JP6827864B2 - 凝集装置及びこれを備えた排ガス処理装置 - Google Patents

凝集装置及びこれを備えた排ガス処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス中の微粒子を帯電して凝集する凝集装置及びこれを備えた排ガス処理装置に関するものである。
石炭焚きボイラなどから排出される排ガスには、ダストとしてばいじん等の微粒子が含まれている。排ガス中の微粒子は、PM(Particulate Matter:粒子状物質)対策として規制強化が進んでいる。例えば、排ガス中のばいじん濃度が3〜5mg/mNといったように極めて低い濃度が近年求められることがある。このような規制強化に対応するには、乾式電気集じん装置の容量を拡大したり、湿式電気集じん装置を追設したりすることが考えられるが、大規模な設備となるため経済的に不利となる。
排ガス中の微粒子の捕集効率を向上させるために、排ガス中の微粒子を帯電し、凝集させて肥大化する凝集装置が知られている(特許文献1)。
同文献に記載された凝集装置は、排ガスの流路内に、排ガス流れ方向に沿って配置された直流高電圧の正電極と、正電極の側方に並んで平行に配置された接地電極と、接地電極の側方に並んで平行に配置された直流高電圧の負電極とを備えている。正電極と接地電極と負電極とはこの順番で繰り返して配列されている。これら電極の排ガス流れ下流側には、排ガス流れの渦流を形成する転向装置が設けられている。
正電極と接地電極との間を流れつつ正に帯電した微粒子と、負電極と接地電極との間を流れつつ負に帯電した微粒子とは、転向装置にて渦流となった排ガスの流れによって凝集して肥大化される。肥大化された微粒子は、さらに排ガス流れの下流側に設置されたフィルタ等のダスト除去装置によって除去される。
特表2003−513782号公報(図6等)
しかし、上記特許文献1に記載された凝集装置は、正と負の両方の直流高電圧出力をそれぞれ用意して凝集装置に接続する必要があり、コストが増大するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安価な構成で効果的に排ガス中の微粒子を凝集させることができる凝集装置及びこれを備えた排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の凝集装置及びこれを備えた排ガス処理装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる凝集装置は、排ガス流れ方向に沿って配置された第1板状部、及び、該第1板状部の一方の面のみに設けられた複数の第1突起部を有し、正または負のいずれか一方の電圧が印加される第1電極と、前記排ガス流れ方向に沿って配置された第2板状部、及び、該第2板状部の一方の面のみに設けられた複数の第2突起部を有し、接地された第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の前記排ガス流れ方向の下流側に設けられ、排ガスの流れを乱す乱流発生部と、を備え、前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1突起部が設けられた面と前記第2突起部が設けられた面とが対向しないように設けられ、かつ、前記排ガス流れ方向に対して交差する方向に交互に設けられている。
排ガス流れ方向に沿って配置された板状部を有する第1電極と、排ガス流れ方向に沿って配置された第2板状部を有する第2電極とを、排ガス流れに交差する方向に交互に設けることで、第1電極と第2電極で挟まれた流路が複数形成される。
第1板状部の一方の面のみに第1突起部が設けられ、第2板状部の一方の面のみに第2突起部が設けられている。そして、第1突起部が設けられた面と第2突起部に設けられた面とが対向しないように設けられているので、第1電極と第2電極で挟まれた流路には、第1突起部または第2突起部の一方のみが突出することになり、一方の突起部のみからコロナ放電が行われることになる。これにより、第1突起部と第2突起部との間で放電の干渉が生じることを回避することができる。したがって、排ガス中に含まれる微粒子を、第1電極と第2電極で挟まれた流路を通過する際に効率良く帯電させることができる。
