JP6820453B2 - 超音波測定器及び超音波測定器を用いた超音波測定方法 - Google Patents
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Description
ところで、この種の超音波測定器で測定されるサイズデータは、超音波プローブの当接位置・角度に対して敏感に反応するため、サイズデータをより正確に測定するためには、超音波プローブをサイズデータの測定に適した位置・角度に位置決めする必要がある。その一例として、特許文献1には、腹部に装着した状態で蓄尿量を測定する測定モードと、測定モードにおいて超音波プローブを装着するのに適した位置を決めるために蓄尿量を測定する位置決めモードを有する超音波尿量測定器が開示されている。このとき、この位置決めモードにおける蓄尿量の測定は、蓄尿量を高い精度で測定することのできる位置を目的として、超音波プローブを一時的に装着する位置としての仮測定位置で行われる。
また、前記超音波プローブは、一列に配置された複数の超音波素子を備えていることが好ましい。
さらに、前記誤差判定部は、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるときに、前記角度に基づいて前記誤差の方向を算出する方向算出部を有することが望ましい。
さらに、前記誤差判定部は、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるときに、前記角度に基づいて前記誤差の距離を算出する距離算出部を有することが望ましい。
また、この超音波測定器は、前記超音波プローブが前記軸を回転軸として回転することで,前記所定位置上を少なくとも一周しているか否かを、前記角度に基づいて判定する一周判定部を、さらに有することが好ましい。
そして、前記超音波測定器は、前記軸を回転軸として、前記超音波プローブを周方向に傾けながら回転させる傾斜回転機構を有していてもよい。
また、本発明の超音波測定器は、超音波素子からの超音波を送出する第1面と、該第1面から立設し、グリップ用の曲面部を有する第2面と、前記第2面に向かい合う第3面と、を備え、前記第3面に超音波測定結果を表示する表示部を有することを特徴とする。
この場合において、前記第3面に、超音波測定器を操作するための操作ボタンを有していてもよい。
また、前記表示部は、前記曲面部の形成位置に向かい合う位置を避けた位置に配置されていることが好ましい。
さらに、前記操作ボタンは、前記曲面部の形成位置に向かい合う位置に配置され、前記表示部は、前記操作ボタンよりも、前記第1面から離れた位置に配置されていることが好ましい。
そして、前記第1面に向かい合う第4面に、スピーカーが形成されていてもよい。
この場合において、前記超音波プローブは、一列に配列された複数の超音波素子を備えており、前記第1ステップは、これらの超音波素子を被測定者の足側から顔側に向かうように前記所定位置に当接して、前記超音波プローブの角度と蓄尿量の測定を行うステップを含み、前記第3ステップは、前記複数の超音波素子のうち最も足側に位置する足側超音波素子で受信される反射波の有無を判定するステップを含むことが好ましい。
また、前記第3ステップは、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるか否かを判定するステップを含み、該第3ステップで前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であると判定したときに、前記最大の蓄尿量に関連する角度に基づいて、前記超音波測定器の移動すべき方向を報知する第4ステップをさらに有することが好ましい。
さらにまた、前記第4ステップは、前記足側超音波素子で反射波を受信することなく測定された蓄尿量が前記臓器関連データに含まれているときに、該蓄尿量に関連付けた角度に基づいて、前記超音波測定器の移動すべき方向を報知するステップを含むことが好ましい。
さらに、前記第1ステップは、前記所定位置の軸を回転軸として前記超音波プローブを少なくとも一回転させながら、前記超音波プローブ10の角度と、蓄尿量を測定するステップを含み、前記第3ステップは、前記記憶部で記憶された蓄尿量の中で特異な蓄尿量をノイズとして除去すると共に、前記ノイズを除去した臓器関連データに基づいて、前記所定位置の誤差を判定するステップを含むことが望ましい。
