<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は振分ユニット650内部の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64や、第1ゲート650aおよび第2ゲート650bを有する振分ユニット650等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図11参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22および選択スイッチ270(a)〜(d)が設けられている。この枠ボタン22および選択スイッチ270(a)〜(d)は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される遊技情報入力画面において遊技情報の入力を行ったり、演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64a、第2入球口64b、普通入賞口67、振分ユニット650、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64a、第2入球口64b、普通入賞口67、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入球した場合に、特別図柄1(第1図柄の一つ)の抽選が行われ、球が第2入球口64bへ入球した場合に、特別図柄2(第1図柄の一つ)の抽選が行われる。特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定され、その後、球が第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを通過した場合に、大当たり種別の判定が行われる。また、特別図柄の大当たりと判定されると、振分部材900が所定時間(例えば、5秒)ごとに、球が第1ゲート650aを通過するようになる位置と球が第2ゲート650bを通過するようになる位置とに切り替わる。そして、特別図柄の大当たり種別が選択されると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。詳細は、後述するが、球が第1ゲート650aを通過した場合と、第2ゲート650bを通過した場合とで、それぞれ専用の抽選により決定される。球が第1ゲート650aを通過した場合には、「大当たりA1」、「大当たりA2」の2種類からいずれかの大当たり種別が決定される。球が第2ゲート650bを通過した場合には、「大当たりB1」、「大当たりB2」、「大当たりC1」、「大当たりC2」の4種類からいずれかの大当たり種別が決定される(図15(a)〜(b)参照)。大当たり種別に応じた回数だけ特定入賞口65aが開放される。また、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口64bに付随する電動役物が開放され、第2入球口64bへ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口64bへ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、第1ゲート650aを通過させた場合に選択される大当たり種別として、「大当たりA1」、「大当たりA2」の2種類が設定されている(図15(a)参照)。また、第2ゲート650bを通過させた場合に選択される大当たり種別として、「大当たりB1」、「大当たりC1」、「大当たりB2」、「大当たりC2」の4種類が設定されている(図15(b)参照)。「大当たりA1」、「大当たりA2」、「大当たりB1」、「大当たりB2」、「大当たりC1」、「大当たりC2」のいずれかの大当たり種別が決定されると、各大当たり種別に応じたラウンド数の特別遊技が実行される。
なお、本実施形態では、大当たりを示す特別図柄が表示されてから、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bのいずれかを遊技球が通過して、大当たり種別が決定されるまでは、大当たり遊技の開始が実行されない構成となっている。
また、本実施形態では、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bのいずれかを遊技球が通過するまで、大当たり遊技が開始されない構成としたが、それに限らず、大当たりを示す特別図柄が表示されてから、所定時間(例えば、1分間)経過しても、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bに遊技球が通過されない場合には、予め定めた大当たり種別または、抽選により決定された大当たり種別で大当たり遊技を開始するように構成してもよい。また、大当たり遊技を実行する権利を消滅させるように構成してもよい。
図15(a)〜(b)に示すように、具体的には、「大当たりA1」は、特定入賞口(大開放口)65aが10回開放される大当たり(10R大当たり)であり、大当たり遊技後には、特別図柄の抽選確率が高確率に設定される確変遊技状態(高確率遊技状態)が、次の大当たりとなるまで付与される。「大当たりA2」は、特定入賞口(大開放口)65aが10回開放される大当たり(10R大当たり)であり、大当たり遊技後に時短遊技状態(特別図柄が低確率で、普通図柄の確率が高確率に設定され、電動役物の開放時間が長くなり、開放回数が多く設定される期間)が、特別図柄が100回変動開始するまでの期間として100回設定される。「大当たりB1」は、特定入賞口(大開放口)65aが4回開放される大当たり(4R大当たり)であり、大当たり遊技後には、特別図柄の抽選確率が高確率に設定される確変遊技状態(高確率遊技状態)が、次の大当たりとなるまで付与される。「大当たりB2」は、特定入賞口(大開放口)65aが4回開放される大当たり(4R大当たり)であり、大当たり遊技後に時短遊技状態(特別図柄が低確率で、普通図柄の確率が高確率に設定され、電動役物の開放時間が長くなり、開放回数が多く設定される期間)として特別図柄が100回変動開始するまでの期間として100回設定される。「大当たりC1」は、特定入賞口(大開放口)65aが16回開放される大当たり(16R大当たり)であり、大当たり遊技後には、特別図柄の抽選確率が高確率に設定される確変遊技状態(高確率遊技状態)が、次の大当たりとなるまで付与される。「大当たりC2」は、特定入賞口(大開放口)65aが16回開放される大当たり(16R大当たり)であり、大当たり遊技後に時短遊技状態(特別図柄が低確率で、普通図柄の確率が高確率に設定され、電動役物の開放時間が長くなり、開放回数が多く設定される期間)が、特別図柄が100回変動開始するまでの期間として100回設定される。なお、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」は、確変遊技の間、普通図柄の時短遊技状態も付与される。また、1ラウンドの特定入賞口65aの開放時間は30秒間経過するまでか、特定入賞口65aに10球の遊技球が入球するまでに設定されている。
ここで、「特別図柄の確変遊技状態(高確率状態)」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の通常遊技状態(低確率状態)」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口64bに付随して設けられて理宇電動役物が遊技球を第2入球口64bへと誘導する状態(逆ハの字(図2参照))に可変され易くなり、第2入球口64bへ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず普通図柄の時短期間と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を変えている。これに対して、大当たりの種別によらず、ラウンド数を固定としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA1」になると、その「大当たりA1」終了後から特別図柄の抽選が3回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB1」になると、その「大当たりB1」終了後から特別図柄の抽選が6回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりC1」になると、その「大当たりC1」終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
更に、普通図柄の当たり確率をアップさせる代わりに、第2入球口64bに付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
ここで、図3を参照して、振分ユニット650の構成について説明する。図3(a)〜(b)は、振分ユニット640の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、内部が視認可能なように構成されている。なお、本実施形態では内部が視認可能な部材としたが、内部が視認不可能な部材とし、どちらに振り分けられる状態であるかが、振分ユニットを視認しただけではわからないように構成してもよい。これにより、後述するどちらに振り分けられる状態であるかを示唆するナビ表示(例えば、図8)に、遊技者の注意を向けさせることができる。
振り分けユニット640の上部には、遊技球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を通過した遊技球は、振分部材900によって、その下方に配置された第1ゲート650aと第2入球口650bとのどちらかに振り分けられる。振分部材900は、遊技球が第1ゲート650aへ振り分けられる位置と遊技球が第2ゲート650bへ振り分けられる位置とに、所定時間ごとに切り替えられるものである。この切り替え動作は、振分部材900の軸(図示せず)を中心として、振分部材900の軸に繋がっているソレノイド(図示せず)が励磁されることによって行われ、大当たりの発生を契機として切り替え動作が開始され、大当たりの発生から所定期間経過後に切り替え動作が終了する。これにより、第1ゲート650aおよび第2ゲート650bへの入球が必要な場合にのみ、振分部材900の切り替えを行うことで、電力消費を抑えることができる。
ここで、図3(a)は、振分部材900が右側の位置に傾動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に通過口を遊技球が通過すると、右側の位置に傾動した状態の振分部材900によって第1ゲート650aに遊技球が誘導される。また、図3(b)は、振分部材900が左側の位置に傾動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に通過口を遊技球が通過すると、左側の位置に傾動した状態の振分部材900によって第2ゲート650bに遊技球が誘導される。
本パチンコ機10では、電源の投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、どの種別の大当たりになっても、その特別図柄の大当たり終了後から次に特別図柄の抽選が大当たりとなるまで継続される。そして、次の大当たりが確変大当たりでなかった場合(大当たりA2、大当たりB2または大当たりC2)は「特別図柄の低確率状態」に戻る。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「普通図柄の時短状態」に移行した後、5回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示され、第2入球口64bへ入球した場合にも、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第なお、本実施形態においては、第1入球口64a、第2入球口64bへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、または、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA1、大当たりA2、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC1、大当たりC2)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64aへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選が大当たりAまたは大当たりBであった場合に、大当たり種別によらずに、「0」から「9」までの全ての数字が揃う可能性がある。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中のラウンド間に行われるインターバル演出と同様の演出(疑似インターバル演出)を、大当たり終了後の所定の期間(特殊変動期間)で実行するように構成されている。この疑似インターバル演出を効果的に行うために、大当たりとなる場合に表示される主図柄の種別によって大当たり種別を予測することが困難となるように構成している。また、大当たりCであった場合には、「341」のばらけ目で構成されたチャンス目が表示される。なお、本実施形態では、チャンス目は「341」の1種類としたがそれに限らず、その他のばらけ目で構成してもよいし、リーチ外れ目の一つをチャンス目として設定してもよい。
特別図柄1と特別図柄2との抽選遊技の抽選結果を示す特別図柄の変動表示は同時には行われず、どちらか一方のみが行われる。特別図柄1と特別図柄2とに対応する保留球がそれぞれ記憶されている場合には、その遊技状態に設定されている優先度に基づいて、優先に設定されている特別図柄の変動が設定される。本実施形態では、普通図柄が時短遊技状態に設定される以外の遊技状態(通常遊技状態と時短状態が設定されていない確変遊技状態(大当たりC後の100回))では、特別図柄1の変動が優先に実行される。一方、普通図柄の時短状態が設定されている遊技状態では、特別図柄2の変動が優先に実行される。
本実施形態では、図15(a)〜(b)に示したように、第1ゲート650aの通過に基づく大当たりでは10ラウンドの大当たりのみが選択されるように設定されており、第2ゲート650bの通過に基づく大当たりでは、4ラウンドの大当たりが50%の確率で選択され、16ラウンドの大当たりが50%の確率で選択されるように設定されている。高確率遊技状態に移行する大当たりの割合としては、第1ゲート650aの通過に基づく大当たりと第2ゲート650bの通過に基づく大当たりとでそれぞれ50%となっており同一の割合で構成されている。
図5に戻って説明を続ける。図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64aに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、対応する副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。また、第2入球口64bの保留球についても、第1入球口64aと異なる保留球数図柄を用いて同様に設定される。
なお、本実施形態においては、第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行い、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口64bに付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口64bに球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64aまたは第2入球口64bと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64aおよび第2入球口64bが配設されている。この第1入球口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。第2入球口64bについても同様に、球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄2の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。第1入球口64aおよび第2入球口64bは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。また、詳細は後述するが、第1入球口スイッチまたは第2入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110のスイッチ読み込み処理(S101)にて入賞した球の数である入賞球数と、賞球として払いだされる球の数である獲得球数とが、入賞検知情報エリア203mに格納される。
第1入球口64aおよび第2入球口64bの下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64a,64b,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。その図示しない球排出路には、アウト口を遊技球が通過したことを検知可能にする透過型のアウト口センサ66aが配置されている。このアウト口センサ66aを遊技球が通過することに基づいて、音声ランプ制御装置114に対して、アウト球検出コマンドを出力して、アウト口66を遊技球が通過したことを通知する構成となっている。
また、遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図11参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図11参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次いで、図6を参照して、第3図柄表示装置81において表示される、遊技情報入力画面について説明する。以下の説明では、19時00分(現在時刻)の時点において、遊技終了時刻を21時00分、目標差玉を1000球に設定する場合を例にとって説明を行う。図6(a)は、枠ボタン22を押下し、遊技情報入力画面が表示された時点の表示の例を示す図である。図6(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の下部分に左から「設定」、「リセット」、「戻る」のボタンが設けられ、それらのボタンの上に、上から「遊技終了時刻」、「目標差玉」を入力する欄が設けられており、遊技終了時刻の時間の欄にカーソルが表示されている。
ここで、上スイッチ270aを2回押下することで、遊技終了時刻の時間の欄の数値を21に変更する。上スイッチ270aの押下に応じて、数値が19から20、21へと変化する。次に、右スイッチ270bを2回押下することで、カーソル位置を目標差玉の欄の1000の位へ移動させる。そして、上スイッチを1回押下することで、目標差玉を1000球に変更する。その後、右スイッチを2回押下することで、カーソル位置が設定ボタンへと移動し、設定ボタンが選択中であることを示す表示に変わる(図6(b))。この状態で枠ボタン22を押下することにより、遊技終了時間が21時00分、目標差玉が1000球で設定される。
次に、図7〜図8を参照して、大当たり発生時のナビ表示の例について説明する。まず、第3図柄表示装置81において大当たりとなる図柄が表示され、大当たりが発生すると、大当たりの発生を示唆する表示(図7(a))が表示され、大当たり遊技の開始方法の説明を行う表示(図7(b))が表示される。より具体的には、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bに遊技球を通過させることで、大当たり遊技が開始されることの説明が表示され、それぞれのゲートによって得られる大当たり遊技の内容(例えば10Rなど)が表示される。また、遊技情報が入力されていれば、その遊技情報の遊技終了時刻、目標差玉および現在時刻に基づいて、どちらのゲートがおすすめであるかの表示(図7(b)では左ゲートがおすすめ)が表示される。更に、現在時刻から遊技終了時刻までが所定時間(例えば30分)以内である場合には、大当たり遊技の内容と合わせて遊技終了時点での予測差玉数を表示する。これにより、遊技終了時点での予測差玉を遊技者が計算する必要がなくなり、ゲート選択する際の判断を遊技者が容易に行えるようにできる。
大当たり遊技の開始方法の説明を行う表示(図7(b))が表示された後、第3図柄表示装置81において遊技球がどちらのゲートへ誘導されるタイミングであるかを示唆するナビゲート表示が表示される(図8(a)〜(b))。振分ユニット640へ入球した遊技球をどちらかのゲートに振り分ける振分部材900は、所定時間ごとに位置が切り替わるように構成されている。図8(a)は振分ユニット640へ入球した遊技球が第1ゲート650aへ誘導されるタイミングであることを示唆する表示であり、振分部材900の位置が切り替わるまでの残時間を、画面下部の「開放中」との表示の背面にある5個の枠を点灯または消灯することで表示している。具体的には、振分部材900の位置が第1ゲート650aへ球を誘導する位置へと切り替わると、その5個の枠全てが点灯状態となり、残り時間が1/5経過(本実施形態では1秒)するごとに、点灯している枠のうち最も右のものから消灯していく。すべての枠が消灯すると、振分部材900の位置が切り替わる。図8(b)は振分ユニット640へ入球した遊技球が第2ゲート650bへ誘導されるタイミングであることを示唆する表示であり、残時間が上述した内容と同様にして表示される。
次に、図9を参照して、遊技終了時刻となった場合の表示の例について説明する。まず、以下の説明では、遊技終了時刻を21時00分、目標差玉を1000球との設定がなされ、現在時刻が21時00分となった際に遊技を終了する場合を例にとって説明を行う。現在時刻が遊技終了時刻である21時00分となると、遊技終了時刻であることを示唆する表示(図9(a))が第3図柄表示装置81において表示される。図9(a)には、遊技終了時刻であることを示唆すると共に、遊技終了時刻を延長して遊技をするか否かの確認を行うために、画面下部に左から「延長する」、「延長しない」のボタンが設けられている。初期状態ではカーソルが「延長しない」の位置となっており、「延長しない」のボタンが点灯した状態となっている。このカーソル位置は右スイッチ270bまたは左スイッチ270dを押下することで、変更することができる。次いで、カーソル位置が「延長しない」の状態で枠ボタン22を押下すると、遊技結果が表示される(図9(b))。遊技結果には、遊技を行った日時、遊技時間、目標差玉、差玉結果などが表示される。また、目標差玉と差玉結果とに基づいたコメントが表示される。なお、カーソル位置が「延長する」の状態で枠ボタン22を押下すると、遊技情報入力画面(図6)が表示され、遊技情報を新たに入力することで、遊技終了時刻を延長して遊技を継続することができる。
図10(a)を参照して、バックアップ領域に保存した遊技情報を用いて遊技を継続するか否かを選択する表示の例について説明する。この表示は、遊技情報が入力された状態で停電などにより電源断となると、その遊技情報がバックアップ領域に保存され、電源が復旧した場合に表示されるものである。バックアップ領域に保存した遊技情報を用いて遊技を継続するか否かの確認を行うために、画面下部に左から「継続する」、「継続しない」のボタンが設けられている。初期状態ではカーソルが「継続しない」の位置となっており、「継続しない」のボタンが点灯した状態となっている。このカーソル位置は右スイッチ270bまたは左スイッチ270dを押下することで変更でき、枠ボタン22を押下することで、選択することができる。「継続する」が選択されると、バックアップ領域に保存されていた遊技情報でナビ遊技が開始されたものとなり、「継続しない」が選択されるとナビ遊技は開始されない。
図10(b)は枠ボタン22および選択スイッチ270(a)〜(d)を模式的に示した図である。枠ボタン22の上に上スイッチ270aが、右に右スイッチ270bが、下に下スイッチ270cが、左に左スイッチ270dが設けられている。上述したように、枠ボタン22および選択スイッチ270(a)〜(d)は第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される遊技情報入力画面において遊技情報の入力を行ったり、演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作されるものである。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図11を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、図12、および図13を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図35参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203iに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64aと第2入球口64bとへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図35参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aまたは第2入球口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられる。即ち、第1当たり乱数テーブル202a(図14(b))は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aと、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202とで構成され、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aと、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aまたは第2入球口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0〜2」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図14(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「0〜29」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図14(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/40」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図14(c))とに基づいて大当たり種別が決定される。第1当たり種別選択テーブル202bには、大当たり発生後に、球が第1ゲート650aを通過した場合に用いられる第1ゲート用選択テーブル(図15(a))と、球が第2ゲート650bを通過した場合に用いられる第2ゲート用選択テーブル(図15(b))があり、その第1ゲート用選択テーブルまたは第2ゲート用選択テーブルに基づいて大当たり種別が決定される。図15(a)に示すように、第1ゲート通過に基づく大当たり種別の抽選結果は、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA1」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA2」となる。一方、図15(b)に示すように、第2ゲート通過に基づく大当たり種別の抽選結果は、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜24」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB1」となる。また、値が「25〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC1」となる。また、値が「50〜74」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB2」となり、値が「75〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC2」となる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aまたは第2入球口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64aへの球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64aへの球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図16(b)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。なお、この変動種別カウンタCS1の値は、変動開始時に主制御装置110もMPU201によって取得されるカウンタ値である。
変動パターン選択テーブル202d(図16(b)〜(d)参照)には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、この変動パターン選択テーブル202dに規定されている、5秒〜30秒の変動パターン演出の変動時間としては、例えば、5秒〜30秒の変動時間が規定されている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図16(a)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル(図16(a)参照)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図16(a)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64aの解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64aへ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図35参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図11に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図35参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図34参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図33参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図13に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変中フラグ203gと、時短中カウンタ203hと、先読み確変中フラグ203iと、カウンタ用バッファ203jと、大当たりフラグ203kと、入賞検知情報格納エリア203mと、ゲート用計時カウンタ203nと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1入球口64a(特別図柄1)専用の記憶エリアであり、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測(推定)する。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、第2入球口64b(特別図柄2)専用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第1入球口64a(特別図柄1)が第2入球口64b(特別図柄2)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図28のS504参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS211、図28のS505参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口64b(特別図柄2)の保留球数をカウントするためのカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第1入球口(特別図柄1)が第2入球口64b(特別図柄2)に変わる点で相違するのみでありその他の点については同一であるので詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、図28のS510の処理により1ずつ加算され、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS205参照)。また、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS206、図28のS511参照)。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図31のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図30のS705参照)。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図31のS805)。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図31のS803:No)。
確変中フラグ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変中フラグ203gの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中フラグ203gの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変中フラグ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じてオンまたはオフが設定される。具体的には、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」の場合はオンが設定され、「大当たりA2」、「大当たりB2」、「大当たりC2」の場合はオフが設定される。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理(図27参照)または特別図柄2変動開始処理(図26参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理では、確変中フラグ203gの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変中フラグ203gの値がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203hは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりA、大当たりBの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、全ての大当たり種別において100が設定される。その後、時短中カウンタ203hの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図25のS221)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203hの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図30のS710,S711参照)。
先読み確変中フラグ203iは、抽選結果を先読みする時点において(図29のS603またはS604)パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、先読み確変中フラグ203iの値がオンであれば、抽選結果を先読みする時点においてパチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、先読み確変中フラグ203iの値がオフであれば、抽選結果を先読みする時点においてパチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この先読み確変中フラグ203iは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、特別図柄の抽選結果の先読み処理における抽選結果を取得し、大当たりの抽選結果が取得された場合に、大当たり種別に応じてオンまたはオフが設定される(図29のS607またはS609)。具体的には、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」の場合はオンが設定され、「大当たりA2」、「大当たりB2」、「大当たりC2」の場合はオフが設定される。
MPU201によって始動入賞処理(図28)が実行され、遊技球が新たに入賞したと判定された場合に、先読み処理(図29)が行われる。先読み処理では、先読み確変中フラグ203iの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選結果の先読みが行われる一方、先読み確変中フラグ203iの値がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a基づいて、特別図柄の抽選結果の先読みが行われる。
カウンタ用バッファ203jは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
大当たりフラグ203kは、大当たりの発生有無を示すフラグである。大当たりフラグ203kがオンになっている場合に、MPU201によるゲート処理(図38)によって振分部材900の位置が所定時間毎に切り替えられるようになり、MPU201による大当たり種別決定処理(図36)によって、遊技球が第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを通過することに基づいて、大当たり種別が選択されるようになる。
入賞検知情報格納エリア203mは、一般入賞口63、第1入球口64a、第2入球口64bに遊技球が入賞したことに基づいて、入賞した遊技球の数(入賞球数)と、入賞口に応じて予め定められている獲得できる遊技球の数(獲得球数)とを格納する領域である。この入賞検知情報格納エリア203mは、後述する主制御装置110において実行されるスイッチ読み込み処理(S101)にて検出した遊技球の入賞に応じた値が格納され、主制御装置110において実行されるセンサ検出処理(S109)にて格納した値に基づいて、入賞球検出コマンドが設定され、値が初期化される。
ゲート用計時カウンタ203nは、振分部材900の位置を所定時間で切り替えるための、所定時間を計測するためのカウンタである。このゲート用計時カウンタ203nは、後述する主制御装置110において実行されるゲート制御処理(S1402)にて1ずつ加算され、値が1250になると0に初期化されると共に振分部材900の位置が切り替わるよう構成されている。ここで、ゲート制御処理(S1402)は4ms毎に実行されるため、振分部材900を5秒毎に切り替えることができる。
その他メモリエリアは203z、は上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
図11に戻って説明を続ける。上述の通り、主制御装置110のMPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。このROM202について、図14〜図16を参照して説明する。
図14(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図14(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図14(c)参照)には、第1ゲート650aの通過に基づいて用いられる第1ゲート用選択テーブル202b1(図15(a)参照)と第2ゲート650bの通過に基づいて用いられる第2ゲート用選択テーブル202b2(図15(b)参照)とが含まれている。第1ゲート用選択テーブル202b1と第2ゲート用選択テーブル202b2とは大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。
