JP6827970B2 - 魚処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、魚処理装置に関し、特に、鰤、鮭、鯛、真鱈等の中型〜大型の魚類のフィレ加工を行う魚処理装置に関する。
魚処理装置として、魚体搬送装置によって略水平方向に搬送される魚体を複数対の回転刃物によって左右両身に切断するフィレ加工(2枚下ろし加工)を行うものが知られている(例えば、特許文献1、2)。
これらの魚処理装置の魚体搬送装置は、ゴム製の無端ベルトによって魚体を左右両側から挟んで搬送する左右一対の無端ベルトコンベアと、前記無端ベルトコンベアの下方に配置されて魚体の腹側の移動の案内する樋形状の下部案内部材と、前記無端ベルトコンベアの上方に配置されて魚体の背部の移動の案内する樋形状の下部案内部材とを含む。
特開2012−244964号公報 特開2015−231341号公報
従来の魚処理装置の魚体搬送装置は、無端ベルトを魚体の表面に押し付けることにより得られる摩擦力によって魚体を搬送するため、処理対象の魚体が大型化(重量化)するほど無端ベルトを魚体の表面に押し付ける力を大きくする必要がある。しかし、これには限度があり、魚体を傷つける虞がある。また、摩擦力による搬送であるため、切断加工下の魚体と無端ベルトとの間の滑りを無くことは難しく、魚体の搬送の確実性に欠ける。
このようなことから、魚処理装置の魚体搬送装置は、鰺、鯖、鯛等の小型〜中型の魚類の搬送には向いても、鰤、鮭、鯛、真鱈等の中型〜大型の魚類には向かない。
本発明が解決しようとする課題は、中型〜大型の魚類の魚体の搬送を適切に行い、これらの魚類のフィレ加工を自動的に行えるようすることである。
本発明の一つの実施形態による魚処理装置は、腹部を下側にして頭尾方向に沿って搬送される魚体(W)を回転刃物によって切断する魚体処理装置であって、本体フレーム(10)と、前記魚体(W)の搬送方向に隔置され、各々横軸線周り回転可能に前記本体フレーム(10)に設けられた入口側スプロケット(160)及び出口側スプロケット(164)と、前記入口側スプロケット(160)或いは前記出口側スプロケット(164)を回転駆動するスプロケット駆動用電動機(156)と、前記入口側スプロケット(160)と前記出口側スプロケット(164)とに掛け渡された無端チェーン(166)と、前記無端チェーン(166)に連結された下端及び前記魚体(W)に下側から係合する上端を含むシャトル係合部材(174)と、前記本体フレーム(10)に設けられ、前記搬送方向に沿って延在するフック用リニアガイドレール(186)と、前記フック用リニアガイドレール(186)にスライド可能に係合し、且つ前記シャトル係合部材(174)が前記搬送方向には変位不能に且つ上下方向には変位可能に係合したフック用スライド部材(190)とを有する。
この構成によれば、摩擦力によらずに、中型〜大型の魚類の魚体の搬送が適切に行われる。
上記魚処理装置において、好ましくは、前記シャトル係合部材(174)は前記魚体(W)の脊椎骨(B)に係合する。
この構成によれば、脊椎骨(B)を基準にして各種魚類の魚体の搬送が適切に行われる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、前記本体フレーム(10)に上下方向に移動可能に設けられ、前記魚体(W)の背部に左右から当接して当該魚体(W)の搬送方向の移動を案内する上部ガイド部材(210)を有する。
この構成によれば、上部ガイド部材(210)による魚体(W)の背部の支持により、魚体の搬送が確実に行われる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、前記本体フレーム(10)に移動可能に設けられ、前記魚体(W)の腹部に左右から当接して当該魚体(W)の搬送方向の移動を案内する側部ガイド部材(234)を有する。
この構成によれば、側部ガイド部材(234)による魚体(W)の側部の支持により、魚体の搬送が確実に行われる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、前記本体フレーム(10)の上部に設けられて左右方向に延在するガイドローラ用リニアガイドレール(224)と、前記ガイドローラ用リニアガイドレール(224)にスライド可能に係合した左右一対のガイドローラ用スライド部材(226)と、各ガイドローラ用スライド部材(226)に設けられた左右一対のガイドローラ支持部材(228)と、前記搬送方向に沿って延在し、延在方向の中間部を各ガイドローラ支持部材(228)に垂直軸線周りに回動可能に取り付けられた左右一対のガイドローラ支持部材(232)と、各ガイドローラ支持部材(232)の延在方向に互いに間隔をおいて各々垂直軸線周りに回転可能に設けられ、前記魚体(W)の腹部を左右方向から挟んで前記魚体(W)の搬送を案内する左右の複数の側部ガイドローラ(234)とを有し、各側部ガイドローラ(234)が前記側部ガイド部材(234)をなす。
この構成によれば、魚体(W)の側部の支持が摩擦を伴うことなく行われる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、前記本体フレーム(10)に設けられた左右一対の第1刃物支持機構(52)と、各第1刃物支持機構(52)によって支持され、前記魚体(W)の腹部の切込みを行う左右一対の第1回転刃物(72)及び各第1回転刃物(72)を回転駆動する第1回転駆動装置(68)と、前記本体フレーム(10)の上部に設けられて左右方向に延在する刃物支持用リニアガイドレール(80)と、前記刃物支持用リニアガイドレール(80)にスライド可能に係合して左右方向の任意の位置にて前記本体フレーム(10)に固定される左右一対の刃物支持用スライド部材(82、84)と、前記刃物支持用スライド部材(82、84)に設けられた左右一対の第2刃物支持機構(86)及び第3刃物支持機構(114)と、各第2刃物支持機構(86)によって支持され、前記魚体(W)の背部の切込みを行う左右一対の第2回転刃物(112)及び各第2回転刃物(112)を回転駆動する第2回転駆動装置(108)と、各第1回転刃物(72)より前記魚体(W)の搬送方向進み側において各第3刃物支持装置(114)によって支持され、前記魚体(W)の左右のフィレの切離しを行う左右一対の第3回転刃物(140)及び各第3回転刃物(140)を回転駆動する第3回転駆動装置(136)とを有する。
