JP6818952B1 - 酸素ラジカル供給装置および酸素ラジカル供給方法 - Google Patents

酸素ラジカル供給装置および酸素ラジカル供給方法 Download PDF

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Abstract

効率よく酸素ラジカルを処理水に注入することができる酸素ラジカル供給装置を提供する。酸素ラジカル供給装置(3)は、水が供給される水供給部(61)と、処理水を排出する水排出部(65)と、水供給部から供給された水に対し、水供給部から水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から水供給部と水排出部との間で酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給機構(7)とを備えている。

Description

本願は、酸素ラジカル供給装置および酸素ラジカル供給方法に関する。
水処理方法の一般的な方法としてオゾン処理法が知られている。このオゾン処理法においては、放電空間における電子衝突で酸素ガス(O)が解離されて酸素ラジカル(O)が生成され(O+e→O+O+e、eは電子を示す)、生成された酸素ラジカルと周辺に存在する酸素ガスとが結合されてオゾン(O)が生成される(O+O+M→O+M、Mは第三体を示す)。そして、このオゾン処理法においては、このオゾンを含んだガスが水−ガスエジェクタなどを用いて処理水に注入されて水処理が行われる。このオゾン処理法では以下の2つの根本的な課題が知られている。
1つは、オゾンの発生効率が低くなることである。放電空間ではオゾンの生成反応と同時にオゾンの分解反応(O+e→O+O+e)も起こるため、オゾンの発生効率が低くなる。もう1つは、比較的高価な誘電体バリア放電システムが必要なことである。オゾンの生成反応が発熱反応であるため、反応エネルギーを吸収するための第三体(M)が必要である。そのため、ガス圧が1気圧(101kPa)以上での動作が求められ、安定な放電を維持するためには比較的高価な誘電体バリア放電システムが必要となる。
これらの課題を解決する従来の水処理装置として、処理水配管と酸素ガス配管とを同軸状に配置し、内管にあたる処理水配管を接地電極として用い、外管にあたる酸素ガス配管を高電圧電極として用い、誘電体バリア放電で酸素プラズマを発生させる水処理装置が開示されている。この水処理装置は、水−ガスエジェクタのベンチュリー効果で酸素ガス配管内に5kPaから50kPa程度の低ガス圧の放電空間を形成し、その放電空間で酸素プラズマを発生させて酸素ラジカルを生成している。そして、この水処理装置は、生成した酸素ラジカルを直接処理水中に注入して水処理を行っている。この水処理装置においては、放電空間が低ガス圧状態のため酸素ラジカルと第三体との衝突が起こる確率は低い。その結果、放電空間ではオゾンが生成されず、酸素ラジカルの状態が保持される(例えば、特許文献1参照)。
特許第2503763号公報
従来の水処理装置においては、処理水配管を電極として使用するため、放電空間は常温の処理水によって冷却される。しかしながら、酸素ラジカルは低温では寿命が短い。また、放電空間と酸素ラジカルが処理水に注入される位置とが離れているため、放電空間で生成された酸素ラジカルが有効に処理水に注入されないという問題があった。
本願は上述のような課題を解決するためになされたもので、効率よく酸素ラジカルを処理水に注入することができる酸素ラジカル供給装置を提供することを目的とする。
本願の酸素ラジカル供給装置は、水が供給される水供給部と、処理水を排出する水排出部と、水供給部から供給された水に対し、水供給部から水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から水供給部と水排出部との間で酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給部を有する酸素ラジカル供給機構と、水流方向における水供給部の下流側に配置してあり、水流方向の上流側から下流側に向けて縮径してあり、水供給部から供給された前記水を通過させるノズル部と、水流方向におけるノズル部の下流側であって水排出部の上流側に配置してあり、水流方向の上流側から下流側に向けて拡径してあり、処理水が水排出部へ送られるディフューザ部と、水流方向おけるノズル部とディフューザ部との間に位置し、ノズル部とディフューザ部と酸素ラジカル供給部とに接続してある気液混合部とを備えている。
本願の酸素ラジカル供給装置は、水供給部から水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から水供給部と水排出部との間で酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給部を有する酸素ラジカル供給機構と、水流方向における水供給部の下流側に配置してあり、水流方向の上流側から下流側に向けて縮径してあり、水供給部から供給された前記水を通過させるノズル部と、水流方向におけるノズル部の下流側であって水排出部の上流側に配置してあり、水流方向の上流側から下流側に向けて拡径してあり、処理水が水排出部へ送られるディフューザ部と、水流方向おけるノズル部とディフューザ部との間に位置し、ノズル部とディフューザ部と酸素ラジカル供給部とに接続してある気液混合部とを備えているので、効率よく酸素ラジカルを処理水に注入することができる。
実施の形態1に係る水処理システムの構成図である。 実施の形態1の酸素ラジカル供給装置の特性図である。 実施の形態2に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。 実施の形態2の酸素ラジカル供給装置の特性図である。 実施の形態2に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。 実施の形態2に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。 実施の形態2に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。 実施の形態3に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。 実施の形態3の酸素ラジカル供給装置の特性図である。 実施の形態4に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。
