以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの中段、中可変表示列10Mの中段、右可変表示列10Rの中段により構成されるいわゆる中段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、光を透過する透過部材(カバー部材)と、当該透過部材に対して光を照射するLEDなどの光源とを備え、遊技の進行に応じた態様(点灯パターン、点灯色等)で発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。また、報知用表示器60には、設定変更処理中において、設定候補となっている設定値が表示される。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80は、例えばLEDにより構成され、有利期間において点灯し、有利期間ではない通常期間において消灯する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、チャンススイッチ81F、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では「3」に設定。)をいう。なお、最大ベットスイッチ17にはLEDが内蔵されており賭数設定できる状態となると所定の態様(点滅状態、点灯状態)で発光するようになっている。
演出操作部81は、遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を検出するスイッチである。チャンススイッチ81Fは、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
演出操作部81およびチャンススイッチ81Fを含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、下部パネル35が設けられ、さらに下部パネル35の左右にはそれぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部パネル35および下部ランプ部37L、37R各々は、例えば光を透過する透過部材(カバー部材)と、当該透過部材に対して光を照射するLEDなどの光源とを備え、遊技の進行に応じた態様(点灯パターン、点灯色等)で発光することにより演出を実行する。
ランプ部33Lおよび下部ランプ部37Lは、左側に位置するランプであるため左ランプともいう。また、ランプ部33Rおよび下部ランプ部37Rは、右側に位置するランプであるため右ランプともいう。また、ランプ部33Mは、上方に位置するランプであるため上ランプともいう。また、下部パネル35は、下方に位置するランプであるため下ランプともいう。また、左ランプ、右ランプ、上ランプ、下ランプは、まとめて、上下左右ランプともいう。
上ランプ、左ランプ、右ランプ各々の透過部材については、光を拡散等するための凹凸が形成されているものの、デザインについては何ら施されていない。これに対し、下ランプの透過部材には、例えば、スロットマシン1の機種において登場する恐竜を想起させる(示唆する)キャラクタのデザインが施されている(描画されている、刷られている)。当該恐竜は、スロットマシン1の機種の世界観において主役を担うキャラクタである。下部パネル35にデザインされているキャラクタは、LEDにより所定色(昼白色)の光が透過部材の裏面側から照射されることにより、設計者が意図する態様(色合い等)で遊技者に視認させることができる。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。また、設定値は、役抽選における当選確率のみならず、遊技者にとっての有利度合いにかかわる抽選(後述するCZやAT等にかかわる抽選)における当選確率を特定するための値でもある。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、設定候補となっている設定値が順次切替えられて報知用表示器60に表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されている設定候補の設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3(a)に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。複数種類の図柄は、絵柄により構成される。以下においては、複数種類の図柄各々を、図3(b)において対応するように示されている名称(「R7」「B7」「BAR」「BL」「R1」「R2」「BE」「CH」「WM1」「WM2」)を用いて説明する。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。「R7」および「B7」は、絵柄が「7」を主体としており形状が共通するものの、尖った部分の位置・方向(R7:右上部分において左方向に尖っている+左下部分において上方向に尖っている、B7:右上部分および左下部分左部分において尖っていない)や色合い(R7:赤色、B7:青色)が異なる。また、「R1」および「R2」は、絵柄中央に「Replay」と記載されており、形状や色合いが共通するものの、突出している箇所(R1:上下左右、R2:左上、左下、右上、右下)が異なる。このように、「R1」および「R2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「R」ともいう。同様に、「WM1」および「WM2」は、絵柄が「スイカ」を主体としており形状や色合いが共通するものの、特殊なデザイン(きらきらをイメージさせるデザイン)の有無(WM1:無し、WM2:切り口に沿って点在)において異なる。このように、「WM1」および「WM2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「WM」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では「3」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、遊技状態にかかわらず規定数として「3」が設定されている例について説明するが、これに限らず、遊技状態に応じて異なる規定数が設定(例えば「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定)されているものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(遊技結果)に応じて遊技者に対して所定の遊技用価値を新たに付与する。遊技用価値としては、例えば、所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)や、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定することにより付与される再遊技等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、演出操作部81、および、チャンススイッチ81Fなどが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することより、操作部を光らせることができる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、遊技の進行に応じて予め定められた演出を実行させるときや発展させる際にチャンススイッチ81Fへの操作を促す促進演出を実行し、チャンススイッチ81Fが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときに、決定スイッチ81aあるいはチャンススイッチ81Fが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81あるいはチャンススイッチ81Fへの操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度・明度等の調整など、遊技項目を遊技者が設定することができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)が操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理(決定処理等)を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)が操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)が操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)の操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)が操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態(以下では、待機状態、あるいは遊技待機中ともいう)において、予め定められているデモ演出を実行する。デモ演出は、複数種類設けられている。サブCPU71は、遊技待機中に制御されたときに停止している図柄(表示結果)に応じた種類のデモ演出を実行する。また、デモ演出実行中において操作(例えば、賭数を設定するための操作など)が検出されたときには、復帰時演出が実行可能となる。サブCPU71は、デモ演出が開始されてから操作が検出されるまでの時間に応じて復帰時演出を実行する。デモ演出および復帰時演出は、ともに、液晶表示器27において予め定められているデモ画面や復帰時画面を表示することにより行われる演出である。
さらに、サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際にチャンススイッチ81Fへの操作を促す促進演出を実行し、チャンススイッチ81Fが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、演出操作部81の上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行という特典を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定して再遊技の付与を伴う役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」が設けられている。「RBB1」の図柄組合せには、「R7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図6の備考欄に記載の200枚)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RP1」〜「RP10」が設けられている。「RP1」の図柄組合せには、「R1」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RP2」〜「RP10」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RP1」および「RP2」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の中段・中段・中段に「R」図柄が停止し、見た目上は、「R」図柄が入賞ラインNL上に揃う。「RP3」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の下段・中段・上段に「R」図柄が停止し、見た目上は、「R」図柄が右上がりライン上に揃う。「RP4」および「RP5」は、再遊技役の当選確率が高い遊技者にとって有利な遊技状態(後述するRT2)に制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。「RP4」および「RP5」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Lおよびリール11M各々の中段・中段に「R」図柄が停止するとともにリール11Rの中段に「BE」図柄が停止し、見た目上は、リール11Lおよびリール11Mにおいて「R」図柄がテンパイしている状態となる。
「RP6」および「RP7」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Mの中段とリール11Rの上段または下段に「BAR」図柄が停止するとともにリール11Lの中段に「BE」図柄が停止し、見た目上は、リール11Mおよびリール11Rにおいて「BAR」図柄がテンパイしている状態となる場合がある。このため、「RP6」および「RP7」は、BARテンパイリプレイあるいはフェイクBARともいう。
これに対し、「RP8」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BAR」図柄がリール11L〜11R各々の下段・中段・上段に停止し、見た目上は、「BAR」図柄が右上がりラインに停止している状態となる場合がある。このため、「RP8」は、右上がりBAR揃いリプレイともいう。また、「RP9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BAR」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、見た目上は、「BAR」図柄が右下がりラインに停止している状態となる場合がある。このため、「RP9」は、右下がりBAR揃いリプレイともいう。「RP10」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Lおよびリール11M各々の中段・上段に「CH」図柄が停止している状態になり得る場合がある。
小役としては、役名称「PZ1」〜「PZ41」が設けられている。「PZ1」〜「PZ41」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。このうち、「PZ1」および「PZ2」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BE」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、見た目上は、「BE」図柄が右下がりラインに停止される。このため、「PZ1」および「PZ2」は、右下がりベルともいう。「PZ3」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BE」図柄がリール11L〜11R各々の中段・中段・中段に停止し、「BE」図柄が入賞ラインNL上に停止される。このため、「PZ3」は、中段ベルともいう。「PZ1」〜「PZ3」は、ボーナス状態以外の状態においては押し順が正解したときに入賞となり、ボーナス状態においては押し順にかかわらず入賞となり、メダルが9枚払い出される。「PZ4」〜「PZ36」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが4枚払出される。「PZ4」〜「PZ36」は、押し順不正解ベルともいう。
また、「PZ37」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「WM」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、「WM」図柄が右下がりラインに停止される場合がある。このため、「PZ37」は、スイカともいう。「PZ38」〜「PZ40」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「CH」図柄がリール11Lおよびリール11M各々の上段あるいは下段に停止される場合がある。このため、「PZ38」〜「PZ40」は、チェリーともいう。「PZ41」は、入賞ラインNL上において「WM」図柄がテンパイするチャンス目を停止し得る役である。「PZ37」〜「PZ41」は、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが4枚払出される。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、ボーナス役である「RBB1」から構成される「RBB」が設けられている。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えば「PZ38」〜「PZ41」など)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプレイ」、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」(以下、まとめて「RT2移行リプレイ」ともいう)、「フェイクリプレイ」、および、「BAR揃いリプレイ」が設けられている。「通常リプレイ」は、「RP1」および「RP2」から構成される当選役グループである。「RT2移行リプレイ1」は、「RP1」「RP2」「RP4」「RP5」から構成される当選役グループである。他の再遊技役の当選役グループについても、図7の役構成欄に記載の役から構成される。
