JP6825601B2 - 加熱装置および加熱方法 - Google Patents

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本発明は、バーナを備える加熱装置に関し、特に、高い吐出速度においても失火することなく安定して火炎を保持することが可能であり、極めて高い効率で加熱を行うことができる加熱装置に関する。また本発明は、前記加熱装置を用いた加熱方法に関する。
物品の加熱方法としては、熱風加熱、赤外線加熱、電気ヒーターによる加熱、誘導加熱など、様々な方法が知られているが、中でもバーナによる加熱は様々な用途において極めて一般的に用いられている。
図4は、一般的に用いられている予混合燃焼バーナの一例を示す模式図である。予混合燃焼バーナ100では、可燃性の燃料ガス101と空気102とが予混合燃焼バーナ100の内部で予め混合されて混合ガスとされ、前記混合ガスは予混合燃焼バーナ100から吐出されて燃焼することによって火炎103が形成される。
このようなバーナで形成した火炎を用いて直接加熱を行う場合、火炎から被加熱物表面への伝熱量Qは熱伝達係数αに比例し、前記熱伝達係数αは火炎の吐出速度Vに依存する。例えば、円形の開口を有するバーナを用いる場合、熱伝達係数αはV 1/2に比例する。また、複数のノズルを一直線上に並べて配置したラインバーナの場合、熱伝達係数αはV 0.58に比例する。したがって、バーナによる加熱効率を向上させるためには、吐出速度を高めることが求められる。
しかし、吐出速度を高めるために単純に燃料ガスや空気の流速を上げると火炎が不安定となり、さらに流速を上げると、燃焼速度とガス流速との釣り合いが破れ、火炎が下流へ吹き飛ばされて消える、いわゆる吹き消えが生じてしまう。そのため、従来のバーナでは吐出速度を大きく増加させることができず、したがって加熱効率の向上に限界があった。
そこで、火炎を安定させて吹き消えを抑制する方法として、主バーナと、前記主バーナにおける燃焼を助勢する袖火バーナとを備えたバーナを用いる方法が提案されている(特許文献1)。
特開2013−194991号公報
特許文献1のバーナによれば、火炎を安定化し、火炎温度を上昇させることができる。しかし、上述した吐出速度向上の面では特許文献1で提案されているバーナであっても十分とはいえず、加熱効率の向上のために、さらに高い吐出速度で安定して使用できるバーナを備えた加熱装置の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高い吐出速度においても失火することなく安定して火炎を保持することが可能であり、極めて高い効率で加熱を行うことができる加熱装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記加熱装置を用いた加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.第1のバーナと、
前記第1のバーナによって着火される第2のバーナと、
前記第2のバーナによって着火される第3のバーナと、
前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに対して燃料ガスおよび燃焼用空気を供給するガス供給部とを備える、加熱装置。
2.前記第1のバーナの吐出方向と前記第2のバーナの吐出方向とが交差し、
前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向とが交差する、上記1に記載の加熱装置。
3.前記ガス供給部が、前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに供給される燃料ガスの流量と燃焼用空気の流量とを独立して調整可能な流量調整手段を備える、上記1または2に記載の加熱装置。
4.上記1〜3のいずれか一項に記載の加熱装置を用いて加熱する、加熱方法。
5.前記第1のバーナにおける燃料ガス流量f、前記第2のバーナにおける燃料ガス流量f、および前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fが、f<f<fの関係を満たす、上記4に記載の加熱方法。
6.前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれにおける燃料ガスの吐出速度が、第1のバーナ、第2のバーナ、第3のバーナの順序で大きくなる、上記4または5に記載の加熱方法。
