JP6829643B2 - 水田水位調節装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水田水位調節装置に関する。
従来、稲、やイグサなどの湛水作物が植栽された水田において、湛水の低下水位を検出して自動的に灌漑用水を給水すると共に湛水が一定水位になった段階で自動的に止水し、湛水作物の生育に適した湛水水位を維持する自動給水装置が提案されている。
例えば特許文献1に係る自動給水装置は、側部に連通孔を有して灌漑用水の給水管に連結設置する内筒と、内筒の連通孔と対応する側部に連通孔を有して内筒に外嵌する外筒と、外筒の外部に基端を接続して湛水に浮遊させるフロートと、で構成している。
かかる自動給水装置によれば、低下水位に合わせてフロート位置が下方変位するに伴い外筒を一定方向に回動させて両筒側部の連通孔同士を連通して給水する一方、上昇水位に合わせてフロート位置が上方変位するに伴い外筒を逆方向に回動させて互いの連通孔同士を閉塞して止水し、水田の湛水を一定水位に維持することができるとしている。
特開2002−335781号
一般的に、湛水作物の植栽された水田の湛水は湛水作物による成長吸水作用や日照時間、湿度、風などの気象条件による水分蒸発作用により常時減少傾向にある。また、水田における湛水作物の生育には、一定の水位を保持することにより湛水作物に水分や養分の補給と共に一定濃度の酸素を供給することが重要とされる。
このような湛水作物の生育に適した一定含有酸素濃度を有する適正水位を維持するためには、約1〜2cmレベルの微量な水位変動に連動した給水と止水の湛水作業を行う必要がある。
しかしながら上記従来の自動給水装置は、水田の低下水位や上昇水位の僅かな水位変動を捉えることができず、湛水作業を水位変動に連動した適切な給水制御を行うことができない問題があった。
すなわち従来の自動給水装置のフロートの浮沈動作は、連通孔の開閉をするためフロートの浮力を内筒中心とした外筒の回動動力に変換する機構上、外筒や内筒を中心とした円弧状の軌道を描く上下動作となる。
従って、従来の自動給水装置は、水面に対するフロートの接触面を水位変動に伴って偏奇当接させることとなるため、水面にフロート接触面が均一に接触せず、フロートの部位によっては変動する水田の水位によって異なる浮力を生じさせ、更には、水位とフロートとの接触面が水平面ではなく且つ大きくとれないことから、5〜10cmの大きな水位変動は感知することが可能であるが約1〜2cmといった微妙な水位変動を感知することができない。
このため、広大な水田の湛水作業において、検出水位が不正確なために本来の給水が充分行えず圃場の水位が必要以上に減少したり、或いは余分な湛水のために水位が以上に増加したりするなど、水位変動の不正確な検出のために正確な湛水タイミングと湛水量に不一致が生じ、湛水作物の生育に適切な微妙な湛水作業を行うことができず水稲生育に重大な障害を与えてしまう虞があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、機械構造的にシンプルでありながら、湛水の僅かな水位変動を検出することができ、検出した水位変動に連動して可及的速やかに水田へ給水・止水をすることができ、湛水作物の生育に適切な適正水位を自動的に維持管理可能とする水田水位調節装置を提供するものである。
この本発明は、水路パイプの開口部に開口付勢した蓋体を設け、蓋体には開閉操作用のワイヤ先端を連結し、該ワイヤ基端は水田に浮遊するフロート樹脂板に連動連結具を介して連結すると共に、連動連結具は、フロート樹脂板の略中央部に立設固定したガイドパイプと、フロート樹脂板の下方圃場に立設固定しガイドパイプ内部に下方から遊嵌したアンカ―ボルトと、ワイヤ基端をフロート樹脂板の浮沈に応じて緊張弛緩するためにガイドパイプに付設したワイヤ固定具と、より構成したことを特徴とする水田水位調節装置を提供せんとするものである。
