JP6828453B2 - 圧縮空気供給制御装置及び圧縮空気の供給制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目してなされたものであり、複数の圧空コンプレッサーを使用して共通の圧縮空気使用設備に圧縮空気を供給する際における省電力化を図ることを目的とする。
本実施形態の圧縮空気の供給制御方法は、複数の圧空コンプレッサーから吐出される圧縮空気を共通の圧縮空気使用設備に供給する際に、各圧空コンプレッサーの吸込み口から吸い込まれる空気量を調整する吸込み弁を備え、圧空コンプレッサーのモータの電機子電流を予め設定した設定電流に調整するための吸込み弁の開度操作量である第1の開度操作量と、圧空コンプレッサーの吐出圧が予め設定した設定吐出圧に調整するための上記吸込み弁の開度操作量である第2の開度操作量とを求め、第1の開度操作量と第2の開度操作量のうちの小さい開度操作量に向けて上記吸込み弁の開度を調整することを特徴とする。
本実施形態の圧縮空気供給制御装置は、図1に示すように、複数の圧空コンプレッサー1を有する。そして、オペレータが、圧縮空気使用設備3(鉄鋼のプロセス設備その他)での圧縮空気の使用状況(圧縮空気使用設備3への送気量)を見ながら、使用(稼動)する圧空コンプレッサー1の台数を調整する。
使用台数は、例えば、稼動している各圧空コンプレッサー1の送気能力の和と実際に圧縮空気使用設備3に送気している現送気量との差(送気余裕量とも呼ぶ)で決定し、送気余裕量が所定値以下となると、稼動する圧空コンプレッサー1の台数を増やす。
複数の圧空コンプレッサー1から吐出される圧縮空気は、圧空共通配管2を介して、圧縮空気を使用する圧縮空気使用設備3に送気されるように構成されている。
各圧空コンプレッサー1は、それぞれ個別の制御機構4で制御するように構成されている。なお各圧空コンプレッサー1は、羽根車の回転数を一定とする一定回転数制御であって良いし、吐出圧が設定した最低圧以上となるよう回転数の可変制御であっても良い。
その個別の制御機構4について説明すると、図1に示すように、圧空コンプレッサー1の吸込み口に大気導入管5が接続されると共に、圧空コンプレッサー1の吐出口に圧空共通配管2に接続するために吐出側配管6が接続される。
吸込み弁7は、大気導入管5の途中に設けられ、吸込み弁調整部12からの開度指令値に応じた開度に大気導入管5の流路断面を調整する。これによって、大気導入管5を介して圧空コンプレッサー1に吸い込まれる空気量が調整される。
圧力計8は、吐出側配管6内の圧力を検出することで、圧空コンプレッサー1の吐出圧を測定する。
第1の操作量設定部9は、例えば下記(1)式によって第1の開度操作量MT1を求める。
第1の開度操作量MT1 = 現在の吸込み弁7の開度
+k1×(設定電流 −検出電流)
・・・(1)
ここで、k1は、電流を開度量に変換するための正の係数である。
(設定電流 −検出電流)が正値の場合と負値の場合とで、係数k1の値を違えても良い。
設定電流は例えば定格電流とする。
第2の操作量設定部10は、例えば下記(2)式によって第2の開度操作量MT2を求める。
第2の開度操作量MT2 = 現在の吸込み弁7の開度
+k2×(設定吐出圧−検出吐出圧)
・・・(2)
ここで、k2は、圧力を開度量に変換するための正の係数である。
(設定吐出圧 −検出吐出圧)が正値の場合と負値の場合とで係数k2の値を違えても良い。
操作量選択部11は、第1の操作量設定部9が求めた第1の開度操作量MT1と第2の操作量設定部10が求めた第2の開度操作量MT2のうち小さい値を選択する。すなわち、操作量選択部11は、2つの開度操作量MT1、MT2のセレクトローを実施する。
ここで、上記説明では、各圧空コンプレッサー1毎に圧力計8を設ける場合を例示しているが、複数の圧空コンプレッサー1に共通の圧力計8を圧空共通配管2に設け、その圧力計8の検出値を採用しても良い。この場合には、圧力計8で検出する圧力は、各圧空コンプレッサー1の吐出自体ではなく、圧縮空気使用設備3に送風される圧縮空気の圧力となる。また、この場合には、第2の操作量設定部10が、複数の制御機構4で共通の設定部となる。
圧縮空気使用設備3での圧縮空気の使用量が少ない場合には、送気量が小さくなることから、各圧空コンプレッサー1の負荷が小さくなる。このため、設定電流よりも検出電流が小さくなることから、第1の開度操作量MT1は、電流負荷が小さいほど現在の開度よりも大きく設定される。これに対し、圧力計8で検出される圧力は、設定吐出圧に近づくことで、第2の開度操作量MT2は、現在の開度に近い値となる。すなわち、第2の開度操作量MT2の方が、第1の開度操作量MT1よりも小さくなる。
