JP6826980B2 - 血栓症の予防法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2014年12月22日に出願された米国仮特許出願第62/095,462号の優先権の利益を主張するものであり、上記出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、血栓症およびそれに付随する合併症の発生を予防する方法に関する。
静脈血栓塞栓症(VTE)は、1年間に人口100,000人当たり約133人が罹患するよくみられる問題であり、最近の推定では、VTEの発生率が上昇している可能性があることが示唆されている。医学的管理に直接かかる費用は最大で年間100億ドルにのぼり2,3、VTEによる合併症に起因する慢性障害(肺高血圧症、下肢痛、腫脹、潰瘍など)にかかる追加の費用は明らかになっていない。VTE患者の死亡率は10〜30%であり、主として肺塞栓症に起因するものである。標準治療を受けても、VTEにより血栓症後症候群などの慢性合併症を来たす患者は50%にものぼる。静脈血栓症は、入院患者、特に大手術を受ける患者に目立つ問題の1つである。このような患者では、重大な出血リスクがある場合、VTEの発症に対するより優れた予防法を特定することが極めて重要である。
静脈血栓症の予防に唯一効果のある薬剤は、血栓に不可欠な要素である架橋フィブリンの形成および血小板の活性化を誘発する凝固経路を標的とするものである。ワルファリンなどの確立された治療薬は、ビタミンK依存性の凝固因子、例えば第II因子、第VII因子、第IX因子および第X因子などに干渉するものである。未分画ヘパリンはトロンビンを不活性化するアンチトロンビンの機能を修飾し、低分子量ヘパリンはアンチトロンビンに作用して第X因子の阻害を増強する。より新しい経口抗凝固薬として、トロンビンまたは第Xa因子を直接阻害するものがいくつかある。しかし、現在用いられている静脈血栓塞栓症の予防戦略はいずれも、重大な出血リスクを伴うものである
血栓形成の予防に効果があり、重大な出血リスクを伴わない予防法が必要とされている。セルピンf2(Sf2、プラスミン阻害剤およびアルファ2−抗プラスミン剤としても知られる)は、第Xia凝固因子、活性化プロテインCおよびプラスミンのセリンプロテアーゼ阻害剤である6,7。最近の試験では、Sf2阻害およびSf2欠乏は耐容性があり、重大な出血リスクもないことが明らかにされている。それでも、その相互作用の機能的重要性はわかっておらず、血栓形成に対するSf2の寄与も明らかにされていない。
本発明は、Sf2を直接標的とすることによって血栓形成またはそれに付随する合併症を予防する方法を提供する。より具体的には、本発明は、Sf2が第XIa因子の調節およびプロテインCの活性化を介して血栓形成に影響を及ぼし、Sf2の欠乏または不活性化を静脈血栓塞栓症の発症に対する安全な予防法として用い得ることを記載する。
ある特定の実施形態では、本発明は、リスクがある患者の血栓形成またはそれに付随する合併症を予防する方法および組成物であって、Sf2を直接標的とする治療剤を予防量投与することを含む、方法および組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の方法および/または組成物に使用する治療剤は、Sf2に直接干渉するか、これを直接阻害して、Sf2欠乏を引き起こすSf2アンタゴニストである。他の実施形態では、本発明の方法および/または組成物に使用する治療剤は、特に限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、天然抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体を含めたSf2抗体またはその機能的フラグメントである。本発明に使用するSf2抗体の例としては、特に限定されないが、Sf2抗体4h9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map4h9/)、Sf2抗体27c9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map27c9/)およびTS23(Translational Sciences社)が挙げられる。本発明は、現時点で知られているもの、または今後開発されるものを問わず、Sf2に直接干渉するか、これを直接阻害する任意のSf2アンタゴニストおよび/またはSf2抗体を包含する。このような治療剤を同定および/またはスクリーニングする方法は当該技術分野で公知であり、本発明の範囲内で企図される。
ある特定の実施形態では、外科手術、臥床、遺伝的異常、癌、外傷をはじめとする危険因子による血栓形成またはそれに付随する合併症の予防に本発明の方法および/または組成物を用いる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、現時点で周知のまたは今後開発される、医薬品に使用する任意の生理的に許容される担体、溶媒または補形剤をさらに含む。
いくつかの態様では、本開示は、2009年10月23日に出願され現時点で米国特許第9,150,903号である米国特許出願第12/597,311号、2008年4月25日に出願され国際公開第2010/0086536号として公開されている国際出願PCT/US2008/061662号および2007年4月25日に出願された米国仮特許出願第60/913,913号に関連する。いくつかの態様では、本開示は、1997年9月19日に出願され現時点で米国特許第6,114,506号である米国特許出願第08/933,983号および1996年9月20日に出願された米国仮特許出願第60/026,356号に関連する。いくつかの態様では、本開示は、2014年3月6日に出願され米国特許出願公開第2014/0220034号として公開されている米国特許出願第14/198,804号、2012年9月6日に出願され国際公開第2013/036596号として公開されている国際出願PCT/US2012/053900号および2011年9月6日に出願された米国仮特許出願第61/531,278号に関連する。上記出願の内容は、その全体が参照により組み込まれる。
