以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
なお、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
さらに、遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、駆動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる楽曲出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前方に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前方まで移動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、例えば、赤色LED(Light Emitting Diode)、青色LEDおよび緑色LEDを有しフルカラーで発光可能なLEDでなり、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
楽曲出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部(例えば、ジョグダイヤル)で構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
また、演出操作装置208の後方には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132があり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置である。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、不正防止の観点により、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。また、副制御基板330は、演出役物装置202を駆動制御したり、演出照明装置204を点灯制御したり、楽曲出力装置206から楽曲を出力させる楽曲出力制御を行う。
図4は、副制御基板330における、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204、楽曲出力装置206の制御態様を説明するためのブロック図であり、図5は、それらに共通する制御態様を示すフローチャートである。副制御基板330に設けられたサブCPU(CPU)330aは、サブROM330bに格納されたプログラムおよびサブRAM330cと協働して、演出決定手段332、演出実行手段334として機能する。演出決定手段332は、主制御基板300から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)を決定する。演出実行手段334は、決定された演出パターンに基づいて画像IC340a、役物コントローラ342、照明コントローラ344、楽曲IC346a等の各デバイスにコマンドを送信して演出を実行させる。かかる演出決定手段332および演出実行手段334は、いずれも割込に応じた処理(割込処理)であり、デバイスそれぞれに対応付けられた割込タイミングで実行される。
例えば、演出決定手段332は、図5に示すように、所定の割込周期(例えば33.3msec)の到来を待ち(S10におけるNO)、所定の割込周期が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた画像データ(演出パターンが示す演出のうち、演出表示部200aに表示する画像に相当するデータ)を決定する(S11)。そして、演出実行手段334は、画像IC340aに対して、画像データを特定可能な画像コマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。画像IC340aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM340bから画像RAM(VRAM)340cに読み出し、画像データを、順次、演出表示部200aに出力する。なお、演出表示部200aには、常に、何かしらの画像が表示される。したがって、演出決定手段332は、割込周期毎に、常に、画像データを決定していることとなる。なお、画像RAM340cは、それぞれ異なるレイヤを有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC340aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、その重畳された画像データが演出表示部200aに出力される。
また、演出決定部332は、上記の画像IC340aに対する制御と並行して、演出パターンの決定に伴い、所定の割込周期(例えば2msec)が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた役物パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出役物装置202の一連の動作を示す内容)を決定する(S11)。そして、演出実行部334は、その役物パターンに従って、役物ドライバ342に所定時間間隔で1(ON)または0(OFF)のコマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。役物ドライバ342は、かかるコマンドに従い、演出役物装置202を駆動するFET(Field Effect Transistor)をONまたはOFFにする。したがって、演出役物装置202は、役物パターンが決定されたときのみ動作することとなる。なお、演出役物装置202は、遊技者に対し、大当たりの期待感を高める、物理的な動作を伴う一時的な演出なので、画像データや、後述する電飾パターン、楽曲データと比較して、役物パターンが決定される頻度が低い。
また、演出決定手段332は、上記の画像IC340a、役物コントローラ342に対する制御と並行して、演出パターンの決定に伴い、所定の割込周期(例えば16.67msec)が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた電飾パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出照明装置204の一連の点灯態様を示す内容)を決定する(S11)。そして、演出実行手段334は、その電飾パターンに従って、照明コントローラ(LEDコントローラ)344に所定時間間隔でコマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。照明コントローラ344は、かかるコマンドに従い、演出照明装置204であるLEDが点灯制御される。
