JP6817624B2 - 眼鏡レンズ製造システム - Google Patents
眼鏡レンズ製造システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6817624B2 JP6817624B2 JP2016231559A JP2016231559A JP6817624B2 JP 6817624 B2 JP6817624 B2 JP 6817624B2 JP 2016231559 A JP2016231559 A JP 2016231559A JP 2016231559 A JP2016231559 A JP 2016231559A JP 6817624 B2 JP6817624 B2 JP 6817624B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- lens
- spectacle lens
- shape
- data
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Eyeglasses (AREA)
Description
この製造装置では、外形が円形であるセミフィニッシュレンズにおける物体側の面や眼球側の面をNC(Numerical Control,数値制御)加工することで、球面度数(S度数)を始めとする処方値に適合した眼鏡レンズが製造される。製造された眼鏡レンズの外形は、眼鏡店等において、眼鏡枠に取り付けるため、円形の外形より小さい滴形等の玉型に加工される。
眼鏡枠に眼鏡レンズを入れて眼鏡を作製する場合、眼鏡枠のレンズを嵌める部分(リム)の形状が様々であり、又光学的機能の発揮のため眼鏡レンズの光学中心と装用者の瞳孔位置(アイポイント)が一致するかあるいはプリズムありの場合等においてアイポイントが眼鏡レンズの所定の位置に配置される必要があるところ、アイポイントは装用者にとって様々であることから、リム形状とアイポイントの情報を得て、外形が円形のレンズ(丸レンズ)を玉型に加工することとなっている。
しかし、眼鏡レンズは、円形の外形内における基材部分の全てが同一の眼鏡レンズ材料となるように製造されるため、眼鏡枠に入れるための外形の玉型加工に手間がかかるし、玉型加工時に円形から削られる部分が無駄になる。
そこで、下記特許文献2に記載された光学構造用の3次元プリンタを用い、外形が玉型であり物体側の面形状や眼球側の面形状が処方値に適合した眼鏡レンズを、紫外線(UV)により硬化するインクの液滴の堆積により形成することが考えられる。
即ち、UVで硬化する現実的なコストのインクにおいて、眼鏡レンズとして十分な透明性や透過率等(光学的性能)、あるいは強度や硬度や耐久性等(物理的性能)を硬化後に有するものが殆どない。又、現状噴射されるインク液滴がさほど微細ではなく、硬化後の物体側の面や眼球側の面等がざらつくので、これらの面等に研磨を施さないと眼鏡レンズとして用い得ないところ、硬化後において各種性能を保持しながらの十分な加工に耐えるインクが殆どない。
又、特許文献2の眼鏡レンズは、特許文献1のもののように丸レンズとなることなく玉型となるため、丸レンズを対象とする既存の設備をそのまま用いることができない。かような既存の設備として、例えばラボラトリー(ラボ)加工装置、二次加工装置、検査装置があり、二次加工装置として、例えば染色装置、ハードコート膜形成装置、蒸着装置、スパッタ装置がある。
そこで、本発明の目的は、面形状が精度良く得られ、玉型加工により無駄になる部分が少なくて玉型加工の手間が少なく、又丸レンズを対象とする既存の設備が有効利用される眼鏡レンズ製造システムを提供することにある。
請求項2に記載の発明は、上記発明にあって、前記眼鏡レンズの輪郭形状を示す輪郭形状データを取得する輪郭形状データ取得手段が設けられており、前記流動性樹脂吐出手段は、前記側周側モールドの内面の少なくとも一部を、前記輪郭形状データに応じた形状に形成することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記発明にあって、前記輪郭形状データは、発注者側コンピュータから送信されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記発明にあって、前記眼鏡レンズを入れる眼鏡枠のコバ形状を示すコバ形状データを取得するコバ形状データ取得手段が設けられており、前記流動性樹脂吐出手段は、前記側周側モールドの内面の少なくとも一部を、前記コバ形状データに応じた形状に形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記発明にあって、前記コバ形状データは、発注者側コンピュータから送信されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記発明にあって、前記側周側モールドは、前記被加工面を規定する被加工面規定面を含んでいることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上記発明にあって、前記仕上がり面側モールドは、ガラス製であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記発明にあって、前記眼鏡レンズ材料は、熱硬化性樹脂材料であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、上記発明にあって、前記流動性樹脂吐出手段は、3次元プリンタであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、上記発明にあって、前記流動性樹脂吐出手段は、樹脂吐出ディスペンサーであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、上記発明にあって、前記流動性樹脂を硬化させる硬化手段を有しており、前記流動性樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、前記硬化手段は、紫外線照射手段であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、上記発明にあって、前記流動性樹脂を硬化させる硬化手段を有しており、前記流動性樹脂は、熱硬化樹脂であり、前記硬化手段は、加熱手段であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、上記発明にあって、前記流動性樹脂は、吐出後における成分の変化により硬化する自然硬化樹脂であることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る眼鏡レンズ製造システム1は、玉型形状、あるいは丸レンズより玉型形状に近い形状を有するプラスチック製の眼鏡レンズGを製造するものであり、光学的に仕上げられた仕上がり面W1及び後に加工が施される被加工面WPを有するセミフィニッシュレンズMをモールド42で成型し、更に被加工面WPを加工(ラボ加工)して施工面W2とすることで(施工面加工手段)、両面が光学的に仕上げられた眼鏡レンズGを製造するものである。眼鏡レンズ製造システム1では、眼鏡レンズGの物体側の面が仕上がり面W1とされ、眼球側の面が施工面W2とされているが、その逆とされていても良く、即ち眼鏡レンズGの物体側の面が施工面W2とされ、眼球側の面が仕上がり面W1とされていても良い。
眼鏡レンズ製造システム1は、図1ないし図2に示されるように、眼鏡レンズGのメーカー(受注者側)に設置されるサーバコンピュータ(サーバ)2と、サーバ2とインターネット等を介して通信可能に接続されており、それぞれ発注者側に設置される複数の端末コンピュータ(端末)3を有している。サーバ2と各端末3の間では、処方データ4等が送受信される。各端末3は、発注者側コンピュータである。
尚、端末3は、1台であっても良い。又、端末3が省略されても良く、端末3の台数にかかわらずサーバ2に対して発注者側からファクシミリ等により得た処方データ4等が入力されるようにしても良い。端末3が省略された場合、サーバ2等が端末3の機能を担う。
サーバ2には、仕上がり面側モールド選定装置10と、流動性樹脂吐出手段としての3次元プリンタ11と、レンズ硬化手段としてのレンズ硬化装置12と、施工面加工手段としてのラボラトリー(ラボ)加工装置13と、染色装置14と、ハードコート(HC)膜形成装置15と、蒸着装置16と、検査装置17と、仕上げ加工装置18が、互いに通信可能に接続されている。尚、これらの内の少なくとも何れかは、省略されあるいは複数の装置に分離されても良いし、若しくはサーバ2と一体にされても良く、又これらの内の少なくとも2つは、互いに一体にされても良い。又、これら装置の少なくとも1つが複数設けられるようにする等、サーバ2を含めたこれら装置の個数の比率が様々に変更されて良い。更に、サーバ2が仕上がり面側モールド選定装置10と接続され、仕上がり面側モールド選定装置10が3次元プリンタ11と接続され、3次元プリンタ11がレンズ硬化装置12と接続され、レンズ硬化装置12がラボ加工装置13と接続され、ラボ加工装置13が染色装置14と接続され、染色装置14がHC膜形成装置15と接続され、HC膜形成装置15が蒸着装置16と接続され、蒸着装置16が検査装置17と接続され、検査装置17が仕上げ加工装置18と接続されるようにする等、サーバ2と直接又は間接にデータの送受信ができる他の接続形態とされても良い。加えて、これら装置の配置や前後関係は、検査装置17を最後とする等、上述のもの以外のものとされても良い。
仕上がり面側モールド21は、円盤状である(図3,図4参照)。仕上がり面側モールド21の一方の面は、セミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの仕上がり面W1を光学的に規定する仕上がり面規定面21aとなっている。仕上がり面側モールド選定データ23は、セミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの仕上がり面W1に対応する、仕上がり面側モールド21の仕上がり面規定面21aの特性値(カーブ値等)を示すものとなっている。