Sf2欠乏によって血栓形成が予防されることを示す図である。図1A)は、偽処置マウス、Sf2+/+マウスおよびSf2−/−マウスから単離したIVCの静脈血栓の代表的な画像である。(偽処置大静脈は、摘出を容易にするため、実験終了時にのみ結紮したことに留意されたい)。図1B)は、マウスの体重に対して正規化した血栓重量(mg/g)である。対照(Sf2+/+、N=7F、4M)、偽処置(N=4M)、Sf2−/−(N=11F)。平均±SEM、***p<0.001、ANOVA、ニューマン・クールズ補正。 血栓形成初期に必要なSf2活性を示す図である。様々な実験群の初期静脈血栓症を検討した。偽処置マウス(静脈結紮を実施していない)、対照マウス(Sf2+/+)、Sf2欠乏マウス(Sf2−/−)、生理的量のヒトSf2を投与したSf2欠乏マウス(Sf2−/−+Sf2)、ヒトSf2およびヒトSf2不活性化抗体を投与したSf2欠乏マウス(Sf2−/−+Sf2+TS23)ならびにマウスSf2を不活性化する抗体を投与した正常マウス(Sf2+/++4H9)。マウスの体重に対して正規化した血栓重量の平均±SEM(mg/g)。1グループあたりのマウスの数を示す。対照(Sf2+/+、N=7F、4M)、偽処置(N=4M)、Sf2−/−(N=11F)、Sf2−/−+Sf2(N=7F)、Sf2−/−+Sf2+TS23(N=5F、2M)、Sf2+/++4H9(N=7、4F、3M)。平均±SEM、***p<0.001、ANOVA、ニューマン・クールズ補正。 Sf2が血栓形成に対して長時間の効果があることを示す図である。偽処置マウス、対照マウス(Sf2+/+)およびSf2欠乏マウス(Sf2−/−)の大静脈を結紮してから7日後、血栓形成を評価した。マウスの体重に対して正規化した血栓重量の平均±SEM(mg/g)。偽処置(N=5M)、Sf2+/+(N=7F、43M)、Sf2−/−(N=5M、4F)、***p<0.001、NS=有意差なし。
(発明の詳細な説明)
本発明は、本明細書の以下に記載する本発明の好ましい実施形態の詳細な説明および実施例を参照することによってさらに容易に理解され得る。ただし、本発明の化合物、組成物および方法を開示および記載する前に、本発明が特定の核酸、特定のポリペプチド、特定の細胞型、特定の宿主細胞、特定の条件または特定の方法などに限定されず、したがって当然のことながら、様々なものであり得、その多数の修正形態および変形形態が当業者に明らかになることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明することを目的とするものであって、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
本明細書および添付の「特許請求の範囲」で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、複数形を包含することに留意しなければならない。したがって、例えば、「an agent(薬剤)」と言う場合、そのような様々な薬剤のうちの1つまたは複数のものがこれに包含され、「the method(方法)」と言う場合、当業者に公知の同等の段階および方法であって、本明細書に記載される方法に合わせて改変し得るか、これに置き換え得る段階および方法への言及がこれに包含される。
「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的なものであり、列挙される要素以外にもほかの要素が存在し得ることを意味するものとする。
本明細書で使用される「予防(preventativeまたはprophylatic)」量は、疾患、疾患の症状もしくは医学的状態の発現の解消もしくは遅延、現れ得る症状の抑制または疾患もしくは症状の発現もしくは再発のリスクの低減をもたらす量を表すものとする。
本明細書で使用される「薬学的に活性な」という用語は、ある物質の生物、特に身体の細胞および組織に対する有益な生物活性を指す。「薬学的に活性な薬剤」または「薬物」とは薬学的に活性な物質のことであり、「薬学的に活性な成分」(API)とは薬物中の薬学的に活性な物質のことである。本明細書で使用される薬学的に活性な薬剤には、合成または天然の小分子薬物およびさらに複雑な生体分子が含まれる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、規制当局によって承認されている、一般的に認められている薬局方(例えば、米国薬局方)に記載されている、あるいは動物、より具体的にはヒトおよび/または非ヒト哺乳動物に使用しても安全であることを意味する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のSf2アンタゴニストなどの化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩とは、親化合物の活性を保持し、投与する対象に対しても、投与する状況においても、有害作用も望ましくない作用も一切もたらさない任意の塩のことである。薬学的に許容される塩は、特に限定されないがシステインを含めたアミノ酸に由来するものであり得る。塩としての化合物を生成する方法は当業者に公知である(例えば、Stahlら,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,Wiley−VCH;Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002;Bergeら,J Pharm.Sci.66:1,1977を参照されたい)。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容される塩」は、本明細書に記載される化合物の遊離酸または遊離塩基の塩であって、無毒性であるか、生物学的耐容性を示すか、あるいは対象に投与するのに生物学的に適している塩を意味するものとする。一般には、Bergeら,J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19を参照されたい。好ましい薬学的に許容される塩は、薬学的効果があり、過度の毒性も刺激もアレルギー反応も引き起こさずに対象の組織に接触させるのに適しているものである。本明細書に記載される化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、その両方の種類の官能基または各種類のうちの2つ以上を有し、したがって、いくつかの有機塩または有機塩基ならびに無機酸および有機酸と反応して薬学的に許容される塩を形成し得る。