そして、前記超音波測定器は、前記軸を回転軸として前記超音波測定器を周方向に傾けながら回転させる傾斜回転機構を有し、前記第1ステップは、前記傾斜回転機構により前記超音波プローブを前記軸に対して傾斜させた状態で回転させながら、前記反射波を受信することで蓄尿量を算出するステップを含むものであってもよい。
入力部23は、排尿すべき尿量として決められる尿量の閾値を含む、蓄尿量に関する種々のデータ等を入力するものである。これらの入力データは、演算部26を介して記憶部25に記憶される。なお、尿量の閾値は、予め記憶部25に記憶させるものであってもよい。
角度センサ部24で測定される超音波プローブ10の傾きの角度は、超音波素子11a〜11dで超音波を受信した直後に測定され、超音波プローブ10の回転角度として演算部26を介して記憶部25に入力される。
報知部28は、尿量演算部26aで算出された尿量や尿量測定に関する種々のデータをモニター2に表示したり、前記誤差の方向や距離を音声で伝達したりするものである。また、通信部29は、尿量演算部26aで算出された尿量や尿量測定に関する種々のデータを測定器1と接続する外部機器に出力するものである。このとき、超音波測定器1と外部機器との接続は、有線、無線を問わない。超音波測定器1と外部機器とを接続することで排尿日誌を作成することが可能となる。
PD=ΣPi×Di・・(1)
EU=PD×R ・・(2)
ここで、Pi、Diのiは、複数の超音波素子11a〜11dに付された番号を意味しており、ここでは1から4までの整数となっている。また、PDは、各超音波素子11a〜11dで受信される反射波の反射強度Piとピーク間の距離Diとの積をi=1〜4につき加算することにより得られる平均指標値、EUは算出される蓄尿量、Rは解剖構造に基づく個人差や測定中の姿勢に対応して定められる係数を示す。従って、この平均指標値PD及び蓄尿量EUは、超音波素子11a〜11dで超音波の送受信をする毎に算出される。本実施形態では、超音波は0.1秒毎で発信されているため、蓄尿量EUは0.1秒毎に算出される。
また、本発明の第3ステップに該当するステップS108では、この最大蓄尿量が、膀胱内の蓄尿量を適切に算出したものであるか否かを判定する。この判定は、図7に示すように、最大蓄尿量が膀胱Bの中心付近を送受信する超音波に基づいて算出された蓄尿量であるとして、最大蓄尿量の算出時における、超音波測定器1の当接位置から膀胱の中心までの距離と、超音波素子11a〜11dで送受信される軸方向の角度θzとから求められる算出距離d3に基づいて判定される。この算出距離d3は、下腹部表面Sから膀胱前壁までの距離d1及び膀胱前壁から後壁までの距離d2から得られる超音波測定器1の当接位置から膀胱の中心までの距離d1+d2/2と、前記軸方向の角度θzとから、以下の(3)式で算出される。
d3=(d1+d2/2)×cosθz・・(3)
ここで、この式(3)においては、超音波素子11a〜11dのうちの特定の超音波素子、例えば超音波素子11c(ch3)における反射波に基づき求めることができる。
なお、このデータのリセットは、超音波測定器1の操作を一定時間行わないことによる自動電源オフにより行われてもよく、あるいは、ステップS101で行われる操作ボタン3のオン時に行われてもよい。
また、第2の超音波測定方法では、第1の超音波測定方法におけるステップS111に相当するステップが省略されている。
また、上記の実施形態では垂直軸Zを回転軸として超音波プローブ10を回転させたが、測定対象の臓器によっては垂直軸ではなく、超音波プローブ10の体表面への当接位置を通る斜めの軸を回転軸としてもよい。
さらに、ステップS105及びS205のノイズ処理は、記憶部25で記憶されている各々の蓄尿量と比較して大きく異なる蓄尿量が測定されている場合に、大きく異なる蓄尿量と関連付けられた周方向の角度(θx、θy)を、この周方向の角度付近の周方向の角度に基づいて補完することで、大きく異なる蓄尿量を補正する処理であってもよい。
さらに、ステップS108及びS207で判定されている最大蓄尿量の適否は、超音波測定器1を垂直軸Zに対して傾けた状態で回転させながら測定された蓄尿量の中で最大となる最大蓄尿量と、超音波測定器1を被測定者の下腹部表面Sに対して垂直に当接させた状態で測定した蓄尿量との差が所定の閾値以下となるか否かで、判断してもよい。この蓄尿量の差が所定の閾値以下である場合には、最大蓄尿量が膀胱内の蓄尿量を適切に算出していると判断され、この蓄尿量の差が所定の閾値よりも大きい場合には、最大蓄尿量が膀胱内の蓄尿量を適切に算出していないと判断される。