図15(a)に示すように、第1ゲート用選択テーブル202b1は、大当たりA1と大当たりA2とがそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりA1の判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりA2の判定値として「50〜99」が設定されている。また、図15(b)に示すように、第2ゲート用選択テーブル202b2は、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC1、大当たりC2がそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりB1の判定値として、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が、大当たりB2の判定値として「25〜49」が、大当たりC1の判定値として「50〜74」が、大当たりC2の判定値として「75〜99」が、それぞれ設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図16(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図16(a)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口64bに付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口64bに付随する電動役物が「1秒間×2回」開放される。
変動パターン選択テーブル202d(図14(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図14(d)に示すように、変動パターン選択テーブル202dは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターンテーブル202d1(図16(b)参照)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図16(c)参照)と、当否判定結果が外れであり、確変遊技状態である場合専用の外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3(図16(d)参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。この他、図示は省略したが、時短遊技状態の変動パターン選択テーブル等が設定されている。
図11に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。各種スイッチ208には入賞球を検知するためのセンサ(図示せず)が含まれている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図33参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(10個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(10個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、選択スイッチ270(a)〜(d)、RTC260などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、遊技情報を入力するための遊技情報入力画面(図6)を表示したり、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。遊技情報入力画面を表示させる場合は、表示用遊技情報入力開始コマンドを表示制御装置114へ送信し、ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、選択スイッチ270(a)〜(d)からの入力を監視し、遊技情報入力画面(図6)の表示中など、選択スイッチ270(a)〜(d)の操作が必要な画面の表示中において、遊技者によって選択スイッチ270(a)〜(d)が操作された場合は、遊技情報入力画面の表示を更新するための表示用入力画面更新コマンドを、表示制御装置114へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図17を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル、ナビ選択テーブル222aが少なくとも格納されている。変動パターンテーブルについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
ナビ選択テーブル222aは、図18に示す通り、残目標ラウンド数、遊技時間が終盤であるか否か、保留に大当たりがあるか否かによって、選択するナビ種別を規定するものである。残目標ラウンド数は、遊技情報に入力された目標差玉と遊技情報集計エリア223iの総打込球数カウンタ223i1の値(P1)と総獲得球数カウンタ223i2の値(P2)から算出される現時点での差玉数(P2−P1)との差を、1R差玉数で除算することにより算出されるものであり、遊技時間が終盤であるか否かの判定は、現在時刻格納エリア223qのデータである現在時刻から遊技情報格納エリア223hのデータである遊技終了時刻までの時間が所定時間以内(本実施形態では30分以内)であるか否かによって判定されるものであり、保留に大当たりがあるか否かは、入賞情報格納エリア223aの特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の第1〜第4エリアに大当たりとなる入賞情報があるか否かによって判定されるものである。
残目標ラウンド数が0以下(即ち、現時点での差玉数が目標差玉を上回っている)場合は、遊技の終盤であるか否か、保留に大当たりがあるか否かに関わらず、ゲートの選択を遊技者にお任せする(即ち、どちらのゲートがおすすめであるかの表示を行わない)表示であるナビ種別Aが選択される。これは、既に目標差玉を上回っており、どちらのゲートを選択しても目標差玉に到達する(到達している)からである。
残目標ラウンド数が1〜4である場合は、遊技の終盤であるか否か、保留に大当たりがあるか否かに関わらず、第2ゲート650bをおすすめする表示であるナビ種別Bが選択される。これは、第2ゲート650bを遊技球が通過することにより選択される大当たり種別は、4ラウンドの大当たりであるB1、B2または16ラウンドの大当たりであるC1、C2であるので、どの大当たり種別が選択されたとしても、目標差玉に到達することができるからである。
残目標ラウンド数が5〜10であり、保留に大当たりが無い場合は、遊技の終盤であるか否かに関わらず、第1ゲート650aをおすすめする表示であるナビ種別Cが選択される。一方、保留に大当たりがある場合は、遊技の終盤であるか否かに関わらず、第2ゲート650bをおすすめする表示であるナビ種別Bが選択される。これは、第1ゲート650aを遊技球が通過することにより選択される大当たり種別は10ラウンドの大当たりであるA1、A2であるので、どちらの大当たり種別が選択されたとしても、目標差玉に到達することができるからである。また、保留に大当たりがある場合においては、第2ゲート650bに遊技球を通過させ、4ラウンドの大当たりであるB1またはB2が選択されたとしても、保留の大当たりにおいて、第1ゲート650aに遊技球を通過させることで、目標差玉に到達することができるからである。なお、保留に大当たりがある場合に先に目標差玉に到達しない可能性のある第2ゲート650bをおすすめするようにしたのは、第2ゲート650bの大当たり種別の選択において、目標差玉に到達しない4ラウンドの大当たり種別B1、B2が選択され、遊技者が興醒めしたとしても、その後に大当たりとなることで、遊技者にとって思いがけない大当たりの獲得を演出でき、遊技者の興趣を向上させることができるからである。ただし、本実施形態においては、保留に大当たりがある場合に、先に目標差玉に到達しない可能性のある第2ゲート650bをおすすめするようにしたが、これに限られず、先に確実に目標差玉に到達する第1ゲート650aをおすすめするようにしても良い。これにより、目標差玉に到達しないかもしれないとの不安を本実施形態と比べて早期に取り除くことができ、遊技者が安心して遊技を実行することができる。
残目標ラウンド数が11〜14であり、保留に大当たりがなく、遊技の終盤でもない場合は、第1ゲート650aをおすすめする表示であるナビ種別Cが選択される。これは、遊技終了時刻までまだ遊技時間が残っているので、着実に目標差玉に近づけることを目的としている。一方、保留に大当たりがある場合や、遊技の終盤である場合には、第2ゲート650bをおすすめする表示であるナビ種別Bが選択される。これは、遊技の終盤でなく、保留に大当たりがある場合は、第2ゲート650bに遊技球を通過させ、4ラウンドの大当たりであるB1またはB2が選択されたとしても、保留の大当たりにおいて、第1ゲート650aに遊技球を通過させることで、目標差玉に到達することができるからである。なお、保留に大当たりがある場合に先に目標差玉に到達しない可能性のある第2ゲート650bをおすすめするようにしたのは、第2ゲート650bの大当たり種別の選択において、目標差玉に到達しない4ラウンドの大当たり種別B1、B2が選択され、遊技者が興醒めしたとしても、その後に大当たりとなることで、遊技者にとって思いがけない大当たりの獲得を演出でき、遊技者の興趣を向上させることができるからである。また、遊技の終盤である場合には、遊技時間が十分に残されておらず、この大当たり遊技で目標差玉に到達する必要があるため、この大当たり遊技で目標差玉に到達する(16ラウンドの大当たり遊技が選択される)可能性のある、第2ゲート650bをおすすめするようにしている。
残目標ラウンド数が15〜16であり、遊技の終盤ではない場合は、保留に大当たりがあるか否かに関わらず、第1ゲート650aをおすすめする表示であるナビ種別Cが選択される。これは、遊技終了時刻までまだ遊技時間が残っているので、着実に目標差玉に近づけることを目的としており、保留に当たりがある場合は、保留の大当たりにおいても第1ゲート650aを選択することにより、目標差玉に到達することができるためである。一方、遊技の終盤である場合には、遊技時間が十分に残されておらず、この大当たり遊技で目標差玉に到達する必要があるため、この大当たり遊技で目標差玉に到達する(16ラウンドの大当たり遊技が選択される)可能性のある、第2ゲート650bをおすすめするようにしている。
残目標ラウンド数が17以上であり、遊技の終盤ではない場合は、保留に大当たりがあるか否かに関わらず、第1ゲート650aをおすすめする表示であるナビ種別Cが選択される。これは、遊技終了時刻までまだ遊技時間が残っているので、着実に目標差玉に近づけることを目的としている。一方、遊技の終盤である場合には、遊技時間が十分に残されておらず、この大当たり遊技で目標差玉に到達する必要があるため、この大当たり遊技で目標差玉に到達する(16ラウンドの大当たり遊技が選択される)可能性のある、第2ゲート650bをおすすめするようにしている。
以上、説明したとおり、ナビ選択テーブル222aは、大当たり遊技で得られる遊技価値によって適宜設計すべきものであり、上述した内容に限られるものではない。また、保留に大当たりが複数含まれている場合について、別途テーブルを用意して規定しても良い。これにより、目標差玉に到達させるためのナビ表示を更に精度良く選択することができる。更に、大当たり発生時に遊技者の選択した第1ゲート650aまたは第2ゲート650bの情報を記録しておき、その記録した情報を基にテーブルの内容を変更するものであっても良い。
また、図17に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223e、遊技情報入力フラグ223f、釦演出禁止フラグ223g、遊技情報格納エリア223h、遊技情報集計エリア223i、ナビ遊技フラグ223j、延長確認フラグ223k、継続確認フラグ223m、継続確認中フラグ223n、カーソル位置格納エリア223p、現在時刻格納エリア223q、入力領域223r、電源断フラグ223y、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、8つのエリア(特別図柄1用の第1エリア〜第4エリア、特別図柄2用の第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている特別図柄1の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64aへの入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図36のS1607参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bと同様に、主制御装置110において保留されている特別図柄2の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄1保留球数カウンタ223bとは、第2入球口64bへの入球によって保留球数が加算され、第3図柄表示装置81において特別図図柄1の保留球数図柄の表示とは異なる特別図図柄2の保留球数図柄の表示に用いられる点でのみ相違し、その他は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図42のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図60のS3702参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図42のS1905参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図60のS3707参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
遊技情報入力フラグ223fおよび釦演出禁止フラグ223gは、初期状態ではオフに設定されている。遊技情報入力画面を表示可能な期間(枠ボタン22または選択スイッチ270(a)〜(d)の操作の必要な演出が表示されていない期間)において、枠ボタン22が押下されることにより、オンに設定され(図50のS2704)、第3図柄表示装置81において遊技情報入力画面が表示される(図50のS2705)。この遊技情報入力フラグ223fがオンに設定されることにより、表示されている遊技情報入力画面に対応した、枠ボタン22または選択スイッチ270(a)〜(d)の操作に基づく処理を実行するようになる(図50のS2701:Yes)。また、釦演出禁止フラグ223gがオンに設定されることにより、第3図柄表示装置81において遊技情報入力画面が表示されている間、枠ボタン押下の必要な演出が表示されないように構成されている。そして、遊技情報入力画面においてカーソル位置が設定、リセット、戻る、のいずれかの場合に枠ボタンが押下された場合に、遊技情報入力画面の表示が終了すると共に、オフに設定される(図56のS3314)。これにより、枠ボタン押下の必要な演出が表示されるようになり、その演出に対応した枠ボタン22または選択スイッチ270(a)〜(d)の操作に基づく処理を行うことができるようになる。なお、本実施形態では、遊技情報入力画面の表示中以外において、枠ボタン22または選択スイッチ270(a)〜(d)の操作の必要な演出が表示されないようにしたい場合に、遊技情報入力フラグ223fおよび釦演出禁止フラグ223gを分けて用意することにより、釦演出禁止フラグ223gのオンオフを設定することで対応できる拡張性の高い構成としたが、これに限らず、遊技情報入力フラグ223fがオンとなっている場合に、枠ボタン22または選択スイッチ270(a)〜(d)の操作の必要な演出が表示されないように構成してもよい。これにより、釦演出禁止フラグ223gを不要とすることができ、RAM223の領域を節約することができる。
遊技情報格納エリア223hは、遊技時間格納エリア223h1および目標差玉格納エリア223h2を備え、上述した遊技情報入力画面(図6)において、入力された遊技情報(遊技終了時刻、目標差玉)を格納しておき、ナビ表示(図8)の表示態様を決定したり(図44のS2106またはS2108)、遊技が終盤であるかを判定したり(図44のS2105)、遊技の終了を判定するため(図57のS3404)に用いられる領域である。初期状態では遊技時間格納エリア223h1のデータである遊技終了時刻は0時00分、目標差玉格納エリア223h2のデータである目標差玉は0球が設定されている。遊技情報入力画面(図6)において、カーソル位置が設定の場合に枠ボタン22が押下され、エラー(遊技終了時刻が現在時刻よりも前など)とならなかった場合に、遊技時間格納エリア223h1に遊技終了時刻が、目標差玉格納エリア223h2に目標差玉が設定される。この遊技時間格納エリア223h1および目標差玉格納エリア223h2は上述した遊技延長確認画面(図9(a))においてカーソル位置が延長する場合に枠ボタン22が押下されると、初期化されるものである(図58のS3512)。また、遊技情報入力画面(図6)において、カーソル位置がリセットの場合に枠ボタン22が押下された場合にも、初期化される(図56のS3309)。これにより、遊技終了時刻が到来したことによりまたは遊技者が自発的に、遊技を終了する場合に、遊技情報を初期化でき、その後に遊技を行う他の遊技者によって、入力していた遊技情報が参照されることがないようにできる。
遊技情報集計エリア223iは、総打込球数カウンタ223i1と、総獲得球数カウンタ223i2と、開始差玉格納エリア223i3と、1R差玉格納エリア223i4とを備えている。総打込球数カウンタ223i1には、遊技情報が入力されてからの遊技者が遊技盤13の前面へ打ち込んだ球の合計数(総打込球数)が、総獲得球数カウンタ223i2には、遊技情報が入力されてからの遊技者が獲得した賞球数の合計数(総獲得球数)が、開始差玉格納エリア223i3には、大当たり遊技の開始時点での総打込球数と総獲得球数との差玉数が、1R差玉格納エリア223i4には、前回の大当たり遊技で実質的に得られた1R当たりの獲得球数が、格納される。
総打込球数カウンタ223i1は、一般入賞口63、第1入球口64a、第2入球口64b、特別入賞口65a、アウト口66または普通入賞口67への遊技球の入球に基づいて主制御装置110から送信される入賞球検出コマンドまたはアウト球検出コマンドを受信した場合に、更新される(図47のS2402、図48のS2502)。この総打込球数カウンタ223i1の値は、ナビ表示の種別を選択するための情報である残目標ラウンド数の算出(図44のS2104)や、ナビ表示(図8)において表示される遊技終了時刻時点での予測差玉数の算出(図44のS2109)などに用いられる。
総獲得球数カウンタ223i2は、一般入賞口63、第1入球口64a、第2入球口64b、特別入賞口65a、または普通入賞口67への遊技球の入球に基づいて主制御装置110から送信される入賞球検出コマンドを受信した場合に、更新される(図47のS2402)。この総獲得球数カウンタ223i2の値は、ナビ表示の種別を選択するための情報である残目標ラウンド数の算出(図44のS2104)や、ナビ表示(図8)において表示される遊技終了時刻時点での予測差玉数の算出(図44のS2109)などに用いられる。
開始差玉格納エリア223i3は、大当たり遊技が開始される際に、総打込球数と総獲得球数との差玉数が格納される(図45のS2202)。この開始差玉格納エリア223i3の値は、大当たり遊技が終了される際に参照され、その大当たり遊技において遊技者が実質的に獲得した球数を算出するために用いられる(図46のS2303)。
1R差玉格納エリア223i4は、大当たり遊技が終了される際に、総打込球数と総獲得球数との差玉数と、上述した開始差玉格納エリア223i3の差玉数との差を、ラウンド数で除算したものが格納される(図46のS2303)。これにより、大当たり遊技の1ラウンドにおいて実質的に得られた獲得球数の平均値が算出できる。この値を用いることで、上述したナビ表示(図8)において表示される遊技終了時刻時点での予測差玉数の算出(図44のS2109)を実際に遊技者が得ることのできる獲得球数で算出できるため、表示された予測差玉数よりも実際に遊技者が得た遊技球の数が少ないことによって、遊技者が感じる不満を低減することができる。また、ナビ表示の種別を選択するための情報である残目標ラウンド数の算出(図44のS2104)においても同様に、実際に遊技者が得ることのできる獲得球数で算出できるため、例えばナビ表示において第1ゲート650aの通過に基づく大当たり遊技(10R)を獲得しても、実際に遊技者が得ることのできる獲得球数が遊技終了時点において目標差玉に到達しない場合において、第1ゲート650aをおすすめするような表示がされることがなく、遊技者がナビ表示に従い遊技を行ったにも関わらず、目標差玉に到達できずに不満を感じることを防止できる。
ナビ遊技フラグ223jは、上述した遊技情報入力画面において入力した遊技情報を基に実行される、ナビ遊技を実行するか否かを設定するためのフラグであり、初期値はオフに設定されている。このナビ遊技フラグ223jは、遊技情報入力画面においてカーソル位置が設定の場合に枠ボタン22が押下され、エラー(入力された遊技終了時刻が現在時刻よりも前)とならなかった場合にオンに設定される(図56のS3304)。このナビ遊技フラグ223jがオンに設定されることで、遊技情報入力画面においてカーソル位置がリセットの場合に枠ボタン22が押下されることにより、遊技情報格納エリアを初期化するようになり(図56のS3308:Yes)、音声ランプ制御装置113におけるナビ遊技処理(図49のS1811)においてナビ遊技終了処理を実行するようになり(図49のS2604:Yes)、音声ランプ制御装置113において電源断コマンドを受信した場合の処理であるデータ記憶処理(図61のS3817)において、ナビ遊技に関わる情報(現在時刻格納エリア223q、遊技情報格納エリア223h、遊技情報集計エリア223iの情報)をRTC260のその他レジスタ263bに保存するようになる(図61のSS3802:Yes)。
延長確認フラグ223kは、遊技情報が入力され、ナビ遊技が実行されている場合に、現在時刻が入力された遊技終了時刻となった場合に、遊技延長確認画面(図9(a))を第3図柄表示装置81に表示し、遊技者に遊技終了時刻であることを示唆すると共に、遊技終了時刻を延長して遊技をするか否かの確認を行うために用いられるものであり、初期状態はオフに設定されている。この延長確認フラグ223kは、遊技情報が入力され、ナビ遊技が実行されている場合に、現在時刻が、入力された遊技終了時刻となった場合に、オンに設定される(図57のS3405)。この延長確認フラグ223kがオンに設定されることで、音声ランプ制御処理113において延長確認処理が実行されるようになる(図57のS3402:Yes)。その後、延長確認処理において、カーソル位置が延長するまたは延長しないかのどちらかの場合に枠ボタン22が押下されると、カーソル位置であったボタンに該当する処理が行われ、延長確認フラグ223kがオフに設定される。これにより、遊技者に、入力された遊技終了時刻が到来したことを示唆することができ、遊技者が予め定めた遊技終了時刻であることを認識した上で、遊技者が遊技を延長することができるため、遊技に熱中しすぎるなどにより、予め定めた遊技終了時刻を経過してしまうことを防止することができる。なお、本実施形態では遊技延長確認画面を表示し、延長するまたは延長しないを遊技者に選択させるように構成したが、これに限らず、遊技終了時刻を経過した場合に、自動的に遊技結果を表示してナビ遊技を終了するようにしてもよいし、遊技者に遊技終了時刻が到来したことを示唆する表示を表示するだけでもよいし、自動的に遊技終了時刻を延長(例えば30分)するものでも良い。これにより、遊技者の操作負担を軽減でき、遊技者が遊技に集中することができる。
継続確認フラグ223mと継続確認中フラグ223nとは、電源断の発生時に保存されたナビ遊技に関わる情報を、電源断から復旧した場合に継続して利用するか否かを確認する遊技継続確認画面(図10(a))を表示するために用いられるものであり、初期状態ではどちらもオフに設定されている。この継続確認フラグ223mは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるデータ読込処理(図40のS1610)にて、RTC260のその他レジスタ263bに格納していた遊技情報のデータを、遊技情報格納エリア223hおよび遊技情報集計エリア223iに格納した場合にオンに設定される(図40のS1705)。この継続確認フラグ223mがオンに設定されることで、音声ランプ制御装置113のナビ遊技処理(図49)において、第3図柄表示装置81において遊技継続確認画面(図10(a))を表示させるための表示用遊技継続確認開始コマンドが設定され、遊技継続確認画面が表示されている場合におけるスイッチ操作に基づく処理を実行するための継続確認中フラグ223nがオンに設定される(図49のS2606:Yes)。そして、この表示用遊技継続確認開始コマンドの設定と継続確認中フラグ223nの設定(オン設定)がされると、継続確認フラグ223mはオフに設定される(図49のS2606:Yes)。
この継続確認フラグ223mがオンに設定されると、音声ランプ制御装置113において、遊技継続確認画面の表示中におけるスイッチ操作に基づく処理を行うナビ遊技継続確認処理が実行されるようになる(図49のS2609:Yes)。このナビ遊技継続確認処理によって、カーソル位置が延長するまたは延長しないの場合に枠ボタン22が押下されると、カーソル位置のボタンに該当する処理が実行され、継続確認中フラグ223nがオフに設定される(図59のS3616)。これにより、電源断の発生時に保存されたナビ遊技に関わる情報を、電源断から復旧した場合に継続して利用可能であることを、遊技者に示唆することができ、電源断の発生時から遊技者が入れ替わっていた場合においては、継続しないを選択することによって、他人の遊技情報で遊技が開始されてしまうことを防止できる。
カーソル位置格納エリア223pは、遊技情報入力画面(図6)や遊技延長確認画面(図9(a))や遊技継続確認画面(図10(a))において、現在選択中または入力中の領域がどこであるかを示すために用いられるものであり、遊技情報入力画面(図6)での初期状態は遊技終了時刻の時刻1の位置となっており、遊技延長確認画面(図9(a))での初期状態は延長しないの位置となっており、遊技継続確認画面(図10(a))での初期状態は継続しないの位置となっている。このカーソル位置格納エリア223pは、上述した遊技情報入力画面(図6)、遊技延長確認画面(図9(a))または遊技継続確認画面(図10(a))において、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されることによって、変更される。具体的には後述するが、例えば、遊技延長確認画面(図9(a))において、カーソル位置が延長しないの位置である場合に、左スイッチ270dが押下されると、カーソル位置が延長するの位置に変更され、カーソル位置が延長しないの位置である場合に点灯していた延長しないのボタンが消灯し、延長するのボタンが点灯することで、カーソル位置が延長するに移動したことが視覚的に認識できるようになっている。
現在時刻格納エリア223qは、音声ランプ制御装置113に入出力ポート205を介して接続されているRTC260の時刻レジスタ263aの現在時刻を取得して格納しておき、入力された遊技情報の時刻がエラー(現在時刻よりも前)でないかの判定(図56のS3302)、遊技終了時刻が到来したか否かの判定(図57のS3404)などのために参照される領域である。この現在時刻格納エリア223qは音声ランプ制御装置113のナビ遊技処理(図49)において、RTC260の時刻レジスタ263aの日付、時刻情報が格納される(図49のS2601)。これにより、RTC260にはバックアップ電源264が設けられているため、電源断が発生した後に復旧したような場合においても、正確な現在時刻を取得することができ、ナビ遊技において遊技終了時刻が到来したか否かを正確に判定することができる。なお、本実施形態ではRTC260による時刻情報を利用するようにしたが、これに限られず、別途タイマ機能を有する処理によってナビ遊技が実行されている遊技時間を計測するようにし、遊技終了時刻ではなく、遊技時間を入力するように構成し、その遊技時間を経過したか否かを判定するようにするものでもよい。これにより、RTC260を不要とすることができ、コストの低減を図ることができる。
入力領域223rは、遊技情報入力画面(図6)において入力された遊技情報を一時的に格納しておく領域である。この入力領域223rには、遊技終了時刻の時間単位のデータを格納するための時刻1入力領域223r1、遊技終了時刻の10分単位のデータを格納するための時刻2入力領域223r2、目標差玉の1000球単位のデータを入力するための差玉1入力領域223r3、目標差玉の100九単位のデータを入植するための差玉2入力領域223r4が設けられている。この入力領域223rは、遊技情報入力画面(図6)の表示中のスイッチ操作に基づいて音声ランプ制御装置113にて実行されるスイッチ判別処理(図51)において、カーソル位置が遊技終了時刻または目標差玉である場合に上スイッチ270aまたは下スイッチ270cが押下されることにより、更新される(図52のS2903,S2907,S2911,S2915、図53のS3003,S3007,S3011,S3015)。そして、この入力領域223rの値に基づいて、表示用入力画面更新コマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと送信されることにより、遊技情報入力画面(図6)の表示を更新することができる。この入力領域223rの値は、遊技情報入力画面において、カーソル位置が設定の場合に枠ボタン22が押下されると、遊技情報格納エリア223hへ保存された後、初期化され(図56のS3303)、カーソル位置がリセットまたは戻るの場合に枠ボタン22が押下されると、初期化される(図56のS3309またはS3312)。ここで、本実施形態では、遊技情報入力画面(図6)が表示される際に、現在時刻格納エリア223qの現在時刻の情報を入力領域223rの時刻1入力領域223r1および時刻2入力領域223r2に設定してから表示するように構成している(図50のS2705)。これにより、遊技終了時刻の入力は現在時刻より後の時刻を入力するものであるため、設定開始が0時00分となっているよりも、遊技者が遊技終了時刻を入力するための操作回数を低減することができる。
電源断フラグ223yは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、データ記憶処理および電源断処理が実行される(図41のS1817およびS1818)。そして、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図39)において、電源断フラグ223yがオンの場合に、RAMの作業領域のクリアおよびデータ読込処理を実行し、電源断フラグ223yがオフに設定される(図39のS1609〜S1611)。これにより、電源断時のデータ記憶処理によって保存された遊技情報を、電源復旧時の立ち上げ処理においてデータ読込処理によって電源断発生前の遊技情報を再度利用でき、ナビ遊技を継続して実行することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図28参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
図11に戻って説明を続ける。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図33参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
RTC260は、リアルタイムクロックと称される時間を計測するための集積回路(IC)であり、入出力ポートを介して音声ランプ制御装置113に接続されている。このRTC260には、時刻の計時を行うためのMPU262、時刻情報などを記憶するレジスタ263およびバックアップ電源264が備えられている。レジスタ263にはMPU262によって計時された日付や現在時刻を記憶する時刻レジスタ263aと、その他レジスタ264bが設けられている。また、バックアップ電源264はMPU262およびレジスタ263に接続されている。よって、このバックアップ電源264により、遊技機の電源が断した後でもMPU262は計時を継続することができ、レジスタに記憶された情報が保持され続ける。本実施形態では、電源断が発生した場合に、その他レジスタ264bに音声ランプ制御装置113のRAMの遊技情報格納エリア223hや遊技情報集計エリア223iの情報を記憶することによって、電源断から復帰したあとにも継続してナビ遊技を実行できるように構成されている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。
ここで、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図34のS1801参照)の終了後に実行される初期化処理(図34のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図64(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図62のS3903,S3904参照)。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。キャラクタROM234に用意されている背面画像(例えば、「街中ステージ」に対応する背面A、「空ステージ」に対応する背面B、「島ステージ」に対応する背面C)はいずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像であり、画像コントローラ237によって、その背面画像が水平方向に左から右へスクロールさせながら第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画が行われる。これにより、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図5参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、遊技情報関連コマンドに関わる表示、大当たり関連コマンドに関わる表示、ラウンド演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりB、大当たりCのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入球口64bへ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第2入球口64bは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口64bへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、遊技情報関連コマンドに関わる表示、大当たり関連コマンドに関わる表示、ラウンド演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図21を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図21は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図23参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図22のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図62参照)の中でオンに設定される(図62のS3905参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図80(b)のS6705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図64(b)のS4201参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図64(b)のS4208参照)および簡易表示設定処理(図64(b)のS4209参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図65〜図76参照)および表示設定処理(図77〜図79参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図80(a)のS6601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図80(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図80参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図77(b)のS4203参照)の中で、ポインタ更新処理(図79のS6305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図64(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図77のS6307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図34のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図81参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図81のS6813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図81のS6814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図82のS6902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図64(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図82のS6902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図24から図38のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を入賞検知情報格納エリア203mに保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図25〜図29を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図30および図31を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、その後、センサ検出処理を実行する(S109)。センサ検出処理(S109)については、図32を参照して後述する。更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S110)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。
次に、特別図柄における変動表示の保留球の有無を判定する。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか否かを判定し(S204)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判定された場合は(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか否かを判定し(S209)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判定された場合は(S209:No)、特別図柄における変動表示の保留球は無いと判定され、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいと判定された場合は(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄2変動開始処理については、図26を参照して後述する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判定され(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判定された場合は(S209:Yes)、特別図柄1の保留球について、上述した特別図柄2の保留球についての処理と同様の処理を行う。なお、特別図柄1変動開始処理については、図27を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(S208)または、図27を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄2変動開始処理または特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄2保留球格納エリア203bまたは特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄2または特別図柄1の停止図柄が設定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たりフラグ203kをオンに設定し(S218)、大当たりコマンドを設定し(S219)、S222の処理へ移行する。