また、演出決定手段332は、上記の画像IC340a、役物コントローラ342、照明コントローラ344に対する制御と並行して、演出パターンの決定に伴い、所定の割込周期(例えば50msec)が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた楽曲データ(演出パターンが示す演出のうち、楽曲出力装置206に出力する楽曲に相当するデータ)を決定する(S11)。そして、演出実行手段334は、楽曲IC346aに対して、楽曲データを特定可能な楽曲コマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。楽曲IC346aは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM346bから楽曲IC346aに読み出し、楽曲データを、順次、楽曲出力装置206であるスピーカに出力する。なお、楽曲出力装置206には、常に、何かしらの楽曲が出力されている。したがって、演出決定手段332は、割込周期毎に、常に、楽曲データを決定していることとなる。なお、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、その重畳された楽曲データが楽曲出力装置206に出力される。
ここでは、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、役物コントローラ342、照明コントローラ344、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、役物コントローラ342、照明コントローラ344、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
さらには、副制御基板330には、演出操作装置208が押下操作されたことを検出する押下検出スイッチ208s、および、演出操作装置208が回転操作されたことを検出する回転検出スイッチ209sから検出信号が入力される。これら押下検出スイッチ208sまたは回転検出スイッチ209sから検出信号が入力されると、演出表示部200aに画像が表示される等、さまざまな演出が実行される。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。
(演出照明装置204の制御)
上述したように、副制御基板330において、演出決定手段332は、演出パターンに基づいた電飾パターンを決定し、演出実行手段334は、その電飾パターンに従って、照明コントローラ344にコマンドを送信する。照明コントローラ344は、かかるコマンドに従い、各演出照明装置204を点灯制御する。その結果、演出照明装置204は、演出パターンに同期して発光することとなる。
図6は、命令のデータ構造を説明する概略図である。図7は、演出照明装置204を点灯制御するための命令の一例を示す図である。なお、図6では、1つ1つの長方形を1ビットとして示している。また、以下では、「○○h」は16進数の値を示し、「○○b」は2進数の値を示す。
上記した電飾パターンは、図6および図7に示す命令(命令名)が組み合わされたテーブル(データ)によって規定されている。電飾パターンに対応するテーブルは、サブROM330b(記憶手段)に記憶されている。命令は2進数のデータであり、演出実行手段334は、電飾パターンに対応するテーブルを構成する命令を抽出、順次解析し、解析した結果に応じてコマンドを生成する。
1つの命令は、図6に示すように、2バイトの基本命令のみで構成されているか、2バイトの基本命令に2バイトの拡張命令1および拡張命令2が付加された6バイトで構成されている。
以下で説明する命令のうち、PUT命令、SETUP命令、SLINE命令、WAIT命令、LOOP命令、NEXT命令は、2バイトの基本命令のみで構成されている。一方、JUMP命令およびCALL命令は、基本命令、拡張命令1および拡張命令2の6バイトで構成されている。
そして、基本命令のうちの上位3ビットには、命令名を示す命令ヘッダ(命令情報)が設けられており、演出実行手段334は、基本命令のうちの上位3ビットに示される命令ヘッダに基づいて、命令名を特定する。
図7に示すように、命令名がPUTであるPUT命令は、設定された継続時間に亘って、設定された輝度を継続させる命令である。命令名がSETUPであるSETUP命令は、設定された輝度で発光させる命令である。命令名がSLINEであるSLINE命令は、設定された継続時間をかけて等間隔で、現在の輝度から、設定された輝度に変化させる命令である。命令名がWAITであるWAIT命令は、設定された継続時間に亘って、現在の輝度を維持させる命令である。命令名がLOOPであるLOOP命令は、NEXT命令までの命令を、設定された繰り返し回数だけ繰り返し行う命令である。命令名がNEXTであるNEXT命令は、LOOP命令に対する終端を示す命令である。命令名がJUMPであるJUMP命令は、指定されたアドレス(テーブル)に解析先を飛ばし、解析先が元のアドレスに戻らない命令である。命令名がCALLであるCALL命令は、指定されたアドレス(テーブル)に解析先を飛ばし、解析先が元のアドレスの次のアドレスに戻る命令である。
また、図6に示すように、基本命令のうち、上位4ビット目には、テーブルの終端を示すEND修飾が設けられている。END修飾は、END命令の機能を1ビットにより表すことができ、「0b」の場合にはEND修飾が無効となり、「1b」の場合にはEND修飾が有効となる。つまり、END修飾のビットが「1b」の命令が、テーブルの終端を示すことになる。
また、基本命令のうち、上位5ビット目には、LOOP命令に対する終端を示すNEXT修飾が設けられている。NEXT修飾は、NEXT命令の機能を1ビットにより表すことができ、「0b」の場合にはNEXT修飾が無効となり、「1b」の場合にはNEXT修飾が有効となる。つまり、NEXT修飾のビットが「1b」の命令が、それよりも前のLOOP命令の終端を示すことになる。なお、電飾パターンのテーブルには、NEXT修飾のビットが「1b」の命令の前に、必ず、LOOP命令が存在する。
また、基本命令のうち、下位11ビットには、それぞれの命令において必要な情報(継続時間、輝度等)が設定される。なお、詳しくは後述するが、LOOP命令は、テーブルの終端を示すことがなく、かつ、LOOP命令の終端を示すこともないので、LOOP命令自体にEND修飾およびNEXT修飾が設けられていない。また、命令によっては、テーブルの終端を示すことがない場合にEND修飾が「0b」に固定されていたり、LOOP命令の終端を示すことがない場合にNEXT修飾が「0b」に固定されていたりする場合もある。
