JP6828539B2 - バッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法に関するものである。
一般的に、鋼板、特に容器用ブリキ材などの薄手の焼鈍方法は、連続焼鈍方法とバッチ式焼鈍方法の2つに分類されている。連続焼鈍方法は、バッチ式焼鈍方法に比べて高生産性、低コストな焼鈍方法であり、バッチ式焼鈍方法から連続焼鈍方法への切替えが推進されている。しかし連続焼鈍で加工性等を達成するためには、極低炭素鋼や複雑な焼鈍パターンが必要とされる。この点、バッチ式焼鈍方法では単純に高温長時間の焼鈍により、加工性、溶接性に優れるとの利点がある。
一方、バッチ式焼鈍方法特有の表面欠陥が慢性的課題として付きまとう。バッチ式焼鈍方法の代表的表面欠陥として、鋼板同士の拡散結合による焼付や、鋼板同士の擦れによる掻疵が挙げられる。これは、バッチ式焼鈍方法が鋼板を巻き取ったコイル状態での焼鈍であることに起因するものである。したがって、バッチ式焼鈍方法は連続焼鈍方法と比べて歩留的に劣位であるといえる。
バッチ式焼鈍に特有の焼付、掻疵は、上記のように焼鈍後の調質圧延時のコイル巻き戻し時に発生することから、従来は、バッチ式焼鈍前に鋼板を巻取る際の張力の最適化による改善が進められてきた。また、特許文献1に記載されているような方法も提案されている。
特開昭60−262998号公報
しかしながら、鋼板のサイズ、形状、粗度、鋼板を巻取る電解洗浄設備の設備能力等、改善に係る影響因子が多く、根本的な改善に至っていない。
本発明は、このような背景でなされた発明であり、バッチ式焼鈍製法特有の表面欠陥の発生を抑制する鋼板の電解洗浄方法を提供することである。
上記課題を解決するため、2槽以上の電解洗浄タンクを備えた電解洗浄設備を用い、少なくとも最後の1槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として用い、それ以外の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用いて鋼板を洗浄することを特徴とするバッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法とし、好ましくは2槽以上の電解洗浄タンクを備えた電解洗浄設備を用い、前半の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用い、後半の槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として鋼板を洗浄することを特徴とするバッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法とする。
本発明を用いると、バッチ式焼鈍製法特有の表面欠陥の発生を抑制する鋼板の電解洗浄方法を提供することができる。
バッチ式焼鈍方法における焼付の発生メカニズムと掻疵の発生メカニズムを表した図である。 ケイ素付着量と残油量と、焼付と掻疵の発生メカニズムとの関係を表した図である。 ケイ素付着量と残油量と、不具合の発生との関係を表した図である。 各種電解洗浄方法の概略を表した図である。 各種電解洗浄方法とケイ素付着量と残油量との関係を表した図である。 従来例1を適用した場合と実施例を適用した場合の降格率の例を表した図である。
以下では、発明の実施形態について説明する。一般的にバッチ式焼鈍は、鋼板をコイル状に巻き取ったものを焼鈍させる。また、焼鈍をする前には、前処理としてアルカリ性の洗浄液であるオルソケイ酸ソーダを用いて電解洗浄を行うことが多い。電解洗浄を経て、コイル状に巻き取られた鋼板をバッチ式焼鈍するとき、図1に示すように、コイルの面圧が過多であると、鋼板同士が焼鈍中に圧着される。これが焼鈍後の調質圧延におけるコイル巻き戻し時に無理やり剥がされ、焼付と称するシワ疵が発生する。一方、コイルの面圧が低い場合は鋼板同士の圧着が弱く、鋼板同士の隙間が大きくなる。これが焼鈍後の調質圧延におけるコイル巻き戻し時にずれ、掻疵と称する表面疵が発生する。
これらバッチ式焼鈍に特有の焼付、掻疵の改善のため、発明者らは、鋼板表面のSi付着量及び洗浄能力に着目して検討した。この検討により、「鋼板表面のSi付着量」及び「洗浄能力に左右される残油量」は、焼付や掻疵の発生と関係することが分かったため、次に説明する。
鋼板表面に付着しているSiが少ない場合、図2に示すように、鋼板同士の焼付(拡散結合)が生じる。したがって、鋼板表面に付着しているSiは、鋼板同士の焼付を抑制させるために必須であり、通常、バッチ式焼鈍での電解洗浄液に含まれている。しかし、Siを過剰に鋼板に付着させてしまった場合は、鋼板のFe同士の拡散結合が阻害され、鋼板同士が滑って掻疵の発生を招いてしまう。
また、鋼板の洗浄不足により、鋼板表面に残油がある場合、バッチ式焼鈍中に残油がガス化する。残油がガス化してしまうことで鋼板表面に隙間が発生すると、掻疵の発生を招いてしまう。したがって、表面欠陥の改善のためには、鋼板表面のSi付着量と残油量の双方に留意すべきことが分かる。
