JP4303018B2 - 遊技場用管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機での遊技に伴い変動する遊技機データを集計する管理手段を備えた遊技場用管理システム、特には、遊技者に対してその遊技状況に応じた特典を提供するようにした遊技場用管理システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコホールのような遊技場では、他の遊技場との差別化を図って集客効果を高めるために、遊技者側が特典を享受できる種々のイベントを実施している。この種のイベントにおいては、遊技者側が予め決められたポイント付与条件を満たす毎に、当該遊技者に対してサービスポイントを付与し、そのポイント蓄積数に応じて種々のサービスを受けられるシステムが一般的になっている。上記ポイント付与条件は、当然のことながら、その具体的内容やイベント開催時期及び期間などを遊技場側が企画・決定することになる。
【0003】
しかしながら、遊技機での遊技により所定の目標値(例えば、パチンコ遊技機の場合、特賞回数や差玉数などについての目標値)を達成したときにサービスポイントを付与するという内容が設定されたイベントについては、遊技者側の事情(時間的余裕や金銭的余裕の有無)などにより参加できないことが多々発生することが避けられない。このため、イベントに参加できる遊技者数が制限されることになり、イベント開催による集客率の向上を十分に期待できなくなるという問題点があった。また、イベントの硬直化を未然に防止するためには、目標値などの変更を日常的に行わねばならず、遊技場側担当者の負担が増えるという問題点もあった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者に対しその遊技者側の事情にあったサービスを提供可能となって集客率の向上を図り得ると共に、遊技場従業員側の負担軽減を実現できるようになる遊技場用管理システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、特賞状態を発生可能な遊技機での遊技に伴い変動する遊技機データを集計する管理手段と、遊技場内での遊技者に対してその遊技状況に応じて特典を提供する特典提供手段とを備えた遊技場用管理システムにおいて、
前記管理手段で集計される遊技機データのうちの特賞回数データについて、予め決められた期間内における到達目標値を遊技者側で登録可能であり、遊技者が当該到達目標値を達成した場合には、その時点からの新たな到達目標値を登録できるように構成される目標値登録手段を設けた上で、
前記特典提供手段を、各遊技者について前記目標値登録手段により登録した到達目標値を達成したか否かを前記管理手段による集計データに基づいて判定すると共に、到達目標値を達成した遊技者に対し当該到達目標値に応じた価値の特典を提供する構成とし、前記到達目標値の達成に応じて提供される特典は、当該到達目標値が高くなるのに応じて累進的に高価値となるように設定したものである。
【0006】
この構成によれば、管理手段は、遊技機での遊技に伴い変動する遊技機データを集計するようになる。遊技者は、このように集計される遊技機データのうちの特定遊技機データについて、予め決められた期間内(例えば、当日の遊技場営業日内)における到達目標値を、目標値登録手段を通じて登録できる。そして、当該遊技者が、遊技機での遊技に応じて自身が登録した上記到達目標値を達成したときには、そのことが特典提供手段により判定されるようになり、当該遊技者に対し到達目標値に応じた価値の特典が提供されることになる。
また、特典の提供対象となる遊技者を容易に特定可能になると共に、会員数の増加による集客率の向上を期待できるようになる。
さらに、遊技開始当初に登録した到達目標値を達成して特典の提供を一旦受けた後でも、新たな到達目標値を登録し直すことにより再度特典の提供を受けることが可能になるから、遊技者側の遊技継続意欲を高める上で有益になる。
【0007】
要するに、遊技者側では、自身の都合(時間的余裕、金銭的余裕など)に合わせた到達目標値を登録できることになる。これにより、遊技者は、特典の提供を受けることが可能な遊技を自分のペースで行い得るようになり、結果的に、遊技者に対しその遊技者側の事情にあったサービスを提供可能となって集客率の向上を実現できるようになる。また、遊技者が享受できる特典の価値が、当該遊技者自身が設定する到達目標値の高低に応じて変わることになるから、到達目標値の登録という行為自体にゲーム性が生ずるようになって、この面からも集客率の向上に寄与可能となる。しかも、到達目標値の登録が遊技者側で行われるから、その登録に関して遊技場従業員側が関与する必要がなくなり、その負担軽減を実現できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、遊技場側に会員登録された遊技者についての会員データベースを構築すると共に、前記特典提供手段を、各遊技者の特定を前記会員データベースに基づいて行う構成としたものである。