7.前記第2のバーナおよび前記第3のバーナにおける燃料ガスの吐出速度を、各バーナを単独で用いた場合に吹き消えが発生しない限界吐出速度よりも大きくする、上記4〜6のいずれか一項に記載の加熱方法。
8.前記第1のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fの比、f/fが3〜5であり、
前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比f/fが3〜5であり、
前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナにおける燃料ガスの合計流量に対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比、f/(f+f+f)が69〜81%である、上記4〜7のいずれか一項に記載の加熱方法。
本発明によれば、高い吐出速度においても失火することなく安定して火炎を保持することが可能となり、極めて高い効率で加熱を行うことができる。
本発明の一実施形態における加熱装置の構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるガス供給部の構造を示す模式図である。 第3のバーナにおける燃料使用比率と、対流熱伝達係数および火炎保持比率との相関を示す図である。 従来の予混合燃焼バーナの一例を示す模式図である。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施態様を示すものであり、本発明は以下の説明によって何ら限定されるものではない。
[バーナ]
本発明の加熱装置は、第1のバーナと、前記第1のバーナによって着火される第2のバーナと、前記第2のバーナによって着火される第3のバーナとを備えた、多段式バーナ加熱装置である。すなわち、第1のバーナの火炎は、第2のバーナから吐出されるガス流との交点における点火を継続的に保つために用いられる。同様に、第2のバーナの火炎は、第3のバーナから吐出されるガス流との交点における点火を継続的に保つために用いられる。このように、3つのバーナを用いて順次着火する構造とすることにより、第3のバーナにおいて、高い吐出速度においても安定して火炎を保持することができる。前記第1〜第3のバーナそれぞれは、前段のバーナの火炎で後段のバーナに着火できる構造であればどのような構造のバーナも使用できる。例えば、前記第1〜第3のバーナとして、燃料ガスと空気を別々に吐出させる拡散式バーナを用いることが出来る。また、本発明の加熱装置は、4段以上のバーナを有していてもよい。
図1は、本発明の一実施形態における加熱装置1の構造を示す模式図である。図1に示した例では、加熱装置1の中を被加熱物2が搬送ローラー3によって矢印の方向へ搬送されながら加熱される。加熱装置1の上部、すなわち天井には、第1のバーナ10、第2のバーナ20、および第3のバーナ30が設けられている。第1のバーナ10、第2のバーナ20、および第3のバーナ30は、各バーナの吐出方向が交差するように、同一面上(図1の紙面上)に設置されている。第1のバーナ10、第2のバーナ20、および第3のバーナ30のそれぞれには、矢印Gで示すように燃料ガスが、矢印Aで示すように燃焼用空気が供給される。
第1のバーナ10は通常のバーナであるため、吐出速度を高くすることができない。しかし、第2のバーナ20は第1のバーナ10の火炎11によって着火されるため、第1のバーナよりも高い吐出速度においても吹き消えることなく、安定して火炎21を保持することができる。また、第2のバーナ20の火炎21の吐出速度を高くできるため、より遠くまで火炎21を到達させることができる。
次に、第3のバーナ30は第2のバーナ20の火炎21によって着火される。具体的には、第3のバーナ30から吐出された燃料ガスおよび燃焼用空気は、高速混合ガス流31として未燃焼の状態のまま進むが、第2のバーナ20の火炎21との交点32において着火され、高速噴流火炎33を形成する。この時、第2のバーナ20の火炎21は高速化により遠くまで到達するため、第3のバーナ30からの高速混合ガス流31を、第3のバーナ30のノズルから十分に離れた位置で着火することができる。そしてその結果、第3のバーナの高速噴流火炎33を、極めて高い吐出速度においても吹き消えることなく安定して保持することができる。また、第3のバーナ30から十分に離れた位置まで、高温の高速噴流火炎33を到達させることができる。