さらに、本発明の実施形態における超音波測定器では、超音波プローブ10を被測定者の下腹部表面Sに接触させて測定するが、その押し付け方によって、蓄尿量の測定結果が変化する可能性がある。このため、超音波プローブに圧力センサを設け、超音波プローブが被測定者の下腹部表面Sに対して所定範囲内の押圧力で押し付けられていることを確認できるようにしてもよい。この確認方法としては、下腹部表面Sへの押圧力が所定範囲内でない場合に蓄尿量の測定を開始しようとすると、アラームが発信されたり、または蓄尿量の測定ができなくなるようにする方法がある。
2 表示部(モニター)
3 操作ボタン
5 スピーカー
10 超音波プローブ
11a〜11d 超音波素子
12 第1面
13 第2面
13c 曲面部(中間部)
14 第3面
15 第4面
21 超音波制御部
24 角度センサ部
25 記憶部
26 演算部
26c 誤差判定部
26d 一周判定部(測定終了判定部)
26e 方向算出部
26f 距離算出部
S 体表面(下腹部表面)
Z 垂直軸
Claims (19)
- 被測定者の臓器に向けて超音波を発信する超音波素子を有する超音波プローブと、
前記超音波素子による超音波発信を制御する超音波制御部と、
前記被測定者の臓器からの反射波に基づいて、超音波Aモードにより前記臓器の大きさに関連するサイズデータを算出する演算部と、を備えた超音波測定器において、
該超音波測定器は、前記被測定者の体表面の所定位置に前記超音波プローブを当接させ、かつ前記所定位置を通る軸を回転軸として前記超音波プローブを回転させながら、該軸に対して周方向に傾けた複数の位置で、超音波及びその反射波を送受信することで、前記サイズデータを算出する測定器であり、
前記軸に対する前記超音波プローブの角度を測定する角度センサ部と、
前記サイズデータを、前記角度センサ部で測定された角度と関連付けた臓器関連データとして記憶する記憶部と、
該臓器関連データに基づいて、前記所定位置の誤差を判定する誤差判定部と、
を備えたことを特徴とする超音波測定器。 - 前記臓器は膀胱であり、
前記サイズデータは、前記膀胱内の蓄尿量であることを特徴とする請求項1に記載の超音波測定器。 - 前記超音波プローブは、一列に配置された複数の超音波素子を備えていることを特徴とする請求項2に記載の超音波測定器。
- 前記誤差判定部は、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるときに、前記角度に基づいて前記誤差の方向を算出する方向算出部を有することを特徴とする請求項3に記載の超音波測定器。
- 前記誤差判定部は、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるときに、前記角度に基づいて前記誤差の距離を算出する距離算出部を有することを特徴とする請求項3に記載の超音波測定器。
- 前記超音波プローブが前記軸を回転軸として回転することで,前記所定位置上を少なくとも一周しているか否かを、前記角度に基づいて判定する一周判定部を、さらに有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波測定器。
- 前記超音波測定器は、前記軸を回転軸として、前記超音波プローブを周方向に傾けながら回転させる傾斜回転機構を有することを特徴とする請求項6に記載の超音波測定器。
- 超音波素子からの超音波を送出する第1面と、
該第1面から立設し、グリップ用の曲面部を有する第2面と、
前記第2面に向かい合う第3面と、を備え、
前記第3面に超音波測定結果を表示する表示部を有することを特徴とする超音波測定器。 - 前記第3面に、超音波測定器を操作するための操作ボタンを有することを特徴とする請求項8に記載の超音波測定器。
- 前記表示部は、前記曲面部の形成位置に向かい合う位置を避けた位置に配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の超音波測定器。
- 前記操作ボタンは、前記曲面部の形成位置に向かい合う位置に配置され、