この構成によれば、中骨と左右のフィレとを切断、分離するフィレ加工が行われる。
上記魚処理装置において、好ましくは、前記左右一対の第1回転刃物(72)及び前記左右一対の第3回転刃物(140)は、上下方向に傾斜した軸線周りに回転可能で、前記魚体(W)の搬送方向で見てハ字形に配置され、前記左右一対の第2回転刃物(112)は、上下方向に傾斜した軸線周りに回転可能で、前記魚体(W)の搬送方向で見て上下反転のハ字形に配置されている。
この構成によれば、フィレ加工が適切に行われる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、各刃物支持用スライド部材(82、84)に左右方向に移動可能且つ任意の左右方向にて固定される左右一対の第4の刃物支持装置(142)と、前記魚体(W)の搬送方向の両側に左右対称に配置されるべく各第4の刃物支持装置(142)によって支持され、前記魚体(W)のロイン加工を行うべく垂直軸線周りに回転可能な左右一対の第4回転刃物(148)及び各第4回転刃物(148)を回転駆動する第4回転駆動装置(144)とを有する。
この構成によれば、ロイン加工が行われる。
上記魚処理装置において、好ましくは、各第1刃物支持機構(52)は、上下方向の位置を変更可能に前記本体フレーム(10)に固定されたベースプレート(32)と、前記ベースプレート(32)に水平軸線周りに回動可能に取り付けられた基端及び前記第1回転刃物(72)及び第1回転駆動装置(68)を取り付けられた遊端を有する左右一対の下部アーム(40)と、前記本体フレーム(10)の上部に回転可能に取り付けられて左右方向に延在する同期軸(46)と、前記同期軸(46)に固定された基端を含む左右一対の上部アーム(48)と、各上部アーム(48)の遊端に枢動可能に連結された上端及び各下部アーム(40)の遊端に枢動可能に連結された下端を含む左右一対のリンク部材(50)とを有する。
この構成によれば、左右の第1回転刃物(72)の上下方向が可変設定され、各種魚類のフィレ加工が可能になる。
上記魚処理装置は、好ましくは、更に、各第2回転刃物(112)の左右方向の外方に配置され、各第2回転刃物(112)の側方位置から左右対応する側の前記第3回転刃物(140)の側方位置にまで延在し、前記左右一対の第2回転刃物(122)によって背部を切込まれた前記魚体(W)の背部を上側から拡げる左右一対の上部ガイドブレード(87)と、各第1回転刃物(72)の左右方向の外方に配置され、各第1回転刃物(72)の側方位置から左右対応する側の前記第3回転刃物(140)の側方位置にまで延在し、前記魚体(W)の腹身部を左右に拡げる左右一対の下部ガイドブレード(51)とを有する。
この構成によれば、フィレ加工が良好に行われる。
本発明による魚処理装置によれば、中型〜大型の魚類の魚体の搬送が適切に行われ、これらの魚類のフィレ加工が自動的に行われる。
本発明による魚処理装置の一つの実施形態を示す側面図 同実施形態の正面図 同実施形態の第1刃物支持機構の側面図 同実施形態の回転刃物の配置図(斜視図) 同実施形態の魚処理装置の魚体搬送装置の側面図 同実施形態の魚体搬送装置による搬送状態を示す正断面図(図5のA矢視図) 同実施形態の魚処理装置の側部ガイド機構の正面図 同側部ガイド機構の平面図 同実施形態の魚処理装置の入口ガイド機構の平面図 同入口ガイド機構実施形態の平面図 他の実施形態の回転刃物の配置図(斜視図)
以下に、本発明による魚処理装置の一つの実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。尚、以下の説明においては処理対象の魚体の搬送方向の進み側(出口側)を前側(図1で見て左側)と謂い、同搬送方向の遅れ側(入口側)を後側(図1で見て右側)と謂う。
本実施形態の魚処理装置は、図1及び図2に示されているように、本体フレーム10を有する。本体フレーム10は複数の鋼材による略四角箱状の骨格体であり、左右の入口高丈ポスト12と、左右の出口高丈ポスト14と、各入口高丈ポスト12の後方に配置された左右の入口低丈ポスト16と、左右の入口高丈ポスト12の上端を互いに接続する上前左右ビーム(不図示)と、左右の入口高丈ポスト12の下端を互いに接続する下前左右ビーム(不図示)と、左右の出口高丈ポスト14の上端を互いに接続する上後左右ビーム18と、左右の出口高丈ポスト14の下端を互いに接続する下後左右ビーム20と、各入口高丈ポスト12の上端と各出口高丈ポスト14の上端とを互いに接続する左右の上前後ビーム22と、各入口高丈ポスト12の下端と各出口高丈ポスト14の下端と各入口低丈ポスト16の下端とを互いに接続する左右の下前後ビーム24と、各入口低丈ポスト16の上端と各入口高丈ポスト12の高さ方向の中間部とを互いに接続する左右の中前後ビーム26とを含む。尚、各ポストは略垂直(鉛直)方向に延在し、各ビームは略水平方向に延在している。左右の上後左右ビーム18間には天井プレート30が略水平に固定されている。中前後ビーム26上には上部プレート27が取り付けられている。
図1〜図3に示されているように、各出口高丈ポスト14には左右のプレート取付部材31が固定されている。各プレート取付部材31には正面視で略門形をしたベースプレート32の左右の縁部がボルト34(図2参照)によって上下位置及び左右位置を変更可能に固定されている。ベースプレート32には左右方向に略水平に延在する左右の刃物用リニアガイドレール33(図2では図示省略)が固定されている。各刃物用リニアガイドレール33には左右のスライダ35が左右にスライド可能に係合している。各スライダ35には左右の下部ブラケット36が固定されている。各下部ブラケット36はスライダ35と共にクランプ機構(不図示)によって任意の左右方向の位置に固定可能になっている。
各下部ブラケット36には左右水平方向に延在する横軸38によって左右の第1刃物支持アーム(下部アーム)40の前端が略上下方向に回動可能に取り付けられている。各第1刃物支持アーム40は、略前後方向に延在し、左右のモータ取付部材42を固定された後端を含む。
