JP2013198988A - 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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雄治 星
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由基明 砂川
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Abstract

【課題】簡易な工程によりレンズ材料を節約しながら多様な形状のプラスチックレンズを容易に製造できるようにする。
【解決手段】本発明では、円板形状でなる下型ガラスモールド102と、当該下型ガラスモールド102よりも小経でなる上型ガラスモールド103を凹部104Hで一体に保持し、前記下型ガラスモールド102と同じ外径を有するシートモールド104とが互いに所定間隔だけ離れた対向状態に配置され、当該下型ガラスモールド102及び当該シートモールド104の周側面を跨るように粘着テープ106で巻き付けられことにより下型ガラスモールド102と上型ガラスモールド103との間にキャビティを形成し、当該キャビティに眼鏡用プラスチックレンズのレンズ材料を注入し、加熱重合処理した後に当該キャビティから取り出すことにより眼鏡用プラスチックレンズを成形するようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に関し、例えば少ないレンズ材料で多様な形状の眼鏡用プラスチックレンズを製造する場合に適用して好適なものである。
従来、眼鏡用プラスチックレンズは、注型重合法により形成されることが多い。この注型重合法とは、成形型(鋳型)にプラスチックのレンズ材料を注入し、熱あるいは紫外線等のエネルギーによって硬化させることにより成形物である眼鏡用プラスチックレンズを得る方法である。
注型重合法においては、熱硬化性樹脂を材料として用いたプラスチックレンズを製造するための鋳型を構成する部品として、光学面を成形するための一対のガラスモールドの組み合わせと、それら一対のガラスモールドを所定間隔だけ離れた位置で保持したときに当該一対のガラスモールドで作られる空間を密閉するため、一対のガラスモールドの周端面に跨って巻き付けられる粘着テープとが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
また注型重合法においては、鋳型を構成する部品として、粘着テープの代わりに、一対のガラスモールドで作られる空間を密閉するため、一対のガラスモールドの周端面に筒状のガスケットが取り付けられる場合もある(例えば、特許文献2参照)。
一対のガラスモールドは、主に同一外径の円板形状のものが用いられる。ガラスモールドが円板形状である理由は、例えばトーリック面のように回転方向の方向性があるものでも同一形状であるために、どの方向でも使用することが出来るからである。
また、一対のガラスモールドが同一外径である理由は、粘着テープの場合、一対のガラスモールドの外周端面に粘着テープを巻き付け易いからであり、筒状のガスケットの場合、1対のガラスモールドを保持する部分の内径および外径が揃えられることになり、偏った肉厚部分が無くなるので、容易に筒状のガスケットが取り付けられるからである。
なお、ガラスモールドを使用しない例としては、柔軟性シートを変異させた状態で保持してプラスチックレンズを成形する方法についても提案されている(上述した特許文献2参照)。
特開平04−247913号公報 特開2007−245515号公報
しかしながら、一般的に同一外径でなる一対のガラスモールドを組み合わせて作る鋳型は、周辺が薄く中心が厚いプラスレンズの場合、鋳型の周辺部におけるガラスモールド間の間隔が極端に狭くなってしまうため、レンズ材料の注入を容易に行うことが出来なかった。
特許文献1の発明では、凹モールドの側面に切欠きを設けることにより、レンズ材料の注入管の径を大きくし、キャビティへの充填時間を短縮するようにしているが、当該切欠きを設けなければならず、煩雑な工程を要するという問題があった。
特許文献2の発明では、ガラスモールドを用いる代わりに柔軟性シートを多数のピンにより押し上げて光学面を形成する方法が提案されているが、柔軟性シートを押し上げるための進退機構がレンズ毎に必要となって、大量生産には不向きであるという問題があった。
また特許文献2の発明では、対応可能なレンズ面の形状が柔軟性シートの柔軟性に依存するため、細かい形状については再現することができず、逆に収縮方向の動きには柔軟性が高いほど変形を伴い易いため、加熱重合するタイプのレンズ材料には不向きであるという問題もあった。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、簡易な工程によりレンズ材料を節約しながら多様な形状のプラスチックレンズを容易に製造可能な眼鏡用プラスチックレンズの製造方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法においては、円板形状でなる第1のモールドと、当該第1のモールドよりも小経でなる第2のモールドを凹部で一体に保持し、前記第1のモールドと同じ外径を有するシートモールドとが互いに所定間隔だけ離れた対向状態に配置され、当該第1のモールド及び当該シートモールドの周側面を跨るようにテープで巻き付けられ、またはガスケットで保持されることにより前記第1のモールドと前記第2のモールドとの間にキャビティを形成するキャビティ形成ステップと、前記キャビティに眼鏡用プラスチックレンズのレンズ材料を注入し、加熱重合処理した後に当該キャビティから取り出すことにより前記眼鏡用プラスチックレンズを成形する成形ステップとを備えるようにする。
また本発明において、前記シートモールドは、当該凹部を介して前記第2のモールドが斜めに傾けられた状態のまま一体に保持しているようにすることができる。
さらに本発明において、前記シートモールドは、前記加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えた樹脂でなるようにすることができる。
さらに本発明において、前記成形ステップは、前記第1のモールドにおける凸曲面又は凹曲面、及び、前記第2のモールドにおける凹曲面又は凸曲面により、前記眼鏡用プラスチックレンズの最終光学面を成形することができる。
本発明によれば、第1のモールドと、シートモールドにより保持された当該第1のモールドよりも小径でなる第2のモールドとの間に形成されるキャビティにより、当該第1のモールドよりも小径で、当該第2のモールドに依存した形状の眼鏡用プラスチックレンズを成形することができ、かくしてレンズ材料を節約しながら多様な形状のプラスチックレンズを容易に製造することができる。