薬学的に許容される塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオン酸塩、ヘキシン−1,6−ジオン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩およびマンデル酸塩が挙げられる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、Sf2アンタゴニストなどの化合物とともに投与する補形剤、希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または賦形剤を指す。このような担体は、無菌の液体、例えば水のほか、石油、動物、植物または合成起源の油、例えばラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールをはじめとする合成溶媒を含めた油などであり得る。このほか、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度を調節する物質が担体となり得る。担体と組み合わせた組成物を作製する方法は当業者に公知である。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容される担体」という語は、医薬品投与に適合するあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、等張剤および吸収遅延剤などを包含するものとする。薬学的に活性な物質へのこのような媒質および薬剤の使用は当該技術分野で周知である。例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,第20版,(Lippincott,WilliamsおよびWilkins 2003)を参照されたい。任意の従来の媒質または薬剤が活性化合物に不適合である場合を除き、組成物へのそのような使用が企図される。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、「〜からなる」および/または「〜から実質的になる」態様および実施形態を含むことが理解される。
特に明記されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はいずれも、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本発明の実施には、特に明示されない限り、従来の細胞生物学、分子生物学、遺伝学、化学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の技術を用いる。例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,最新版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,最新版(Cold Spring Harbor,N.Y.:Cold Spring Harbor Laboratory Press);Ausubelら(1992)Current Protocols in Molecular Biology,最新版(New York:John Wiley & Sons);GuthrieおよびFink(1991)Methods Enzymol.194:1−863;Cell Biology,A Laboratory Manual,Celis,J.E.編,Academic Press,NY;Histochemistry,Pearse,A.G.E.,第1巻(1980)、第2巻(1985)および第3巻(1990)を参照されたい。
以下の説明では、免疫学の分野の当業者に周知の様々な方法論を参照する。免疫学の一般的原則を記載した標準的な参考文献としては、Klein,J.,Immunology:The Science of Cell−Noncell Discrimination,John Wiley & Sons,New York(1982);Kennett,Rら,Monoclonal Antibodies,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses,Plenum Press,New York(1980);Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,第13巻,Burdon,R.ら編,Elsevier,Amsterdam(1984)のCampbell,A,「Monoclonal Antibody Technology」;およびEisen,H.N.,Microbiology,第3版,Davis,B.D.ら,Harper & Row,Philadelphia(1980)が挙げられる。
本発明は、Sf2アンタゴニストでSf2を標的化することによって血栓形成を予防する方法および組成物を提供する。より具体的には、本発明は、Sf2が第XIa因子の調節およびプロテインCの活性化を介して血栓形成に直接影響を及ぼし、Sf2の欠乏または不活性化を静脈血栓塞栓症の発症に対して予防的に用い得ることを記載する。
ある特定の実施形態では、本発明は、Sf2が急性および慢性の血栓形成にin vivoで直接影響を及ぼすことを初めて記載する。予防的抗凝固剤に関するこれまでの報告と同じく、本発明は、Sf2欠乏またはSf2抗体の予防的投与によって静脈血栓形成が著明に減少し、Sf2を標的とする予防法が血栓症およびそれに付随する合併症の発生を効率的に予防し得ることがわかったことを示すものである。
ある特定の実施形態では、本発明は、必要とする個体の血栓形成またはそれに付随する合併症を予防する方法であって、個体にSf2アンタゴニストと薬学的に許容される担体とを含む組成物を血栓予防量投与することを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、血栓形成またはそれに付随する合併症を予防する方法であって、必要とする個体にSf2の活性または濃度を低下させるSf2アンタゴニストを予防有効量投与することを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、治療剤は、Sf2に直接的または間接的に干渉するか、これを直接的または間接的に阻害してSf2欠乏を引き起こす、Sf2アンタゴニストである。ある特定の実施形態では、治療剤は、Sf2アンタゴニストとしての能力、例えば、Sf2に干渉するかこれを阻害してSf2欠乏を引き起こす能力などを有する、天然または合成の抗体、ペプチド、核酸、受容体デコイ、リボザイム、センスポリヌクレオチド、二本鎖RNA、RNAi、DNAアプタマー、化学剤をはじめとする小分子である。
ある特定の実施形態では、Sf2アンタゴニストは、Sf2の活性部位に直接結合するか、Sf2の他の領域に間接的に結合して、Sf2活性を封鎖またはその他の方法で低下または減少させることによって、Sf2の活性レベルを阻害するか、抑制するか、遮断するか、これに干渉し、それにより血栓形成を予防する。本明細書で使用される、Sf2アンタゴニストは、Sf2の遺伝子、タンパク質および/または活性レベルを阻害するか、抑制するか、遮断するか、これに干渉して、Sf2欠乏を引き起こす薬剤を指す。本発明は、現時点で知られている、または今後開発される、任意のSf2アンタゴニストを包含する。Sf2アンタゴニストをスクリーニングおよび/または同定する方法は当該技術分野で周知であり、本発明の範囲に企図される。