S218の処理においてオンに設定された大当たりフラグ203kによって、後述するメイン処理の大当たり種別決定処理において、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bの通過を契機として大当たり種別が選択されるようになる。具体的な説明は、後述の大当たり種別決定処理(図36)にて行う。
また、S219の処理において設定された大当たりコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たりコマンドを受信すると、表示用大当たりコマンドを表示制御装置114へ送信すると共に(図43のS2002参照)、ナビゲート処理(図43のS2003)によって、表示用ナビ種別コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、大当たりの発生を示唆する表示(図7(a))を表示し、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bへの入球を遊技者へ促す表示(図7(b)、図8)を表示することができる。
一方、S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判別し(S220)、時短中カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合は(S220:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算して(S221)、S222へと処理を移行する。一方、時短中カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S220:No)、S221の処理をスキップして、S222の処理へ移行する。
S219またはS221の処理後に実行されるS222の処理では、S216の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S222)。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(S208)について説明する。図26は、特別図柄1変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄2変動開始処理では、まず、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている特別図柄2の第1乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。次に、S301の処理によって取得した第1乱数カウンタC1の値が、特別図柄2の大当たりであるかを判定するために、確変中であるか否かを判定する(S302)。具体的には、確変中フラグ203gがオン(0より大)であるか否かを判定する。
確変中フラグ203gがオンであると判定された場合は(S302:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値に基づいて大当たりであるか否かの抽選結果を取得し(S303)、S305の処理へ移行する。ここで、特別図柄の抽選結果は、S103の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値(図14(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S303)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜29」の範囲にあれば、大当たりであると判定し、「30〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図14(b)参照)。一方、確変中フラグ203gがオンでないと判定された場合は(S302:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値に基づいて大当たりであるか否かの抽選結果を取得し(S304)、S305の処理へ移行する。ここで、特別図柄の抽選結果は、S103の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値(図14(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S304)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜2」の範囲にあれば、大当たりであると判定し、「3〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図14(b)参照)。
S305の処理では、S303またはS304の処理において取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判定し(S305)、特別図柄2の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりの表示態様を設定する(S306)。S306の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を大当たり図柄に対応した表示態様に設定すると共に、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次いで、S307の処理では、S306の処理で設定された表示態様に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たりの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの大当たり用変動パターンテーブル202d1に基づき決定する(S307)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファ203jに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と図柄変動の種別との関係は、変動パターン選択テーブル202dの大当たり用変動パターンテーブル202d1(図16(b)参照)に規定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲にあればノーマルリーチ、「51〜179」の範囲にあればスーパーリーチ、「180〜198」の範囲にあればスペシャルリーチの変動パターンを決定する(図16(b)参照)。
S305の処理において、特別図柄2の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れの表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次に、外れの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2または202dの外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3に基づき決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファ203jに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307の処理またはS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図35)のS1201の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S213)について説明する。図27は、特別図柄1変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄1変動開始処理では、特別図柄2変動開始処理(S208)と同様の処理を特別図柄1について行う。S401の処理によって特別図柄1の保留球格納エリアにおける実行エリアのデータを取得し、その後、特別図柄2変動開始処理(S208)における処理と同様の処理を行う。具体的な内容については、特別図柄2変動開始処理(S208)における処理と同様であるため、その説明を省略する。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図28は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1入球口64aへの入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S501)。ここでは、第1入球口64aへの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64aに入賞したと判別されると(S501:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S502)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S503)。
そして、第1入球口64aへの入賞がないか(S501:No)、或いは、第1入球口64aへの入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S503:No)、S507の処理へ移行する。一方、第1入球口64aへの入賞があり(S501:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S503:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S504)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S505)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S505の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別カウンタC3の値を取得し、特別図柄1保留球格納エリアに格納し(S506)、S507の処理へ移行する。
S507の処理では、球が第2入球口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S507)。球が第2入球口64bに入賞したと判別されると(S507:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eについて、第1入球口64aに入賞した場合と同様の処理を行う。
より具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S508)、値が上限値(本実施形態では4)未満であれば(S509:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1加算すし(S510)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S511)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別カウンタC3の値を取得し、特別図柄1保留球格納エリアに格納し(S512)、S513の処理へ移行する。
第2入球口64bへの入賞がないか(S507:No)、或いは、第2入球口64bへの入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でなければ(S509:No)、S513の処理へ移行する。
ここで、図29を参照して、S513の先読み処理について説明する。図29は、先読み処理(S513)を示したフローチャートである。この先読み処理(S513)は、始動入賞処理(図28参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入球口64aまたは第2入球口64bに新たな入賞があるかどうかが判定される(S601)。判定の結果、第1入球口64aまたは第2入球口64bに新たな入賞がない場合(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64aまたは第2入球口64bに新たな入賞があった場合(S601:Yes)、変動開始時の遊技状態が先読み確変中であるかどうか否かを判定し(S602)、遊技状態が先読み確変中であれば(S602:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S603)、S605の処理に移る。ここで、S603の処理での判定は特別図柄2変動開始処理(図26)のS303の処理と同様に行う。
一方、S602の処理において、遊技状態が先読み確変中でなければ(S602:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S604)、S605の処理に移る。ここで、S604の処理での判定は特別図柄2変動開始処理(図26)のS304の処理と同様に行う。
次に、S603またはS604で判定された大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定する(S605)。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、抽選結果を抽出し、この情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納することで、ナビゲート処理などに利用する。
S605の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S603またはS604で判定された大当たり判定結果が特別図柄の確変大当たりであるかを判定する(S606)。ここで、確変大当たりであるか否かは、始動入賞処理(図28)のS506またはS512の処理にて格納した第1当たり種別カウンタC2の値によって判定する。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値によって選択される大当たり種別が、第1ゲート650aを通過時に選択される大当たりA1または、第2ゲート650bを通過時に選択される大当たりB1または大当たりC1のいずれかである場合に確変大当たりとなる。これらの大当たり種別と第1種別カウンタC2の値とは第1当たり種別選択テーブル202bによって規定されており、第1ゲート650aを通過時に選択される大当たりA1は第1当たり種別カウンタC2が「0〜49」の場合に選択され(図15(a))、第2ゲート650bを通過時に選択される大当たりB1または大当たりC1は第1当たり種別カウンタC2が「0〜49」の場合に選択される(図15(b))、よって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の場合に確変大当たりであると判定される。
S606の処理によって確変大当たりであると判定された場合は(S606:Yes)、先読み確変中フラグ203iをオン(1)に設定して(S607)、本処理を終了する。一方、S606の処理によって確変大当たりではないと判定された場合は(S606:No)、時短大当たりであるか否かを判定する(S608)。本実施形態では、確変大当たりでない大当たりは全て時短大当たりとなっているため、抽選結果が大当たりで確変大当たりでない場合に時短大当たりであると判断できる。
S608の処理にて時短大当たりであると判定された場合は(S608:Yes)、先読み確変中フラグ203iをオフに設定する(S609)。一方、抽選結果が特別図柄の外れである場合には(S608:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図30は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64aに付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64aに付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定する(S708)。尚、時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が0より大きければ(S708:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば(S708:No)、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203hの値が0でない(即ち、1以上である)場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64aに付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64aに入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64aの直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64aに球が入ることを抑制していても、第1入球口64aには球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64aについての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図16(a)参照)。
S708の処理において、時短中カウンタ203hの値が0である場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図16(a)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定し(S714)、時短中カウンタ203hの値が0より大きいと判定した場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64aに入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64aに付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。
S714の処理において、時短中カウンタ203hの値が0である場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64aに付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定し(S719)、時短中カウンタ203hの値が0より大きければ(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64aの解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64aへ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図35参照)の第2図柄表示更新処理(S1207参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第1入球口64aに付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図35参照)の電動役物開閉処理(S1205参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図31は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が普通入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。尚、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるセンサ検出処理(S109)を説明する。図32は、このセンサ検出処理(S109)を示すフローチャートである。このセンサ検出処理(S109)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、タイマ割込処理で実行されるスイッチ読み込み処理(S101)により設定される、各入賞口への入球に基づく格納エリア203mの情報またはアウト口を遊技球が通過したことに基づいて入賞球検出コマンドまたはアウト球検出コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するための処理である。
センサ検出処理では、まず、入賞検知情報格納エリア203mの情報が有るか否かを判定し(S901)、入賞検知情報が無いと判定されると(S901:No)、S904の処理へ移行する。一方、入賞検知情報が有ると判定されると(S901:Yes)、その入賞検知情報格納エリア203mの情報に基づいて、入賞球数および獲得球数を算出する(S902)。ここで、獲得球数は入賞した入賞口によって決まるものであり、入賞口と獲得球数との関係は、予め規定されているものである。
次いで、算出した入賞球数および獲得球数に基づいて、入賞球検出コマンドを設定する(S903)。ここで設定された入賞球検出コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞球検出コマンドを受信すると、その入賞球検出コマンドから入賞球数、獲得球数の値を抽出し、抽出した値をRAM223の遊技情報集計エリア223iに格納する。
S901またはS903の処理が終わると、遊技球がアウト口を通過した情報があるか否かを判定する(S904)。遊技球がアウト口を通過した情報があれば(S904:Yes)、アウト球検出コマンドを設定する(S905)。ここで設定された入賞球検出コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、アウト球検出コマンドを受信すると、RAM223の遊技情報集計エリア223iの総打込球数カウンタ223i1の値に1加算する。一方、遊技球がアウト口を通過していない場合(S904:No)、S905の処理をスキップし、タイマ割込処理へ戻る。
図33は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1001)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図34を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図34は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1103)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1104)、オンされていれば(S1104:Yes)、処理をS1112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1105)、記憶されていなければ(S1105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1112へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1105:Yes)、RAM判定値を算出し(S1106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1112へ移行する。なお、図35のS1214の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1112の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1112)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1113,S1114)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1113,S1114)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1113,S1114)を実行する。RAMの初期化処理(S1113,S1114)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1113)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1114)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1109)、S1110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1110の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1111)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図35を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1201〜S1207の各処理が実行され、その残余時間でS1210,S1211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1201)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報格納エリア203mの情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図28参照)で設定された保留球数コマンドや、先読み処理(図29参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)で設定された大当たり開始コマンド、大当たり制御処理(図37参照)で設定されたラウンド数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1203)、次いで、特別図柄の大当たりが発生した場合に、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを遊技球が通過したことに基づいて大当たり種別を選択する、大当たり種別決定処理を実行する(S1204)。S1204の処理の詳細については、図36を参照して後述する。
特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1205)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。最終ラウンドにおいて特定入賞口65aを閉鎖した後は、大当たりの終了を設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1205)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。S1205の処理の詳細については、図37を参照して後述する。
次に、第2入球口64bに付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1206)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1207)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図27参照)または特別図柄2変動開始処理(図26参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄2変動開始処理(図26参照)または特別図柄1変動開始処理(図27参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1207)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図30参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図30参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1209)、既に所定時間が経過していれば(S1209:Yes)、処理をS1201へ移行し、上述したS1201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1210,S1211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1210)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1202の処理と同一の方法によって実行する(S1211)。
ここで、S1201〜S1207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図33のNMI割込処理が実行されたということなので、S1212以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1212)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1213)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1214)、RAM203のアクセスを禁止して(S1215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1208の処理は、S1201〜S1207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1210とS1211の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり種別決定処理(S1204)を説明する。図36は、この大当たり種別決定処理(S1204)を示すフローチャートである。この大当たり種別決定処理(図36、S1204)は、メイン割込処理(図35参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態となったことを契機として、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを遊技球が通過したことに基づいて、大当たり種別を選択するための処理である。
大当たり種別決定処理では、まず、大当たりフラグ203kがオンであるか否かを判定する(S1301)。ここで、大当たりフラグ203kは抽選結果が大当たりとなる変動表示の変動時間が経過(即ち、変動表示が停止する際)にオンに設定されるものである(図25のS218参照)。即ち、大当たりフラグ203kがオンに設定されると大当たり遊技が開始されることが可能となる権利が遊技者に付与されていることを示している。特別図柄変動処理(図25、S104)において、大当たりフラグ203kがオンに設定されると(図25のS218参照)、大当たりコマンドが設定され(図25のS219参照)、その後、音声ランプ制御装置113へ大当たりコマンドが送信されることで、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bのいずれか一方へ遊技球を通過させることを遊技者へ促す表示(図7(b)または図8)が表示される。その後、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bのいずれかに対して、遊技球が最初に通過したゲートに基づいて実行される大当たり種別の選択が実行される。
大当たりフラグ203kがオンでないと判定された場合(S1301:No)、大当たりは発生していないため、そのまま処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、大当たりフラグ203kがオンであると判定された場合(S1301:Yes)、第1ゲート650aを遊技球が通過したか否かを判定する(S1302)。本実施形態では、第1ゲート650aを遊技球が通過したか否かの検出はタイマ割込処理(図24参照)のスイッチ読み込み処理(図24のS101参照)において実行し、S1302の処理にてスイッチ読み込み処理においての検出の有無を判定するものである。図示は省略したが、各スイッチに対応したフラグがRAM203には設定されており、スイッチ読み込み処理(図24のS101)により遊技球の通過が検出された入賞口に対しては、対応するフラグがオンに設定される。なお、このフラグは、次の割込におけるスイッチ読み込み処理が実行されることに基づいて、全てオフに設定され、新たに読み込まれた情報に基づいて、オンに設定されるように構成されている。なお、S1302の処理にて第1ゲートを遊技球が通過したか否かの検出を行うように構成するものであっても良い。
S1302の処理において、遊技球が第1ゲート650aを通過したと判定された場合は(S1302:Yes)、大当たりフラグ203kをオフに設定し(S1303)、保留球格納エリアの実行エリアに設定されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1ゲート用選択テーブル202b1(図15(a)参照)より大当たり種別を選択する(S1304)。次いで、大当たりの開始を設定し(S1305)、大当たり開始コマンドを設定し(S1306)、本処理を終了する。ここで、第1ゲート650aの通過に基づいて、大当たりフラグ203kをオフに設定することで、大当たりとなってから最初に遊技球が通過した第1ゲート650aまたは第2ゲート650bに基づいて大当たりの種別を決定することができる。また、S1306の処理において設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信すると共に(図43のS2006参照)、大当たり開始時の差玉を算出して記憶する(図43のS2005)。詳細は後述するが、ここで記憶された大当たり開始時の差玉を、大当たり終了時の差玉と比較することで、大当たり遊技において遊技者が実際に獲得できた遊技球の数を算出することが可能となる。
一方、S1302の処理において、遊技球が第1ゲート650aを通過していないと判定された場合は(S1302:No)、遊技球が第2ゲート650bを通過したか否かを判定する(S1307)。遊技球が第2ゲート650bを通過したと判定されれば(S1307:Yes)、S1308からS1311の処理を実行する。S1308からS1311の処理は、上述したS1303からS1306の処理と比較すると、第2ゲート用選択テーブル202b2(図15(b)参照)を用いて大当たり種別を決定する点において相違し、その他は同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
S1302の処理において遊技球が第1ゲート650aを通過していないと判定され(S1302:No)、S1307の処理において遊技球が第2ゲート650bを通過していないと判定された場合には(S1307:No)、そのまま本処理を終了する。ここで、大当たりフラグ203kがオフとなるのは、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを遊技球が通過するときのみであるため、大当たりが発生した後、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bを遊技球が通過するまで、メイン処理(図35)において繰り返し第1ゲート650aまたは第2ゲート650bの遊技球の通過を判定(S1302またはS1307)することができる。なお、本実施形態ではメイン処理において、第1ゲート650aまたは第2ゲート650bの遊技球の通過を判定するようにしたが、タイマ割込処理において判定するようにしても良い。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1205)を説明する。図37は、この大当たり制御処理(S1205)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1205)は、メイン処理(図35参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たり中または大当たりフラグ203kがオンであるかを判定する(S1401)。S1401の処理において、特別図柄の大当たり中または大当たりフラグ203kがオフであれば(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1401の処理において、特別図柄の大当たり中または大当たりフラグ203kがオンであれば(S1401:Yes)、ゲート制御処理を実行する(S1402)。
ここで、図38を参照して、この主制御装置110内のMPU201により実行されるゲート制御処理(S1402)を説明する。図38は、このゲート制御処理(S1402)を示すフローチャートである。このゲート制御処理(S1402)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、遊技球を第1ゲート650aまたは第2ゲート650bへ振り分ける振分部材900の位置を切り替えるための処理である。
ゲート制御処理では、まず、ゲート用計時カウンタ203nに1を加算する(S1501)。次いで、ゲート用計時カウンタ203nが1250より大きいか否かを判定する(S1502)。ゲート用計時カウンタ203nが1250より大きいと判定された場合は(S1503)、振分部材900の位置を切り替えて(S1503)、ゲート用計時カウンタ203nを0に初期化する(S1504)。
ここで、ゲート制御処理はメイン処理において4ms毎に繰り返し実行されるものであるため、ゲート用計時カウンタ203nが1250となる(即ち5s)毎に振分部材の位置を切り替えることができる。また、振分部材900の位置は、遊技球が第1ゲート650aへ通過する位置(図3(a))または遊技球が第2ゲート650bへ通過する位置(図3(b))のどちらかになるよう切り替えられるものである。
なお、本実施形態ではゲート用計時カウンタ203nの判定値を1250(5sとなる値)としたが、これより小さい値でもよいし、大きい値でもよい。
ここで、図37に戻り説明を続ける。S1402の処理を終えると、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1403)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1403:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1404)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1405)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1403の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1403:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1406)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1406の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S1406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1406の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判定した場合は(S1406:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1407)、今回の特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであるか否か(即ち、大当たりの全てのラウンドが終了したか否か)を判定する(S1408)。