以下、本願を実施するための実施の形態に係る酸素ラジカル供給装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一符号は同一もしくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る酸素ラジカル供給装置を備えた水処理システムの構成図である。本実施の形態の水処理システム1は、処理水21をためる処理水槽2と、処理水21を浄化処理する酸素ラジカル供給装置3と、処理水槽2と酸素ラジカル供給装置3との間で処理水21を循環させる高圧ポンプ4とを備えている。処理水槽2と酸素ラジカル供給装置3と高圧ポンプ4とは、処理水配管5で接続されている。図1において、矢印は処理水21の流れる方向を示している。高圧ポンプ4の下流側の処理水配管5には、バルブ51と流量調整器52とが接続されている。酸素ラジカル供給装置3の下流側の処理水配管5には、バルブ53が接続されている。バルブ53の下流側で処理水配管5は2つに分岐されており、一方の処理水配管5は処理水槽2に接続されている。他方の処理水配管5は、バルブ54と流量調整器55とを経由して高圧ポンプ4の下流側の処理水配管5に接続されている。
酸素ラジカル供給装置3は、水−ガスエジェクタ6と酸素ラジカル生成装置7とで構成されている。水−ガスエジェクタ6は円筒形状であり、供給口61、ノズル62、気液混合領域63、ディフューザ64および排出口65で構成されている。ノズル62は、下流側に向かって縮小角度が約45度で管路断面積を徐々に絞った構成である。ディフューザ64は、下流側に向かって拡大角度が約10度で管路断面積を徐々に拡げた構成である。水−ガスエジェクタ6において、高圧ポンプ4で加圧された処理水21は、供給口61から供給され、ノズル62で流速が増加される。流速が最大になった処理水21は、気液混合領域63を通過し、ディフューザ64で圧力回復が行われ、排出口65から排出される。
気液混合領域63は、ノズル62から噴射された高速の処理水21のベンチュリー効果によって数kPaから50kPaの負圧状態になる。この気液混合領域63は、処理水21の流れと交差する方向、例えば直交する方向からガスを供給するためのガス供給口66を備えている。負圧状態となった気液混合領域63では、ガス供給口66からガスが吸い込まれ、処理水とガスとが混合される。ガス供給口66には、酸素ラジカル生成装置7が接続されている。
酸素ラジカル生成装置7は、上流ガス配管71と放電管72と下流ガス配管73とを備えている。放電管72の外周には誘導結合用のコイル74が設けられている。また、放電管72の外側には断熱外管75が設けられており、放電管72と断熱外管75との間には断熱材76が充填されている。コイル74には、交流電源77が接続されている。酸素ラジカル生成装置7は、上流ガス配管71に供給される酸素を放電管72および下流ガス配管73を経由して、水−ガスエジェクタ6のガス供給口66に酸素ラジカルを供給する。
酸素ラジカル生成装置7の上流ガス配管71には、酸素ガス供給装置8が接続されている。酸素ガス供給装置8は、酸素ガスタンク81、湿度調整器82、バルブ83、流量調整器84および逆止弁85を備えている。酸素ガスタンク81には露点40℃以下の高純度の乾燥された酸素ガスが貯蔵されている。酸素ガス供給装置8は、酸素ラジカル生成装置7へ高純度の酸素ガスを供給する。
酸素ラジカル生成装置7は、交流電源77からコイル74に交流電圧を印加することで、放電管72の内部に高電圧および高周波数の変動磁場を発生させ、放電管72内部にプラズマ放電空間を発生させる。つまり、コイル74と交流電源77とで放電電力印加部を構成している。このプラズマ放電空間に酸素ガスが供給されると、このプラズマ放電空間では、電子衝突で酸素ラジカル(O)が生成される(O+e→O+O+e、eは電子を示す)。酸素ラジカル供給装置3は、酸素ラジカル生成装置7で生成された酸素ラジカルを含む活性ガスを水−ガスエジェクタ6の気液混合領域63を流れる処理水に注入する。このようにして酸素ラジカル供給装置3は、処理水21中の有機物成分などを酸化分解して処理水を清浄化することができる。
放電管72の内部で生成された酸素ラジカルは500K以下の低温では寿命が短い。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、放電管72の外側に断熱外管75を設け、さらに放電管72と断熱外管75との間に断熱材76を充填している。そのため、放電管72内部のプラズマ放電空間の温度は、500Kから1000Kに保持される。そのため、放電管72内部で生成された酸素ラジカルは長時間その状態を保つことができ、放電管72の内部に高密度の酸素ラジカルを生成させることができる。その結果、酸素ラジカル供給装置3の水処理性能を飛躍的に向上させることができる。
プラズマ放電空間で生成した酸素ラジカルは、プラズマ放電空間を離れると数マイクロ秒のオーダーで急速に失活する(O+O→O)。そのため、酸素ラジカルが失活する前に酸素ラジカルを含む活性ガスを処理水に注入する必要がある。したがって、酸素ラジカルがプラズマ放電空間を離れてから気液混合領域63に到達するまでの移動時間を1msec以下にする必要がある。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、酸素ラジカル生成装置7を気液混合領域63に隣接して配置し、下流ガス配管73の長さを10cm以下としている。
水−ガスエジェクタ6は、酸素ラジカル(O)オゾン(O)、過酸化水素(H)、OHラジカルなどの活性ガスに曝される。そのため、水−ガスエジェクタ6の材料は耐食性の高い材料であることが望ましい。水−ガスエジェクタ6の材料としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素樹脂、ステンレス(SUS316、SUS304など)などの金属材料、または表面がフッ素樹脂で被覆された材料などを用いることができる。酸素ラジカル生成装置7の放電管72の材料は、高温に耐える誘電体が望ましい。放電管72は、例えば石英、耐熱性を有するホウケイ酸ガラスなどのガラス類、またはアルミナ、ジルコニアなどのセラミクス類を用いることができる。また、図1に示す酸素ラジカル生成装置7において、上流ガス配管71と放電管72と下流ガス配管73とを異なる構成としたが、1本の管状の誘電体で構成してもよい。これらを1本の管状の誘電体で構成することは、非プラズマ放電空間を狭くすることに有効である。