この構成によれば、特典の提供対象となる遊技者を容易に特定可能になると共に、会員数の増加による集客率の向上を期待できるようになる。
【0011】
請求項記載の発明は、前記目標値登録手段において、前記到達目標値を遊技機の種別或いは機種などの特定遊技機グループ毎に登録可能に構成したものである。
この構成によれば、到達目標値を使用した遊技者側へのサービスをきめ細かく行い得るようになる。
【0012】
請求項記載の発明は、複数種類の到達目標値の例を遊技者側に開示可能に予め用意しておき、前記目標値登録手段を、用意された到達目標値の例の中から任意の到達目標値を登録可能に構成したものである。
この構成によれば、遊技者側での到達目標値の登録操作の簡単化を実現できるようになる。
【0013】
請求項記載の発明は、前記特典を、ポイント数に応じて種々のサービスが提供されるサービスポイントの加算としたものであり、この構成によれば、遊技者に提供するサービス内容の多様化を容易に実現できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコホール用管理システムに適用した一実施例について図面を参照しながら説明する。但し、本実施例では、事前に会員登録された遊技者(以下、遊技会員と呼ぶ)に対して個人IDコードを記録した会員カードを発行し、その会員カードの利用をもって種々の特典(貯玉、再プレイ、サービスポイント付与など)を提供するカードシステムが構築されたパチンコホールを対象としている。
【0015】
尚、上記サービスポイントは、遊技会員に対し蓄積ポイント数に応じた種々のサービス(ドリンクサービス、新台優先予約サービス、無定量権利(大当たり出玉を景品交換に供することなく遊技を継続できる権利)を行使できる無定量券の発行サービス、予め用意された景品との交換サービスなど)を提供するためのものである。このサービスポイントは、遊技会員が予め設定された条件を満足したとき(例えば、遊技会員の来店、ダイレクトメールの持参、入場遊技者が相対的に少ない時間帯での遊技など)に所定ポイントが加算されて蓄積されると共に、遊技会員がパチンコ遊技機1での遊技により後述する到達目標値を達成したときにも所定ポイントが加算されて蓄積される構成となっている。
【0016】
図1には本実施例によるシステム全体の構成が概略的に示されている。この図1において、パチンコホール内に多数台ずつ設置されたパチンコ遊技機1及び台間玉貸機2(特典提供手段、目標値登録手段に相当)は、互いの間で信号の授受を行い得るように構成されている。パチンコ遊技機1の上方には呼出ランプユニット3が設けられており、当該パチンコ遊技機1は、呼出ランプユニット3を介して入出力装置4と接続され、台間玉貸機2はパチンコ遊技機1及び呼出ランプユニット3を介して入出力装置4に接続されている。
【0017】
この場合、パチンコ遊技機1としては、所謂セブン機(デジパチ)、羽根物などのような種々の機種が設置されるものであり、各パチンコ遊技機1から入出力装置4には、周知のアウト玉数信号、セーフ玉数信号、スタート信号(セブン機のみ)、特賞信号などが出力される。
【0018】
台間玉貸機2は、プリペイドカード挿入口2aに図示しないプリペイドカードが挿入された状態で当該プリペイドカードに記憶された残高金額データの範囲内でパチンコ玉を放出(返却)するCR機(カードリーダ機)としての機能、並びに会員カード挿入口2bに図示しない会員カードが挿入された状態で当該会員カードに対応した貯玉口座に貯玉の残高がある場合に、その貯玉残高の範囲内でパチンコ玉を引き落として返却するという再プレイ機としての機能を備えたものである。尚、台間玉貸機2からの放出パチンコ玉は、パチンコ遊技機1の上皿(符号なし)へ供給されるようになっている。
【0019】
また、台間玉貸機2には、例えば液晶パネルより成る入力機能付きの表示パネル2cが斜め前方側(手前側)へ突出した状態で設けられており、この表示パネル2cにより種々のデータを表示できるようになっている。この表示パネルの画像表示面には、複数のスイッチ要素をレイアウト可能なマトリクス型に構成された透明状タッチパネルスイッチが設けられており、これを通じて種々の入力操作を行い得る構成となっている。
尚、各台間玉貸機2から入出力装置4には、プリペイドカードによる売上(遊技者側から見た場合には投資金額)を示す売上信号、貯玉の返却数を示す再プレイ玉数信号などが出力される。
【0020】