特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであると判定された場合には(S1408:Yes)、確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、大当たり遊技が実行されていた特別図柄の保留球格納エリア(203aまたは203b)の実行エリアにおける第1当たり種別カウンタC2に基づいて大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判定する。確変大当たりであると判定された場合は(S1409:Yes)、確変中フラグ203gをオンにし(S1410)、S1412の処理へ移行する。一方、確変大当たりでないと判定された場合は(S1409:No)、本実施形態では時短大当たりであるため、確変中フラグ203gをオフにし(S1411)、S1412の処理へ移行する。S1412の処理では大当たりの終了を設定し(S1412)、次いで、ラウンド数に基づいて大当たり終了コマンドを設定し(S1413)、本処理を終了する。また、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖したラウンドが最終ラウンドでないと判定した場合は(S1408:No)、S1409からS1413の処理をスキップし、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図39から図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図39は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1817の電源断処理(図41参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1602)。図41を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図41のS1814参照)、S1818の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1818の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1602:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1818の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1603)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1603:Yes)、S1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1603:No)、S1608へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1603:Yes)、S1604へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1818の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1603:No)、S1608へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1602:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1818の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1604の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1604)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1605:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1606)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1605:No)、RAM223の異常を報知して(S1607)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1608の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1608)。電源断フラグ223yはS1818の電源断処理の実行時にオンされる(図41のS1816参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1818の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1818の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1608:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1609)、データ読み込み処理を実行し(S1610)、電源断フラグ223yをオフに設定する(S1611)。データ読み込み処理(S1610)の詳細な内容については、図40を参照して後述する。
次いで、RAM223の初期値を設定し(S1612)、割込み許可を設定して(S1613)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1608:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1609からS1610の処理をスキップして、処理をS1612へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1612)、割込み許可を設定して(S1613)、メイン処理へ移行する。
なお、S1609のクリア処理をスキップするのは、S1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至った場合には、S1604の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
ここで、図40を参照して、データ読込処理(S1610)について説明する。図40は、このデータ読込処理(S1610)を示したフローチャートである。このデータ読込処理(S1610)は、後述する音声ランプ制御装置のメイン処理(図41)において電源断の発生を検知した場合に実行される、データ記憶処理(S1817)によって記憶されたデータ(本実施形態では遊技者が入力した遊技情報や遊技集計情報)を読み出すための処理である。
データ読込処理では、まず、RTC260の時刻レジスタ263aより現在時刻情報が取得され(S1701)、その他レジスタ263bより音声ランプ制御装置のメイン処理(図41)において電源断の発生を検知した場合に実行される、データ記憶処理(S1817)によって記憶されたデータが取得される(S1702)。次いで、その他レジスタ263bより取得したデータの日付情報と、時刻レジスタより取得した日付情報とを比較し、日付が一致するかが判定される(S1703)。日付情報の日付が一致しない場合は(S1703:No)、閉店などによる理由で電源断され、遊技者が継続的に遊技を行うことはないと判断されるため、遊技情報の読込処理は行わずに、本処理を終了する。
これにより、閉店した後に、次に開店する場合に、その他レジスタ263bの情報を初期化したり、パチンコ機10をRAMクリアする処理を実行する手間を低減することができる。
一方、日付情報の日付が一致する場合は(S1703:Yes)、その他レジスタ263bより取得したデータを遊技情報格納エリア223h、遊技情報集計エリア223iの各エリアへ格納し(S1704)、継続確認フラグ223mをオンに設定する(S1705)。ここで、継続確認フラグ223mをオンに設定すると、後述する音声ランプ制御装置のメイン処理において実行されるナビ遊技処理(S1811)によって、表示用遊技継続確認開始コマンドが表示制御装置へ送信され、ナビ遊技を継続するか否かを選択する画面(図10(a))が表示される。
これにより、停電や、不具合の補修等の為に遊技中に電源を断した後、再び電源を投入すると、ナビ遊技を継続するか否かの画面が表示されることで、先に設定されている遊技情報が消去されずに設定されている状態であることを遊技者に通知することができる。よって、遊技者が安心して電源断後にも遊技を行うことができる。また、電源断中に遊技者が交代していた場合にも、新たな遊技者が、遊技情報の設定されている状態であることを認識でき、遊技者が混乱することを抑制できる。
なお、本実施形態では、電源が投入されて、現在の日付と一致する遊技情報が設定されている場合には、S1704の処理を実行した後に、S1705の処理を実行する代わりに、ナビ遊技フラグ223jをオンに設定してデータ読み込み処理(図40、S1610)を終了するように構成してもよい。このように構成することで、電源が再投入された場合に、予め設定されている遊技情報における時刻を既に経過している場合に、ナビ遊技終了処理(図57、S2605)により延長を確認する表示態様(図9(a)参照)が表示されるように構成できる。これにより、電源投入後に毎回、継続等の確認が表示されることを防止でき、遊技者が面倒に感じる不具合を抑制できる。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図41は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1801の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1801)、1m秒以上経過していなければ(S1801:No)、S1802〜S1811の処理を行わずにS1812の処理へ移行する。S1801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1802〜S1811が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1812のコマンド判定処理や、S1813の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1812の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1813の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1801の処理で1m秒以上経過していれば(S1801:Yes)、まず、S1803〜S1813の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1802)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1808の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1803)、その後電源投入報知処理を実行する(S1804)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1805の処理へ移行する。
S1805の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1806)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bおよび特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1807)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間などの所定期間に枠ボタン22が押された場合は、後述するナビ遊技処理(S1811)によってナビ遊技の設定画面(図6参照)が表示される。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1808)、その後音編集・出力処理を実行する(S1809)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1809の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1810)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1808のランプ編集処理が実行される。なお、S1809の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
次いで、ナビ遊技処理が実行され(S1811)、S1812の処理へ移行する。ナビ遊技処理では、変動演出が未実行の期間などの所定期間に枠ボタンが押下されたことに基づき、ナビ遊技を行うための設定画面が表示され、設定画面が表示されている間に選択スイッチ270(a)〜(d)が押下されたことに基づき、画面の表示が変更され、ナビ遊技を行うための設定情報を設定することができる。詳細な内容は、図49から図56を参照して後述する。
S1812の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1812)。このコマンド判定処理の詳細については、図42から図48を参照して後述する。コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1813)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図60を参照して後述する。
S1813の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1814)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1814の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1814:Yes)、電源断フラグ223y及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1816)、データ記憶処理を実行し(S1817)、電源断処理を実行する(S1818)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1819)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1814の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1814:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1815)、RAM223が破壊されていなければ(S1815:No)、S1801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1815:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
ここで、上記した音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)内の各処理の詳細な説明については、便宜上、先にコマンド判定処理(S1812)の詳細を説明した後に、各処理について順に説明することとする。
次に、図42から図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1812)について説明する。図42は、このコマンド判定処理(S1812)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1812)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1812)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、変動開始フラグ223dをオンにし(S1902)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S1903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図60参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図31参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納し(S1908)、メイン処理に戻る。また、S1908の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64aに入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄1または特別図柄2の抽選が行われる毎に、S1908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1908の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1607の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1909)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1909:Yes)、受信したコマンドから特別図柄における抽選結果を入賞情報として抽出し特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aの最初のエリアに格納し(S1910)、メイン処理に戻る。尚、S1910の処理では、特別図柄1保留球カウンタ223bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
一方、S1909の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1909:No)、次いで、大当たりに関するコマンドを受信したか否かを判定する(S1911)。そして、大当たりに関するコマンドを受信した場合には(S1912)、大当たり関連処理を実行し(S1912)、メイン処理へ戻る。この大当たり関連処理の詳細については、図43から図46を参照して後述する。
S1911の処理において、大当たりに関するコマンドを受信していない場合には(S1911:No)、主制御装置110より入賞球検出コマンドを受信したか否かを判定する(S1913)。そして、入賞球検出コマンドを受信した場合には(S1913:Yes)、入賞球判別処理を実行し(S1914)、メイン処理へ戻る。この入賞球判別処理の詳細については、図47を参照して後述する。
一方、S1913の処理において、入賞球検出コマンドを受信していない場合には(S1913:No)、主制御装置110よりアウト球検出コマンドを受信したか否かを判定する(S1915)。そして、アウト球検出コマンドを受信した場合には(S1915:Yes)、アウト球判別処理を実行し(S1916)、メイン処理へ戻る。このアウト球判別処理の詳細については、図48を参照して後述する。
S1915の処理において、アウト球検出コマンドを受信していない場合には(S1915:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1917)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図43から図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図42、S1812)内の一処理である大当たり関連処理(S1912)について説明する。図42は、この大当たり関連処理(S1912)を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S1912)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図42参照)の中で実行され、主制御装置110から受信した大当たりに関するコマンドを判定し、コマンドに応じた処理を実行する。
大当たり関連処理(S1912)では、まず、主制御装置110より大当たりコマンドを受信したか否かを判定する(S2001)。大当たりコマンドを受信した場合には(S2001:Yes)、表示用大当たりコマンドを設定し(S2002)、ナビゲート処理を実行して(S2003)、コマンド判定処理に戻る。ここで設定された表示用大当たりコマンドはRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たりコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの発生を示唆する表示(図7(a))を表示する。
ここで、図44を参照して、ナビゲート処理(S2003)について説明する。図44は、このナビゲート処理(S2003)を示したフローチャートである。このナビゲート処理(S2003)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(図43参照)の中で実行され、遊技情報格納エリア223h、遊技情報集計エリア223i、現在時刻格納エリア223qの各情報に基づいて、表示用ナビ種別コマンドを設定する。
具体的には、ナビゲート処理(図44、S2003)では、まず、遊技情報格納エリア223hの、遊技時間格納エリア223h1のデータである遊技終了時刻と目標差玉格納エリア223h2のデータである目標差玉数と、を取得する(S2101)。次いで、遊技情報集計エリア223iの総打込球数カウンタ223i1の値(P1)、総獲得球数カウンタ223i2の値(P2)、1R差玉格納エリア223i4のデータである1R差玉数を取得する(S2102)。S2102の処理の後、現在時刻格納エリア223qのデータである現在時刻を取得する(S2103)。
S2101からS2103の処理の後、上述した、目標差玉数から現在の差玉数(P2−P1)を減算したものを1R差玉数で除算することにより、残目標ラウンド数を算出し(S2104)、遊技時間が終盤であるか否かを判定する(S2105)。ここで、遊技時間が終盤であるか否かは、S2101の処理にて取得した遊技終了時刻と、S2103の処理にて取得した現在時刻とを比較して、現在時刻から遊技終了時刻までの残時間が所定時間以内(本実施形態では30分)であるか否かで判定する。
S2105の処理にて、遊技時間が終盤でないと判定された場合は(S2105:No)、S2104の処理にて算出した残目標ラウンド数とナビ選択テーブル222aに基づいて、ナビ種別を選択し(S2106)、その選択されたナビ種別に基づいてナビ種別コマンドを設定し(S2107)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たりの開始(大当たり遊技の権利が付与される)が決定されると、遊技者が設定している目標差球と前回の大当たり遊技における1R差球数とにより、目標達成までに必要な現時点でのラウンド数が算出され、その残ラウンド数により、第1ゲート650aと第2ゲート650bとのどちらを狙うべきかのナビゲートが実行されるので、より遊技者の目標に沿った選択を遊技者が容易に行うことができる。
また、遊技者が設定している遊技時間(遊技終了時刻までの残り時間)に基づいて、ナビゲートするゲートが選択されるように構成されているので、残りの遊技時間で目標を達成し易くできる。さらに、残り遊技時間が少なくなると、遊技終了時点の予測差球が表示されるように構成されているので、遊技者が終了時点での差球を計算しながら遊技を行う負担を軽減できる。
なお、本実施形態では、S2102の処理で前回の大当たりにおける平均1R差球数により残目標ラウンド数を算出したが、それに限らず、複数回(例えば、10回や電源投入からの大当たり)の平均1R差球数であってもよい。また、差球数に限らず、大当たりが実行されるのに要する時間より残目標ラウンド数を算出するように構成してもよい。
また、本実施形態では、残り遊技時間が所定時間以下となった場合に、終了時点での予測差球数を表示するように構成したが、それに限らず、常に表示するように構成してもよい。予測差球数は、各大当たり種別が現在実行された場合の差球数を常に表示してもよい。このように構成することで、通常の遊技中に、次に狙うべきゲートを検討しながら遊技を行うことができる。さらには、目標設定の見直し等を検討することができ、遊技者の状況に合わせた遊技を提供できる。
図43に戻り、説明を続ける。S2001の処理において、大当たりコマンドを受信していない場合には(S2001:No)、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S2004)。そして、大当たり開始コマンドを受信していた場合には(S2004:Yes)、開始差玉算出処理を実行し(S2005)、表示用大当たり開始コマンドを設定して(S2006)、コマンド判定処理に戻る。
ここで実行される開始差玉算出処理(S2005)によって、上述した大当たり遊技の1R当たりに遊技者が打ち込んだ球数と遊技者が獲得した数の差である、1R差玉数を算出するための、大当たり開始時の差玉数が算出される。この開始差玉算出処理(S2005)の詳細については、図45を参照して後述する。また、開始差玉算出処理の次に設定される、表示用大当たり開始コマンドによって、大当たりの開始を示唆する表示(図示せず)が第3図柄表示装置81において表示される。
ここで、図45を参照して、開始差玉算出処理(S2005)について説明する。図45は、この開始差玉算出処理(S2005)を示したフローチャートである。この開始差玉算出処理(S2005)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(図43参照)の中で実行され、上述した大当たり遊技の1R当たりに遊技者が打ち込んだ球数と遊技者が獲得した数の差である、1R差玉数を算出するために、大当たり遊技の開始時点での差玉数を算出するための処理である。
開始差玉算出処理では、遊技情報集計エリア223iの、総打込球数カウンタ223i1の値(P1)と総獲得球数カウンタの値223i2(P2)とを取得し(S2201)、総獲得球数カウンタ223i2の値(P2)から総打込球数カウンタ223i1の値(P1)を減算した値を大当たり遊技開始時点の差玉数として、開始差玉格納エリア223i3へ格納し、本処理を終了する。
このように、大当たりの開始時点の差球を算出して記憶するように構成することで、大当たり遊技で獲得できた遊技球に基づいて正確な差球を算出することができる。よって、遊技者により正確なナビゲートを行うことができる。
図43に戻り、説明を続ける。S2004の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判定された場合は(S2004:No)、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定し(S2007)、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S2007:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S2008)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S2009)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1616の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S2007:No)、次いで、主制御装置110より大当たり終了コマンドを受信したか否かを判定する(S2010)。そして、大当たり終了コマンドを受信した場合には(S2010:Yes)、1R差玉算出処理を行い(S2011)、表示用大当たり終了コマンドを設定して(S2009)、本処理を終了する。ここで設定された表示用大当たり終了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり終了コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たり遊技の終了を示唆する表示(図示せず)を表示する。
一方、S2010の処理において、大当たり終了コマンドを受信していない場合には(S2010:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2013)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図47を参照して、上述したコマンド判定処理(図42)において実行される、入賞球判別処理(S1914)について説明する。図47は、この入賞球判別処理(S1914)を示したフローチャートである。この入賞球判別処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図42参照)の中で実行され、受信したコマンドに基づいて、遊技情報集計エリア223iのデータを更新するための処理である。
具体的には、入賞球判別処理では、受信したコマンドから入賞球数、獲得球数を抽出し(S2401)、遊技情報集計エリア223iの総打込球数カウンタ223i1に入賞球数を加算すると共に、総獲得球数カウンタ223i2に獲得球数を加算し(S2402)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、総打込球数カウンタ223i1および総獲得球数カウンタ223i2が更新されることにより、現時点での正確な差球数を算出することができる。なお、現在の差球数を表示するように構成した場合には、入賞球判別処理(図47、S1914)で更新された情報に基づいて、差球数を表示することで、遊技者に現時点での正確な差球数や目標との対比等を行うことができる。
次に、図48を参照して、上述したコマンド判定処理(図42)において実行される、アウト球判別処理(S1916)について説明する。図48は、このアウト球判別処理(S1916)を示したフローチャートである。このアウト球判別処理(S1916)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図42参照)の中で実行され、受信したコマンドに基づいて、遊技情報集計エリア223iのデータを更新するための処理である。
アウト球判別処理(図48、S1916)では、まず、総打込球数カウンタ223i1の値を読み込む(S2501)。その後、総打込球数カウンタ223i1の値に1加算して、総打込球数カウンタ223i1に設定する(S2502)。
このように、アウト口66に遊技球が入球する毎に、総打込球数カウンタ223i1に1加算して更新することで、遊技者が発射した遊技球の数を正しく判別することができる。なお、総打込球数カウンタ223i1には、アウト球のみだけでなく、他の入賞口に入賞した遊技球の数も加算されて更新される。
次に、図49を参照して、上述したメイン処理(図41参照)において実行される、ナビ遊技処理(S1811)について説明する。図49は、このナビ遊技処理(S1811)を示したフローチャートである。このナビ遊技処理(S1811)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)の中で実行される、第3図柄表示装置81においてナビ遊技に関する表示(図6から図10(a))を表示するための処理である。
ナビ遊技処理(図49、S1811)では、まず、RTC260の時刻レジスタ263aより、日付、時刻の情報を取得し、現在時刻格納エリア223qに格納する(S2601)。ここで、ナビ遊技処理は音声ランプ制御処理のメイン処理において1ms毎に実行されるため、現在時刻格納エリア223qの日付、時刻の情報が1ms毎に更新することができる。なお、本実施形態ではメイン処理において現在時刻格納エリア223qの情報を更新するようにしているが、これに限られることはなく、例えば、RTC260を主制御装置113に備えて、主制御装置113より時刻情報をコマンドとして受信し、更新するように構成しても良い。
次に、ナビ遊技設定可能期間であるか否かを判定する(S2602)。そして、ナビ遊技設定可能期間であると判定された場合には(S2602:Yes)、ナビ遊技設定処理を実行し(S2603)、S2604の処理へ移行する。一方、ナビ遊技設定可能期間でないと判定された場合には(S2602:No)、S2603の処理をスキップし、S2604の処理へ移行する。ここで、ナビ遊技設定期間であるか否かの判定は、枠ボタン22の押下を必要とする演出が実行されていない期間であるかの判別が実行される。具体的には、枠ボタン22の押下をすることで、演出等が可変される変動パターンが実行されていない期間となる。このように構成することで、遊技者は、適宜希望のタイミングで、ナビ遊技の設定を行うことができ、利便性がよい。図示は省略したが、ナビ遊技設定可能期間であることを示すフラグを設定して、そのフラグがオンである場合には、S2602の処理をYesと判別する。また、枠ボタン22を押下する演出が設定されたことに基づいて、このフラグをオフにして、その演出の実行が終了したことに基づいて、再びオンにする処理を実行することで、より容易にナビ遊技の設定可能期間であるかの判別を行う処理を実行できる。
なお、本実施形態では、ナビ遊技の設定は、枠ボタン22を押下する演出が実行されていない期間としたが、それに限らずに、枠ボタン22を長押し(例えば、3秒間等)することで、ナビ設定を可能に構成してもよい。また、デモ画面が表示されている場合のみや、特別図柄の変動表示が実行されて以内期間としてもよい。なお、ナビ遊技の設定が実行されている場合には、枠ボタン22を使用した演出が設定されることを禁止としたり、無効とすることで、より安定して遊技を行うことができる。
ここで、図50を参照して、ナビ遊技設定処理(S2603)について説明する。図50は、このナビ遊技設定処理(S2603)を示したフローチャートである。このナビ遊技設定処理(S2603)は、第3図柄表示装置81においてナビ遊技に関する遊技情報を設定するための表示(図6)を表示し、操作された選択スイッチ(上スイッチ270a、右スイッチ270b、下スイッチ270c、左スイッチ270d)に基づいて遊技情報を設定するための処理である。
ナビ遊技設定処理(図49、S1811)では、まず、遊技情報入力フラグ223fがオンであるか否かを判定する(S2701)。そして、遊技情報入力フラグ223fがオンであると判定された場合は(S2701:Yes)、スイッチ判別処理を実行し(S2702)、本処理を終了する。このスイッチ判別処理(S2702)の詳細は、図51から図56を参照して後述する。
一方、遊技情報入力フラグ223fがオンでないと判定された場合は(S2701:No)、枠ボタン22が押下されたか否かを判定する(S2703)。S2703の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判定された場合は、そのまま本処理を終了する。ここで、枠ボタン22の押下に係る判定は、メイン処理(図41参照)のS1807の処理において、枠ボタンの押下を検知したか否かを判定するものである。よって、S2703の処理において、枠ボタン22の押下が検知されていないと判定された場合、メイン処理における処理を実行した後、S2703の処理において枠ボタン22の押下を再度判定することを繰り返し実行することができる。なお、本実施形態ではS2703の処理において枠ボタン22の押下が検知されていないと判断した場合にメイン処理に戻るようにしたが、それに限らず、枠ボタン22の押下が検知されるまで待つようにしてもよい。これにより、枠ボタン22の押下を検知するまで、メイン処理の処理が実行されることがなくなり、枠ボタン22の押下検出時の処理とメイン処理との同期をとることができる。
S2703の処理において、枠ボタン22が押下されていたと判定された場合は(S2703:Yes)、遊技情報入力フラグ223fをオンに設定すると共に、釦演出禁止フラグ223gをオンに設定する(S2704)。次いで、現在時刻格納エリア223qの現在時刻の情報に基づいて表示用遊技情報入力開始コマンドを設定し(S2705)、本処理を終了する。S2705の処理は、遊技情報入力画面が表示される場合に、遊技終了時刻に現在時刻が入力された状態とするための処理であり、これにより、遊技終了時刻の入力は現在時刻より後の時刻を入力するものであるため、設定開始が0時00分となっているよりも、遊技者が遊技終了時刻を入力するための操作回数を低減することができる。なお、S2705の処理では遊技終了時刻に現在時刻が入力された状態とするため、入力領域223rの時刻1入力領域223r1および時刻2入力領域223r2を現在時刻の情報に基づいて更新するものである。また、ここで設定された表示用遊技情報入力開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報入力開始コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示する。また、ここでオンに設定された、遊技情報入力フラグ223fによって、遊技情報が入力可能な画面に対応する、スイッチの操作に基づいた処理を行うスイッチ判別処理(S2702)を実行するようにできる。更に、ここでオンに設定された釦演出禁止フラグ223gによって、遊技情報が入力可能な画面が表示されている間において、釦操作が必要なその他の演出が表示されないようにすることで、2以上の釦操作の必要な演出等が表示されることを防ぎ、遊技者の混乱を防ぐことができる。
ここで、図51から図56を参照して、スイッチ判別処理(S2702)の詳細について説明する。図51は、このスイッチ判別処理(S2702)を示したフローチャートである。このスイッチ判別処理(S2702)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、スイッチの操作に基づいた処理を行うための処理である。
スイッチ判別処理では、まず、上スイッチ270aが押下されたか否かを判定する(S2801)。そして、上スイッチ270aが押下されたと判定された場合は(S2801:Yes)、上スイッチ処理を実行し(S2802)、S2803の処理へ移行する。一方、上スイッチ270aが押下されていないと判定された場合は(S2801:No)、S2802の処理をスキップして、S2803の処理へ移行する。ここで、上スイッチ270aが押下されたか否かの判定は、上述したナビ遊技設定処理(図50参照)における枠ボタン22が押下されたか否かの判定(S2703)と同様に行うものである。
ここで、図52を参照して、上スイッチ処理(S2802)の詳細について説明する。図52は、この上スイッチ処理(S2802)を示したフローチャートである。この上スイッチ処理(S2802)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、上スイッチ270aが押下されたことに基づいて処理を行うための処理である。
上スイッチ処理では、まず、カーソル位置格納エリア223pのデータを取得し(S2901)、取得したカーソル位置格納エリア223pのデータが時刻1であるか否かを判定する(S2902)。そして、取得したカーソル位置格納エリア223pのデータが時刻1であると判定された場合は(S2902:Yes)、入力領域223rの時刻1入力領域223r1の値を1加算する(S2903)。その後、時刻1入力領域223r1の値が23より大きいか否かを判定し(S2904)、23より大きいと判定された場合は(S2904:Yes)、時刻1入力領域223r1の値を0に変更し(S2905)、S2918の処理へ移行する。一方、S2904の処理において、時刻1入力領域223r1の値が23より大きくないと判定された場合は(S2904:No)、S2905の処理をスキップし、S2918の処理へ移行する。
ここで、S2903からS2905の処理において設定される、時刻1入力領域223r1の値は遊技情報入力画面(図6)の遊技終了時刻の時間を設定するためのものである。よって、S2904およびS2905の処理により、設定可能な時間を0から23時までとし、それ以外の値が設定されることのないようにできる。
一方、S2902の処理において、カーソル位置格納エリア223pのデータが時刻1でないと判定された場合は(S2902:No)、カーソル位置が時刻2であるか否かを判定し(S2906)、カーソル位置が時刻2であると判定された場合は(S2906:Yes)、入力領域223rの時刻2入力領域223r2について、上述したS2903からS2905の処理と同様の処理を行う。S2903からS2905の処理とS2907からS2908の処理とは、S2908の処理において上限値の判定が5より大きいか否かを判定する部分において相違し、その他は同一であるため、その詳細な説明を省略する。S2908の処理において上限値の判定が5より大きいか否かを判定するのは、時刻2入力領域223r2は遊技情報入力画面(図6)の遊技終了時刻における分の十の位を設定するものであり、設定可能な分を0、10、20、30、40、50分のいずれかのみとするためである。ここで、本実施形態は設定可能な分を上述したいずれかのみとしたが、これに限られず、例えば0、30分のいずれかのみのように設定可能な値を減らしても良いし、1分単位で設定できるように設定可能な値を増やしても良い。これにより、設定可能な値を減らすと、遊技者が設定値を選択する場合に選択肢が少ないことで設定時間を短縮できるようになり、設定可能な値を増やすと、遊技者が設定したいと考える遊技終了時刻により近い値を設定可能とすることができる。