酸素ラジカル供給装置3において、酸素ラジカルをプラズマ放電空間で高効率かつ高濃度に生成し、高効率に水中に供給するためには、プラズマ放電空間のガス温度を上げること、およびプラズマ放電空間から処理水までの酸素ラジカルの移動時間を短くすることが重要である。
プラズマ放電空間のガス温度を上げるために、本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、放電管72の外周に断熱外管75が設置されている。この断熱外管75は、コイル74の電磁力の漏洩を抑え、かつプラズマ放電空間の熱を外部に逃さない機能を有する。電磁力の漏洩を抑える目的で、断熱外管75として金属管を使用することができる。または、断熱外管75として絶縁管の内表面および外表面の少なくとも一方に導電性皮膜を施したものを使用することができる。さらに、断熱効果を向上させかつ電気絶縁性を確保する目的で、本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、放電管72と断熱外管75との間には断熱材76が充填されている。断熱材76としては、断熱性および電気絶縁性に優れ、かつ熱膨張時に放電管72にストレスを与えないようにシリコン系のゴムを用いている。
プラズマ放電空間から処理水までの酸素ラジカルの移動時間を短くするために、本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、放電管72を気液混合領域63の近傍に設置すると共に、下流ガス配管73の内部に絞り78を設置している。
図1に示す酸素ラジカル生成装置7において、実験の結果、ガス流の影響でプラズマ放電空間内の荷電粒子がガス下流方向に流され、放電管72よりもガス下流側にプラズマ放電が伸長することが判明した。とくに下流ガス配管73の長さを5cm以下にすることで、プラズマ放電は気液混合領域63まで伸長し、酸素ラジカルは非プラズマ放電空間を通過することなく処理水に注入することができることが判明した。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、下流ガス配管73を除いて、水−ガスエジェクタ6のガス供給口66に放電管72を直接接続してもよい。また、本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、図1に示すように、下流ガス配管73の内部に絞り78を設置している。この絞り78は、下流ガス配管73の管路断面積をガス流の下流側に向かって徐々に小さくしたものである。絞り78を設置することで、下流ガス配管73内のガスの流速が増大し、酸素ラジカルがプラズマ放電空間を離れてから気液混合領域63に到達するまでの移動時間を短くすることができる。酸素ラジカルの寿命を考慮すると、酸素ラジカルの非プラズマ放電空間の滞在時間、すなわちプラズマ放電空間から気液混合領域63までの移動時間は1ms以下に設定することが望ましい。
酸素ラジカル生成装置7において、始動のときにプラズマの点火が困難な場合がある。本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、図1に示すように、放電管72のガスの流入側に金属リング79を設置してもよい。コイル74に交流電圧の印加を開始してプラズマを点火するときにこの金属リング79に電界が集中するので、放電が開始し易くなる。
なお、本実施の形態の酸素ラジカル生成装置7においては、放電管72の外周に巻かれたコイル74を用いて誘導結合プラズマを発生させている。コイルを用いて誘導結合プラズマを発生させる方法以外に、放電管の外部から電磁力を印加することによって放電管の内部にプラズマ放電を発生させる他の方法、例えばDCグロー放電プラズマ、容量結合プラズマ、マイクロ波放電プラズマなどの方法を用いてもよい。
本実施の形態の酸素ラジカル供給装置において、処理水中に難分解性物質が多く含まれる場合、酸素ラジカルを含む活性ガス中の水分含有量を数%程度(露点:30℃程度)まで上げることで高い水処理性能が得られる場合があることが判明した。そのため、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置においては、酸素ガス供給装置8が湿度調整器82を備えている。この湿度調整器82を用いて、酸素ラジカル生成装置7に供給する酸素ガスに水分を添加することができる。なお、この湿度調整器82は、条件によって除湿器としても加湿器としても動作させることができる。
また、本実施の形態の水処理システム1において、酸素ラジカル供給装置3で処理されて処理水槽2へ戻ってくる処理水21中には、酸素ラジカルから生成されたオゾンが含まれる場合がある。そのため、処理水槽2は、図1に示すように、排気ポート22と活性炭などを用いたオゾン分解処理装置23とを備えることが望ましい。
次に、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置における水処理性能について説明する。図2は、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置における放電電力密度とプラズマ放電空間の酸素(O)ラジカル密度および処理水中のヒドロキシル(OH)ラジカル密度との関係を示した特性図である。図2に示す特性の測定の条件は、放電管72の内部のガス圧が6.67kPa、ガス温度が600K、比エネルギー密度(SED:Specific Energy Density)が1J/cmである。ここで、SEDは、放電電力密度(単位:W/cm)とプラズマ放電空間の酸素ラジカルを含むガスの滞在時間(単位:秒)との積である。また、放電電力密度は、放電電力(単位:W)を放電管72内部の放電部体積(単位:cm)で割ったものである。図2において、横軸は放電電力密度、縦軸はラジカル密度の相対値である。また、図2において、黒丸はプラズマ放電空間のOラジカル密度、黒四角は処理水中のOHラジカル密度である。なお、処理水中におけるOHラジカル密度の直接計測は困難である。本実施の形態においては、処理水中に含まれる酢酸などの難分解性物質の処理密度とOHラジカル密度とは比例すると想定した。そのため、OHラジカル密度は、処理水中の難分解性物質の処理密度から算出した。