図8および図9は、各命令のデータ構造を説明する概略図である。PUT命令は、図8(a)に示すように、命令ヘッダとして、命令名PUTを示す「001b」が設定され、上位6ビット目から10ビット目の5ビットで、最終的な輝度が設定され、下位6ビットで、継続時間が設定される。最終的な輝度は、「00h」〜「1Fh」の32段階で設定可能である。また、継続時間は、「00h」〜「3Fh」の64段階で設定可能であり、割込周期が16.67msであるため、0.00ms〜1050.00msの間で16.67msごとに設定可能である。
SETUP命令は、PUT命令と同様に、命令ヘッダとして「001b」が設定され、上位6ビット目から10ビット目の5ビットで、最終的な輝度が設定される。ただし、SETUP命令は、下位6ビットで、継続時間が「00h」に設定される。すなわち、命令ヘッダ「001b」は、PUT命令およびSETUP命令に共通して用いられるものであり、継続時間が「00h」に設定された場合にはSETUP命令となり、継続時間が「01h」以上に設定された場合にはPUT命令となる。換言すれば、SETUP命令では、継続時間として「00h」が設定され、PUT命令では、継続時間として「01h」以上が設定される。
SLINE命令は、図8(b)に示すように、命令ヘッダとして、命令名SLINEを示す「010b」が設定され、上位6ビット目から10ビット目の5ビットで、最終的な輝度が設定され、下位6ビットで、継続時間が設定される。最終的な輝度は、「00h」〜「1Fh」の32段階で設定可能である。また、継続時間は、「02h」〜「3Fh」で設定可能であり、割込周期が16.67msであるため、33.33ms〜1050.00msの間で16.67msごとに設定可能である。
WAIT命令は、図8(c)に示すように、命令ヘッダとして、命令名WAITを示す「000b」が設定され、下位11ビットで、継続時間が設定される。継続時間は、「001h」〜「7FFh」で設定可能であり、割込周期が16.67msであるため、16.67ms〜34116.67msの間で16.67msごとに設定可能である。
LOOP命令は、図9(a)に示すように、命令ヘッダとして、命令名LOOPを示す「100b」が設定され、上位4ビット目から8ビット目の5ビットが不使用(予約)であり、下位8ビットで、繰り返し回数が設定される。繰り返し回数は、「02h」〜「FEh」、つまり、2回から254回までが設定可能であり、「FFh」の場合には繰り返し回数が無限に設定される。例えば、繰り返し回数が「02h」に設定された場合、NEXT命令までの命令が2回実行される。なお、不使用のビットには、「0b」が固定値として設定されている。
NEXT命令は、図9(b)に示すように、命令ヘッダとして、WAIT命令と同様に、「000b」が設定され、上位5ビット目のNEXT修飾が「1b」に設定(固定)される。また、下位11ビットは、不使用(予約)である。なお、不使用のビットには、「0b」が固定値として設定されている。また、命令ヘッダ「000b」は、WAIT命令およびNEXT命令に共通して用いられるものであり、下位11ビットの値が「000h」である場合にはNEXT命令となり、下位11ビットの値が「001h」以上である場合にはWAIT命令となる。
JUMP/CALL命令は、図9(c)に示すように、共通の命令ヘッダとして、命令名JUMPまたはCALLを示す「101b」が設定される。また、上位4ビット目のEND修飾、および、上位5ビット目のNEXT修飾は、CALL命令時のみ有効となり、JUMP命令時では無効となる。上位6ビット目および7ビット目は不使用(予約)である。上位8ビット目には、JUMP命令であるか、CALL命令であるかを識別するための識別情報が設定され、JUMP命令である場合には「0b」に設定され、CALL命令である場合には「1b」に設定される。
また、基本命令の下位8ビットには、CALL回数が設定される。CALL回数は、「01h」〜「FFh」、つまり、1回から255回までが設定可能である。ただし、CALL回数は、CALL命令時のみ使用され、JUMP命令時は「00h」に設定され無効となる。拡張命令1および拡張命令2には、解析先を示す呼び出しアドレスが設定される。
ここで、JUMP命令およびCALL命令は、ともに、呼び出しアドレスに解析先を移動させることで共通している。ここで、JUMP命令では、設定した呼び出しアドレスに解析先を移動させ、解析先を移動元に戻さない。一方、CALL命令は、設定した呼び出しアドレスに解析先を移動した後、そのテーブルの終端(END修飾つき命令)まで到達した際に、呼び出し元のCALL命令の次の命令に解析先が戻される。
このように、解析先のアドレスを移動させることで共通しているJUMP命令およびCALL命令では、共通した命令ヘッダをつけ、上位8ビット目の識別情報によってJUMP命令またはCALL命令のどちらの命令であるかを識別可能である。したがって、設計段階で、上位8ビット目のビットフラグを切り替えるだけで、JUMP命令とCALL命令とを切り替えることができるので、多様な電飾パターンを容易に設計することができる。
図10は、END修飾およびNEXT修飾の制限を説明する図である。なお、図10において、修飾なしは、END修飾(END命令)およびNEXT修飾(NEXT命令)がともに無効にできるか否かを示し、「NEXT修飾」は、NEXT修飾を有効にできるか否かを示し、「END修飾」は、END修飾を有効にできるか否かを示し、「NEXT+END修飾」は、END修飾およびNEXT修飾がともに有効にできるか否かを示す。また、図10中、「○」は、対応する項目が設定できることを示し、「−」は、対応する項目が設定できないことを示し、「?」は、対応する項目が設けられていないことを示す。
上記したように、LOOP命令を除く各命令には、END修飾およびNEXT修飾を示すビットが設けられている。そして、命令によって、END修飾およびNEXT修飾の有効および無効が制限されている。例えば、PUT命令、SLINE命令、WAIT命令、CALL命令では、END修飾およびNEXT修飾をともに無効にすることができるとともに、一方のみを有効にし、他方を無効にすることができる。また、PUT命令、SLINE命令、WAIT命令、CALL命令では、END修飾およびNEXT修飾をともに有効にすることもできる。
SETUP命令、JUMP命令では、END修飾およびNEXT修飾をともに無効にすることができるが、END修飾およびNEXT修飾の一方および双方を有効にすることができない。つまり、SETUP命令、JUMP命令は、テーブルの終端にすることができず、また、LOOP命令に対する終端にすることもできない。