第1電極と第2電極との間の流路を通り正または負に帯電した微粒子を随伴する排ガスは、乱流発生部へと流れ込む。乱流発生部で排ガスの流れが乱されることで、正に帯電した微粒子と負に帯電した微粒子との静電気力による凝集を促進し、微粒子を凝集化して肥大化させることができる。
正または負のいずれか一方の電圧が印加される第1電極と、接地された第2電極とを交互に設け、正のコロナ放電が行われる流路と負のコロナ放電が行われる流路とを交互に形成することとした。これにより、正または負のいずれか一方の電圧を発生する電源だけで足り、正および負の電源を設ける場合に比べて、装置構成が簡便となりコストを低減することができる。
なお、排ガス中に含まれる微粒子としては、ばいじん等が挙げられる。本発明によれば、例えば1〜3μm程度の粒径で存在する微粒子が3〜5μm以上に凝集肥大化される。
さらに、本発明の凝集装置では、隣り合う前記第1突起部の間隔をP1、隣り合う前記第2突起部の間隔をP2、前記第1板状部と前記第2板状部との間隔をLとした場合に、P1/L及びP2/Lは、1以上が好適とされている。
P1/L及びP2/Lを1以上とすることで、隣り合う突起部同士で放電が干渉することを回避することができる。
なお、P1/L及びP2/Lの上限は2以下とすることが好ましい。
さらに、本発明の凝集装置では、前記第1突起部の高さをZ1、前記第2突起部の高さをZ2、前記第1板状部と前記第2板状部との間隔をLとした場合に、Z1/L及びZ2/Lは、それぞれ、0.05以上0.15以下とされている。
電極間隔に対する電極の突起部の高さの比が小さくなると、突起部を設置している板状部の電位の影響を受けて電流の拡がりが抑制され電流密度が低下していく。この現象に鑑み、Z1/L及びZ2/Lを、それぞれ、0.05以上0.15以下とすることで、同電位とされる板状部との電場の干渉によって放電電流が抑制されることを回避できる。
さらに、本発明の凝集装置では、前記第1板状部及び/又は前記第2板状部は、前記排ガス流れ方向に連続して形成されている。
板状部を排ガス流れ方向に連続して形成することで、電極を所望の強度で構成することができる。
さらに、本発明の凝集装置では、前記第1板状部及び/又は前記第2板状部は、前記排ガス流れ方向に分割されている。
板状部を排ガス流れ方向に分割することで、放電に寄与しない板状部を省略することができ、電極の軽量化とコスト低減が可能となる。
突起部のピッチと電極間隔の比を変えると電流の拡がる範囲が変化し電流密度が極大値を取る現象が発生する事から板幅を狭められる限界がある。本事象に鑑み、排ガス流れ方向における分割された1つの板状部の幅をW、第1板状部と第2板状部との間隔をLとした場合、W/Lは0.5以上1.0以下とすることが好ましい。
さらに、本発明の凝集装置では、各前記第1突起部と各前記第2突起部とは、前記排ガス流れ方向において同等の位置に設けられている。
第1突起部と第2突起部とを排ガス流れ方向において同等の位置に設けることとしたので、第1板状部および第2板状部を分割する位置を同等とすることができる。これにより、分割された各板状部の幅を可及的に小さくすることができ、さらに軽量化を図ることができる。
さらに、本発明の凝集装置では、前記第1電極に負の電圧が印加されている場合には、前記第1突起部の高さが前記第2突起部の高さよりも低くされ、前記第1電極に正の電圧が印加されている場合には、前記第1突起部の高さが前記第2突起部の高さよりも高くされている。
コロナ放電の特性から、電極間の電位差が同じ場合、正のコロナ放電よりも負のコロナ放電の方が多くの放電電流が流れる。そこで、相対的に負となる電極の突起部の高さよりも相対的に正となる電極の突起部の高さを高くして、放電電流を同等に高めることができる。
なお、正極性と負極性の放電特性を考えるとき、負極性の方が正極性の電流密度の90%の電界強度で正極性と同じ電流密度を得られる特性に鑑み、第1突起部の高さに対して第2突起部の高さを10%長くすることがより好ましい。
本発明の排ガス処理装置は、上記のいずれかに記載の凝集装置と、該凝集装置の前記排ガス流れ方向の下流側に設けられ、排ガス中に含まれる微粒子を捕集する捕集装置と、を備えている。