酸素プラズマ放電で生成した酸素ラジカルを処理水に直接注入して水処理を実施した報告は少ない。その中で「低圧無声放電式活性酸素発生機とその水処理への適用」(田中正明他、電気学会論文誌A、125巻12号、pp1017−1022、2005年)において、放電電力密度が1W/cm程度で動作された酸素ラジカル供給装置においては、酢酸などの難分解性物質が処理できなかったことが報告されている。
発明者は、放電電力密度に注目して、ガス圧が1kPaから50kPaにおける水処理性能を検討した。その結果、図2に示すように、プラズマ放電空間のOラジカル密度は放電電力密度の増加とともに単調に増加すること、処理水中のOHラジカル密度は放電電力密度の増加と共に増加するが、放電電力密度が約500W/cmで最大値を示すことを見出した。放電電力密度が約500W/cmで処理水中のOHラジカル密度が最大値となることから、放電電力密度が約500W/cmのときに酸素ラジカル供給装置の水処理性能は最大となることがわかる。
このように、プラズマ放電で生成した酸素ラジカルを用いた酸素ラジカル供給装置において、放電電力密度が10W/cmから3000W/cmの範囲で作動させることで高い水処理性能が得られる。この放電電力密度の範囲は、これまで報告された1W/cm近傍の放電電力密度に対して10倍以上である。さらに望ましくは、放電電力密度が100W/cmから2000W/cmの範囲で作動させると、最大の水処理性能に対して50%以上の水処理性能が得られる。
この高い水処理性能が得られる放電電力密度の最適領域は、これまで報告された放電電力密度(1W/cm近傍)の100倍から2000倍に相当する。この放電電力密度の最適領域は、これまで本方式では誰も試したことのない放電電力密度の領域であり発明者が初めて見出した領域である。なぜなら、酸素プラズマの研究は、半導体製造プロセスに対応した数100mPaから数100Paの低ガス圧領域での研究、またはオゾン生成および表面処理に対応した100kPa以上の高ガス圧領域での研究がほとんどである。1kPaから50kPaの中ガス圧領域での放電電力密度の影響は、今回の検討で初めて明らかになった。
上述のように本実施の形態の酸素ラジカル生成装置においては、ガス圧が1kPaから50kPaの酸素ガスに対して10W/cmから3000W/cmの高電力密度のプラズマ放電を発生させることで酸素ラジカルの生成効率を高くすることができる。
酸素(O)プラズマを用いて酸素ラジカル(O)を発生させ、オゾン(O)を生成するプロセス(O+O→O)が良く知られている。このプロセスにおいて、オゾンの生成効率はSEDで一義的に決定され、放電電力密度には依存しないことが知られている。このため、オゾン生成は、1W/cm程度の低い放電電力密度で行われることが一般的である。しかし、Oに比較して極めて寿命が短いOラジカルの生成においては、図2に示すようにSEDが一定の1J/cmの条件でも、Oラジカルの生成効率は放電電力密度に依存することがわかる。発明者は、放電電力密度の増大によってOラジカル濃度も増大することを初めて発見した。
次に水処理性能、すなわち処理水中のOHラジカル濃度に対して放電電力密度に最適値(100〜2000W/cm)が存在することについて説明する。
気相および液相におけるラジカルの反応、とくに水中のOHラジカルの生成プロセスを検討した結果、次のことがわかった。プラズマ放電空間で生成したOラジカルと水との反応で直接生成されるOHラジカルよりも、Oラジカルと酸素との反応で発生したO(O+O→O)とOHラジカルから発生したH(OH+OH→H)との水中反応で生成されるOHラジカルが支配的であることがわかった。したがって、Oを生成するためにはOラジカルと反応するためのOが必要になる。図2において、気液混合領域63におけるOラジカルと酸素分子Oのモル比O/Oは、放電電力密度が500W/cmの時に約0.5、放電電力密度が1000W/cmの時に約1、放電電力密度が3000W/cmの時に約2となっている。これらのことから、以下のことが結論できる。
すなわち、放電電力密度が500W/cm以下の領域では、放電電力密度の増大とともにOラジカル濃度は増大し、O/O=0.5であるのでOラジカルの反応相手であるOも十分な量存在する。その結果、放電電力密度が500W/cm以下の領域では、水中のOHラジカル濃度も単調に増大する。放電電力密度が約1000W/cmでは、O/O=1であるのでOの生成量はOの量に依存する。その結果、放電電力密度が約1000W/cmでは、Oの量が反応の律速となり水中のOHラジカル濃度の増大が止まる。放電電力密度が約3000W/cmでは、O/O=2であるのでOを生成するにはOが大きく不足する。その結果、放電電力密度が約3000W/cmでは、OHラジカルが有効に生成できなくなるため、水中のOHラジカル濃度は減少する。このように、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置においては、Oラジカルが高密度に生成でき、かつOラジカルとOとが反応してOを生成させることができる放電電力密度である10W/cmから3000W/cmの領域で動作させることが有効である。
上述のように本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、放電電力密度が10W/cmから3000W/cmの領域で動作させることで、酸素ラジカルの生成効率が高く、高い水処理性能が得られる。