また本発明によれば、シートモールドが凹部を介して第2のモールドが斜めに傾けられた状態のまま一体に保持しているため、当該第1のモールドと当該第2のモールドとの間に形成されるキャビティにより、当該第1のモールドよりも小径で、当該第2のモールドに依存した非線対称の形状でなる眼鏡用プラスチックレンズを成形することができる。
さらに本発明によれば、シートモールドが加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えているので、眼鏡用プラスチックレンズを大量生産することができる。
さらに本発明によれば、成形ステップにより第1のモールドにおける凸曲面又は凹曲面、及び、第2のモールドにおける凹曲面又は凸曲面により、眼鏡用プラスチックレンズの最終光学面を成形することができるので、成形後の研磨工程が不要となり、簡易な工程により効率よく眼鏡用プラスチックレンズを製造することができる。
ノーマルレンズを成形するための成形型を示す略線的斜視図である。 ノーマルレンズを成形するための成形型を示す略線的断面図である。 周辺切削後のノーマルレンズを示す略線的斜視図である。 偏心レンズを成形するための成形型を示す略線的斜視図である。 偏心レンズを成形するための成形型を示す略線的断面図である。 周辺切削後の偏心レンズを示す略線的断面図及び略線的斜視図である。 プリズムレンズを成形するための成形型を示す略線的斜視図である。 プリズムレンズを成形するための成形型を示す略線的断面図である。 周辺切削後のプリズムレンズを示す略線的斜視図である。 コバ切れレンズを成形するための成形型を示す略線的斜視図である。 コバ切れレンズを成形するための成形型を示す略線的断面図である。 周辺切削後のコバ切れレンズを示す略線的斜視図である。 シートモールドを成形するための金型及びガラスモールド置台の構成を示す略線的断面図である。 ノーマルレンズに対応したシートモールドの製造工程を示す断面図である。 ノーマルレンズに対応したシートモールドの製造手順を示すフローチャートである。 特殊レンズに対応したシートモールドの製造工程を示す断面図である。 特殊レンズに対応したシートモールドの製造手順を示すフローチャートである。 シートモールドを用いた眼鏡用プラスチックレンズの製造手順を示すフローチャートである。 シートモールドに保持される上型ガラスモールドの形状を示す上面図である。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(1)成形型の構造
本願発明における眼鏡用プラスチックレンズの製造方法で用いられる成形型の構造としては、ノーマルレンズに対応した成形型と、特殊レンズに対応した成形型とに大きく分けられ、以下それぞれについて説明する。
(1−1)ノーマルレンズに対応した成形型
図1及び図2において、101は全体として、本願の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において用いられる鋳型としての成形型であり、ノーマルレンズに対応したものである。ここでノーマルレンズとは、周側面のコバ厚が全周にわたって均一な線対称のレンズをいい、後述する特殊レンズとは偏心レンズ、プリズムレンズ及びコバ切れレンズ等のように非線対称のレンズをいう。
成形型101は、円板形状のガラスでなる下型ガラスモールド102、当該下型ガラスモールド102の外径よりも、その長径及び短径の双方が小径の例えば楕円板形状のガラスでなる上型ガラスモールド103、その凹部104Hで上型ガラスモールド103を一体に保持し、その外径が下型ガラスモールド102と同じサイズの樹脂でなるシートモールド104、及び下型ガラスモールド102とシートモールド104とを所定間隔だけ離した状態で、互いの周側面を跨るように巻き付けた粘着テープ106によって構成されている。なお成形型101は、粘着テープ106ではなく、樹脂等でなるガスケットにより、下型ガラスモールド102及びシートモールド104の周側面を覆うようにしても良い。
ここで上型ガラスモールド103は、楕円の長径及び短径の双方ともに、下型ガラスモールド102の外径よりも小さい場合だけでなく、楕円の長径が下型ガラスモールド102の外径と同じであり、楕円の短径が下型ガラスモールド102の外径よりも小さい場合等が含まれ、楕円の長径及び短径の少なくとも一方が下型ガラスモールド102の外径よりも小さければ良い。
下型ガラスモールド102は、眼鏡用プラスチックレンズの一方側の第2面(顔側)となる最終光学面を成形するための凸曲面102Aが図中上側に形成されている。上型ガラスモールド103は、下型ガラスモールド102と対向配置されるものであり、眼鏡用プラスチックレンズの他方側の第1面(対物側)となる最終光学面を成形するための凹曲面103Aが図中下側に形成されている。
シートモールド104は、当該凹部104Hの外側に、当該凹部104Hを形成しているシート枠だけの側壁部104Sを有し、その側壁部104Sの外径が下型ガラスモールド102の外径と同じ大きさとなっており、シートモールド104の周側面と、下型ガラスモールド102の周側面とが面一となっている。
これにより成形型101は、シートモールド104及び下型ガラスモールド102が所定間隔だけ離れた対向状態のまま、互いの周側面を跨るように粘着テープ106が堅固に巻き付けられ、シートモールド104と下型ガラスモールド102とが所定間隔だけ離れた対向状態のまま保持されることになる。
シートモールド104では、凹部104Hに上型ガラスモールド103が嵌め込まれ、当該上型ガラスモールド103の周側面の一部が側壁部104Sの端部104SEから僅かに突出した状態で一体的に保持されており、これにより粘着テープ106、側壁部104Sの端部104SE、上型ガラスモールド103及び下型ガラスモールド102とによりキャビティを形成する。
因みにシートモールド104は、側壁部104Sの外周側から所定幅を有する鍔部104Gが形成されており、眼鏡用プラスチックレンズ製造装置(図示せず)においてシートモールド104を保持する際、又は支持する際等に当該鍔部104Gが用いられる。
なおシートモールド104は、加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えている樹脂(例えばポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)で形成された成形品であり、凹部104Hに上型ガラスモールド103が一体に保持されたコンビネーション状態で常に用いられる。このため、以下シートモールド104と呼ぶときは、上型ガラスモールド103が一体化されたものとして扱うものとする。