また、上述したように、火炎から被加熱物表面への伝熱量Qは熱伝達係数αに比例し、前記熱伝達係数αは火炎の吐出速度Vが大きいほど大きくなる。したがって、本発明の加熱装置によれば、前記第3のバーナで形成した火炎を被加熱物の表面に高速で衝突させることによって、極めて高い効率で加熱を行うことができる。そしてその結果、被加熱物をより高速に、より高い温度まで加熱することができる。
さらに、本発明の加熱装置によれば、吐出速度を上げることによって、同じ加熱温度を達成するために必要な燃料ガスの量を低減することができる。例えば、第3のバーナにおける吐出速度を、第3のバーナ単体で安定に火炎を保持することができる吐出速度の1.7倍とした場合、従来の一般的なバーナに比べて、燃料ガス使用量を約22%削減することができる。なお、燃料ガスの使用量を削減しつつ吐出速度を上げるためには、ノズル断面積を減少させればよい。例えば、上記条件、すなわち吐出速度を1.7倍とする場合、ノズル断面積を0.46倍とすればよい。
加えて、本発明の加熱装置では吐出速度を高くできるため、火炎を離れた位置まで到達させることができる。したがって、被加熱物から離れた位置にバーナを設置することができ、装置設計の自由度が高い。特に、製鉄プロセスにおいては、バーナから離れた位置にある被加熱物を加熱する必要があることが多く、本発明の加熱装置においてノズルを直線状に並べたラインバーナは、例えば焼結機における点火装置として特に好適である。
また、従来、既存の加熱設備におけるバーナの燃焼量を増加させようとすると、そのまま吐出速度を上げても火炎が不安定化し、失火に到るため、バーナ自体を交換する必要があった。しかし、本発明によれば、既存の加熱装置におけるバーナを前記第3のバーナとし、その近傍に第1のバーナおよび第2のバーナを追加することによって既存の加熱装置の性能を低コストで向上させることができる。例えば、加熱量を2倍にするために設備を改修する場合、上記方法によれば、従来のようにバーナを交換する場合に比べて設備改修費用を20%程度削減することができる。
なお、図1に示した例では、第1のバーナは単独燃焼で安定的に火炎を保持できるものとしているが、第1のバーナをさらに別のバーナで着火する構造とすることもできる。
前記第1〜第3のバーナの配置は特に限定されず、上述したように、第1のバーナによって第2のバーナを着火することができ、第2のバーナによって第3のバーナを着火することができる位置関係であれば任意の配置とすることができる。例えば、前記第1のバーナの吐出方向と前記第2のバーナの吐出方向とが交差し、前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向とが交差する配置とすることが好ましい。図1に示したように、3つのバーナが同一面上に配置されている場合は、第3のバーナの外側に第2のバーナを設置し、第2のバーナの外側に第1のバーナを設置することが好ましい。
第1のバーナの吐出方向と第2のバーナの吐出方向とがなす角θ1−2と、第2のバーナの吐出方向と第3のバーナの吐出方向とがなす角θ2−3との合計角(θ1−2+θ2−3)は、90°以下とすることが好ましい。前記合計角が90°以上であると、各バーナの流速ベクトルが互いに打消し合う方向になり、合流後のバーナの燃焼排ガス速度が低下するためである。また、前記θ2−3が過度に大きいと、第3のバーナのガス流が第2のバーナのガス流によって妨げられるため、θ2−3は45°以下とすることが好ましい。
また、バーナのノズルから吐出されたガスは、周囲の流体(空気)を巻き込みつつ、速度を減少させながら吐出方向へ進む。その際、未燃焼ガス流の中心には速度が減衰していない、ポテンシャルコアと呼ばれる領域が存在し、前記ポテンシャルコアの長さはバーナのノズル径に依存する。本発明では、第2のバーナの吐出方向と第3のバーナの吐出方向とが交差する点(図1における交点32)を、前記ポテンシャルコアが消失した位置(P)よりも下流側とすることが望ましい。ポテンシャルコア部に別のガス流を側面からぶつけると、ポテンシャルコアの消失を助長してガス速度の減衰が大きくなるためである。具体的には、第3のバーナの先端(ノズル)から、第2のバーナの吐出方向と第3のバーナの吐出方向とが交差する点までの距離Lを、第3のバーナのノズル径Dの10倍以上とすることが好ましく、15倍以上とすることが好ましい。