凝集装置の乱流発生部にて凝集肥大化された微粒子は、排ガス流れ方向の下流側の捕集装置に導かれることで、除去することができる。これにより、第1電極および第2電極を通過する前の微粒子が捕集装置によって除去できない程度の粒径であっても除去することができる。また、微粒子の凝集肥大化により、微粒子全体の平均粒径が増大することによって、捕集装置における集じん効率が上昇する。
なお、ダスト等の微粒子を捕集する捕集装置としては、集じん装置(例えば乾式電気集じん装置)や、集じん以外の排ガス処理を主とする装置だが集じん機能も併せ持つ装置、例えばクエンチャーや脱硫装置(スクラバ)等の湿式吸収塔が一例として挙げられる。従って、集じん装置(例えば乾式電気集じん装置)の排ガス流れ方向の下流に、例えば脱硫装置が設けられる場合には、凝集装置は、集じん装置の排ガス方向の上流側に設けても下流側(脱硫装置の上流側)に設けても良い。
正または負のいずれか一方の電圧を発生する電源だけを用いることとしたので、安価な構成で効果的に排ガス中の微粒子を凝集させることができる。
本発明の第1実施形態に係る排ガス処理装置を示した概略構成図である。 凝集装置の概略構成を示した平面図である。 図2の電極周りを示した要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る凝集装置の電極周りを示した要部拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る凝集装置の電極周りを示した要部拡大図である。 板状部間の間隔に対する突起部の高さの比に対して、平均電流密度を示したグラフである。 板状部間の間隔に対する突起部のピッチの比に対して、平均電流密度比及び平均電界強度比を示したグラフである。 板状部間の間隔に対する突起部のピッチの比と、突起部のピッチに対する分割された各板状部の幅の比との関係を示したグラフである。 正極性の放電特性と負極性の放電特性の比較を示したグラフである。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
<排ガス処理装置の全体構成>
図1には、本実施形態の凝集装置が設置される排ガス処理装置が示されている。
石炭焚きとされたボイラ1の排ガス流れ方向の下流側には、排ガス処理装置として、順に、脱硝装置2、熱回収用ガス−ガスヒータ3、乾式電気集じん装置4、脱硫装置5、再加熱用ガス−ガスヒータ6が設置されている。
熱回収用ガス−ガスヒータ3と再加熱用ガス−ガスヒータ6とは、ノンリーク式ガス−ガスヒータを構成しており、水等の熱媒体が流通する熱媒体経路(図示せず)で連結されている。熱回収用ガス−ガスヒータ3にて排ガスから熱媒体に回収した熱を、再加熱用ガス−ガスヒータ6にて排ガスに与えて再加熱するようになっている。
脱硫装置5は、スクラバとされた湿式吸収塔とされている。したがって、排ガス中にダストとして存在するばいじん等の微粒子も捕集する捕集装置となっている。
本実施形態の凝集装置は、矢印Aで示す熱回収用ガス−ガスヒータ3と乾式電気集じん装置4との間、及び/又は、矢印Bで示す乾式電気集じん装置4と脱硫装置5との間に設置される。したがって、凝集装置によって凝集肥大化された微粒子は、本凝集装置をAに設置した場合にはその下流側に配置された乾式電気集じん装置4で、Bに設置された場合にはその下流側に配置された脱硫装置5にて捕集されて排ガス中から除去される。
凝集装置で凝集肥大化される前の微粒子の大きさとしては、平均粒径が1〜3μmとされる。もちろん、これ以上の粒径の微粒子も凝集肥大化される。
ボイラ1にて石炭を燃焼して発生した排ガスは、脱硝装置2にてNOxが除去され、熱回収用ガス−ガスヒータ3にて熱媒体に熱を与えて温度が低下した後に、乾式電気集じん装置4にて微粒子が除去される。乾式電気集じん装置4の上流(矢印A)または下流(矢印B)に配置された凝集装置によって、排ガス中の1〜3μm以下とされた微粒子が3〜5μm以上に凝集肥大化される。その後、脱硫装置5にて排ガスからSOx及び微粒子が除去された後に、再加熱用ガス−ガスヒータ6で所定温度まで排ガスが加熱され、図示しない煙突から排ガスが大気へと放出される。