また、アンカ―ボルトには、フロート樹脂板の下方においてワイヤを略直角方向に転換するための遊動輪を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、水路パイプの開口部に開口付勢した蓋体を設け、蓋体には開閉操作用のワイヤ先端を連結し、該ワイヤの基端は水田に浮遊するフロート樹脂板に連動連結具を介して連結すると共に、連動連結具は、フロート樹脂板の略中央部に立設固定したガイドパイプと、フロート樹脂板の下方圃場に立設固定し、ガイドパイプ内部に下方から遊嵌したアンカ―ボルトと、ワイヤ基端をフロート樹脂板の浮沈に応じて緊張弛緩するためにガイドパイプに付設したワイヤ固定具と、より構成したため、フロート樹脂板により水田の湛水水位の水面に対する接触面を可及的拡大して僅かな低下水位や上昇水位の水位変動を確実に感知できるフロート樹脂板の浮沈動作を可能とする。
かかるフロート樹脂板の浮沈動作は、フロート樹脂板の略中央部に立設固定したガイドパイプと、フロート樹脂板の下方圃場に立設固定してガイドパイプ内部に下方から遊嵌したアンカ―ボルトと、により略鉛直方向の上下動作に変換される。
ガイドパイプとアンカ―ボルトは、上下変動する水位に応じたフロートの上下浮沈動作、すなわち水位変動に伴ってフロート樹脂板に生じる上下変動浮力をワイヤの緊張・弛緩応力に変換して水路パイプ開口部の蓋体に確実に伝達する。
すなわち、ワイヤへ伝達された緊張・弛緩応力は水路パイプの開口部の蓋体に伝達されることで僅かな変動水位に連動した蓋体の開閉作動を実現することができる。つまり僅かな変動水位に連動して蓋体の開閉作動を生起し、水田湛水を自動的に一定水位に維持することを可能とする。
また、アンカ―ボルトには、フロート樹脂板の下方においてワイヤを略直角方向に転換するための遊動輪を設けたため、フロート樹脂板が水田浮遊中に風や水流で湛水面上で押し流されてアンカーボルトを中心に不用意に回転することでワイヤの捩じれが生じることを防止し、ワイヤの緊張方向をフロート樹脂板の下方位置で常時水路パイプ方向で略水平に保持し、フロート樹脂板の浮沈動作を正しく蓋体に伝達することで蓋体の開閉作動に転換することができる。
本実施形態に係る水田水位調節装置の設置状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る水田水位調節装置の設置状態を示す断面図である。 本実施形態に係る水田水位調節装置の設置状態を示す平面図である。 本実施形態に係る水位調節管の軸方向視を示す説明図である。 本実施形態に係るフロート樹脂板とアンカ―ボルトの構成を示す断面図である。 本実施形態に係る連動連結具の構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る水田水位調節装置の給水停止状態を示す側断面図である。 本実施形態に係る水田水位調節装置の給水作動状態を示す側断面図である。
本発明は、水路パイプの開口部に開口付勢した蓋体を設け、蓋体には開閉操作用のワイヤ先端を連結し、該ワイヤの基端は水田に浮遊するフロート樹脂板に連動連結具を介して連結すると共に、連動連結具は、フロート樹脂板の略中央部に立設固定したガイドパイプと、フロート樹脂板の下方圃場に立設固定し、ガイドパイプ内部に下方から遊嵌したアンカ―ボルトと、ワイヤ基端をフロート樹脂板の浮沈に応じて緊張弛緩するためにガイドパイプに付設したワイヤ固定具と、より構成したことを特徴とする水田水位調節装置を提供するものである。
以下、本実施形態に係る水田水位調節装置について、図面を参照をしながら具体的に説明する。図1は、水田水位調節装置の設置状態を示す斜視図である。また、図2は水田水位調節装置の設置状態を示す断面図、図3は水田水位調節装置の設置状態を示す平面図、図4は、軸方向視における水位調節管内部を示す説明図である。
本実施形態に係る水田水位調節装置Aが設置される水田は、灌水により一定水位の湛水が可能であれば、その湛水容積や、圃場の面積において特に限定されるものではない。