従って成形型101では、粘着テープ106、シートモールド104における側壁部104Sの端部104SE、上型ガラスモールド103及び下型ガラスモールド102とにより形成されたキャビティによって、完成品としては不要な端縁部分7Dを有するものの、最終光学面7A及び7Bが成形された端縁部付フィニッシュレンズ107(図1)が得られることになる。
その後、図3に示すように、端縁部付フィニッシュレンズ107は、その端縁部分107Dが切削されることにより最終光学面7A及び7Bだけを有するフィニッシュレンズ108となる。
(1−2)特殊レンズ(偏心レンズ)に対応した成形型
図1及び図2との対応部分に同一符号を付した図4及び図5において、110は全体として、本願の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において用いられる鋳型としての成形型であり、特殊レンズとくに偏心レンズに対応したものである。
この成形型10は、円板形状のガラスでなる下型ガラスモールド111、当該下型ガラスモールド111の外径よりも、その長径及び短径の双方が小径の例えば楕円板形状のガラスでなる上型ガラスモールド112、その凹部113Hで上型ガラスモールド112を一体に保持し、その外径が下型ガラスモールド111と同じサイズの樹脂でなるシートモールド113、及び下型ガラスモールド111とシートモールド113とを所定間隔だけ離した状態で、互いの周側面を跨るように巻き付けた粘着テープ106によって構成されている。なお、成形型110は、粘着テープ106ではなく、樹脂等でなるガスケットにより、下型ガラスモールド111及びシートモールド113の周側面を覆うようにしても良い。
ここで上型ガラスモールド112は、楕円の長径及び短径の双方ともに、下型ガラスモールド111の外径よりも小さい場合だけでなく、楕円の長径が下型ガラスモールド111の外径と同じであり、楕円の短径が下型ガラスモールド111の外径よりも小さい場合等が含まれ、楕円の長径及び短径の少なくとも一方が下型ガラスモールド111の外径よりも小さければ良い。
下型ガラスモールド111は、眼鏡用プラスチックレンズの一方側の第2面(顔側)となる最終光学面を成形するための凸曲面111Aが図中上側に形成されている。上型ガラスモールド112は、下型ガラスモールド111と対向配置されるものであり、眼鏡用プラスチックレンズの他方側の第1面(対物側)となる最終光学面を成形するための凹曲面112Aが図中下側に形成されている。
シートモールド113は、当該凹部113Hの外側に、当該凹部113Hを形成しているシート枠だけの側壁部113Sを有し、その側壁部113Sの外径が下型ガラスモールド111の外径と同じ大きさとなっており、シートモールド113の周側面と、下型ガラスモールド111の周側面とが面一となっている。
これにより成形型110は、シートモールド113及び下型ガラスモールド111が所定間隔だけ離れた対向状態のまま、互いの周側面を跨るように粘着テープ106が堅固に巻き付けられ、シートモールド113と下型ガラスモールド111とが所定間隔だけ離れた対向状態のまま保持されることになる。
シートモールド113(図5)では、凹部113Hに上型ガラスモールド112が嵌め込まれ、当該上型ガラスモールド112の周側面の一部が側壁部113Sの端部113SEから大きく突出した部分と小さく突出した部分とを有する状態で一体的に保持されており、これにより粘着テープ106、シートモールド113における側壁部113Sの端部113SE、上型ガラスモールド112及び下型ガラスモールド111とによりキャビティを形成する。
ここでシートモールド113の凹部113Hは図中の水平面に対して傾斜した状態に成形されており、これにより凹部113Hに上型ガラスモールド112が嵌め込まれた状態でキャビティが形成されたとき、当該キャビティを構成している上型ガラスモールド112の凹曲面112Aと、下型ガラスモールド111の凸曲面111Aとの間隔が不均一となっている。
因みにシートモールド113は、側壁部113Sの外周側から所定幅を有する鍔部113Gが形成されており、眼鏡用プラスチックレンズ製造装置(図示せず)においてシートモールド113を保持する際、又は支持する際等に当該鍔部113Gが用いられる。
なおシートモールド113は、加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えている樹脂(例えばポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)で形成された成形品であり、凹部113Hに上型ガラスモールド112が一体に保持されたコンビネーション状態で常に用いられる。このため、以下シートモールド113と呼ぶときは、上型ガラスモールド112が一体化されたものとして扱うものとする。
従って成形型110では、粘着テープ106、シートモールド113における側壁部113Sの端部113SE、上型ガラスモールド112及び下型ガラスモールド111とにより形成されたキャビティによって、完成品としては不要な端縁部分15Dを有するものの、最終光学面115A及び115Bが成形された端縁部付フィニッシュレンズ115(図4)が得られることになる。
その後、図6に示すように、端縁部付フィニッシュレンズ115は、その端縁部分115Dが切削されることにより最終光学面115A及び115Bだけを有し、幾何中心P1に対して光学中心Q1が偏心したフィニッシュレンズ(偏心レンズ)116となる。
(1−3)特殊レンズ(プリズムレンズ)に対応した成形型
図1及び図2との対応部分に同一符号を付した図7及び図8において、120は全体として、本願の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において用いられる鋳型としての成形型であり、特殊レンズとくにプリズムレンズに対応したものである。
この成形型120は、円板形状のガラスでなる下型ガラスモールド121、当該下型ガラスモールド121の外径よりも、その長径及び短径の双方が小径の例えば楕円板形状のガラスでなる上型ガラスモールド122、その凹部123Hで上型ガラスモールド122を一体に保持し、その外径が下型ガラスモールド121と同じサイズの樹脂でなるシートモールド123、及び下型ガラスモールド121とシートモールド123とを所定間隔だけ離した状態で、互いの周側面を跨るように巻き付けた粘着テープ106によって構成されている。なお、成形型120は、粘着テープ106ではなく、樹脂等でなるガスケットにより、下型ガラスモールド121及びシートモールド123の周側面を覆うようにしても良い。