入口高丈ポスト12には、左右方向に略水平に延在する左右の刃物用リニアガイドレール37が固定されている。各刃物用リニアガイドレール37は左右の刃物用リニアガイドレール33と略同じ高さに設けられている。各刃物用リニアガイドレール37には左右のスライダ39が左右にスライド可能に係合している。各スライダ39には上下方向に長い長孔41Aを有する左右の係合部材41が固定されている。各モータ取付部材42には左右の係合部材43が固定されている。各係合部材43には長孔41Aに上下方向に変位可能に係合する係合子45Aを含む左右の連結ロッド45が固定されている。
各スライダ35及び39が不図示のクランプ機構によってベースプレート32或いは入口高丈ポスト12に固定されることにより、左右のモータ取付部材42が各々前後両持ち梁構造によって左右方向の所定の位置に高い支持剛性をもって固定されることになる。
天井プレート30には左右の上部ブラケット44が固定されている。各上部ブラケット44は両上部ブラケット44間に水平に延在する同期軸46を回転可能に支持している。同期軸46には左右の上部アーム48の前端が固定されている。各上部アーム48は前後方向延在している。各上部アーム48の後端と各モータ取付部材42とはターンパックルによる可変長のリンク部材50によって互いに連結されている。各上部アーム48と各リンク部材50の上端との連結及び各モータ取付部材42と各リンク部材50の下端との連結は各々球面継手(自在継手)47、49によって行われている。
このようにして4節リンク機構(平行リンク機構)を含む第1刃物支持機構52が構成される。
各横軸38を中心とする左右の第1刃物支持アーム40の回動は、左右の上部アーム48が同期軸46によって互いに連結されていることにより、互いに同期して同一の回動角をもって行われる。
各モータ取付部材42と天井プレート30との間には左右2個ずつ引張コイルばね53が取り付けられている。各引張コイルばね53は左右のモータ取付部材42を上向きに付勢している。上部アーム48の基部には取付片54によって調節ねじ55が取り付けられている。調節ねじ55は、引張コイルばね53のばね力によってベースプレート32に当接する先端を含み、取付片54に対するねじ込み量によって各モータ取付部材42の上下位置を可変設定(微調整)する。各モータ取付部材42の上下位置はリンク部材50の長さ変更によっても可変設定される。
各モータ取付部材42には左右のモータボックス56が略垂直軸線周りの傾斜位置を変更可能に取り付けられている。各モータボックス56には左右の第1電動モータ68が固定されている。各第1電動モータ68の出力軸70には左右一対の第1回転刃物(骨切り刃物)72が固定されている。各第1回転刃物72は円盤形状をしていて外周縁に切刃を有する。
左右の第1回転刃物72は、魚処理装置の前後方向に略水平に延在する中心軸線X(図4参照)の左右両側に鏡映対称に、つまり左右対称に、且つ水平線に対して傾斜角θ1をもって傾斜した軸線周りに回転可能に配置され、正面視でハの字形をなす。傾斜角θ1は1〜3度程度であってよい。
清掃時には、クランプ機構(不図示)が解除されて左右のモータ取付部材42が各々前後の刃物用リニアガイドレール33、37に案内されて左右方向に引き離された退避位置に移動されることにより、左右の第1回転刃物72が左右方向に引き離された退避位置に位置し、左右の第1回転刃物72間に清掃、保守のための大きい空間が確保される。
天井プレート30の下面には前後2個の刃物用リニアガイドレール80が固定されている。各刃物用リニアガイドレール80は左右方向に互いに平行に延在している。各刃物用リニアガイドレール80には、左右のスライダ82が2個ずつスライド可能に係合している。左右のスライダ82には左右一対の刃物支持ベースプレート84が固定されている。各刃物支持ベースプレート84はスライダ82と共にクランプ機構(不図示)によって任意の左右方向の位置に固定可能になっている。
各刃物支持ベースプレート84には左右の第2刃物支持機構86が取り付けられている。各第2刃物支持機構86は、刃物支持ベースプレート84に固定されたベースプレート88と、ベースプレート88に左右方向にスライド可能に係合した左右テーブル90と、左右テーブル90に前後方向にスライド可能に係合した前後テーブル92と、前後テーブル92から垂下された上側部材94と、上側部材94に上下方向に変位可能に取り付けられた下側部材96と、下側部材96の下端に固定されたモータ取付部材98とを含む。
左右テーブル90は調節ねじ100によって左右方向の位置を可変設定される。前後テーブル92は調節ねじ102によって前後方向の位置を可変設定される。下側部材96はボルト104によって上側部材94に対する上下方向の固定位置を可変設定される。
各モータ取付部材98には左右のモータボックス106が前後方向に延在する略水平軸線周りの傾斜位置を変更可能に取り付けられている。各モータボックス106には左右の第2電動モータ108が固定されている。各第2電動モータ108の出力軸110には左右一対の第2回転刃物(ヒレ切り刃物)112が固定されている。各第2回転刃物112は円盤形状をしていて外周縁に切刃を有する。
左右の第2回転刃物112は、左右の第1回転刃物72の上方に設けられて魚処理装置の中心軸線Xの左右両側に鏡映対称に、且つ水平線に対して傾斜角θ2をもって傾斜した軸線周りに回転可能に配置され、正面視で上下反転のハの字形をなす。傾斜角θ2は−1〜−3度程度であってよい。尚、図2で見て水平線に対して反時計廻り方向の傾斜を正値とし、時計廻り方向の傾斜を負値とする。
各刃物支持ベースプレート84には左右の第3刃物支持機構114が取り付けられている。各第3刃物支持機構114は、第2刃物支持機構86と同様の構成のものであり、刃物支持ベースプレート84に固定されたベースプレート116と、ベースプレート116に左右方向にスライド可能に係合した左右テーブル118と、左右テーブル118に前後方向にスライド可能に係合した前後テーブル120と、前後テーブル120から垂下された上側部材122と、上側部材122に上下方向に変位可能に取り付けられた下側部材124と、下側部材124の下端に固定されたモータ取付部材126とを含む。