小役の当選役グループとしては、「チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」、および、「全小役」が設けられている。このうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「PZ1」および「PZ2」、または「PZ3」に加えて、「PZ4」〜「PZ36」のうちの複数種類の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「全小役」は、すべての小役から構成される当選役グループである。他の小役の当選役グループについても、図7の役構成欄に記載の役から構成される。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「RT0」〜「RT2」、「RBB1」が当選している、いわゆる持越し遊技状態とも内部当選状態とも言われる「RT3」、およびボーナス役の入賞に伴うボーナス状態である「RBB1」などが設けられている。「RT0」〜「RT2」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「RBB」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、例えば設定値1のときには当選確率が1/400となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、設定値6のときには当選確率が1/380となるように判定値が定められている。なお、「RBB」は、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。また、ボーナス役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプレイ」は、一般遊技状態、「RT3」において役抽選の対象となる。また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」は、「RT1」においてのみ役抽選の対象となる。「フェイクリプレイ」および「BAR揃いリプレイ」は、各々、「RT1」および「RT2」において役抽選の対象となる。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
「通常リプレイ」「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」「フェイクリプレイ」および「BAR揃いリプレイ」のうちのいずれかに当選する確率は、例えば、「RT1」≦「RT0」<「RT3」<「RT2」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「RT2」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のうちのいずれかに当選する確率は、「RT1」において例えば1/20となるように判定値が記憶されている。また、「フェイクリプレイ」に当選する確率、および、「BAR揃いリプレイ」に当選する確率は、各々、「RT1」において例えば1/20となり、「RT2」において例えば1/10となるように判定値が記憶されている。なお、再遊技役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよい。
小役を含む当選役グループのうち、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、各々、一般遊技状態および「RT3」において役抽選の対象となる。また、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々に当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず一律の確率となるように判定値が記憶されている。例えば、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず例えば1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「チェリー」「スイカ」「チャンス目」のいずれかに当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず、例えば1/100となるように、判定値が記憶されている。また、「全小役」は、「RBB1」において役抽選の対象となり、1/1の確率で当選するように判定値が定められており、1遊技毎にすべての小役に当選して9枚払出を伴う「PZ3」に入賞する。このため、「RBB1」は、一般遊技状態などと比較して遊技者にとって有利な状態であるといえる。なお、小役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよく、設定値に応じて定められているものであってもよい。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。本実施形態における「はずれ」となる確率は、例えば、「RT1」≧「RT0」>「RT3」>「RT2」となるように定められているものであってもよい。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300の有利期間関連処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「RBB1」に当選したときにはボーナス役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、再遊技役を含む当選役グループのいずれかに当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
(有利期間関連処理)
S300の有利期間関連処理では、有利期間にかかわる処理を行う。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。有利一般は、CZあるいはAT遊技を実行可能なATに移行するか否かの移行抽選(CZ移行抽選、AT移行抽選)を実行可能な期間である。CZは、ATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。AT移行抽選においてATに移行する旨が決定される割合は、有利一般中であるときよりもCZ中であるときの方が高い。CZ移行抽選においてCZ当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なり、設定値1が最も低い確率となり、設定値6が最も高い確率となるように定められている。また、AT移行抽選においてAT当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なり、設定値1が最も低い確率となり、設定値6が最も高い確率となるように定められている。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。このため、ATは遊技者にとって有利な特典である。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、有利一般中およびCZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件であって、例えば再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する条件などを含む。有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、図8(a)を用いて後述するいずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば「チェリー」「スイカ」「チャンス目」のいずれかに当選することにより成立する条件や「RBB」当選により成立する条件などを含む。このため、例えば、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」や「RBB」に当選したときには、有利移行条件が成立するとともに、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立する。その結果、通常期間であっても、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」や「RBB」に当選することにより、CZ移行抽選およびAT移行抽選で当選することにより、有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件は、全く同じ条件であってもよく、また全く異なる条件であってもよく、さらには共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。なお、第1の条件である上限ゲーム数1500や、第2の条件である上限累計数2400については、必ずしもその数値に到達するとは限らず、これらの条件を超えることのない数値で有利期間が終了されることもあり、例えば、第1の条件においては1450前後で終了したり、第2の条件においては2300前後で終了したりするようにしてもよい。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、ATゲーム数やATナビ回数が終了したことや、ATが終了した後における有利一般中においてCZあるいはATに移行されることなく遊技を所定回数消化することや、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件(有利期間終了条件)」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の予め定められている事象により成立し得る条件であってもよい。
有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
また、有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、有利期間関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、後述するS700の有利期間設定処理により行われる。
また、有利期間関連処理では、有利期間のうちのAT中における役抽選の結果に応じて、有利操作態様を報知用表示器60により報知するための報知処理を実行可能とする。例えば、当選役グループのうち「左正解ベル1」に当選しているときには、後述するように「PZ1」または「PZ2」を入賞させるために左のリール11Lから停止させるように、報知用表示器60を構成する7セグメントのうちアルファベットの大文字「L」に対応する位置のセグメント(左辺の上下2つ下辺の1つ)を点灯させる態様で報知用表示器60を駆動制御する。さらに、有利期間関連処理では、当該有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても有利操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。有利期間関連処理が終了すると、S400のリール制御処理に移行する。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。なお、前述したウェイトタイムは、次遊技のストップスイッチの停止有効化となるまでの期間が一定期間以上となるようにするものであれば、リールの回転開始タイミングを遅延させるものに限らず、停止操作可能な状態(有効化)とするタイミングを遅延させるものであってもよい。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
「RBB1」を構成する図柄は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。このため、「RBB1」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図7に示すように、「RBB1」に当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RT3に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプレイ」に含まれる「RP1」および「RP2」の中図柄および右図柄を構成する「R1」は、図3に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP1」および「RP2」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、各々、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。しかし、「通常リプレイ」当選時には「RP1」および「RP2」のいずれにも当選する。その結果、「通常リプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RP1」および「RP2」のいずれかを入賞させることができる。
また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」各々に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」各々に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、当選している「RT2移行リプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。また、第2停止とは、第1停止により一のリールが停止し残り2つのリールが回転しているときに停止させることをいい、第3停止とは、残り1つのリールが回転しているときに停止させることをいう。第1停止、第2停止、および第3停止のためのストップスイッチへの操作を、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作ともいう。
例えば、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、RT2への移行を伴う「RP4」および「RP5」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「RP4」および「RP5」の中図柄および右図柄を構成する「R1」および「BE」は、いずれもリール11Mおよび11Rにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP4」および「RP5」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、いずれかの図柄を入賞ラインNL上に引込み可能となる範囲内に配列されている。また、「RT2移行リプレイ1」当選時には「RP4」および「RP5」のいずれにも当選する。その結果、「RP4」および「RP5」を他の役よりも優先して引き込んだときには、「RP4」および「RP5」のいずれかを入賞させることができる。よって、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「RP4」および「RP5」よりも「RP1」および「RP2」を優先して引き込むように定められている。このため、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
また、「RT2移行リプレイ2」に当選しているときにおいて、中第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われ、左あるいは右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。また、「RT2移行リプレイ3」に当選しているときにおいて、右第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われ、左あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選しているときにおいて「RP4」および「RP5」のいずれかを入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
次に、「フェイクリプレイ」に当選しているときにおけるリール制御について説明する。「フェイクリプレイ」に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「フェイクリプレイ」に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「フェイクリプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、「フェイクリプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「フェイクリプレイ」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。例えば、「フェイクリプレイ」当選時において、左第1停止あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
これに対して、「フェイクリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」よりも「RP6」および「RP7」を優先して引き込むように定められている。「RP6」および「RP7」の右図柄を構成する「R1」および「BE」は、リール11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。また、「RP6」および「RP7」の左図柄を構成する「BE」は、リール11Lにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP6」および「RP7」の中図柄を構成する「BAR」は、リール11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「フェイクリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP6」および「RP7」を他の役よりも優先して引き込み、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、ストップスイッチ21Lの操作タイミングにかかわらず「RP6」および「RP7」のいずれかを入賞させることができる。
ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」〜「RP3」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」および「RP2」のいずれかを優先して引き込み入賞させることができる。また、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP3」を優先して引き込むように定められている。「RP3」の左図柄を構成する「BE」は、リール11Lにおいて引込み可能範囲内に配列されており、「RP3」の中図柄を構成する「R1」は、リール11Mにおいて引込み可能範囲内に配列されている。このため、「RP3」を優先して引き込んだときには、「RP3」を必ず入賞させることができる。
「フェイクリプレイ」当選時で右第1停止したときには、前述したように、「R1」および「BE」のいずれかを入賞ラインNL上に必ず停止させることができる。このとき、図3の図柄番号0の「R1」と図柄番号1の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、図柄番号0の「R1」よりも図柄番号1の「BE」を優先して入賞ラインNL上に引き込むように定められている。また、図3の図柄番号5の「R1」と図柄番号6の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、図柄番号6の「BE」よりも図柄番号5の「R1」を優先して入賞ラインNL上に引き込むように定められている。このため、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止するときに、図柄番号2〜4の「BAR」図柄を狙って停止操作したときに、図柄番号1の「BE」を入賞ラインNL上に停止させて下段に「BAR」図柄を停止させるか、図柄番号5の「R1」を入賞ラインNL上に停止させて上段に「BAR」図柄を停止させることができる。
また、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止により「BAR」図柄を上段または下段に停止させた状態で、中第2停止するときに、図柄番号3の「BAR」図柄を狙って停止操作したときには、図柄番号3の「BAR」を入賞ラインNL上に停止させることができる。このように、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止および中第2停止により「BAR」図柄を狙って停止操作することにより、「BAR」図柄を右上がりラインあるいは右下がりラインのいずれかにおいてテンパイさせることができる。なお、「RP6」および「RP7」を構成する左図柄の「BE」が入賞ラインNL上に停止したときには、図3に示すリール11Lの図柄配列から、少なくとも図柄番号2の「BAR」図柄が上段あるいは下段に停止されることがないため、「BAR」図柄がライン上に揃って停止されることはない。
次に、「BAR揃いリプレイ」に当選しているときにおけるリール制御について説明する。「BAR揃いリプレイ」に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「BAR揃いリプレイ」に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「BAR揃いリプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、「BAR揃いリプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「BAR揃いリプレイ」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。例えば、「BAR揃いリプレイ」当選時において、左第1停止あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
これに対して、「BAR揃いリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」よりも「RP8」および「RP9」を優先して引き込むように定められている。「RP8」および「RP9」の右図柄を構成する「R1」および「BE」は、リール11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP8」および「RP9」の左図柄を構成する「R1」および「CH」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。また、「RP8」および「RP9」の中図柄を構成する「BAR」は、リール11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「BAR揃いリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP8」および「RP9」を他の役よりも優先して引き込み、ストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」および「CH」のいずれかを入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作され、かつ、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、「RP8」および「RP9」のいずれかを入賞させることができる。
これに対して、ストップスイッチ21L、21Mへの停止操作のタイミングによって、「RP8」および「RP9」のいずれをも入賞させることができない場合には、以下のようなリール制御が行われる。まず、第2停止操作により、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときや、ストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」〜「RP3」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」および「RP2」のいずれかを優先して引き込み入賞させることができ、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP3」を優先して引き込み入賞させることができる。
次に、第2停止操作により中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み停止された状態において、第3停止操作によりストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP6」および「RP7」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP6」を優先して引き込み入賞させることができ、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP7」を優先して引き込み入賞させることができる。
第2停止操作により左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み停止された状態において、第3停止操作によりストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」および「RP10」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、左図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」を優先して引き込み入賞させることができ、左図柄として「CH」が停止されているときには、「RP10」を優先して引き込み入賞させることができる。
「BAR揃いリプレイ」当選時で右第1停止したときには、前述したように、「R1」および「BE」のいずれかを入賞ラインNL上に必ず停止させることができる。このとき、図3の図柄番号0の「R1」と図柄番号1の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、「フェイクリプレイ」当選時と同様のリール制御が行われるため、図柄番号2〜4の「BAR」図柄を狙って停止操作したときに、図柄番号1の「BE」を入賞ラインNL上に停止させて下段に「BAR」図柄を停止させるか、図柄番号5の「R1」を入賞ラインNL上に停止させて上段に「BAR」図柄を停止させることができる。
また、「BAR揃いリプレイ」当選時において右第1停止により「BAR」図柄を上段または下段に停止させた状態で、第2停止および第3停止において、リール11Lおよびリール11M各々の「BAR」図柄を狙って停止操作したときには、「BAR」図柄を入賞ラインNL上に停止させることができる。このため、「BAR揃いリプレイ」当選時において「BAR」図柄を狙って停止操作することにより、「BAR」図柄を右上がりラインあるいは右下がりラインのいずれかにおいてテンパイさせることや、揃えさせることができる。その結果、「BAR」図柄が右上がりラインあるいは右下がりラインに揃うことにより、「BAR揃いリプレイ」に当選していたことを遊技者に対して確定的に報知できる。また、「BAR」図柄が右上がりラインあるいは右下がりラインにテンパイすることにより、停止操作タイミングが合わなかった場合などにおいて、「BAR揃いリプレイ」に当選していたことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
小役のうち「チェリー」に含まれる小役を構成する左図柄(「BAR」「BL」「WM1」)は、図3に示すとおり、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「チェリー」は、当選していてもストップスイッチ21Lの操作タイミングによっては、「チェリー」に含まれる小役を構成する左図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
小役のうち「スイカ」に含まれる小役を構成する図柄は、リール11L〜11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。このため、「スイカ」に当選した場合には、ストップスイッチ21L〜21R各々への操作タイミングにかかわらず、「スイカ」に含まれる小役を引き込み入賞させることができる。
小役のうち「チャンス目」に含まれる小役を構成する左図柄(「WM1」)および中図柄(「WM2」)は、図3に示すとおり、リール11Lおよび11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「チャンス目」は、当選していてもストップスイッチ21Lおよび21Mの操作タイミングによっては、「チャンス目」に含まれる小役を構成する左図柄あるいは中図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
次に、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、9枚払出となる「PZ1」および「PZ2」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「PZ1」および「PZ2」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、いずれかの図柄を入賞ラインNL上に引込み可能となる範囲内に配列されている。また、「左正解ベル1」当選時には「PZ1」および「PZ2」のいずれにも当選する。その結果、「PZ1」および「PZ2」を他の役よりも優先して引き込んだときには、「PZ1」および「PZ2」のいずれかを入賞させることができる。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、「PZ1」および「PZ2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止したときには、「PZ1」および「PZ2」よりも同時当選している「PZ4」等の他の小役を優先して引き込むように定められている。「PZ4」等の他の小役を構成する図柄は、いずれも、図3に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに同時当選している「PZ4」等の他の小役を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「PZ1」および「PZ2」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときには「PZ1」および「PZ2」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の小役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの小役にも入賞させることができない場合が生じる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず9枚払出となる「PZ3」を入賞させることができる。しかし、左あるいは右第1停止したときには、「PZ3」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。また、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず9枚払出となる「PZ3」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときには「PZ3」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の小役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの小役にも入賞させることができない場合が生じる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ同時当選している他の小役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「RT0」あるいは「RT2」において入賞ラインNL上に停止すると「RT1」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう。
「全小役」に当選しているとき(例えば、「ボーナス状態」中)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかに入賞するようにリール制御が行われる。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RT3)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S500の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S500の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の払出欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率、役物比率、および役物等状態比率等を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S600の遊技状態設定処理に移行する。
(遊技状態設定処理)
S600の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8(a)には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「RT0」または「RT2」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「RT1」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RT1」において昇格リプレイである「RP4」〜「RP5」に入賞したときに、「RT2」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
また、遊技状態設定処理は、「RT0」「RT1」および「RT2」のいずれかにおいて「RBB1」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RT3」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB1」に入賞したときに、「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理は、「ボーナス状態」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図8(a)を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態としてRT0に設定されて遊技が開始される。RT0においては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様(正解手順)を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、RT1に制御されることになる。
RT1では、「RT2移行リプレイ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞するとRT2に制御される。しかし、非AT中であるため、「RT2移行リプレイ」当選時において有利操作態様(正解手順)を報知するAT遊技が行われることがない。また、「昇格リプレイ」に入賞してRT2に制御された後においも非AT中であるため、RT0中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「RT1」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半をRT1において行うことになる。