図3に本発明が目指すところの、Si付着量と残油の関係の概念を示す。図3の白色の領域(網掛けがされていない領域)が本発明の目指すところであり、従来よりも更にSi付着量を向上させるのに加えて、残油量を抑制させることで、焼付、掻疵の改善を図る。この領域に到達させるには従来に比して、洗浄能力を向上させて残油量を減らし、Si付着量を増加させる必要がある。このため、発明者らは、バッチ式焼鈍の前の電解洗浄設備における電解洗浄タンクとその使用方法を検討した。
従来の鋼板の電解洗浄方法の代表的な例は、図4の左端に示すものであり、アルカリ性のオルソケイ酸ソーダを希釈した洗浄液(例えば25g/L)を電解洗浄タンクに投入して電気分解させる中、鋼板を通過させることによって洗浄とSi付着の双方を同時にする方法である(従来例1)。また、図4において、従来例1の右隣りに示すように、苛性ソーダを希釈した洗浄液(例えば15g/L)を電解洗浄タンクに投入して電気分解させる中、鋼板を通過させることによって洗浄のみをすることもなされている(従来例2)。また、図4の更に右隣に示すように、苛性ソーダとアルカリ性のオルソケイ酸ソーダを希釈した洗浄液(例えば25g/L)を同一の電解洗浄タンクに投入して電気分解させる中、鋼板を通過させることによって洗浄とSi付着の双方を同時にすることも考えられている(従来例3)。このいずれにおいても、一つのタンクに洗浄液を投入して使用するものであり、複数のタンクに異なる薬品を投入するようなものではない。
今回、本発明者らは2槽以上の電解洗浄タンクを備えた電解洗浄設備を用い、少なくとも最後の1槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として用い、それ以外の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用いて鋼板を洗浄し、好ましくは前半の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用い、後半の槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として鋼板を洗浄することで、Si付着量の増加と洗浄能力の向上を両立させることに思い至り、電解洗浄タンクを2タンク化及びアルカリ性の電解洗浄液の2液化を行った。以下、好ましい条件を例として説明する。即ち、図4の右端に示されているように、第1の電解洗浄タンクで鋼板表面の洗浄を行い、第2の電解洗浄タンクで鋼板表面にSiを付着させている。なお、従来例と本実施例の各試験条件を表1に示す。
図5は、図4に示した各電解洗浄を適用した例についての「Si付着量」と「洗浄能力」について示している。本実施例の適用により、目標とした結果を得られたことが分かる。また、従来例では目標とした結果を得られなかったことが分かる。このように、本発明の適用により、焼付、掻疵の発生領域から改善可能な領域に操業条件をシフトでき、表面欠陥の発生を抑制することが可能となる。図6は、従来例1を適用した場合と実施形態を適用した場合の降格率の例を表した図である。従来例1の方法を採用した場合の全体の降格率を1とした場合、掻疵による降格率は、0.3、焼付による降格率は0.4、汚れによる降格率が0.3であったが、本発明の適用により、掻疵による降格率が0.2、焼付による降格率が0.2、汚れによる降格率が0.1となった。この結果からも明らかなように、本発明の製造方法によって、バッチ式焼鈍製法(BAF)特有の表面欠陥である、焼付、掻疵、汚れそれぞれの改善を達成することが出来た。
なお、従来例1でも本実施例でもオルソケイ酸ソーダを入れた電解洗浄タンク内には濃度が25g/Lのオルソケイ酸ソーダを投入しているが、本実施例の方が、鋼板に対するSiの付着割合が高まった。このように、主として苛性ソーダが入ったタンク内に鋼板を通過させ、その後に主としてオルソケイ酸ソーダが入ったタンク内に鋼板を通過させれば、鋼板表面の鉄分・油分をSi付着以前に除去した後にSi付着をおこなうため、効率的にSi付着を行うことが可能になる。なお、過剰にSiが付着されないようにするのは、濃度設定などを適切に行えばよい。
本発明は、以上の実施形態には限定されることは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適応可能なことは勿論のことである。

Claims (2)

  1. 2槽以上の電解洗浄タンクを備えた電解洗浄設備を用い、少なくとも最後の1槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として用い、それ以外の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用いて鋼板を洗浄することを特徴とするバッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法。
  2. 2槽以上の電解洗浄タンクを備えた電解洗浄設備を用い、前半の槽には苛性ソーダを電解洗浄液として用い、後半の槽にはオルソケイ酸ソーダを電解洗浄液として鋼板を洗浄することを特徴とする請求項1に記載のバッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法。
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