以下、説明の便宜のため、眼鏡レンズGを通常装用時のように立てた場合における横方向がX軸方向とされ、縦方向がY軸方向とされ、XY平面に垂直な方向(レンズの肉厚方向)がZ軸方向とされる。又、X軸方向において、眼鏡レンズGの物体側に立って向かって右方向が正の方向とされ、装用者にとって右方向はX軸の負の方向となる。更に、Y軸方向において、眼鏡レンズGの物体側に立って向かって上方向が正の方向とされ(装用者にとっても同様)、Z軸方向において、眼鏡レンズGの物体側に立って装用者への方向(物体側から眼球側への方向)が正の方向とされている。各種軸やその正方向の取り方は、適宜変更されて良い。
かような場合、仕上がり面側モールド21はXY平面に沿っており、Z軸正側の面が仕上がり面規定面21aとなっている。
被加工面側モールド31は、仕上がり面側モールド21の仕上がり面規定面21a側に配置されるものであり、セミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの側周の一部に加え、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPの全部を規定するものである。
被加工面側モールド31は、仕上がり面側モールド21側の面(物体側の面)の中央に窪み部31aを有する円盤状であり、物体側の面であって窪み部31aの外部の面は、仕上がり面規定面21aに沿っている。
又、窪み部31aの底面(窪み部31a内の物体側の面)は、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPを規定する被加工面規定面31bとなっている。
更に、窪み部31aの周面(窪み部31a内の底面と窪み部31a外の面の間の起立面)、即ち被加工面側モールド31の内面(径方向内方に位置し径方向に交わる面)は、セミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの側周の一部を規定する側周規定面31cとなっている。側周規定面31cは、その周囲より更に径方向外方に凹む溝状の凹部を有することがあり、即ち眼鏡レンズGの側周における眼鏡枠F取り付け用の取り付け部(ここでは側周において外方に突出するヤゲン)を規定する取り付け部規定面31dを有することがある。尚、取り付け部規定面31dは、省略されても良いし、周面において一周形成されていても良いし、一周の一部において形成されていても良いし、側周規定面31cの周囲より更に径方向外方に突出する(取り付け部が側周における溝である場合に対応する)ものであっても良い。
加えて、被加工面側モールド31は、窪み部31aの周面の一部から被加工面側モールド31の周面にかけて径方向に延びる通路である充填口Jを有している。充填口Jの接続部分を除く眼鏡レンズGの側周が、側周規定面31cにより規定される。充填口Jは、その形状が被加工面側モールド形状データ30に含まれるようにして、3次元プリンタ11により充填口Jの部分に樹脂が配置されないことで形成されても良いし、3次元プリンタ11若しくは他の装置又は独立した装置がドリル等の孔開け手段を有するようにして、充填口Jのない被加工面側モールド31の形成後に充填口Jが孔開け手段により形成されるようにしても良い。又、充填口Jは、セミフィニッシュレンズMにおけるY軸に沿う方向に代えて、X軸に沿う方向や、他の方向に向いていても良い。
尚、被加工面側モールド31は、セミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの側周の全部を規定しても良いし、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPの一部を規定していても良い。
接続手段36は、サーバ2の接続手段7と通信可能に接続されている。即ち、図1と図2の各記号「A」は、互いに接続されており、以下同様である。
液体定量吐出手段34では、被加工面側モールド形状データ30に基づいて定量された液体樹脂が、UV照射手段35によりUVを照射されつつ吐出され、硬化した液体樹脂の堆積物が、被加工面側モールド形状データ30に従った形状となって、被加工面側モールド31となる。
尚、3次元プリンタ11は、熱により硬化する液体樹脂を吐出するもの等を用いて良く、要するに液体定量吐出手段34により各種の形状データに基づいて液体(インク)が順次定量で吐出され堆積されると共に硬化手段(UV照射手段35や加熱手段)により硬化されるものであって良い。硬化手段による液体の硬化は、吐出時でも良いし、堆積時(付着時)でも良いし、吐出(堆積)時から所定時間経過後であっても良い。硬化手段は、3次元プリンタ11(流動性樹脂吐出手段)とは別の装置に配置されても良いし、別個の独立した装置として構成されても良い。又、3次元プリンタ11は、積層造形を行うもの(積層造形手段)であれば、液体を積層し硬化させるもの以外のものであっても良く、例えばテーブル上に層状に敷き詰めた金属粉末(固体)に対し形状データに基づいてレーザーを照射して照射部分のみを(例えば数十ミクロン程度の厚みで)溶融凝固させ、更にその上に金属粉末を層状に敷き詰めて同様にレーザーを照射し、適宜これらを(例えば数千回)繰り返すことで金属の構造物(被加工面側モールド31)を得る3次元金属積層造形装置であっても良い。更に、3次元プリンタ11は、液体を積層し硬化させるものと3次元金属積層造形装置を組み合わせたものであっても良い。加えて、液体樹脂は、粘性の高い樹脂等であっても良く、要するに流動性の有る樹脂である流動性樹脂が用いられれば良い。
又、被加工面側モールド形状データ30は、3次元形状を表すものであることが好ましいが、2次元形状を表すものであっても良く、後者の場合、縦横の形状を表すものとして、縦横に垂直な厚みについては一定肉厚等予め定められた分布を有するものとされて良い。
尚、被加工面側モールド31及びモールド42の少なくとも一方は、予め所定の形状毎に作成されていても良く、この場合において、被加工面側モールド形状データ30が事前に形成されたものの形状の種類を示すようにされ、これに従った形状のものが選択されるようにしても良い。あるいは、モールド42における仕上がり面側モールド21及び被加工面側モールド31をずれないように固定する粘着テープや容易に剥がせる接着剤等のモールド固定手段が設けられても良く、そのモールド固定手段は、仕上がり面側モールド選定装置10や3次元プリンタ11に設けられあるいは独立して設けられたモールド固定手段貼付装置によってモールド42に貼付されても良いし、手動で貼付されても良い。又、被加工面側モールド31が粘性や接着性を有するように(硬化後粘性や接着性を呈する材料で)形成され、仕上がり面側モールド21に対し固定されるようにしても良く、仕上がり面側モールド21が粘性や接着性を有するようにしても良い。更に、モールド42は、仕上がり面側モールド21及び被加工面側モールド31以外の部分を含んでいても良く、例えば被加工面側モールド31が被加工面規定面31bを備えず側周規定面31cを備えたドーナツ状であるようにした場合において、ドーナツ状の被加工面側モールド31のZ軸正側の面を塞ぐフィルムが含まれていても良い。この場合のフィルムにおけるZ軸負側の面が、被加工面規定面31bになる。又、この場合のフィルムに相当する部分は、3次元プリンタ11で別途形成されても良いし、予め板状に形成されている板状体が用いられても良い。板状体は、大きさや被加工面規定面31bの形状等に応じて複数種類用意され、被加工面側モールド形状データ30や板状体種類データ等によって選択されても良い。
樹脂材料充填手段43は、記憶手段48中のレンズ種類データ47で示される種類の眼鏡レンズ材料を選択して充填する。尚、樹脂材料充填手段43は、レンズ種類データ47を参照せず、常に所定の眼鏡レンズ材料を充填しても良い。
レンズ硬化手段44は例えばヒータを備えたチャンバであり、一部離型手段45は例えばロボットハンドであるが、仕上がり面側モールド21を離すこと(一部離型)は手動で行われても良い。尚、熱硬化性樹脂材料に代えて例えばUV硬化樹脂材料といった他のレンズ材料を用いても良く、熱硬化性樹脂に代えて例えばUV硬化樹脂といった他のプラスチックを用いても良い。
施工面形状データ50は、サーバ2により処方データ4から作成される。
研磨手段54は、例えばNC制御される砥石並びにチャック及びブロックピース59(図5(a)参照)であり、被加工面側モールド31付きのセミフィニッシュレンズMのZ軸正側の面(被加工面WP)を、施工面形状データ50に基づく形状になるように研磨する。即ち、図5(a)に示されるように、チャックに被加工面側モールド31付きのセミフィニッシュレンズMを適切に(研磨時の砥石との位置合わせがなされている位置に)保持させるため、被加工面側モールド31付きのセミフィニッシュレンズMの物体側の面に、その面のカーブに適合した接触面59aを有するブロックピース59を適切な位置(接着面とセミフィニッシュレンズMの中心が合致する位置)に接着する。そして、ブロックピース59を介して被加工面側モールド31付きのセミフィニッシュレンズMをチャックに保持させ、図5(b),(c)に示されるようにZ軸正側の面を研磨する。
この研磨により、Z軸正側の面として被加工面WPを有するセミフィニッシュレンズMは、Z軸正側の面として施工面W2を有する仕上げ前眼鏡レンズG’となり、被加工面側モールド31は、仕上げ前眼鏡レンズG’の側周を囲むリング状モールド31’となる。施工面W2は、研磨により創成されるから、光学的に正確である。尚、リング状モールド31’は、仕上げ前眼鏡レンズG’の側周を囲んでいれば良く、被加工面側モールド31のZ軸正側の面は、施工面形状データ50に基づかずに施工面W2の任意の延長面で研磨されても良い。施工面形状データ50は、施工面W2に係るデータを含んでいれば良く、被加工面側モールド31のZ軸正側の面に係るデータを含んでいなくても良い。施工面形状データ50は、所定間隔毎の各XY座標値(x,y)における研磨深さあるいは仕上げ前レンズG’の厚みを示すZ軸座標の値zの集合であっても良いし、中心を始めとする所定の点からのカーブを示すカーブ値であっても良い。
リング状モールド31’付きの仕上げ前眼鏡レンズG’は、以下丸レンズ体51とも称される。