左右テーブル118は調節ねじ128によって左右方向の位置を可変設定される。前後テーブル120は調節ねじ130によって前後方向の位置を可変設定される。下側部材124はボルト132によって上側部材122に対する上下方向の固定位置を可変設定される。
各モータ取付部材126には左右のモータボックス134が前後方向に延在する略水平軸線周りの傾斜位置を変更可能に取り付けられている。各モータボックス134には左右の第3電動モータ136が固定されている。各第3電動モータ136の出力軸138には左右一対の第3回転刃物(切落とし刃物)140が固定されている。各第3回転刃物140は円盤形状をしていて外周縁に切刃を有する。
左右の第3回転刃物140は、左右の第1回転刃物72の前方に設けられて魚処理装置の中心軸線Xの左右両側に鏡映対称に、且つ水平線に対して傾斜角θ3をもって傾斜した軸線周りに回転可能に配置され、正面視でハの字形をなす。傾斜角θ3は15〜25度程度であってよい。
各刃物支持ベースプレート84には左右の第4刃物支持機構142が取り付けられている。各第4刃物支持機構142は、前述の第2刃物支持機構86及び第3刃物支持機構114と同様の構成のものであり、下端に左右の第4電動モータ144が取り付けられている。各第4電動モータ144は下方に向けて垂直方向に延出した出力軸146を有する。各出力軸146には左右一対の第4回転刃物(ロイン刃物)148が固定されている。各第4回転刃物148は円盤形状をしていて外周縁に切刃を有する。
左右の第4回転刃物148は、左右の第1回転刃物72の上方に設けられて魚処理装置の中心軸線Xの左右両側に鏡映対称に配置され、垂直軸線周りに回転可能である。各第4回転刃物148は、刃物支持ベースプレート84に対して手動操作によってスライド移動されることにより、ロイン加工時には図2及び図4に示されているように、対応する側の第2回転刃物112に接近した稼働位置に位置し、ヒレ加工時には対応する側の第2回転刃物112から左右外方に離れた退避位置に位置する。尚、各第4回転刃物148は、図4では、図示の都合上、2点鎖線により示されている。
各々、対をなす第1回転刃物72、第2回転刃物112、第3回転刃物140及び第4回転刃物148の標準的な配置位置及び役割の詳細を、図1、図2及び図4を参照して説明する。
各第1回転刃物72は、後述の魚体搬送装置150によって搬送される魚体Wの下側(腹側)から魚体Wの左右の腹部(腹身部)と中骨(脊椎骨)とを分離する切断を行うものであり、基準の配置位置として、当該切断を行う位置に配置されている。
各第2回転刃物112は、外周の最下点が対応する第1回転刃物72の外周の最上点に対して比較的小さい(数cm程度)上下方向の間隙をおいて第1回転刃物72の外周の最上点と略同じ左右位置に位置し、且つ同外周の最下点が対応する第1回転刃物72の外周の最上点より少し(数cm程度)後方、つまり魚体の搬送方向遅れに位置すべく配置され、魚体Wの上側(背側)から魚体Wの左右の背部(上部身部)と中骨(脊椎骨)とを分離する切断を行う。
各第3回転刃物140は、外周の最上点が対応する第2回転刃物112の外周の最下点より少し(数cm程度)上方に、且つ同最上点が対応する第1回転刃物72及び第2回転刃物112の外周の最下点より左右外方に位置し、且つ同最上点が対応する第1回転刃物72及び第2回転刃物112の外周の最上点より(数十cm程度)前方、つまり魚体の搬送方向進み側に位置すべく配置され、魚体Wの下方から腹開き状態で魚体Wの左右の腹部と背部と分離する切断(ヒレ加工)を行う。
各第4回転刃物148は、第2回転刃物112の外周の最下点と略同じ高さに略水平姿勢で、稼働位置にある時には、図示されているように、外周の最内点(前記中心軸線の側の点)が対応する第2回転刃物112の外周の最下点及び第3回転刃物140の外周の最上点に接近した位置(数cm程度離れた位置)に位置し、魚体Wの左右から魚体Wの左右の腹部と背部とを各々分離する切断(ロイン加工)を行う。
左右の第1回転刃物72、左右の第2回転刃物112、左右の第3回転刃物140、左右の第4回転刃物148は、これら刃物の支持機構52、86、114、142によって各々個別に、上下位置、左右位置、前後位置を変更可能(調節可能)である。
各第1刃物支持機構52のモータ取付部材42には左右の下部ガイドブレード51が取り付けられている。各下部ガイドブレード51は、対応する第1回転刃物72の左右外方に配置され、各第1回転刃物72の側方位置から左右対応する側の第3回転刃物140の側方位置にまで延在し、第1回転刃物72によって切断された魚体Wの左右の腹部(身部)を下側からハの字状に拡げつつ魚体Wの移動を案内する。
各刃物支持ベースプレート84は左右のガイドブレード支持機構85によって左右の上部ガイドブレード87を上下位置及び傾斜角を変更可能に吊り下げ支持している。各上部ガイドブレード87は、対応する第2回転刃物112の左右外方に配置され、各第2回転刃物112の側方位置から左右対応する側の第3回転刃物140の側方位置にまで延在し第2回転刃物11によって切断された魚体Wの左右の背部を上下反転のハの字状に上側から拡げつつ魚体Wの移動を案内する。
清掃時には、クランプ機構(不図示)が解除されて左右の刃物支持ベースプレート84が刃物用リニアガイドレール80に案内されて左右方向に引き離された退避位置に移動されることにより、左右の第2刃物支持機構86、左右のガイドブレード支持機構85、左右の上部ガイドブレード87、左右の第2回転刃物112、左右の第3刃物支持機構114、左右の第3回転刃物140、左右の第4刃物支持機構142、左右の第4回転刃物148が一斉に左右方向に引き離された退避位置に位置し、これらの間に清掃、保守のための大きい空間が確保される。
本体フレーム10には、図1、図2、図5及び図6に示されているように、魚体Wを前後方向に搬送する魚体搬送装置150が設けられている。魚体搬送装置150は取付台152によって下前後ビーム24上に取り付けられた駆動ボックス154を含む。