いくつかの実施形態では、イムノアッセイ条件下でSf2アンタゴニストを明らかにすることができる。指定のイムノアッセイ条件下では、Sf2抗体(またはその他の種類のアンタゴニスト)はSf2と結合し、試料中に存在する他のポリペプチドと有意な量で結合することはない。抗体などの分子とSf2との選択的結合は、Sf2の特定のエピトープまたはペプチドに対する選択性を含み得る。Sf2の特定のポリペプチドと選択的に結合する抗体の選択には、様々なイムノアッセイ形式を用い得る。例えば、ポリペプチドに選択的な免疫反応性を示す抗体の選択には、固相ELISAイムノアッセイをルーチンに用いる。選択的結合の判定に用いることができるイムノアッセイの形式および条件に関する記述については、HarlowおよびLane,「Antibodies,A Laboratory Manual」,最新版,Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、治療剤は、特に限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、天然抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体およびキメラ抗体を含めたSf2抗体またはその機能的フラグメントである。「抗体」(Ab)という用語は、インタクトの分子のほかにも、Sf2と特異的に結合することが可能な抗体フラグメント(例えば、F、FabおよびF(ab’)2フラグメントなど)、一本鎖抗原結合タンパク質、「ヒト化」抗体およびキメラ抗体を包含するものとする。FabおよびF(ab’)2フラグメントは、インタクト抗体のFcフラグメントがなく、循環中から迅速に除去されるほか、インタクト抗体の非特異的組織結合が少なくなり得る。
本発明は、任意の動物種またはヒトに由来し、現時点で知られている、またはのちに開発される任意のSf2抗体を包含する。哺乳動物からSf2抗体を開発および/または作製する方法または抗体をヒト化する方法は当該技術分野で周知であり、本発明の範囲に企図される。本発明に使用するのに適したSf2抗体の例としては、特に限定されないが、Sf2抗体4h9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map4h9/)、Sf2抗体27c9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map27c9/)、Innovative Research社)およびTS23(Translational Sciences社)が挙げられる。
Reedらに対する米国特許第6,114,506号、同第9,150,903号および米国特許出願公開第20140220034号には、特に限定されないが、MAb49C9、70B11、77A3およびRWR(およびそのフラグメント)を含めたSf2アンタゴニストの特定の他の使用が開示されており、これらの分子(およびその免疫学的分子の結合領域のアミノ酸配列)はいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
さらなる例示的Sf2アンタゴニストとしては、以下の市販の抗体:MAP4H9(Molecular Innovations社)、27C9(Molecular Innovations社)、14AP(Fitzgerald Industries社)、MPW14AP(antibodies−online社)、3617(American Diagnostics社)に対するモノクローナル抗体、Sf2(Biopool社)に対するヤギポリクローナル抗体ならびにGenetex社、Thermo Scientific Pierce Protein Research Products社から入手可能なSf2に対するその他の抗ヒトポリクローナル抗体および抗ヒトモノクローナル抗体が挙げられる。本発明はこのほか、分子生物学技術によって構築されたヒト化抗体およびヒト抗体の使用を企図する。
本発明での使用に適した抗体は、様々な方法によって調製され得る。例えば、Sf2を発現する細胞(またはその画分、ライセートなど)を動物に投与して、Sf2と結合することが可能なポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導することができる。いくつかの方法では、Sf2抗体の調製物を調製し、天然の夾雑物を実質的に含まないよう精製する。次いで、このような調製物を動物に導入して、より比活性の大きいポリクローナル抗血清を作製する。
抗体はほかにも、ファージディスプレイ技術を用いて調製され得る。ファージディスプレイを用いて抗体を調製する方法は当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,565,332号;Clarksonら,1991,Nature 352:624−628;Huse,1989,Science 246:1275−1281;Kang,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:11120−11123;Marks,1991,J.Mol.Biol.222:581−597;およびMcCaffertyら,1990,Nature 348:552−554を参照されたい。
いくつかの場合には、様々な宿主からモノクローナル抗体を調製するのが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製する技術に関する記載は、Stitesら編,「Basic and Clinical Immunology」(Lange Medical Publications,Los Altos,Calif.,第4版)、およびそこに引用されている参考文献ならびにHarlowおよびLane 「Antibodies,A Laboratory Manual」 Cold Spring Harbor Publications,New York,1988にみることができる。例えば、ハイブリドーマ技術を用いてモノクローナル抗体を調製することができる。このような方法では一般に、抗原またはその抗原を発現する細胞で動物(多くの場合、マウス)を感作する。好ましい抗原は、精製したSf2またはそのフラグメントである。適切な細胞は、それが抗Sf2抗体を分泌する能力を有することで識別することができる。このような細胞を任意の適切な組織培地、例えば、10%ウシ胎児血清(約56℃で不活性化したもの)を添加し、約10ug/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリンおよび約100ug/mlのストレプトマイシンを添加したアールの改変イーグル培地で培養し得る。このようなマウスの脾細胞を抽出し、適切なミエローマ細胞系と融合する。体細胞融合の方法は、Galfre,G.およびMilstein,C.,Meth.Enzymol.73:3−46(1981)に記載されている。融合した後、生じたハイブリドーマ細胞をHAT培地で選択的に維持し、次いで、Wandsら,1981,Gastroenterology 80:225−232に記載されている通りに限界希釈によってクローン化する。次いで、このような選択によって得たハイブリドーマ細胞をアッセイして、Sf2と結合することが可能な抗体を分泌するクローンを特定する。