染色手段62は、例えば染色液槽並びに丸レンズ体51を保持する治具68(図6参照)及びフック付き鋼線のリールであり、治具68をフックで吊り、鋼線の繰り出し量(フックの位置)をリールで制御して、丸レンズ体51を染色液槽に所定態様(所定時間や所定回数等)で浸す。染色手段62は、記憶手段60中のレンズ種類データ47に応じた染色液槽(色の種類等)が選択されるようにする。尚、染色液は、染料液でも顔料分散液(着色用液)でも良い。又、丸レンズ体51の治具68への取り付けや、治具68のフックへの取り付け、あるいは鋼線の繰り出し量の調節や、染色液槽の選択等は、手動で行われても良い。レンズ種類データ47が参照されることなく、常に同じ染色が施されるようにしても良い。レンズ種類データ47でなく、染色の種類を指定する専用のデータが用いられても良い。
治具68は、全体として二辺の延長された菱形状に曲げられた複数の鋼線の集合体であり、両端部にそれぞれ配置された丸レンズ体51の側周を掴む鉤部68aと、上部(中間部)に形成されたリング状のバネ部68bと、バネ部68bと鉤部68aの間において延びるく字状の腕部68cと、を備えている。各端部の鉤部68aは、腕部68cと交わるように前後に突出しており、治具68は前後に2枚の丸レンズ体51を保持することができる。一対の前の鉤部68aは、トーションバネとしてのバネ部68bの付勢力を、腕部68cを介して受けることで、丸レンズ体51を挟持し、一対の後の鉤部68aも、同様に丸レンズ体51を挟持する。バネ部68bは、上述のフックを受け入れる。一対の鉤部68aの間隔は、既存のものである場合、玉型加工前の従来の丸レンズの直径と同等、若しくは若干小さいものとされている。尚、治具68における丸レンズ体51の保持可能数(鉤部68aの数)や、治具68の形状ないし材質等は、様々に変更することができる。
尚、リング状モールド31’が存在するため、仕上げ前眼鏡レンズG’の側周の染色が妨げられることになるが、仕上げ前眼鏡レンズG’の仕上がり面W1及び施工面W2が染色されれば十分であり、側周が染色されなくても問題ない。又、リング状モールド31’は最終的に外されるので、染色されたとしても問題ない。
HC膜形成手段72は、例えばスピンコート機及びザル78(図7参照)の入る乾燥機であり、スピンコート機において、HC膜形成対象面を上にした状態でレンズ種類データ47に対応するHC液を滴下して丸レンズ体51を回転させ、HC液をHC膜形成対象面に行き渡らせた後(スピンコート法)、丸レンズ体51をザル78の受け入れ部78aにロボットハンドにより立てて入れ、ザル78を乾燥機に入れて室温より高い所定温度で加熱することで、HC膜が形成される。尚、レンズ種類データ47を参照せず、常に同じHC膜が形成されるようにしても良い。レンズ種類データ47でなく、HC膜の種類を指定する専用のデータが用いられても良い。又、HC液は、スピンコート法以外の手法(浸漬によるディップ法等)で塗布されても良い。
ザル78の受け入れ部78aは、丸レンズ体51が立った場合の左右を支持する一対の支持体78bにより形成される。尚、ザル78は、1個以上の丸レンズ体51を受け入れれば良い。又、HC液の選択ないし丸レンズ体51に対するHC液の滴下や、丸レンズ体51の回転、あるいは丸レンズ体51のザル78へのセットや、乾燥機への投入等は、手動で行われても良い。
尚、リング状モールド31’が存在するため、仕上げ前眼鏡レンズG’の側周へのHC膜の形成が妨げられることになるが、仕上げ前眼鏡レンズG’の仕上がり面W1及び施工面W2にHC膜が形成されれば十分であり、側周にHC膜が形成されなくても問題ない。又、リング状モールド31’は最終的に外されるので、HC膜が付与されたとしても問題ない。
蒸着手段82は、例えば真空チャンバ、及びこれに投入され丸レンズ体51を保持するレンズホルダ87(図8(a)参照)、並びに真空チャンバ内にセットされた複数の蒸着源から各蒸着材料を飛ばすための蒸着源作用手段(電子ビーム照射部)を有する蒸着装置であり、飛ばされた蒸着材料がレンズホルダ87における丸レンズ体51の表面に蒸着することで光学多層膜における一つの層が形成され、別の蒸着材料が同様に蒸着することで光学多層膜における別の層が形成される。各層の蒸着時間等により当該層の厚みが制御され、各種蒸着材料を飛ばす順番により光学多層膜における層の材質の順番が制御される。丸レンズ体51に形成する光学多層膜の種類(構成)は、レンズ種類データ47に応じたものとする。尚、レンズ種類データ47が参照されることなく、常に同じ光学多層膜が形成されるようにしても良い。レンズ種類データ47でなく、光学多層膜の種類を指定する専用のデータが用いられても良い。又、光学多層膜は、反射防止膜であっても良いし、帯電防止膜であっても良いし、青色光を始めとする所定波長域の光の反射率を高めて当該光をカットするフィルタ膜であっても良いし、防水膜や防汚膜、偏光膜、遮光膜、着色膜であっても良いし、これらの組合せであっても良い。光学多層膜は、何れか一方の片面に形成されても良いし、両面に形成されても良い。更に、蒸着手段82は、スパッタリングにより光学多層膜が形成されるスパッタ装置であっても良い。加えて、単層の膜が形成されても良い。
レンズホルダ87は、傘状のホルダ本体87aに、複数のレンズ保持孔87bが開けられることで形成されており、既存のレンズホルダ87におけるレンズ保持孔87bは、丸レンズを受け入れるように、円形に形成されている。尚、レンズホルダ87は、1個以上の丸レンズ体51を受け入れれば良い。又、蒸着装置の各種操作、即ちレンズホルダ87への丸レンズ体51のセット、レンズホルダ87の真空チャンバへの投入等は、手動で行われても良い。
尚、リング状モールド31’が存在するため、仕上げ前眼鏡レンズG’の側周への光学多層膜の形成が妨げられることになるが、仕上げ前眼鏡レンズG’の仕上がり面W1及び施工面W2に光学多層膜が形成されれば十分であり、側周に光学多層膜が形成されなくても問題ない。更に、リング状モールド31’は最終的に外されるので、光学多層膜が付与されたとしても問題ない。
又、ラボ加工(被加工面WPを施工面W2としてセミフィニッシュレンズMを仕上げ前眼鏡レンズG’とする加工)より後の加工、即ち染色装置14による染色、HC膜形成装置15によるHC膜の形成、及び蒸着装置16による光学多層膜の形成等は、まとめて二次加工と称されることがある。二次加工を行う二次加工装置の少なくとも何れかは、配置を変更されても良いし、省略されても良い。
検査手段92は、例えば丸レンズ体51のチャックと、これに保持された丸レンズ体51に各種の光線を照射する光線照射手段と、丸レンズ体51(仕上げ前眼鏡レンズG’)を透過しあるいは反射した光線に係る画像を取得する撮像手段と、その光線の状態ないし丸レンズ体51(仕上げ前眼鏡レンズG’)の状態を当該画像の解析により把握する解析手段と、を有しており、当該画像の仕上げ前眼鏡レンズG’部分に乱反射部分が存在して仕上げ前眼鏡レンズG’に異物が認められるものと解析された場合にその結果を検査結果としてディスプレイ等の報知手段等により報知したり、乱反射部分がない場合に異常が認められない旨報知したりする。あるいは、検査装置17は、処方データ4、仕上がり面側モールド選定データ23、レンズ種類データ47、及び施工面形状データ50の少なくとも何れかを参照し、仕上げ前眼鏡レンズG’が当該データに沿った特性を有しているか否かを検査する。尚、検査手段92による検査における各種の工程、即ち丸レンズ体51のチャックへの取り付け等は、手動で行われても良い。
既存の検査手段のチャックは、丸レンズの保持を前提とし、玉型あるいはこれに近い形状では自動検査のできる状態で保持することができないものがある。かようなチャックであっても、丸レンズ体51は保持可能である。
尚、丸レンズ体51においてリング状モールド31’が存在するが、検査領域を仕上げ前眼鏡レンズG’に限定したり、リング状モールド31’を透明体としたりすれば、検査を行うことができる。
離型手段101は、例えばロボットハンドであり、独立した装置とされても良いし、検査装置17等に配置されていても良い。仕上げ前眼鏡レンズG’は、リング状モールド31’から離れると、図9に示されるように、眼鏡レンズGに充填口J内の付加部分J’が付加された様子が顕わになる。
切削手段102は、例えばNC制御される砥石及びチャックであり、仕上げ前眼鏡レンズG’を、外形が輪郭形状データ32やコバ形状種類データ33に基づく形状になるように切削して、図10に示されるような眼鏡レンズGとなるようにする。即ち、切削手段102は、仕上げ前眼鏡レンズG’における付加部分J’を、輪郭形状データ32やコバ形状種類データ33に従って切除する。
尚、眼鏡レンズGを検査する検査装置17とは別の検査装置が設けられても良いし、検査装置17が省略されても良い。各種の検査や、仕上げ前眼鏡レンズG’の離型、仕上げ前眼鏡レンズG’のチャックへのセット、各種装置間におけるワークの搬送は、手動で行われても良い。
各端末3(接続手段113)には、処方データ4やコバ形状種類データ33を入力する入力手段116、及び輪郭形状データ32(特に左右を区別する場合装用者からみて左の輪郭形状データ32L,右の輪郭形状データ32Rとし以下同様)を入力する輪郭形状入力手段118が、サーバ2に対する3次元プリンタ11等と同様、それぞれ接続手段119,120を介して通信可能に接続されている。
処方データ4は、例えばS度数、乱視度数(C度数)、乱視軸、加入度、プリズム、コバ厚、瞳孔間距離である。尚、処方データ4は左右個別となっていることが好ましいが、適宜左右共通のものや単一のものを用いることができる。
コバ形状種類データ33は、眼鏡レンズGの側周の断面形状(コバ形状)がΛ字状(三角形状)に突出したヤゲン形状T(図11(a)参照)を有するのであればその突出高さや頂点の前面周縁からの距離に応じてT−1,T−2等とし、断面形状がU字状に凹んだ溝形状K(図11(b)参照)を有するのであればその深さや最深部の前面周縁からの距離に応じてK−1,K−2等とし、断面形状が平ら(平摺り)であればH−1,H−2等とする。例えば、コバ形状種類データ33は、T−1であれば、0.7mmの突出高さを有し、前面周縁から1.0mmの水平距離を有する位置に頂点を有するヤゲン形状を表し、コバ形状種類データ33は、K−1であれば、0.6mmの深さを有し、前面周縁から1.0mmの水平距離を有する位置に最深部を有する所定幅の溝の形状を表す。尚、コバ形状種類データ33は、コバ断面が台形状であるヤゲン形状等他の形状を示すものを含んでも良く、この場合、例えば台形状のヤゲン形状についてI−1,I−2等としても良いし、三角形状のヤゲンをT−a−1として台形状のヤゲン形状をT−b−1等としても良い。又、コバ形状種類データ33は、左右個別に取得されても良い。