呼出ランプユニット3は、複数の表示ランプ3a、例えば液晶パネルより成る表示部3b、呼出ボタン3cなどを備えた周知構成のもので、呼出ボタン3cの操作に伴う呼び出し状態の表示機能、対応するパチンコ遊技機1で発生した特賞状態や確率変動状態などを表示する機能、パチンコ遊技機1での遊技機データ(特賞発生回数など)を表示する機能、パチンコ遊技機1及び台間玉貸機2のためのデータ入出力インタフェースの機能などを備えている。
【0021】
入出力装置4は、店内LAN5に接続されており、この店内LAN5には、パチンコホール施設である管理事務所内に設置された管理コンピュータ6(管理手段に相当)が接続されている。また、図示しないが、店内LAN5には、景品交換カウンタに設置されたPOS端末及び島端に設置されたパチンコ玉計数機なども接続される。
【0022】
管理コンピュータ6は、パチンコ遊技機1及び台間玉貸機2から出力される種々の信号(アウト玉数信号、セーフ玉数信号、スタート信号、特賞信号、売上信号など)に基づいて、パチンコホール内の全部のパチンコ遊技機1についての各種の遊技機データ(アウト玉数、セーフ玉数、差玉数、スタート回数、特賞回数、大当たり出玉数(特賞期間中の出玉数)、稼働率、出玉率、ベース(特賞期間以外にあるときの出玉率など)、及び台間玉貸機2での各種の貸出高データ(売上金額、割数など)を集計して管理用データベースに蓄積するなどの機能を備えた周知構成のものである。また、管理コンピュータ6の会員データベースには、発行済み会員カードに対応した個人IDコードと対応付けた状態でサービスポイントの蓄積数を記憶する機能や後述のように特賞回数及び差玉数について各々登録される到達目標値を記憶する機能が設定されており、管理コンピュータ6は、このデータベースを利用して遊技会員毎のサービスポイント管理を行う構成となっている。
【0023】
尚、管理コンピュータ6には、前述した遊技機データや貸出高データの集計管理機能、並びに遊技会員毎のサービスポイント管理の他に、貯玉口座の管理機能、会員カードの認証機能、会員データベースのメンテナンス機能、遊技会員毎の遊技機データ管理機能などのような周知の機能が設定されていると共に、遊技会員により登録される後述の到達目標値を管理する機能が設定されている。
【0024】
さて、図2ないし図5には、台間玉貸機2に設定された制御内容のうち本発明の要旨に関係した部分が示されており、以下その制御内容及びこれに関連した作用について、図6ないし図8も参照しながら説明する。尚、図6は、管理コンピュータ6側に設定されたデータテーブルの内容を示し、図7及び図8は、台間玉貸機2の表示パネル2cでの表示内容の例を示すものである。
【0025】
即ち、図2ないし図4は、遊技会員側で設定する到達目標値の登録に関する目標値登録処理ルーチンを示し、図5は、その目標値が達成されたときに実行される割り込み処理ルーチンを示す。ここで、上記到達目標値は、予め決められた期間(本実施例では当日の営業日)におけるパチンコ遊技機1での遊技機データのうち、予め決められた特定遊技機データである特賞回数及び差玉数について、遊技会員が自身の遊技により達成できると想定した値を設定するものであり、台間玉貸機2の表示パネル2c上のタッチパネルスイッチ(図示せず)を通じて登録できる構成となっている。
【0026】
また、表示パネル2cには、初期状態で図7(a)に示すようなメニュー画面が表示される構成となっている。このメニュー画面では、メニューの選択を促すメッセージa1、「台データ」、「特賞履歴」、「目標登録」の文字を含むアイコンより成る操作ボタンa2、a3、a4が表示されると共に、各操作ボタンa2、a3、a4に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0027】
操作ボタンa2のタッチ操作に応じて「台データ」が選択された場合には、表示パネル2c上に、対応するパチンコ遊技機1についての当日の遊技機データのうちの所定のデータ(例えば、アウト玉数、差玉数、スタート回数など)が表示される。操作ボタンa3のタッチ操作に応じて「特賞履歴」が選択された場合には、表示パネル2c上に、対応するパチンコ遊技機1についての過去所定日数分の特賞履歴を示すデータが表示される。
【0028】
操作ボタンa4のタッチ操作に応じて「目標登録」が選択された場合には、会員カード挿入口2bに図示しない会員カードが挿入されていることを前提に、図2ないし図4に示す目標値登録処理ルーチンを実行する環境が整うことになる。尚、操作ボタンa4のタッチ操作時において会員カード挿入口2bに会員カードが挿入されていなかった場合には、例えば、表示パネル2cに会員カードの挿入を促すメッセージを表示し、その後に会員カードが挿入された場合に目標値登録処理ルーチンを実行する環境に移行し、所定時間内に会員カードが挿入されなかった場合に操作ボタンa4の操作が無効であることを示すメッセージを表示する動作が行われる構成となっている。
【0029】