<凝集装置の構成>
図2には、凝集装置10を平面視した概略構成が示されている。
凝集装置10は、排ガスが流通するダクト内に設けられ、排ガス流れ方向Dの上流側に配置されたコロナ放電部11と、コロナ放電部11の下流側に配置された混合部(乱流発生部)12とを備えている。
コロナ放電部11は、排ガス流れ方向Dに沿って配置された負電極(第1電極)13と、排ガス流れ方向Dに沿って配置された接地電極(第2電極)14とを備えている。負電極13と接地電極14とは、排ガス流れ方向Dに対して交差する方向(図2において上下方向)に交互に設けられている。
負電極13は、金属等の導電性材料で構成されており、平面形状とされた負極板状部(第1板状部)13aと、負極板状部13aの一方の面(図2において下方の面)のみに設けられた複数の負極突起部(第1突起)13bとを備えている。負極板状部13aは、同図において紙面垂直方向に延在し、排ガス流れ方向Dの上流側から下流側にわたって連続した板形状とされている。各負電極13は、共通の導電線16を介して、負極性直流電源18に電気的に接続されている。負極性直流電源18から供給される電圧は、負電極13と接地電極14との距離や突起部13b,14bの突起形状によるが、例えば−30〜−60kVの使用環境が考えられる。
負極突起部13bは、排ガス流れ方向Dだけでなく、上下方向(図2の紙面垂直方向)にも所定間隔を有して複数設けられている。
なお、負電極13の数は、本実施形態では排ガス流れ方向Dに直交する方向に2つ設けられているが、その数は限定されるものではなく、3つ以上であっても良い。
接地電極14は、金属等の導電性材料で構成されており、平面形状とされた接地板状部(第2板状部)14aと、接地板状部14aの一方の面(図2において下方の面)のみに設けられた複数の接地突起部(第2突起)14bとを備えている。接地板状部14aは、同図において紙面垂直方向に延在し、排ガス流れ方向Dの上流側から下流側にわたって連続した板形状とされている。各接地電極14は、共通の導電線20を介して、接地されている。
接地突起部14bは、排ガス流れ方向Dだけでなく、上下方向(図2の紙面垂直方向)にも所定間隔を有して複数設けられている。
なお、接地電極14の数は、本実施形態では排ガス流れ方向Dに直交する方向に3つ設けられているが、その数は限定されるものではなく、4つ以上であっても良い。
負電極13と接地電極14とは、負極突起部13bが設けられた面と接地突起部14bが設けられた面とが対向しないように配置されている。すなわち、負極突起部13bと接地突起部14bとは同じ方向(図2において下方向)を向いており、対向していない。したがって、負極突起部13bのみが配置された流路24aと、接地突起部14bのみが配置された流路24bとが形成される。
負極突起部13bと接地突起部14bとは、排ガス流れ方向Dにおいて同等の位置に設けられている。すなわち、負極突起部13bと接地突起部14bとは、排ガス流れ方向Dの位置が揃った状態で設けられている。
図3に示すように、負極突起部13bは、負極板状部13aと接地板状部14aとの間隔Lに対する負極板状部13aから突出する高さZ1の比、すなわちZ1/Lが0.05以上0.15以下とされている。接地突起部14bも同様に、板状部13a,14a間の間隔Lに対する接地板状部14aから突出する高さZ2の比、すなわちZ2/Lが0.05以上0.15以下とされている。このようにZ1/L及びZ2/Lを適正化することで、同電位とされる板状部13a,14aとの電場の干渉によって放電電流が抑制されることを回避できる。
図6には、上記数値範囲を導出した根拠が示されている。同図において、横軸は板状部13a,14a間の間隔Lに対する突起部13b,14bの高さZ1,Z2の比、すなわちZ1/L,Z2/Lであり、縦軸は平均電流密度である。なお、図6の結果は、2次元のイオン流場解析シミュレーション(コロナ放電の基本特性解析)結果である。