ここで上型ガラスモールド122は、楕円の長径及び短径の双方ともに、下型ガラスモールド121の外径よりも小さい場合だけでなく、楕円の長径が下型ガラスモールド121の外径と同じであり、楕円の短径が下型ガラスモールド121の外径よりも小さい場合等が含まれ、楕円の長径及び短径の少なくとも一方が下型ガラスモールド121の外径よりも小さければ良い。
下型ガラスモールド121は、眼鏡用プラスチックレンズの一方側の第2面(顔側)となる最終光学面を成形するための凸曲面121Aが図中上側に形成されている。上型ガラスモールド122は、下型ガラスモールド121と対向配置されるものであり、眼鏡用プラスチックレンズの他方側の第1面(対物側)となる最終光学面を成形するための凹曲面122Aが図中下側に形成されている。
シートモールド123は、当該凹部123Hの外側に、当該凹部123Hを形成しているシート枠だけの側壁部123Sを有し、その側壁部123Sの外径が下型ガラスモールド121の外径と同じ大きさとなっており、シートモールド123の周側面と、下型ガラスモールド121の周側面とが面一となっている。
これにより成形型120は、シートモールド123及び下型ガラスモールド121が所定間隔だけ離れた対向状態のまま、互いの周側面を跨るように粘着テープ106が堅固に巻き付けられ、シートモールド123と下型ガラスモールド121とが所定間隔だけ離れた対向状態のまま保持されることになる。
シートモールド123では、凹部123Hに上型ガラスモールド122が嵌め込まれ、当該上型ガラスモールド122の周側面の一部が側壁部123Sの端部123SEから大きく突出した部分を有する一方、上型ガラスモールド122の周側面が側壁部123Sの端部123SEから突出することなく潜った部分を有する状態で一体的に保持されており、これにより粘着テープ106、シートモールド123における側壁部123Sの端部123SE、上型ガラスモールド122及び下型ガラスモールド121とによりキャビティを形成する。
因みにシートモールド123は、側壁部123Sの外周側から所定幅を有する鍔部123Gが形成されており、眼鏡用プラスチックレンズ製造装置(図示せず)においてシートモールド123を保持する際、又は支持する際等に当該鍔部123Gが用いられる。
ここでシートモールド123の凹部123Hは図中の水平面に対して傾斜した状態で形成されており、これにより凹部123Hに上型ガラスモールド122が嵌め込まれた状態でキャビティが形成されたとき、当該キャビティを構成している上型ガラスモールド122の凹曲面122Aと、下型ガラスモールド121の凸曲面121Aとの間隔が不均一となる。
なおシートモールド123は、加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えた樹脂(例えばポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)で形成される成型品であり、凹部123Hに上型ガラスモールド122が一体に保持されたコンビネーション状態で常に用いられる。このため以下シートモールド123と呼ぶときは、上型ガラスモールド122が一体化されたものとして扱うものとする。
従って成形型120では、粘着テープ106、シートモールド123における側壁部123Sの端部123SE、上型ガラスモールド122及び下型ガラスモールド121とにより形成されたキャビティによって、完成品としては不要な端縁部分25Dを有するものの、最終光学面125A及び125Bが成形された端縁部付フィニッシュレンズ125(図7)が得られることになる。
その後、図9に示すように、端縁部付フィニッシュレンズ125は、その端縁部分125Dが切削されることにより最終光学面125A及び125Bだけを有するフィニッシュレンズ(プリズムレンズ)126となる。
(1−4)特殊レンズ(コバ切れレンズ)に対応した成形型
図1及び図2との対応部分に同一符号を付した図10及び図11において、130は全体として、本願の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において用いられる鋳型としての成形型であり、特殊レンズとくにコバ切れレンズに対応したものである。ここでコバ切れレンズとは、当該レンズ周囲の端縁部分であるコバが欠けている状態のレンズのことである。
この成形型130は、円板形状のガラスでなる下型ガラスモールド131、当該下型ガラスモールド131の外径よりも、その長径及び短径の双方が小径の例えば楕円板形状のガラスでなる上型ガラスモールド132、その凹部133Hで上型ガラスモールド132を一体に保持し、その外径が下型ガラスモールド131と同じサイズの樹脂でなるシートモールド133、及び下型ガラスモールド131とシートモールド133とを所定間隔だけ離した状態で、互いの周側面を跨るように巻き付けられた粘着テープ106によって構成されている。なお、成形型130は、粘着テープ106ではなく、樹脂等でなるガスケットにより、下型ガラスモールド131及びシートモールド133の周側面を覆うようにしても良い。
ここで上型ガラスモールド132は、楕円の長径及び短径の双方ともに、下型ガラスモールド131の外径よりも小さい場合だけでなく、楕円の長径が下型ガラスモールド131の外径と同じであり、楕円の短径が下型ガラスモールド131の外径よりも小さい場合等が含まれ、楕円の長径及び短径の少なくとも一方が下型ガラスモールド131の外径よりも小さければ良い。
下型ガラスモールド131は、眼鏡用プラスチックレンズの一方側の第2面(顔側)となる最終光学面を成形するための凸曲面131Aが図中上側に形成されている。上型ガラスモールド132は、下型ガラスモールド131と対向配置されるものであり、眼鏡用プラスチックレンズの他方側の第1面(対物側)となる最終光学面を成形するための凹曲面132Aが図中下側に形成されている。
シートモールド133は、当該凹部133Hの外側に、当該凹部133Hを形成しているシート枠だけの側壁部133Sを有し、その側壁部133Sの外径が下型ガラスモールド131の外径と同じ大きさとなっており、シートモールド133の周側面と、下型ガラスモールド131の周側面とが面一となっている。
これにより成形型130は、シートモールド133及び下型ガラスモールド131が所定間隔だけ離れた対向状態のまま、互いの周側面を跨るように粘着テープ106が堅固に巻き付けられ、シートモールド133と下型ガラスモールド131とが所定間隔だけ離れた対向状態のまま保持されることになる。