前記表示部は、前記操作ボタンよりも、前記第1面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波測定器。 - 前記第1面に向かい合う第4面に、スピーカーが形成されていることを特徴とする請求項8に記載の超音波測定器。
- 被測定者の膀胱に向けて超音波を発信する超音波素子を備えた超音波プローブと、
前記超音波素子による超音波の発信を制御する超音波制御部と、
前記被測定者の膀胱からの反射波に基づいて、超音波Aモードにより前記膀胱内の蓄尿量を算出する演算部と、を備えた超音波測定器を用いた超音波測定方法において、
前記超音波測定器を被測定者の体表面の所定位置に当接し、かつ前記超音波プローブを前記所定位置の軸を回転軸として回転させながら、該軸に対して周方向に傾けた複数の位置で、前記軸に対する前記超音波プローブの角度を角度センサで測定すると共に、前記反射波を受信することで蓄尿量を測定する第1ステップと、
前記第1ステップで測定された角度と蓄尿量とを関連付けた臓器関連データを記憶部に記憶させる第2ステップと、
該臓器関連データに基づいて、前記所定位置の誤差を判定する第3ステップと、
を有する超音波測定器を用いた超音波測定方法。 - 前記第1ステップは、前記超音波プローブを前記所定位置の軸に沿う位置で、前記超音波プローブの角度を前記角度センサで測定すると共に、前記反射波を受信することで蓄尿量を測定するステップを含み、
前記第3ステップは、前記軸に沿う位置の蓄尿量に関する臓器関連データと、前記軸に対して傾けた位置で算出された蓄尿量のうち最大の蓄尿量に関する臓器関連データとに基づいて、前記所定位置の誤差を判定するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。 - 前記超音波プローブは、一列に配列された複数の超音波素子を備えており、
前記第1ステップは、これらの超音波素子を被測定者の足側から顔側に向かうように前記所定位置に当接して、前記超音波プローブの角度と蓄尿量の測定を行うステップを含み、
前記第3ステップは、前記複数の超音波素子のうち最も足側に位置する足側超音波素子で受信される反射波の有無を判定するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。 - 前記第3ステップは、前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であるか否かを判定するステップを含み、
該第3ステップで前記所定位置の誤差が所定の閾値以上であると判定したときに、前記最大の蓄尿量に関連する角度に基づいて、前記超音波測定器の移動すべき方向を報知する第4ステップをさらに有することを特徴とする請求項15に記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。 - 前記第4ステップは、前記足側超音波素子で反射波を受信することなく測定された蓄尿量が前記臓器関連データに含まれているときに、該蓄尿量に関連付けた角度に基づいて、前記超音波測定器の移動すべき方向を報知するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。
- 前記第1ステップは、前記所定位置の軸を回転軸として前記超音波プローブを少なくとも一回転させながら、前記超音波プローブの角度と、蓄尿量を測定するステップを含み、
前記第3ステップは、前記記憶部で記憶された蓄尿量の中で特異な蓄尿量をノイズとして除去すると共に、前記ノイズを除去した臓器関連データに基づいて、前記所定位置の誤差を判定するステップを含むことを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。 - 前記超音波測定器は、前記軸を回転軸として前記超音波測定器を周方向に傾けながら回転させる傾斜回転機構を有し、
前記第1ステップは、前記傾斜回転機構により前記超音波プローブを前記軸に対して傾斜させた状態で回転させながら、前記反射波を受信することで蓄尿量を算出するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の超音波測定器を用いた超音波測定方法。
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