板状部13a,14a間の間隔Lに対する突起部13b,14bの高さZ1,Z2の比が小さくなると、突起部13b,14bを設置している板状部13a,14aの電位の影響を受けて電流の広がりが抑制される。この結果、図6の通り平均電流密度が低下していく。性能不足なく且つ裕度を取り過ぎない範囲として電流密度が±20%の範囲を有効とすると、Z1/L及びZ2/Lは、それぞれ、0.05以上0.15以下の範囲が良い。なお、±20%の基準は、突起部13b,14bの高さZ1,Z2=10mm,板状部13a,14a間の間隔L=100mm,すなわちZ1/L=0.1(Z2/L=0.1)を基準としている。
隣り合う負極突起部13bの間隔をP1、隣り合う接地突起部14bの間隔をP2、負極板状部13aと接地板状部14aとの間隔をLとした場合に、好適なP1/L及びP2/Lは、それぞれ1.0以上2.0以下とされている。これにより、隣り合う負極突起部13b同士で放電が干渉すること、及び、隣り合う接地突起部14b同士で放電が干渉することを回避することができる。
図7には、上記数値範囲を導出した根拠が示されている。同図において、横軸は板状部13a,14a間の間隔Lに対する突起部13b,14bのピッチP1,P2の比、すなわちP1/L,P2/Lであり、縦軸は平均電流密度比および平均電界強度比である。なお、図7の結果は、図6と同様の条件の下で行われたシミュレーション結果である。
図7に示すように、性能不足なく且つ裕度を取り過ぎない範囲として最大値の±10%程度を有効とすると、P1/L,P2/Lは1.0以上2.0以下の範囲が良いといえる。
図2に示すように、混合部12は、複数のバッフル板22を備えている。各バッフル板22は、平面部が排ガスの流れに対して対向するように配置され、排ガス流れ方向Dに所定間隔を有し、かつ、排ガス流れ方向Dに直交する方向に所定間隔を有して設けられている。排ガスは、各バッフル板22に衝突し、各バッフル板22間をすり抜けて流れることで、乱流が形成されて排ガス中の微粒子の混合が促進される。なお、バッフル板22に代えて、乱流を形成する部材であれば他の形状であっても良い。
上記構成の凝集装置10は、以下のように動作する。
図2に示すように、排ガスがコロナ放電部11に流入すると、負電極13と接地電極14との間の流路24a,24bを流れる。負極突起部13bのみが配置された流路24aでは、負電極13と接地電極14との間の電位差によって負極突起部14bの先端から負のコロナ放電が発生し、排ガス中の微粒子が負に帯電する。接地突起部14bのみが配置された流路24bでは、接地電極14と負電極13との間の電位差によって接地突起部14bの先端から正のコロナ放電が発生し、排ガス中の微粒子が正に帯電する。
各流路24a,24bにて正と負のそれぞれに帯電した微粒子は、コロナ放電部11を通過した後に混合部12へと流れ込む。混合部12では、バッフル板22との衝突を繰り返すことによって排ガスが混合され、正に帯電した微粒子と負に帯電した微粒子との静電気力による凝集が促進される。
このように凝集装置10によって凝集肥大化した微粒子は、図1において凝集装置10をAに設置した場合にはその下流側に配置された乾式電気集じん装置4で、Bに設置した場合にはその下流側に配置された脱硫装置5にて捕集されて排ガス中から除去される。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
負電極13と接地電極14で挟まれた流路24a,24bには、負極突起部13bまたは接地突起部14bの一方のみが突出することになり、一方の突起部13b,14bのみからコロナ放電が行われることになる。これにより、負極突起部13bと接地突起部14bとの間で放電の干渉が生じることを回避することができる。したがって、排ガス中に含まれる微粒子を、負電極13と接地電極14で挟まれた流路24a,24bを通過する際に効率良く帯電させることができる。
負電極13と接地電極14とを交互に設け、負のコロナ放電が行われる流路24aと正のコロナ放電が行われる流路24bとを交互に形成することとした。これにより、負の電圧を発生する負極性直流電源18だけで足り、正および負の電源を設ける場合(正と負の両方の直流高電圧出力をそれぞれ用意して凝集装置に接続する場合)に比べて、装置構成が簡便となりコストを低減することができる。