図1に示すように、水田の畔近傍には、水田外側に沿って流れる用水路等103から水田内に灌漑用水を引き入れるための用水管102が、灌漑用水の水圧を損なわないように圃場や畔の法面に設けられている。
すなわち、水田は、圃場101の地下や畔の法面に埋設された用水管102を介して用水路等103と連通している。そして、本実施形態に係る水田水位調節装置Aは、図1〜図3に示すように、水田内の用水管102近傍に設置している。
水田水位調節装置Aは、図1〜図3に示すように、水路パイプ1の開口部10に開口付勢した蓋体2を設け、蓋体2には開閉操作用のワイヤ3の先端30を連結し、該ワイヤ3の基端31は水田に浮遊するフロート樹脂板4に連動連結具5を介して連結して構成している。
水路パイプ1は、用水管102を介して用水を水田内に引き入れるT字状(3又状)の円筒管である。水路パイプ1は、筒状の水位調節管11と、同水位調節管11の略中央部から分岐した筒状の給水源接続管12と、を備えている。なお、本実施形態にかかる水路パイプの内径は、約50〜150mmとしている。
また、本実施形態の水路パイプ1は、T字管を採用しているが後述する水位調節機能を有するものであれば形状において限定されることはなく、例えばL字管を採用してもよい。
また、水路パイプ1の素材は、耐水性、耐久性、耐腐食性を有して圃場に配管できるものであればよく、例えば、ステンレス、炭素鋼等の金属製、塩化ビニール、架橋ポリエチレン、ポリブデン等の樹脂製のものを採用することができる。
給水源接続管12は、水田に設けた用水管102の開口部と水密状に連結し、水路パイプ1内に用水管102からの用水を供給する。また、給水源接続管12は、用水管102を介して水田に水路パイプ1を固定設置する。
図1〜図4に示すように、水位調節管11の左右位置の外周には水路パイプ1を圃場に固定するためのパイプ固定金具13が所定間隔を隔てて2つ設けられている。パイプ固定金具13は、図4に示すように、上半部を水位調節管11の外周面を囲繞する円弧帯状の固定部13aとし、下半部を螺旋状に形成したスパイラル部13bとしている。
パイプ固定金具13は、スパイラル部13bを水田の圃場面に対して略垂直方向に螺入埋設すると共に、水位調節管11周面を円弧帯状の固定部13aで囲繞することにより水路パイプ1を圃場101面に固定している。
水位調節管11は、一端を閉塞し他端を開口部10とし、開口部10を蓋体2により開閉自在として水田への用水の給水・止水の調節を行う。
水位調節管11の開口部10は用水の吐水部として機能する。開口部10には、蓋体2が開閉自在に設けられ、常時は開口付勢されている。蓋体2は、水位調節管11の開口部10に嵌着自在に形成されている。
水位調節管11の閉塞端は、閉塞蓋7により水密状に閉塞固定されている。閉塞蓋7の略中央部には、図2〜図3に示すように、開閉ロッド61を水位調節管11内に挿通するためのロッド挿通孔70を穿設している。
水位調節管11の内開口部10近傍には、蓋体2の開閉作動を行うための開閉機構が設けられている。開閉機構は、水位調節管11内を横断する支持ステー60と、支持ステー60に支持された開閉ロッド61と、蓋体2と支持ステー60との間に介設した開口付勢バネ62と、で構成している。
なお、開口付勢バネ62は開閉ロッド61に外嵌され蓋体2内側面と支持ステー60との間に介在し、蓋体2を常時水位調節管11の開口部10から開蓋状態に付勢している。
支持ステー60は、図3及び図4に示すように、その両端部を水位調節管11の内周面に連設することにより水位調節管11内に横断配設されている。該支持ステー60の略中央部には、閉塞蓋7と対応する位置に、開閉ロッド61を支持するためのロッド挿通孔63が穿設されている。