LOOP命令は、END修飾およびNEXT修飾のビットが設けられていないため、END修飾およびNEXT修飾の一方および双方を有効にすることができない。
NEXT命令では、END修飾およびNEXT修飾をともに無効にすることができないが、NEXT修飾が必ず有効になるとともに、NEXT修飾を有効にしつつEND修飾を有効または無効にすることができる。
このように、LOOP命令を除く各命令には、5ビット目および6ビット目にそれぞれEND修飾およびNEXT修飾が設けられており、これらのビットにより、END命令およびNEXT命令を別途設けることなく、END修飾(END命令)およびNEXT修飾(END命令)の有効、無効を設定することができる。
図11は、END修飾およびNEXT修飾の使用例を説明する図である。図11(a)に示すように、LOOP命令(外側)およびNEXT命令(外側)に囲まれた複数の命令を繰り返し実行するとともに、LOOP命令(内側)およびNEXT命令(内側)に囲まれた複数の命令を繰り返し実行するようなテーブル(プログラム)を生成する場合について説明する。
ここで、END修飾およびNEXT修飾が設けられていない場合、図11(b)に示すように、LOOP命令(外側)、SLINE命令、SLINE命令、LOOP命令(内側)、SLINE命令、SLINE命令、NEXT命令(内側)、NEXT命令(外側)、END命令が並んだテーブルが生成されることになる。これらの命令は、全て2バイトの基本命令で構成されているため、このテーブルは2バイト×9=18バイトとなる。
一方で、本実施形態のようにEND修飾およびNEXT修飾が設けられている場合、図11(c)に示すように、LOOP命令(外側)、SLINE命令、SLINE命令、LOOP命令(内側)、SLINE命令、SLINE(NEXT)命令、NEXT(END)命令が並んだテーブルが生成されることになる。これらの命令は、全て2バイトの基本命令であるため、このテーブルは2バイト×7=14バイトとなる。なお、SLINE(NEXT)命令は、SLINE命令において、NEXT修飾が「1b」(有効)である命令であり、NEXT(END)命令は、NEXT命令において、END修飾が「1b」(有効)である命令である。
このように、各命令に対して、END修飾およびNEXT修飾のビットを設けることで、上記した図11に示す例では、END修飾およびNEXT修飾のビットを設けない場合と比較して、4バイトのデータを削減することができる。
図12は、電飾パターンの一例を説明する図である。上記したように、演出照明装置204は、例えば、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDを有しフルカラーで発光可能なフルカラーLEDでなり、各色LEDそれぞれの発光態様を制御することで、観察者が任意の1つの色として認識できるよう発光させることができる。
ここで、演出照明装置204を、図12(a)に示すように、時間経過に伴って様々な色に変化していき、例えば水色→緑色→黄色→橙色→赤色→紫色→青色→水色といったように、恰もレインボーで周期的に発光しているかのように見せたい場合、図12(b)〜図12(d)に示す赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDの発光態様が規定された電飾パターンのテーブルを、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDそれぞれについて用意していた。したがって、各色LEDそれぞれについて電飾パターンのテーブルを用意すると、データ容量が増大することになる。
しかしながら、図12(b)〜図12(d)からもわかるように、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDは、それぞれの輝度が同一の周期的な発光パターン(図中、長方形で囲んだパターン)(周期電飾パターン)で発光しており、各LEDの周期的な発光パターンの開始タイミングが互いにずれているだけである。
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、各色LEDに対する電飾パターンのテーブルの一部を共通化することで、データ容量の削減を可能としている。
図13は、演出照明装置204をレインボー発光させる場合の赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDの電飾パターンのテーブルを説明する図である。例えば、図13(a)に示すように、赤色LEDに対する電飾パターンのテーブルは、開始アドレスを1000hとした場合に、輝度31で発光させるSETUP命令、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、継続時間1秒で最終的に輝度を31にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、アドレス1002hに解析先を移動させるJUMP命令の16バイトで構成される。
また、図13(b)に示すように、青色LEDに対する電飾パターンのテーブルは、2秒処理を遅延させるWAIT命令、アドレス1000hに解析先を移動させるJUMP命令の4バイトで構成される。また、図13(c)に示すように、緑色LEDに対する電飾パターンのテーブルは、4秒処理を遅延させるWAIT命令、アドレス1000hに解析先を移動させるJUMP命令の4バイトで構成される。
このように各色LEDに対する電飾パターンのテーブルを設けることにより、赤色LEDは、実行開始時に、輝度が31となり、その後、1秒かけて輝度が0となり、2秒に亘って輝度が0で維持され、1秒かけて輝度が31となる発光パターンが繰り返されることになる。
一方で、青色LEDは、2秒に亘って現在の輝度が維持された後、赤色LEDに対応するテーブルのアドレス1000h、つまり、輝度が31となるSETUP命令に基づいて、輝度が31となる。その後、1秒かけて輝度が0となり、2秒に亘って輝度が0で維持され、1秒かけて輝度が31となる発光パターンが繰り返されることになる。
また、緑色LEDは、4秒に亘って現在の輝度が維持された後、赤色LEDに対応するテーブルのアドレス1000h、つまり、輝度が31となるSETUP命令に基づいて、輝度が31となる。その後、1秒かけて輝度が0となり、2秒に亘って輝度が0で維持され、1秒かけて輝度が31となる発光パターンが繰り返されることになる。
このように、各色LEDの電飾パターンが互いに共通する場合、1つのLED(赤色LED)に対応するテーブルを、他のLED(青色LED、緑色LED)でも流用する(共通化する)ことで、合計のデータ量が16(赤色LED用のデータ量)+4(青色LED用のデータ量)+4(緑色LED用のデータ量)=24バイトとなり、1つのLEDに対応するテーブルを各色LED分だけ設ける場合(16×3=48バイト)と比較して、全体としてのデータ量を削減することができる。