次に、S2906の処理において、カーソル位置が時刻2でないと判定された場合は(S2906:No)、次いで、カーソル位置が差玉1であるか否かを判定し(S2910)、カーソル位置が差玉1であると判定された場合は(S2910:Yes)、入力領域223rの差玉1入力領域223r3について、上述したS2903からS2905の処理と同様の処理を行う。S2903からS2905の処理とS2911からS2913の処理とは、S2912の処理において上限値の判定が99より大きいか否かを判定する部分において相違し、その他は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、S2910からS2913の処理において設定される、差玉1入力領域223r3の値は遊技情報入力画面(図6)の目標差玉の1000球単位の値を設定するためのものである。よって、S2912およびS2913の処理により、目標差玉の1000の位を0から99に設定可能(即ち10000の位も設定可能)にできる。
一方、カーソル位置が差玉1でないと判定された場合は(S2910:No)、次いで、カーソル位置が差玉2であるか否かを判定し(S2914)、カーソル位置が差玉2であると判定された場合は(S2914:Yes)、入力領域223rの差玉2入力領域223r4について、上述したS2903からS2905の処理と同様の処理を行う。S2903からS2905の処理とS2915からS2917の処理とは、S2916の処理において上限値の判定が9より大きいか否かを判定する部分において相違し、その他は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、S2915からS2917の処理において設定される、差玉2入力領域223r4の値は遊技情報入力画面(図6)の目標差玉の100球単位の値を設定するためのものである。よって、S2916およびS2917の処理により、目標差玉の100の位を0から9の値に設定可能とできる。
S2911からS2913の処理およびS2915からS2917の処理により、目標差玉を0から99900球までを100球単位で設定可能とできる。本実施形態は設定可能な目標差玉を100球単位としたが、これに限られず、例えば1000球単位のように設定可能な値を減らしても良いし、50球単位で設定できるように設定可能な値を増やしても良い。これにより、設定可能な値を減らすと、遊技者が設定値を選択する場合に選択肢が少ないことで設定時間を短縮できるようになり、設定可能な値を増やすと、遊技者が設定したいと考える目標差玉により近い値を設定可能とすることができる。また、本実施形態では目標差玉の設定可能な値の範囲を0から99900球としたが、これに限られず、例えば、目標差玉の設定可能な値の範囲を0から19900球のように上限値を減らしても良いし、目標差玉の設定可能な値の範囲を0から999900球のように上限値を増やしても良い。これにより、設定可能な上限値を減らすと、遊技者が設定値を選択する場合に選択肢が少ないことで設定時間を短縮できるようになり、設定可能な上限値を増やすと、遊技者が設定したいと考える目標差玉により近い値を設定可能とすることができる。
一方、S2914の処理において、カーソル位置が差玉2でないと判定された場合は(S2914:No)、カーソル位置は設定、リセット、戻るのいずれかの位置であるため、上スイッチ270aの押下に基づいて実行する処理はないため、そのまま本処理を終了する。
S2904,S2905,S2908,S2909,S2912,S2913,S2916またはS2917の処理の後は、入力領域223rの値に基づいて表示用入力画面更新コマンドを設定し(S2918)、本処理を終了する。ここで設定された表示用入力画面更新コマンドはRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用入力画面更新コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示される遊技情報入力画面(図6)の表示を受信したコマンドに基づいて更新する。
なお、本実施形態では、遊技者の目標設定について、制限は設けなかったが、設定された目標時間に対して、設定できる差球に制限を設けるように構成してもよい。ここで、この制限は、予め大当たり遊技を消化するのに必要な設計時間と、設計値上の平均出玉から算出されて、ROM202に設定されている値である。
図51に戻り、説明を続ける。S2801またはS2802の処理の後は、下スイッチ270cが押下されたか否かを判定する(S2803)。次いで、下スイッチ270cが押下されたと判定された場合は(S2803:Yes)、下スイッチ処理を実行し(S2804)、S2805の処理へ移行する。一方、下スイッチ270cが押下されていないと判定された場合は(S2803:No)、S2804の処理をスキップして、S2805の処理へ移行する。ここで、下スイッチ270cが押下されたか否かの判定は、上述したナビ遊技設定処理(図50参照)における枠ボタン22が押下されたか否かの判定(S2703)と同様に行うものである。
ここで、図53を参照して、下スイッチ処理(S2804)の詳細について説明する。図53は、この下スイッチ処理(S2804)を示したフローチャートである。この下スイッチ処理(S2804)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、下スイッチ270cが押下されたことに基づいて処理を行うための処理であり、上スイッチ処理(図52)における加算処理が減算処理になる点、上限値の判定が下限値の判定になる点で相違し、その他は同一である。よって、相違する点についてのみ説明を行い、同一の点についての説明を省略する。
カーソルの位置が時刻1であれば(S3002:Yes)、時刻1入力領域223r1の値を1減算し(S3003)、S3003の処理の後、時刻1入力領域223r1の値が0より小さい場合に(S3004:Yes)、時刻1入力領域223r1の値を23に変更する(S3005)。また、カーソルの位置が時刻2であれば(S3006:Yes)、時刻2入力領域223r2の値を1減算し(S3007)、S3007の処理の後、時刻2入力領域223r2の値が0より小さい場合に(S3009:Yes)、時刻2入力領域223r2の値を5に変更する(S3005)。これにより、上述したように遊技終了時刻に設定可能な時間または分を下スイッチ270cの押下に基づき、減算し、表示することができ、更に、表示が下限値にも関わらず下スイッチ270cが押下された場合においては、S3004またはS3008の下限値判定により、上限値へと更新することができる。
次いで、カーソル位置が差玉1であれば(S3010:Yes)、差玉1入力領域223r3の値を1減算し(S3011)、S3011の処理の後、差玉1入力領域223r3の値が0より小さい場合に(S3012:Yes)、差玉1入力領域223r3の値を99に変更する(S3013)。また、カーソルの位置が差玉2であれば(S3014:Yes)、差玉2入力領域223r4の値を1減算し(S3011)、S3011の処理の後、差玉2入力領域223r4の値を9に変更する(S3017)。これにより、上述したように目標差玉に設定可能な球数を下スイッチ270cの押下に基づき、減算し、表示することができ、更に、表示が下限値にも関わらず下スイッチ270cが押下された場合においては、S3012またはS3016の下限値判定により、上限値へと更新することができる。
図51に戻り、説明を続ける。S2803またはS2804の処理の後は、右スイッチ270bが押下されたか否かを判定する(S2805)。次いで、右スイッチ270bが押下されたと判定された場合は(S2805:Yes)、右スイッチ処理を実行し(S2806)、S2807の処理へ移行する。一方、右スイッチ270bが押下されていないと判定された場合は(S2805:No)、S2806の処理をスキップして、S2807の処理へ移行する。ここで、右スイッチ270cが押下されたか否かの判定は、上述したナビ遊技設定処理(図50参照)における枠ボタン22が押下されたか否かの判定(S2703)と同様に行うものである。
ここで、図55を参照して、右スイッチ処理(S2806)の詳細について説明する。図54は、この右スイッチ処理(S2806)を示したフローチャートである。この右スイッチ処理(S2806)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、右スイッチ270bが押下されたことに基づいて処理を行うための処理である。
右スイッチ処理では、まず、カーソル位置格納エリア223pの情報を取得し(S3101)、カーソル位置が時刻であるか否かを判定する(S3102)。次いで、カーソル位置が時刻であると判定された場合は(S3102:Yes)、カーソル位置が時刻1であるか否かを判定する(S3103)。カーソル位置が時刻1であると判定された場合は(S3103:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを時刻2に変更し(S3104)、S3115の処理へ移行する。一方、カーソル位置が時刻1でないと判定された場合は(S3103:No)、カーソル位置は時刻2であるので、カーソル位置格納エリア223pのデータを差玉1に変更し(S3105)、S3115の処理へ移行する。
S3102の処理において、カーソル位置が時刻でないと判定された場合は(S3102:No)、次いで、カーソル位置が差玉であるか否かを判定する(S3106)。カーソル位置が差玉であると判断された場合は(S3106:Yes)、カーソル位置が差玉1であるか否かを判定する(S3107)。カーソル位置が差玉1であると判定された場合は(S3107:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを差玉2に変更し(S3108)、S3115の処理へ移行する。一方、カーソル位置が差玉1でないと判定された場合は(S3107:No)、カーソル位置は差玉2であるので、カーソル位置格納エリア223pのデータを設定に変更し(S3109)、S3115の処理へ移行する。
S3106の処理において、カーソル位置が差玉でないと判定された場合は(S3106:No)、次いで、カーソル位置が設定であるか否かを判定する(S3110)。カーソル位置が設定であると判断された場合は(S3110:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータをリセットに変更し(S3111)、S3115の処理へ移行する。
一方、カーソル位置が設定でないと判定された場合は(S3110:No)、次いで、カーソル位置がリセットであるか否かを判定する(S3112)。カーソル位置がリセットであると判断された場合は(S3112:Yes)、カーソル位置がリセットであるか否かを判定する(S3112)。カーソル位置がリセットであると判定された場合は(S3112:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを戻るに変更し(S3113)、S3115の処理へ移行する。一方、カーソル位置がリセットでないと判定された場合は(S3112:No)、カーソル位置は戻るであるので、カーソル位置格納エリア223pのデータを時刻1に変更し(S3114)、S3115の処理へ移行する。
S3104,S3105,S3108,S3109,S3111,S3113またはS3114の処理の後は、入力領域223rの値に基づいて表示用入力画面更新コマンドを設定し(S3115)、本処理を終了する。ここで設定された表示用入力画面更新コマンドはRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用入力画面更新コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示される遊技情報入力画面(図6)の表示を受信したコマンドに基づいて更新する。これにより、遊技情報入力画面において、右スイッチ270bの押下に基づいて、カーソルの位置を変更し、表示することができるようになる。
図51に戻り、説明を続ける。S2805またはS2806の処理の後は、左スイッチ270dが押下されたか否かを判定する。次いで、左スイッチ270dが押下されたと判定された場合は(S2808:Yes)、左スイッチ処理を実行し(S2808)、S2809の処理へ移行する。一方、左スイッチ270dが押下されていないと判定された場合は(S2807:No)、S2808の処理をスキップして、S2809の処理へ移行する。ここで、左スイッチ270dが押下されたか否かの判定は、上述したナビ遊技設定処理(図50参照)における枠ボタン22が押下されたか否かの判定(S2703)と同様に行うものである。
ここで、図55を参照して、左スイッチ処理(S2808)の詳細について説明する。図55は、この左スイッチ処理(S2808)を示したフローチャートである。この左スイッチ処理(S2808)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、左スイッチ270dが押下されたことに基づいて処理を行うための処理であり、右スイッチ処理(図54)とはカーソル位置格納エリア223pへの設定値が異なる点で相違し、その他は同一である。よって、相違する点についてのみ説明を行い、その他の同一の点についての説明を省略する。
左スイッチ処理では、左スイッチ270dが押下された場合に、カーソル位置が時刻1であれば(S3203:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを戻るに変更し(S3204)、カーソル位置が時刻2であれば(S3203:No)、カーソル位置格納エリア223pのデータを時刻1に変更し(S3205)、カーソル位置が差玉1であれば(S3207:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを時刻2に変更し(S3208)、カーソル位置が差玉2であれば(S3207:No)、カーソル位置格納エリア223pのデータを差玉1に変更し(S3209)、カーソル位置が設定であれば(S3210:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを時刻2に変更し(S3211)、カーソル位置がリセットであれば(S3212:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを設定に変更し(S3213)、カーソル位置が戻るであれば(S3212:No)、カーソル位置格納エリア223pのデータをリセットに変更する(S3214)。
図51に戻り、説明を続ける。S2807またはS2808の処理を終えると、枠ボタンが押下されたか否かの判定を行う(S2809)。枠ボタンが押下されたと判定された場合は(S2809:Yes)、枠ボタン処理を実行し(S2810)、本処理を終了する。一方、枠ボタンが押下されていないと判定された場合は(S2809:No)、S2810の処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、図56を参照して、枠ボタン処理(S2810)の詳細について説明する。図56は、この枠ボタン処理(S2810)を示したフローチャートである。この枠ボタン処理(S2810)は、第3図柄表示装置81において遊技情報が入力可能な画面(図6)を表示されている場合に、枠ボタン22が押下されたことに基づいて処理を行うための処理である。
枠ボタン処理では、まず、カーソル位置格納エリア223pのデータを取得し(S3301)、その取得したデータにおいてカーソル位置が設定であるか否かを判定する(S3302)。カーソル位置が設定であると判定された場合は(S3302:Yes)、次いで、現在時刻格納エリア223qのデータと入力領域223rのデータとを取得し(S3303)、遊技時刻は現在時刻より後であるか否かを判定する(S3304)。S3304の処理において、入力領域223rの時刻1入力領域223r1および時刻2入力領域223r2に基づく遊技終了時刻が、現在時刻格納エリア223qのデータである現在時刻よりも後でないと判定された場合(S3304:No)、遊技終了時刻を過ぎているため、表示用遊技情報入力エラーコマンドを設定し(S3309)、本処理を終了する。ここで設定された表示用遊技情報入力エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報入力エラーコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において入力した遊技情報がエラーであることを示唆する、遊技情報入力エラー画面(図示せず)を表示する。これにより、遊技者は入力した遊技終了時刻がエラーであることを認識できる。なお、本実施形態では、遊技終了時刻が現在時刻よりも後でない場合にエラーとなるようにしたが、これに限られず、例えば、現在時刻よりも前の時間を選択できないようにしてもよい。
一方、S3304の処理において、入力領域223rの遊技終了時刻が現在時刻格納エリア223qの現在時刻よりも後である場合は(S3304:Yes)、遊技情報集計エリア223iの全ての情報を初期化し(S3305)、入力領域223rの時刻1入力領域223r1および時刻2入力領域223r2に基づく遊技終了時刻のデータを、遊技情報格納エリア223hの遊技時間格納エリア223h1に格納し、入力領域223rの差玉1入力領域223r3および差玉2入力領域223r4に基づく目標差玉のデータを、遊技情報格納エリア223hの目標差玉格納エリア223h2へ格納し、入力領域223rを初期化する(S3306)。なお、本実施形態では、S3305の処理において、遊技情報集計エリア223iの情報を全て初期化したが、これに限られず、1R差玉格納エリア223i4の情報のみ初期化しないようにしてもよいし、予め定めた所定の値に初期化するものでもよい。これにより、ナビ遊技を開始してから初めて大当たりとなる場合においても、1R差玉を取得することができるので、遊技終了時点での最終差玉の算出を行うことができる。また、本実施形態では、S3306の処理において、遊技終了時刻が入力されるようにし、格納するようにしたが、これに限られず、例えば、現在時刻からの遊技時間(例えば、2時間など)を入力し、格納してもよい。
次いで、ナビ遊技フラグ223jをオンに設定し(S3307)、表示用遊技情報入力完了コマンドを設定し(S3308)、S3318の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技情報入力完了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報入力完了コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示している遊技情報入力画面(図6)を元の画面(デモ画面など)に変更する。これにより、遊技情報を入力した後、遊技を開始または継続できる状態にすることができる。なお、入力した遊技情報を確認する表示を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。
一方、S3302の処理において、カーソル位置が設定でないと判定された場合は(S3310)、次いで、カーソル位置がリセットであるか否かを判定し(S3310)、カーソル位置がリセットであると判定した場合は(S3310:Yes)、ナビ遊技フラグ223jがオンであるか否かを判定する(S3311)。ナビ遊技フラグ223jがオンでないと判定された場合は(S3311:No)、ナビ遊技を実行しておらずリセットする情報がないため、そのままS3318の処理へ移行する。一方、ナビ遊技フラグ223jがオンであると判定された場合は(S3311:Yes)、実行しているナビ遊技をリセットするために、遊技情報格納エリア223hおよび入力領域223rを初期化し(S3312)、ナビ遊技フラグ223jをオフに設定する(S3313)。S3313の処理の後、表示用遊技情報リセットコマンドを設定し(S3314)、S3318の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技情報リセットコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報リセットコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示している遊技情報入力画面(図6)を元の画面(デモ画面など)に変更する。これにより、遊技情報をリセットした後、遊技を開始または継続できる状態にすることができる。
S3310の処理において、カーソル位置がリセットでないと判定された場合は(S3310:No)、カーソル位置が戻るであるか否かを判定する(S3315)。そして、カーソル位置が戻るであると判定された場合は(S3315:Yes)、入力領域223rを初期化し(S3316)、遊技情報入力画面の表示を消すために表示用遊技情報入力中止コマンドを設定して(S3317)、S3318の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技情報中止コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報中止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示している遊技情報入力画面(図6)を元の画面(デモ画面など)に変更する。これにより、遊技情報をリセットした後、遊技を開始または継続できる状態にすることができる。なお、遊技情報の入力を中止することを確認する表示を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。
一方、S3315の処理において、カーソル位置が戻るでない場合は(S3315:No)、枠ボタン押下に基づく処理はないため、そのまま本処理を終了する。なお、枠ボタン押下に基づく処理がないことを示唆する表示を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。
S3308,S3314またはS3317の処理の後は、遊技情報入力フラグ223fおよび釦演出禁止フラグ223gをオフに設定する(S3318)。これにより、遊技情報入力画面が表示されなくなることに伴い、ナビ遊技設定処理(図50)におけるスイッチの操作に基づいた処理を行うスイッチ判別処理(S2702)が実行しないようにできる。また、ここでオフに設定された釦演出禁止フラグ223gによって、釦操作が必要なその他の演出が表示されるようになる。
図49に戻り、説明を続ける。S2602またはS2603の処理の後は、ナビ遊技フラグ223jに基づいて、ナビ遊技中であるか否かを判定する(S2604)。ナビ遊技中でない(ナビ遊技フラグ223jがオフ)と判定された場合は(S2604:No)、そのままS2606の処理へ移行し、ナビ遊技中である(ナビ遊技フラグ223jがオン)と判定された場合は(S2604:Yes)、ナビ遊技終了処理を実行し(S2605)、S2606の処理へ移行する。
ここで、図57を参照して、ナビ遊技終了処理(S2605)の詳細について説明する。図57は、このナビ遊技終了処理(S2605)を示したフローチャートである。このナビ遊技終了処理(S2605)は、ナビ遊技を実行中に、現在時刻が遊技終了時刻であるかを判定し、現在時刻が遊技終了時刻であると判定した場合に、ナビ遊技を終了するための処理である。
ナビ遊技終了処理では、まず、現在時刻格納エリア223qのデータおよび遊技情報格納エリア223hのデータを取得する(S3401)。次いで、延長確認フラグ223kがオンであるか否かを判定し(S3402)、延長確認フラグ223kがオンであると判定された場合は(S3402:Yes)、延長確認処理を実行し(S3403)、本処理を終了する。ここで、延長確認フラグ223kは、後述するように、現在時刻が遊技終了時刻を経過した場合にオンされるものであるので、現在時刻が遊技終了時刻を経過した場合に、延長確認処理(S3403)が実行される。この延長確認処理(S3403)は図58を参照して後述する。
一方、S3402の処理において、延長確認フラグ223kがオンでないと判定された場合は(S3402:No)、現在時刻格納エリア223qのデータである現在時刻が、遊技時間格納エリア223h1のデータである遊技終了時刻を経過しているか否かを判定する(S3404)。そして、現在時刻が遊技終了時刻を経過していないと判定された場合は(S3404:No)、そのまま本処理を終了し、現在時刻が遊技終了時刻を経過していると判定された場合は(S3404:Yes)、延長確認フラグ223kおよび釦演出禁止フラグ223gをオンに設定し(S3405)、現在時刻格納エリア223qおよび遊技情報集計エリア223iのデータに基づいて、表示用遊技延長確認コマンドを設定して(S3406)、本処理を終了する。ここで設定された表示用遊技延長確認コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技延長確認コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてナビ遊技を延長するか否かを選択する表示(図9(a))を表示する。これにより、遊技者に対し、遊技終了時刻が到来したことを報知すると共に、遊技終了時刻を延長して遊技を継続するか、そのまま遊技を終了するかを遊技者に選択させることができる。なお、本実施形態では、遊技終了時刻を経過した場合に、ナビ遊技を延長するか否かを選択する表示を表示するようにしたが、それに限られず、例えば、遊技終了時刻を経過した場合に、自動的に遊技結果を表示してナビ遊技を終了するようにして、遊技者の操作負担を軽減できるようにしても良い。また、大当たり中に遊技終了時刻となった場合は、その大当たり遊技が終了するまで延長するか否かを選択する表示が表示されないようにしても良いし、自動的に遊技終了時刻を延長(例えば30分)するものでも良い。これにより、遊技者にとって有利な状態である大当たり中に遊技を終了する遊技者は少ないと考えられるため、自動的に遊技終了時刻を延長させることで、遊技者の操作負担を軽減できると共に、大当たり遊技中に不要な表示が表示されることによって遊技者に不快感を与えてしまうことを防止できる。
ここで、図58を参照して、延長確認処理(S3403)の詳細について説明する。図58は、この延長確認処理(S2605)を示したフローチャートである。この延長確認処理(S2605)は、ナビ遊技を実行中に、現在時刻が遊技終了時刻を経過した場合に、遊技の延長確認を行うための処理である。
延長確認処理では、まず、カーソル位置格納エリア223pのデータを取得する(S3501)。次いで、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されたか否かを判定し(S3502)、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されたと判定した場合は(S3502:Yes)、S3501の処理において取得したカーソル位置格納エリア223pのデータが延長するであるか否かを判定する(S3503)。そして、カーソル位置が延長するであると判定された場合は(S3503:Yes)、カーソル位置格納エリア223pのデータを延長しないに変更し(S3504)、S3506の処理に移行する。一方、カーソル位置が延長しないであると判定された場合は(S3503:No)、カーソル位置格納エリア223pのデータを延長するに変更し(S3505)、S3506の処理に移行する。S3506の処理では、カーソル位置格納エリア223pのデータに基づいて、表示用入力画面更新コマンドを設定し(S3506)、その後、本処理を終了する。ここで設定された表示用入力画面更新コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用入力画面更新コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてナビ遊技を延長するか否かを選択する表示(図9(a))において、延長するまたは延長しないのどちらが選択されているかの表示を更新することができる。これにより、遊技者に対し、現在どちらが選択されているかを明示できる。なお、本実施形態では、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dのどちらが押下されたかの情報に基づかずコマンドを設定するようにしたが、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dのどちらが押下されたかの情報に基づいてコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、右スイッチ270bの押下に基づき表示される動的な表示(例えばカーソルが右側に遷移していくような動的表示など)と左スイッチ270dの押下基づき表示される動的な表示(例えばカーソルが左側に遷移していくような動的表示など)を表示するようにできる。
一方、S3502の処理において、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されていないと判定された場合(S3502:No)、枠ボタン22が押下されたか否かを判定し(S3507)。枠ボタン22が押下されたと判定された場合は(S3507:Yes)、S3501の処理において取得したカーソル位置格納エリア223pのデータが延長するであるか否かを判定する(S3508)。そして、カーソル位置が延長するであると判定された場合は(S3508:Yes)、遊技情報入力フラグ223fをオンに設定し(S3509)、表示用遊技情報入力開始コマンドを設定して(S3910)、S3514の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技情報入力開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技情報入力開始コマンドを受信した際の動作は、ナビ遊技設定処理(図50参照)のS2705の処理によって表示用遊技情報入力開始コマンドを受信した際と同様である。ここで遊技情報入力フラグ223fをオンに設定し、表示用遊技情報入力開始コマンドを設定することにより、遊技情報入力画面を利用して遊技終了時刻の延長を設定することができる。これにより遊技終了時刻を延長させる表示を別途用意せずとも、遊技終了時刻の延長を設定することができる。なお、遊技終了時刻を延長させる表示を別途用意して、入力するようにしても良いし、遊技終了時刻を入力するのではなく、例えば30分、1時間といった延長する時間を選択できるようにしても良いし、自動的に所定時間(例えば30分)を延長したものとして設定し、その自動的に延長された時間を変更したい場合には、後から遊技者が設定を変更可能なようにしても良い。
S3508の処理において、カーソル位置が延長しないであると判定された場合は(S3508:No)、ナビ遊技フラグ223jおよび釦演出禁止フラグ223gをオフに設定し(S3511)、遊技情報格納エリア223hのデータを初期化し、遊技情報集計エリア223iのデータに基づいて、表示用遊技結果表示コマンドを設定し(S3513)、S3514の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技結果表示コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技結果表示コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において遊技情報集計エリア223iのデータに基づいた表示(図9(b))が表示される。なお、遊技情報集計エリア223iのデータに基づいた表示には、表示されている情報を読み取り機器によって読み取ることが可能な表示(例えば2次元バーコードなど)を含むものであってもよい。これにより、携帯電話などの読み取り機器によって、遊技情報のデータを遊技者が簡単に入手することができる。
S3510またはS3513の処理を終えると、延長確認フラグ223kをオフに設定し(S3514)、本処理を終了する。
一方、S3507の処理において、枠ボタンが押下されていないと判断された場合は(S3507:No)、そのまま本処理を終了する。なお、本実施形態では、上スイッチ270aまたは下スイッチ270cに基づく処理はないが、延長する、延長しないの表示を上下に配置して、上スイッチ270aまたは下スイッチ270cに基づいて選択可能にするようにしても良い。また、遊技終了時刻の判定は行わず、遊技を終了する際に遊技者が遊技終了に関わる操作を行うことで、遊技結果を表示するようにしても良い。
図49に戻り、説明を続ける。S2604またはS2605の処理を終えると、継続確認フラグ223mがオンであるか否かを判定する(S2606)。S2606の処理において、継続確認フラグ223mがオンであると判定されると(S2606:Yes)、表示用遊技継続確認開始コマンドを設定し(S2607)、継続確認フラグ223mをオフに設定すると共に、継続確認中フラグ223nをオンに設定して(S2608)、S2609の処理へ移行する。一方、S2606の処理において、継続確認フラグ223mがオンでないと判定されると(S2606:No)、S2607およびS2608の処理をスキップして、S2609の処理へ移行する。ここで、継続確認フラグ223mは音声ランプ制御装置のデータ読込処理(図40)において、現在時刻の日付とRTC260のその他レジスタ263bに退避していた遊技情報の日付が一致し、その他レジスタ263bの遊技情報を遊技情報格納エリア223hに上書きした場合に、オンに設定されている。よって、継続確認フラグ223mがオンの場合には、表示用遊技継続確認開始コマンドを設定することで、退避していた遊技情報に基づいて、遊技を継続するか否かを確認することができる。
ここで設定された表示用遊技継続確認開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技継続確認開始コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において遊技を継続するか否かを選択するための表示(図10(a))が表示される。なお、表示用遊技継続確認開始コマンドによる遊技の継続確認の表示は行わず、遊技者の所定の操作(例えば、遊技情報入力画面で再度設定ボタンを押下するなど)に基づいて、退避していた遊技情報に基づいて遊技を継続できるようにしてもよい。これにより、表示用遊技継続確認開始コマンドによる遊技の継続確認の表示を行わなくて良いため、処理負荷を軽減することができる。
S2606またはS2608の処理を終えると、次いで、継続確認中フラグ223nがオンであるか否かを判定する(S2609)。そして、継続確認中フラグ223nがオンであると判定された場合は(S2609:Yes)、ナビ遊技継続確認処理を実行し(S2610)、本処理を終了する。一方、継続確認中フラグ223nがオンでないと判定された場合は(S2609:No)、S2610の処理をスキップして、本処理を終了する。
ここで、図59を参照して、ナビ遊技継続確認処理(S2610)の詳細について説明する。図59は、このナビ遊技継続確認処理(S2610)を示したフローチャートである。このナビ遊技継続確認処理(S2610)は、データ読込処理(図40)において、取得された遊技情報に基づいて、遊技を継続するか否かを確認するための処理である。
ナビ遊技継続確認処理では、まず、カーソル位置格納エリア223pのデータを取得する(S3601)。次いで、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されたか否かを判定する(S3602)。右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されたと判定した場合は(S3602:Yes)、延長確認処理(図58)において右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されたと判定した場合(S3502:Yes)と同様である。相違点としては、カーソル位置格納エリア223pのデータが延長するまたは延長しないではなく、継続するまたは継続しないである点のみであり、その他の点で同一であるため、その詳細な説明を省略する。
S3602の処理において、右スイッチ270bまたは左スイッチ270dが押下されていないと判定された場合(S3602:No)、枠ボタン22が押下されたか否かを判定し(S3607)。枠ボタン22が押下されたと判定された場合は(S3607:Yes)、S3601の処理において取得したカーソル位置格納エリア223pのデータが継続するであるか否かを判定する(S3608)。そして、カーソル位置が継続しないであると判定された場合は(S3608:Yes)、ナビ遊技フラグ223jおよび釦演出禁止フラグ223gをオフに設定し(S3609)、遊技情報格納エリア223hおよび遊技情報集計エリア223iのデータを初期化し(S3610)、表示用遊技継続確認完了コマンドを設定して(S3611)、S3616の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技継続確認完了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図41参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用遊技継続確認完了コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示されている遊技を継続するか否かを選択するための表示(図10(a))の表示を終了させることができる。
一方、カーソル位置が継続しないでないと判定された場合は(S3608:No)、遊技を継続するため、遊技情報格納エリア223hのデータにおける遊技終了時刻が現在時刻格納エリア223qのデータにおける現在時刻よりも後であるか否かを判定する(S3612)。遊技終了時刻が現在時刻よりも後であると判定された場合は(S3612:Yes)、ナビ遊技フラグ223jをオンに設定し(S3613)、表示用遊技情報入力完了コマンドを設定して(S3614)、S3616の処理へ移行する。ここで設定された表示用遊技情報入力完了コマンドによる動作は、枠ボタン処理(図56)のS3308の処理において設定される表示用遊技情報入力完了コマンドと同様の動作となる。なお、遊技情報格納エリア223hのデータに基づいて表示用遊技情報入力完了コマンドを設定することで、遊技情報を確認する表示を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。
S3812の処理において、遊技終了時刻が現在時刻よりも後でないと判定された場合は(S3612:No)、表示用遊技情報入力エラーコマンドを設定し(S3615)、S3616の処理へ移行する。S3611,S3614またはS3615の処理を終えると、継続確認中フラグ223nをオフに設定し、本処理を終了する。ここで継続確認中フラグ223nをオフに設定することにより、ナビ遊技処理(図49)において、ナビ継続確認処理(S2610)が実行されないようにすることができる。
次に、図60を参照して、メイン処理(図41)において実行される変動表示設定処理(S1813)の詳細について説明する。図60は、この変動表示設定処理(S1813)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1813)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S3701)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S3701:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S3702)、次いで、コマンド判定処理(図42参照)のS3703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S3703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S3705)。S3705の処理では、特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3706の処理へ移行する。
S3706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S3706)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S3706:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S3707)、次いで、コマンド判定処理(図42参照)のS3706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3708)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3709)、S3710の処理へ移行する。