シートモールド133では、凹部133Hに上型ガラスモールド132が嵌め込まれ、当該上型ガラスモールド132の周側面の一部が側壁部133Sの端部133SEから大きく突出した部分を有する一方、上型ガラスモールド132の周側面が側壁部133Sの端部33SEから僅かに突出した部分を有する状態で一体的に保持されている。
因みにシートモールド133は、側壁部133Sの外周側から所定幅を有する鍔部133Gが形成されており、眼鏡用プラスチックレンズ製造装置(図示せず)においてシートモールド133を保持する際、又は支持する際等に当該鍔部133Gが用いられる。
これにより成形型130は、粘着テープ106、シートモールド133における側壁部133Sの端部133SE、上型ガラスモールド132及び下型ガラスモールド131とによりキャビティを形成する。
ここでシートモールド133の凹部133Hは図中の水平面に対して傾斜した状態で形成されており、これにより凹部133Hに上型ガラスモールド132が嵌め込まれた状態でキャビティが形成されたとき、当該上型ガラスモールド132の凹曲面132Aと、下型ガラスモールド131の凸曲面131Aとの間隔が不均一となる。
さらにシートモールド133の凹部133Hは、下型ガラスモールド131の外径よりも上型ガラスモールド132の短径が大幅に短くなり、側壁部133Sの端部133SEが大きく形成された部分を一部に有していることにより、当該キャビティを介して成形されたとき、レンズ周囲の端縁部分であるコバが一部欠けたコバ切れレンズが得られる。
なおシートモールド133は、加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えている樹脂(例えばポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)で形成された成型品であり、凹部133Hに上型ガラスモールド132が一体に保持されたコンビネーション状態で常に用いられる。従って、以下シートモールド133と呼ぶときは、上型ガラスモールド132が一体化されたものとして扱うものとする。
従って成形型130では、粘着テープ106、シートモールド133における側壁部133Sの端部133SE、上型ガラスモールド132及び下型ガラスモールド131とにより形成されたキャビティによって、完成品としては不要な端縁部分135Dを有するものの、最終光学面135A及び135Bが成形された端縁部付フィニッシュレンズ135(図10)が得られることになる。
その後、図12に示すように、端縁部付フィニッシュレンズ135は、その端縁部分135Dが切削されることにより最終光学面135A及び135Bだけを有するフィニッシュレンズ(コバ切れレンズ)136となる。
(2)シートモールドの製造方法
次に、ノーマルレンズに対応したシートモールド104の製造方法と、特殊レンズ(偏心レンズ、プリズムレンズ、コバ切れレンズ等)に対応したシートモールド113、123、133の製造方法とについて、それぞれ説明する。
ここで、図13(A)及び(B)に示すように、ノーマルレンズに対応したシートモールド104の製造方法や、特殊レンズに対応したシートモールド113、123、133の製造方法において、モールド成形機(図示せず)により用いられる金型140については共通しており、まず金型140の構成について説明する。
この金型140では、有底円筒状でなる凹空間140Aに対して、円板形状の置台141Aをシーソー状に傾かせることを可能としたガラスモールド置台141が設置されている。ここで、金型140の凹空間140Aは、有底側に凹空間140ANが設けられ、当該凹空間140ANよりも僅かに直径の大きな凹空間140AWが開放側に設けられた一体構造を有し、ガラスモールド置台141が有底側の凹空間140ANに全て収まるように設置される。
ガラスモールド置台141は、置台141Aの中央部分に半球状の支持部141Pを有し、当該支持部141Pが、金型140の凹空間140ANの中央に設けられた、半球状の凹部を有する受台141Cを介して摺動自在に揺動する。
またガラスモールド置台141は、置台141Aの一方の端部141AEを下方から支持脚142Lにより支持すると共に、置台141Aの他方の端部141AEを下方から支持脚142Rにより支持する。これによりガラスモールド置台141は、一方及び他方の端部141AEによる水平状態(図13(A))を維持したままの置台141Aの上に上型ガラスモールド103を設置することができる。
またガラスモールド置台141は、例えば一方の支持脚142Lが収縮するものの他方の支持脚142Rが伸張したり、或いは、一方の支持脚142Lが伸張するものの他方の支持脚142Rが伸縮することにより、置台141Aを水平状態(図13(A))から左右方向へ所望角度だけ傾斜した状態(図13(B))を維持することができ、その傾斜状態の置台141Aの上に上型ガラスモールド103を設置することができる。
(2−1)ノーマルレンズに対応したシートモールドの製造方法
図14(A)乃至(E)及び図15のフローチャートを用いて、上述した金型140を用いてノーマルレンズに対応したシートモールド104(図1)を製造するときの製造方法について説明する。
モールド成形機(図示せず)では、ルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、金型140の凹空間140A(凹空間140AN)に水平状態に設置されたガラスモールド置台141に対し、凹曲面103Aを図中下方へ向けた状態で上型ガラスモールド103を水平状態に設置し(図14(A))、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2においてモールド成形機では、所定温度に加熱した樹脂シート142を金型140の凹空間140AW上を覆うように設置し(図14(B))、次のステップSP3へ移る。すなわち、この場合、金型140の凹空間140AWに設置された上型ガラスモールド103の全体を覆うことになる。
ステップSP3においてモールド成形機では、樹脂シート142の上から加圧すると共に金型140側から減圧することにより、当該樹脂シート142を金型140の凹空間140AW及び上型ガラスモールド103の形状に沿って密着させ(図14(C))、次のステップSP4へ移る。但し、この場合、樹脂シート142の上からの加圧だけを行ったり、或いは金型140側からのみ減圧するようにしても良い。
ステップSP4においてモールド成形機では、上型ガラスモールド103が密着して一体に保持したままの樹脂シート142を金型140から取り出し(図14(D))、次のステップSP5へ移る。ここで樹脂シート142は、上型ガラスモールド103を内包して一体化したコンビネーションの状態で金型140から取り外されることになる。