図14(a)は、JUMP命令を用いて演出照明装置204をレインボー発光させる場合のテーブルを説明する図である。図14(b)は、LOOP命令を用いて演出照明装置204をレインボー発光させる場合のテーブルを説明する図である。
図14(a)および図14(b)に示すテーブルを用いる場合、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDを発光させる電飾パターンのテーブルを別々に設ける必要がなく、1つのテーブルで、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDを発光させることが可能である。
図14(a)に示すテーブルは、2秒処理を遅延させるWAIT命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、輝度31で発光させるSETUP命令、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、継続時間1秒で最終的に輝度を31にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、アドレス1002hに解析先を移動させるJUMP命令の20バイトで構成される。また、ここでは、輝度31で発光させるSETUP命令のアドレスを1000hとしている。
そして、赤色LEDに対する処理では、アドレス1000hから解析を開始させ、青色LEDに対する処理では、2バイト前のアドレス0FFEhから解析を開始させ、緑色LEDに対する処理では、4バイト前のアドレス0FFChから解析を開始させる。
これにより、各色LEDの発光パターンが互いに共通する場合、各色LEDに対する処理の開始アドレスをずらすことで、テーブルを1つに共通化することができ、全体としてのデータ量をさらに削減することができる。
また、図14(b)に示すテーブルは、2秒処理を遅延させるWAIT命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、輝度31で発光させるSETUP命令、繰り返し回数が無限に設定されたLOOP命令、、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、継続時間1秒で最終的に輝度を31にするSLINE命令、2秒処理を遅延させ、かつ、NEXT修飾が有効なWAIT(NEXT)命令の16バイトで構成される。
そして、赤色LEDに対する処理では、アドレス1000hから解析を開始させ、青色LEDに対する処理では、2バイト前のアドレス0FFEhから解析を開始させ、緑色LEDに対する処理では、4バイト前のアドレス0FFChから解析を開始させる。
これにより、各色LEDの電飾パターンが互いに共通し、かつ、LOOP命令およびNEXT修飾を用いることで、全体としてのデータ量をさらに削減することができる。
図15は、演出照明装置204を3周期に亘ってレインボー発光させる場合における、共通のテーブル、および、赤色LED、青色LED、緑色LEDの電飾パターンのテーブルを説明する図である。
図15(a)は、赤色LED、青色LED、緑色LEDで共通に使用されるテーブルであり、図15(b)は、赤色LEDに対応する電飾パターンのテーブルを示し、図15(c)は、青色LEDに対応する電飾パターンのテーブルを示し、図15(d)は、緑色LEDに対応する電飾パターンのテーブルを示す。
図15(a)に示すテーブルは、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、継続時間1秒で最終的に輝度を31にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令の8バイトで構成される。なお、ここでは、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令のアドレスを1000hとしている。
また、図15(b)に示す赤色LEDに対応する電飾パターンのテーブルは、輝度を31にするSETUP命令、アドレス1000hに解析先を移動させ、CALL回数が2回のCALL命令、継続時間2秒で輝度を31にし、END修飾が有効なPUT(END)命令の10バイトで構成される。
また、図15(c)に示す青色LEDに対応する電飾パターンのテーブルは、継続時間4秒で輝度を31にするPUT命令、アドレス1000hに解析先を移動させ、CALL回数が2回のCALL命令、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、2秒処理を遅延させるWAIT命令、継続時間2秒で輝度を31にし、END修飾が有効なPUT(END)命令の14バイトで構成される。
また、図15(d)に示す青色LEDに対応する電飾パターンのテーブルは、継続時間4秒で輝度を31にするPUT命令、アドレス1000hに解析先を移動させ、CALL回数が2回のCALL命令、継続時間1秒で最終的に輝度を0にするSLINE命令、継続時間2秒で輝度を31にし、END修飾が有効なPUT(END)命令の12バイトで構成される。
このように、図15(a)に示す共通のテーブルを設け、各色LEDに対応する電飾パターンのテーブルにおいて、CALL命令で、図15(a)に示す共通のテーブルの先頭に解析先を移動させることで、それぞれについてテーブルを設ける場合と比較して、データ容量を削減することができる。
なお、図13および図14で示したテーブルを用いてLEDを発光させることで、レインボー発光を無限回数(無限ループ)で行うことができ、図15で示したテーブルを用いてLEDを発光させることで、レインボー発光を有限回数(有限ループ)で行うことができる。なお、レインボー発光は、遊技者に視認させる色を変化させる際に、その都度視認させたい色を点灯させるためのコマンドをLED(演出照明装置204)に送信しなくても、複数の色に順次変化していく態様(電飾パターン)を示すものであり、図13〜図15で示したテーブルでLEDを点灯させる態様(電飾パターン)が含まれる。