また、RT1中等において「RBB1」に当選したとしても、当該「RBB1」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB1」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RT3」に制御される。
「RBB1」に入賞すると、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態中においては、毎遊技において全小役に当選する結果、操作態様にかかわらず9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「RT0」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「RT1」「RT2」中において「押し順ベル」に当選したときに、9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、ATに制御されているときにおける「RT1」中において「RT2移行リプレイ」に当選したときには、「昇格リプレイ」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「昇格リプレイ」を入賞させることができる。その結果、「RT2」に制御させることができる。さらに、ATに制御されているときには、前述したとおり「押し順ベル」当選時に「PZ1」等を入賞させることができることにより、通常移行出目を回避できるため、「RT2」から「RT1」に転落してしまうことも防止できる。その結果、AT中においては、遊技の大半をRT2において行うことができる。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数等が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「RT2」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「RT2」に制御されるまでの「RT0」および「RT1」に制御される期間は、「RT2」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「RT0」中において「押し順ベル」に当選したときには、「RT1」へ移行可能となるようにするため、「PZ1」等を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。
(有利期間設定処理)
S700の有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。有利期間設定処理では、有利期間中における状態の遷移を制御するための処理を実行する。ここで、図8(b)を用いて、有利期間中における状態遷移の概要を説明する。
有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立することに基づいて有利期間に制御する。有利期間移行条件は、例えば内部抽選において再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する。このため、遊技の大半は、有利期間において行われる。有利期間中においては、当該有利期間が開始されてからの賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数(いわゆるMY値)や遊技回数がカウントされる。
通常期間から有利期間に制御されたときには、図8(b)に示すように有利一般に制御される。有利一般中においては、CZ移行抽選において当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確・通常・高確等の複数種類のモードのうちのいずれかに制御されるようにしてもよく、例えば、通常期間から有利期間に制御されたときには、複数種類のモードのうち、CZ移行抽選において当選する確率が高いモードに制御されてもよい。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。また、有利一般中におけるAT移行抽選の有利度合い(例えばAT当選する割合等)も、低確・通常・高確等のモードの種類に応じて異なるようにしてもよい。なお、CZ移行抽選やAT移行抽選の一方または両方は一定となるように定められていてもよい。
また、通常期間から有利期間に制御されるときには、ATに制御するまでに要する天井遊技回数を設定する。ATは、天井遊技回数に到達することやAT当選することにより制御される状態である点において、役抽選においてボーナスに当選することにより制御可能となるRBB等とは異なる。天井遊技回数とは、ATに強制的に制御する回数である。有利期間が開始されてから消化した遊技回数が天井遊技回数に到達することにより、ATに制御される。天井遊技回数は、所定のゲーム数(例えば999回)に一律に定められているものであってもよく、また、通常期間から有利期間に制御されるときに複数のゲーム数(例えば、250回、500回、999回)のうちから抽選により決定されるものであってもよい。
有利一般中のCZ移行抽選において当選したときには、所定期間(例えば所定ゲーム数消化する期間等)に亘りCZに制御される。CZにおいてAT移行当選することなく所定期間が経過したときには、再び有利一般に制御される。有利一般またはCZにおけるAT移行抽選において当選したときや天井遊技回数に到達したときには、ATに制御される。ATを開始するときには、有利期間報知ランプ80を点灯させる。
AT中は、「押し順ベル」および「RT移行リプレイ」(以下、まとめてナビ対象役ともいう)に当選したときに有利操作態様(正解手順)を報知するナビ演出が実行される。また、AT中においては、ATに制御可能とするATゲーム数を上乗せするか否か(上乗せ抽選)、1回のATの終了条件が成立(1回のATに対応するATゲーム数として抽選で決定されたゲーム数(例えば30〜100ゲーム等)、あるいはATゲーム数に上乗せされたゲーム数(30〜100ゲーム+α)を消化)した後に再度AT(次回AT)に継続して制御するか否か(AT継続抽選)、1回のATの終了条件が成立した後にATストックがない場合に有利一般およびCZのいずれに制御するか(AT終了後状態抽選)などについて抽選する各種AT中抽選が行われる。各種AT中抽選は、例えば、内部抽選において所定の当選役グループ(例えば、BAR揃いリプレイ、チェリー、スイカ、チャンス目など)に当選することにより行われる。上乗せ抽選において上乗せ当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なり、設定値1が最も低い確率となり、設定値6が最も高い確率となるように定められている。また、AT継続抽選において継続当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なり、設定値1が最も低い確率となり、設定値6が最も高い確率となるように定められている。つまり、上乗せ当選する当選確率や継続当選する当選確率は、CZ移行抽選やAT移行抽選における当選確率と同様に、設定値が高いほど、高くなるように定められている。これにより、設定値が高いほど、AT初当たり確率が高く、かつATが継続しやすくなる。なお、これとは逆に、上乗せ抽選において上乗せ当選する当選確率およびAT継続抽選において継続当選する当選確率は、設定値1が最も高い確率となり、設定値6が最も低い確率となるように定められているものであってもよい。つまり、上乗せ当選する当選確率や継続当選する当選確率は、CZ移行抽選やAT移行抽選における当選確率とは逆に、設定値が低いほど、高くなるように定められているものであってもよい。この場合、設定値が低いほど上乗せ抽選やAT継続抽選が優遇される一方でAT初当たり確率が低く、設定値が高いほど低設定時に比べてATが継続し難くなっていたり、ATが上乗せし難くなっていたりする一方でAT初当たり確率は低設定時よりも優遇されているようにしてもよい。これにより、低設定時は、ATへ移行した場合に期待できる獲得出玉(獲得メダル枚数)は大きくなるが、AT初当たりは重く(し難く)獲得した出玉(遊技者所有のメダル)が減る。一方、高設定時は、ATへ移行した場合の獲得出玉は低設定時よりも大きくはないがAT初当たりが優遇されているため、小さな出玉の塊を継続して得ることができるようにしてもよい。
AT中においては、1回のAT毎に、有利度合いが異なる複数種類のモード(ステージ)のうちのいずれかのモードに制御される。複数種類のモードは、例えば、上乗せ抽選において当選する上乗せ当選割合、および、AT継続抽選において継続当選する継続当選割合(継続決定割合に相当)および継続当選した場合にATゲーム数として決定されることを期待できる期待ゲーム数各々をモード毎に異ならせることにより、モード毎にAT中の有利度合いが異なるように定められている。モードの種類としては、宇宙モード、上空モード、地上モード、海モード、および地底モードが設けられている。AT中の液晶表示器27における背景画像の種類や、スピーカ31L、31Rから出力される効果音の種類等については、制御されているモードの種類に応じて異なる。例えば、宇宙モードでは、宇宙を想起させる背景画像が表示され、静寂な印象を抱かせる効果音等が出力される。また、海モードでは、海を想起させる背景画像が表示され、波の音を想起させる効果音等が出力される。また、モード間における継続当選割合は、例えば、宇宙モードが最も高く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も低くなるように定められている。また、モード間における期待ゲーム数は、例えば、宇宙モードが最も多く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も少なくなるように定められている。このため、AT継続抽選における遊技者にとっての有利度合いは、宇宙モードが最も高く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も低くなる。
AT継続抽選では、当選することにより、ATに制御可能な回数(ATストック回数)を1加算する。これにより、今回制御中のATの終了条件が成立した後においても、次回のATに制御されることが確定する。具体的には、1回のATが終了したときに、ATストック回数が1以上であることを条件として当該ATストック回数を1減算して、次回のATに継続して制御する。当該ATのモードは、当該ATを開始する際に抽選等により決定される。また、AT継続抽選において当選したときには、ストックされた当該ATのATゲーム数を30ゲーム〜100ゲームのうちから抽選により決定される。
また、モード間における上乗せ当選割合についても同様に、宇宙モードが最も高く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も低くなるように定められている。このため、上乗せ抽選における遊技者にとっての有利度合いは、宇宙モードが最も高く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も低くなる。よって、モードによる遊技者にとっての有利度合いは、宇宙モードが最も高く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も低くなる。
上乗せ抽選では、当選することにより、今回制御中のATのATゲーム数を上乗せする。これにより、今回制御中のATにおいて消化できるゲーム数が多くなり、ATに制御される期間を延長できる。また、上乗せ抽選において当選したときには、上乗せするゲーム数を10ゲーム〜30ゲームのうちから抽選により決定される。上乗せ当選した場合に上乗せするゲーム数として決定されることを期待できる期待ゲームは、例えば、宇宙モードが最も多く、続いて上空モード、地上モード、海モードの順となり、地底モードが最も少なくなるように定められている。
各種AT中抽選のうち上乗せ抽選において、ATゲーム数が上乗せされたときには、今回制御中のATの残りATゲーム数に加算される。これにより、今回制御中のATにおいて消化できるゲーム数が多くなり、ATに制御される期間を延長できる。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上であるときには、再度ATに継続して制御される。また、今回制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上ではないときには、AT終了後状態抽選の結果に応じて、有利一般およびCZのいずれかに制御される。有利期間中においてATに少なくとも1回制御された後、AT終了後において制御される有利一般およびCZ中のAT移行抽選において当選することなく、所定の終了条件が成立(例えば、予め定められたゲーム数を消化したときなど)したときには、通常期間に制御される。このとき、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
また、有利期間は、有利期間中の遊技回数が上限遊技回数の1500に到達することにより第1の条件が成立するか、有利期間中の賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数上限累計数の2400に到達することにより第2の条件が成立することにより終了する。このような、第1の条件および第2の条件が成立するまでの残り遊技回数あるいは累計数が所定値未満となったときには、エンディングに制御される。具体的には、AT中において、有利期間中の遊技回数が1200に到達したときや、有利期間中の差数が2000に到達したときにエンディングに制御される。エンディング中においても、ナビ演出が実行されるように定められている。エンディングは、第1の条件または第2の条件が成立するまで継続し、第1の条件または第2の条件が成立することにより有利期間終了条件が成立したときに、通常期間に制御する。このときにも、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
有利期間設定処理では、遊技状態設定処理および有利期間設定処理により設定された結果、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般、CZ、およびAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるか、有利期間中において更新される各種情報(各種AT中抽選を行う条件の成立)などを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。有利期間設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S700の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。所定の演出を実行するための演出実行手段は、サブCPU71により行われる演出制御処理に含まれる。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
(当選役グループに関する演出)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「RBB」の当選種別コマンド受信時は「ボーナス確定!」などを含む確定画面を液晶表示器27に表示する演出や、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中に有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを受信したときには、当該コマンドから特定される有利操作態様を特定可能な画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させることが可能となる。また、「RT2」かつAT中であるART中は、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときでも「PZ1」等を入賞させることができるため、通常移行出目が停止してしまい「RT1」に転落してしまうことを確実に防止できる。また、AT中でかつ「RT1」中において「RT2移行リプレイ」のいずれかに当選したときには、正解手順で停止操作を行って、確実に「昇格リプレイ」を入賞させることが可能となり、RT2に制御可能となる。なお、有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。
(各種条件に関連する演出)
前述したとおり、S300の有利期間関連処理においては、所定の有利期間移行条件、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、各種AT中抽選条件、有利期間を終了させる条件各々を成立させ得る状況となったことを特定可能なコマンドがサブ制御基板73に出力される。
演出制御処理では、所定の条件が成立したときに「連続演出」や、「狙え演出」、チャンススイッチ81Fへの操作を促す「促進演出」を含む複数種類の演出のいずれかを実行可能である。所定の条件は、例えば、BAR揃いリプレイ、チェリー、スイカ、チャンス目などに当選してAT移行抽選条件や各種AT中抽選条件が成立すること、RBB当選など、遊技者にとって有利となる可能性が生じることや、フェイクリプレイに当選することなどにより成立する。なお、所定の条件は、これに限らず、これに替えてあるいは加えて、例えば、所定の有利期間移行条件が成立することや、所定のCZ移行抽選条件が成立することなどにより成立するようにしてもよい。