開閉ロッド61は、ステンレス製の金属杆であり水位調節管11内でその軸線に沿うように支持ステー60及び閉塞蓋7の各ロッド挿通孔63、70に挿通伸延され、その先端は蓋体2中央を挿通して突出端部に開度調節ナット80を螺合し、しかも、開閉ロッド61の基端は開閉操作用のワイヤ3の先端が連設されている。
開閉ロッド61は支持ステー60及び閉塞蓋7に支持されながら水位調節管11内を蓋体2の開口付勢バネ62につられて進退作動する。すなわち、蓋体2は、開口付勢バネ62で付勢されているため開閉ロッド61が前進することで開口部10と蓋体2との間に吐水隙間8を形成して開蓋し、ワイヤ3の引張により開閉ロッド61が後退することで吐水隙間8を閉塞して閉蓋する。
また、蓋体2前面から突出した開閉ロッド61の先端部は螺旋ネジ状に形成しており、図1〜図3に示すように、蓋体2の前面に当接して吐水隙間8開度調節用の開度調節ナット80が螺合されている。開度調節ナット80は支持ステー60に連設した蓋体2の位置調節を行うためのものであり、開度調節ナット80の調節操作により蓋体2が変位して吐水隙間8の開度調節を可能としている。
次いで、水位センサ―として機能しながら圃場の水位の変動をワイヤに伝達するためのフロート樹脂板4と連動連結具5の関連機構について説明する。図5はフロート樹脂板とアンカ―ボルトの構成を示す側断面図、図6は連動連結具の構成を示す側断面図である。
フロート樹脂板4は、水田の水面に浮遊させて湛水の水位変動を検出する方形状の板状部材である。本実施形態に係るフロート樹脂板4は、面積を約1m、厚みを約4cmとした方形板状の発泡スチロールで形成している。
なお、フロート樹脂板4の素材は、水に対して浮力を生じるものであればよく、例えば、発泡スチロールや発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等の固型浮力素材、樹脂フィルムで複数の気質を有する気体封入浮力素材を採用することができる。
フロート樹脂板4には、略中央部にガイドパイプ50及びアンカ―ボルト9等により構成された連動連結具5が上下方向に配設され連動連結具5を介してワイヤ3と連動連設されている。
図1〜図3及び図5〜図6に示すように、連動連結具5は、フロート樹脂板4の略中央部に立設固定したガイドパイプ50と、フロート樹脂板4の下方圃場に立設固定し、ガイドパイプ50を支持するために該パイプ内部下方から遊嵌したアンカ―ボルト9と、フロート樹脂板4の浮沈に応じて緊張弛緩するワイヤ3の基端部分を支持するためにガイドパイプ50周壁中途に付設したワイヤ固定具52と、で構成している。
ガイドパイプ50は、金属筒体であり、フロート樹脂板4の平板面略中央部に立設している。ガイドパイプ50の上部周壁には、支持ステー54を介してガイドパイプ50の長手に沿って細長状のワイヤ固定具52が付設されている。
支持ステー54はガイドパイプ50の上部周壁から水平に突設し、その略中央部にはワイヤ固定具52を連結するための螺合孔54aを設け、螺合孔54aは上端にワイヤ操作部55を形成したワイヤ調整螺杆56を螺合垂設すると共に、その下端にはワイヤ3の基端を連結するためのワイヤ連結部57を形成している。
ワイヤ調整螺杆56は、ワイヤ3の長さを調節するリング状のワイヤ操作部55を上端に有し、調整操作を行う場合はリング穴に横方向から操作棒を挿入回動することにより、操作棒とリング穴の接触部を支点、操作棒を掌握した把持部を力点にしてワイヤ調整螺杆56回動作用させることでワイヤ調整螺杆56を昇降してワイヤ3の長さの調整を行う。
すなわち、ワイヤ調整螺杆56は、フロート樹脂板4から開閉ロッド61基端に至るワイヤ3の長さ、すなわちワイヤ3の緊張力を微調整することにより最終的には長期間の使用によるワイヤ3の弛緩現象を矯正し、フロート樹脂板4の浮沈作動を正確にワイヤ3を介して開閉ロッド61及び蓋体2に伝達できるように構成している。
ワイヤ調整螺杆56は、支持ステー54の螺合孔54aと螺合しワイヤ操作部55の回動操作に伴って上下方向に昇降することによりワイヤ3の緊張作動を可能としている。