なお、図2ではプラズマ放電空間のガス温度が600Kの場合について示した。発明者は、ガス温度が高くなるにしたがってプラズマ放電空間の酸素ラジカル密度および処理水中のヒドロキシルラジカル密度が向上することを見出した。したがって、プラズマ放電空間のガス温度を高く保持することは極めて重要であることがわかった。このため、図1で示したように、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、酸素ラジカル生成装置7の放電管72の外周に断熱外管75および断熱材76を設置している。放電管72の外周に断熱外管75および断熱材76を設置することで、プラズマ放電空間で発生する熱を閉じ込めてガス温度を上昇させることができる。なお、ガス温度の上昇に伴い酸素ラジカルの生成効率は向上するが、ガス温度は放電電力密度に対する酸素ラジカル密度の依存性およびヒドロキシルラジカル密度の依存性に与える影響は小さい。そのため、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、ガス温度によらず、放電電力密度が10W/cmから3000W/cmの領域で動作させることが有効である。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、実施の形態1で説明した酸素ラジカル供給装置において、気液混合領域に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給装置を追加したものである。図3に示すように、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3は、気液混合領域63にガス供給口66とは別の第2ガス供給口67と酸素含有ガス配管68とを備えている。酸素含有ガス配管68には、酸素含有ガス供給装置9が接続されている。酸素含有ガス供給装置9は、酸素含有ガスタンク91、湿度調整器92、バルブ93、流量調整器94および逆止弁95を備えている。酸素含有ガスタンク91には乾燥空気が貯蔵されている。酸素含有ガス供給装置9は、気液混合領域63に酸素含有ガスである乾燥空気を直接供給する。
実施の形態1の図2の説明において、放電電力密度が高くなりO/Oが高くなりすぎるとOを生成するためのOが不足し、結果として水中のOH濃度が低下することを説明した。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、不足するOを酸素含有ガス供給装置9から気液混合領域63に直接供給することで水処理性能を改善することができる。酸素含有ガス供給装置9から供給する酸素含有ガスの流量が増加するにしたがって生成されるO濃度は低下するが、OからOへの生成効率は単調に増加し、水処理性能は改善されることがわかった。
なお、気液混合領域63に酸素を供給するために、酸素ラジカル生成装置7側から供給する酸素ガスの流量を増やす方法も考えられる。しかしながら、酸素ラジカル生成装置7のプラズマ放電空間で酸素ラジカルを高効率に生成するためには窒素などの不純物を含まず露点40℃以下の高純度の乾燥された酸素ガスが必要である。そのため、酸素ラジカル生成装置7で用いる酸素ガスは高価である。したがって、酸素ラジカル生成装置7側から供給する酸素ガスの流量を増やす場合は、ランニングコストが高価になる。
気液混合領域63に酸素を供給してO/Oを下げるためには、高純度の酸素ガスである必要はない。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置のように、酸素ラジカル生成装置7とは別に酸素含有ガス供給装置9を備えることで、酸素含有ガスとして安価な空気を用いることができる。
図4は、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3の特性図である。図4の横軸は酸素ガスの希釈倍率であり、左縦軸は分解効率の相対値であり、右縦軸は生成効率の相対値である。ここで、酸素ガスの希釈倍率Dは、酸素ガス供給装置8から供給される高純度酸素ガスの流量をQとし、酸素含有ガス供給装置9から供給される酸素含有ガスの流量をQaddとすると、D=(Q+Qadd)/Qで定義される。なお、図4の特性を測定するときの酸素含有ガスとしては酸素ガスを用いた。図4に示す特性の測定の条件は、処理水の酢酸濃度が10mg/L、気液比(気液混合領域への供給ガスと処理水との流量比)が0.024である。また図4において、黒丸は酢酸の分解効率、白丸はOの生成効率である。
図4からわかるように、酸素含有ガス供給装置9から供給される酸素の量が増加するにしたがって、酢酸の分解効率およびOの生成効率がともに上昇することがわかる。このように本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3は、酸素含有ガス供給装置9を備えているので、安価な酸素含有ガスを気液混合領域63に直接供給することができる。そのため、気液混合領域63におけるOの生成効率を高めることができる。その結果、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、処理水中のOHラジカル濃度を高くすることができるので水処理性能が向上する。
酸素含有ガス供給装置9から供給する酸素含有ガスは、酸素ラジカル生成装置7のプラズマ放電空間を通過しないため、純度の高い酸素ガスは必要がないことは前述の通りである。しかし、O生成の観点から詳細に検討すると、酸素含有ガスの水分含有量が1%を超えるとOHラジカル、HなどH系の生成物の生成が顕著になり、Oの生成が阻害されることが判明した。したがって、Oの生成効率を上げるためには酸素含有ガスの水分含有量を1%以下にすることが重要である。本実施の形態においては、図3に示すように、酸素含有ガス供給装置9に湿度調整器92を設けており、酸素含有ガスの水分含有量を1%以下としている。ただし、処理水に含まれるある種の難分解性物質を処理する場合、水中のO濃度よりもOHラジカル濃度のほうが圧倒的に重要な場合がある。その場合は、湿度調整器92で酸素含有ガスの水分含有量を10%程度まで上げた方がよいことがわかった。つまり、供給する酸素含有ガスの水分含有量を調整できる湿度調整器92は、処理対象物質の種類を広げるために重要である。プラズマ放電空間を通過しない酸素含有ガスの水分含有量がOの生成に影響を与えるという事実は、発明者が初めて発見したものである。
図5は、本実施の形態に係る別の酸素ラジカル供給装置の構成図である。図3に示す酸素ラジカル供給装置3においては、気液混合領域63の第2ガス供給口67に酸素含有ガス配管68を接続していた。図5に示す別の酸素ラジカル供給装置3においては、酸素含有ガス配管68を酸素ラジカル生成装置7の下流ガス配管73に接続したものである。酸素含有ガス配管68には、酸素含有ガス供給装置9が接続されている。