連続演出は、例えば、チェリー、スイカ、チャンス目などに当選してAT移行抽選条件や各種AT中抽選条件が成立することやRBB当選することなどにより実行可能となる。連続演出は、複数回(例えば3回〜4回)の遊技に亘って所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出、例えば遊技者側の味方キャラクタと敵方キャラクタとが対戦する対戦演出等)を進行させることにより、AT移行抽選条件が成立してATに制御される可能性、各種AT中抽選条件が成立して上乗せあるいはAT継続等が行われる可能性、RBBに当選している可能性等を示唆した後に、当該演出の結末(例えば味方キャラクタの勝敗等)を報知することにより抽選結果を報知する演出である。演出の結末とは、所定の演出の流れにおける最終的な結論であって、ストーリー性を有する演出の場合には当該ストーリー展開における最終的な結果を意味する。抽選結果とは、AT移行抽選において当選したか否か(ATに制御されるか否か)、各種AT中抽選で当選したか否か(上乗せ等されるか否か、AT継続されるか否か等)、あるいはRBB当選したか否か等の結果である。AT移行抽選等において当選していないときには、演出の結末として当選していない旨が報知される。一方、AT移行抽選等において当選しているときには、演出の結末として高い割合で当選している旨が報知される。しかし、AT移行抽選等において当選しているときであっても、低い割合で演出の結末として当選していない旨が報知される場合が生じ得る。連続演出において当選している旨を報知する結末は、ATの上乗せやAT継続という特典に当選しており当該特典が付与されることが特定可能となる特定事象に相当する。特定事象は、特典に当選しているときにのみ発生し得る事象である。
連続演出としては、ストーリー性等が異なる複数種類の連続演出が設けられている。複数種類の連続演出としては、例えば、連続演出中に出現する味方キャラクタおよび敵方キャラクタのうち少なくとも一方の種類が異なるように定められている。複数種類の連続演出は、いずれの種類が実行されるかに応じて、当該連続演出を実行する契機となった抽選において当選していることに対する期待度が異なるように定められている。例えば、連続演出中に出現する味方キャラクタおよび敵方キャラクタの種類に応じて、当該連続演出を実行する契機となった抽選において当選していることに対する期待度が異なるように定められている。具体的には、実行する連続演出の種類の決定に際して、当該連続演出を実行する契機となった抽選において当選しているときには、第1種類の連続演出を他の第2種類の連続演出よりも高い割合で実行する連続演出として決定し、連続演出を実行する契機となった抽選において当選していないときには第2種類の連続演出を第1種類の連続演出よりも高い割合で実行する連続演出として決定する。このため、AT当選・上乗せ当選・継続当選等している当選割合は、連続演出の種類に応じて異なる。連続演出中においては、連続演出の種類を特定可能となる演出種類情報(連続演出の種類の名称)と、当該連続演出の当選割合(当選期待度。継続報知割合を含む)を示唆する演出期待度情報(継続報知割合情報を含む)が報知される。演出期待度情報は、例えば、連続演出開始時に表示されるタイトルに含まれる星画像の個数および表示色により報知される。例えば、表示されている星画像の個数が多い程、当選期待度が高く、当選割合が高いことを示唆する。また、星画像の表示色としては、「昼白色」、「青色」、「黄色」、「赤色」が定められている。星画像の個数が「1」の場合は「昼白色」で表示され、星画像の個数が「2」の場合は「青色」で表示され、星画像の個数が「3」の場合は「黄色」で表示され、星画像の個数が「4」の場合は「赤色」で表示される。このため、「昼白色」<「青色」<「黄色」<「赤色」の順で、当選期待度が高く、当選割合が高いことを示唆する。
狙え演出は、例えば、BAR揃いリプレイに当選してAT移行抽選条件や各種AT中抽選条件が成立して当選することや、フェイクリプレイに当選することなどにより実行可能となる。狙え演出は、「BAR」図柄を停止させることを目標として「BAR」図柄を示唆し、当該「BAR」図柄を狙わせる「BAR」関連画像(以下、BARを狙え関連画像ともいう)とともに、ストップスイッチ21Rを第1停止させる押し順(逆押し)を示す矢印画像を表示することにより、「BAR」図柄の目押しを促す演出である。
狙え演出は、AT移行抽選や各種AT中抽選等において当選しているとき(BAR揃いリプレイ当選を契機として当選した場合のみならず、チェリー、スイカ、チャンス目などを契機としてすでに当選しているが連続演出が実行されておらず未だ当選報知されていない場合などを含む)には図7に示す「BAR揃いリプレイ」に当選した遊技中(少なくともリール回転中)において実行され、AT移行抽選や各種AT中抽選等において当選していないときには図7に示す「フェイクリプレイ」に当選した遊技中(少なくともリール回転中)において実行される。つまり、AT移行抽選や各種AT中抽選等において当選しているときには、「BAR」図柄が3つ揃いとなり得る「BAR揃いリプレイ」に当選している遊技においてのみ狙え演出が実行される。これに対して、AT移行抽選や各種AT中抽選等において当選していないときには、「BAR揃いリプレイ」に当選している遊技ではなく、「BAR」図柄が3つ揃いにはなり得ない「フェイクリプレイ」に当選している遊技において狙え演出が実行される。これにより、「BAR」図柄を狙って逆押しさせて、「BAR」図柄を正確に狙って停止操作を行った場合に、「BAR」図柄が3つ揃いとなることによりAT移行抽選や各種AT中抽選等において当選していることが確定していることを報知し、「BAR」図柄が3つ揃いとならずにテンパイとなることによりAT移行抽選や各種AT中抽選等において当選していなかったことを報知できる。また、「BAR」図柄を正確に狙って停止操作を行うことができない場合でも、AT移行抽選や各種AT中抽選等において当選していることに対する期待感を持続させることができる。
狙え演出中において「BAR」図柄が3つ揃いとなったときには、液晶表示器27において「AT獲得」や「STOCK」といったメッセージが表示される。狙え演出において「BAR」図柄が3つ揃いとなること、および「AT獲得」等といったメッセージが表示されることは、いずれも、ATの当選、ATの上乗せやAT継続という特典に当選しており当該特典が付与されることが特定可能となる。なお、AT移行抽選や各種AT中抽選等の結果に関する情報を報知する演出としては、連続演出や狙え演出に限らず、例えば、特定のキャラクタを登場させることにより当選を報知する演出であってもよく、その他の演出であってもよい。
以上においては、電源投入された後に遊技および演出各々を進行するための処理等について説明した。以下では、電源投入されたときのメインCPU61およびサブCPU71により実行される処理等の一例について説明する。
<電源投入時処理について>
電源スイッチ50がOFF状態からON状態に操作(電源投入)されると、スロットマシン1への電力供給が開始される。スロットマシン1への電力供給が開始されると、メインCPU61は、図9に示す電源投入時処理を行う。
電源投入時処理では、まずS01において、電断信号がONであるか否かの判定が行われる。電断信号とは、電源ユニット49からの出力電圧が所定の閾値以上になるまでONとなる信号である。S01において電断信号がONであると判定されたときには、そのまま待機する。一方、電断信号がONであると判定されなくなったときには、S02において、RAM65へのアクセスが許可される。
S03においては、RAM65についてバックアップ不良判定処理が行われる。バックアップ不良判定処理では、例えば、チェックサム値を用いてバックアップ不良を判定するチェックサム判定や、電断フラグの値に基づき異常電断を判定する電断フラグ判定、電源断時のスタックポインタの範囲を判定するスタックポインタ判定、設定値が所定範囲内(1〜6)であるか否かの設定値判定、内部当せん情報上位が所定範囲内であるか否かの内部当せん情報上位判定などが行われ、異常であると判定されたときにRAM65のバックアップの状態が不良であると判定し、RAMエラーフラグをエラーデータとして設定する。エラーデータは、種々のタイミングで発生したエラーの有無を特定するためのデータである。
S04においては、扉センサ20からの検出信号がON状態であるか否かが判定される。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態においては、扉センサ20からの検出信号がON状態となる。扉センサ20がON状態であると判定されなかったときには、前面扉5が筐体3に対して開放された状態であるため、S05において、変更処理開始スイッチ56が操作されてON状態であるか否かが判定される。変更処理開始スイッチ56がON状態であると判定されたときには、S10において設定変更処理を行う。設定変更処理については、図12を用いて後述する。
電源投入時であって例えば設定変更処理が開始されてから終了するまでの間などにおいては、遊技を進行させるための操作が検出されたとしても遊技の進行が許容されることがない。遊技を進行させるための操作とは、例えばメインCPU61側に接続されているスイッチに対する操作であって、具体的には賭数設定操作(ベット操作、メダル投入)、スタート操作等を含む。設定変更処理が行われている状態は、遊技の進行が許容されていない非許容状態であるともいえる。これに対し、設定変更処理が終了した後においては、遊技を進行させるための操作が検出されることにより遊技の進行が許容され得る。設定変更処理終了後の状態は、遊技の進行が許容される許容状態であるともいえる。メインCPU61は、設定変更処理を開始するときに設定変更コマンドをサブCPU71側へ送信し、設定変更処理を終了するときに変更終了コマンドをサブCPU71側へ送信する。
一方、S04において扉センサ20がON状態であると判定されたときや、S05において変更処理開始スイッチ56がON状態であると判定されなかったときには、S06においてS03のRAMバックアップ不良判定処理の結果が不良であるか否かが判定される。具体的には、RAMエラーフラグが設定されているか否かが判定される。RAMエラーフラグが設定されており不良であると判定されたときには、S11においてエラー処理を行い、電源投入時処理を終了する。エラー処理については、図11を用いて後述する。これに対し、RAMエラーフラグが設定されておらず、S06において不良であると判定されなかったときには、S07においてリール11L〜11Rのうちのいずれかが回転中であったか否かが判定される。
S07においてリール11L〜11Rのうちのいずれかが回転中であったと判定されたときには、S08においてリール再起動状態を設定する。これにより、リールの回転状態を電源断前の状態に復元する設定が行われる。S09においては、センサエラー(EAエラー)判定処理を行い、電源投入時処理を終了する。センサエラー(EAエラー)判定処理では、メダルセレクタ48内の投入センサ53がON状態であるか否かを判定し、ON状態であると判定されたときにセンサエラー(EAエラー)フラグをエラーデータとして設定するための処理である。
図9に示されるように、S10における設定変更処理中においては、例えばS06およびS09などのエラー判定処理が行われない。このため、メインCPU61は、設定変更処理を実行しているときにはエラー判定処理を実行しない。
<タイマ割込処理について>
前述したように、メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有している。メインCPU61は、電源投入時処理を正常に終了した後においては、遊技の進行が許容される許容状態となる。メインCPU61は、電源投入時処理を終了した後において、所定時間経過毎に図10に示すタイマ割込処理を行う。タイマ割込処理では、まずS15において、リールモータ14L〜14Rに位相出力処理が行われる。具体的には、リールモータ14L〜14Rを構成するステッピングモータに対して、リール11L〜11R各々の回転のための励磁データを出力する。
S16においては、正常状態においてメインCPU61側からサブCPU71側へコマンドを送信するためのコマンド送信処理が行われる。S17においては、電断信号がONとなり電源断されるか否かが判定される。電源断されると判定されたときには、S23において電断処理を行う。電断処理では、スタックポインタ、電断フラグ、およびチェックサム値などの設定が行われる。
S17において電源断されると判定されなかったときには、S18においてランプ処理を行う。ランプ処理では、メイン制御基板63に接続されたランプ・LED等を駆動制御する。S19においては、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサからの信号が入力される。
S20においては、各種センサの監視処理を行う。各種センサの監視処理では、例えば、セレクターに搭載されている投入センサ53などのセレクターセンサを監視する処理、払出センサ54を監視する処理、および扉センサ20などの検知状態を監視する処理などを行い、各種センサの検知結果に基づいてエラー判定を行う。また、エラーを検知した場合には、エラー発生時の送信用コマンドを設定するとともに、各種エラーデータを設定する。
S21においては、S20の監視処理において設定されたエラーを特定するための送信用コマンドが設定されているか否かが判定される。送信用コマンドがあると判定されなかったときには、S24へ移行し、送信用コマンドがあると判定されたときには、S22においてメインCPU61側からサブCPU71側へ、エラーを特定するための送信用コマンドを送信するためのコマンド送信処理を行う。
S24においては、エラーデータが設定されているか否かが判定される。S24においてエラーデータが設定されていると判定されたときには、S25において、エラー処理を行って、タイマ割込処理を終了する。エラー処理については、図11を用いて後述する。
一方、S24においてエラーデータが設定されていると判定されなかったときには、S26においてメダルの投入判定を行う。S27においては、メダルの払出判定を行う。S28においては、タイマ更新処理を行う。S29においては、ポート出力処理を行う。S30においては、外部信号出力処理を行う。外部信号出力処理では、エラー発生を特定するための信号や前面扉5の開閉状態を特定するための信号などを遊技場の管理者が管理するホールコンピュータへ外部出力する。S31においては、リール11L〜11Rの制御処理を行い、タイマ割込処理を終了する。
<エラー処理について>
次に、図9のS11および図10のS25などにおいて実行されるエラー処理について説明する。エラー処理では、まず、S35において現在の遊技状態が保存される。S36においては、エラーデータに対応するエラーフラグを設定し、サブCPU71へ送信する。
S37においては、ペイアウト表示器46(遊技メダル払出し枚数表示器)の内容が保存される。S38においては、ペイアウト表示器46によりエラーコードが表示される。S39においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の状態が保存される。S40においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の設定(オフ状態設定)が行われる。
続いて、S41においては、E4エラーの状態(図9のS11参照)であるか否かが判定される。E4エラーの状態であると判定されたときには、S53に移行し、設定変更処理が行われるまで待機状態となる。
S41においてE4エラーの状態であると判定されなかったときには、S42において、E3エラー状態(ホッパーエンプティエラー)であるか否かが判定される。E3エラー状態であると判定されたときには、S43に移行し、E3エラー状態でないと判定されたときには、S44に移行する。
S43においては、エラー解除センサがオン状態であるか否かが判定される。なお、このS43は、ホッパーエンプティエラーであるため、ここでのエラー解除センサは、ドアキーリセットとなる。ドアキーリセットは、前面扉5を開くための鍵(ドアキー)を、前面扉5の解錠方向とは反対の方向に回すことで成立するものである。エラー解除センサがオン状態であると判定されたときには、S46に移行し、エラー解除センサがオン状態でないと判定されたときには、S44に移行する。
S44においては、リセットスイッチ52(設定変更スイッチ)がON状態であるか否かが判定される。リセットスイッチ52がON状態であると判定されたときには、S45に移行し、オン状態でないと判定されたときには、S41に移行する。
S45においては、前面扉5のドア開閉センサである扉センサ20がオン状態であるか否かが判定される。オン状態であると判定されたときには、S41に移行し、オン状態でないと判定されたときにはS46に移行する。
S46において、投入センサ53を構成する3つのセレクターセンサA、B、C、および、払出センサ54を構成する2つの払出センサA、Bのいずれかがオン状態であるか否かが判定される。オン状態であると判定されたときには、S41に移行し、オン状態でないと判定されたときにはS47に移行する。
S47においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の状態を元の状態に復帰させる。S48においては、エラーコード表示がクリア(初期化)される。S49においては、ペイアウト表示器46(遊技メダル払出し枚数表示器)の内容の復帰が行われる。S50においては、遊技状態の復帰が行われる。S51においては、サブCPU71へエラー解除イベント(コマンド)を送信する。S52においては、サブCPU71へ遊技メダル払出開始イベント(コマンド)の送信判定が行われ、エラー処理が終了する。
<設定変更処理について>
次に、図9のS10において実行される設定変更処理について図12を用いて説明する。メインCPU61は、設定変更処理を開始するときに、その旨を特定可能な設定変更コマンドをサブCPU71に出力して設定変更処理を実行する。設定変更処理では、まずS60において、メインCPU61のRAMのバックアップ不良が設定されているか否かが判定される。バックアップ不良が設定されていると判定されなかったときには、S61において設定値情報の読み取りが行われて、S65に移行する。このとき、設定変更処理中において設定値表示器として機能する報知用表示器60に設定値を表示する。設定値表示器は、報知用表示器60などのように前面扉5が閉状態においても表示状態を確認可能となる表示器に限らず、前面扉5の裏面側に設けられており、前面扉5を開状態にしなければ表示状態を確認できない表示器であってもよい。また、設定値表示器は、他の情報を表示する表示器を兼用するものに限らず、設定値を表示するためだけに設けられた専用の表示器であってもよい。