また、これらレインボー発光の電飾パターンは、他の電飾パターンと組み合わせて使用することも可能である。なお、他の色(例えば橙色)→レインボー発光(例えば水色で始まり赤色で終了する)→他の色(例えば橙色)に切り替える際に、図13および図14で示したテーブルを用いてLEDを発光させると、意図しない色で発光が行われてしまうことがある(最初の4秒および最後の4秒)が、図15で示したテーブルを用いてLEDを発光させることで、そのようなことを防止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、遊技機として、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるパチンコ機を例示したが、かかる場合に限らず、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作されたストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、複数種類の演出のいずれかを実行する演出制御手段と、を備えるスロットマシンにも適用できる。以下、スロットマシン600について詳述する。
(スロットマシン600の機械的構成)
図16および図17の外観図に示すように、スロットマシン600は、略矩形状の箱体である筐体602と、筐体602の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉604と、前面上扉604の下方に位置し、前面上扉604同様、筐体602の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉606と、前面下扉606の下部に位置し、メダル排出口608aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部608とを備えている。
前面下扉606の上部には操作部設置台622が形成され、操作部設置台622には、メダル投入部624、ベットスイッチ626、スタートスイッチ628、ストップスイッチ630、演出スイッチ632等が配設されている。
操作部設置台622の右側に位置するメダル投入部624は、メダル投入口624aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉606の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口608aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部624bとが設けられている。ここで、メダル排出口608aに導かれたメダルは受け皿部608に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン600の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。
ベットスイッチ626は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ626を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台622の左側に位置するスタートスイッチ628は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ628は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉604の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓636が設けられ、筐体602内の図柄表示窓636に対応した位置には、リールユニット634が設けられている。リールユニット634には、図18のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール634a、中リール634b、右リール634c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓636を通じて、左リール634a、中リール634b、右リール634cを視認することができる。リールユニット634は、スタートスイッチ628の操作を契機として、左リール634a、中リール634b、右リール634cの回転を開始する。
操作部設置台622の中央に位置するストップスイッチ630は、左リール634a、中リール634b、右リール634cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール634a、中リール634b、右リール634cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ630に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ630a、ストップボタンスイッチ630b、ストップボタンスイッチ630cとする。
演出スイッチ632は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ632は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉604の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部638が設けられている。また、前面上扉604の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ642が設けられる。
また、図17に示すように、前面上扉604の裏面における液晶表示部638の左右位置や前面下扉606の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ640が設けられている。さらに、筐体602内におけるリールユニット634の下方には、メダル排出口608aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)764が設けられている。メダル払出装置764は、メダルを貯留するメダル貯留部764aと、メダル貯留部764aに貯留されたメダルをメダル排出口608aから排出するための払出制御部764bと、メダル排出口608aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部764cとを備えている。具体的に払出制御部764bは、当該払出制御部764bの本体外装に回動可能に支持され、メダル貯留部764aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図16や図17では図示していないが、各回転リール634a、634b、634cの内側には、左リール634a、中リール634b、右リール634cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓636に対応する(払い出しの対象となるラインである有効ラインの対象となり得る)各回転リール634a、634b、634cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト644(図18参照)が設けられている。また、図柄表示窓636の裏面上部にも左リール634a、中リール634b、右リール634c全ての正面を直接照射するリール上方ライト646が設けられている。