図2ないし図4に示すように、目標値登録処理ルーチンは、メニュー画面にて上述のように「目標登録」が選択されたときに次ステップA2以降の処理を開始する(ステップA1)。ステップA2では、管理コンピュータ6へ挿入会員カードから読み取った個人IDコードを含む問い合わせ信号を送信することにより、到達目標値を登録可能か否かを問い合わせる(ステップA2)。
【0030】
台間玉貸機2側から上記のような問い合わせを受けた管理コンピュータ6では、会員データベースを照合することにより上記問い合わせ信号中の個人IDコードに対応した到達目標値が既に登録されているか否かを判断する。管理コンピュータ6では、到達目標値を特賞回数と差玉数について個別に登録する構成となっており、それら特賞回数と差玉数についての到達目標値が双方共に登録済みの場合には、問い合わせ信号の送信源となった台間玉貸機2へNG信号を応答し、少なくとも一方の到達目標値が未登録の場合には、未登録の到達目標値を特定可能な情報を含むOK信号を応答する構成となっている。
【0031】
目標値登録処理ルーチンでは、上記OK信号及びNG信号の何れかによる応答を受信するまで待機する(ステップA3、A4)。そして、NG信号による応答を受信した場合(特賞回数と差玉数についての到達目標値が双方共に登録済みの場合)には、表示パネル2c上に図8(g)のような目標設定NG画面を表示する(ステップA5)。この目標設定NG画面には、新たな目標設定が不可能であることを告知するメッセージg1、登録済みの到達目標値を示すメッセージg2、「確認」ボタンg3が表示されると共に、「確認」ボタンg3に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0032】
この目標設定NG画面の表示状態では、「確認」ボタンg3がタッチ操作されるまで待機し(ステップA6)、そのタッチ操作が行われたときには、表示パネル2cに対し初期画面であるメニュー画面(図7(a)参照)を表示するステップA7を実行し、到達目標値の登録のための処理を終了する。
【0033】
一方、管理コンピュータ6からOK信号による応答を受信した場合(特賞回数と差玉数についての到達目標値の少なくとも一方が未登録の場合)には、表示パネル2c上に、受信OK信号の内容に応じた目標登録選択画面を表示する(ステップA8)。
【0034】
具体的には、特賞回数と差玉数についての各到達目標値が双方ともに未登録であることを示す情報を含むOK信号を受信したときには、図7(b)に示すような目標登録選択画面を表示する。この目標登録選択画面には、目標種別の選択を促すメッセージb1、「特賞回数」ボタンb2、「差玉数」ボタンb3、「戻る」ボタンb4が表示されると共に、各ボタンb2、b3、b4に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。また、図示しないが、特賞回数についての到達目標値が未登録であることを示す情報を含むOK信号を受信したときの目標登録選択画面には、「特賞回数」ボタンb2とそのボタンb2の操作を促すメッセージ及び「戻る」ボタンb4が表示され、差玉数についての到達目標値が未登録であることを示す情報を含むOK信号を受信したときの目標登録選択画面には、「差玉数」ボタンb3とそのボタンb3の操作を促すメッセージ及び「戻る」ボタンb4が表示される。
【0035】
上記のような目標登録選択画面の表示状態では、「特賞回数」ボタンb2、「差玉数」ボタンb3、「戻る」ボタンb4の何れかがタッチ操作されるまで待機する(ステップA9、A10、A11)。そして、「特賞回数」ボタンb2がタッチ操作されたときには、図3に示す特賞回数選択画面表示ステップA12へ移行し、「差玉数」ボタンb3がタッチ操作されたときには、図4に示す差玉数選択画面表示ステップA19へ移行し、「戻る」ボタンb4がタッチ操作されたときには、メニュー画面表示ステップA9を実行した後に到達目標値の登録のための処理を終了する。
【0036】
図3において、「特賞回数」ボタンb2がタッチ操作されたときに移行するステップA12では、表示パネル2c上に図7(c)に示すような特賞回数選択画面を表示する。この特賞回数選択画面には、到達目標値として登録する特賞回数の選択を促すメッセージc1、特賞回数についての到達目標値を選択するためのリストボックスc2及びそのスクロールボックスc3、「決定」ボタンc4、「戻る」ボタンc5が表示されると共に、リストボックスc2、スクロールボックスc3及び各ボタンc4、c5に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0037】