凝集装置10によって凝集肥大化した微粒子は、下流側に導かれ、乾式電気集じん装置4(凝集装置を図1のAに設置した場合)または脱硫装置5(凝集装置を図1のBに設置した場合)で除去される。これにより、凝集装置10に流入する前の微粒子が捕集装置によって除去できない程度の粒径であっても、凝集装置10によって乾式電気集じん装置4及び/又は脱硫装置5で除去できる程度の粒径まで微粒子を凝集肥大化できるので、乾式電気集じん装置4及び/又は脱硫装置5の能力強化を図ることなく微粒子を除去することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して板状部13a,14aの形状が異なるのみで、その他の点については同様である。したがって、以下では第1実施形態に対する相違点のみについて説明する。
図4に示されているように、負極板状部13aは、排ガス流れ方向Dにおいて分割されている。すなわち、幅Wとされた短冊形状の負極板状部13aが所定間隔を空けて排ガス流れ方向Dに沿って並べられている。
接地板状部14aについても、排ガス流れ方向Dにおいて分割されている。すなわち、負極板状部13aと同等の幅Wとされた短冊形状の接地板状部14aが所定間隔を空けて排ガス流れ方向Dに沿って並べられている。
負極板状部13aと接地板状部14aとは、排ガス流れ方向Dにおいて同等の位置に設けられている。すなわち、負極板状部13aと接地板状部14aとは、排ガス流れ方向Dの位置が揃った状態で設けられている。
対向する板状部13a,14b間の間隔Lに対する分割された各板状部13a,14aの幅Wの比であるW/Lは、0.5以上1.0未満とされている。
図8には、上記数値範囲を導出した根拠が示されている。同図において、横軸は板状部13a,14a間の間隔Lに対する突起部13b,14bのピッチP1,P2の比、すなわちP1/L,P2/Lであり、縦軸は突起部13b,14bのピッチP1,P2に対する分割された各板状部13a,14aの幅Wの比、すなわちW/P1,W/P2である。なお、図8の結果は、図6と同様の条件の下で行われたシミュレーション結果である。
突起部13b,14bのピッチP1,P2と板状部13a,14aの間隔Lの比を変えると電流の広がる範囲が変化し、性能不足なく且つ裕度を取り過ぎない範囲としてピーク電流密度の50%になる位置までが、板幅Wを狭められる限界と規定すると、図8に示した関係が得られる。図7からP1/L,P2/Lは1.0以上2.0以下の範囲としたため、その範囲で規定すると板幅WとピッチP1,P2の比は0.5以上0.7以下の範囲が有効といえる。ただし、板幅WとピッチP1,P2の比は1.0未満まで許容できる。したがって、W/Lは、0.5以上2.0以下とするのが好ましい。
本実施形態によれば、上述した実施形態に加え、以下の作用効果を奏する。
板状部13a,14aを排ガス流れ方向Dに分割することで、放電に寄与しない板状部13a,14aを省略することができ、電極13,14の軽量化とコスト低減が可能となる。
負極突起部13bと接地突起部14bとを排ガス流れ方向Dにおいて同等の位置に設けることとしたので、板状部13a,14aを分割する位置を同等とすることができる。これにより、分割された各板状部13a,14aの幅Wを可及的に小さくすることができ、さらに軽量化を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して突起部13b,14bの高さが異なるのみで、その他の点については同様である。したがって、以下では第1実施形態に対する相違点のみについて説明する。また、本実施形態は、第2実施形態と組み合わせることもできる。
図5に示されているように、接地突起部14bの高さZ2が負極突起部13bの高さZ1よりも高くされている。具体的には、負極突起部13bの高さに対して接地突起部14bの高さを10%長くすることがより好ましい。
図9には、上記数値範囲を導出した根拠が示されている。同図において、横軸は電界強度(kV/cm)、縦軸は電流密度(mA/m)である。
図9は、正極性の放電特性と負極性の放電特性の比較を示している。この図は、負極性の方が正極性の電界強度の約90%の電界強度で正極性と同じ電流密度を得ることができることを示している。このため、負極突起部13bの高さに対して接地突起部14bの高さを10%長くするとよいといえる。