またこの状態から、圧縮空気使用設備3での圧縮空気の使用量が多くなるにつれて、検出吐出圧が設定吐出圧よりも小さくなって徐々に第2の開度操作量MT2が高くなってくると共に、圧空コンプレッサー1の負荷が大きくなることから、検出電流が設定電流に近づいて、徐々に第1の開度操作量MT1が小さくなっていく。
具体的には、検出電流が設定電流よりも小さい状態では、徐々に、吸込み弁7の開度量が大きくなる方向に調整されて送気量が増大して、検出電流が設定電流となる開度に、吸込み弁7の開度量が制御される。すなわち、各コンプレッサー1に設定した電気能力の最大値近くまで送気が可能となることから、使用するコンプレッサー1の台数を従来よりも抑えることが可能となる。
これに対し、本実施形態では、必要な送気量が多くなると、コンプレッサー1の負荷電流(電機子電流)によって開度制御することから、設定電流を定格電流に設定するなど、比較の制御よりも電気能力を最大値近くまで使用可能となる。このため、送気量が増大しても、比較の制御に比べ、稼動するコンプレッサーの台数を抑えることが可能となる。すなわち、省電力化が可能となる。
なお、上記のように、送気余裕量に基づき、稼動する圧空コンプレッサーの台数を変更した。
図2にから分かるように、比較の制御の場合には、時季によって電力原単位が変動していると共に、実施形態の制御に比べて電力原単位が大きいことが分かる。すなわち、実施形態の制御の方が一年を通して電力原単位が抑えられることから、使用する圧空コンプレッサーの台数を抑えることが出来ることが分かる。
ここで、各圧空コンプレッサー1での吐出圧がばらついていることも想定されるが、圧力計の検出を、実際に圧縮空気使用設備3に供給される圧縮空気の圧力とすることで、送気量が小さいときの圧力変動を小さく抑えることが可能となる。
2 圧空共通配管
3 圧縮空気使用設備
4 制御機構
5 大気導入管
6 吐出側配管
7 吸込み弁
8 圧力計
9 第1の操作量設定部
10 第2の操作量設定部
11 操作量選択部
12 吸込み弁調整部
MT1 第1の開度操作量
MT2 第2の開度操作量
Claims (3)
- 複数の圧空コンプレッサーから吐出される圧縮空気を、鉄鋼のプロセス設備からなる圧縮空気使用設備に供給する圧空共通配管と、複数の圧空コンプレッサーをそれぞれ制御する複数の制御機構とを備え、
上記複数の圧空コンプレッサーは、上記圧縮空気使用設備での圧縮空気の使用状況によって、オペレータによって、稼働する台数が調整される構成となっており、
上記各制御機構は、
圧空コンプレッサーの吸込み口から吸い込まれる空気量を調整する吸込み弁と、
圧空コンプレッサーから吐出された圧縮空気の吐出圧力を検出する圧力計と、
圧空コンプレッサーのモータの電機子電流を予め設定した設定電流に調整するための上記吸込み弁の開度操作量を求める第1の操作量設定部と、
上記圧力計の測定値に基づき、圧空コンプレッサーの吐出圧が予め設定した設定吐出圧に調整するための上記吸込み弁の開度操作量を求める第2の操作量設定部と、
上記第1の操作量設定部が求めた開度操作量と上記第2の操作量設定部が求めた開度操作量のうち小さい値を選択する操作量選択部と、
上記操作量選択部が選択した開度操作量に向けて上記吸込み弁の開度を調整する吸込み弁調整部と、を備え、
上記圧力計は、上記圧空共通配管の圧力を検出し、
上記第2の操作量設定部が、上記複数の制御機構で共通の設定部である、
ことを特徴とする圧縮空気供給制御装置。 - 上記設定電流を上記モータの定格電流とすることを特徴とする請求項1に記載した圧縮空気供給制御装置。
- 複数の圧空コンプレッサーから吐出される圧縮空気を、共通の圧空共通配管を介して、鉄鋼のプロセス設備からなる圧縮空気使用設備に供給する際に、
上記複数の圧空コンプレッサーについて、上記圧縮空気使用設備での圧縮空気の使用状況によって、オペレータが、稼働する台数を調整し、
各圧空コンプレッサーの吸込み口から吸い込まれる空気量を調整する吸込み弁を備え、
圧空コンプレッサーのモータの電機子電流を予め設定した設定電流に調整するための上記吸込み弁の開度操作量である第1の開度操作量と、圧空コンプレッサーの吐出圧が予め設定した設定吐出圧に調整するための上記吸込み弁の開度操作量である第2の開度操作量とを求め、
上記第1の開度操作量と上記第2の開度操作量のうちの小さい開度操作量に向けて上記吸込み弁の開度を調整し、
上記圧空コンプレッサーの吐出圧として、上記圧空共通配管での圧力を用い、
上記求める第2の開度操作量を、上記複数の圧空コンプレッサーに共通の設定部で演算する、
ことを特徴とする圧縮空気の供給制御方法。
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