この場合、リストボックスc2には、特賞回数についての複数段階の到達目標値と、その到達目標値を達成したときに遊技会員に特典として与えられるサービスポイント数とを対応付けたデータ群が表示されるものであり、そのうちの一組のデータを選択できる構成となっている。尚、特賞回数選択画面を表示した状態に切り替えられた時点では、所定のデータ(例えば、特賞回数「10」回に対応したデータ)が初期データとして自動的に選択された状態となる。また、リストボックスc2では、選択状態にあるデータが反転表示状態(図7(c)では網掛け状態で表現)とされる。上記データ群は、遊技会員側に開示できるように予め用意されるもので、例えば管理コンピュータ6側に図6(a)に示すようなデータテーブルとして記憶されている。この場合、上記データテーブルから理解できるように、特賞回数についての到達目標値を達成したときに提供されるサービスポイント数は、当該到達目標値が高くなるのに応じて累進的に多くなるように設定されている。
【0038】
上記のような特賞回数選択画面の表示状態では、「決定」ボタンc4、「戻る」ボタンc5の何れかがタッチ操作されるまで待機する(ステップA13、A14)。そして、「戻る」ボタンc5がタッチ操作されたときには、図2に示す目標登録選択画面表示ステップA8へ戻り、「決定」ボタンc4がタッチ操作されたときには、管理コンピュータ6へリストボックスc2上で選択されている目標特賞回数を、挿入会員カードから読み取った個人IDコードと共に送信する(ステップA15)。
【0039】
台間玉貸機2側から上記のような目標特賞回数を受信した管理コンピュータ6では、会員データベース中における上記個人IDコード対応したデータ記憶エリアに対して、受信した目標特賞回数を特賞回数についての到達目標値として登録すると共に、その登録が完了したときに、目標特賞回数の送信源となった台間玉貸機2へ登録完了信号を応答する構成となっている。
【0040】
目標値登録処理ルーチンでは、上記登録完了信号による応答を受信するまで待機し(ステップA16)、受信した場合には、表示パネル2c上に図7(d)に示すような目標特賞回数確定画面を表示する(ステップA17)。この目標特賞回数確定画面には、特賞回数について登録した到達目標値を報知するメッセージd1、「確認」ボタンd2が表示されると共に、「確認」ボタンd2に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0041】
この目標特賞回数確定画面の表示状態では、「確認」ボタンd2がタッチ操作されるまで待機し(ステップA18)、そのタッチ操作が行われたときには、図2に示すメニュー画面表示ステップA7を実行した後に、到達目標値の登録のための処理を終了する。
【0042】
図4において、目標登録選択画面(図7(b)参照)上において「差玉数」ボタンb3がタッチ操作されたときに移行するステップA19では、表示パネル2c上に図7(e)に示すような差玉数選択画面を表示する。この差玉数選択画面には、到達目標値として登録する差玉数の選択を促すメッセージe1、差玉数についての到達目標値を選択するためのリストボックスe2及びそのスクロールボックスe3、「決定」ボタンe4、「戻る」ボタンe5が表示されると共に、リストボックスe2、スクロールボックスe3及び各ボタンe4、e5に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0043】
この場合、リストボックスe2には、差玉数についての複数段階の到達目標値と、その到達目標値を達成したときに遊技会員に特典として与えられるサービスポイント数とを対応付けたデータ群が表示されるものであり、そのうちの一組のデータを選択できる構成となっている。尚、差玉数選択画面を表示した状態に切り替えられた時点では、所定のデータ(例えば、差玉数「10000」玉に対応したデータ)が初期データとして自動的に選択された状態となる。また、リストボックスe2では、選択状態にあるデータが反転表示状態(図7(e)では網掛け状態で表現)とされる。上記データ群は、遊技会員側に開示できるように予め用意されるもので、例えば管理コンピュータ6側に図6(b)に示すようなデータテーブルとして記憶されている。この場合、上記データテーブルから理解できるように、差玉数についての到達目標値を達成したときに提供されるサービスポイント数は、当該到達目標値が高くなるのに応じて累進的に多くなるように設定されている。
【0044】
上記のような差玉数選択画面の表示状態では、「決定」ボタンe4、「戻る」ボタンe5の何れかがタッチ操作されるまで待機する(ステップA20、A21)。そして、「戻る」ボタンe5がタッチ操作されたときには、図2に示す目標登録選択画面表示ステップA8へ戻り、「決定」ボタンe4がタッチ操作されたときには、管理コンピュータ6へリストボックスe2上で選択されている目標差玉数を、挿入会員カードから読み取った個人IDコードと共に送信する(ステップA22)。
【0045】