ステップSP5においてモールド成形機では、金型140から取り外された樹脂シート142(上型ガラスモールド103を内包して一体化されている)の周辺部を切り抜くことにより最終的なシートモールド104を生成し(図14(E))、次のステップSP6へ移って処理を全て終了する。
(2−2)特殊レンズに対応したシートモールドの製造方法
図16(A)乃至(E)及び図17のフローチャートを用いて、上述した金型140を用いて特殊レンズ(偏心レンズ、プリズムレンズ、コバ切れレンズ等)に対応したシートモールド113(123、133)を製造するときの製造方法について説明する。
モールド成形機では、ルーチンRT2の開始ステップから入って次のステップSP11へ移り、金型140の凹空間140A(凹空間140AN)にガラスモールド置台141を所定角度だけ傾斜させた状態で配置し(図13(B))、次のステップSP12へ移る。
ステップSP12においてモールド成形機では、金型140の凹空間140A(凹空間140AN)に傾斜させた状態で設置されたガラスモールド置台141に対し、凹曲面103Aを図中下方へ向けた状態で上型ガラスモールド112(122、132)を設置し(図16(A))、次のステップSP13へ移る。
ステップSP13においてモールド成形機では、所定温度に加熱した樹脂シート142を金型140の凹空間140AW上を覆うように設置し(図16(B))、次のステップSP14へ移る。すなわち、この場合、金型140の凹空間140AWに設置された上型ガラスモールド112(122、132)の全体を覆うことになる。
ステップSP14においてモールド成形機では、樹脂シート142の上から加圧すると共に金型140側から減圧することにより、当該樹脂シート142を金型140の凹空間140AW及び所定角度だけ傾斜させた状態の上型ガラスモールド112(122、132)の形状に沿って密着させ(図16(C))、次のステップSP15へ移る。但し、この場合、樹脂シート142の上からの加圧だけを行ったり、或いは金型140側からのみ減圧するようにしても良い。
ステップSP15においてモールド成形機では、上型ガラスモールド112(122、132)が密着して一体に保持したままの樹脂シート142を金型140から取り出し(図16(D))、次のステップSP16へ移る。ここで樹脂シート142は上型ガラスモールド112(122、132)を内包して一体化したコンビネーションの状態で金型140から取り外されることになる。
ステップSP16においてモールド成形機では、金型140から取り外された樹脂シート142(上型ガラスモールド112(122、132)を内包して一体化されている)の周辺部を切り抜くことにより最終的なシートモールド113(123、133)を生成し(図16(E))、次のステップSP17へ移って処理を全て終了する。
(3)シートモールドを用いた眼鏡用プラスチックレンズの製造方法
上述したシートモールドの製造方法により製造されたシートモールド104、112、122又は132の何れかを用いた眼鏡用プラスチックレンズ(端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125、135)の製造方法について、図18のフローチャートを用いて説明する。
眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、ルーチンRT3の開始ステップから入って次のステップSP21へ移り、ノーマルレンズであればシートモールド104を用い、特殊レンズ(偏心レンズ、プリズムレンズ、コバ切れレンズ等)であればシートモールド113、123又は133の何れかを用いて、キャビティにレンズ材料を注入し、加熱重合等の成型処理を施すことにより、端縁部付フィニッシュレンズ(ノーマルレンズ)107、端縁部付フィニッシュレンズ(偏心レンズ)115、端縁部付フィニッシュレンズ(プリズムレンズ)125又は端縁部付フィニッシュレンズ(コバ切れレンズ)135を製造し、次のステップSP22へ移る。
ステップSP22において眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、ステップSP21の成形処理により製造された端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125又は135に対して眼鏡フレームの形状に倣うように切除し、端面の丸め等の加工処理を行い、次のステップSP23へ移る。
ステップSP23において眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、ステップSP22の加工処理の施された端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125又は135の最終光学面107A、107B、115A、115B、125A、125B、135A、135Bに対するハードコート処理やアニール(キュア)処理等の表面処理を行うことによりフィニッシュレンズ108、116、126及び136を仕上げ、次のステップSP24へ移って終了する。
なお眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125又は135における端縁部を例えばレンズ保持の治具に用いられることがあり、ステップSP23の表面処理の後に、ステップSP22の加工処理を行うことにより利点が生じる場合もあるため、ステップSP22の加工処理の後に、ステップSP23の表面処理を行う場合だけでなく、ステップSP23の表面処理の後に、ステップSP22の加工処理を行うようにしても良い。
(4)作用及び効果
以上の構成において、眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において用いられる例えば成形型101では、円板形状でなる下型ガラスモールド102の外径よりもその長径及び短径が小径でなる楕円板形状でなる上型ガラスモールド103を、当該下型ガラスモールド102と同一の外径を持つ樹脂でなるシートモールド104の凹部104Hで保持し、当該下型ガラスモールド102と、上型ガラスモールド103を一体に保持したシートモールド104とによるキャビティを介して端縁部付フィニッシュレンズ107を成形するようにした。
すなわち成形型101は、下型ガラスモールド102と同一外径のシートモールド104を上型ガラスモールド103の保持具として用い、当該シートモールド104及び上型ガラスモールド103のコンビネーションとしたことにより、当該上型ガラスモールド103を下型ガラスモールド102と同一外径とする必要性が無くなり、下型ガラスモールド102に対して例えば全体的に小径の楕円形状でなる上型ガラスモールド103を組み合わせたキャビティを得ることが可能となる。