このように構成された酸素ラジカル供給装置3においても、酸素含有ガス供給装置9から気液混合領域63に不足するOを供給できるので、水処理性能を改善することができる。なお、図5に示す酸素ラジカル供給装置3においては、酸素ラジカル生成装置7の放電管72と気液混合領域63との間の距離が長くなるため、気液混合領域63の到達するOラジカルの濃度は低下する。しかしながら、図5に示す酸素ラジカル供給装置は、図3に示す酸素ラジカル供給装置よりも水−ガスエジェクタ6の構造が簡単になる。
図6は、本実施の形態に係る別の酸素ラジカル供給装置の構成図である。図6に示す別の酸素ラジカル供給装置3においては、放電管72が放電管内管72aと放電管外管72bとで構成されている。放電管内管72aと放電管外管72bとは同軸状に配置されている。コイル74は、放電管内管72aの内部にプラズマ放電空間を形成し、放電管内管72aと放電管外管72bとの間の空間にはプラズマ放電空間を形成しないように構成されている。放電管内管72aには、酸素ラジカル生成装置7から酸素ガスが供給される。放電管内管72aと放電管外管72bとの間の空間には酸素含有ガス供給装置9から酸素含有ガスが供給される。
このように構成された酸素ラジカル供給装置3においても、酸素含有ガス供給装置9から気液混合領域63に不足するOを供給できるので、水処理性能を改善することができる。なお、プラズマ放電空間への入力電力が大きくなると放電管内管72aが熱で破損する可能性がある。図6に示す酸素ラジカル供給装置において、放電管内管72aと放電管外管72bとの間に流れる酸素含有ガスは、放電管内管72aを冷却する作用を有する。そのため、酸素含有ガスで放電管内管72aの冷却が可能になり、放電管内管72aの熱による破損の可能性が低下する。
図7は、本実施の形態に係る別の酸素ラジカル供給装置の構成図である。図7に示す別の酸素ラジカル供給装置3においては、水−ガスエジェクタ6の供給口61に接続された処理水配管5に酸素含有ガス供給装置69を設けている。酸素含有ガス供給装置69は、例えば水中に空気の気泡を発生させる空気ポンプなどを用いることができる。酸素含有ガス供給装置69で処理水に酸素含有ガスを含ませることで、気液混合領域63に酸素含有ガスを供給することができる。なお、処理水中に大量の気泡が含まれると、高圧ポンプ4の性能が低下する場合があるので、酸素含有ガス供給装置69は高圧ポンプ4の下流側に設置されていることが望ましい。このように構成された酸素ラジカル供給装置3においても、酸素含有ガス供給装置69で気液混合領域63に不足するOを供給できるので、水処理性能を改善することができる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、実施の形態1で説明した酸素ラジカル供給装置において、放電の立ち上がり特性を改善したものである。図8に示すように、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、酸素ラジカル生成装置7の上流ガス配管71が斜め横方向からガスを導入するためのガス導入配管71aを備えたものである。図8の下の図には、ガス導入配管71aを備えた上流ガス配管71の断面図を示している。このガス導入配管71aには、酸素ガス供給装置8が接続されている。また、放電管72のガスの上流側の位置に、放電管72の外周に金属リング96を配置している。この金属リング96はコンデンサ97を介して接地電位に設定されている。さらに、酸素ガス供給装置8と並列に不活性ガス供給装置10を備えている。不活性ガス供給装置10は、例えば不活性ガスのアルゴンガスを貯蔵した不活性ガスタンク101、湿度調整器102、バルブ103、流量調整器104および逆止弁105を備えている。不活性ガス供給装置10は、ガス導入配管71aに不活性ガスを供給する。なお、不活性ガスとしては、アルゴンガス以外にヘリウムガスでもよい。
このように構成された酸素ラジカル供給装置3においては、ガス導入配管71aから導入された酸素ガスが螺旋状に回流しながら放電管72の内部を流れるため、誘導結合プラズマが点火し易くなる。このとき、図8の下の図に示すように、上流ガス配管71の中心軸に対して、ガス導入配管71aの中心軸の方向をずらしておくと、より効果的に螺旋流を発生させることができる。さらに、ガス導入配管71aの内径を上流ガス配管71の内径の1/2以下とすることで、ガス導入配管71aを通過する酸素ガスの流速を速くすることができる。そのため、放電管72のガス圧を低くすることができる。その結果、プラズマ放電の開始が容易となる。また、酸素ラジカル生成装置7の始動時に高電圧が印加されたコイル74と金属リング96との間で放電が発生する。この放電が主放電開始の種火となるため、酸素ラジカル生成装置7の始動が容易となる。ただし、種火放電にエネルギーが入り過ぎると主放電に供給されるエネルギーが不足する。コンデンサ97の容量を調整することで種火放電のエネルギー量を調整することができる。なお、金属リング96とコンデンサ97とに替えて、放電管72のガスの上流側の位置にテスラコイルを設けてもよい。このテスラコイルで種火を発生させる方法でも放電開始が容易になる。
また、酸素ガスは付着性ガスのため放電しにくい。一方、酸素ガスに比べてアルゴンガスおよびヘリウムガスなどの不活性ガスは放電し易い。図8に示したように、本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3は、不活性ガス供給装置10を備えており、起動時には不活性ガスを流して放電を開始させることができる。一旦放電が開始すると放電の維持は容易である。本実施の形態においては、不活性ガスを流して放電を開始した後は徐々に不活性ガスの流量を減らすと共に酸素ガスの流量を増やし、最終的には酸素ガスだけで放電するように制御することができる。このような方法で放電を開始することで、放電の立ち上がり特性を改善することができる。