台間玉貸機2側から上記のような目標差玉数を受信した管理コンピュータ6では、会員データベース中における上記個人IDコード対応したデータ記憶エリアに対して、受信した目標差玉数を差玉数についての到達目標値として登録すると共に、その登録が完了したときに、目標差玉数の送信源となった台間玉貸機2へ登録完了信号を応答する構成となっている。
【0046】
目標値登録処理ルーチンでは、上記登録完了信号による応答を受信するまで待機し(ステップA23)、受信した場合には、表示パネル2e上に図7(f)に示すような目標差玉数確定画面を表示する(ステップA24)。この目標差玉数確定画面には、差玉数について登録した到達目標値を報知するメッセージf1、「確認」ボタンf2が表示されると共に、「確認」ボタンf2に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0047】
この目標差玉数確定画面の表示状態では、「確認」ボタンf2がタッチ操作されるまで待機し(ステップA25)、そのタッチ操作が行われたときには、図2に示すメニュー画面表示ステップA7を実行した後に、到達目標値の登録のための処理を終了する。
【0048】
要するに、以上述べたような目標値登録処理ルーチンが実行可能な構成となっているため、遊技会員側では、設定期間内(当日中)における特賞回数及び差玉数についての自身の到達目標値を、台間玉貸機2を通じて管理コンピュータ6側に登録できるものである。
【0049】
一方、台間玉貸機2においては、管理コンピュータ6側に登録された到達目標値が達成された否かを、当該到達目標値を登録した遊技会員ついて、管理コンピュータ6が集計する遊技機データ(或いは、台間玉貸機2自らがパチンコ遊技機1からの信号を利用して集計した特賞回数データ及び差玉数データ)に基づいて判断する動作を継続的に行う構成となっており、到達目標値が達成されたと判断した場合には、図5に示す割り込み処理ルーチンを実行する。
【0050】
この図5に示すように、上記割り込み処理ルーチンは、到達目標値が達成されたと判断した場合に次ステップS2以降の処理を開始する(ステップS1)。ステップS2では、管理コンピュータ6へ到達目標値の種別データ(特賞回数、差玉数の種別を示すデータ)を含む目標達成信号を、挿入会員カードから読み取った個人IDコードと共に送信する。
【0051】
台間玉貸機2側から上記のような目標達成信号を受けた管理コンピュータ6では、会員データベースを照合することにより、上記目標達成信号中の個人IDコード及び種別データに対応した登録到達目標値を認識すると共に、自身が記憶しているデータテーブル(図6参照)に基づいて、上記のように認識した到達目標値に対応したサービスポイント数を読み出し、そのサービスポイント数を目標達成信号の送信源となった台間玉貸機2へ応答する構成となっている。
【0052】
割り込み処理ルーチンでは、上記サービスポイント数の応答を受信するまで待機し(ステップS3)、受信した場合には、表示パネル2c上に図8(h)に示すような目標達成画面を表示する(ステップS4)。この目標達成画面には、遊技会員が登録した到達目標値を達成したことを祝福するメッセージh1(この例では、特賞回数についての到達目標値を達成したときのメッセージ)、「確認」ボタンh2が表示されると共に、「確認」ボタンh2に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0053】
この目標達成画面の表示状態では、「確認」ボタンh2がタッチ操作されるまで待機し(ステップS5)、そのタッチ操作が行われたときには、表示パネル2c上に図8(i)に示すような目標設定確認画面を表示する(ステップS6)。この目標設定確認画面には、遊技会員が今回の目標達成に応じて獲得したサービスポイント数、並びに累計サービスポイント数を表示するメッセージi1、次の到達目標値を登録するか否かを質問するメッセージi2、「はい」ボタンi3、「いいえ」ボタンi4が表示されると共に、各ボタンi3、i4に対応した領域のタッチパネルスイッチが有効になる。
【0054】
上記のような目標設定確認画面の表示状態では、「はい」ボタンi3、「いいえ」ボタンi4の何れかがタッチ操作されるまで待機する(ステップS7、S8)。そして、「はい」ボタンi3がタッチ操作されたときには、図2に示す目標登録選択画面表示ステップA8へ戻り、「いいえ」ボタンi4がタッチ操作されたときには、図2に示すメニュー画面表示ステップA7を実行した後に、割り込み処理を終了する。
【0055】
つまり、割り込み処理ルーチンの実行に応じて、自身が設定した到達目標値を達成した遊技会員に対して、その達成の事実が表示パネル2cを通じて報知されると共に、これに伴い付与されるサービスポイント数、当該遊技会員についての累計サービスポイント数が表示パネル2cを通じて報知されるものである。また、遊技会員が到達目標値を一旦達成した場合でも、目標設定画面(図8(i)参照)で「はい」ボタンi3をタッチ操作すれば、その時点からの新たな到達目標値を登録できるものである。