一方、バックアップ不良が設定されていると判定されたときには、S62において報知用表示器60に「C」の表示が行われ、S63においてリセットスイッチ52(設定スイッチ)がオン状態になっているか否かが判定される。オン状態になっていると判定されなかったときには待機状態となり、オン状態になっていると判定されたときにはS64において、設定値として「1」が設定されて、S65に移行する。
S65においては、リセットスイッチ52(設定スイッチ)がオン状態になっているか否かが判定される。オン状態になっていると判定されたときには、S66で設定値の更新が行われる。一方、オン状態になっていると判定されなかったときには、S67において、スタートスイッチ19のオン状態が検知されたか否かが判定される。検知されたと判定されなかったときにはS65へ移行する。
一方、検知されたと判定されたときには、設定値が確定した確定状態となり、S68において、変更処理開始スイッチ56がオフ状態であるか否かが判定される。オフ状態であると判定されなかったときには待機状態となり、オフ状態であると判定されたときには、S69において、設定値がRAM65に格納されて、設定変更処理が終了する。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。これにより、E4エラーが解除される。また、メインCPU61は、設定変更処理を終了したときに、その旨を特定可能な変更終了コマンドをサブCPU71に出力する。
<サブ制御部初期処理について>
スロットマシン1への電力供給が開始されると、サブCPU71は、図13に示すサブ制御部初期処理を行う。サブ制御部初期処理では、まずS800において電源がON状態となったか否かを判定する。具体的には、電源ユニット49からの出力電圧が所定の閾値以上となったか否かが判定される。S800において電源がON状態となったと判定されたときには、S801においてセキュリティチェックや液晶表示器27などの動作確認など所定の起動処理が行われる。電源投入直後に行われるS801においては、上下左右ランプすべてが所定態様で点灯制御される。このため、電源投入直後においては、上下左右ランプすべてが複数種類の発光色のうち所定色(例えば昼白色)で点灯状態となる。
S802においては、メインCPU61側において設定変更処理を開始するときに送信される設定変更コマンドを受信したか否かを判定する。S802において設定変更コマンドを受信していると判定されなかったとき(つまり許容状態であるとき)には、S810において各種状態に応じた処理が行われる。一方、S802において設定変更コマンドを受信していると判定されたとき(つまり非許容状態であるとき)には、ステップS803においてサブ側設定変更状態処理が行われる。
<サブ側設定変更状態処理について>
図14は、サブ制御部初期処理におけるS803のサブ側設定変更状態処理を説明するためのフローチャートである。設定変更状態に制御されると、液晶表示器27の表示状態は、予め定められた基本画面(例えば、真っ黒な画面)となるように制御される。また、サブCPU71は、サブ側設定変更状態処理を実行している期間において、「設定を変更しています」といった音声メッセージがスピーカ31L、31Rから繰り返し出力されるとともに、上下左右ランプの所定態様での点灯制御を維持しつつ、設定変更中である旨を報知する。
S911においては、演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されたか否かが判定される。演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されたときには、S913において管理者メニュー処理が行われる。これにより、管理者メニュー画面が表示される。
S914においては、特定時間に相当するタイムアウトのタイマがセットされる。S915においては、演出操作部81への操作が検出されたか否かが判定される。S915において演出操作部81への操作が検出されたと判定されたときには、S913に移行して当該操作に対応する表示あるいは設定が行われる。また、S914において特定時間に相当するタイムアウトのタイマが再セットされる。
一方、S915において演出操作部81への操作が検出されたと判定されなかったときには、S916においてS914でセットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。S916においてタイムアウトしたと判定されなかったときには、S917において設定変更状態が終了したか(変更終了コマンドを受信したか)、つまり設定変更処理が終了したか否かが判定される。S917において設定変更状態が終了したと判定されていないときにはS915へ移行する。S917において設定変更状態が終了したと判定されたときには、サブ側設定変更状態処理を終了する。これにより、許容状態に移行される。
これに対して、S916においてタイムアウトしたと判定されたときには、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときであるため、S911へ移行する。これにより、基本画面が表示される。
S911に戻り、演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されなかったときには、S912において設定変更状態が終了したか否かが判定される。S912において設定変更状態が終了したと判定されていないときにはS911へ移行する。一方、S912において設定変更状態が終了したと判定されたときには、サブ側設定変更状態処理を終了する。これにより、許容状態に移行される。なお、サブ側設定変更状態処理において管理者メニュー画面あるいは基本画面を終了した後においては、液晶表示器27にデモ画面等が表示されるとともに、上下左右ランプの所定態様での点灯制御が維持される。
図13に戻り、S803におけるサブ側設定変更状態処理が終了すると、S804において、設定変更が完了した旨を報知する設定変更完了報知が行われる。サブCPU71は、設定変更完了報知として、「設定を変更しました」といった音声メッセージがスピーカ31L、31Rから出力されて設定変更が完了した旨が報知される。この段階においても、上下左右ランプの所定態様での点灯制御は維持される。設定変更完了報知は、所定時間(例えば、30秒)経過するか遊技を進行させるための操作が受け付けられるまで継続する。
ステップS805では、設定変更完了報知を開始してから所定時間が経過してタイムアウトしたか、あるいは遊技を進行させるための操作が受け付けられたか(操作コマンド受信)が判定される。つまり、設定変更完了報知が終了したか否かが判定される。タイムアウトしたと判定されるか、あるいは操作が受け付けられたと判定されたときには、S810へ移行する。一方、タイムアウトしたと判定されずかつ操作が受け付けられたと判定されなかったとき、つまり設定変更完了報知中であるときには、S806において演出操作部81の上下左右スイッチへの操作が検出されたか否かが判定される。
S806において上下左右スイッチのうちのいずれかへの操作が検出されたと判定されたときには、S807において操作されたスイッチに対応する箇所のランプを消灯制御してS805へ移行する。対応する箇所のランプとは、例えば、上スイッチに対応して上ランプが定められており、下スイッチに対応して下ランプが定められており、左スイッチに対応して左ランプが定められており、右スイッチに対応して右ランプが定められている。消灯制御が行われたランプについては、今回の設定変更完了報知が終了するまで消灯状態が維持される。
S806において上下左右スイッチへの操作が検出されていると判定されなかったときには、S808においてチャンススイッチ81Fあるいは決定スイッチ81aへの操作が検出されたか否かが判定される。S808においてチャンススイッチ81Fあるいは決定スイッチ81aへの操作が検出されたと判定されなかったときには、S805へ移行する。一方、S808においてチャンススイッチ81Fあるいは決定スイッチ81aへの操作が検出されたと判定されたときには、S809において上下左右ランプすべての箇所のランプを同時に消灯制御するための処理を行ってS805へ移行する。この場合における上下左右ランプについては、今回の設定変更完了報知が終了するまで消灯状態が維持される。
ここで、設定変更状態が開始されてから設定変更完了報知が終了するまでの上下左右ランプを含む各種機器の状態を説明する。図15〜図17は、設定変更状態が開始されてから設定変更完了報知が終了するまでの上下左右ランプ等を含む各種機器の状態を説明するためのタイミングチャートを示している。図15〜図17には、各々、上方から時間進行に応じて、メインCPU61により制御される状態、上下左右ランプ各々の状態、スピーカからの報知音、S69によりRAM65に格納される設定値(内部設定値ともいう)、S66等により設定変更状態中に報知用表示器60において表示される設定値(表示設定値ともいう)、クレジット表示器45(遊技価値量表示手段に相当)において表示される貯留表示、ペイアウト表示器46において表示される払出表示、電源のON/OFFの状態、変更処理開始スイッチ56(設定キーともいう)のON/OFFの状態、リセットスイッチ52(設定変更ボタンともいう)の検出状態、スタートスイッチ19(レバーともいう)の検出状態、演出操作部81のうちの上下左右スイッチのうちの一例である上選択スイッチ81dの検出状態、チャンススイッチ81Fあるいは演出操作部81のうちの決定スイッチ81a(まとめて、プッシュスイッチともいう)の検出状態が示されている。
設定変更状態へは、図15のタイミングT1に示すように、設定キーがONとなっている状態で電源をONとすることにより移行される。設定変更状態に移行されると、図12で示したように、現在設定されている設定値または設定値「1」のいずれかが報知用表示器60に表示される。図15では、現在設定されている設定値である内部設定値が「1」である例が示されているものとする。このため、タイミングT1−1に示すように、報知用表示器60において「1」が表示されている。これに対して、設定変更状態中においては、貯留表示および払出表示としていずれも「−−」が表示される。また、設定変更状態中においては、前述したように、報知音として「設定を変更しています」といった音声メッセージがスピーカ31L、31Rから繰り返し出力されるとともに、電源投入直後であるため上下左右ランプすべてが点灯状態となり設定変更中である旨を報知する。
図15のタイミングT2は、設定変更ボタンへの操作が検出されて設定候補が切り替えられたタイミングを示している。設定変更ボタンへの操作が検出される毎に、図12のS66で示したように、設定候補となる設定値が1ずつ順次切り替えられる。このため、図15のタイミングT2においては、表示設定値が「2」に切り替えられている。なお、設定変更ボタンへの操作が検出されて表示設定値が切り替えられた場合であっても、内部設定値については、当該設定変更状態移行前における設定値(図15では「1」)が維持される。
図15のタイミングT3は、レバー操作が検出されたタイミングを示している。レバー操作が検出されると、図12のS67においてYESと判定されて現在の設定候補の設定値に確定した確定状態に移行する。このため、図15のタイミングT3においては、表示設定値である「2」に確定する。確定状態に移行された場合には、表示設定値が設定値として定められていない値(図15では「0」)に更新される。一方、確定状態に移行された場合であっても、内部設定値については、当該設定変更状態移行前における設定値(図15では「1」)が維持される。
図15のタイミングT4は、設定キーがOFFとなったタイミング(所定条件が成立して許容状態に制御されるタイミング)を示している。設定キーがOFFになると、図12のS68においてYESと判定されて確定している設定値がRAM65の所定領域に格納されて設定変更状態が終了する。このため、図15のタイミングT4においては、内部設定値が「2」に更新されるとともに表示設定値が非表示となる。また、貯留表示としては「00」が表示され、払出表示は非表示となる。なお、設定キーがOFFになったときの貯留表示としては、「00」を表示するものに限らず、「0」を表示するものであってもよい。また、設定キーがOFFになったときの払出表示としては、非表示となるものに限らず、「00」または「0」を表示するものであってもよい。設定変更状態終了後においては、遊技を進行するための操作に応じて遊技進行可能な状態に移行されるとともに、設定変更完了報知が行われる。設定変更完了報知中においては、前述したように、報知音として「設定を変更しました」といった音声メッセージがスピーカ31L、31Rから出力されて設定変更が完了した旨が報知されるとともに、設定変更中からの上下左右ランプの所定態様での点灯制御が維持される。
図18は、設定変更完了報知中における上下左右ランプの点灯状態等を説明するための図であり、図18(a)は、上下左右ランプすべてが点灯状態となっている例を示している。図18では、上下左右ランプ各々に対応する位置においてグレー表示されたギザギザ枠を重畳させることにより、当該対応するランプが点灯状態である旨を示している。このため、図18(a)では、上下左右ランプ33M、35、33L、37L、33R、37Rすべてが点灯状態となっている様子が示されている。
図15のタイミングT5は、設定変更完了報知が開始されたタイミングT4から所定時間が経過してタイムアウトしたか、あるいは遊技を進行させるための操作が受け付けられることにより、設定変更完了報知が終了したタイミングを示している。図15では、設定変更完了報知中において、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチのいずれも操作されなかった場合を示している。このため、図15では、設定変更完了報知が終了するタイミングT5まで、上下左右ランプ欄に示すようにいずれのランプについても点灯状態(図18(a)の状態)が継続されて、設定変更完了報知の点灯態様が維持される。なお、設定変更完了報知終了後においても、上下左右ランプは、電源投入直後と同じ所定態様(S801)で点灯制御されることになる。
図16は、図15で示した設定変更完了報知中において上下左右スイッチへの操作が検出されたときの上下左右ランプ等を含む各種機器の状態を説明するためのタイミングチャートである。その一例として、図16のタイミングT4−1は、上下左右スイッチのうちの上選択スイッチ81dへの操作が検出されたタイミングを示している。設定変更完了報知中において上選択スイッチ81dへの操作が検出されると、図13のS806およびS807で説明したとおり、当該操作が検出されたタイミングで上選択スイッチ81dに対応する上ランプが消灯制御されて、今回の設定変更完了報知が終了するまで消灯状態となる。図18(b)は、設定変更完了報知中において上下左右ランプのうち上選択スイッチ81dへの操作が検出されて、上選択スイッチ81dに対応する上ランプ33Mのみが消灯状態となっている様子が示されている。なお、タイミングT4−1以降においても、他のランプによる完了報知は継続されるとともに、スピーカ31L、31Rからの音声メッセージによる完了報知は継続される。
図18(b)では、設定変更完了報知中において上下左右スイッチのうち上選択スイッチ81dへの操作が検出されて上ランプ33Mが消灯状態となっている様子を示したが、これと同様に、左選択スイッチ81bへの操作が検出されたときには図18(c)に示すように左ランプ33L、37Lが消灯状態となるように制御され、下選択スイッチ81eへの操作が検出されたときには図18(d)に示すように下ランプ35が消灯状態となるように制御され、右選択スイッチ81cへの操作が検出されたときには図18(e)に示すように右ランプ33R、37Rが消灯状態となるように制御される。なお、設定変更完了報知終了後においては、上下左右スイッチへの操作に応じて消灯制御されたランプを含む上下左右ランプすべてが、電源投入直後と同じ所定態様(S801)で点灯制御されることになる。
図17は、図15で示した設定変更完了報知中においてチャンススイッチ81Fおよび決定スイッチ81aなどのプッシュスイッチへの操作が検出されたときの上下左右ランプ等を含む各種機器の状態を説明するためのタイミングチャートを示している。設定変更完了報知中においてプッシュスイッチへの操作が検出されると、図13のS808およびS809で説明したとおり、当該操作が検出されたタイミングで上下左右ランプすべてが消灯制御されて、今回の設定変更完了報知が終了するまで消灯状態となる。図18(f)は、設定変更完了報知中においてプッシュスイッチへの操作が検出されて、上下左右ランプ33M、35、33L、37L、33R、37Rすべてが消灯状態となっている様子が示されている。なお、設定変更完了報知終了後においては、プッシュスイッチへの操作に応じて消灯制御された上下左右ランプすべてが、電源投入直後と同じ所定態様(S801)で点灯制御されることになる。なお、タイミングT4−2以降においても、スピーカ31L、31Rからの音声メッセージによる完了報知は継続される。上下左右スイッチやプッシュスイッチへの操作に応じてランプによる完了報知とともにスピーカ31L、31Rによる完了報知をも終了させてしまうと、当該スピーカ31L、31Rによる完了報知の終了が、設定変更完了報知期間の終了に伴うものであるのかあるいは操作に伴うものであるのかが分かりにくくなってしまう虞がある。しかし、スロットマシン1では、図16のタイミングT4−1以降および図17のタイミングT4−2以降に例示されるように、設定変更完了報知中においては、上下左右スイッチやプッシュスイッチへの操作後においても、スピーカ31L、31Rによる完了報知が継続する。このため、操作の有無にかかわらず設定変更完了報知期間中であり動作確認可能な期間であることを認識させることができる。