S3709の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S3710)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるデータ記憶処理(S3817)について説明する。図61は、このデータ記憶処理(S3817)を示したフローチャートである。このデータ記憶処理(S3817)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)の中で実行され、停電発生時にナビ遊技に関する情報をバックアップするための処理である。
データ記憶処理では、まず、現在時刻格納エリア223q、遊技情報格納エリア223hおよび遊技情報集計エリア223iのデータを取得し(S3801)、ナビ遊技中であるか否かを判定する(S3802)。ナビ遊技中であるか否かは、ナビ遊技フラグ223jがオンであるか否かによって判定する。S3802の処理において、ナビ遊技中であると判定された場合は、S3801の処理において取得された現在時刻格納エリア223q、遊技情報格納エリア223hおよび遊技情報集計エリア223iのデータを、RTC260のその他レジスタ263に保存し(S3803)、本処理を終了する。一方、S3802の処理において、ナビ遊技中でないと判定された場合は、S3802の処理をスキップして、本処理を終了する。ここで、S3803の処理により保存されるデータは、現在時刻における日付情報を含むものであり、上述したデータ読込処理(S1610)において、日付が一致しているか否かの判定に用いられる。
<第1実施形態における表示制御装置114により実行される制御処理について>
次に、図62から図82を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図62を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図62は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S3901)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図63を参照して、ブート処理(S3901)について説明する。図63は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S3901)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S4001)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S4002)。これにより、MPU231は、S4001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S4002の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S4002の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S4003)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S4004)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図62のS3901参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図62のS3902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S4005)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S3901)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図63に示すブート処理では、S4001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S4001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S4002の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S4003〜S4005の処理を実行するようにしてもよい。
また、S4001の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S4001及びS4002の処理を含めて複数回繰り返した後、S4003〜S4005の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S4001及びS4002の処理を行わずに、S4003〜S4005の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図62の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S3902)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S3903)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S3903の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S3904)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S3904の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S3905)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図80(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図80(a)のS6602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図64(b)参照)において、電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図64(b)のS4208参照)および簡易表示設定処理(図64(b)のS4209参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64aまたは第2入球口64bへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S3905の処理の後、割込許可を設定し(S3906)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S3906の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図64(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図64(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図64(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図64(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図64(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4201)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4201:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4202)を実行し、次いで、表示設定処理(S4203)を実行する。
コマンド判定処理(S4202)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図65〜図76を参照して後述する。
表示設定処理(S4203)では、コマンド判定処理(S4202)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図77〜図79を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4204)。このタスク処理では、表示設定処理(S4203)もしくは簡易表示設定処理(S4209)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4205)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図80および図81を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4206)。この描画処理では、タスク処理(S4204)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4205)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図82を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4207)。そして、V割込処理を終了する。S4207の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4201の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4201:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示せず)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4208)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4209)を実行して、S4204の処理へ移行する。
次いで、図65〜図76を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4202)の詳細について説明する。まず、図65は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図65に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4301)、未処理の新規コマンドがなければ(S4301:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4301:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4302)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4303)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S4304)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4304:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4305)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図68(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S4305)の詳細について説明する。図68(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4601)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4601で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4602)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S4601の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S4603)。表示設定処理では、S4603の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S4601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4604)、ポインタ233fを0に初期化する(S4605)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4606)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4605の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4602の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4604の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図65の説明に戻る。S4304の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4304:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4306)、表示用変動種別コマンドがあれば(S4306:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4307)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図68(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S4307)の詳細について説明する。図68(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たり、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4701)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図64(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4702)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4702の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4703)、コマンド判定処理に戻る。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4702の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図65に戻り、説明を続ける。S4306の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4306:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S4308)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S4308:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S4309)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図69(a)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S4309)の詳細について説明する。図69(a)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4802)。
そして、S4801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4803)、ポインタ233fを0に初期化する(S4804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4805)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図65の説明に戻る。S4308の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S4308:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報に関わるコマンドがあるか否かを判別し(S4310)、表示用遊技情報に関わるコマンドがあれば(S4310:Yes)、遊技情報関連コマンド処理を実行して(S4311)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図66を参照して、遊技情報関連コマンド処理(S4311)の詳細について説明する。図66は、遊技情報関連コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技情報関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技情報に関わるコマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技情報関連コマンド処理では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報入力開始コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、表示用遊技情報入力開始コマンドがあれば(S4401:Yes)、遊技情報入力開始コマンド処理を実行して(S4402)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図70(a)を参照して、遊技情報入力開始コマンド処理(S4402)の詳細について説明する。図70(a)は、遊技情報入力開始コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技情報入力開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技情報入力開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技情報入力開始コマンド処理では、まず、表示用遊技情報入力開始コマンドによって示される遊技情報入力画面(図6)の表示態様に対応した遊技情報入力開始表示データテーブルを決定し、その決定した遊技情報入力開始表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5002)。
そして、S5001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技情報入力開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5003)、ポインタ233fを0に初期化する(S5004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5005)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4401の処理において、表示用遊技情報入力開始コマンドがないと判別されると(S4401:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用入力画面更新コマンドがあるか否かを判別し(S4403)、表示用入力画面更新コマンドがあれば(S4403:Yes)、表示用入力画面更新コマンド処理を実行して(S4404)、コマンド判定処理へ戻る。
遊技情報関連コマンド処理では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報入力開始コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、表示用遊技情報入力開始コマンドがあれば(S4401:Yes)、入力画面更新コマンド処理を実行して(S4402)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図70(b)を参照して、入力画面更新コマンド処理(S4404)の詳細について説明する。図70(b)は、入力画面更新コマンド処理を示すフローチャートである。この入力画面更新コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用入力画面更新コマンドに対応する処理を実行するものである。
入力画面更新コマンド処理では、まず、表示用入力画面更新コマンドによって示される遊技情報入力画面を更新するための表示態様に対応した入力画面更新表示データテーブルを決定し、その決定した入力画面更新表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5102)。
そして、S5101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された入力画面更新表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5103)、ポインタ233fを0に初期化する(S5104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5105)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4403の処理において、表示用入力画面更新コマンドがないと判別されると(S4403:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報入力完了コマンドがあるか否かを判別し(S4405)、表示用遊技情報入力完了コマンドがあれば(S4403:Yes)、表示用遊技情報入力完了コマンド処理を実行して(S4406)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図71(a)を参照して、遊技情報入力完了コマンド処理(S4406)の詳細について説明する。図71(a)は、遊技情報入力完了コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技情報入力完了コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技情報入力完了コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技情報入力完了コマンド処理では、まず、表示用遊技情報入力完了コマンドによって示される遊技情報入力画面での入力を完了するための表示態様に対応した遊技情報入力完了表示データテーブルを決定し、その決定した遊技情報入力完了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5202)。
そして、S5201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技情報入力完了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5203)、ポインタ233fを0に初期化する(S5204)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5205)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4405の処理において、表示用遊技情報入力完了コマンドがないと判別されると(S4405:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報入力エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4407)、表示用遊技情報入力エラーコマンドがあれば(S4407:Yes)、遊技情報入力エラーコマンド処理を実行して(S4408)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図71(b)を参照して、遊技情報入力エラーコマンド処理(S4408)の詳細について説明する。図71(b)は、遊技情報入力エラーコマンド処理を示すフローチャートである。この遊技情報入力エラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技情報入力エラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技情報入力エラーコマンド処理では、まず、表示用遊技情報入力エラーコマンドによって示される遊技情報入力画面での入力エラーを表示するための表示態様に対応した遊技情報入力エラー表示データテーブルを決定し、その決定した遊技情報入力エラー表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5302)。
そして、S5301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技情報入力エラー表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5303)、ポインタ233fを0に初期化する(S5304)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5305)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4407の処理において、表示用遊技情報入力エラーコマンドがないと判別されると(S4407:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技情報入力中止コマンドがあるか否かを判別し(S4409)、表示用遊技情報入力中止コマンドがあれば(S4409:Yes)、遊技情報入力中止コマンド処理を実行して(S4410)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図72(a)を参照して、遊技情報入力中止コマンド処理(S4410)の詳細について説明する。図72(a)は、遊技情報入力中止コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技情報入力中止コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技情報入力中止コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技情報入力中止コマンド処理では、まず、表示用遊技情報入力中止コマンドによって示される遊技情報入力画面での入力を中止し表示を終了するための表示態様に対応した遊技情報入力中止表示データテーブルを決定し、その決定した遊技情報入力中止表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5402)。
そして、S5401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技情報入力中止表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5403)、ポインタ233fを0に初期化する(S5404)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5405)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4409の処理において、表示用遊技情報入力中止コマンドがないと判別されると(S4409:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技延長確認コマンドがあるか否かを判別し(S4411)、表示用遊技延長確認コマンドがあれば(S4411:Yes)、遊技延長確認コマンド処理を実行して(S4412)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図72(b)を参照して、遊技延長確認コマンド処理(S4412)の詳細について説明する。図72(b)は、遊技延長確認コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技延長確認コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊技延長確認コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技延長確認コマンド処理では、まず、表示用遊技延長確認コマンドによって示される遊技延長確認画面(図9(a))の表示態様に対応した遊技延長確認表示データテーブルを決定し、その決定した遊技延長確認表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5502)。
そして、S5501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技延長確認表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5503)、ポインタ233fを0に初期化する(S5504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5505)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4411の処理において、表示用遊技延長確認コマンドがないと判別されると(S4411:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技継続確認開始コマンドがあるか否かを判別し(S4413)、表示用遊技継続確認開始コマンドがあれば(S4413:Yes)、遊技継続確認開始コマンド処理を実行して(S4414)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図73(a)を参照して、遊技継続確認開始コマンド処理(S4414)の詳細について説明する。図73(a)は、遊技継続確認開始コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技継続確認開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊遊技継続確認開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技継続確認開始コマンド処理では、まず、表示用遊技継続確認開始コマンドによって示される遊技継続確認画面(図10(a))の表示態様に対応した遊技継続確認開始表示データテーブルを決定し、その決定した遊技継続確認開始表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5602)。
そして、S5601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技継続確認開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5603)、ポインタ233fを0に初期化する(S5604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5605)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4413の処理において、表示用遊技継続確認開始コマンドがないと判別されると(S4413:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技継続確認完了コマンドがあるか否かを判別し(S4415)、表示用遊技継続確認完了コマンドがあれば(S4415:Yes)、遊技継続確認完了コマンド処理を実行して(S4416)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図73(b)を参照して、遊技継続確認完了コマンド処理(S4416)の詳細について説明する。図73(b)は、遊技継続確認完了コマンド処理を示すフローチャートである。この遊技継続確認完了コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用遊遊技継続確認完了コマンドに対応する処理を実行するものである。
遊技継続確認完了コマンド処理では、まず、表示用遊技継続確認完了コマンドによって示される遊技継続確認画面(図10(a))を終了するための表示態様に対応した遊技継続確認完了表示データテーブルを決定し、その決定した遊技継続確認完了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5702)。
そして、S5701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技継続確認完了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5703)、ポインタ233fを0に初期化する(S5704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5705)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。S4415の処理において、表示用遊技継続確認完了コマンドがないと判別されると(S4415:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用遊技結果表示コマンドがあるか否かを判別し(S4417)、表示用遊技結果表示コマンドがあれば(S4417:Yes)、遊技結果表示コマンド処理を実行して(S4418)、コマンド判定処理へ戻る。
遊技結果表示コマンド処理では、まず、表示用遊技結果表示コマンドによって示される遊技結果表示画面(図9(b))の表示態様に対応した遊技結果表示データテーブルを決定し、その決定した遊技結果表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5802)。
そして、S5801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された遊技結果表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5803)、ポインタ233fを0に初期化する(S5804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5805)、遊技情報関連コマンド処理に戻る。
ここで、図66の説明に戻る。遊技情報関連コマンド処理(S4311)における各処理(S4402,S4404,S4406,S4408,S4410,S4412,S4414,S4416,S4418)を終えると、コマンド判定処理へ戻る。
図65に戻り、説明を続ける。S4310の処理において、表示用遊技情報に関わるコマンドがないと判別されると(S4310:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりに関わるコマンドがあるか否かを判別し(S4312)、表示用大当たりに関わるコマンドがあれば(S4412:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行して(S4313)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図67を参照して、大当たり関連コマンド処理(S4313)の詳細について説明する。図67は、大当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用大当たりに関わるコマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり関連コマンド処理では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりコマンドがあるか否かを判別し(S4501)、表示用大当たりコマンドがあれば(S4501:Yes)、大当たりコマンド処理を実行して(S4502)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図74(b)を参照して、大当たりコマンド処理(S4502)の詳細について説明する。図74(b)は、大当たりコマンド処理を示すフローチャートである。この大当たりコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用大当たりコマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たりコマンド処理では、まず、表示用大当たりコマンドによって示される大当たり発生時(図7)の表示態様に対応した大当たり表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5902)。
そして、S5901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5903)、ポインタ233fを0に初期化する(S5904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5905)、大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図67の説明に戻る。S4501の処理において、表示用大当たりコマンドがないと判別されると(S4501:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ナビ種別コマンドがあるか否かを判別し(S4503)、表示用ナビ種別コマンドがあれば(S4503:Yes)、ナビ種別コマンド処理を実行して(S4504)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図75(a)を参照して、ナビ種別コマンド処理(S4504)の詳細について説明する。図75(a)は、ナビ種別コマンド処理を示すフローチャートである。このナビ種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ナビ種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
ナビ種別コマンド処理では、まず、表示用ナビ種別コマンドによって示されるナビ表示(図8)の表示態様に対応したナビ種別表示データテーブルを決定し、その決定したナビ種別表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6002)。
そして、S6001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたナビ種別表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6003)、ポインタ233fを0に初期化する(S6004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6005)、大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図67の説明に戻る。S4503の処理において、表示用ナビ種別コマンドがないと判別されると(S4503:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別し(S4505)、表示用大当たり開始コマンドがあれば(S4505:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行して(S4506)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図75(b)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S4506)の詳細について説明する。図75(b)は、大当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用大当たり開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり開始コマンド処理では、まず、表示用大当たり開始コマンドによって示される大当たり開始の表示態様に対応した大当たり開始表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり開始表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6102)。