本発明の抗体のFabおよびF(ab’)2をはじめとするフラグメントは、本明細書に開示される方法に従って使用し得ることが理解されよう。このようなフラグメントは通常、パパイン(Fabフラグメントが生じる)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントが生じる)などの酵素を用いるタンパク質分解切断によって作製する。あるいは、組換えDNA技術の適用、合成化学、ビオチン化をはじめとする当該技術分野で公知の任意の適切な手段によってSf2アンタゴニストフラグメントを作製することができる。
このほか、MAbを産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝子構築物を用いて作製されるヒト化抗体またはキメラ抗体が本発明の範囲内に含まれる。ヒト化抗体とは、マウスAbのフレームワーク領域をはじめとする領域が非マウス抗体の相同領域に置き換わっている抗体のことである。キメラ抗体とは、マウス定常領域を非マウス定常領域に置き換えた抗体のことである。キメラ抗体を作製する方法は当該技術分野で公知である。総説については、Morrison,Science,229:1202−1207(1985);Oiら,BioTechniques 4:214(1986)のほか、Cabillyら,米国特許第4,816,567号(1989年3月28日);Taniguchiら,欧州特許第171496号(1986年2月19日);Morrisonら,欧州特許第173494号(1986年3月5日);Neubergerら,国際公開第8601533号(1986年3月13日);Robinsonら,国際公開第8702671号(1987年5月7日);Boulianneら,Nature 312:643−646(1984);およびNeubergerら,Nature 314:268−270(1985)を参照されたい。ヒト化抗体を作製する方法は当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,585,089号;Jonesら,Nature 321:522−525(1986);およびKettleboroughら,Protein Engineering 4:773−783(1991)を参照されたい。
本発明ではこのほか、(1)ヒトおよびヒト以外の循環中Sf2ならびに(2)ヒトおよびヒト以外のフィブリン架橋Sf2の両方と結合することが可能な抗体が提供される。このような抗体は当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第4,946,778号;同第5,260,203号;同第5,091,513号;および同第5,455,030号(いずれも参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。ほかにも、上記の抗体の変異体が本発明の範囲内に含まれる。
いくつかの実施形態では、記載されている通りに(Reed,G.L.Functional characterization of monoclonal atibody inhibitors of alpha 2−antiplasmin that accelerate fibrinolysis in different animal plasmas.Hybridoma 1997;16:281−286)体細胞融合し、Sf2との特異的結合に関して選択し、クローン化し、精製することによってMAbを作製する。これらのMAbの血清型は、49(Igγ2aK)、77(Igγ2aK)、RWR(Igγ1aK)である。いくつかの実施形態では、Reedら,1992,Thromb Haemost 68:315−320に記載されている通りに、NH2−末端およびCOOH−末端を模倣するペプチドに対してポリクローナル抗体を作製する。
本発明ではこのほか、明らかに抗体またはそのフラグメントではないSf2アンタゴニストが提供される。このようなSf2アンタゴニストのスクリーニングは当該技術分野で日常的なものである。目的とする特定の既知の化合物またはコンビナトリアル化学技術によって作製した化合物のライブラリーを例えば、所望の結合活性および変換活性に関してスクリーニングすることができる。さらに、ファージディスプレイ技術を用いて、例えば所望の結合活性および変換活性に関して、ペプチドを同定することができる。ファージディスプレイは一般に、ペプチドまたはタンパク質の変異体のライブラリーをファージビリオンの外側に発現させ、各変異体をコードする遺伝物質はファージビリオンの内側に存在する選択技術を表す(Sidhuら,2003,Chembiochem.4:14;Ferrerら,1999,J.Pept.Res.:54,32;BouHamdanら,1998,J.Biol.Chem.273:8009)。これにより、各変異体タンパク質の配列とそれをコードするDNAとの間に物理的関係が生じ、パニングと呼ばれるin vitroの選択過程によって、所与の標的分子に対する結合親和性に基づく迅速な分離が可能になる(Whaleyら,2000,Nature,405,665)。その最も単純な形態では、ファージディスプレイされたペプチドのライブラリーを標的でコートしたプレート(またはビーズ)でインキュベートし、未結合ファージを洗い流し、特異的に結合したファージを溶離させることによってパニングを実施する。次いで、溶離したファージを増幅し、結合/増幅サイクルをさらに実施してプールを濃縮し、結合配列が優勢な状態にする。3〜4ラウンド実施した後、DNAシーケンシングおよびELISAによって個々のクローンの特徴を明らかにする。ファージディスプレイ技術の多数の変形形態が当業者に公知であり、これを本発明の目的に適合させることができる。