<サブ側遊技待機処理について>
図19は、サブ制御部初期処理におけるS810の処理に含まれるサブ側遊技待機処理を説明するためのフローチャートである。S920において、遊技待機状態(特定の演出が実行されていないときであって、遊技結果コマンドを受信からリール回転開始コマンドを受信するまでの間)か否かが判定される。S920において遊技待機状態であると判定されなかったときには、サブ側遊技待機処理を終了する。
一方、S920において遊技待機状態であると判定されたときには、液晶表示器27に遊技画面またはデモ画面が表示される。また、S921においては、スロットマシン1への電源投入直後の遊技待機状態であるか否かが判定される。例えば、電源投入時には、所定のフラグ(例えば電源ONフラグ)を設定するものとし、S921においては、当該所定のフラグが設定されているか否かを判定し、当該所定のフラグが設定されているときにスロットマシン1への電源投入直後の遊技待機状態であると判定するものであってもよい。
S921においてスロットマシン1への電源投入直後の遊技待機状態であると判定されたときには、S921において電源ON後待機中処理を実行する。所定のフラグは、例えば、S921においてスロットマシン1への電源投入直後の遊技待機状態である(所定のフラグが設定されている)と判定されたときにクリアされる。これにより、電源ON後待機中処理は、電源投入時に毎回行われる。具体的に、電源投入時に設定変更状態に移行されなかったときには、スロットマシン1が正常に立ち上がったときに電源ON後待機中処理が行われ、電源投入時に設定変更状態に移行されたときには当該設定変更状態終了後であって設定変更完了報知終了後に電源ON後待機中処理が行われることになる。
図20は、電源ON後待機中処理を説明するためのフローチャートである。電源ON後待機中処理では、電源投入後から遊技を進行するための操作を受け付けて遊技が開始されるまでの上下左右ランプのうちデザインが施されていない上ランプおよび左右ランプ各々の発光態様(点灯時の点灯色あるいは消灯)を設定可能にするための処理が行われる。電源ON後待機中処理を開始するときには、設定変更状態に移行された後であるか否かにかかわらず、上下左右ランプすべてが電源投入直後と同じ所定態様で点灯制御されている。
電源ON後待機中処理では、まず、S950においてタイマt1の計時を開始する。タイマt1は、電源ON後待機中処理を行う時間を特定するためのタイマである。S951においては、プッシュスイッチへの操作が検出されたか否かが判定される。S951においてプッシュスイッチへの操作が検出されていると判定されなかったときには、S956においてタイマt1に基づいて第1時間(例えば10分相当)が経過したか否かが判定される。S956において第1時間が経過していると判定されなかったときには、S951へ移行する。一方、S956において第1時間が経過していると判定されたときには、電源ON後待機中処理を終了する。なお、電源ON後待機中処理は、第1時間が経過するまでであっても、遊技を進行させるための操作が検出されることによっても終了する。
S951においてプッシュスイッチへの操作が検出されていると判定されたときには、S952においてタイマt2の計時を開始する。なお、電源ON後待機中処理中においてプッシュスイッチが操作されたとしても、後述するS923によりYESと判定されないため、S925における遊技者メニュー処理が行われてしまうことはない。タイマt2は、プッシュスイッチへの操作が継続している時間を特定するためのタイマである。S953においてプッシュスイッチへの操作が検出されていると判定されなかったとき、つまりプッシュスイッチへの操作が解除されたときには、タイマt2の計時を終了してS956へ移行する。一方、S953においてプッシュスイッチへの操作が検出されていると判定されたとき、つまりプッシュスイッチへの操作が継続しているときには、S954においてタイマt2に基づいて第2時間(例えば3秒相当)が経過したか否かが判定される。S954において第2時間が経過していると判定されなかったときには、S953へ移行する。
一方、S954において第2時間が経過していると判定されたときには、S955において上ランプおよび左右ランプ各々の設定候補となる発光態様を順次更新し、タイマt2をリセットするとともに計時を再開して、S953へ移行する。設定候補となる発光態様は、昼白色での点灯→青色での点灯→黄色での点灯→赤色での点灯→消灯→昼白色での点灯…の順で更新される。このように、電源投入直後(設定変更状態に移行させたときには設定変更直後ともいえる)においては、第1時間経過するまでの間において開始されたプッシュスイッチへの長押し操作により第2時間が経過する毎に、昼白色での点灯→青色での点灯→黄色での点灯→赤色での点灯→消灯→昼白色での点灯…の順で上ランプおよび左右ランプ各々の設定候補となる発光態様を更新させ、プッシュスイッチへの操作を解除することによりS953においてYESと判定されて、現在設定候補となっている発光態様が設定される。これにより、当該発光態様で上ランプおよび左右ランプ各々を点灯させた状態で例えば遊技場を開店させて遊技者を迎え入れることができる。プッシュスイッチへの操作を解除することにより設定された発光態様は、少なくとも遊技を進行させるための操作が検出されて遊技が開始されるまで維持される。なお、S955において順次更新される設定候補には、最後の設定候補として「消灯」が含まれている。これにより、「消灯」に更新されたときに、一連の変更可能な設定候補のラストであることや、設定候補となる発光態様を一回りしたことが分かりやすくなる。このように、「消灯」は、一連の設定候補の区切りなどといった役割で設けられている(更新可能に設定されている)ため、発光態様の種類数を設定値の種類数(例えば4種類)と同じにする場合には、「消灯」を更新可能な発光態様の種類数に含まないようにすることが好ましいが、上記のとおり「消灯」を更新可能な発光態様の種類数に含めるようにしてもよい。
図20のS955において設定した上・左右ランプの発光態様の設定は、少なくとも遊技を進行させるための操作が検出されて遊技が開始されるまで維持し、それ以降においては維持しない(影響を及ぼすことがない)。これにより、電源投入直後のみにおける特典として遊技者に提供可能となり、電源投入後における例えば朝一の集客効果を高めることができる。また、発光態様の設定を解除するための特別な作業を不要とすることができる。さらに、遊技が行われた後において遊技待機状態中やデモ演出中に移行されたときであっても、図20のS955において設定した上・左右ランプの発光態様の設定が反映されないため、スロットマシン毎にデモ演出中の発光態様がばらばらになってしまい、その結果、空き台なのか否かがわからなくなってしまい着席を躊躇してしまう等により稼働率を低下させてしまうことを防止でき、空き台であることが判別しやすくなる。
上記のとおり電源ON後待機処理中においては、プッシュスイッチへの操作に応じて上ランプおよび左右ランプ各々の発光態様を設定可能であるが、当該設定可能な期間中においてはプッシュスイッチを操作することで発光態様を設定可能である旨の報知を行わない。これにより、電源投入が遊技者によるスロットマシン1での遊技が可能となるタイミング(例えば開店)直前になってしまったり、遊技者による遊技中の停電等により遊技者の目前で電源投入された場合などであって、タイマt1に基づく第1時間が経過するまでに遊技者がスロットマシン1に触れることができる場合を想定したときに、遊技者によって遊技場運営側の意図と異なる発光態様に設定されてしまうことを防止することができる。
図21は、電源ON後待機中処理中における上下左右ランプの点灯状態等を説明するための図である。図21では、上下左右ランプ各々に対応する位置においてギザギザ枠を重畳させることにより、当該対応するランプが点灯状態である旨を示し、さらに、ギザギザ枠内の模様により点灯色を示している。
図21(a)は、所定態様(S801)での点灯制御、つまり上下左右ランプ33M、35、33L、37L、33R、37Rすべてが所定色(例えば昼白色)で点灯状態となっている様子が示されている。模様が入っていないギザギザ枠は、所定色(例えば昼白色)で点灯していることを示している。図21(b)は、プッシュスイッチが操作されて上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37R各々の発光態様が青色の発光態様に更新された様子が示されている。右上がり斜線が入っているギザギザ枠は、青色で点灯していることを示している。
図21(c)は、プッシュスイッチが操作されて上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37R各々の発光態様が黄色の発光態様に更新された様子が示されている。右下がり斜線が入っているギザギザ枠は、黄色で点灯していることを示している。図21(d)は、プッシュスイッチが操作されて上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37R各々の発光態様が赤色の発光態様に更新された様子が示されている。交差する斜線が入っているギザギザ枠は、赤色で点灯していることを示している。図21(e)は、プッシュスイッチが操作されて上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37R各々の発光態様が消灯態様に更新された様子が示されている。上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37Rに対応してギザギザ枠が表示されていないことにより消灯していることを示している。
電源ON後待機中処理においては、プッシュスイッチへの長押し操作により第2時間が経過する毎に、上ランプ33Mおよび左右ランプ33L、37L、33R、37R各々についての設定候補となる発光態様を図21(a)→図21(b)→図21(c)→図21(d)→図21(e)→図21(a)…の順で更新させ、プッシュスイッチへの長押し操作を解除することにより現在設定候補となっている発光態様に設定することができる。また、設定候補となる発光態様の発光色は、演出期待度情報に用いられる色と同種の色が採用されており、かつ、当選期待度および当選割合の高さの順に従って更新されるように定められている。
一方、デザインが施された下部パネル(下ランプ)35については、図21(a)〜図21(e)に示されるように、所定態様(例えば昼白色)での点灯制御が維持される(つまり、電源投入後におけるデフォルトの点灯態様が維持される)。図21(f)は、下ランプ35についても上ランプおよび左右ランプ等と同様に発光態様を更新させたときのNG例を示している。図21(f)に示されるように、仮に下ランプ35の発光態様を更新すると当該発光態様に応じてデザインの見栄えが悪くなるとともに異なる世界観を抱かせてしまう虞があるところ、本実施形態のスロットマシン1においては、上ランプおよび左右ランプの発光態様が更新されたとしても、下ランプ35については所定色(例えば昼白色)での発光態様が維持されるため、見栄えを悪くさせてしまうことや異なる世界観を抱かせてしまうことを未然に防止できる。
図21においては図示していないが、電源ON後待機中処理中においては、プッシュスイッチへの操作前後を問わず、液晶表示器27においては当該スロットマシン1の機種に関連(例えば紹介)する所定のプロモーションムービーが表示されるものであってもよい。なお、電源ON後待機中処理中において所定のプロモーションムービーを表示することにより、前述したように電源ON後待機中処理中においてプッシュスイッチを操作することで発光態様を設定可能である旨の報知を行わないこととしてもよい。
図19に戻り、S921でNOと判定されるか、S922が終了した後においては、S923において、演出操作部81の決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)への操作が検出されたか否かが判定される。演出操作部81の決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)への操作が検出されていると判定されたときには、S925において遊技者メニュー処理が行われる。これにより、遊技者メニュー画面が表示される。
S926においては、所定時間に相当するタイムアウトのタイマがセットされる。S927においては、演出操作部81への操作が検出されたか否かが判定される。S927において演出操作部81への操作が検出されたと判定されたときには、S925に移行して当該操作に対応する表示あるいは設定が行われる。また、S926において所定時間に相当するタイムアウトのタイマが再セットされる。
一方、S927において演出操作部81への操作が検出されたと判定されなかったときには、S928においてS926でセットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。S928においてタイムアウトしたと判定されなかったときには、S929において賭数設定(BET)されるかまたはスタートスイッチ19(スタートレバー)が操作されたか(ベットコマンドあるいはリール回転開始コマンドを受信したか)否かが判定される。
S929において賭数設定もスタートスイッチ19が操作されたとも判定されていないときにはS927へ移行する。S929において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたと判定されたときには、サブ側遊技待機処理を終了する。これにより、遊技画面が表示される。これに対して、S928においてタイムアウトしたと判定されたときには、演出操作部81が操作されることなく所定時間が経過したときであるため、S923へ移行する。これにより、デモ画面が表示される。
S923に戻り、演出操作部81の決定スイッチ81a(あるいはチャンススイッチ81F)への操作が検出されていると判定されなかったときには、S924において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたか否かが判定される。S924において賭数設定もスタートスイッチ19が操作されたとも判定されていないときにはS923へ移行する。一方、S924において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたと判定されたときには、サブ側遊技待機処理を終了する。これにより、遊技画面が表示される。
<サブ側エラー報知処理について>
図22は、サブ側エラー報知処理を説明するためのフローチャートである。S930においては、メインCPU61からの送信用コマンドを受信したか否かが判定される。送信用コマンドは、図10のタイマ割込処理において、S20の監視結果に基づきS22において送信されるコマンドである。S930において送信用コマンドを受信したと判定されなかったときには、サブ側エラー報知処理を終了する。
S930において送信用コマンドを受信したと判定されたときには、S931において当該送信用コマンドが前面扉5のドア状態に関するコマンドであるか否かが判定される。S931において送信用コマンドが前面扉5のドア状態に関するコマンドであると判定されなかったときには、S932において送信用コマンドに対応するエラー報知が行われる。具体的には、スピーカ31L、31Rから「エラーです」といった音声が出力され、液晶表示器27には例えば「E3」等のエラーコードの表示が行われる。
S933においては、エラーフラグを受信したか否かが判定される。エラーフラグは、エラー発生後における図11のエラー処理のS36において送信されるフラグである。エラーフラグを受信したと判定されたときには、S934において対応するエラー報知が再度行われる。
S935においては、エラー解除イベントを受信しているか否かが判定される。エラー解除イベントは、図11のエラー処理においてエラー解除後のS51において送信されるイベントである。エラー解除イベントを受信していると判定されなかったときには、待機状態となり、エラー報知を継続する。一方、エラー解除イベントを受信していると判定されたときには、S936においてエラー報知がクリア(初期化)され、サブ側エラー報知処理を終了する。
一方、S931においてドア状態に関するコマンドを受信したと判定されたときには、S937において、前面扉5が開状態であるか否かが判定される。前面扉5が開状態であると判定されたときには、S939においてエラー報知が行われて、サブ側エラー報知処理を終了する。一方、S937において前面扉5が開状態であると判定されなかったときには、前面扉5が閉状態となったときであるため、S938においてエラー報知がクリア(初期化)され、サブ側エラー報知処理を終了する。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
(1−1) 上記のスロットマシン1は、遊技の進行が許容されていない非許容状態のうち設定変更状態において設定キーがOFFとなり所定条件が成立することにより、遊技の進行が許容される許容状態に制御するものであり、サブCPU71は、許容状態においては複数の演出部である上下左右ランプを遊技の進行に応じた態様で制御し、設定変更状態において所定条件が成立した後の特定期間である設定変更完了報知中においては、図20等に示したように、上下左右スイッチに対する操作に応じて上下左右ランプのうち当該スイッチに対応するランプを消灯制御し、プッシュスイッチに対する操作に応じて少なくとも上下左右ランプすべてを同時に消灯制御する。これにより、設定変更状態において許容状態に制御するための所定条件が成立した後に移行される設定変更完了報知される期間を有効利用して、操作されたスイッチに対応するランプが消灯制御されるか否かによって上下左右スイッチおよびプッシュスイッチおよび上下左右ランプの動作確認を行うことができる。これにより、例えば動作確認専用の状態に制御するための処理を行うなどといった負担を増大させることなく、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチおよび上下左右ランプの動作確認を簡便に行うことができる。