レンズ種類データ47は、眼鏡レンズ材料の種類、及び染色(カラー)、HC膜、光学多層膜の有無や有る場合の種類を示す。尚、レンズ種類データ47の一部又は全部は、処方データ4に含められても良い。又、処方データ4やレンズ種類データ47の一部や全部は、省略されても良いし、他のデータに含められても良いし、別個のデータとして取り扱われても良い。
輪郭形状入力手段118は、例えば、眼鏡枠Fに係る左右のリム内周形状をプローブの走査により輪郭形状データ32としてデータ化する眼鏡枠トレーサである。眼鏡レンズGは、眼鏡枠Fのリムに取り付けるため、リム形状(リム内周形状)に対応する玉型に形成される。輪郭形状データ32は、眼鏡枠Fのリム内周形状に関する、所定の原点に対する所定数の座標取得点(例えば100点)のXY座標値の集合である。隣接する座標取得点は、原点あるいはその他の任意の点に対してそれぞれ等角度となるように選択される。又、輪郭形状データ32には、アイポイントE(XY平面上に投影した装用時の瞳孔位置,プリズムがある場合を除き眼鏡レンズGの光学中心Cに合致させる)の座標値が含まれる。輪郭形状データ32は、ヤゲン形状の頂点や溝形状の最深部や平摺り部の輪郭を表すものとして取得されるが、眼鏡レンズGの仕上がり面W1(あるいは施工面W2)の輪郭を表すものとして取得されても良い。
眼鏡レンズGの側周形状即ち玉型(眼鏡枠F装着時の外形)は、輪郭形状データ32で示される輪郭形状と、コバ形状種類データ33で示されるコバ形状(側周断面形状)により表される。リムレス(ツーポイント)のように輪状のリムのない眼鏡枠Fや、ナイロールのように眼鏡レンズGの取り付け前において輪状のリムのない眼鏡枠Fの場合、輪郭形状データ32は、所望の眼鏡レンズGの玉型を呈するダミーのリム(あるいはダミーの玉型レンズ)を眼鏡枠トレーサに走査させることで得て良い。又、輪状のリムの有無にかかわらず、輪郭形状データ32は、入力手段116や、図面に記載された形状を読み取るスキャナから入力されても良いし、既存のものを選択することで入力されても良い。輪郭形状データ32は、リム内周形状を表すデータに対し所定の演算を施すことで得ても良い。即ち、輪郭形状データ32は、眼鏡枠Fのリム形状に完全に合致しなくても良い。コバ形状種類データ33も、同様に眼鏡枠Fのリム形状に完全に合致しなくても良い。
尚、座標取得点は、隣接するものがそれぞれ等距離あるいは同じ形状長さとなるように選択されても良い。又、輪郭形状データ32は左右個別となっていることが好ましいが、一方のみが取得され、その取得されたデータを用いて他方の輪郭形状データ32がY軸に対称な形状として演算されるようにしても良い。更に、輪郭形状データ32はZ軸座標値も含む3次元の座標値の集合とされても良い。又更に、輪郭形状入力手段118でコバ形状種類データ33が検知されるようにしても良いし、コバ形状種類データ33に代えて、あるいはこれと共に、眼鏡枠トレーサでコバ形状に対応する眼鏡枠Fのリム形状(ヤゲンに対応する溝や溝に対応する突起等の形状)をデータ化することで得られたコバ形状データが用いられても良い。輪郭形状データ32とコバ形状種類データ33(あるいはコバ形状データ)とを共通化して、眼鏡レンズGの玉型を表す玉型データとしても良い。コバ形状種類データ33を省略し、既に決定された断面形状のコバに仕上げるようにしても良い。加えて、アイポイントEは、輪郭形状データ32ではなく、処方データ4等として取り扱われても良い。又、アイポイントEが座標取得点等の原点であるものとして処理されても良い。輪郭形状データ32等に係る演算の一部又は全部は、端末3において行われても良い。更に、眼鏡枠トレーサが(メーカーにおいて)サーバ2に接続され、眼鏡枠Fがサーバ2側(メーカー)に送られて眼鏡枠トレーサにセットされ、輪郭形状データ32がサーバ2に入力されるようにしても良い。
図12,図13は、眼鏡レンズ製造システム1の動作例に係るフローチャートである。図12,図13における円内の記号「D」は、互いに接続されている。
各装置の動作に関し、その制御手段の動作が、適宜その装置の動作として説明される。例えば、サーバ2の制御手段8の動作が、サーバ2の動作として適宜説明される。又以下では、処理のステップが適宜Sと記載される。ステップは、適宜同等の処理を行う他の1以上のステップに変更されて良いし、適宜順序が入れ替えられても良い。
眼鏡店を始めとする発注者側に配置された端末3は、入力手段116から処方データ4やコバ形状種類データ33、レンズ種類データ47を受信する(S1)。例えば、処方データ4としてS度数−3.00及びコバ厚5.0mmが入力され、コバ形状種類データ33としてT−1が入力され、レンズ種類データ47として眼鏡レンズ材料が高屈折率材料(チオウレタン樹脂)で、染色があり(ブラウン)、所定のHC膜や反射防止膜の付与がある旨が入力される。
又、輪郭形状入力手段118に眼鏡枠F等がセットされて輪郭形状データ32が取得され、端末3は輪郭形状データ32を受信する(S2)。例えば、輪郭形状データ32Rとして図10に示されるような形状を表すデータが入力される。
端末3は、処方データ4、輪郭形状データ32、コバ形状種類データ33、及びレンズ種類データ47の組を、他の組と区別するための識別記号を付したうえで記憶する。そして、端末3は、発注了承の入力を受けると、これらのデータや識別記号を、サーバ2に送信する(S3)。輪郭形状データ32を取得する端末3及び輪郭形状入力手段118並びにサーバ2の少なくとも何れかは輪郭形状データ取得手段を構成し、コバ形状種類データ33を取得する端末3及び入力手段116並びにサーバ2の少なくとも何れかはコバ形状データ取得手段を構成する。
そして、サーバ2は、処方データ4から、仕上がり面側モールド選定データ23を演算し、仕上がり面側モールド選定装置10へ送信する(S5)。例えば、S度数−3.00により、眼鏡レンズGの屈折率が1.60であること及び施工面W2の曲率半径を100.00mmとすることを前提として、仕上がり面規定面21aの曲率半径が200.00mmである仕上がり面側モールド21が選定される旨を示すデータを生成する。サーバ2は、S度数毎に、仕上がり面側モールド21の仕上がり面規定面21aの曲率半径と施工面W2の曲率半径の組をデータベースとして記憶しており、処方データ4のS度数に基づいてデータベースにアクセスして、仕上がり面側モールド選定データ23を得る。尚、仕上がり面側モールド選定データ23の演算の一部又は全部は、仕上がり面側モールド選定装置10で行われても良い。又、サーバ2は、レンズ種類データ47(眼鏡レンズ材料)で示される材料により眼鏡レンズGを作製した場合の屈折率を加味して、仕上がり面側モールド選定データ23を得ても良い。レンズ種類データ47(眼鏡レンズ材料)は、屈折率や透過率等の材料の性質を示すものとされても良い。又、レンズ種類データ47(眼鏡レンズ材料)は、処方データ4(S度数等)から演算されても良い。
又、サーバ2は、仕上がり面側モールド選定データ23の演算において、施工面W2の曲率半径に関する施工面形状データ50を上述のように共に得ることができ、その施工面形状データ50を、ラボ加工装置13へ送信する(S6)。
例えば、サーバ2は、被加工面側モールド形状データ30のベース形状データとして、コバ形状種類データ33に対応する断面形状の取り付け部規定面31dを含む、輪郭形状データ32に対応する側周規定面31cと、施工面W2に対して余裕のある被加工面規定面31bと、仕上がり面規定面21aに沿う窪み部31aの径方向外方の面と、仕上がり面側モールド選定データ23の側周面と同様の位置に配置される側周面と、被加工面規定面31bに対して所定量だけ眼球側にオフセットした眼球側の面と、を持つデータを演算する。当該ベース形状データには、アイポイントEも含まれる。尚、サーバ2は、S度数あるいは仕上がり面規定面21aの曲率半径と施工面W2の曲率半径を参照して、被加工面側モールド形状データ30のベース形状データを算出しても良いし、処方データ4中のコバ厚等の他のデータを参照してベース形状データを演算しても良い。
サーバ2は、コバ形状種類データ33がT−1であれば、そのヤゲン形状に合う取り付け部規定面31dを演算する。即ち、サーバ2は、取り付け部規定面31dのデータを、仕上がり面W1周縁から1.0mmの水平距離を有する位置に0.7mmの最深部を有するヤゲン溝の形状データを加味したものにする。
又、サーバ2は、レンズ種類データ47を、染色装置14、HC膜形成装置15、蒸着装置16に送信する(S8)。
更に、サーバ2は、処方データ4、仕上がり面側モールド選定データ23、レンズ種類データ47、及び施工面形状データ50を、検査装置17に送信する(S9)。
加えて、サーバ2は、輪郭形状データ32とコバ形状種類データ33を、仕上げ加工装置18に送信する(S10)。
尚、サーバ2で行われる演算の一部又は全部は、端末3を始めとする他の装置で行われても良い。
上記例示の仕上がり面側モールド選定データ23であれば、仕上がり面規定面21aの曲率半径が200.00mmである仕上がり面側モールド21が選定される。
3次元プリンタ11は、被加工面側モールド形状データ30を順次参照し、液体定量吐出手段34における走査と液体樹脂の吐出量を制御すると共に、UV照射手段35による液体樹脂に対するUVの照射を制御して、硬化した被加工面側モールド31を形成する。UVで硬化する液体樹脂として、例えばアクリレートを主成分とするもの(アクリレート系UV硬化樹脂)及びエポキシ樹脂を主成分とするもの(エポキシ系UV硬化樹脂)の内の少なくとも一方が用いられる。前者は、UV照射を停止すると直ちに硬化反応が停止するが、硬化前後における体積変化が比較的に大きく、硬化前の体積に比べて硬化後の体積が比較的に大きく収縮する。後者は、UV照射停止後においても硬化反応が継続するが、硬化前後における体積変化が比較的に小さく、硬化前の体積に比べ硬化後の体積はさほど収縮しない。かような複数種類のUV硬化樹脂は、モールドとして要求される精度や硬化速度(効率)等に応じたものを選び出して使用したり、精度や効率に応じ適宜混合して使用したりする。