そして、S6101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6103)、ポインタ233fを0に初期化する(S6104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6105)、大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図67の説明に戻る。S4505の処理において、表示用大当たり開始コマンドがないと判別されると(S4505:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用大当たり完了コマンドがあるか否かを判別し(S4507)、表示用大当たり完了コマンドがあれば(S4507:Yes)、大当たり完了コマンド処理を実行して(S4508)、コマンド判定処理へ戻る。
ここで、図76(a)を参照して、大当たり完了コマンド処理(S4508)の詳細について説明する。図76(a)は、大当たり完了コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり完了コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用大当たり完了コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり完了コマンド処理では、まず、表示用大当たり完了コマンドによって示される大当たり完了の表示態様に対応した大当たり完了表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり完了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6202)。
そして、S6201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり完了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6203)、ポインタ233fを0に初期化する(S6204)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6205)、大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図67の説明に戻る。大当たりコマンド処理(S4311)における各処理(S4502,S4504,S4506,S4508)を終えると、コマンド判定処理へ戻る。
図65に戻り、説明を続ける。S4312の処理において、表示用大当たりに関わるコマンドがないと判別されると(S4312:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4314)、エラーコマンドがあれば(S4314:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4315)、S4301の処理へ戻る。
ここで、図69(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4315)の詳細について説明する。図69(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図65の説明に戻る。S4314の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4314:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4316)、S4301の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4301の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4301:Yes)、再びS4302〜S4316の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4302〜S4316の処理が繰り返し実行され、S4301の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図64(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4208)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)および停止種別コマンド処理(図68(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)では、S4601の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4602の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図77〜図79を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4203)の詳細について説明する。図77は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図77に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6302〜S6304の処理をスキップし、S6305の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6302)、S6303〜S6304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6304)。
ここで、図78を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図78は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図77の説明に戻る。警告画像設定処理(S6304)の後、又は、S6303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6303:No)、次いで、S6305の処理へ移行する。
S6305では、ポインタ更新処理を実行する(S6305)。ここで、図79を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図79は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6502)。その結果、End情報であれば(S6502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6503)、デモ用表示データテーブルであれば(S6503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図77に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6309:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S6315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4204)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6309の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S6309:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6316:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図64(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4209)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図80及び図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4205)の詳細について説明する。まず、図80(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図80(b)を参照して後述する。
一方、S6601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図81を参照して後述する。
次いで、図80(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4205)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6602)について説明する。図80(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6701)、転送指示を送信していれば(S6701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6702)。このS6702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6702:Yes)、S6703の処理へ移行する。また、S6701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6701:No)、S6703の処理へ移行する。
S6703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図64(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図64(b)のS4208参照)および簡易表示設定処理(図64(b)のS4209参照)ではなく、コマンド判定処理(図65〜図76参照)および表示設定処理(図77〜図79参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図81参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図80(a)のS6601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4205)の一処理である通常画像転送設定処理(S6603)について説明する。図81は、この通常画像転送設定処理(S6603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4203)のポインタ更新処理(S6305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6802)、転送データ情報であれば(S6802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6804)、S6805の処理へ移行する。
また、S6802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6802:No)、S6803及びS6804の処理をスキップして、S6805の処理へ移行する。S6805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6805)、転送指示を設定していれば(S6805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6806)。
このS6806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6806:Yes)、S6807の処理へ移行する。また、S6805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6805:No)、S6807の処理へ移行する。
S6807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6807)、転送開始フラグがオンであれば(S6807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6808)、S6803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6809の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6807:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
S6809の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6809)。このS6809の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6809の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6809:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6809の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6809:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6810)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6810の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S6811)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図82を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4206)の詳細について説明する。図82は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4205)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S6901)。即ち、S6901の処理では、タスク処理(S4204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4205)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S6903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図36(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2実施形態>
次に、図83〜図91を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄2が優先に変動開始されるように構成したが、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄1と特別図柄2とで同時に変動が実行されるよう構成され、大当たり遊技の終了時に、遊技情報と現在時刻とに基づいて特別図柄1または特別図柄2のうちどちらの大当たりを狙えば良いかが表示される点で第1実施形態の構成と相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明を省略する。
図83を参照して、第2実施形態の遊技盤13の構成について説明する。図83は、第2実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態に対して、遊技盤13の可変表示装置ユニット80の左下には、第1入球口64aが配置され、右側には第2入球口64bが配置されている点で相違する。
このように構成することで、可変表示装置ユニット80の上部中央位置に遊技球が到達するように発射ハンドル51を調整して遊技球を発射させて、可変表示装置ユニット80の左右流路を遊技球が流下するように遊技球を発射させることで、第1入球口64aと第2入球口64bとの両方に遊技球を入球させることが可能となる。よって、特別図柄1と特別図柄2とを同時に変動させて効率良く遊技を行うことができる。
さらに、可変表示装置ユニット80の右側をより多く遊技球が通過するように、発射ハンドル51の強さを調整(例えば、最大の強さで発射)する(以後、右打ち状態と称す)ことで、第2入球口64bに遊技球を入球させやすく構成することができる。よって、特別図柄2での変動回数(抽選回数)をより多くすることができる。
また、可変表示ユニット80の左側をより多く遊技球が通過するように発射ハンドル51を調整(例えば、発射する強さをレール61の先端を少し越えるくらいの強さ)することで、第1入球口64aに遊技球が入球し易くすることができる。よって、特別図柄1での変動回数(抽選回数)を多くすることができる。
このように、本実施形態のように、第1入球口64a、第2入球口64bを配置することで、どちらの特別図柄で多く抽選させるかを遊技者が意図的に制御することができる。また、後述するが、本実施形態では、特別図柄1と特別図柄2とでは、選択される大当たり種別の割合(確率)を異ならせているので、自分の目標や、現状の目標達成状態に合わせて、遊技を行うことができる。
本実施形態では、可変表示ユニット80を遊技領域の中央に配置して、その左右を遊技球が通過可能に構成したので、遊技領域の流路を仕切ることができ、左側流路と右側流路とに入球口をそれぞれ配置することで、遊技者が入球できる入球口を制御できるように構成した。
また、第2入球口64bに電動役物を設けたので、遊技者は、大当たり後の時短遊技や確変遊技中には、右打ち状態で遊技をすることで、持ち球の減少を抑制して遊技を行うことができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
図84から図87を参照して、本第2実施形態における電気的構成について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のRAM203の内容と、第1当たり種別選択テーブル202bの内容と、音声ランプ制御装置113のナビ選択テーブル222aの内容と、が変更されている点で相違する。その他の構成については第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については、省略する。
図84は、本第2実施形態における主制御装置113のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、特図1大当たりフラグ203q、特図2大当たりフラグ203r、特図1変動停止フラグ203s、特図2変動停止フラグ203t、特図1変動時間カウンタ203u、特図2変動時間カウンタ203vが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
特図1大当たりフラグ203qは、特別図柄1の抽選結果が大当たりと判別されていることを示すフラグである。この特図1大当たりフラグ203qは、変動開始となる特別図柄1の抽選結果が当たりであると判別された場合(図90、S457)にオンに設定される。なお、大当たり遊技の開始が設定されたことに基づいて、オフに設定される(図示せず)。
特図2大当たりフラグ203rは、特図1大当たりフラグ203qに対して特図1が特図2に変更された点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
特図1変動停止フラグ203sは、特別図柄1の変動を仮停止させることを示すフラグである。本実施形態では、特別図柄1と特別図柄2との変動を同時変動可能に構成し、一方が大当たりとなる特別図柄で停止表示されると、変動中の他方の特別図柄は仮停止され、大当たり遊技の終了後に再び残りの変動が実行される。ここでは、特別図柄2の変動が停止される場合に、その判定結果が大当たりであるとオンに設定される(図96、S258)。一方、特別図柄1変動停止処理(図92、S255)のS663の処理によりオフに設定される。ここで、特別図柄1変動停止処理(図92,S255)の処理は、大当たり遊技中(大当たりフラグ203mがオンである期間を含む)には実行されないので、大当たりが終了した場合に仮停止が解除される。
特図2変動停止フラグ203tは、特別図柄2の変動を仮停止させることを示すフラグである。特図1変動停止フラグ203sに対して、特別図柄1が特別図柄2に変更されている点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
特図1変動時間カウンタ203uは、特別図柄1の変動時間をカウントするためのカウンタである。
特図2変動時間カウンタ203vは、特別図柄2の変動時間をカウントするためのカウンタである。
次に、図85〜図87を参照して、本第2実施形態における主制御装置113のMPU201のROM202について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図85(a)から図85(c)は、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの第1ゲート用選択テーブルb1の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、特別図柄1と特別図柄2とでは、第1ゲート通過に基づいて選択される大当たり種別が異なるように設定されている。より具体的には、特別図柄1の大当たり時に第1ゲートを遊技球が通過すると、特図1第1ゲート用選択テーブルに基づいて、大当たり種別が取得される。また、特別図柄2の大当たり時に第1ゲートを遊技球が通過すると、特図2第1ゲート用選択テーブルに基づいて、大当たり種別が取得される。
図85(b)は、特図1第1ゲート用選択テーブル202b1aの内容を模式的に示した模式図である。特図1第1ゲート用選択テーブル202b1aでは、大当たりD1(9R確変大当たり)と大当たりD2(9R時短大当たり)とが設定されている。ここで、大当たりD1と大当たりD2とが選択される確率は、1/2に設定されている。
図85(c)は、特図2第1ゲート用選択テーブル202b1bの内容を模式的に示した模式図である。特図2第1ゲート用選択テーブル202b1bでは、大当たりE1(6R確変大当たり)、大当たりF1(12R確変大当たり)、大当たりE2(6R時短大当たり)、大当たりF2(12R時短大当たり)がそれぞれ設定されている。大当たりE1、大当たりF1(確変大当たり)と大当たりE2、大当たりF2との選択確率は1/2に設定されている。また、大当たりE2と大当たりF2との選択確率は、1/2で構成されている。大当たりE2と大当たりF2との選択確率も1/2で設定されている。
これにより、特別図柄1で大当たりとなり、第1ゲート650aを通過させた場合には、9ラウンドの大当たり遊技を確実に得られるように構成されている。一方、特別図柄2では、6ラウンドか、12ラウンドのどちらかが抽選により1/2の確率で選択される。
図86は、第2ゲート用選択テーブル202b2の内容を模式的に示した模式図である。第2ゲート専用選択テーブル202b2は、特図1第2ゲート用選択テーブル202b2aと特図2第2ゲート用選択テーブル202b2bとが設定されている。
図86(b)は、特図1第2ゲート用選択テーブル202b2aの内容を模式的に示した模式図である。特図1第2ゲート用選択テーブル202b2aは、特別図柄1で大当たりとなり、第2ゲート650bを遊技球が通過した場合に、大当たり種別を選択するために用いられるテーブルである。
特図1第2ゲート用選択テーブル202b2aは、大当たりG1(7R確変大当たり)、大当たりH1(11R確変大当たり)、大当たりG2(7R時短大当たり)、大当たりH2(11R時短大当たり)がそれぞれ設定されている。大当たりG1、大当たりH1と大当たりG2、大当たりH2(確変か時短か)が選択される割合は1/2で構成されている。また、大当たりG1と大当たりH1との選択割合は1/2となっており、大当たりG2と大当たりH2との選択割合は1/2で構成されている。
図86(c)は、特図2第2ゲート用選択テーブル202b2bの内容を模式的に示した模式図である。この特図2第2ゲート用選択テーブル202b2bは、特別図柄2で大当たりとなり、第2ゲート650bを遊技球が通過した場合に、大当たり種別の選択に用いられるテーブルである。
特図2第2ゲート用選択テーブル202b2bでは、大当たりI1(2R確変大当たり)、大当たりJ1(16R確変大当たり)、大当たりI2(2R時短大当たり)、大当たりJ2(16R時短大当たり)がそれぞれ設定されている。大当たりI1、大当たりJ1と大当たりI2、大当たりJ2(確変と時短)との選択割合は1/2で設定されている。大当たりI1と大当たりJ1との選択割合は1/2で構成され、大当たりI2と大当たりJ2との選択割合は、1/2で設定されている。
このように、特別図柄1で大当たりとなる第2ゲート650bを通過させた場合には、7ラウンドか11ラウンドの大当たりが1/2の確率で選択される。上記したように、特別図柄1が大当たりとなる第1ゲート650aに遊技球を通過させると9ラウンドの大当たりが必ず得られる(100%の選択率)ので、遊技者にとっては、リスクの少ない選択は、第1ゲート650aを通過させることとなる。しかしながら、遊技者の目標設定差球数が多い場合には、第2ゲート650bを通過させて、11ラウンドの大当たりを狙う必要がある。このような遊技者に合わせたナビゲートが本実施形態の構成では、実行可能に構成されている。
また、特別図柄2では、第1ゲート650aでは、6ラウンドか12ラウンドが1/2の確率で抽選される。また、第2ゲート650bでは、2ラウンドか16ラウンドの大当たりが1/2の確率で抽選される。よって、遊技者にとって、第2ゲートは、2ラウンドを得る可能性が高く、リスクの大きい選択となる。
また、特別図柄1と特別図柄2との比較では、特別図柄1では、第1ゲート650aを通過させることで、確実に9ラウンドの大当たりを得ることができる。一方、特別図柄2では、第1ゲート650aであっても、第2ゲート650bであっても、9ラウンドよりも少ない大当たりが選択される確率があり、遊技者にとってリスクが大きく設定されている。
よって、目標達成までに必要なラウンド数として、9ラウンド以下である場合には、特別図柄1で大当たりさせるようにナビゲートを行うことで、遊技者にとって、有利となる特別図柄の抽選を報知できる。また、目標達成までに、9ラウンド以上必要であり、残り遊技時間も短い場合には、特別図柄2での大当たりを狙って遊技を行わせるように報知することにより、遊技者の目標達成を手助けすることができる。
なお、本実施形態では、ナビにあわせて、右打ち、左打ちと打ち分けることで、第1入球口64aと第2入球口64bへの入球頻度を可変させることができる。よって、遊技者の目標により近づくように遊技を行わせることができる。
次に、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222では、第1実施形態に対して、ナビ選択テーブル222aの内容が変更されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図87は、本第2実施形態におけるナビ選択テーブル222aの内容を模式的に示した模式図である。図87に示す通り、本第2実施形態におけるナビ選択テーブル222aは残目標ラウンド数と遊技時間が終盤であるか否かとによって、選択するナビ種別を規定するものである。残目標ラウンド数および遊技時間が終盤であるか否かの判定は、第1実施形態におけるナビ選択テーブル222aの説明と同一であるため省略する。
残目標ラウンド数が0以下(即ち、現時点での差玉数が目標差玉を上回っている)場合は、遊技の終盤であるか否か、右打ちまたは左打ちの選択を遊技者にお任せする(即ち、右打ち、左打ちのどちらがおすすめであるかの表示を行わない)表示であるナビ種別Dが選択される。これは、既に目標差玉を上回っており、どちらのゲートを選択しても目標差玉に到達する(到達している)からである。
残目標ラウンド数が1〜9である場合は、遊技の終盤であるか否かに関わらず、特別図柄1での抽選を狙う左打ちをおすすめする表示であるナビ種別Eが選択される。これは、特別図柄1で大当たりとなった場合に第1ゲート650aに遊技球を通過させれば、選択される可能性のある大当たり種別は、9ラウンドの大当たりであるD1、D2であるので、どちらの大当たり種別が選択されたとしても、目標差玉に到達することができるからである。
残目標ラウンド数が10以上の場合には、遊技の終盤でなければ、特別図柄1での抽選を狙う左打ちをおすすめする表示であるナビ種別Eが選択される。これは、遊技時間が十分に残っているので、選択される可能性のあるラウンド数のうち一番少ないラウンド数が、特別図柄2より多い特別図柄1を狙うことにより、着実に目標差玉に近づけることを目的としている。一方、遊技の終盤であれば、特別図柄2での抽選を狙う右打ちをおすすめする表示であるナビ種別Fが選択される。これは、遊技時間が十分に残っていないため、選択される可能性のあるラウンド数のうち一番多いラウンド数が、特別図柄1より多い特別図柄2を狙うことにより、少ない遊技時間中に目標差玉に到達することを目的としている。
以上、説明したとおり、ナビ選択テーブル222aは、大当たり遊技で得られる遊技価値によって適宜設計すべきものであり、上述した内容に限られるものではない。また、保留に大当たりが含まれている場合について、別途テーブルを用意して規定しても良い。これにより、目標差玉に到達させるためのナビ表示を更に精度良く選択することができる。更に、遊技者の実行していた右打ちまたは左打ちの情報や、大当たり発生時に遊技者の選択した第1ゲート650aまたは第2ゲート650bの情報を記録しておき、その記録した情報を基にテーブルの内容を変更するものであっても良い。
本実施形態では、非時短中の通常遊技状態では、特別図柄1と特別図柄2とは同時に抽選され、さらに、第1入球口64aと第2入球口64bとにも交互に効率よく遊技球が入球する構成であるので、遊技者に特別図柄の種別により有利不利を与えずに効率良く公平な遊技を行わせることができる。
一方、確変遊技状態および時短遊技中には、主に、遊技者は右側第2入球口64bを狙って右打ち遊技を実行するので、第2入球口64bへの入球割合が高くなる。また、変動時間も特別図柄2の方が、確変遊技中と時短中では特別図柄2よりも極端に短くなり、特別図柄2での変動消化を短時間に多くできる構成となっている。よって、より多く遊技者に有利となる特別図柄2で抽選遊技をさせて、より多く遊技者に利益を与えることができる。
また、確変中と時短中では、特別図柄2を優先して変動させるように切り替えることで、遊技者により効率良く遊技を行わせながら、有利な条件で抽選遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄1と特別図柄2とで確変遊技が付与される大当たり種別の割合は同一としたがそれに限らず、特別図柄1と特別図柄2とで異なるように構成してもよい。
具体的には、確変中、時短中では、特別図柄1で、50%の割合で確変遊技状態と通常遊技状態とが付与される大当たり種別が選択される割合としておき、特別図柄2では、100%の割合で確変遊技が選択されるように設定しておく。このように設定して、特別図柄2の変動時間を抽選により0.1秒で選択される割合を70%設定して、3秒で選択される割合を25%、10秒で選択される割合を5%にしておく。このように構成することで、0.1秒の変動時間が選択されるほど、特別図柄2の保留消化時間は早くなり、特別図柄1の変動が開始されやすくなり、確変遊技状態が終了してしまう虞が高くなる。一方、10秒の変動時間が選択されることで、特別図柄2の保留を貯めやすくなり、確変遊技が継続される可能性が高く設定できる。
よって、通常遊技状態では、同時変動させることで、効率よく短期間に大当たりを発生でき、確変中には、より確変遊技を継続させることができるか否かを特別図柄のどちらかが変動することで期待させることができ、斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
なお、遊技状態によって、確変が付与される割合が変更させる場合には、大当たり中に入賞することで、確変が付与される大入賞口と、通常の大入賞口を設定しておき、大当たり種別によって、どちらの大入賞口が開放されるかを設定するように構成することで実現してもよい。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
図88を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理2(S150)について説明する。図88は、この特別図柄変動処理2(S150)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理2(S150)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理2では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S251)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S251:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S251:No)、特別図柄1が変動中であるか否かを判定する(S252)。特別図柄1が変動中であると判定されれば(S252:Yes)特別図柄1変動開始処理2を実行し(S253)、特別図柄1が変動中でないと判定されれば(S252:No)特別図柄1変動停止処理を実行する(S254)。特別図柄1変動開始処理(S253)および特別図柄1停止処理(S254)は、図89から図91および図92を参照して後述する。
次いで、特別図柄2が変動中であるか否かを判定する(S255)。特別図柄2が変動中であると判定されれば(S255:Yes)特別図柄2変動開始処理を実行し(S256)、特別図柄2が変動中でないと判定されれば(S255:No)特別図柄2変動停止処理を実行する(S257)。特別図柄2変動開始処理2(S256)および特別図柄2停止処理(S257)は、図93から図95および図96を参照して後述する。
S251,S256またはS257の処理を終えると、本処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
次に、図89を参照して特別図柄1変動開始処理2(S252)について説明する。図89は、この特別図柄1変動開始処理2(S253)を示すフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理2(S253)は、特別図柄変動処理2(図88参照)の中で実行され、特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値に基づいて特別図柄1の変動を開始させる制御をするための処理である。
特別図柄1変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値を取得し(S351)、その取得した特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値が0より大きいか否かを判定する(S352)。特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値が0である場合は(S352:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値が0より大きい場合は(S352:Yes)、特別図柄1の変動を開始させる処理を実行する(S353〜S356)。
具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ203d(N1)の値を1減算し(S353)、特別図柄1保留球数格納エリア203aのデータをシフトする(S354)。S354の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。次いで、特別図柄1大当たり判定処理を実行し(S355)、特別図柄1変動パターン選択処理を実行して(S356)、本処理を終了する。
ここで、図90を参照して、特別図柄1大当たり判定処理(S355)について説明する。図90は、この特別図柄1大当たり判定処理(S355)を示すフローチャートである。この特別図柄1大当たり判定処理(S355)は、特別図柄1変動開始処理2(図89参照)の中で実行され、特別図柄1保留球実行エリア203aのデータに基づいて特別図柄1の抽選を行い、結果に応じた設定をするための処理である。
特別図柄1大当たり判定処理では、まず、特別図柄1保留球実行エリア203aのデータを取得する(S451)。次いで、確変中であるか否かを判定し(S452)、確変中であると判定された場合は(S452:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S453)、確変中でないと判定された場合は(S452:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S454)。ここで、確変中であるか否かは、確変中フラグ203gがオンであるか否かで判別し、確変中フラグ203gがオンの場合は確変中であると判定し、確変中フラグ203gがオフある場合は確変中でないと判定する。
S453またはS454の処理の後、特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンであるか否かを判定する(S455)。この特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rは特別図柄1または特別図柄2が大当たりと判定された場合にオンされるものである。ここで、同時に変動が実行されている特別図柄2が大当たりとなっていると、特図2大当たりフラグ203rがオンになっているので、特別図柄1の大当たりの設定をする前に、特別図柄2が大当たりであるか否かを判定することができる。
S455の処理にて特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンであると判定された場合(S455:Yes)、第1図柄表示装置37に特別図柄1の外れ図柄をセットする(S460)。ここで、特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンである場合に特別図柄1の外れ図柄をセットするので、同時に変動が実行されている特別図柄2と同時に大当たりとなることを防止することができる。
一方、S455の処理にて特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンでないと判定された場合(S455:No)、抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S456)、大当たりであると判定された場合に(S456:Yes)、特別図柄1に対する大当たりの設定を行い(S457〜S459)、大当たりでないと判定された場合に(S456:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄1の外れ図柄をセットする(S460)。
特別図柄1に対する大当たりの設定(S457〜S459)では、特別図柄1に対して大当たりフラグ203kをオンに設定し(S457)、特別図柄1の抽選結果を大当たりに設定し(S458)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置に表示する特別図柄1の大当たり図柄をセットする(S459)。S459またはS460の処理を終えると、本処理を終了する。
次に、図91を参照して、特別図柄1変動パターン選択処理(S356)について説明する。図91は、この特別図柄1変動パターン選択処理(S356)を示すフローチャートである。この特別図柄1変動パターン選択処理(S356)は、特別図柄1変動開始処理2(図89参照)の中で実行され、特別図柄1の抽選結果に基づいて変動パターンを設定するための処理である。