一実施形態では、New England Biolabs社(マサチューセッツ州)などが供給するファージディスプレイペプチドライブラリーを用いる。予め作製されたランダムペプチドライブラリーであるPh.D.ライブラリーは、エピトープマッピング、タンパク質−タンパク質接触の特定(RozinovおよびNolan,1998,Chem.Biol.5:713−28)および酵素阻害剤(Rodiら,1999,J.Mol.Biol.285:197−203)を含めた多種多様な類似の用途に用いられている。
本明細書で使用される「患者」または「個体」という用語は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のことである。本明細書で使用される「投与」という用語は、細胞内または患者体内に組成物を投入する様々な手段を指す。これらの手段は当該技術分野で周知であり、非経口送達のための注射または注入;経口投与のための錠剤、丸剤、カプセル剤をはじめとする固形物;経鼻液剤またはスプレー剤;エアゾール剤;吸入剤;局所製剤;リポソーム形態などがこれに含まれ得る。本明細書で使用される「予防量」、「有効量」および「治療量」という用語は、所望の結果をもたらす量を指し、選択したSf2アンタゴニストの比活性および患者の状態に応じて当業者が容易に決定し得るものである。
いくつかの実施形態では、有効量のSf2アンタゴニストを含む医薬組成物が提供される。これらの医薬組成物は、血栓形成またはそれに付随する合併症を予防するのに有用である。
本発明による適切な医薬組成物は一般に、意図する用途に応じて様々な最終濃度になるよう一定量の有効成分と無菌水溶液などの許容される医薬品用の希釈剤または補形剤とを混合したものを含み得る。調製技術は一般に、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,第16版.Mack Publishing Company,1980によって例示されるように、当該技術分野で周知である。調製物をヒトに投与するには、必要とされる無菌性、発熱原性および全般的安全性のほか、純度基準を満たすべきであることが理解されるべきである。
本発明の組成物は、様々な投与手段に合わせて製剤化され得る。本明細書で使用される投与「経路」という用語は、特に限定されないが、皮下注射、静脈内注射、眼内注射、皮内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、気管内投与、硬膜外投与、吸入、鼻腔内投与、経口投与、舌下投与、バッカル投与、直腸内投与、膣内投与および局所投与を包含するものとする。ペプチド、抗体もしくは抗体フラグメント、アンチセンス核酸、受容体デコイ、リボザイム、センスポリヌクレオチド、二本鎖RNA、RNAi、アプタマーまたは小分子アゴニストを有効成分として含有する水性組成物の調製は、当業者には本開示を踏まえればわかるであろう。このような組成物は通常、液状の溶液または懸濁液のいずれかの注射用液として調製することができるほか、注射前に液体を加えて溶液または懸濁液を調製するのに用いるのに適した固体形態を調製しても、調製物を乳化してもよい。
注射用途に適した医薬形態としては、無菌水溶液または分散液;ゴマ油、ラッカセイ油または水性プロピレングリコールを含む製剤;および無菌注射用の溶液または分散液を即時調製するための無菌粉末が挙げられる。いずれの場合も、その形態は、無菌状態であり、かつ注射針を通過できる程度の流動性を有するべきである。また、製造および保管の条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌などの微生物による汚染活動から保護されるべきである。
本発明の組成物は、中性形態または塩形態の無菌水性組成物に製剤化することができる。ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水で遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての溶液を調製することができる。薬学的に許容される塩としては、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成されるもの)および例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸と形成される塩などが挙げられる。このほか、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄などおよび有機塩基、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどから、遊離カルボキシル基と形成される塩を誘導することができる。
適切な担体としては、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物および植物油を含有する溶媒ならびに分散媒が挙げられる。多くの場合、等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましい。しかるべき流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散剤の場合は必要な粒子径の維持によって、および/または界面活性剤の使用によって維持することができる。
通常の保管条件および使用条件下では、調製物は一般に、微生物の増殖を防ぐために保存剤を含有するべきである。様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって、微生物の作用を防ぐことができる。吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に用いることによって、注射用組成物の持続的吸収をもたらすことができる。
製剤化の前または製剤化の際に、必要に応じて、望ましくない小分子量分子を除去するために本発明の組成物を透析し、かつ/または所望の賦形剤への製剤化を容易にするために凍結乾燥させ得る。必要量の活性な薬剤を上記の様々な他の成分とともにしかるべき溶媒に組み込んだ後、所望に応じてろ過滅菌することにより、無菌注射用液を調製することができる。分散液は一般に、基礎となる分散媒と上記の他の成分のうち必要な成分とを含有する無菌賦形剤に、滅菌した様々な有効成分を組み込むことによって調製する。
無菌注射用液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め滅菌ろ過した溶液から有効成分に任意の追加の所望の成分が加わった粉末が得られる真空乾燥技術および凍結乾燥技術である。