尚、仕上がり面側モールド21及び被加工面側モールド31の結合、即ちモールド42の組み立ては、レンズ硬化装置12において行われても良い。又、3次元プリンタ11あるいは他の3次元プリンタは、仕上がり面側モールド選定データ23や処方データ4等に基づいて仕上がり面側モールド21の一部又は全部を形成しても良い。例えば、仕上がり面側モールド21の基体が用意され、その基体の後面に対し、S度数に合う仕上がり面規定面21aを有するUV硬化樹脂製の付加部分が形成されても良い。この場合、UV硬化樹脂製の付加部分を含む面は、研磨手段等によって仕上げ加工されても良い。あるいは、ガラス製等の被加工面側モールド31の基体が、そのストッカから選定され、被加工面側モールド形状データ30に応じ、3次元プリンタ11でUV硬化樹脂が堆積され付加部分が付加されることで、被加工面側モールド31が形成されるようにしても良い。被加工面側モールド31の基体は、1種類であっても良いし、複数種類存在しても良く、後者の場合に、被加工面側モールド形状データ30等に基づいて基体ストッカから選定されるようにしても良い。
即ち、まずレンズ硬化装置12の樹脂材料充填手段43が、モールド42のキャビティーに、熱硬化性の樹脂材料を充填する。樹脂材料充填手段43は、樹脂材料を、モールド42の充填口Jから充填する。樹脂材料充填手段43は、センサによりモールド42あるいは充填口Jと窪み部31aとの接続部分から樹脂材料が溢れることを把握して充填を終えても良いし、自身あるいはサーバ2等の他の装置で充填量を演算しておき、その充填量に達したら充填を終えても良い。又、レンズ硬化装置12は、仕上がり面側モールド21及び被加工面側モールド31が離れた状態でモールド42を受け取り、その状態で被加工面側モールド31の窪み部31aに樹脂材料を充填した後、仕上がり面側モールド21及び被加工面側モールド31を組み合わせるようにしても良く、この場合に充填口Jを省略しても良い。かように樹脂材料の充填後にモールド42の組み立てを完成させることで、側周に充填口Jが露出していなくてもモールド42内に樹脂を充填することができる。
従来の丸レンズは、本発明の被加工面側モールド31の窪み部31aの径方向外方部分にも樹脂材料を充填して形成されるに等しく、よって眼鏡レンズ製造システム1における樹脂材料の使用量は、従来の丸レンズの製造における使用量に比べ、大幅に低減される。又、樹脂材料は、3次元プリンタ11で使用可能である必要はなく、低コストのものから高性能のもの(硬化後に高屈折率を呈するもの等)まで幅広く使用することができ、眼鏡レンズGとして十分な性能を有するものを使用することができる。
続いて、一部離型手段45が、モールド42から被加工面側モールド31付きのセミフィニッシュレンズMを取り出す。例えば、一部離型手段45は、ロボットハンドにより、仕上がり面側モールド21から被加工面側モールド31付きセミフィニッシュレンズMを分離する。あるいは、一部離型手段45は、モールド42を洗浄用等の液槽に投入し、液槽(液中)内において液の作用で仕上がり面側モールド21から離れた被加工面側モールド31付きセミフィニッシュレンズMを取り出す。セミフィニッシュレンズMの仕上がり面W1は、仕上がり面側モールド21の仕上がり面規定面21aに従い、曲率半径が200.00mmであるものとして形成され、セミフィニッシュレンズMとなる部分の後面は、被加工面側モールド31の被加工面規定面31bに従い、被加工面WPとして形成される。仕上がり面側モールド21は回収され、適宜洗浄のうえで、仕上がり面側モールドストッカ22に戻される。
そして、レンズ硬化装置12は、取り出した被加工面側モールド31付きセミフィニッシュレンズMを、図示しない搬送手段によりラボ加工装置13に搬送する。レンズ硬化装置12の搬送手段は、被加工面側モールド31を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなるセミフィニッシュレンズMに接触することなく、セミフィニッシュレンズMを取り扱うことができる。
即ち、ラボ加工装置13は、被加工面側モールド31付きセミフィニッシュレンズMにブロックピース59を装着してチャックで固定し、研磨手段54によって被加工面WP(ないしその延長面)を研磨して、施工面形状データ50に従った施工面W2(ないしその延長面)を得る。被加工面側モールド31付きセミフィニッシュレンズMの外形は丸いので、丸レンズを前提としたブロックピース59も使用でき、ブロックピース59(接触面59a)は、セミフィニッシュレンズMからその径方向外方の被加工面側モールド31に亘り配置可能であって、しっかり固定される。尚、ラボ加工装置13は、ブロックピース59を使用せず、被加工面側モールド31部分をチャックにより固定して研磨しても良い。又、ラボ加工装置13は、セミフィニッシュレンズMのみを(正確に)研磨しても良い。
上述の例では、ラボ加工装置13は、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPを研磨して、曲率半径が100.00mmである施工面W2が形成された丸レンズ体51を作製する。
そして、ラボ加工装置13は、作製した丸レンズ体51を、図示しない搬送手段により染色装置14に搬送する。ラボ加工装置13の搬送手段は、丸レンズ体51のリング状モールド31’を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなる部分に接触することなく、セミフィニッシュレンズMを取り扱うことができる。
即ち、染色装置14は、丸レンズ体51に治具68を装着し、レンズ種類データ47に係るカラーの染色液槽に所定態様で浸漬する。
そして、染色装置14は、染色した丸レンズ体51を、図示しない搬送手段によりHC膜形成装置15に搬送する。HC膜形成装置15の搬送手段は、リング状モールド31’を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなる部分に接触することなく、丸レンズ体51を取り扱うことができる。
尚、染色が不要である場合、ラボ加工装置13は、染色装置14に丸レンズ体51を搬送しなくても良い。
即ち、HC膜形成装置15は、レンズ種類データ47に応じた種類のHC液を塗布した丸レンズ体51をザル78に入れて乾燥機に所定態様で投入する。
そして、HC膜形成装置15は、HC膜を形成した丸レンズ体51を、図示しない搬送手段により蒸着装置16に搬送する。HC膜形成装置15の搬送手段は、リング状モールド31’を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなる部分に接触することなく、丸レンズ体51を取り扱うことができる。
尚、HC膜の形成が不要である場合、染色装置14等は、HC膜形成装置15に丸レンズ体51を搬送しなくても良い。
即ち、蒸着装置16は、レンズホルダ87により保持された丸レンズ体51の表面に対し、レンズ種類データ47で指定された層構成となるように選択された蒸着材料や蒸着時間において光学多層膜を形成する。
そして、蒸着装置16は、光学多層膜を形成した丸レンズ体51を、図示しない搬送手段により検査装置17に搬送する。蒸着装置16の搬送手段は、リング状モールド31’を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなる部分に接触することなく、丸レンズ体51を取り扱うことができる。
尚、光学多層膜の形成が不要である場合、HC膜形成装置15等は、蒸着装置16に丸レンズ体51を搬送しなくても良い。
即ち、検査装置17は、チャックに保持された丸レンズ体51の画像を取得して、当該画像に異物等が存在するか否かを解析する。
そして、検査装置17は、検査した丸レンズ体51を、図示しない搬送手段により仕上げ加工装置18に搬送する。検査装置17の搬送手段は、リング状モールド31’を掴むことで、後で眼鏡レンズGとなる部分に接触することなく、丸レンズ体51を取り扱うことができる。
尚、仕上げ加工前の検査が不要である場合、蒸着装置16等は、検査装置17に丸レンズ体51を搬送しなくても良い。
即ち、仕上げ加工装置18は、離型手段101により取り出した仕上げ前眼鏡レンズG’の付加部分J’を、切削手段102により輪郭形状データ32及びコバ形状種類データ33に基づいて切り離して、処方データ4(S度数等)や輪郭形状データ32(アイポイントEを含む)、コバ形状種類データ33やレンズ種類データ47、施工面形状データ50に従った眼鏡レンズGを作製する。
仕上げ加工装置18は、切削手段102の砥石としてコバ形状種類データ33に係るコバ形状に対応する砥石面を有するものを選択し、切り離すラインが輪郭形状データ32に合致したものとなるように切削手段102の砥石が移動される。尚、仕上げ加工装置18は、砥石面の形状で付加部分J’の側周を形成せず、予め演算したコバ形状データに基づく3次元NC制御切削によって側周を形成しても良いし、輪郭形状データ32より大きめにカットをし若しくは荒削りをしてから側周を形成しても良い。又、仕上げ加工装置18は、付加部分J’の接続部以外の側周部分等を切削しあるいは研磨しても良い。