なお、図8に示す酸素ラジカル供給装置3において、不活性ガスを使用せず、酸素ガスの流量を制御することで放電の立ち上がり特性を改善することもできる。酸素ガス供給装置8から酸素ラジカル生成装置7に供給する酸素ガスの流量を絞り、その状態でコイル74への電力の供給を開始する。そうすると放電管72内部のガス圧は低いため、放電開始が容易となる。放電が開始された後は酸素ガスの流量を徐々に増加させて放電管72内部のガス圧を上昇させて安定に放電を保持することができる。図9は、放電管72内部のガス圧と酸素ガスの流量との関係を示した特性図である。図9に示すように、酸素ガスの流量を絞って放電管72内部のガス圧が低い状態のときに放電を開始させ、その後酸素ガスの流量を徐々に増加させることで、放電管72内部のガス圧を上昇させて安定に放電を保持することができる。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る酸素ラジカル供給装置の構成図である。本実施の形態の酸素ラジカル供給装置は、実施の形態1で説明した酸素ラジカル供給装置において、酸素ラジカル生成装置7の下流ガス配管73にガスを減圧する減圧装置を設けたものである。図10に示すように、下流ガス配管73は、下流側の第1下流ガス配管73aと上流側の第2下流ガス配管73bとに分離されている。そして、第1下流ガス配管73aと第2下流ガス配管73bとの間に減圧装置73cが接続されている。減圧装置73cは、例えばダイヤフラムポンプを用いることができる。ダイヤフラムポンプを減圧装置73cとして用いる場合、放電管72で生成された酸素ラジカルによる腐食を防ぐために、ガスと接触する部材はフッ素樹脂などで構成されていることが望ましい。例えば、ガスとの接触部材を化学的に安定なPTFE、PFAなどのフッ素樹脂で構成することが望ましい。または、ガスと接触する部材の表面をこれらのフッ素樹脂でコーティングしておくことが望ましい。
実施の形態1で説明したように、気液混合領域63は、ノズル62から噴射された高速の処理水21のベンチュリー効果によって数kPaから50kPaの負圧状態になる。酸素ラジカル生成装置7の放電管72の内部のガス圧は、気液混合領域63のガス圧以下に設定することは困難である。なぜなら、放電管72の内部のガス圧の方が気液混合領域63のガス圧より低くなった場合、放電管72の内部で生成された酸素ラジカルが気液混合領域63へ送られなくなるからである。しかしながら、放電開始特性の観点からは、放電管72の内部のガス圧は低い方が放電開始時の点火が容易となると共に放電開始後の安定制御が容易となる。
本実施の形態の酸素ラジカル供給装置3においては、減圧装置73cを作動させて放電管72の内部のガス圧を1kPa程度に減圧する。その結果、放電開始が容易となると共に放電開始後の放電が安定する。さらに、放電電力密度が5W/cmでも十分に高濃度なOラジカルが生成できることも判明した。ただし、減圧装置73cを通過するときにOラジカルが失活するため、放電管72で生成されたOラジカルの利用効率はある程度低下する。
本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 水処理システム、2 処理水槽、3 酸素ラジカル供給装置、4 高圧ポンプ、5 処理水配管、6 水−ガスエジェクタ、7 酸素ラジカル生成装置、8 酸素ガス供給装置、9、69 酸素含有ガス供給装置、10 不活性ガス供給装置、21 処理水、22 排気ポート、23 オゾン分解処理装置、51、53、54 バルブ、52、55 流量調整器、61 供給口、62 ノズル、63 気液混合領域、64 ディフューザ、65 排出口、66 ガス供給口、67 第2ガス供給口、68 酸素含有ガス配管、71 上流ガス配管、72 放電管、72a 放電管内管、72b 放電管外管、73 下流ガス配管、73a 第1下流ガス配管、73b 第2下流ガス配管、73c 減圧装置、74 コイル、75 断熱外管、76 断熱材、77 交流電源、78 絞り、79、96 金属リング、81 酸素ガスタンク、82、92、102 湿度調整器、83、93、103 バルブ、84、94、104 流量調整器、85、95、105 逆止弁、97 コンデンサ、101 不活性ガスタンク。

Claims (17)

  1. 与えられた水に酸素ラジカルを供給した処理水を排出する酸素ラジカル供給装置において、
    前記水が供給される水供給部と、
    前記処理水を排出する水排出部と、
    前記水供給部から供給された前記水に対し、前記水供給部から前記水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から前記水供給部と前記水排出部との間で前記酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給部を有する酸素ラジカル供給機構と、
    水流方向における前記水供給部の下流側に配置してあり、前記水流方向の上流側から下流側に向けて縮径してあり、前記水供給部から供給された前記水を通過させるノズル部と、
    前記水流方向における前記ノズル部の下流側であって前記水排出部の上流側に配置してあり、前記水流方向の上流側から下流側に向けて拡径してあり、前記処理水が前記水排出部へ送られるディフューザ部と、
    前記水流方向おける前記ノズル部と前記ディフューザ部との間に位置し、前記ノズル部と前記ディフューザ部と前記酸素ラジカル供給部とに接続してある気液混合部とを備えることを特徴とする酸素ラジカル供給装置。
  2. 前記酸素ラジカル供給機構は、
    酸素が供給される酸素供給部と、
    前記酸素供給部により供給された前記酸素に放電を行って前記酸素ラジカルを生成する放電部と、
    前記放電部によって生成した前記酸素ラジカルを前記交差方向で前記水に供給する酸素ラジカル供給部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の酸素ラジカル供給装置。
  3. 前記放電部の前記酸素のガス圧が1kPaから50kPaであることを特徴とする請求項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  4. 前記放電部に入力される放電電力を前記放電部の体積で割った値である放電電力密度が10W/cm から3000W/cm の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の酸素ラジカル供給装置。