いくつかの実施形態では、この方法は、Sf2アンタゴニストと、直接的または間接的に血栓形成の予防を促進するよう作用する追加の薬剤とを患者に共投与することを含む。このような追加の薬剤は、本開示のSf2アンタゴニストと別個に投与しても共投与してもよい。「共投与」という用語は、Sf2アンタゴニストと追加の薬剤をそれぞれの薬理活性の時間が重なる時間枠内に投与することを意味するものとする。Sf2アンタゴニストと追加の薬剤は、同時に投与しても逐次的に投与してもよい。いくつかの実施形態では、Sf2アンタゴニストを抗凝固剤、プラスミノーゲン活性化因子、抗血小板剤および線維素溶解促進剤からなる群より選択される有効量の薬学的に活性な薬剤と共投与することができる。
いくつかの実施形態では、製薬方法を用いて作用持続時間を制御し得る。Sf2アンタゴニストと複合体を形成するか、Sf2アンタゴニストを吸収するポリマーを用いることによって、制御放出製剤を得ることができる。しかるべき高分子(例えば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エチレン酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたは硫酸プロタミン)を選択することによって、制御送達を実施し得る。ほかにも、このような高分子の濃度変化させることによって、Sf2アンタゴニストの放出速度を制御し得る。作用持続時間を制御する方法としてほかにも、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなどのポリマー物質の粒子内に治療剤を組み込む方法が考えられる。あるいは、例えばコアセルベーション技術または界面重合によって、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン−マイクロカプセルまたはポリ(メチルメタクリル酸)マイクロカプセルの使用によって調製したマイクロカプセル、あるいはコロイド薬物送達システム、例えばリポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、ナノカプセルで、あるいはマクロエマルションに治療剤を封入することが可能である。このような教示は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,Osol,A.編,Mack、Easton Pa.(1980)に開示されている。
ある特定の実施形態では、外科手術、臥床、遺伝的異常、癌、外傷をはじめとする危険因子に起因する血栓形成またはそれに付随する合併症の予防に本発明の方法を用いる。
ある特定の実施形態では、本発明は、リスクのある患者の血栓形成またはそれに付随する合併症を予防する組成物であって、Sf2を標的とする治療剤を予防量含む組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、生理的に許容される担体、溶媒または補形剤をさらに含む。本発明は、当該技術分野において現時点で知られている、または今後開発される任意のこのような担体、溶媒または補形剤を企図する。
本開示を踏まえれば、当業者にはその他の実施形態および用途が明らかである。当業者には、本発明の実施形態に多数の変更および改変を施すことが可能であり、そのような変更および改変は本発明の趣旨を逸脱することなく施すことが可能であることが理解されよう。したがって、添付の「特許請求の範囲」は、そのようなあらゆる等価の変形形態を本発明の本来の趣旨の範囲内に収まるものとして包含するものとする。
本明細書全体を通じて、様々な刊行物および引用物が参照され、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明をさらに詳細に説明するため、以下に実施例を記載する。これは、本発明を限定することではなく、説明することを目的とするものである。
実施例1
材料および方法
方法
動物試験は施設内動物実験委員会(Institutional Animal Use and Care Committee)によって承認されたものである。Sf2レベルが正常な(Sf2+/+)C57Bl6マウスまたはSf2欠乏(Sf2−/−)C57Bl6マウスを試験した。
静脈血栓症
マウスにノーズコーンを用いて2%イソフルランで麻酔をかけ、1〜2%に維持した。マウスを37℃の加温パッドの上に背殿位で置いた。前腹部を剃毛した。腹部にクロルヘキシジン溶液を噴霧し、手術部位が清潔になるまで滅菌ガーゼで拭いた。正中切開を実施して開腹した。下大静脈(IVC)を可視化した後、イソフルランを1〜2%の維持レベルまで減量し、十分な麻酔を維持しながら酸素速度を0.2リットル/分に維持する。
一部の実験群では、ヒトSf2(4.9mg/kg、Athens Research社)またはSf2抗体(10mg/kg、4h9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map4h9/)、Sf2抗体27c9(https://www.innov−research.com/product/inhibitory−mouse−monclonal−to−mouse−antiplasmin−map27c9/)、Innovative Research社)またはTS23(Translational Sciences社)をIVCの側枝から投与した。次いで、腎静脈から腸骨分岐までの全IVC側枝を7−0の非反応性プロレン縫合糸で結紮する。IVCを腎動脈下部で結紮したところ、血栓が発生した。開腹術部位を二層法で閉じた。マウスの術後鎮痛剤として0.05〜0.1mg/kgのブプレノルフィンを皮下投与した。指定した時点で、承認された方法を用いて人道的に安楽死させた。心臓穿刺により血液を単離した。結紮部位の真上から腸骨分岐までのIVCを付着した組織から慎重に剥離し、重量を測定した。大静脈結紮を実施したマウスの重量または大静脈および血栓から、大静脈を結紮せずに同じ外科手術を実施した偽処置マウスの大静脈の平均重量を減じることにより、血栓重量を求めた。血栓重量をマウスの体重に対して正規化した。
統計処理
ニューマン・クールズ補正を用いて一元配置ANOVAによりデータを解析した。p値0.05未満を有意であるとした。
実施例2
Sf2欠乏が血栓形成を予防する
これまでの試験から、静脈の血塊または血栓は大静脈結紮後から数時間にわたって発生し、約24時間後に最大になることがわかっている。Sf2が初期の血栓発生に影響を及ぼすかどうかを明らかにするため、大静脈結紮から5時間後にマウスを検査した。大静脈を結紮せずに外科的処置を実施した偽処置マウスには、検出可能な血栓形成は認められなかった(図1Aおよび1B)。対照(Sf2+/+)マウスには大きな血栓が発達し、腸骨静脈に至るまで大静脈を塞いでいた。これに比較して、コンジェニックSf2欠乏(Sf2−/−)マウスでは血栓形成がほとんど消失していた。Sf2+/+マウスの典型的な静脈血栓の横断面を検査したところ、マルチウス・スカーレットブルー染色によって検出されるフィブリンに富む血栓による静脈閉塞が見られたが、Sf2−/−マウスには有意な血栓は認められなかった。静脈重量を考慮に入れると、Sf2+/+マウスの血栓重量は、Sf2−/−マウスに検出された血栓重量の3倍超であった(図1、p<0.001)。以上のデータをまとめると、Sf2欠乏が血栓形成を予防することがわかる。