本実施形態によれば、上述した実施形態に加え、以下の作用効果を奏する。
コロナ放電の特性から、電極間の電位差が同じ場合、正のコロナ放電よりも負のコロナ放電の方が多くの放電電流が流れる。そこで、相対的に負となる負極突起部13bの高さよりも相対的に正となる接地突起部14bの高さを高くして、放電電流を同等に高めることができる。
なお、上述した各実施形態では、石炭焚きのボイラ1を一例として説明したが、除去すべき微粒子を含む排ガスを発生する装置であれば、石炭焚きのボイラ1に限定されるものではない。
また、負電極13に代えて、正の電圧が印加される正電極としても良い。この場合には、正電極の突起部から正のコロナ放電が発生し、接地突起部14bから負のコロナ放電が発生することになる。そして、第3実施形態では、正電極の突起部の高さが接地突起部14bの高さよりも高くなるように設定される。
1 ボイラ
2 脱硝装置
3 熱回収用ガス−ガスヒータ
4 乾式電気集じん装置
5 脱硫装置(捕集装置)
6 再加熱用ガス−ガスヒータ
10 凝集装置
11 コロナ放電部
12 混合部(乱流発生部)
13 負電極(第1電極)
13a 負極板状部(第1板状部)
13b 負極突起部(第1突起部)
14 接地電極(第2電極)
14a 接地板状部(第2板状部)
14b 接地突起部(第2突起部)
16 導電線
18 負極性直流電源
20 導電線
22 バッフル板
24a,24b 流路
D 排ガス流れ方向
P1 負極突起部の間隔
P2 接地突起部の間隔
W (分割された板状部の)幅
Z1 負極突起部の高さ
Z2 接地突起部の高さ

Claims (8)

  1. 排ガス流れ方向に沿って配置された第1板状部、及び、該第1板状部の一方の面のみに設けられた複数の第1突起部を有し、正または負のいずれか一方の電圧が印加される第1電極と、
    前記排ガス流れ方向に沿って配置された第2板状部、及び、該第2板状部の一方の面のみに設けられた複数の第2突起部を有し、接地された第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極の前記排ガス流れ方向の下流側に設けられ、排ガスの流れを乱す乱流発生部と、
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1突起部が設けられた面と前記第2突起部が設けられた面とが対向しないように設けられ、かつ、前記排ガス流れ方向に対して交差する方向に交互に設けられている凝集装置。
  2. 隣り合う前記第1突起部の間隔をP1、隣り合う前記第2突起部の間隔をP2、前記第1板状部と前記第2板状部との間隔をLとした場合に、
    P1/L及びP2/Lは、1以上とされている請求項1に記載の凝集装置。
  3. 前記第1突起部の高さをZ1、前記第2突起部の高さをZ2、前記第1板状部と前記第2板状部との間隔をLとした場合に、Z1/L及びZ2/Lは、それぞれ、0.05以上0.15以下とされている請求項1又は2に記載の凝集装置。
  4. 前記第1板状部及び/又は前記第2板状部は、前記排ガス流れ方向に連続して形成されている請求項1から3のいずれかに記載の凝集装置。
  5. 前記第1板状部及び/又は前記第2板状部は、前記排ガス流れ方向に分割されている請求項1から3のいずれかに記載の凝集装置。
  6. 各前記第1突起部と各前記第2突起部とは、前記排ガス流れ方向において同等の位置に設けられている請求項5に記載の凝集装置。
  7. 前記第1電極に負の電圧が印加されている場合には、前記第1突起部の高さが前記第2突起部の高さよりも低くされ、
    前記第1電極に正の電圧が印加されている場合には、前記第1突起部の高さが前記第2突起部の高さよりも高くされている請求項1から6のいずれかに記載の凝集装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の凝集装置と、
    該凝集装置の前記排ガス流れ方向の下流側に設けられ、排ガス中に含まれる微粒子を捕集する捕集装置と、
    を備えている排ガス処理装置。
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