ワイヤ連結部57には、ワイヤ3基端が連結固定され、ワイヤ調整螺杆56の下端でワイヤ固定具52を中心に360°回動可能に構成され、ワイヤ調整螺杆56の緊張操作に伴うワイヤ3の捩じれ防止をしている。
また、フロート樹脂板4には、ガイドパイプ50に隣接してワイヤ挿通孔40が穿設されており、ワイヤ連結部57に連結固定したワイヤ3をワイヤ挿通孔40に貫通してフロート樹脂板4の裏面側へ導出し後述する遊動輪93で略直角に方向転換して開閉ロッド61基端方向へ伸延している。
アンカ―ボルト9は、図5に示すように、下半部を螺旋状に形成したスパイラル部90とし、上半部を円筒状の遊嵌部91として構成し、スパイラル部90を水田の圃場面に略垂直方向に螺入埋設して圃場に立設固定している。
圃場に立設固定したアンカ―ボルト9の遊嵌部91は、図2及び図5に示すように、フロート樹脂板4に貫通立設したガイドパイプ50の下方開口部より該パイプ50内へ挿入遊嵌している。
このように構成することにより、フロート樹脂板4は、水平浮動することなく浮沈動作をアンカ―ボルト9に沿って垂直方向で浮沈作動することができる。
また、本実施形態に係るアンカ―ボルト9の略中央部には、図6に示すように、フロート樹脂板4の下方位置でワイヤ3を略直角方向に転換するための遊動輪93が開閉ロッド61方向に向けて突設されている。
遊動輪93は、軸受96とプーリ95とで構成した滑車である。遊動輪93は、アンカ―ボルト9の略中央部に囲繞した帯金具であるステー94を介して開閉ロッド61方向、すなわちワイヤ3の緊張伸縮方向に突設されている。従って、遊動輪93で方向転換されたワイヤ3の緊張伸縮方向は、水位調節管11の軸線方向へと規制される。
従って、水路パイプ1とフロート樹脂板4との間には、図1〜図3に示すように、所定長さのワイヤ3が緊張状態で張設されていることになる。
すなわち、ワイヤ3は、水路パイプ1の開口部10において開口付勢された開閉自在の蓋体2と水田に浮遊するフロート樹脂板4との間に常時緊張状態で張設され、水位変動に伴うフロート樹脂板4の浮沈動作に応じて蓋体2の開蓋方向へ、或いは閉蓋方向へと緊張・弛緩作動を行うことになる。
なお、ワイヤ3の素材は、緊張動作に対する耐久性、水に対する耐腐食性を有した素材が好ましく、例えば、ステンレス、チタン、タングステン、亜鉛等の金属性の鋼線を採用することができる。
そして、本実施形態に係る水田水位調節装置Aは、湛水作物が植栽され、湛水で満たされた水田において、水位変動に連動して自動的に蓋体の開閉作動を行いながら給止水作動及び給水量調整をする。以下、本実施形態に係る水田水位調節装置Aの水位調節機能について詳説する。図7は、水田水位調節装置Aの給水停止状態を示す側断面図である。図8は、水田水位調節装置Aの給水作動状態を示す側断面図である。
まず、本実施形態に係る水田水位調節装置Aを給水停止する状態について説明する。図7に示すように、水田の湛水が適正な一定水位状態にある場合には、水田水位調節装置Aにおいては、水路パイプ1の開口部10が蓋体2により閉塞されている。
すなわち、適正水位にフロート樹脂板4が浮遊している状態では、蓋体2は緊張したワイヤ3と先端の開閉ロッド61の引張り作動により開口付勢バネ62に抗して閉蓋状態としている。
換言すれば、適正水位に浮遊するフロート樹脂板4の浮力が、開口付勢バネ62のバネ応力に抗し、開閉ロッド61を引張ってその先端の蓋体2を開口部10に常時水密状に密着閉塞している。
次いで、本実施形態に係る水田水位調節装置Aを給水停止状態から給水作動する状態について説明する。水田の湛水が減少し水位が降下した場合は、図8に示すように水田に浮遊するフロート樹脂板4は、水面の降下の程度に応じてアンカ―ボルト9にガイドされて略鉛直方向に降下する。
すなわち、フロート樹脂板4の適正水位から低下水位への変位現象とその変位量がワイヤ3に伝達される。