実施例3
Sf2抗体はSf2によって直接制御される血栓形成を阻害する
遺伝子欠失があると個体に代償性変化が生じ、これが結果に影響を及ぼすことがある。Sf2が血栓形成に直接寄与することを裏付けるため、静脈結紮の前に生理的レベルのSf2をマウスに投与した。Sf2を投与したSf2−/−マウスを対照Sf2+/+マウスと比較したところ、ほぼ同じ大きさの静脈血栓形成がみられた(図2)。これに対し、生理的量のヒトSf2を投与したSf2−/−マウスにはSf2−/−マウスの3倍超の大きさの血栓がみられた(p<0.001)。
Sf2が初期の血栓形成に寄与することを示す証拠をさらに得るため、Sf2を投与したSf2−/−マウスに抗ヒトSf2抗体(TS23)を投与した。Sf2を投与したSf2−/−マウスでは、Sf2抗体による血栓形成の著明な減少がみられ、実際、血栓の大きさの減少は、Sf2を投与していないSf2−/−マウスでみられるレベルと同程度であった。Sf2+/+マウスでも同様に、別の抗マウスSf2抗体(4H9)により、Sf2抗体を投与していないSf2+/+マウスと比較して血栓形成が予防された(p<0.001)。また別の抗マウスSf2抗体27C9で処置したマウスにも血栓形成の阻害がみられた(不掲載)。以上のデータをまとめると、Sf2自体が血栓形成を制御しており、Sf2抗体の予防的投与によって血栓形成を阻害することが可能であることがわかる。
血栓形成は何時間にもわたって進行することから、Sf2欠乏マウスにみられる初期の静脈血栓減少が持続するものであるかどうかを明らかにした。対照Sf2+/+マウスでは、大静脈の結紮から7日後に偽処置マウスと比較して有意な血栓形成がみられた(図3、p<0.001)。実際、対照マウスでは、7日後の血栓の大きさは、5時間後にみられた血栓の2倍超であった(図2対図3)。これに対し、大静脈の結紮から7日後のSf2欠乏マウスには、偽処置マウスと比較しても、5時間後のSf2欠乏マウスと比較しても、有意な血栓形成はみられなかった(p、NS)。
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Claims (14)

  1. 必要とする個体の血栓形成を予防する医薬を製造するための組成物の使用であって、前記個体に、セルピンf2(Sf2)の活性を阻害するアンタゴニストとして作用する抗Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントと薬学的に許容される担体とを含む前記組成物を血栓予防量投与する、使用。
  2. 前記Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体、組換え抗体または天然抗体、あるいはキメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記抗体が、MAb49もしくはMAb77またはその抗原結合フラグメント、あるいは4h9、27c9もしくはTS23またはその抗原結合フラグメントである、請求項1に記載の使用。
  4. 血栓形成が、外科手術、臥床、遺伝的異常、癌、外傷をはじめとする危険因子によって引き起こされるものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記組成物と、抗凝固剤、プラスミノーゲン活性化因子、抗血小板剤および線維素溶解促進剤からなる群より選択される有効量の薬学的に活性な薬剤とを共投与することをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. リスクのある患者の血栓形成を予防する組成物であって、血栓予防量の、セルピンf2(Sf2)の活性を阻害するアンタゴニストとして作用する抗Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントと、薬学的に許容される担体とを含む、組成物。
  7. 前記Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体、組換え抗体または天然抗体、あるいはキメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記抗体が、MAb49もしくはMAb77またはその抗原結合フラグメント、あるいは4h9、27c9もしくはTS23またはその抗原結合フラグメントである、請求項6に記載の組成物。
  9. 血栓形成が、外科手術、臥床、遺伝的異常、癌、外傷をはじめとする危険因子によって引き起こされるものである、請求項6から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 抗凝固剤、プラスミノーゲン活性化因子、抗血小板剤および線維素溶解促進剤からなる群より選択される有効量の薬学的に活性な薬剤をさらに含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. リスクのある患者の血栓形成の予防のための組成物であって、血栓予防量の、セルピンf2(Sf2)の活性を阻害するアンタゴニストとして作用する抗Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントと、薬学的に許容される担体とを含む、組成物。
  12. 前記Sf2抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体、組換え抗体または天然抗体、あるいはキメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記抗体が、MAb49もしくはMAb77またはその抗原結合フラグメント、あるいは4h9、27c9もしくはTS23またはその抗原結合フラグメントである、請求項11に記載の組成物。
  14. 血栓形成が、外科手術、臥床、遺伝的異常、癌、外傷をはじめとする危険因子によって引き起こされるものである、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
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