そして成形型101は、下型ガラスモールド102の凸曲面102Aと上型ガラスモールド103の凹曲面103Aとにより、端縁部付フィニッシュレンズ107の最終光学面107A、107Bを成形できるようになるため、下型ガラスモールド102の外径に囚われることなく、最終光学面107A、107Bに対する研磨工程が不要な下型ガラスモールド102よりも小径の端縁部付フィニッシュレンズ107を得ることができる。
この場合、従来のような互いに同一の外径を有する下型ガラスモールド及び上型ガラスモールドによるキャビティを用いたときの端縁部付フィニッシュレンズの外径よりも、成形型101により得られた端縁部付フィニッシュレンズ107の方が小径となるので、そのレンズ厚を一段と薄くすることができる。かくして眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、成型型101を用いることによりレンズ材料の大幅な節約や、製造時間の短縮化ひいては歩止まりの向上を図ることができる。
さらに成形型110、120又は130は、シートモールド113、123又は133の水平面に対して上型ガラスモールド112、122又は132が傾斜した状態で保持されているため、最終光学面115A、115B同士が平行ではない非線対称のセミフィニッシュレンズ(偏心レンズ)115、最終光学面125A、125B同士が平行ではない非線対称のセミフィニッシュレンズ(プリズムレンズ)125、最終光学面135A、135B同士が平行ではない非線対称のセミフィニッシュレンズ(コバ切れレンズ)135を容易に成形することができる。
このようなシートモールド104、113、123及び133では、シートモールド製造過程において、ガラスモールド置台141上に置かれた上型ガラスモールド103、112、122及び132の水平状態又は傾斜状態に応じた凹部104H、113H、123H及び133Hが成形される。そしてシートモールド104、113、123及び133は、当該上型ガラスモールド103、112、122及び132をそのまま一体に保持したコンビネーション状態のまま、眼鏡用プラスチックレンズの製造過程において用いられる。
これによりシートモールド104、113、123及び133は、当該シートモールド104、113、123及び133を成形するときの上型ガラスモールド103、112、122及び132をシートモールド製造過程だけでなくセミフィニッシュレンズ製造時のモールドとしても兼用することができるので、製造の容易化及び構成の簡素化を図ることができる。
ところで従来は、互いに同一外形の下方ガラスモールド及び上型ガラスモールドが粘着テープにより巻き付かれた状態のキャビティでは、下方ガラスモールドまたは上型ガラスモールドの何れかを傾ける粘着テープによるモールド外周部の保持が不安定になる。それゆえにキャビティの気密性が下がり空気の引き込みやレンズ材料の漏れ等による歩留まりの低下を引き起こす要因となる。また、同一外径の下型ガラスモールド及び上型ガラスモールドと樹脂等でなるガスケットを組み合わせたキャビティでは、モールド傾きがガスケットの形状によって決まるため、数多くの形状でなるガスケットを成形するための専用の金型が必要になる。しかし、モールド成形機は上述したシートモールドの製造方法により、そのような専用の金型を必要とすることなく、樹脂シート42に対する加圧処理及び減圧処理だけで任意の形状の端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125及び135を容易に形成することができる。
つまりシートモールドの製造方法では、ガラスモールド置台141を介して上型ガラスモールド103、112、122及び132が水平状態または傾斜状態に設置されるときの置き方次第で、その置き方に追従した任意の形状の凹部104H、113H、123H、133Hを有するシートモールド104、113、123及び133を簡単に成形することができるのである。
さらに、シートモールドの製造方法では、薄い板状の樹脂シート142を折り曲げることによりシートモールド104、113、123及び133を製造しているので、樹脂を成形することによりシートモールドを製造する場合と比較して、樹脂材料を大幅に削減することができる。
以上の構成によれば、成形型101、110、120及び130は、当該成形型101、110、120及び130が組み立てられた状態における鋳型全体の外形形状に拘わらず、シートモールド104、113、123及び133を用いることにより、任意の大きさ及び形状でなる端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125及び135を容易に成形することができる。
またシートモールド製造装置では、上述したシートモールドの製造方法により、上型ガラスモールド103、112、122及び132が水平状態または傾斜状態に設置されたときの置き方に応じた任意の形状の凹部104H、113H、123H、133Hが成形され、かつ当該凹部104H、113H、123H、133Hに上型ガラスモールド103、112、122及び132が一体化された状態のシートモールド104、113、123及び133を容易に得ることができる。
そして、このシートモールド104、113、123及び133が、眼鏡用プラスチックレンズ製造過程で、上型ガラスモールド103、112、122及び132を一体化しまままの状態で端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125及び135の製造に用いられるため、眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では製造工程の簡略化を図り歩留まりを向上することができる。
さらに眼鏡用プラスチックレンズ製造装置では、上述した眼鏡用プラスチックレンズの製造方法により、ノーマルレンズであればシートモールド104を用い、特殊レンズ(偏心レンズ、プリズムレンズ、コバ切れレンズ等)であればシートモールド112、122又は132の何れかを用いて成形処理を行い、その後、加工処理や表面処理を行うことにより、最終的なフィニッシュレンズ108、116、126及び136を少ないレンズ材料で、容易に、短時間で効率良く製造することができる。
(5)他の実施の形態
なお、上述した実施の形態においては、第1のモールドとしての下型ガラスモールド102、111、121及び131を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1のモールドとして樹脂製の下型樹脂モールドを用いるようにしても良い。