前記第3のバーナの吐出口の形状は、特に限定されず任意の形状とすることができる。しかし、ノズル先端部のコーン状の構造等を有さず、また、旋回流を形成しない、ストレート構造のノズルとすることが好ましい。ストレート構造(直管構造)のノズルを用いることにより、旋回流を形成するノズルなどを用いた場合に比べ、ガスの渦流等によるエネルギーロスが少なくなり、吐出後のガス速度の減衰による速度低下が小さくなるため、吐出速度をさらに向上させ、被加熱面での熱伝達係数を大きくでき加熱効率を向上させることができる。吐出口の形状は、円形またはスリット状とすることが好ましい。特に第2のバーナ20は、高速かつ長炎の火炎を形成して第3のバーナ30の着火を確実にするために、また第3のバーナは高い吐出速度でも火炎を安定的に維持するために、ガス速度の減衰が少ないストレート構造で円形またはスリット形状の吐出口を設けることが好ましい。
[ガス供給部]
本発明の加熱装置は、さらに前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに対して燃料ガスおよび燃焼用空気を供給するガス供給部を備えている。前記ガス供給部としては、必要なガスを供給することができるものであれば任意の形態とすることができるが、例えば、燃料ガス供給用配管、燃焼用空気供給配管、燃料ガス流量調整弁、および燃焼用空気流量調整弁などを備えることができる。特に、後述するように各バーナにおける燃料ガス流量の関係を制御するために、前記ガス供給部が、前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに供給される燃料ガスの流量と燃焼用空気の流量とを独立して調整可能な流量調整手段を備えることが好ましい。
図2は、本発明の一実施形態におけるガス供給部40の構造を示す模式図である。ガス供給部40は、各バーナに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用配管41と、燃焼用空気を供給するための燃焼用空気供給用配管42とを備えている。各燃料ガス供給用配管41および燃焼用空気供給用配管42には、上流側より順に、減圧弁43、圧力計44、制御弁45、差圧式流量計(オリフィス流量計)46、および流量調整弁47が、設けられている。これにより、各バーナに供給される燃料ガスの流量と燃焼用空気の流量とを独立して調整することができる。なお、図2では、便宜的に各バーナが平行に記載されているが、実際には図1に示すように配置されている。
[燃料ガス流量]
上記加熱装置を用いて加熱を行う際における、各バーナでの燃料ガスおよび燃焼用空気の流量は、特に限定されず、適切に加熱が行えるよう調整すればよい。しかし、上述したように段階的な火炎高速化および長炎化のためには、前記第1のバーナにおける燃料ガス流量f、前記第2のバーナにおける燃料ガス流量f、および前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fが、f<f<fの関係を満たすことが好ましい。さらに具体的には、前記第1のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fの比f/fを3〜5とし、前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比f/fを3〜5とすることが好ましい。
図3は、第3のバーナにおける燃料使用比率と、対流熱伝達係数および火炎保持比率との相関を示す図である。ここで、第3のバーナにおける燃料使用比率とは、第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナにおける燃料ガスの合計流量に対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比、f/(f+f+f)とする。
対流熱伝達係数は、被加熱物として水冷式のチャンバーを用いた実験により評価した。具体的には、前記チャンバーを冷却水によって冷却しながら上記加熱装置を用いて加熱した。その際、前記冷却水の入側温度と出側温度の差から被加熱物への入熱量を求めた。そして、前記入熱量を、前記チャンバーの表面から100mm上の位置における空間温度と前記チャンバーの表面温度との差で除することにより、対流熱伝達係数を評価した。前記評価は、ガス温度が1400〜1600℃の範囲で行った。また、火炎の安定性の指標である火炎保持比率(%)は、(1−失火回数/実験回数)×100として求めた。
上記対流熱伝達係数および火炎保持比率の評価では、第1〜第3のバーナとしてはいずれも燃料ガスと燃焼用空気を別々のノズルから吐出する拡散式バーナを使用し、第1のバーナの吐出方向と第2のバーナの吐出方向のなす角度、および、第2のバーナの吐出方向と第3のバーナの吐出方向のなす角度はいずれも45°とした。燃料ガスとしては発熱量2500kcal/NmのMガスを用い、第1〜第3のバーナの合計の燃料ガス流量は200Nm/hとし、f/f=5の条件で、fと(f+f)の比率を変更した。