また、図16に示すように、操作部設置台622において、図柄表示窓636とストップスイッチ630との間に設けられた段部622aの略水平面には、メインクレジット表示部652およびメイン払出表示部654が設けられている。また、図柄表示窓636と操作部設置台622との間には、サブクレジット表示部656およびサブ払出表示部658が設けられている。これらメインクレジット表示部652およびサブクレジット表示部656にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部654およびサブ払出表示部658にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部656およびサブ払出表示部658には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体602内の任意の位置には、電源スイッチ648が設けられている。電源スイッチ648は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン600を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部624を通じたメダルの投入、ベットスイッチ626の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ628の操作に応じて、複数の回転リール634a、634b、634cが回転制御されるとともに当選役抽選が実行され、当選役抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ630a、630b、630cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ630a、630b、630cに対応する回転リール634a、634b、634cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選役に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール634a、634b、634cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ628の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン600の電気的構成)
図19は、スロットマシン600の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図19に示すように、スロットマシン600は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板700と、副制御基板702とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板700で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板702で実行している。また、図19に示したように、主制御基板700と副制御基板702との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板700から副制御基板702への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板700)
主制御基板700は、中央処理装置であるメインCPU700a、プログラム等が格納されたメインROM700b、ワークエリアとして機能するメインRAM700c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン600全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM700cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM700cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板700は、メインCPU700aが、メインROM700bに格納されたプログラムに基づきメインRAM700cと協働することで機能する、初期化手段800、ベット手段802、当選役抽選手段804、リール制御手段806、判定手段808、払出制御手段810、状態移行手段812、コマンド決定手段814、コマンド送信手段816等の機能部を有する。
初期化手段800は、主制御基板700における初期化処理を実行する。ベット手段802は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ626の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部624を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選役抽選手段804は、メダルのベットおよびスタートスイッチ628の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選役抽選により決定する。
リール制御手段806は、スタートスイッチ628の操作に応じて、複数の回転リール634a、634b、634cを回転制御し、回転している回転リール634a、634b、634cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ630a、630b、630cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ630a、630b、630cに対応する回転リール634a、634b、634cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段806は、スタートスイッチ628の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ630の操作を有効化してから、当選役抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ630の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ630の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール634a、634b、634cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