尚、図14に示されるように、サーバ2は、被加工面側モールド形状データ30として、窪み部131aの側周が輪郭形状データ32から所定距離以上離れた最小の楕円筒面131e(円筒面等でも良い)となるものを演算し、3次元プリンタ11は、楕円柱状の窪み部131aを有する被加工面側モールド131を形成すると共に、これと仕上がり面側モールド21と組み合わせてモールド142を形成し、レンズ硬化装置12は、以後モールド42と同様に扱われるモールド142によって、側周が楕円筒面131eに従っているセミフィニッシュレンズMを硬化し、仕上げ加工装置18は、輪郭形状データ32及びコバ形状種類データ33に従い、側周が楕円筒面131eに従っている仕上げ前眼鏡レンズG’を切削して、眼鏡レンズGを製造しても良い。この場合、窪み部131aは、被加工面規定面31bと同様の被加工面規定面131bを有する。又、リング状モールドは楕円状の中央孔を有することとなるところ、リング状モールドが眼鏡レンズGとなる部分に触れずに取り扱える取り扱い部となって取り扱い易いし、そのリング状モールドを備えた丸レンズ体により外形が丸いレンズを対象とする装置にそのまま投入することができるし、眼鏡レンズ材料の使用量が低減されるし、全体が眼鏡レンズ材料からなる丸レンズを仕上げ切削(玉型加工)する場合に比較して切削の効率が良好である。更に、被加工面側モールド131の窪み部131aの側周が楕円筒面131eとなるので、演算量が比較的に少なくて済む。又更に、被加工面側モールド形状データ30は所定種類のみ用意されるものとし、サーバ2は輪郭形状データ32に係る形状の全体を含み得る(最小の)種類の被加工面側モールド形状データ30を選択するようにして良い。
又、充填口J経由で眼鏡レンズ材料を充填しない場合に、被加工面側モールド形状データ30が輪郭形状データ32(及びコバ形状種類データ33)で表される眼鏡レンズGの側周に一致する側周規定面31cを生成するようにして、眼鏡レンズGが玉型で硬化するようにし、仕上げ加工の全部を省略するようにして良い。あるいは、仕上げ加工装置18は、発注者側に設置されても良いし、省略されても良い。
更に、図8(b)において二点鎖線で示されるように、側周が矩形状であるリング状モールド31s’が形成されるようにしても良い。この場合、サーバ2は、被加工面側モールド形状データ30として、その側周が矩形状となる(と共に上述の窪み部31aを有する)ものを演算し、3次元プリンタ11は、外形が矩形状である被加工面側モールドを形成し、ラボ加工装置13は、外形が矩形状であるリング状モールド31’付きの仕上げ前眼鏡レンズを形成する。この場合であっても、仕上げ前眼鏡レンズから眼鏡レンズGを製造することができる。そして、外形が円形であることを前提とする装置にそのまま矩形状のリング状モールド31s’を投入することはできないものの、一度矩形状のリング状モールド31s’のための治具等を作製すれば、同スペースに丸レンズ体51より多くの矩形状リング状モールド31s’が配置可能である等、新たなメリットが得られることとなる。例えば、図8(b)に示されるように、レンズホルダ87において、およそ3個の丸レンズ体51の配置スペース(3個のレンズ保持孔87b及びその周辺部)に、4個の矩形状リング状モールド31s’が配置可能となる。尚、リング状モールド31’の側周は、楕円形状や多角形状等の、円形ないし矩形以外の形状とされても良い。
発注側等においては、対応する眼鏡枠Fに眼鏡レンズGを入れ、眼鏡を完成させる。
眼鏡レンズ製造システム1は、かような動作を識別記号毎に適宜繰り返す(Return To START)。尚、眼鏡レンズ製造システム1は、所定の眼鏡レンズGの在庫を確保する等の場合において、識別記号や輪郭形状データ32等を得ずにこれらを製造して良く、この場合において、モールド42の一部や全部を、適宜洗浄のうえで再利用しても良い。
以上の眼鏡レンズ製造システム1は、硬化前の眼鏡レンズ材料を充填するモールド42と、モールド42内で眼鏡レンズ材料を硬化させて眼鏡レンズGの基となるセミフィニッシュレンズMを形成するレンズ硬化装置12と、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPを施工面W2とするように加工するラボ加工装置13と、硬化可能な流動性樹脂を吐出する3次元プリンタ11と、を備えており、モールド42は、セミフィニッシュレンズMの仕上がり面W1を規定する仕上がり面側モールド21と、セミフィニッシュレンズMの側周及び被加工面WPを規定する被加工面側モールド31と、を有しており、3次元プリンタ11は、被加工面側モールド31を、流動性樹脂を吐出して形成する。
よって、眼鏡レンズGは、任意形状の被加工面側モールド31を含むモールド42に従って形成され、直接3次元プリンタで形成される場合に比べ、3次元プリンタで使用可能なレンズ材料を用いるという制約がないために光学的性能や物理的性能がより良好な状態で形成される。現状、3次元プリンタにおいて現実的コストで使用可能なレンズ材料から形成された任意形状の眼鏡レンズGでは、十分な(現状の一般的な眼鏡レンズと同等以上の)光学的性能や物理的性能を具備させることができない。これに対し、眼鏡レンズ製造システム1では、3次元プリンタ11が被加工面側モールド31の形成に用いられ、被加工面側モールド31を含むモールド42により規定されたセミフィニッシュレンズMに適宜仕上げ加工を施すことで、任意形状の眼鏡レンズGが、十分な光学的性能や物理的性能を具備する状態で作製される。特に、眼鏡レンズGの仕上がり面W1は仕上がり面側モールド21で規定され、光学的に十分に仕上げられるし、眼鏡レンズGの施工面W2はラボ加工装置13により被加工面WPを加工することで創成され、やはり光学的に十分に仕上げられる。
そして、セミフィニッシュレンズM(仕上げ前眼鏡レンズG’)は、被加工面側モールド31(リング状モールド31’)付きで取り扱われ(丸レンズ体51)、丸レンズを対象とした各種の装置にそのまま投入することができて、既存の設備の有効利用が可能となる。
又、従来の丸レンズと比べ、リング状モールド31’の分、眼鏡レンズ材料や仕上げ加工の手間が節約され、眼鏡レンズ製造システム1は、コスト面や環境面で有利なものとなる。
よって、眼鏡レンズGの外形が眼鏡枠Fのリム形状等に応じた所望の形状に形成され、眼鏡レンズ材料の使用量やセミフィニッシュレンズMの加工量が低減する。
よって、発注者から眼鏡枠Fそのものを受領することなく、リム形状等に応じた形状の眼鏡レンズGが作製される。
よって、眼鏡レンズG(仕上げ前眼鏡レンズG’,セミフィニッシュレンズM)が、ヤゲン形状や溝形状等のコバ形状を有する状態で、モールド42によって形成される。
よって、発注者から眼鏡枠Fそのものを受領することなく、所望のコバ形状を有する眼鏡レンズGが作製される。
よって、側周と比較して光学的に重要な眼鏡レンズGの仕上がり面W1が、十分に平滑に形成される。又、仕上がり面側モールド21が繰り返し使用可能であり、コストが低減される。
よって、光学的性能や物理的性能に優れ取り扱い易く、又モールド42に流し込み易くモールド42内で硬化させ易い等、製造管理の容易な熱硬化性樹脂製の眼鏡レンズGが製造される。
よって、被加工面側モールド31は、容易に形成される。特に、レンズ硬化装置12が眼鏡レンズ材料をモールド42に入れて加熱により硬化させてセミフィニッシュレンズMを作製する場合、被加工面側モールド31を加熱せずに硬化可能とすることができ、被加工面側モールド31が加熱された場合に想定される、レンズ材料充填中に硬化が開始してしまう等の悪影響が防止される。
尚、液体樹脂が熱硬化樹脂であって加熱による硬化(硬化手段は加熱手段である)により被加工面側モールド31が作製され、更にレンズ硬化装置12が眼鏡レンズ材料をモールド42に入れて加熱により硬化させてセミフィニッシュレンズMを作製する(レンズ硬化手段も加熱手段である)場合であっても、被加工面側モールド31の硬化温度より眼鏡レンズ材料の硬化温度が高ければ、被加工面側モールド31は、上述の悪影響を回避した状態で、作製により予熱されることになり、被加工面側モールド31を用いたレンズ材料の硬化の効率が良好になる。
又、液体樹脂は、吐出後における成分の変化により硬化する自然硬化樹脂であっても良い。例えば、自然硬化樹脂は、吐出後において空気中の成分(水分や酸素等)と反応して硬化する瞬間接着剤やコーキング剤等の樹脂であっても良いし、吐出後において溶媒(水分や炭化水素等)等の一部の成分が自然に離脱(蒸発等)して溶質等の残余部分が硬化する乾燥硬化型の樹脂であっても良い。この場合、UV照射手段35や加熱手段が省略可能であり、構成がよりシンプルになる。
あるいは、液体樹脂は、吐出後において特定成分(水や硬化用樹脂等)を導入してその特定成分を混合させあるいは付着させることにより硬化する混合硬化型の樹脂であっても良い。この場合、硬化手段は、特定成分を導入する(混合させあるいは付着させる)硬化用成分導入手段である。
液体樹脂(流動性樹脂)の硬化は、表面のみ硬化し、内部が硬化しないものであっても良い。
即ち、図15(a)に示されるように、3次元プリンタ11は、仕上がり面側モールド21の仕上がり面W1上に、側周側モールド231を形成する。側周側モールド231自体は、リング状(ドーナツ状)となる。
仕上がり面側モールド21の仕上がり面W1上に形成された側周側モールド231は、施工面W2より上方において、上方に開放する開口部J2を有している。又、側周側モールド231は、側周規定面31cと同様にセミフィニッシュレンズMないし眼鏡レンズGの側周の一部を規定するように形成され、更に開口部J2まで延びるように形成された側周規定面231cと、取り付け部規定面31dと、を有している。
かように形成された側周側モールド231内には、図15(b)に示されるように、レンズ硬化装置12の樹脂材料充填手段43により、開口部J2を通じて、樹脂材料が充填される。尚、充填後、開口部J2の上側に、樹脂材料(セミフィニッシュレンズM)の少なくとも一部を覆う保護モールドCVが(ロボットハンド等の保護モールド配置手段により)配置されても良い。保護モールドCVに近い側のセミフィニッシュレンズMの面は、被加工面WPとなり、後で加工されるので、保護モールドCVは、光学面を仕上げる程度のもの(例えばガラス厚板)である必要はなく、簡易的なもの(例えばガラス薄板や樹脂シート)であっても良い。
そして、レンズ硬化装置12のレンズ硬化手段44によって樹脂材料が硬化され、更に図15(c)に示されるように、一部離型手段45により、仕上がり面側モールド21(及び保護モールドCV)が離型される。
次いで、図15(d)に示されるように、離型により得られた側周側モールド231付きのセミフィニッシュレンズMが、仕上がり面W1に対してブロックピース59を付けられた上で、ラボ加工装置13においてラボ加工され、図15(e)に示されるような丸レンズ体51が得られることとなる。尚、側周側モールド231付きのセミフィニッシュレンズMが保護モールドCVの付いた状態でラボ加工装置13に導入され、ラボ加工によって保護モールドCVが離型されるようにしても良い。