図3から分かるように、f/(f+f+f)が高いほど対流熱伝達係数が上昇する。すなわち、被加熱物の加熱に用いられる第3のバーナにおける燃料使用比率が高いほど、加熱効率は高くなる。そのため、f/(f+f+f)は69%以上とすることが好ましい。一方、f/(f+f+f)を過度に高くすると、第1のバーナおよび第2のバーナで使用できる燃料ガスの量が減少する結果、第3のバーナにおける火炎が保持できずに失火する可能性が高まる。そのため、f/(f+f+f)を81%以下とすることが好ましい。言い換えれば、第1のバーナおよび第2のバーナにおける燃料ガス流量の合計を19%以上とすることが好ましい。
[吐出速度]
各バーナでの燃料ガスおよび燃焼用空気の吐出速度は、特に限定されず、適切に加熱が行えるよう調整すればよい。しかし、上述したように段階的な火炎高速化および長炎化のためには、前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれにおける燃料ガスの吐出速度を、第1のバーナ、第2のバーナ、第3のバーナの順序で大きくすることが好ましい。
また、加熱効率の観点からは、前記第2のバーナおよび前記第3のバーナにおける燃料ガスの吐出速度を、各バーナを単独で用いた場合に吹き消えが発生しない吐出速度(以下、「限界吐出速度」という)よりも大きくすることが好ましい。特に、最終的な被加熱物の加熱に用いられる第3のバーナにおける吐出速度は50Nm/s以上とすることが好ましく、60Nm/s以上とすることがより好ましく、65Nm/s以上とすることがさらに好ましい。
なお、図3の結果を得た実験においては、第1〜第3のバーナにおける燃料ガスと燃焼用空気の吐出速度は等しくし、燃料ガスの吐出速度は、第1のバーナにおいては10Nm/s、第2のバーナにおいては30Nm/s、第3のバーナにおいては100Nm/sとした。第3のバーナのノズル径を小さくして吐出速度を上げた実験では、吐出速度が150Nm/sであっても、安定な火炎が形成されることを確認した。このように極めて高い吐出速度は従来のバーナでは実現できなかったものである。なお、燃料ガスの吐出速度を下げた条件では、燃料使用比率f/(f+f+f)が95%の条件でも安定な火炎が形成できることを確認した。
なお、ここで吐出速度とは、バーナの吐出ノズルの直管部におけるガス流速であり、吐出速度=単一ノズルの単位時間当たりガス流量/ノズル断面積で求められる。直管部を有さないノズルでは、ノズル出口部の断面積をノズル断面積として考える。また、図4に例示したような予混合バーナの場合は、混合ガスの出口における断面積(ノズルの前方に円錐状のコーン部がある場合には、前記コーン部の出口における断面積)で、バーナから吐出される燃料ガスと空気の和の合計流量を除することにより得られる流速を燃料ガスの吐出速度として扱う。ただし、コーン部の広がり角度が60°を超える場合には、広がり角度を60°として算出したコーン部の出口における断面積を用いる。また、コーン部を有していても吐出ノズルが直管構造で、旋回や衝突等によるコーン内部での別ノズル間の吐出ガスの混合を促してない場合は、ノズル吐出速度は、ガス流量/ノズル断面積で求める値とする。吐出速度は、燃料ガスと燃焼空気の2つがあるが、両ガスとも同等のガス速度が望ましく、ガス速度比は0.7〜1.3とすることが燃焼排ガス速度の減衰を防止することからも好ましい。
[燃料ガス]
上記燃料ガスとしては特に限定されることなく、可燃性ガスであれば任意のものを用いることができる。例えば、一般には天然ガスやLPGが使用可能であり、上記加熱装置を製鉄所において使用する場合には、製鉄所で副生するプロセスガスを前記燃料ガスとして用いることもできる。前記プロセスガスとしては、特にコークス炉ガスと高炉ガスを混合したMガスを用いることが好ましい。
バーナ構造が火炎の安定性に与える影響を確認するため、以下の3種の装置を用いて、吹き消えが起こらずに火炎を保持できる限界吐出速度を評価した。
(比較例1)図4に示した従来の一般的な予混合燃焼バーナ
(比較例2)2段式バーナ加熱装置
(実施例1)図1に示した構造の3段式バーナ加熱装置
実験は、燃焼空間の寸法が1.4m×1.4m×0.4mの実験用燃焼炉にて実施した。燃料ガスと燃焼用空気の流量比が一定となるように両者の流量を増加させ、火炎の吹き消えが起こらずに火炎を保持できる限界吐出流速を測定した。