【0056】
以上要するに、上記した本実施例の構成によれば以下に述べるような作用・効果を奏するものである。
パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技会員は、特賞回数及び差玉数についての当日の営業日中における到達目標値を、台間玉貸機2の表示パネル2aを通じて管理コンピュータ6側に登録できる。そして、遊技会員が、パチンコ遊技機1での遊技に応じて自身が登録した到達目標値を達成したときには、当該遊技会員に対し到達目標値に応じた価値のサービスポイントが付与されることになる。
【0057】
このため、遊技会員側では、自身の都合(時間的余裕、金銭的余裕など)に合わせた到達目標値を登録できることになる。これにより、遊技会員は、サービスポイントの提供を受けることが可能な遊技を自分のペースで行い得るようになり、結果的に、遊技会員に対しその遊技会員側の事情にあったサービスを提供可能となって集客率の向上を実現できるようになる。また、上述のように提供されるサービスポイント数、つまり遊技者が享受できる特典の価値が、当該遊技者自身が設定する到達目標値の高低に応じて変わることになるから、到達目標値の登録という行為自体にゲーム性が生ずるようになって、この面からも集客率の向上に寄与可能となる。しかも、到達目標値の登録が遊技会員側で行われるから、その登録に関してパチンコホール従業員側が関与する必要がなくなり、その負担軽減を実現できる。
【0058】
上記のような到達目標値の達成時にサービスポイントを付与するというサービスは、パチンコホール側に会員登録された遊技会員についての会員データベースに基づいて行われる構成となっているから、サービスの提供対象となる遊技会員を容易に特定可能になると共に、遊技会員数の増加による集客率の向上を期待できるようになる。
【0059】
また、遊技会員が到達目標値を一旦達成した場合でも、その時点からの新たな到達目標値を登録できる構成となっているから、遊技開始当初に登録した到達目標値を達成してサービスポイントの付与を一旦受けた後でも、新たな到達目標値を登録し直すことにより、サービスポイントの付与を受けることが可能になるから、遊技会員側の遊技継続意欲を高める上で有益になる。
【0060】
この場合、上述のように付与されるサービスポイント数は、到達目標値が高くなるのに応じて累進的に多くなる設定、つまり、到達目標値の達成に応じて提供される特典が、当該到達目標値が高くなるのに応じて累進的に高価値となる設定とされているから、比較的高い到達目標値を達成したケースと、これより低い到達目標値の達成を複数回繰り返すことにより最終的に上記比較的高い到達目標値と同等の目標を達成したケースとを比べた場合、遊技会員に対して、前者のケースの方が相対的に多くのサービスポイントが付与されることになる。具体的には、図6のデータテーブルから理解できるように、例えば特賞回数についての到達目標値を当初から「30」回に設定した状態で目標達成したときには、サービスポイントが「70」ポイント付与される。これに対して、当該到達目標値を「10」回に設定した状態でその到達目標値を3回とも達成したときには、サービスポイントが合計で「60」ポイント付与されることになる。
【0061】
つまり、遊技開始当初から高い到達目標値が登録された状態では、その到達目標値を達成する可能性が低くなるが、目標達成した場合には相対的に高い価値の特典を得ることができる。これにより、到達目標値の登録という行為自体にある程度のギャンブル性が発生するものであり、この面からも集客率の向上に寄与可能となる。
【0062】
また、図6のデータテーブルに示すように、到達目標値として複数種類の例が用意され、図7(c)、(e)に示すように、このように用意された到達目標値がその登録操作の段階で遊技会員側に開示されると共に、その開示例の中から任意の到達目標値を登録可能に構成されているから、遊技会員側での到達目標値の登録操作の簡単化を実現できるようになる。
【0063】
目標達成したときの特典として、ポイント数に応じて種々のサービスが提供されるサービスポイントを加算する構成としたから、遊技会員に提供するサービス内容の多様化を容易に実現できるようになる。
【0064】
(他の実施の形態)
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形または拡大が可能である。
パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばパチスロ機が設置された遊技場にも適用できる。到達目標値の登録を、遊技機の種別(パチンコ遊技機、パチスロ機)或いは遊技機の機種などの特定遊技機グループ毎に登録可能に構成しても良く、この構成によれば、到達目標値を使用した遊技会員側へのサービスをきめ細かく行い得るようになる。但し、この場合には、登録された到達目標値を達成したか否かの判定を、遊技会員が上記特定遊技機グループ内で遊技対象を変えた場合でも行い得るようなデータ管理システムが必要となる。
【0065】
会員特定媒体として会員カードの例を挙げたが、会員を特定できるものであれば他の形態のもの(例えば携帯電話機)であっても良い。或いは、指紋や声紋といった生体情報に基づいて会員を特定するようにしても良い。また、会員カードシステムを前提とする必要はなく、来場した遊技者が遊技を開始する際などに、特典提供のための臨時的なカードを発行し、このカードを利用して会員の特定を行う構成としても良い。
【0066】
到達目標値の登録対象となる特定遊技機データの例として、パチンコ遊技機における特賞回数及び差玉数を挙げたが、スタート回数、所謂リーチ状態の発生回数など(パチンコ遊技機の場合)や、レギュラーボーナス発生回数、小役発生回数など(パチスロ機の場合)のように、他の遊技機データを登録対象としても良いことは勿論である。
【0067】
当日の営業日における到達目標値を登録する構成としたが、所定の時刻まで、或いは所定の日時まで、などのような予め決められた期間内における到達目標値を登録できる構成とすることも可能である。
到達目標値を達成したか否かの判定を行う特典提供手段の機能を台間玉貸機2で実現する構成としたが、その特典提供手段の機能を管理コンピュータ6で実現する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すシステム全体の概略的構成図
【図2】 台間玉貸機で実行される目標値登録処理ルーチンの内容を示すフローチャートその1
【図3】 同目標値登録処理ルーチンの内容を示すフローチャートその2
【図4】 同目標値登録処理ルーチンの内容を示すフローチャートその3
【図5】 台間玉貸機で実行される割り込み処理ルーチンの内容を示すフローチャート
【図6】 特賞回数目標設定用データテーブル及び差玉数目標設定用データテーブルの一例を示す図
【図7】 台間玉貸機が有する表示パネルでの表示例を示す図その1
【図8】 同表示パネルでの表示例を示す図その2
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、2は台間玉貸機(特典提供手段、目標値登録手段)、2cは表示パネル、3は呼出ランプユニット、4は入出力装置、5は店内LAN、6は管理コンピュータ(管理手段)を示す。

Claims (5)

  1. 特賞状態を発生可能な遊技機での遊技に伴い変動する遊技機データを集計する管理手段と、遊技場内での遊技者に対してその遊技状況に応じて特典を提供する特典提供手段とを備えた遊技場用管理システムにおいて、
    前記管理手段で集計される遊技機データのうちの特賞回数データについて、予め決められた期間内における到達目標値を遊技者側で登録可能であり、遊技者が当該到達目標値を達成した場合には、その時点からの新たな到達目標値を登録できるように構成される目標値登録手段を設け、
    前記特典提供手段は、各遊技者について前記目標値登録手段により登録した到達目標値を達成したか否かを判定すると共に、到達目標値を達成した遊技者に対し当該到達目標値に応じた価値の特典を提供する構成とされ、前記到達目標値の達成に応じて提供される特典は、当該到達目標値が高くなるのに応じて累進的に高価値となるように設定されていることを特徴とする遊技場用管理システム。
  2. 遊技場側に会員登録された遊技者についての会員データベースが構築され、
    前記特典提供手段は、各遊技者の特定を前記会員データベースに基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の遊技場用管理システム。
  3. 前記目標値登録手段は、前記到達目標値を遊技機の種別或いは機種などの特定遊技機グループ毎に登録可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用管理システム。
  4. 複数種類の到達目標値の例が遊技者側に開示可能に予め用意され、前記目標値登録手段は、用意された到達目標値の例の中から任意の到達目標値を登録可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用管理システム。
  5. 前記特典は、ポイント数に応じて種々のサービスが提供されるサービスポイントの加算であることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用管理システム。
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