尚、3次元プリンタは、流動性樹脂を堆積可能なものであるのに対し、ディスペンサーは、流動性樹脂を堆積させずに吐出するものである。
流動性樹脂吐出手段としてのディスペンサー211は、UVで硬化する粘性の高い流動性樹脂である粘性樹脂をUVの照射により硬化させて側周側モールド形状データ230に基づく形状の側周部分を備えた被加工面側モールド131を形成するものである。
ディスペンサー211は、粘性樹脂吐出手段234と、UV照射手段35と、接続手段36と、各種のデータやプログラムを記憶する記憶手段37と、仕上がり面側モールド21に対して被加工面側モールド131を固定する固定手段239と、これらを制御する制御手段238を有している。
被加工面側モールド131は、図14の被加工面側モールド131と同様の形状を有しており、全て3次元プリンタ11で形成される場合と異なり、被加工面規定面131bを有する予め形成された板状体(フィルムでも良い)に対し、ディスペンサー211で窪み部131aの径方向外方の側周部分(リング状モールド部分)を付加して形成される。側周部分の形状は、側周側モールド形状データ230により表される。板状体は、被加工面側モールド131における、被加工面規定面131bよりZ軸正側の部分を占め、仕上がり面側モールド21と同様の外形を有する。
粘性樹脂吐出手段234は、側周側モールド形状データ230に基づいて被加工面側モールド131の側周部分の形状に沿って粘性樹脂を吐出する。粘性樹脂吐出手段234は、粘性樹脂の上に更に粘性樹脂を載せることはせず、粘性樹脂を堆積させない。粘性樹脂吐出手段234は、粘性樹脂を、側周側モールド形状データ230における最も大きい厚み以上の高さを有する状態で吐出する。粘性樹脂は、粘性樹脂吐出手段234により吐出可能であり、又吐出後の形状変化が重力以外の外力のない場合にほぼ起こらない程度の粘性を有している。
ディスペンサー211には、被加工面規定面131bを上にした状態で板状体(ベース)が導入され、被加工面規定面131bの上方に粘性樹脂吐出手段234のノズルが配置される。そして、制御手段238により、粘性樹脂吐出手段234のノズルが、粘性樹脂を吐出しながら側周側モールド形状データ230に基づいて板状体に対して相対的に移動され、粘性樹脂吐出手段234は、板状体の被加工面規定面131b(の径方向外方の延長面)に対し、粘性樹脂を、側周側モールド形状データ230に従った形状で置いて行く。ここでは、粘性樹脂吐出手段234のノズルは、図14における楕円筒状の窪み部131aの径方向外方部分に粘性樹脂を置いて行く。
尚、粘性樹脂吐出手段234における吐出量(吐出速度)の制御や移動速度の制御により、粘性樹脂吐出手段234は、側周側モールド形状データ230の厚み(高さ)に(ある程度)応じるように粘性樹脂を吐出しても良い。又、粘性樹脂として、シリコンコーキング剤を始めとするコーキング剤等の粘性のある自然硬化樹脂が用いられても良い。
固定手段239としては、仕上がり面側モールド21に対する被加工面側モールド131(の板状体)の相対的な位置を調整する図示されない位置調整手段(ロボットアーム等)と、仕上がり面側モールド21ないし被加工面側モールド131に亘り貼り付けられてこれらを支持する支持手段(ガスケットや重合テープ等)の組合せが例示される。
尚、支持手段は、貼り付け以外によって支持するものであっても良く、仕上がり面側モールド21又は被加工面側モールド131の何れか一方を支持するものであっても良い。又、支持手段が省略され、被加工面側モールド131の側周部分における粘性樹脂の粘性によって、被加工面側モールド131が仕上がり面側モールド21に対し付着されても良い。更に、側周側モールド形状データ230における厚みを超えた高さで置かれた粘性樹脂の部分は、板状体から所定距離で固定された仕上がり面側モールド21によって押し潰されて変形されるところ、その変形(特に内方への変形)が考慮された(内方への変形分拡大された)側周側モールド形状データ230をサーバ2が生成するようにしても良いし、サーバ2が変形を考慮せず生成した側周側モールド形状データ230を、ディスペンサー211が変形を考慮したものに変換するようにしても良い。又、粘性樹脂に係る内方への見込みの変形分に対し余裕をとって拡大された側周側モールド形状データ230に従って粘性樹脂を置いて行き、仕上げ加工装置18で余裕分を切削するようにしても良い。
尚、粘性樹脂の粘度は、硬化前においても仕上がり面側モールド21の仕上がり面規定面21a又は板状体上で形状を保持し易くする観点から、好ましくは50万mPa・s(ミリパスカル秒)以上とされ、より好ましくは100万mPa・s以上とされる。但し、粘性樹脂の粘度は、吐出可能であるものであることが前提となっており、好ましくは吐出の容易性と前述の形状保持容易性との兼ね合いで決定されるものである。又、粘性樹脂は、熱により硬化するものであっても良いし、熱及びUV照射により硬化するものであっても良い。
更に、側周側モールド形状データ230は、厚み以外の2次元のものとされても良く、2次元の側周側モールド形状データ230に付属して、あるいは側周側モールド形状データ230とは別に、処方データ4から得られるセミフィニッシュレンズMの厚みに応じた仕上がり面側モールド21と板状体の距離のデータである距離データが設けられても良い。この場合、距離データは、予定されるセミフィニッシュレンズMの中心厚に応じた、仕上がり面側モールド21の中心と板状体の中心の間の距離に係るものであっても良いし、予定されるセミフィニッシュレンズMの縁(コバ)厚に応じた、粘性樹脂内側(窪み部131a)における距離に係るものであっても良いし、予定されるセミフィニッシュレンズMの厚みを確保した際に発生する仕上がり面側モールド21の縁と板状体の縁の間の距離に係るものであっても良いし、これらの組合せであっても良い。距離データは、サーバ2で演算されたものを受信しても良いし、ディスペンサー211において算出しても良い。尚、セミフィニッシュレンズMの被加工面WPを、厚みを減ずるように加工して施工面W2とすることからすれば、セミフィニッシュレンズMの厚みの精度には余裕があることになり、その余裕の分、板状体と仕上がり面側モールド21の間の距離に係る制御の精度に余裕を持たせても良いし、その余裕を見越して当該距離の制御を行わないようにしても良い。
あるいは、仕上がり面側モールド選定装置10が仕上がり面側モールド21に加えて板状体を選定してディスペンサー211に送るようにし、ディスペンサー211は受け取った板状体を用いるようにしても良い。板状体は、仕上がり面側モールド21に合わせて円形以外の外形を有していても良く、ベースは、板状体以外の形状を有していても良い。
又更に、仕上がり面側モールド21は、粘性樹脂の硬化後(被加工面側モールド31の形成後)に組み合わせられても良い。又、粘性樹脂は、仕上がり面側モールド21の仕上がり面W1に吐出されても良い。加えて、粘性樹脂の硬化後、レンズ硬化装置12へ搬送する前やレンズ硬化装置12へ搬送された後において、固定手段239の支持手段は取り外されても良い。
よって、3次元プリンタ11が用いられる場合と同様に、眼鏡レンズ材料の使用量や加工の労力や環境への負担が低減された状態で、光学的に優れた眼鏡レンズGが製造される。そして、セミフィニッシュレンズMは、外形が円形である被加工面側モールド131(リング状モールド)付きで取り扱われ、丸レンズを対象とした各種の装置にそのまま投入することができて、既存の設備の有効利用が可能となる。
尚、ディスペンサー211は、3次元プリンタ11に比べ、液体樹脂を堆積(積層)させて被加工面側モールドを形成しない点で精度が比較的に低くなるものの、下層の硬化工程やその下層へ液体樹脂を盛る積層工程が省略されるために被加工面側モールドの製造時間が比較的に短い。ここで精度について詳述すると、ディスペンサー211が用いられる場合において、板状体に対して仕上がり面側モールド21を所定の距離で相対的に固定する固定手段239が設けられたり、被加工面WPが施工面W2とされたりすること等により、光学的に最も重要な高さ方向(Z軸方向)の形状の精度は担保可能であるものの、仕上がり面側モールド21の押し付け等によって粘性樹脂のX軸方向やY軸方向における変形が発生し得ること等により、X軸方向やY軸方向の精度が比較的に低くなるものである。尚、ディスペンサー211における比較的に低い精度は、仕上げ切削によりカバーすることが可能である。
又、特にカーブの深い眼鏡レンズGを製造する場合、被加工面側モールド31(窪み部31a)に高低差があることになるところ、一般に3次元プリンタ11ではノズルが基本的に平行移動するために大きな高低差の制御が比較的に難しく、制御や製造に比較的に手間がかかるところ、ディスペンサー211では一般に樹脂の堆積のための平行移動の制約がなく、必要量の液体樹脂を堆積させずに吐出すれば良いので、高低差がある場合であっても制御や製造が比較的に容易である。
更に、板状体に対し仕上がり面側モールド21を相対的に所定の距離で固定する固定手段239が設けられているため、ディスペンサー211から吐出された粘性樹脂における板状体上での高さが本来の高さ(被加工面側モールド31の側周部分として有すべき高さ)からある程度離れていたとしても、固定手段239による仕上がり面側モールド21の配置時に粘性樹脂を本来の高さに合わせることができ、所望する光学性能を発揮させるために重要なセミフィニッシュレンズMの厚みが確実に適切なものとなるモールド142を、より容易に形成することができる。
Claims (13)
- 硬化前の眼鏡レンズ材料を充填するモールドと、
前記モールド内で前記眼鏡レンズ材料を硬化させて眼鏡レンズの基となるセミフィニッシュレンズを形成するレンズ硬化手段と、
前記セミフィニッシュレンズの被加工面を施工面とするように加工する施工面加工手段と、
硬化可能な流動性樹脂を吐出する流動性樹脂吐出手段と、
を備えており、
前記モールドは、前記セミフィニッシュレンズの仕上がり面を規定する仕上がり面側モールドと、前記セミフィニッシュレンズの少なくとも側周を規定する側周側モールドと、を有しており、