判定手段808は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段810は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段812は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段814は、ベット手段802、当選役抽選手段804、リール制御手段806、判定手段808、払出制御手段810、状態移行手段812等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段816は、コマンド決定手段814が決定したコマンドを副制御基板702に順次送信する。
主制御基板700では、投入メダル検出部624b、ベットスイッチ626、スタートスイッチ628およびストップスイッチ630から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段802、当選役抽選手段804、リール制御手段806、判定手段808が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板700には、メインクレジット表示部652およびメイン払出表示部654が接続されており、払出制御手段810が両表示部652、654に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板700には、リール駆動制御部758が接続されている。このリール駆動制御部758は、スタートスイッチ628の操作信号に応じ、リール制御手段806から送信される各回転リール634a、634b、634cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ762を駆動するとともに、ストップスイッチ630の操作信号に応じ、リール制御手段806から送信される、左リール634a、中リール634b、右リール634cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路760の検出信号に基づいて、ステッピングモータ762の駆動を停止する。
また、主制御基板700には、メダル払出装置764が接続されている。主制御基板700には払出メダル検出部764cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段810は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部764bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板700には、乱数発生器700dが設けられる。乱数発生器700dは、計数値を順次インクリメントし、所定の総数(例えば65536)内でループさせ(0〜65535)、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を生成(取得)する。主制御基板700の乱数発生器700dによって生成される乱数(以下、当選役抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選役抽選手段804が当選役抽選を実行するために用いられる。
(副制御基板702)
また、副制御基板702は、主制御基板700と同様に、中央処理装置であるサブCPU702a、プログラム等が格納されたサブROM702b、ワークエリアとして機能するサブRAM702c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板700からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM702cにもメインRAM700c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板702にも、主制御基板700同様、乱数発生器702dが設けられており、乱数発生器702dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板702は、サブCPU702aが、サブROM702bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM702cと協働することで機能する、初期化決定手段830、コマンド受信手段832、演出制御手段834等の機能部を有する。
初期化決定手段830は、副制御基板702における初期化処理を実行する。コマンド受信手段832は、主制御基板700等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段834は、演出スイッチ632から検出信号を受信するとともに、当選役コマンドに基づいて液晶表示部638、スピーカ640、演出用ランプ642の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段834は、液晶表示部638に表示される画像データや、演出用ランプ642、リールバックライト644、リール上方ライト646、サブクレジット表示部656、サブ払出表示部658等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ640から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段834は、決定した遊技の演出を実行する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板700によって実行される演出と、副制御基板702によって実行される演出がある。副制御基板702によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部638、スピーカ640、演出用ランプ642、リールバックライト644、リール上方ライト646、サブクレジット表示部656、サブ払出表示部658等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役抽選の結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選役にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
なお、スロットマシン600においては、演出制御手段834が、上述した演出実行手段334として機能し、演出用ランプ642が、上述した演出照明装置204として機能する。