ワイヤ3は、フロート樹脂板4の降下変位した分だけ下方向に弛緩する。ワイヤ3の弛緩は、遊動輪93を通過して開口付勢バネ62により蓋体2と共に開閉ロッド61を蓋体開放方向に引張る。結果的に、蓋体2を水位調節管11の開口部10から離反させることになり蓋体2を開作動させる。
具体的には、ワイヤ3弛緩応力が伝達された開閉ロッド61は、開口付勢バネ62により支持ステー60と閉塞蓋7により支持されながら水位調節管11軸心に沿って前進作動することになり、開閉ロッド61先端に連設した蓋体2は開作動し水位調節管11の開口部10と蓋体2との間に吐水隙間8を形成して水田水位調節装置Aを給水状態とする。
換言すれば、蓋体2と支持ステー60との間に介在して圧縮していた開口付勢バネ62が、ワイヤ3の弛緩により解放復元することになり開閉ロッド61と共に蓋体2を開口部10から開口方向へ付勢する。
この結果、水田水位調節装置Aは、図8に示すように、水位の低下に連動してフロート樹脂板4が降下し、水路パイプ1の開口部10を開口状態、すなわち開口部10と蓋体2との間に吐水隙間8を形成し、用水管102からの用水を水田に吐出給水する。
次に、本実施形態に係る水田水位調節装置Aの給水状態から止水作動する状態について説明する。
フロート樹脂板4は、上述のように給水作動開始することにより徐々に上昇する水位によって浮上する。フロート樹脂板4の浮上に応じてワイヤ3は上方向に引張られて開閉ロッド61を開口付勢バネ62に抗して蓋体閉蓋方向に引張る。
すなわち、フロート樹脂板4の低下水位から適正水位への変位距離分だけワイヤ3の緊張応力となって蓋体2の閉蓋作動を行い給水停止状態をつくる。
換言すれば、上昇水位に応じたフロート樹脂板4の浮力が、引張したワイヤに伝わり開口付勢バネ62の付勢に抗して開閉ロッド61が蓋体2を閉方向に変位作動させる。
その結果、給水時に開口していた水路パイプ1の開口部10が蓋体2により閉蓋して吐水隙間8が解消し、図7に示すように止水状態となる。
以上のように、水田水位調節装置Aは、給水により上昇した水位変動をフロート樹脂板4により常に検出して、緊張するワイヤ3によって開閉ロッド61を引張って適正水位となるまで蓋体2を徐々に閉蓋方向に移動する。最終的に適正水位になれば給水を完了すべく完全閉蓋状態として止水する。
このように水田水位調節装置Aは、水田の水位変動をフロート樹脂板4により常に検出して、フロート樹脂板4と水路パイプ1との間に緊張したワイヤ3を介し、水位変動に連動した水路パイプ1の蓋体2の開閉動作、並びに開口程度の調整を自動的に行う。
本発明に係る水田水位調節装置によれば、水田の水位の増減に伴う僅かな水面変動をフロート樹脂板により感知し水田への給水や止水や給水量を水位変動に連動した適切なタイミングで自動的に行うことができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
A 水田水位調節装置
1 水路パイプ
2 蓋体
3 ワイヤ
4 フロート樹脂板
5 連動連結具
7 閉塞蓋
9 アンカ―ボルト
10 開口部
50 ガイドパイプ
52 ワイヤ固定具

Claims (2)

  1. 水路パイプの開口部に開口付勢した蓋体を設け、蓋体には開閉操作用のワイヤ先端を連結し、該ワイヤ基端は水田に浮遊するフロート樹脂板に連動連結具を介して連結すると共に、
    連動連結具は、
    フロート樹脂板の略中央部に立設固定したガイドパイプと、
    フロート樹脂板の下方圃場に立設固定しガイドパイプ内部に下方から遊嵌したアンカ―ボルトと、
    ワイヤ基端をフロート樹脂板の浮沈に応じて緊張弛緩するためにガイドパイプに付設したワイヤ固定具と、より構成したことを特徴とする水田水位調節装置。
  2. アンカ―ボルトには、フロート樹脂板の下方においてワイヤを略直角方向に転換するための遊動輪を設けたことを特徴とする請求項1に記載の水田水位調節装置。
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