイズを周波数ごとにノイズ強度にて測定することを特徴とするので、ノイズの状況の詳細を把握することができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項7にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記ノイズ測定部は、電源電圧の所定の区間ごとに、前記ノイズ強度の最大値を測定することを特徴とするので、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相にて算出する等のノイズの発生位置にかかる演算を軽減することができる。
本願発明の請求項8にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記送信部は、所定のシンボルを送信し、前記ノイズ測定部は、前記シンボルの区間ごとに、前記ノイズ強度を最大値にて測定することを特徴とするので、電源電圧波形のゼロクロスからの時間または、位相にて算出する等のノイズの発生位置にかかる演算を軽減することができる。
本願発明の請求項9にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記ノイズ測定部は、前記ノイズ強度を最大値にて測定し、前記測定された最大値に対応した符号に変換することを特徴とするので、ノイズ強度をランク付けした符号にて表現することによりデータ量を削減することができる。
本願発明の請求項10にかかる電力線搬送通信システムによれば、ノイズが、電源電圧に重畳しているタイミングである第1のタイミングを測定するノイズ測定部と、電源電圧に、送信信号を重畳して送信するとともに、前記送信信号を修復する修復信号を、前記ノイズ測定部により測定された前記第1のタイミングを避けた第2のタイミングにて、電源電圧に重畳させて送信する送信部と、を備えた送信装置と、前記送信装置の送信部から送信された、電源電圧に重畳した前記送信信号および前記修復信号を受信する受信部と、前記受信部にて受信された前記送信信号を前記修復信号を用いて復調する復調部と、前記受信部にて受信した前記送信信号および前記修復信号の伝送品質に関する情報を作成する伝送品質情報作成部と、を備えた受信装置と、前記受信装置の前記伝送品質情報作成部から、前記伝送品質に関する情報を収集する伝送品質情報収集装置と、を有することを特徴とするので、伝送品質に関する情報を伝送品質情報収集装置に集約することができるので、電力電搬送通信における通信異常の状況を詳細に評価することができる。
本願発明の請求項11にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記伝送品質に関する情報は、電源電圧にノイズが存在するタイミング、ノイズ強度、周波数ごとのノイズ強度、受信エラー率、データ修復率のうち少なくとも1つの情報を含むことを特徴とするので、電源電圧に発生するノイズの詳細を把握することができ、電力線搬送通信にかかる各種パラメータを指示することができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項12にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記伝送品質情報収集装置は、前記伝送品質に関する情報に応じ、前記送信装置および前記受信装置に対し、電源電圧に送信信号を重畳させるタイミング、送信信号を変調する変調周波数、送信強度、送信速度、通信可能時間、シンボル数、シンボル速度のうち少なくとも一つのパラメータを送信し指示することを特徴とするので、電力線搬送通信にかかる各種パラメータを指示することができ、通信品質を向上させた電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項13にかかる電力線搬送通信システムによれば、ノイズが、電源電圧に重畳しているタイミングである第1のタイミングを記憶している記憶部と、電源電圧に、送信信号を重畳して送信するとともに、前記送信信号を修復する修復信号を、前記記憶部に記憶された前記第1のタイミングを避けた第2のタイミングにて、電源電圧に重畳させて送信する送信部と、を備えた送信装置と、前記送信装置の送信部から送信された、電源電圧に重畳した前記送信信号および前記修復信号を受信する受信部と、前記受信部にて受信された前記送信信号を前記修復信号を用いて復調する復調部と、を備えた受信装置と、を有することを特徴とするので、送信信号にノイズの影響による誤りが発生したとしても、修復信号はノイズの影響を受けにくく、修復信号により、送信信号が修復され通信エラーが軽減され、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項14にかかる電力線搬送通信システムによれば、前記第1のタイミングおよび前記第2のタイミングは前記電源電圧の交流波形のゼロクロスからの時間または、位相であることを特徴とするので、ノイズの発生タイミングを的確に把握することができ、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信システムを提供することが可能となる。
本願発明の請求項15にかかる電力線搬送通信用送信装置によれば、ノイズが、電源電圧に重畳しているタイミングである第1のタイミングを測定するノイズ測定部と、電源電圧に、送信信号を重畳して送信するとともに、前記送信信号を修復する修復信号を、前記ノイズ測定部により測定された前記第1のタイミングを避けた第2のタイミングにて、電源電圧に重畳させて送信する送信部と、を備えたことを特徴とするので、送信信号にノイズの影響による誤りが発生したとしても、修復信号はノイズの影響を受けにくいので、修復信号により、送信信号が修復され通信エラーが軽減され、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信用送信装置を提供することが可能となる。
本願発明の請求項16にかかる電力線搬送通信用送信装置によれば、前記第1のタイミングおよび前記第2のタイミングは前記電源電圧の交流波形のゼロクロスからの時間または、位相であることを特徴とするので、ノイズの発生タイミングを的確に把握することができ、ノイズの影響を受けにくい電力線搬送通信用送信装置を提供することが可能となる。
本発明のいくつかの複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。