ここで、前記燃焼ガスとしては、製鉄所内の副生ガスであるMガス(コークス炉ガスと高炉ガスの混合ガス)を使用した。前記Mガスの主成分は、H:26.5%、CO:17.6%、CH:9.1%、N:30.9%であった。
(比較例1)
図4に示した従来の一般的な予混合燃焼バーナでは、燃料ガスの吐出速度30Nm/sで吹き消えが発生した。
(比較例2)
2段式バーナ加熱装置を用いても、2段目のバーナの燃料ガス吐出速度が100〜120Nm/s以上となると吹き消えが発生した。
(実施例1)
図1に示した構造の3段式バーナ加熱装置では、3段目(最終段)の燃料ガスの吐出速度が150Nm/sであっても、安定な火炎が形成されることが確認できた。
1 加熱装置
2 被加熱物
3 搬送ローラー
10 第1のバーナ
11 火炎
20 第2のバーナ
21 火炎
30 第1のバーナ
31 高速混合ガス流(未燃焼)
32 交点
33 高速噴流火炎
40 ガス供給部
41 燃料ガス供給用配管
42 燃焼用空気供給配管
43 減圧弁
44 圧力計
45 制御弁
46 差圧式流量計
47 流量調整弁

Claims (8)

  1. 第1のバーナと、
    前記第1のバーナによって着火される第2のバーナと、
    前記第2のバーナによって着火され、被加熱物の加熱に用いられる第3のバーナと、
    前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに対して燃料ガスおよび燃焼用空気を供給するガス供給部とを備え
    前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向は、前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向の流速ベクトルが互いに打ち消し合わない方向であって、前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向とがなす角θ 2−3 が45°以下である、加熱装置。
  2. 前記第1のバーナの吐出方向と前記第2のバーナの吐出方向とが交差し、
    前記第2のバーナの吐出方向と前記第3のバーナの吐出方向とが交差する、請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記ガス供給部が、前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれに供給される燃料ガスの流量と燃焼用空気の流量とを独立して調整可能な流量調整手段を備える、請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱装置を用いて加熱する、加熱方法。
  5. 前記第1のバーナにおける燃料ガス流量f、前記第2のバーナにおける燃料ガス流量f、および前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fが、f<f<fの関係を満たす、請求項4に記載の加熱方法。
  6. 前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナのそれぞれにおける燃料ガスの吐出速度が、第1のバーナ、第2のバーナ、第3のバーナの順序で大きくなる、請求項4または5に記載の加熱方法。
  7. 前記第2のバーナおよび前記第3のバーナにおける燃料ガスの吐出速度を、各バーナを単独で用いた場合に吹き消えが発生しない限界吐出速度よりも大きくする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の加熱方法。
  8. 前記第1のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fの比、f/fが3〜5であり、
    前記第2のバーナにおける燃料ガス流量fに対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比f/fが3〜5であり、
    前記第1のバーナ、第2のバーナ、および第3のバーナにおける燃料ガスの合計流量に対する前記第3のバーナにおける燃料ガス流量fの比、f/(f+f+f)が69〜81%である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の加熱方法。
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