特別図柄1変動パターン選択処理では、まず、特別図柄1の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S551)。特別図柄1の抽選結果が大当たりであると判定された場合(S551:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブルをセットし(S552)、大当たり種別に基づいて、大当たり種別テーブルを選択する(S553)。一方、特別図柄1の抽選結果が大当たりでないと判定された場合(S552:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルをセットする(S554)。
S553またはS554の処理を終えると、変動種別カウンタの値に基づいて、変動パターンを選択し(S555)、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを生成し(S556)、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動時間カウンタ203oにカウンタ値を設定して(S557)、本処理を終了する。S556の処理において生成された特図1変動パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1変動パターンコマンドを受信すると、表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114へ送信する(図60のS3704参照)。表示制御装置114は、受信した表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示する。
次に、図92を参照して、特別図柄1変動停止処理(S255)について説明する。図92は、この特別図柄1変動停止処理(S255)を示すフローチャートである。この特別図柄1変動停止処理(S255)は、特別図柄変動処理2(図88参照)の中で実行され、特別図柄1の変動を停止させる制御をするための処理である。
特別図柄1変動停止処理では、まず、特図1変動停止フラグ203sがオンであるか否かを判定する(S651)。特図1変動停止フラグ203sがオンであると判定された場合は(S651:Yes)、特図1変動停止フラグ203sをオフし(S663)、特図1変動停止フラグ203sのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定し(S664)、本処理を終了する。特図1変動停止フラグ203sは、特図2の変動終了時に特図2が大当たりである場合に、オンに設定されている。これにより、特図2の大当たり遊技が開始される際に、同時に変動している特図1の変動を仮停止することができる。
また、大当たり遊技が実行されている場合には、この特別図柄1変動停止処理(図92,S255)は実行されないので、大当たり遊技の終了に基づいて、特図1変動停止フラグ203sをオフに設定して、残りの変動時間について変動を再開できる。
一方、特図1変動停止フラグがオンでないと判定された場合(S651:No)、特図1変動時間カウンタ203uを減算して更新し(S652)、変動時間終了であるか否かを判定する(S653)。変動時間終了であるか否かは、特図1変動時間カウンタ203uの値が0であるか否かで判定し、特図1変動時間カウンタ203uの値が0の場合は変動時間終了であると判定する。
S653の処理にて、変動時間終了でないと判定された場合(S653:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動時間終了であると判定された場合(S653:Yes)、特図1大当たりフラグ203qがオンであるか否かを判定する(S654)。特図1に対して大当たりフラグ203qがオンであると判定された場合は(S654:Yes)、特図2変動停止フラグ203tをオンに設定し(S655)、特図2変動停止フラグ203tのオンを示す特図2変動停止コマンドを設定し(S656)、大当たりフラグ203mをオンに設定する(S657)。
一方、特図1大当たりフラグ203qがオンでないと判定された場合は(S654:No)、時短中カウンタ203hが0より大きいか否かを判定し(S658)、時短中カウンタ203hが0より大きい場合は(S658:Yes)、時短中カウンタ203hを1減算し(S659)、時短中カウンタ203hが0の場合は(S660:No)、S659の処理をスキップし、S660の処理へ移行する。
S657,S658またはS659の処理を終えると、特図1確定コマンドをセットし(S660)、第1図柄表示装置37の特別図柄1の変動停止を実行し(S661)、時短中カウンタ203hをリセットし(S662)、本処理を終了する。
次に、図93を参照して特別図柄2変動開始処理2(S257)について説明する。図93は、この特別図柄2変動開始処理2(S257)を示すフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理2(S257)は、特別図柄変動処理2(図88参照)の中で実行され、特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値に基づいて特別図柄2の変動を開始させる制御をするための処理である。
特別図柄2変動開始処理2では、まず、特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値を取得し(S751)、その取得した特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値が0より大きいか否かを判定する(S752)。特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値が0である場合は(S752:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値が0より大きい場合は(S752:Yes)、特別図柄2の変動を開始させる処理を実行する(S753〜S756)。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203e(N2)の値を1減算し(S753)、特別図柄2保留球数格納エリア203bのデータをシフトする(S754)。S754の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。次いで、特別図柄2大当たり判定処理を実行し(S755)、特別図柄2変動パターン選択処理を実行して(S756)、本処理を終了する。
ここで、図94を参照して、特別図柄2大当たり判定処理(S755)について説明する。図94は、この特別図柄2大当たり判定処理(S755)を示すフローチャートである。この特別図柄2大当たり判定処理(S755)は、特別図柄2変動開始処理2(図93参照)の中で実行され、特別図柄2保留球実行エリア203bのデータに基づいて特別図柄2の抽選を行い、結果に応じた設定をするための処理である。
特別図柄2大当たり判定処理では、まず、特別図柄2保留球実行エリア203bのデータを取得する(S851)。次いで、確変中であるか否かを判定し(S852)、確変中であると判定された場合は(S852:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S853)、確変中でないと判定された場合は(S852:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S854)。ここで、確変中であるか否かは、確変中フラグ203gがオンであるか否かで判別し、確変中フラグ203gがオンである場合は確変中であると判定し、確変中フラグ203gがオンでない場合は確変中でないと判定する。
S853またはS854の処理の後、特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンであるか否かを判定する(S855)。この特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rは特別図柄1または特別図柄2が大当たりと判定された場合にオンされる。ここで、同時に変動が実行されている特別図柄1が大当たりとなっていると、特図1大当たりフラグ203qがオンになっているので、特別図柄2の大当たりの設定をする前に、特別図柄1が大当たりであるか否かを判定することができる。
S855の処理にて特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンであると判定された場合(S855:Yes)、第1図柄表示装置37に特別図柄2の外れ図柄をセットする(S860)。ここで、特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンである場合に特別図柄2の外れ図柄をセットするので、同時に変動が実行されている特別図柄1と同時に大当たりとなることを防止することができる。
一方、S855の処理にて特図1大当たりフラグ203qまたは特図2大当たりフラグ203rがオンでないと判定された場合(S855:No)、抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S856)、大当たりであると判定された場合に(S856:Yes)、特別図柄2に対する大当たりの設定を行い(S857〜S859)、大当たりでないと判定された場合に(S856:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄2の外れ図柄をセットする(S860)。
特別図柄2に対する大当たりの設定を行い(S857〜S859)では、特図2大当たりフラグ203rをオンに設定し(S857)、特別図柄2の抽選結果を大当たりに設定し(S858)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置に表示する特別図柄2の大当たり図柄をセットする(S859)。S859またはS860の処理を終えると、本処理を終了する。
次に、図95を参照して、特別図柄2変動パターン選択処理(S756)について説明する。図95は、この特別図柄2変動パターン選択処理(S756)を示すフローチャートである。この特別図柄2変動パターン選択処理(S756)は、特別図柄2変動開始処理2(図93参照)の中で実行され、特別図柄2の抽選結果に基づいて変動パターンを設定するための処理である。
特別図柄2変動パターン選択処理では、まず、特別図柄2の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S951)。特別図柄2の抽選結果が大当たりであると判定された場合(S951:Yes)、遊技状態に応じた特別当たり変動パターンテーブルをセットし(S952)、大当たり種別に基づいて、大当たり種別テーブルを選択する(S953)。一方、特別図柄2の抽選結果が大当たりでないと判定された場合(S951:No)、遊技状態に応じた特別外れ変動パターンテーブルをセットする(S954)。
S953またはS954の処理を終えると、変動種別カウンタの値に基づいて、変動パターンを選択し(S955)、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを生成し(S956)、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動時間カウンタ203pにカウンタ値を設定して(S957)、本処理を終了する。S956の処理において生成された特図2変動パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図35参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2変動パターンコマンドを受信すると、表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114へ送信する(図60のS3704参照)。表示制御装置114は、受信した表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示する。
次に、図96を参照して、特別図柄2変動停止処理(S258)について説明する。図96は、この特別図柄2変動停止処理(S258)を示すフローチャートである。この特別図柄2変動停止処理(S258)は、特別図柄変動処理2(図88参照)の中で実行され、特別図柄2の変動を停止させる制御をするための処理である。
特別図柄2変動停止処理では、まず、特図2変動停止フラグ203tがオンであるか否かを判定する(S1051)。特図2変動停止フラグ203nがオンであると判定された場合は(S1051:Yes)、特図2変動停止フラグ203nをオフし(S1063)、特図2変動停止フラグ203nのオフを示す特図2変動停止コマンドを設定し(S1064)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203tは、特図1の変動終了時に特図1が大当たりである場合に、オンに設定されている。これにより、特図1の大当たり遊技が開始される際に、同時に変動している特図2の変動を停止することができる。
一方、特図2変動停止フラグがオンでないと判定された場合(S1051:No)、特図2変動時間カウンタ203pを減算して更新し(S1052)、変動時間終了であるか否かを判定する(S1053)。変動時間終了であるか否かは、特図2変動時間カウンタ203vの値が0であるか否かで判定し、特図2変動時間カウンタ203vの値が0の場合は変動時間終了であると判定する。
S1053の変動停止処理にて、変動時間終了でないと判定された場合(S1053:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動時間終了であると判定された場合(S1053:Yes)、特図2大当たりフラグ203rがオンであるか否かを判定する(S1054)。特図2大当たりフラグ203rがオンであると判定された場合は(S1054:Yes)、特図1変動停止フラグ203sをオンに設定し(S1055)、オンを示す特図2変動停止コマンドを設定し(S1056)、大当たりの開始を設定する(S1057)。
一方、特図2大当たりフラグ203rがオンでないと判定された場合は(S1054:No)、時短中カウンタ203hが0より大きいか否かを判定し(S1058)、時短中カウンタ203hが0より大きい場合は(S1058:Yes)、時短中カウンタ203hを1減算し(S1059)、時短中カウンタ203hが0の場合は(S1058:No)、S1059の処理をスキップし、S1060の処理へ移行する。
S1057,S1058またはS1059の処理を終えると、特図1確定コマンドをセットし(S1060)、第1図柄表示装置37の特別図柄1の変動停止を実行し(S1061)、時短中カウンタ203hをリセットして(S1062)、本処理を終了する。
次に、図97から図98を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される処理について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、大当たり関連処理(S1912)の内容が変更されている点で相違する。その他の処理については第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については、省略する。
図97を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1912)について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、大当たり終了コマンドを受信した場合に(S2010:Yes)、1R差玉算出処理を実行した後(S2011)、ナビゲート処理2(S2051)を実行する点で相違する。その他の処理については第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については、省略する。
次に、図98を参照して、ナビゲート処理2(S2051)について説明する。図98は、このナビゲート処理2(S2051)を示すフローチャートである。このナビゲート処理2(S2051)は、大当たり関連処理(図97参照)の中で実行され、大当たり終了時に第1入球口64aに遊技球を入賞させることを示唆する表示または第2入球口64bに遊技球を入賞させることを示唆する表示を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ナビゲート処理2では、まず、遊技情報格納エリア223hの目標差玉格納エリア223h2のデータを取得し(S2151)、遊技情報集計エリア223iの総打込球数カウンタ223i1の値(P1)、総獲得球数カウンタ223i2の値(P2)、1R差玉格納エリア223i4のデータ(1R差玉数)を取得する(S2152)。そして、残目標ラウンド数を、S2151の処理にて取得した目標差玉数から、現在の差玉(P2−P1)を減算することで、残目標差玉数を算出し、その残目標差玉数をS2152の処理にて取得した1R差玉数で除算することにより、算出する(S2153)。次いで、S2153の処理にて算出した残目標ラウンド数とナビ選択テーブル222aに基づいて、表示用ナビ種別コマンドを設定し(S2154)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、大当たりとなった場合に、現在の差球数と残り遊技時間とに基づいて、ナビゲートを行うように構成したが、それに限らず、主制御装置113より出力される入賞情報コマンドに基づいて、保留球の判定結果を判別して、ナビゲートを行うように構成してもよい。このように構成することで、保留球に当たりがあるかを判別して、ある場合には、リスクの大きいゲートへのナビゲートをするなど、複数の大当たりに基づいて、ナビゲートをすることができる。
また、第1ゲートと第2ゲートを通過させた場合に、どの大当たり種別が選択されるかを先に判別して、ナビゲートする構成としてもよい。なお、このナビゲートでは、毎回ナビゲートするのではなく、大当たり種別判別しないナビゲートと判別したナビゲートとを抽選により分けて実行するように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1ゲート650aと第2ゲート650bとの大当たり種別選択のテーブルは一定としたが、それに限らず、抽選により可変させるように構成してもよい。この場合には、複数のテーブルを設定しておき、遊技状態(例えば、確変、通常等)により設定するテーブルを変えたり、所定の抽選を実行して、複数のテーブルより1のテーブルを設定するように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(遊技情報に基づいてドキドキゲートの案内を報知)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有した遊技機において、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段と前記第2特典遊技選択手段とにそれぞれ選択される前記特典遊技は、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有し、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段と前記第2特典遊技選択手段とにそれぞれ選択される前記特典遊技は、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されている。これにより、遊技者が遊技球を入球させる領域を分かり易く認識できる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
遊技機A1において、入球口に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得する取得手段と、前記抽選手段により前記取得した情報に基づいて抽選を実行する抽選条件が成立するまで、前記取得手段により取得された情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記抽選条件が成立するよりも前に抽選結果を判別することが可能な事前判別手段と、有し、報知態様選択手段は、前記記事前判別手段による判別結果と、前記遊技情報とに基づいて前記報知態様を選択することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得する取得手段と、前記抽選手段により前記取得した情報に基づいて抽選を実行する抽選条件が成立するまで、前記取得手段により取得された情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記抽選条件が成立するよりも前に抽選結果を判別することが可能な事前判別手段と、を有し、報知態様選択手段は、前記記事前判別手段による判別結果と、前記遊技情報とに基づいて前記報知態様を選択する。これにより、より正確な報知を行うことができる。よって、遊技者により分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過した遊技球を前記第1領域と前記第2領域とのどちらに流下させるかを振り分ける振分部材と、その振分部材を、前記第1領域に前記遊技球が流下可能となる第1状態と、前記第2領域に前記遊技球が流下可能となる第2状態とに、切替条件が成立したことに基づいて、切り替えることが可能な切替手段とを備え、前記報知態様は、前記振分部材が前記第1状態と前記第2状態とのどちらであるかを示す情報を含むものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過した遊技球を前記第1領域と前記第2領域とのどちらに流下させるかを振り分ける振分部材と、その振分部材を、前記第1領域に前記遊技球が流下可能となる第1状態と、前記第2領域に前記遊技球が流下可能となる第2状態とに、切替条件が成立したことに基づいて、切り替えることが可能な切替手段とを備え、前記報知態様は、前記振分部材が前記第1状態と前記第2状態とのどちらであるかを示す情報を含むものである。これにより、振分部材の状態を分かり易く遊技者に報知できる。よって、遊技者が遊技球を振分部材に到達させるタイミングを分かり易く認識できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、計時することが可能な計時手段を備え、前記入力手段により少なくとも前記計時手段により計時することが可能な計時情報が遊技者により入力されるものであり、前記報知手段は、前記計時手段により計時される計時情報と前記入力された計時情報とに基づいて、前記報知態様の内容を選択することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時することが可能な計時手段を備え、前記入力手段により少なくとも前記計時手段により計時することが可能な計時情報が遊技者により入力されるものであり、前記報知手段は、前記計時手段により計時される計時情報と前記入力された計時情報とに基づいて、前記報知態様の内容を選択する。これにより、入力された計時情報に基づいた報知を行うことができる。よって、より遊技者に合わせた遊技を提供できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記報知態様は、前記入力手段により遊技情報が入力されてから所定条件が成立するまでの間に、実行された前記特典遊技によって付与された利益に基づく情報を含むものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、前記報知態様は、前記入力手段により遊技情報が入力されてから所定条件が成立するまでの間に、実行された前記特典遊技によって付与された利益に基づく情報を含むものであるので、特典遊技によって付与された利益を遊技者が認識でき、遊技の状態を認識して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、遊技機に供給される電力が所定電圧以下となる電断状態を判別する電断判別手段と、遊技機に電力が供給されていない場合にも、少なくとも所定期間の間、前記遊技情報を記憶可能な記憶領域を有した記憶手段と、前記電断判別手段により電断状態が判別されたことに基づいて、前記記憶手段に設定されている前記遊技情報を記憶させる記憶制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に供給される電力が所定電圧以下となる電断状態を判別する電断判別手段と、遊技機に電力が供給されていない場合にも、少なくとも所定期間の間、前記遊技情報を記憶可能な記憶領域を有した記憶手段と、前記電断判別手段により電断状態が判別されたことに基づいて、前記記憶手段に設定されている前記遊技情報を記憶させる記憶制御手段とを有するものである。これにより、電断が発生した場合にも、遊技情報を保持することができる。よって、遊技者が電断から復帰した場合にも、再度遊技情報を入力し直さなければならない不具合を低減できるという効果がある。
遊技機A6において、前記記憶手段は、前記計時手段に設けられていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、記憶手段は、計時手段に設けられているので、遊技機の構成を簡略化できるという効果がある。
遊技機A6またはA7において、前記遊技機に電力が供給されたことに基づいて、前記記憶手段に前記遊技情報が記憶されているかを判別する記憶判別手段と、その記憶判別手段により前記遊技情報が記憶されていると判別された場合に、その遊技情報を設定する設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6またはA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技機に電力が供給されたことに基づいて、前記記憶手段に前記遊技情報が記憶されているかを判別する記憶判別手段と、その記憶判別手段により前記遊技情報が記憶されていると判別された場合に、その遊技情報を設定する設定手段とを有するものである。
これにより、遊技者が任意の遊技情報を設定することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(同時変動する遊技機において遊技情報に基づいてドキドキゲートの案内を報知)
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による前記第1入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第1識別情報と、前記第2入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ同時に表示することが可能な表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを、前記表示手段にそれぞれ動的表示させる動的表示手段と、前記動的表示手段により、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方で前記表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立された場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合と、前記第2入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合とで、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による前記第1入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第1識別情報と、前記第2入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ同時に表示することが可能な表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを、前記表示手段にそれぞれ動的表示させる動的表示手段と、前記動的表示手段により、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方で前記表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立された場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合と、前記第2入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合とで、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されているものである。
これにより、遊技者が遊技球を入球させる領域を分かり易く認識できる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球が流下可能な遊技領域を第1遊技領域とその第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とに区分する仕切り部材を有し、前記第1入球口は、前記第1遊技領域に、前記第2入球口は、前記第2入球口にそれぞれ配置されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が流下可能な遊技領域を第1遊技領域とその第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とに区分する仕切り部材を有し、前記第1入球口は、前記第1遊技領域に、前記第2入球口は、前記第2入球口にそれぞれ配置されているものである。これにより、第1入球口と第2入球口とのうち、任意の入球口に入球させて遊技を行うことができる。よって、より遊技者に合わせた遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B2において、遊技球を前記遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調整可能な調整手段と、を有し、前記発射手段は、前記調整手段により、前記第1遊技領域または前記第2遊技領域とのどちらか一方に遊技球が流下し易くなるように遊技球を発射可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を前記遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調整可能な調整手段と、を有し、前記発射手段は、前記調整手段により、前記第1遊技領域または前記第2遊技領域とのどちらか一方に遊技球が流下し易くなるように遊技球を発射可能に構成されているものである。これにより、第1入球口と第2入球口とのうち、任意の入球口に入球させて遊技を行うことができる。よって、より遊技者に合わせた遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、計時することが可能な計時手段を備え、前記入力手段により少なくとも前記計時手段により計時することが可能な計時情報が遊技者により入力されるものであり、前記報知手段は、前記計時手段により計時される計時情報と前記入力された計時情報とに基づいて、前記報知態様の内容を選択することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時することが可能な計時手段を備え、前記入力手段により少なくとも前記計時手段により計時することが可能な計時情報が遊技者により入力されるものであり、前記報知手段は、前記計時手段により計時される計時情報と前記入力された計時情報とに基づいて、前記報知態様の内容を選択する。これにより、入力された計時情報に基づいた報知を行うことができる。よって、より遊技者に合わせた遊技を提供できるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記報知態様は、前記入力手段により遊技情報が入力されてから所定条件が成立するまでの間に、実行された前記特典遊技によって付与された利益に基づく情報を含むものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4の奏する効果に加え、前記報知態様は、前記入力手段により遊技情報が入力されてから所定条件が成立するまでの間に、実行された前記特典遊技によって付与された利益に基づく情報を含むものであるので、特典遊技によって付与された利益を遊技者が認識でき、遊技の状態を認識して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、遊技機に供給される電力が所定電圧以下となる電断状態を判別する電断判別手段と、遊技機に電力が供給されていない場合にも、少なくとも所定期間の間、前記遊技情報を記憶可能な記憶領域を有した記憶手段と、前記電断判別手段により電断状態が判別されたことに基づいて、前記記憶手段に設定されている前記遊技情報を記憶させる記憶制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に供給される電力が所定電圧以下となる電断状態を判別する電断判別手段と、遊技機に電力が供給されていない場合にも、少なくとも所定期間の間、前記遊技情報を記憶可能な記憶領域を有した記憶手段と、前記電断判別手段により電断状態が判別されたことに基づいて、前記記憶手段に設定されている前記遊技情報を記憶させる記憶制御手段とを有するものである。これにより、電断が発生した場合にも、遊技情報を保持することができる。よって、遊技者が電断から復帰した場合にも、再度遊技情報を入力し直さなければならない不具合を低減できるという効果がある。
遊技機B6において、前記記憶手段は、前記計時手段に設けられていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、記憶手段は、計時手段に設けられているので、遊技機の構成を簡略化できるという効果がある。
遊技機B6またはB7において、前記遊技機に電力が供給されたことに基づいて、前記記憶手段に前記遊技情報が記憶されているかを判別する記憶判別手段と、その記憶判別手段により前記遊技情報が記憶されていると判別された場合に、その遊技情報を設定する設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6またはB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技機に電力が供給されたことに基づいて、前記記憶手段に前記遊技情報が記憶されているかを判別する記憶判別手段と、その記憶判別手段により前記遊技情報が記憶されていると判別された場合に、その遊技情報を設定する設定手段とを有するものである。
これにより、遊技者が任意の遊技情報を設定することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、所定の表示態様が現出した後、遊技盤上に複数設けられた所定の領域に遊技球を通過させることで、遊技球の通過した所定の領域に基づく大当たり遊技の種別の抽選がなされ、その抽選された大当たり遊技の種別で大当たり遊技が開始される遊技機が知られている。
その大当たり遊技の種別の抽選比率は、複数設けられた所定の領域ごとに異なっており、複数設けられた所定の領域のうち、いずれか一つを遊技者が選択し、遊技球を通過させることによって、大当たり遊技の種別が抽選されるものである(例えば、特許文献1:特開2013−233181号公報)。
しかしながら、複数設けられた所定の領域のうち、どの領域に遊技球を通過させるかを、大当たり遊技が発生する度に、遊技者が考える必要があり、遊技が分かり難いという問題点があった。
本技術的思想は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技が分かり易い遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による前記第1入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第1識別情報と、前記第2入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ同時に表示することが可能な表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを、前記表示手段にそれぞれ動的表示させる動的表示手段と、前記動的表示手段により、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方で前記表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立された場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合と、前記第2入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合とで、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されているものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1に記載の遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域を第1遊技領域とその第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とに区分する仕切り部材を有し、前記第1入球口は、前記第1遊技領域に、前記第2入球口は、前記第2入球口にそれぞれ配置されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による前記第1入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第1識別情報と、前記第2入球口に入球したことに基づく抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ同時に表示することが可能な表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを、前記表示手段にそれぞれ動的表示させる動的表示手段と、前記動的表示手段により、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方で前記表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に、前記特典遊技の付与条件を成立させる特典遊技成立手段と、遊技球が通過可能な第1領域とその第1領域とは異なる第2領域と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第1領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第1特典遊技選択手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立した場合に、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技の種別を選択する第2特典遊技選択手段と、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技選択手段により選択された特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記第1領域と前記第2領域とのどちらか一方に遊技球を入球させるように遊技者へ促すための報知態様を選択するための遊技情報を入力可能な入力手段と、前記特典遊技成立手段により前記特典遊技の付与条件が成立された場合に、前記遊技情報に基づいて前記報知態様を選択する報知態様選択手段と、その報知態様選択手段によって選択された前記報知態様に基づいて、報知を行う報知手段と、を備え、前記第1特典遊技選択手段または前記第2特典遊技手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合と、前記第2入球口への入球に基づいて前記特定の抽選結果となった場合とで、遊技者に有利となる特典遊技を選択する割合が異なるように設定されているものである。
これにより、遊技者が遊技球を入球させる領域を分かり易く認識できる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が流下可能な遊技領域を第1遊技領域とその第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とに区分する仕切り部材を有し、前記第1入球口は、前記第1遊技領域に、前記第2入球口は、前記第2入球口にそれぞれ配置されているものである。
これにより、第1入球口と第2入球口とのうち、任意の入球口に入球させて遊技を行うことができる。よって、より遊技者に合わせた遊技を行うことができるという効果がある。