また、上述した実施の形態においては、第1のモールドとしての下型ガラスモールド102、111、121及び131を用い、第2のモールドとして上型ガラスモールド103、112、122及び132を用い、当該上型ガラスモールド103、112、122及び132をシートモールド104、113、123、133によって保持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2のモールドとして下型ガラスモールド102、111、121及び131を用い、第1のモールドとして上型ガラスモールド103、112、122及び132を用い、当該上型ガラスモールド103、112、122及び132をシートモールド104、113、123、133によって保持するようにしても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、図19に示すように、下型ガラスモールド102、111、121及び131の外径よりも、その長径及び短径の双方が小径の例えば楕円板形状のガラスでなる上型ガラスモールド103、112、122及び132を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、下型ガラスモールド102、111、121及び131の外径よりも小径の円板形状でなる上型ガラスモールド151、当該上型ガラスモールド151における円板形状を1方向だけ部分的に切除した形状でなる上型ガラスモールド152、当該上型ガラスモールド151における円板形状を2方向だけ部分的に切除した形状でなる上型ガラスモールド153等のその他種々の形状でなる上型ガラスモールドを用いるようにしても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、シートモールド104、113、123及び133が加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えている樹脂シート142で成形されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに加えて、眼鏡用プラスチックレンズのレンズ原料と樹脂シート142の相互で溶出等の悪影響を及ぼすことのない耐薬品性を兼ね備えた樹脂シートで成形されるようにしても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、特殊レンズとして偏心レンズ、プリズムレンズ、コバ切れレンズを成形するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、遠近両用レンズである累進レンズ等を成形するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、マイナスレンズである端縁部付フィニッシュレンズ107、115、125及び135を成形するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プラスレンズである端縁部付フィニッシュレンズを成形するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、シートモールド104、113、123及び133の凹部104H、113H、123H及び133Hに対して上型ガラスモールド103、112、122及び132を密着した状態で一体に保持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、シートモールド104、113、123及び133は、凹部104H、113H、123H及び133Hの開口部分を逆テーパー状となるような形状に上型ガラスモールドと一体に成形して保持するようにしても良い。この場合、シートモールド104、113、123及び133は、凹部104H、113H、123H及び133Hに対する上型ガラスモールド103、112、122及び132の脱落を容易に防止することができる。
また、シートモールド104、113、123及び133は、凹部104H、113H、123H及び133Hの開口部分に爪を設け、凹部104H、113H、123H及び133Hに押し込まれた上型ガラスモールド103、112、122及び132を当該爪により一体に保持するようにしても良い。
101、110、120、130…成形型、102、111、121、131…下型ガラスモールド、103、112、122、132…上型ガラスモールド、104、113、123、133…シートモールド、106…粘着テープ、107、115、125、135…セミフィニッシュレンズ、108、116、126、136…フィニッシュレンズ、140…金型、141…ガラスモールド置台、142…樹脂シート。

Claims (4)

  1. 円板状でなる第1のモールドと、当該第1のモールドよりも小経でなる第2のモールドを凹部で一体に保持し、前記第1のモールドと同じ外径を有するシートモールドとが互いに所定間隔だけ離れた対向状態に配置され、当該第1のモールド及び当該シートモールドの周側面を跨るようにテープで巻き付けられ、またはガスケットで保持されることにより前記第1のモールドと前記第2のモールドとの間にキャビティを形成するキャビティ形成ステップと、
    前記キャビティに眼鏡用プラスチックレンズのレンズ材料を注入し、加熱重合処理した後に当該キャビティから取り出すことにより前記眼鏡用プラスチックレンズを成形する成形ステップと
    を備えることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  2. 前記シートモールドは、当該凹部を介して前記第2のモールドが斜めに傾けられた状態のまま一体に保持している
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  3. 前記シートモールドは、前記加熱重合処理を行うときの加熱重合温度であっても、その形状を維持することが可能な耐熱性及び剛性を備えた樹脂でなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  4. 前記成形ステップは、前記第1のモールドにおける凸曲面又は凹曲面、及び、前記第2のモールドにおける凹曲面又は凸曲面により、前記眼鏡用プラスチックレンズの最終光学面を成形する
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
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