前記流動性樹脂吐出手段は、前記側周側モールドを、前記流動性樹脂を吐出して形成し、
前記施工面加工手段は、前記側周側モールドが付いた前記セミフィニッシュレンズを加工する
ことを特徴とする眼鏡レンズ製造システム。 - 前記眼鏡レンズの輪郭形状を示す輪郭形状データを取得する輪郭形状データ取得手段が設けられており、
前記流動性樹脂吐出手段は、前記側周側モールドの内面の少なくとも一部を、前記輪郭形状データに応じた形状に形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記輪郭形状データは、発注者側コンピュータから送信される
ことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記眼鏡レンズを入れる眼鏡枠のコバ形状を示すコバ形状データを取得するコバ形状データ取得手段が設けられており、
前記流動性樹脂吐出手段は、前記側周側モールドの内面の少なくとも一部を、前記コバ形状データに応じた形状に形成する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記コバ形状データは、発注者側コンピュータから送信される
ことを特徴とする請求項4に記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記側周側モールドは、前記被加工面を規定する被加工面規定面を含んでいる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記仕上がり面側モールドは、ガラス製である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記眼鏡レンズ材料は、熱硬化性樹脂材料である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記流動性樹脂吐出手段は、3次元プリンタである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記流動性樹脂吐出手段は、樹脂吐出ディスペンサーである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記流動性樹脂を硬化させる硬化手段を有しており、
前記流動性樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、
前記硬化手段は、紫外線照射手段である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記流動性樹脂を硬化させる硬化手段を有しており、
前記流動性樹脂は、熱硬化樹脂であり、
前記硬化手段は、加熱手段である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。 - 前記流動性樹脂は、吐出後における成分の変化により硬化する自然硬化樹脂である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れかに記載の眼鏡レンズ製造システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016231559A JP6817624B2 (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 眼鏡レンズ製造システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016231559A JP6817624B2 (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 眼鏡レンズ製造システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018087925A JP2018087925A (ja) | 2018-06-07 |
JP6817624B2 true JP6817624B2 (ja) | 2021-01-20 |
Family
ID=62494535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016231559A Active JP6817624B2 (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 眼鏡レンズ製造システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6817624B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7393169B2 (ja) * | 2019-09-27 | 2023-12-06 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 眼鏡レンズ設計システム、眼鏡レンズ設計方法、及び眼鏡レンズ設計プログラム |
JP7465285B2 (ja) * | 2019-12-24 | 2024-04-10 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | セミフィニッシュトレンズおよび眼鏡レンズの製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005084885A1 (ja) * | 2004-03-09 | 2007-11-29 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズ製造方法及び眼鏡レンズ製造システム |
JP2010155926A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Jsr Corp | 光硬化性液状樹脂組成物およびインクジェット光造形法による立体造形物の製造方法 |
JP2013198988A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Hoya Corp | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 |
DE102013222232B4 (de) * | 2013-10-31 | 2021-01-28 | Carl Zeiss Vision International Gmbh | Herstellungsverfahren für ein Brillenglas |
CN107107491B (zh) * | 2014-11-27 | 2020-04-24 | 意大利霞飞诺生产公司 | 用于眼镜的透镜的制造方法、由该方法生产的用于眼镜的透镜和包括该透镜的眼镜 |
-
2016
- 2016-11-29 JP JP2016231559A patent/JP6817624B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018087925A (ja) | 2018-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20200409173A1 (en) | Spectacle lens and method for producing a spectacle lens | |
JP6703226B2 (ja) | 眼鏡レンズ製造システム | |
JP6697657B2 (ja) | 眼鏡レンズ製造システム | |
US9952448B2 (en) | Eyewear lens production by additive techniques | |
US10281738B2 (en) | Method for manufacturing an ophthalmic lens | |
EP1507135B1 (en) | Method and device for evaluating spectacle lens or mold for molding spectacle lens, and method and system for manufacturing spectacle lens | |
KR20160029107A (ko) | 적어도 하나의 안과용 렌즈를 제조하기 위한 방법 | |
JP6817624B2 (ja) | 眼鏡レンズ製造システム | |
EP3218166B1 (en) | Eyewear lens production by additive techniques | |
KR20030004436A (ko) | 안경 렌즈 자동화 제조 방법 | |
EP2418073B1 (en) | A method of manufacturing an ophthalmic lens for providing an optical display | |
CN109789652B (zh) | 用于制造眼科制品的方法 | |
US20200159041A1 (en) | Optical Part and Method of Producing an Optical Part | |
Bennett | Looking at labs: An overview of spectacle lens manufacture | |
US20220252902A1 (en) | A system and method for selecting an ophthalmic lens manufacturing process | |
JP6693671B2 (ja) | レンズ成形型の製造方法、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190801 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200929 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6817624 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |