JP6816637B2 - フィラメントワインディング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フィラメントワインディング装置に関する。
特許文献1には、ライナに向けて繊維を送出する繊維案内部を有し、繊維案内部に張力センサを有することで、繊維の張力を測定し、ライナに巻き付けられる直前の繊維の張力をリアルタイムで算出している。
特開2014−148161号公報
ライナは重いため、通常、ライナを軸に沿って回転させながら、ライナに繊維を繰り出す繊維案内部を、トラバース方向(ライナの軸に沿った方向)に移動させる。ここで、ライナへの繊維の巻き付け方には、フープ巻き、ヘリカル巻きなど、様々な巻き方がある。特にヘリカル巻きの場合には、繊維案内部がライナの一方の端から他方の端への移動を繰り返すため、トラバース方向の移動速度の変化が大きい。その結果、繊維案内部の移動速度の変化による慣性力が張力の測定値に影響を与える。また、繊維として、多数の繊維を束ねた繊維束が使用され、その断面形状は略長方形である。そのため、ライナの両端のドーム部に繊維を巻く時には、繊維束の断面の長辺とライナの表面の接線とがほぼ平行となるように繊維案内部を回転させながら繊維を巻く。そのため、繊維案内部の回転による慣性力も張力の測定値に影響を与える。従来は、これらの慣性力が張力センサに与える影響について十分に考慮されていなかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、フィラメントワインディング装置が提供される。このフィラメントワインディング装置は、ライナを回転させるライナ回転装置と、前記ライナに向けて繊維を巻き出す繊維案内部と、前記繊維案内部を前記ライナの軸方向と平行な方向に移動させる案内部移動装置と、前記繊維の向きを前記ライナの形状と合致させるように前記繊維案内部を回転させる案内部回転装置と、前記繊維案内部に設けられ、前記繊維の張力を測定する張力センサと、前記繊維案内部の前記ライナの軸方向と平行な方向の移動及び回転を含む前記繊維案内部の動作に起因して生じる慣性力であって、前記張力センサの測定値に影響を与える慣性力を算出する慣性力算出部と、前記張力センサによる測定値から前記慣性力を除いた値に基づいて前記繊維の張力指令値を設定して張力を制御する制御部と、を備える。
この形態によれば、制御部は、繊維案内部のライナの軸方向と平行な方向の移動や回転によって張力センサに影響を与える慣性力が生じても、張力センサによる測定値から慣性力を除いた値に基づいて繊維の張力指令値を設定して張力を制御するので、ライナに巻き付ける繊維の張力を適切に制御できる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、フィラメントワインディング装置の他、ライナに巻き付ける繊維の張力制御方法、張力制御装置等の種々の形態で実現することができる。
フィラメントワインディング装置の概略構成を示す説明図である。 繊維束をライナに巻き付ける仕組みを示す説明図である。 繊維案内部の概略構成を示す説明図である。 フープ巻きと繊維案内部の動きを示す説明図である。 ヘリカル巻きと繊維案内部の動きを示す説明図である。 繊維案内部をトラバース方向に移動させたときのメカ慣性の影響を示す説明図である。 繊維案内部を回転させたときのメカ慣性の影響を示す説明図である。 繊維案内部を前後方向に移動させたときの影響を示す説明図である。 張力測定値と慣性力とライナに巻かれる繊維の真の張力の関係を示す例である。 本実施形態における制御を示す説明図である。 本実施形態の制御をしないときの張力指令値と真の張力を示す説明図である。 本実施形態を実施したときの張力指令値と真の張力を示す説明図である。 第2の制御を示す説明図である。
・第1の実施形態
図1は、フィラメントワインディング装置1000の概略構成を示す説明図である。フィラメントワインディング装置1000は、ライナ100に繊維束10を巻き付ける装置である。フィラメントワインディング装置1000は、巻出しボビン12a〜12dと、中継ローラ14a〜14d,16,17と、ニップローラ18と、ダンサ19と、繊維案内部30と、制御部200と、を備える。
巻出しボビン12a〜12dは、それぞれ、プリプレグ繊維10a〜10dを巻いており、プリプレグ繊維10a〜10dを繰り出す繰出部である。「プリプレグ繊維」とは、繊維にエポキシなどの樹脂をしみ込ませたものを意味する。繊維としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維が用いられる。樹脂はエポキシ樹脂に限定されず、耐強度、耐環境性の高い他の樹脂を用いてもよい。また、巻出しボビン12a〜12dは、プリプレグ繊維ではなく、樹脂をしみこませていない繊維を繰り出してもよい。この場合、繊維案内部30までの途中に樹脂槽を設け、樹脂槽に繊維を浸すことで、樹脂をしみ込ませ、プリプレグ樹脂を生成してもよい。以下プリプレグ繊維を単に「繊維」とも呼ぶ。
中継ローラ14a〜14d,16,17は、繊維10a〜10dを搬送するときの中継ローラである。第1段目の中継ローラ14a〜14dは、繊維10a〜10d毎に独立して設けられているが、2段目以降の中継ローラ16,17は、繊維10a〜10d毎に独立せず、共通して設けられている。繊維10a〜10dは、中継ローラ16,17を経ることで、1つの繊維束10として収束していく。繊維束10は、断面が略長方形の帯の形状をしている。中継ローラ16,17は、繊維10a〜10dを束ねて繊維束10に収束するローラでもあるため、「収束ローラ」とも呼ぶ。
ニップローラ18は、繊維束10を挟む一対のローラであり、繊維束10を挟むことで、ニップローラ18より上流側の繊維束10の張力が、ニップローラ18より下流側の繊維束10の張力に影響を与えないようにする。さらに、ニップローラ18から下流に繰り出す繊維束10の速度を変えることで、ニップローラ18よりも下流の繊維束10の張力を調整する。ニップローラ18から繰り出される繊維束10の速度が速くなれば、繊維束10の張力は低くなり、遅くなれば、繊維束10の張力は高くなる。
ダンサ19は、ニップローラ18より下流側の繊維束10の張力を調整するための張力設定部として機能する。ダンサ19は、ダンサローラ20、21と、シリンダ22と、角度センサ23とを備える。角度センサ23は、ダンサローラ21の位置を、角度として取得する。ダンサローラ21の位置は、シリンダ22の内部の圧力と、繊維束10張力と、のバランスにより決まる。制御部200は、張力指令値Tcに基づいてシリンダ22の中のピストン(図示せず)の位置をモータ(図示せず)などで移動させる。制御部200は、角度センサ23の測定値ψが目標値となるように、ニップローラ18から繰り出す繊維束10の速度を調整することで、繊維束10に掛けるべき張力を調整する。すなわち、角度センサ23の測定値ψが目標値と一致すれば、繊維束10の張力が、張力指令値Tcと一致する。なお、張力調整部としては、ニップローラ18とダンサ19に限定されず、外部からの制御信号で張力を調整できるものであれば、ニップローラ18とダンサ19以外の構成を採用可能である。
繊維案内部30は、ライナ100に対して繊維束10を繰り出す装置であり、3つのローラ32,33,34と、張力センサ35と、を備える。繊維案内部30は、ライナ100の軸方向(「トラバース方向」とも呼ぶ。)に移動可能である。ライナ100は重いため、ライナ100に繊維束10を巻く時には、制御部200は、ライナ100をトラバース方向に移動させるのではなく、繊維案内部30をトラバース方向に移動させる方が容易だからである。また、繊維案内部30は、繊維束10の繰り出し方向とほぼ平行である回転軸周りに回転可能である。繊維束10は、4つの繊維束10a〜10dを収束したものであり、高さに比べて幅の広い帯の形状を有している。繊維案内部30は、繊維束10の断面の長手方向をライナ100のドーム部の接線方向と合致させるように回転される。繊維案内部30の詳細な構成については、後述する。
次に、繊維束10をライナ100に巻き付ける仕組みについて図2を用いて説明する。図2は、繊維束10をライナ100に巻き付ける仕組みを示す説明図である。図2に示す様に、ライナ100は、ライナ支持装置105により回転可能に支持されている。他方、フィラメントワインディング装置1000の繊維案内部30は、案内部移動装置60により、移動される。ライナ支持装置105は、ライナ支持軸110と、ライナ回転装置120と、支持台130と、を備える。ライナ支持軸110は、ライナ100の口金と、ライナ回転装置120とを連結してライナ100を支持する。ライナ回転装置120は、ライナ100をライナ支持軸110周りに回転させる。ライナ回転装置120としては、例えばモータが用いられる。支持台130は、ライナ回転装置120を載置する。案内部移動装置60は、繊維案内部30をトラバース方向に移動させる。なお、案内部移動装置60は、繊維案内部30を前後方向(繊維束10の繰り出し方向)に移動させても良い。
図3は、繊維案内部30の概略構成を示す説明図である。繊維案内部30は、支持台31と、3つのローラ32,33,34と、張力センサ35と、回転モータ36と、伝達プーリ37,39と、ベルト38,40と、回転部41と、ローラ支持部42と、張力伝達部43と、を備える。支持台31は、案内部移動装置60に接続され、他の部材を載せる台である。3つのローラ32〜34は、それらのローラ面に繊維束10が接触する部材である。ローラ32〜34は、ローラ支持部42によって支持されている。3つのローラ32〜34のうちの1つのローラ32には、張力伝達部43を介して、張力センサ35が接続されている。張力センサ35が接続されるローラは、ローラ32以外にローラであってもよい。すなわち、張力センサ35は、ローラ32〜34のうちのいずれか一つに接続されていれば良い。ローラ支持部42は、回転部41に接続されている。回転部41は、所定の回転軸周りに回転する。回転モータ36は、伝達プーリ37、39と、ベルト38、40と、を介して、回転部41を回転させる。すなわち、回転モータ36と、伝達プーリ37,39と、ベルト38,40と、回転部41とが、案内部回転装置を構成する。回転部41が回転すると、ローラ32,33,34と、張力センサ35と、ローラ支持部42と、張力伝達部43も一緒に回転する。
次に、繊維束10をライナ100に巻き付ける巻き付け方について説明する。繊維束10をライナに巻き付ける巻き方には、大きく分けて、フープ巻きとヘリカル巻きがある。図4は、フープ巻きと繊維案内部の動きを示す説明図である。フープ巻きとは、ライナ100の円筒部102の周方向に沿った方向に繊維束10を巻き付ける巻き方である。フープ巻きでは、繊維案内部30は、案内部移動装置60によってトラバース方向にゆっくりと移動され、移動に伴ってライナ100に向けて繊維束10を繰り出す。なお、ライナ100のドーム部104は、後述するヘリカル巻きで巻かれる。但し、ドーム部104もフープ巻きで巻かれても良い。
図5は、ヘリカル巻きと繊維案内部の動きを示す説明図である。ヘリカル巻きとは、ライナ100の一方のドーム部104から円筒部102を通って他方のドーム部104に亘るように繊維束10を巻く巻き方である。ヘリカル巻きでは、繊維案内部30は、案内部移動装置60によってフープ巻きよりもトラバース方向に素早く移動されながらライナ100に向けて繊維束10を繰り出す。ここで、ヘリカル巻きでは、ドーム部104に繊維束10を繰り出す時には、繊維案内部30の回転部41は、上述したように、繊維束10の断面の長手方向とドーム部104の接線方向とを合わせるために回転する。但し、ヘリカル巻きでは、ドーム部104だけで無く、円筒部102を巻く時にも、繊維束10の長手方向がライナ100上の繊維束10方向と交わるようにするために、繊維案内部30が回転する場合がある。
図6は、繊維案内部30をトラバース方向に移動させたときのメカ慣性の影響を示す説明図である。繊維案内部30が鉛直方向から繊維案内部30の移動方向へ回転角θだけ傾いた状態でトラバース方向に移動したとする。回転角θは、鉛直方向を0度としたときの繊維案内部30の移動方向への傾きである。このとき、トラバース方向と、張力センサ35の検知方向との為す角φは、φ=90°−θで算出される。繊維案内部30が回転角θだけ傾いた状態でトラバース方向に移動すると、繊維案内部30の移動方向と、張力センサ35の検出方向とが直交しなくなるので、繊維案内部30に掛かる慣性力のうち、トラバース方向の移動に関する成分F1が、張力センサ35の測定した張力に影響を与える。この慣性力のトラバース方向の成分F1は、以下のように算出できる。
F1=m×α×cosφ= …(1)
ここでmは、張力センサ35の質量、αは、トラバース方向の加速度である。制御部200は、トラバース方向の加速度αを、繊維案内部30に加速度センサを設けて測定する。なお、繊維案内部30をトラバース方向に移動させる案内部移動装置60にエンコーダを設け、制御部200は、そのエンコーダの値を測定し、そのエンコーダの値を2階微分してトラバース方向の加速度αを取得しても良い。制御部200は、角φの値を、回転部41に設けられたエンコーダの値を測定し、そのエンコーダの値から算出する。角φを算出するためのエンコーダは、回転モータ36、あるいは伝達プーリ37、39に設けられていても良い。
図7は、繊維案内部30を回転させたときのメカ慣性の影響を示す説明図である。繊維案内部30が回転するとき、張力センサ35は、回転の中心である回転軸からrだけシフトした位置にあるため、張力センサ35には、回転(円運動)によって外に向かう慣性力が生じる。このとき、この回転に起因する慣性力F2は以下のように算出できる。
F2=M×r×ω …(2)
ここでMは、張力センサ35の質量であり、ωは、繊維案内部30が回転するときの角速度である。角速度ωは、回転部41に設けられたエンコーダの値を測定し、そのエンコーダの値の変化から算出できる。なお、エンコーダは、回転モータ36、あるいは伝達プーリ37、39に設けられていても良い。
図8は、繊維案内部30を前後方向に移動させたときの影響を示す説明図である。繊維案内部30が前後方向(ライナ100に近づく方向あるいはライナ100から遠ざかる方向)に移動したときにも、同様にその移動に起因する慣性力F3が発生する。しかし、慣性力F3の方向は、張力センサ35の検知方法と交わる方向のため、張力センサ35の測定値には、ほとんど影響を与えない。したがって、制御部200は、繊維束10の張力を制御する際には、繊維案内部30のトラバース方向の移動による慣性力F1と、繊維案内部30の回転による慣性力F2の影響のみを考慮すればよい。
図9は、張力測定値と慣性力とライナ100に巻かれる繊維束10の真の張力の関係を示す例である。図9の横軸は時間であり、縦軸は張力(慣性力)である。ライナ100に巻かれる繊維束10の真の張力Trは、張力センサ35の測定値Tmから慣性力(F1+F2)を引くことで得られる。すなわち、以下の式で算出される。
Tr=Tm−(F1+F2) …(3)
制御部200は、ライナ100に巻かれる繊維束10の張力がこの真の張力Trになるように、ニップローラ18とダンサ19を制御する。
図10は、本実施形態における制御を示す説明図である。本実施形態では、制御部200は、リアルタイムに慣性力を測定、算出し、フィードバック制御を行う。制御部200は、慣性力算出部201を備える。慣性力算出部201は、加速度センサ44を用いて、繊維案内部30のトラバース方向の加速度αを取得し、エンコーダ45を用いて回転部41の角速度ωを取得する。その後、慣性力算出部201は、式(1),(2),(3)を用いて、慣性力F1+F2を算出する。制御部200は、慣性力F1+F2と、張力センサ35の測定値Tmとから真の張力Trを算出する。制御部200は、張力目標値Ttと真の張力Trとから、ダンサ19に指令する張力指令値Tcを算出し、フィードバック制御を行う。
ダンサ19は、張力指令値Tcに基づいて、ダンサローラ21の位置を設定する。制御部200は、ダンサローラ21の位置を、角度センサ23を用いて角度ψとして取得し、角度ψが目標角度Tψとなるようにニップローラ18から繰り出す繊維束10の速度をフィードバック制御する。
図11は、本実施形態の制御をしないときの張力指令値Tc’と真の張力Tr’を示す説明図である。張力指令値Tc’は、張力目標値Ttと同じであり、時間にかかわらず、ほぼ一定である。一方、真の張力Tr’は、張力センサ35に掛かる慣性力により、実際に一定とならない。
図12は、本実施形態を実施したときの張力指令値Tcと、真の張力Trを示す説明図である。張力指令値Tcは、図11の真の張力Tr’を、張力目標値Ttを対称として、その上下に反転した値となる。制御部200が、このような張力指令値Tcに基づいて制御すると、実際にライナ100に巻かれる繊維の張力Trは、慣性力の影響が除かれるため、ほぼ一定となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、繊維案内部30のライナ100の軸方向と平行な方向の移動及び回転を含む繊維案内部30の動作に起因して生じる慣性力であって、張力センサ35の測定値に影響を与える慣性力を算出する慣性力算出部201と、張力センサ35による測定値から慣性力を除いた値に基づいて繊維の張力指令値Tcを設定して張力を制御する制御部200を備えるので、ライナ100の巻かれる繊維束10の張力を適切に制御できる。
上記実施形態では、トラバース方向と、回転方向の2つの慣性力の影響を除くようにした。影響を除く慣性力は、これらに限られない。例えば、繊維案内部30をピッチ方向(トラバース方向を軸とした回転方向)に回転させる場合には、その慣性力の影響についても除くようにしても良い。
上記実施形態では、繊維束10を巻く場合を例にとって説明したが、繊維を巻く場合も同様である。
・変形例
第1に制御では、制御部200は、繊維案内部30のトラバース方向の加速度αを、トラバース方向の加速度センサ44を用いて取得し、回転角θを、エンコーダ45を用いて取得したが、3次元センサを用いて繊維案内部30のx、y、z方向の動きを測定し、加速度α、回転角θ(φ)を算出しても良く、繊維案内部30のx、y、z方向の動きから加速度α、回転角θ(φ)を算出せずに、直接慣性力を算出しても良い。
・第2の実施形態
上記実施形態では、制御部200は、繊維案内部30の動き、具体的には慣性力を測定して、制御しているが、以下に説明するように、慣性力を直接測定せずに制御しても良い。図13は、第2の制御を示す説明図である。通常、ライナ100に繊維束10を巻く時には、繊維案内部30をどのように動作させるかは、プログラムにより予め決まっている。したがって、制御部200は、そのプログラムにより予め定められた繊維案内部30の動作状態から慣性力を算出し、若しくは予め測定された張力指令値を設定する。制御部200は、繊維巻き付けプログラム格納部202と、慣性力算出部203と、張力指令値設定部204とを備える。繊維巻き付けプログラム格納部202は、繊維案内部30をどのように動作させるかを規定するプログラムを格納している。慣性力算出部203は、繊維巻き付けプログラム格納部202から繊維案内部30の制御状態を取得し、その動作状態に対応する慣性力を算出する。張力指令値設定部204は、算出された慣性力と、張力目標値Ttとを用いて、張力指令値Tcを算出する。その後のニップローラ18とダンサ19を用いた制御は、第1の実施形態と同一である。このように、制御しても、ライナ100に巻き付ける繊維束10の張力を適切に制御できる。この制御方法の場合、慣性力を先んじて取得して制御するので、制御の遅れが生じにくい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…繊維(繊維束)
10a〜10d…プリプレグ繊維
12a〜12d…ボビン
14a〜14d…中継ローラ
16,17…中継ローラ(収束ローラ)
18…ニップローラ
19…ダンサ
20,21…ダンサローラ
22…シリンダ
23…角度センサ
30…繊維案内部
31…支持台
32〜34…ローラ
35…張力センサ
36…回転モータ
37、39…伝達プーリ
38、40…ベルト
41…回転部
42…ローラ支持部
43…張力伝達部
44…加速度センサ
45…エンコーダ
60…案内部移動装置
100…ライナ
102…円筒部
104…ドーム部
105…ライナ支持装置
110…ライナ支持軸
120…ライナ回転装置
130…支持台
200…制御部
201…慣性力算出部
202…繊維巻き付けプログラム格納部
203…慣性力算出部
204…張力指令値設定部
1000…フィラメントワインディング装置
F1、F2…慣性力
Tc…張力指令値
Tm…測定値
Tr…真の張力
Tt…張力目標値
Tψ…目標角度
θ…回転角
φ…トラバース方向と、張力センサの検知方向との為す角
ψ…角度

Claims (1)

  1. フィラメントワインディング装置であって、
    ライナを回転させるライナ回転装置と、
    前記ライナに向けて繊維を巻き出す繊維案内部と、
    前記繊維案内部を前記ライナの軸方向と平行な方向に移動させる案内部移動装置と、
    前記繊維の向きを前記ライナの形状と合致させるように前記繊維案内部を回転させる案内部回転装置と、
    前記繊維案内部に設けられ、前記繊維の張力を測定する張力センサと、
    前記繊維案内部の前記ライナの軸方向と平行な方向の移動及び回転を含む前記繊維案内部の動作に起因して生じる慣性力であって、前記張力センサの測定値に影響を与える慣性力を算出する慣性力算出部と、
    前記張力センサによる測定値から前記慣性力を除いた値に基づいて前記繊維の張力指令値を設定して張力を制御する制御部と、
    を備える、フィラメントワインディング装置。
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