駆動ボックス154は、魚体の搬送方向(前後方向)で見て後側(入口側)の背部に取り付けられたスプロケット駆動用電動機156と、スプロケット駆動用電動機156の出力軸158に固定された入口側スプロケット160と、魚体の搬送方向(前後方向)で見て前側(出口側)に支持軸162によって駆動ボックス154に回転可能に取り付けられた出口側スプロケット164とを含む。換言すると、入口側スプロケット160及び出口側スプロケット164は魚体の搬送方向に隔置されて各々横軸線周り回転可能であり、入口側スプロケット160はスプロケット駆動用電動機156によって回転駆動される。入口側スプロケット160及び出口側スプロケット164には当該両者間に無端チェーン166が掛け渡されている。
駆動ボックス154には無端チェーン166の左側に位置するガイドプレート168が固定されている。ガイドプレート168は、図2で見て無端チェーン166の左側にあって無端チェーン166の全体と整合する前後方向に長い長円形(トラック形状)のガイド開口170を有する。ガイド開口170には無端チェーン166のピンに支持軸172によって取り付けられたコロ173が転動可能に係合している。支持軸172はシャトル係合部材174の連結部材176に対して回転可能に連結されている。
シャトル係合部材174は、下端に連結部材176を取り付けられた板状の下部部材178と、下部部材178の上端に取付ボルト180によって上下位置を調節可能に取り付けられた板状の上部部材182と、上部部材182の上端に取り付けられた板状の係合具184とを含む。
係合具184は、魚処理装置の中心軸線X上にあり、鋸歯形状部184Aによる上縁を含み、鋸歯形状部184Aをもって魚体Wの下側から魚体Wに係合する。係合具184は、魚体Wが内蔵を除去されたドレス(無頭)の場合には、図6に示されているように、魚体Wの脊椎骨Bに係合する。
駆動ボックス154にはガイドプレート168の上側にあって搬送方向(前後方向)に沿って略水平に延在する2個のフック用リニアガイドレール186が上下間隔をおいて互いに平行に取り付けられている。各フック用リニアガイドレール186には上下のスライダ188によってフック用スライド部材190の上端側がスライド可能に係合している。
フック用スライド部材190は、板状をしていて、連結部材176に形成された係合孔176Aを上下方向に相対変位可能に貫通している。この貫通によってフック用スライド部材190にはシャトル係合部材174が魚体Wの搬送方向には変位不能に且つ上下方向には変位可能に連結される。これにより、シャトル係合部材174は垂直方向(鉛直方向)に延在する姿勢を保って移動する。
取付台152には、フック用スライド部材190の下端に対応する近接スイッチ等による位置センサ192が取り付けられている。
スプロケット駆動用電動機156によって入口側スプロケット160が図1及び図5で見て反時計廻り方向に回転駆動されることにより、無端チェーン166の巡回移動に伴ってコロ173がガイド開口170を巡回移動する。この巡回移動によってシャトル係合部材174は、入口側スプロケット160の配置位置に対応する入口側位置と出口側スプロケット164の配置位置に対応する出口側位置との間を入口側から出口側へ水平移動する上側パスと、前記出口側位置にて半円状の移動軌跡をもって降下する出口側エンドパスと、前記入口側位置と前記出口側位置との間を出口側から入口側へ水平移動する下側パスと、前記入口側位置にて半円状の移動軌跡をもって上昇する入口側エンドパスとを垂直方向に延在する姿勢を保って繰り返し連続移動する。
シャトル係合部材174は、入口側エンドパスにて上昇移動することにより係合具184の鋸歯形状部184Aが搬送対象の魚体Wの脊椎骨Bに係合し、この係合状態で上側パスを入口側から出口側へ水平移動することにより魚体Wの搬送を行い、出口側エンドパスにて降下移動することにより鋸歯形状部184Aが魚体Wの脊椎骨Bとの係合から離脱し、この離脱で下側パスを出口側から入口側へ水平移動することにより入口側エンドパスに戻る。これにより、鰤、鮭、鯛、真鱈等の各種の魚類において頭尾方向に確実に延在する脊椎骨Bを基準として魚体Wの搬送が確実に行われる。
シャトル係合部材174の全移動行程において、垂直方向に延在する姿勢を保つので、入口側エンドパスや出口側エンドパスにて入口側スプロケット160や出口側スプロケット164の中心周りに旋回変位したり、下側パスにて無端チェーン166から垂下したような姿勢になったりすることがなく、その分、シャトル係合部材174の移動のためのスペースを削減することができる。これにより、魚処理装置の外寸を小さくでき、魚処理装置の設置スペースを削減することができる。このことは、中型〜大型の魚類用の魚処理装置で、魚体Wの搬送距離が長く、シャトル係合部材174の寸法が大きい魚処理装置において特に有用であり、小スペースの魚処理場に対する魚処理装置の導入を可能にする。
出口高丈ポスト14には取付部材194によって上下方向に延在する前側リニアガイドレール196が取り付けられている。天井プレート30の後側(入口側)には取付部材198によって上下方向に延在する後側リニアガイドレール200が取り付けられている。前側リニアガイドレール196及び後側リニアガイドレール200にはスライダ202及び204がスライド可能に係合している。スライダ202及び204には吊下部材206及び208によって上部ガイド部材210が上下方向に移動可能に設けられている。
上部ガイド部材210は、上下反転の溝形鋼により構成され、係合具184の真上位置を魚処理装置の中心軸線Xに沿って略水平に延在し、自重によって魚体Wの背部に押し付けられ、背鰭部に左右から当接し、魚体搬送装置150によって搬送される魚体Wの搬送方向の移動を案内する。このようにして、上部ガイド部材210は、魚体搬送装置150によって搬送される魚体Wの左右方向への横転を防ぎ、魚体Wの背部と腹部とが上下に位置する起立姿勢が維持されるべく搬送中の魚体Wに作用する。
上部ガイド部材210は、自重によって上側から魚体Wの背部に当接するから、適当な下限位置が設定されることにより、魚体Wの大小(起立姿勢での高さ寸法)に追随して上下移動し、調節作業を要することなく各種寸法の魚体W及び魚類に対応する。
上部ガイド部材210は、必要に応じて吊下部材206、208と本体フレーム10との間に設けられた引張コイルばね212によって下方に付勢され、引張コイルばね212のばね力によって魚体Wの背部に当接していてもよい。
本体フレーム10の後側(入口側)には、図1、図7及び図8に示されているように、側部ガイド機構220が設けられている。側部ガイド機構220は、左右の入口高丈ポスト12の高さ方向の中間部を互い接続する入口側左右ビーム13に固定されたベースプレート222と、ベースプレート222に固定されて左右方向に略水平に延在する側部ガイド用リニアガイドレール224と、側部ガイド用リニアガイドレール224にスライド可能に係合した左右のスライダ226と、各スライダ226に固定された上端を含み、各スライダ226から垂下した左右の支持アーム228と、各支持アーム228にボルト230によって上下位置を変更可能に取り付けられ、略前後方向に延在する帯状の左右のローラ支持板232と、前後方向に隔置されて各ローラ支持板232に垂直軸線周りに回転可能に取り付けられた複数の側部ガイドローラ234と、左右のローラ支持板232を互いに近付く方向に付勢する引張コイルばね236とを含む。
各ローラ支持板232には前後水平方向に延在する横軸238によって左右のベルクランク240が回動可能に取り付けられている。左右のベルクランク240は、引張コイルばね236のばね力によって互いに噛合するセクタギヤ242を形成された上端及び各支持アーム228の中間部に設けられた長孔244に係合するローラ246を回転可能に支持した下端を含み、左右のローラ支持板232、ついては左右の側部ガイドローラ234の列を魚処理装置の中心軸線Xの左右両側に鏡映対称に配置する。
左右の側部ガイドローラ234は、図6に示されているように、左右両側から魚体Wの腹部を挟むように魚体Wの腹部に当接して魚体Wの搬送に伴って転動し、上部ガイド部材210と共に魚体Wの背部と腹部とが上下に位置する起立姿勢が維持する。
清掃時には引張コイルばね236のばね力に抗して左右のローラ支持板232が側部ガイド用リニアガイドレール224に案内されて左右方向に引き離された退避位置に係止されることにより、左右の側部ガイドローラ234の列間に清掃、保守のための大きい空間が確保される。
本体フレーム10の後側(入口側)には、図1、図9及び図10に示されているように、進入ガイド機構250が設けられている。進入ガイド機構250は、第1回転刃物72及び第2回転刃物112に対する魚体Wの進入を案内するものであり、上部プレート27上に取り付けられたブラケット252と、ブラケット252に左右水平方向に延在する横軸254によって略上下方向に回動可能に取り付けられた後端を含み、ボルト256によって回動位置を変更可能に固定されるガードアーム258と、ガードアーム258の左右の側板部258Aに形成された前後方向に長い長孔260に転動可能に係合して各側板部258Aに前後方向に移動可能に支持された左右のコロ262と、コロ262に左右水平の軸線周りに回動可能に取り付けられた後端を含む左右の揺動アーム264と、各揺動アーム264の前端に支持軸265によって左右水平の軸線周りに回転可能に取り付けられた左右の下側ローラ266と、各揺動アーム264の前端に固定された左右の下腹部支持片268とを含む。
左右の揺動アーム264、左右の下側ローラ266及び左右の下腹部支持片268とは、係合具184が前後方向に通過するための前後方向に長いスリット状の間隙270をおいて互いに対向している。
左右の第1回転刃物72の中心軸をなす第1電動モータ68の各出力軸70は左右の連係アーム272の基端(前端)を回動可能に支持している。各連係アーム272は遊端(後端)に取り付けられた左右の連係部材274によって各下側ローラ266の支持軸265に枢動可能に連結されている。
左右の第2回転刃物112の中心軸をなす第2電動モータ108の各出力軸110は左右のローラ支持アーム276の基端(前端)を回動可能に支持している。各ローラ支持アーム276は支持軸278によって左右の上側ローラ280を左右水平の軸線周りに回転可能に支持した遊端(後端)を含む。各上側ローラ280は対応する下側ローラ266の上方位置に位置している。
天井プレート30はブラケット282によってシーソアーム284の中間部を左右水平な軸線周りに回動可能に支持している。シーソアーム284の一端はターンバックルによる長さ変更可能なリンク部材286によってローラ支持アーム276に枢動可能に連結されている。シーソアーム284の他端はターンバックルによる長さ変更可能なリンク部材288によって連係部材274に枢動可能に連結されている。
各下側ローラ266と上側ローラ280との間隔はリンク部材286、288の長さ調節によって変更可能に設定される。
各下側ローラ266及び各下腹部支持片268は搬送される魚体Wの下腹部に当接し、各上側ローラ280は搬送される魚体Wの背部(背鰭部)に当接する。各下側ローラ266及び各下腹部支持片268と各上側ローラ280とは魚体Wを上下から挟むようにして第1回転刃物72及び第2回転刃物112に対する魚体Wの進入を案内する。
各下側ローラ266は搬送される魚体Wの下腹部に沿って上下方向に移動しながら転動し、各上側ローラ280は搬送される魚体Wの背部に沿って上下方向に移動しながら転動し、且つ各下側ローラ266と各上側ローラ280とは、シーソアーム284、リンク部材286、288による連結によって互いに連係して上下方向に移動する。各下腹部支持片268と各上側ローラ280との上下移動の比率は、各下腹部支持片268及び各上側ローラ280の上下移動が魚体Wの下腹部及び背部の形状に応じたものになるべく、リンク部材286と288との長さ比によって可変設定される。
本体フレーム10の前側には、図1に示されているように、中骨排出用シュータ290及びロイン・フィレの搬出を行うベルトコンベア292が設けられている。
次に、上述した本実施形態の魚処理装置による魚体Wの切断動作について説明する。
先ず、ガードアーム258上に、尾部を前側に、且つ背部分を上側にして魚体Wが載置される。次に、シャトル係合部材174がホームポジョン(図5で見て最右側の位置)に位置している初期状態においてスプロケット駆動用電動機156によって入口側スプロケット160が図5で見て反時計廻り方向に回転駆動されることにより、シャトル係合部材174が入口側エンドパスにて上昇移動し、係合具184の鋸歯形状部184Aが魚体Wの脊椎骨Bに係合する。この係合状態で、シャトル係合部材174がフック用リニアガイドレール186により案内されて上側パスを入口側(後側)から出口側(前側)へ水平移動することにより、魚体Wが脊椎骨の高さ位置を基準とする水平なパスラインをもって中心軸線Xに沿って前側に搬送される。尚、係合具184の鋸歯形状部184Aの魚体Wの脊椎骨Bに対する係合は、手操作等によって魚体Wを鋸歯形状部184Aに押し付けることにより行われてもよい。
この搬送過程で、左右の側部ガイドローラ234が魚体Wの腹部を左右両側から挟むように魚体Wの腹部に当接すると共に、上部ガイド部材210が自重及び引張コイルばね212のばね力によって魚体Wの背部に押し付けられて背鰭部に左右から当接する。そして魚体Wは、セクタギヤ242が噛み合った状態で、引張コイルばね236のばね力に抗して左右の側部ガイドローラ234の列を左右に押し拡げながら、且つ上部ガイド部材210を自重及び引張コイルばね212のばね力に抗して押し上げながら前側に進行する。
これにより、魚体搬送装置150によって搬送される魚体Wは、背部を上側、腹部を下側した起立姿勢の状態を確実に維持して前側に進行する。
そして、第1回転刃物72及び第2回転刃物112の手前位置で、魚体Wの下腹部に左右の下側ローラ266及び左右の下腹部支持片268が当接し、魚体Wの背鰭部に左右の上側ローラ280が当接する。魚体Wは、各下側ローラ266及び各下腹部支持片268と各上側ローラ280とによって上下から挟まれて安定した起立姿勢で、各第1回転刃物72と各第2回転刃物112との間に進入する。
魚体Wの搬送に伴い各第1〜第3電動モータ68、108、136によって回転駆動されている左右の第1〜第3回転刃物72、112、140によって魚体Wを左右のロインと中骨とに切断、分離することが行われる。また、ヒレ加工時には、各第4電動モータ144によって回転駆動されている左右の第4回転刃物148によって左右のロインが背部側と腹部側とに切断、分離することが行われる。
そして、中骨は中骨排出用シュータ290に案内されて機外に排出され、ヒレ或いはロインはベルトコンベア292によって機外に搬出される。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、ロイン加工専用機の場合には、図11に示されているように、左右の第4回転刃物148、第4電動モータ144及びそれに関連する機構が省略されてよい。スプロケット駆動用電動機156は入口側スプロケット160に代えて出口側スプロケット164を回転駆動するのであってもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 :本体フレーム
11 :第2回転刃物
12 :入口高丈ポスト
13 :入口側左右ビーム
14 :出口高丈ポスト
16 :入口低丈ポスト
18 :上後左右ビーム
20 :下後左右ビーム
22 :上前後ビーム
24 :下前後ビーム
26 :中前後ビーム
27 :上部プレート
30 :天井プレート
31 :プレート取付部材
32 :ベースプレート
33 :刃物用リニアガイドレール
34 :ボルト
35 :スライダ
36 :下部ブラケット
37 :刃物用リニアガイドレール
39 :スライダ
38 :横軸
40 :第1刃物支持アーム(下部アーム)
41 :係合部材
41A :長孔
42 :モータ取付部材
43 :係合部材
44 :上部ブラケット
45 :連結ロッド
45A :係合子
46 :同期軸
47 :球面継手
48 :上部アーム
49 :球面継手
50 :リンク部材
51 :下部ガイドブレード
52 :第1刃物支持機構
53 :引張コイルばね
54 :取付片
55 :調節ねじ
56 :モータボックス
68 :第1電動モータ
70 :出力軸
72 :第1回転刃物
80 :刃物用リニアガイドレール
82 :スライダ
84 :刃物支持ベースプレート
85 :ガイドブレード支持機構
86 :第2刃物支持機構
87 :上部ガイドブレード
88 :ベースプレート
90 :左右テーブル
92 :前後テーブル
94 :上側部材
96 :下側部材
98 :モータ取付部材
100 :調節ねじ
102 :調節ねじ
104 :ボルト
106 :モータボックス
108 :第2電動モータ
110 :出力軸
112 :第2回転刃物
114 :第3刃物支持機構
116 :ベースプレート
118 :左右テーブル
120 :前後テーブル
122 :上側部材
124 :下側部材
126 :モータ取付部材
128 :調節ねじ
130 :調節ねじ
132 :ボルト
134 :モータボックス
136 :第3電動モータ
138 :出力軸
140 :第3回転刃物
142 :第4刃物支持機構
144 :第4電動モータ
146 :出力軸
148 :第4回転刃物
150 :魚体搬送装置
152 :取付台
154 :駆動ボックス
156 :スプロケット駆動用電動機
158 :出力軸
160 :入口側スプロケット
162 :支持軸
164 :出口側スプロケット
166 :無端チェーン
168 :ガイドプレート
170 :ガイド開口
172 :支持軸
173 :コロ
174 :シャトル係合部材
176 :連結部材
176A :係合孔
178 :下部部材
180 :取付ボルト
182 :上部部材
184 :係合具
184A :鋸歯形状部
186 :フック用リニアガイドレール
188 :スライダ
190 :フック用スライド部材
192 :位置センサ
194 :取付部材
196 :前側リニアガイドレール
198 :取付部材
200 :後側リニアガイドレール
202 :スライダ
204 :スライダ
206 :吊下部材
208 :吊下部材
210 :上部ガイド部材
212 :引張コイルばね
220 :側部ガイド機構
222 :ベースプレート
224 :側部ガイド用リニアガイドレール
226 :スライダ
228 :支持アーム
230 :ボルト
232 :ローラ支持板
234 :側部ガイドローラ
236 :引張コイルばね
238 :横軸
240 :ベルクランク
242 :セクタギヤ
244 :長孔
246 :ローラ
250 :進入ガイド機構
252 :ブラケット
254 :横軸
256 :ボルト
258 :ガードアーム
258A :側板部
260 :長孔
262 :コロ
264 :揺動アーム
265 :支持軸
266 :下側ローラ
268 :下腹部支持片
270 :間隙
272 :連係アーム
274 :連係部材
276 :ローラ支持アーム
278 :支持軸
280 :上側ローラ
282 :ブラケット
284 :シーソアーム
286 :リンク部材
288 :リンク部材
290 :中骨排出用シュータ
292 :ベルトコンベア
B :脊椎骨
W :魚体
X :中心軸線
θ1 :傾斜角
θ2 :傾斜角
θ3 :傾斜角

Claims (10)

  1. 腹部を下側にして頭尾方向に沿って搬送される魚体を回転刃物によって切断する魚体処理装置であって、
    本体フレームと、
    前記魚体の搬送方向に隔置され、各々横軸線周り回転可能に前記本体フレームに設けられた入口側スプロケット及び出口側スプロケットと、
    前記入口側スプロケット或いは前記出口側スプロケットを回転駆動するスプロケット駆動用電動機と、
    前記入口側スプロケットと前記出口側スプロケットとに掛け渡された無端チェーンと、
    前記無端チェーンに連結された下端及び前記魚体に下側から係合する上端を含むシャトル係合部材と、
    前記本体フレームに設けられ、前記搬送方向に沿って延在するフック用リニアガイドレールと、
    前記フック用リニアガイドレールにスライド可能に係合し、且つ前記シャトル係合部材が前記搬送方向には変位不能に且つ上下方向には変位可能に係合したフック用スライド部材とを有する魚体処理装置。
  2. 前記シャトル係合部材は前記魚体の脊椎骨に係合する請求項1に記載の魚体処理装置。
  3. 前記本体フレームに上下方向に移動可能に設けられ、前記魚体の背部に左右から当接して当該魚体の搬送方向の移動を案内する上部ガイド部材を有する請求項1又は2に記載の魚体処理装置。
  4. 前記本体フレームに移動可能に設けられ、前記魚体の腹部に左右から当接して当該魚体の搬送方向の移動を案内する側部ガイド部材を有する請求項1から3の何れか一項に記載の魚体処理装置。
  5. 前記本体フレームの上部に設けられて左右方向に延在するガイドローラ用リニアガイドレールと、
    前記ガイドローラ用リニアガイドレールにスライド可能に係合した左右一対のガイドローラ用スライド部材と、
    各ガイドローラ用スライド部材に設けられた左右一対のガイドローラ支持部材と、
    前記搬送方向に沿って延在し、延在方向の中間部を各ガイドローラ支持部材に垂直軸線周りに回動可能に取り付けられた左右一対のガイドローラ支持部材と、
    各ガイドローラ支持部材の延在方向に互いに間隔をおいて各々垂直軸線周りに回転可能に設けられ、前記魚体の腹部を左右方向から挟んで前記魚体の搬送を案内する左右の複数の側部ガイドローラとを有し、
    各側部ガイドローラが前記側部ガイド部材をなす請求項4に記載の魚体処理装置。
  6. 前記本体フレームに設けられた左右一対の第1刃物支持機構と、
    各第1刃物支持機構によって支持され、前記魚体の腹部の切込みを行う左右一対の第1回転刃物及び各第1回転刃物を回転駆動する第1回転駆動装置と、
    前記本体フレームの上部に設けられて左右方向に延在する刃物支持用リニアガイドレールと、
    前記刃物支持用リニアガイドレールにスライド可能に係合して左右方向の任意の位置にて前記本体フレームに固定される左右一対の刃物支持用スライド部材と、
    前記刃物支持用スライド部材に設けられた左右一対の第2刃物支持機構及び第3刃物支持機構と、
    各第2刃物支持機構によって支持され、前記魚体の背部の切込みを行う左右一対の第2回転刃物及び各第2回転刃物を回転駆動する第2回転駆動装置と、
    各第1回転刃物より前記魚体の搬送方向進み側において各第3の刃物支持装置によって支持され、前記魚体の左右のフィレの切離しを行う左右一対の第3回転刃物及び各第3回転刃物を回転駆動する第3回転駆動装置とを有する請求項1から5の何れか一項に記載の魚体処理装置。
  7. 前記左右一対の第1回転刃物及び前記左右一対の第3回転刃物は、上下方向に傾斜した軸線周りに回転可能で、前記魚体の搬送方向で見てハ字形に配置され、
    前記左右一対の第2回転刃物は、上下方向に傾斜した軸線周りに回転可能で、前記魚体の搬送方向で見て上下反転のハ字形に配置されている請求項6に記載の魚体処理装置。
  8. 各刃物支持用スライド部材に左右方向に移動可能且つ任意の左右方向にて固定される左右一対の第4の刃物支持装置と、
    前記魚体の搬送方向の両側に左右対称に配置されるべく各第4刃物支持装置によって支持され、前記魚体のロイン加工を行うべく垂直軸線周りに回転可能な左右一対の第4回転刃物及び各第4回転刃物を回転駆動する第4回転駆動装置とを有する請求項6又は7に記載の魚体処理装置。
  9. 各第1刃物支持機構は、
    上下方向の位置を変更可能に前記本体フレームに固定されたベースプレートと、
    前記ベースプレートに水平軸線周りに回動可能に取り付けられた基端及び前記第1回転刃物及び第1回転駆動装置を取り付けられた遊端を有する左右一対の下部アームと、
    前記本体フレームの上部に回転可能に取り付けられて左右方向に延在する同期軸と、
    前記同期軸に固定された基端を含む左右一対の上部アームと、
    各上部アームの遊端に枢動可能に連結された上端及び各下部アームの遊端に枢動可能に連結された下端を含む左右一対のリンク部材とを有する請求項6から8の何れか一項に記載の魚体処理装置。
  10. 各第2回転刃物の左右方向の外方に配置され、各第2回転刃物の側方位置から左右対応する側の前記第3回転刃物の側方位置にまで延在し、前記左右一対の第2回転刃物によって背部を切込まれた前記魚体の背部を上側から拡げる左右一対の上部ガイドブレードと、
    各第1回転刃物の左右方向の外方に配置され、各第1回転刃物の側方位置から左右対応する側の前記第3回転刃物の側方位置にまで延在し、前記魚体の腹身部を左右に拡げる左右一対の下部ガイドブレードとを有する請求項6から9の何れか一項に記載の魚体処理装置。
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