  5. 前記放電部の下流において、前記酸素ラジカルに酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部をさらに備えたことを特徴とする請求項2からのいずれか1項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  6. 前記放電部は、前記放電が行われる内管とこの内管の外側を覆う外管とで構成されており、前記酸素は前記内管を流れ、前記酸素含有ガスは前記内管と前記外管との間を流れることを特徴とする請求項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  7. 前記酸素含有ガス供給部は、前記酸素含有ガスの水分含有量を調整する湿度調整器をさらに備えたことを特徴とする請求項またはに記載の酸素ラジカル供給装置。
  8. 前記放電部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部をさらに備え、前記放電が開始されるときに前記不活性ガス供給部から前記不活性ガスが供給され、前記放電が発生した後に前記不活性ガスの供給が減らされ前記酸素の流量が増やされることを特徴とする請求項2からのいずれか1項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  9. 前記不活性ガス供給部は、前記不活性ガスの水分含有量を調整する湿度調整器をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  10. 前記放電部は、断熱外管で覆われていることを特徴とする請求項2からのいずれか1項に記載の酸素ラジカル供給装置。
  11. 与えられた水に酸素ラジカルを供給した処理水を排出する酸素ラジカル供給装置において、
    前記水が供給される水供給部と、
    前記処理水を排出する水排出部と、
    前記水供給部から供給された前記水に対し、前記水供給部から前記水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から前記水供給部と前記水排出部との間で前記酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給機構とを備えた酸素ラジカル供給装置であって、
    前記酸素ラジカル供給機構は、
    酸素が供給される酸素供給部と、
    前記酸素供給部により供給された前記酸素に放電を行って前記酸素ラジカルを生成する放電部と、
    前記放電部によって生成した前記酸素ラジカルを前記交差方向で前記水に供給する酸素ラジカル供給部とを備え、
    前記放電部の下流において、前記酸素ラジカルに酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部をさらに備えたことを特徴とする酸素ラジカル供給装置。
  12. 与えられた水に酸素ラジカルを供給した処理水を排出する酸素ラジカル供給装置において、
    前記水が供給される水供給部と、
    前記処理水を排出する水排出部と、
    前記水供給部から供給された前記水に対し、前記水供給部から前記水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から前記水供給部と前記水排出部との間で前記酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給機構とを備えた酸素ラジカル供給装置であって、
    前記酸素ラジカル供給機構は、
    酸素が供給される酸素供給部と、
    前記酸素供給部により供給された前記酸素に放電を行って前記酸素ラジカルを生成する放電部と、
    前記放電部によって生成した前記酸素ラジカルを前記交差方向で前記水に供給する酸素ラジカル供給部とを備え、
    前記放電部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部をさらに備え、前記放電が開始されるときに前記不活性ガス供給部から前記不活性ガスが供給され、前記放電が発生した後に前記不活性ガスの供給が減らされ前記酸素の流量が増やされることを特徴とする酸素ラジカル供給装置。
  13. 水供給部に与えられた水に酸素ラジカルを供給した処理水を水排出部から排出する酸素ラジカル供給方法において、
    前記水供給部に前記水が供給される水供給工程と、
    前記水排出部から前記処理水を排出する水排出工程と、
    前記水供給部から供給された前記水に対し、前記水供給部から前記水排出部に向かう水流方向と交差する交差方向から前記水供給部と前記水排出部との間前記酸素ラジカルを付加する酸素ラジカル供給工程とを備え、
    前記酸素ラジカル供給工程は、前記水流方向における前記水供給部の下流側に配置してあり、前記水流方向の上流側から下流側に向けて縮径してあり、前記水供給部から供給された前記水を通過させるノズル部と、前記水流方向における前記ノズル部の下流側であって前記水排出部の上流側に配置してあり、前記水流方向の上流側から下流側に向けて拡径してあり、前記処理水が前記水排出部へ送られるディフューザ部との間に位置する気液混合部前記酸素ラジカルを供給することを特徴とする酸素ラジカル供給方法。
  14. 前記酸素ラジカル供給工程は、
    酸素供給部に酸素を供給する酸素供給工程と、
    前記酸素供給部に供給された前記酸素に放電を行って前記酸素ラジカルを生成する放電工程とを備え
    前記放電工程によって生成した前記酸素ラジカルを前記交差方向で前記水に供給するとを特徴とする請求項13に記載の酸素ラジカル供給方法。
  15. 前記放電工程における前記酸素のガス圧が1kPaから50kPaであることを特徴とする請求項14に記載の酸素ラジカル供給方法。
  16. 前記放電工程における放電電力を放電体積で割った値である放電電力密度が10W/cm から3000W/cm の範囲であることを特徴とする請求項14または15に記載の酸素ラジカル供給方法。
  17. 前記放電工程における前記放電を開始するときの前記酸素のガス圧を1kPa以下とすることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の酸素ラジカル供給方法。
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