また、上下左右スイッチ各々への操作による動作確認は、上下左右ランプ各々が消灯態様となるか否かのみにより行われるのに対し、プッシュスイッチへの操作による動作確認は、上下左右ランプすべてが同時に消灯態様となるか否かにより行われる。このため、プッシュスイッチへの操作による動作確認の際に、例えば上下左右ランプのうちのいずれかのランプのみが遅れて(ずれて)消灯態様となった場合などには、当該ランプとプッシュスイッチとの間におけるコネクタ等が半指しとなっていることなどの影響で抵抗が大きくなり消灯態様となるまでに時間がかかっているといった不具合の可能性を把握できる。その結果、上下左右スイッチ等および上下左右ランプ自体の動作確認だけでなくコネクタの装着状態等の確認をも行うことができる。
(1−2) 図13のS801で説明したように、電源投入された段階で上下左右ランプを所定態様で点灯制御させ、設定変更状態終了後の設定変更完了報知開始時においても新たな処理を行うことなく当該所定態様での設定点灯制御を維持し、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチへの操作に応じて消灯制御することにより動作確認を行うことができる。その結果、設定変更完了報知に移行する際に特別な処理(点灯制御しなおす等)を行う必要がないため、動作確認に要する処理負担を増大させてしまうことを防止できる。
(1−3) クレジットを表示するクレジット表示器45は、図17等で示したように、設定変更状態においては貯留枚数ではあり得ない第1の情報として「−−」を表示し、当該設定変更状態において所定条件が成立したときには設定変更状態終了後の設定変更完了報知中であっても第1の情報とは異なる第2の情報として貯留枚数となり得る「00」を表示する。これにより、設定変更状態においては、貯留枚数を想起させる情報が表示されないため、許容状態であるといった誤解を生じさせてしまうことを防止できる。一方、設定変更状態において所定条件が成立した後の許容状態においては、設定変更完了報知中であっても貯留枚数として表示され得る情報が表示されるため、設定変更状態などの非許容状態ではないことを示唆可能となる。
(1−4) 設定変更完了報知中に動作確認を行うための演出操作部81やチャンススイッチ81Fは、遊技者メニュー状態において遊技項目を遊技者が設定する際に用いられる操作部である。このように、遊技者メニュー状態において遊技項目を遊技者が設定する際に用いられる操作部を、設定変更完了報知中における動作確認のための操作部として兼用しているため、コストを抑えることができる。また、動作確認の際の操作に対する違和感を低減できる。
(1−5) 遊技者メニュー状態において、演出操作部81のうち上下左右スイッチは、設定する遊技項目を選択するための操作を受け付ける操作部である一方、演出操作部81のうち決定スイッチ81aやチャンススイッチ81Fは、遊技者メニュー状態において選択されている遊技項目に決定・設定等するための操作を受け付ける操作部である。一方、設定変更完了報知中において、上下左右スイッチは、上下左右スイッチ等および上下左右ランプ自体の動作確認のための操作部である一方、演出操作部81のうち決定スイッチ81aやチャンススイッチ81Fは、上下左右スイッチ等および上下左右ランプ自体の動作確認だけでなくコネクタの装着状態等の確認をも行う操作部である。さらに、チャンススイッチ81Fについては、許容状態において実行され得る促進演出によって遊技者に対して操作することが促される対象となる操作部でもある。このように、遊技者メニュー状態においても設定完了報知中においても、上下左右スイッチに対する操作時の処理の種別と、決定スイッチ81aやチャンススイッチ81Fに対する操作時の処理の種別とが異なるため、動作確認の際の操作に対する違和感を低減できる。
(1−6) 設定変更状態終了後に引き続いて設定変更完了報知が行われ、当該設定変更完了報知される期間を有効利用して動作確認を行うことができる。その結果、スロットマシン1の設定値やランプ、スイッチ等の管理・確認等を効率的かつスムーズに行うことができる。
(1−7) 設定変更状態において設定候補となっている設定値を表示可能とする報知用表示器60は、図15のタイミングT3において示したように、設定候補となっている設定値を設定するためのレバー操作を受け付けたときに、複数種類の設定値のいずれにも対応しない情報(「0」)を表示する。これにより、設定変更状態が終了した旨を示唆できる。また、レバー操作を受け付けた後、設定キーをOFFとして所定条件が成立したときには、図15のタイミングT4において示したように、報知用表示器60が非表示状態となる。これにより、設定変更完了報知中において設定値に含まれ得る数値などが表示されることがなく操作者を混乱させてしまうことを防止できる。さらに、設定変更をしている者以外にいずれの設定値が設定されたかを把握され難くすることができる。
(2−1) 上記のスロットマシン1は、図20および図21で示したように、電源投入後において行われる電源ON後待機中処理が行われている期間において、透過部材にデザインが施されていない上・左右ランプの発光態様を複数種類の発光態様のうちのいずれかに更新し、当該更新した発光態様で少なくとも遊技が開始されるまで維持する一方、透過部材にデザインが施されている下ランプについては発光態様の更新を行わず、電源ON後待機中処理が開始されたときの所定態様での点灯制御が維持される。これにより、上・左右ランプについては例えば遊技場の営業イメージなどに合致する発光態様に設定することや、例えば営業日毎に発光態様を変化させて異なる雰囲気で遊技者を飽きさせずに迎え入れることができる。一方、下ランプについての発光態様は、電源投入時において一律となる。このため、下ランプの透過部材に施されているデザインの見栄えが変わってしまいスロットマシン1の機種特有の世界観等を示唆できなくなってしまうなどといった不具合の発生を未然に防止できる。
(2−2) 図20のS954およびS955で示したように、プッシュスイッチへの操作(長押し操作)を継続して検出している間において第2時間が経過する毎に、上・左右ランプ各々の設定候補となる発光態様を所定の順で切り替えて制御し、プッシュスイッチの検出が終了したときに更新されている発光態様が上・左右ランプの発光態様として設定される。これにより、上・左右ランプの発光態様を更新・設定するための操作を検出するための部品点数を増大させず、かつ設定方法を簡易化できる。
(2−3) 図20のS955においては、演出期待度の示唆に用いられる色と同種の色であって、設定値の数(4段階)と同じ数の色数となる発光態様のうちから、当選期待度の高さの順に従って順次切り替えて更新される。このため、上・左右ランプの点灯色により設定値や期待度を示唆可能となり、電源投入時(例えば遊技場開店時)におけるスロットマシン1の稼働率を向上させることができる。
(2−4) 図20のS956においてYESと判定された後においては、プッシュスイッチへの操作が検出されたとしても上・左右ランプの発光態様が更新されることはない。これにより、遊技場開店前の掃除等の際に誤って更新させてしまうような事態を防止できる。また、逆に、図20のS956においてYESと判定されるまでであれば、プッシュスイッチへの操作により何度でも設定候補とする発光態様を変更できる。
(2−5) 図20のS954で示したように、プッシュスイッチに対する長押し操作により発光態様を更新できる。つまり、長押しという意識的な操作を要するため、誤操作により発光態様が更新されてしまうといった不具合の発生を防止できる。また、プッシュスイッチというひとつのスイッチにより更新・設定できるため、部品点数を増大させてしまうことなく、かつ操作方法を複雑化させてしまうことも防止できる。また、例えば管理者メニューなどの特別なメニューや状態を介さないため、簡易に設定できる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
(電源投入時の動作確認に関する構成について)
上記実施形態においては、特定期間(例えば設定変更完了報知を行う期間)において、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチが操作されると対応するランプが特定態様(消灯態様)となり、当該特定期間が終了するまで特定態様が維持される例について説明した。しかし、特定態様とする期間は、操作されてから特定期間が終了するまでに限らず、操作されてから予め定められた時間(例えば3秒等)が経過するまでの期間とし、当該時間経過すると対応するランプを操作前と同じ態様(点灯態様)に戻すようにしてもよい。また、特定態様とする期間は、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチのうちのいずれかのスイッチ(例えば上選択スイッチ)が操作されてから他のスイッチ(例えば下選択スイッチ)が操作されるまでの期間とし、先に操作されたいずれかのスイッチ(例えば上選択スイッチ)に対応するランプを当該操作前と同じ態様(点灯態様)に戻すようにしてもよい。また、特定態様とする期間は、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチのうちのいずれかのスイッチ(例えば上選択スイッチ)が操作(1回目の操作)されてから同じスイッチ(例えば上選択スイッチ)が再度操作(2回目の操作)されるまでの期間とし、当該スイッチ(例えば上選択スイッチ)に対応するランプを1回目の操作前と同じ態様(点灯態様)に戻すようにしてもよい。また、特定態様とする期間は、操作が検出されている期間(操作中、長押し操作検出中)とし、当該操作が解除されると対応するランプを操作前と同じ態様(点灯態様)に戻すようにしてもよい。
上記実施形態においては、特定態様として消灯態様を例示し、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチへの操作に応じて対応するランプを消灯させることにより動作確認を行う例を示した。しかし、特定態様は、点灯態様であってもよい。具体的には、電源投入時(例えば図13のS801)に上下左右ランプを消灯制御させ、その状態で設定変更状態に移行させ、設定変更完了報知を開始する際においても上下左右ランプを消灯制御させたままの状態としてもよい。この場合、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチへの操作に応じて対応するランプを点灯させることにより動作確認を行うようにしてもよい。
上記実施形態においては、設定変更状態終了後の設定変更完了報知を行う期間を特定期間として例示した。しかし、特定期間は、非許容状態において所定条件が成立することに付随する期間であればこれに限るものではない。特定期間は、例えば、電源投入後においては設定変更状態終了後に限らず電源投入時の処理(非許容状態)が正常に終了した後から所定時間が経過するまでの期間であってもよい。
上記実施形態においては、非許容状態として設定変更状態を例示し、許容状態における特定期間として設定変更完了報知を行う期間を例示し、設定変更状態中における上下左右ランプの発光態様と、設定変更完了報知を開始するときの上下左右ランプの発光態様とが同じであり、発光態様を引き継ぐ例について説明した。しかし、設定変更状態中における上下左右ランプの発光態様と、設定変更完了報知を開始するときの上下左右ランプの発光態様とが異なるものであってもよい。例えば、設定変更状態中においては、例えば上下左右ランプを所定の順番(上→左→下→右→上…)で点灯させる発光態様とし、設定変更状態終了後において設定変更完了報知を開始する際には、上下左右ランプすべてを所定態様で点灯させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、設定変更状態中と特定期間中とで発光態様を引き継ぐ例について説明したが、設定変更状態中と特定期間中とが発光態様を異ならせてもよく、例えば、設定変更状態中においては所定の発光態様で点灯させる点灯態様とするのに対し、特定期間中においては消灯させる消灯態様とするようにしてもよく、また、設定変更状態中においては消灯態様とするのに対して特定期間中においては点灯態様とするようにしてもよい。また、設定変更状態中においては所定色(例えば赤色)で点灯させるのに対し、特定期間中においては所定色とは異なる特定色(例えば白色)で点灯させるといったように、設定変更状態中と特定期間中とで発光色を異ならせてもよい。また、設定変更状態中と特定期間中とで発光の明るさを異ならせてもよく、例えば、一方が明るい態様で他方が暗い態様でもよい。
また、上記実施形態の設定変更完了報知終了後においては、上下左右スイッチへの操作に応じて消灯制御されたランプを含む上下左右ランプすべてが、電源投入直後と同じ所定態様(S801)で点灯制御される例について説明した。しかし、これに限らず、設定変更完了報知終了後においては、上下左右スイッチへの操作に応じて消灯制御されたランプを含む上下左右ランプすべてを、デモ演出(電源投入後において一旦遊技が行われた後の遊技待機状態中等に行われる演出)中と同じ発光態様で制御するようにしてもよい。これにより、設定変更完了報知が終了したことを分かりやすく報知できる。なお、この場合であっても電源ON後待機中処理が実行されることとなるが、当該電源ON後待機中処理中においては、例えばチャンススイッチが操作されることにより図21(a)の発光態様となるように制御し、当該操作に応じて図21(b)〜図21(e)に示すように発光態様を更新するようにしてもよい。
上記実施形態においては、第1の演出部および第2の演出部として、ランプなどの発光部を例示した。しかし、特定期間において動作確認に用いる第1の演出部および第2の演出部は、これに限らず、音を出力するスピーカなどの音出力部や、役物等を可動可能な可動部材などであってもよい。第1の演出部および第2の演出部として、例えば音を出力するスピーカなどの音出力部を採用した場合は、設定変更状態中と特定期間中とで出力音が同じであって、特定期間における上下左右スイッチ等への操作に応じた態様で音の出力を停止するものであってもよい。また、設定変更状態中と特定期間中とで出力音が異なっており、特定期間に移行されるときに出力音を切り替えるものであって当該特定期間における上下左右スイッチ等への操作に応じた態様で当該音の出力を停止するものであってもよい。さらに、設定変更状態中においては音を出力して、特定期間においては音が出力されずに、特定期間中における上下左右スイッチへの操作に応じて音の出力を開始するものであってもよい。また、設定変更状態中と特定期間中とで出力される音の音量が異なるように定められているものであってもよい。つまり、音出力部を、設定変更状態中と特定期間中とで異なる態様で制御してもよく、同じ態様で制御してもよい。また、第1の演出部および第2の演出部として可動部材を採用した場合にも同様に、当該可動部材を、設定変更状態中と特定期間中とで異なる態様で制御してもよく、同じ態様で制御してもよい。
上記実施形態においては、エコモードを設定することができるが、設定変更完了報知を行う特定期間中においては、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、同じ発光態様(電力)で上下左右ランプを点灯制御するようにしてもよい。これにより、エコモードが設定されているために例えば上下左右ランプが消灯しており動作確認ができないといった不具合の発生を防止できる。
上記実施形態においては、スピーカがスロットマシン1の下部に設けられている例について説明したが、これに限らず、スピーカを上・左右ランプに対応させてスロットマシン1の上部や、左端部、右端部などにも設けるようにしてもよい。下部に設けられているスピーカ31L、31Rを下スピーカ、上部、左端部、右端部各々に設けられているスピーカを上スピーカ、左スピーカ、右スピーカと称し、これらをまとめて上下左右スピーカとも称する。このように上下左右スピーカを設けた場合、設定変更完了報知中においては、上下左右スピーカ各々から音声メッセージを出力して完了報知を行い、上下左右スイッチおよびプッシュスイッチへの操作に応じてランプの制御とともに当該ランプに対応するスピーカからの完了報知を終了するようにしてもよい。例えば、上選択スイッチ81dが操作されたときには、上ランプを消灯させるとともに、上スピーカからの音声メッセージの出力を停止させるようにしてもよい。これにより、ランプとスピーカの動作確認を簡便に行うことができる。
(電源投入時の発光態様設定に関する構成について)
上記実施形態においては、第2の発光部としてキャラクタのデザインが施されている下ランプを例示した。しかし、第2の発光部としては、所定情報を示唆するデザインが施されている透過部材を有するものであれば、キャラクタがデザインされているものに限らず、所定の文字やメッセージを中心とした装飾あるいは文字だけのデザインが施されているランプであってもよく、例えば、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29に対して光を照射するランプなどであってもよい。
上記実施形態においては、第2の発光部について発光態様の設定を行わない処理として、下ランプについて所定態様での点灯制御を維持する処理(デフォルトのまま変更しない処理)を例示した。しかし、発光態様の設定を行わない処理としては、これに限らず、電源投入時の所定期間(例えば電源ON後待機中処理中)において、そもそも第2の発光部を点灯させない処理(消灯させているもの)であってもよく、第2の発光部についてはそもそも一つの発光態様(例えば、1色、昼白色)でしか点灯できないようにしているものであってもよい。
上記実施形態においては、図20のS955や図21で示したように、電源ON後待機中処理においてプッシュスイッチへの長押し操作により、上・左右ランプの発光態様として点灯色を切り替えて設定可能とする例について説明した。しかし、電源ON後待機中処理においてプッシュスイッチへの長押し操作により切り替える発光態様の対象は、点灯色に限らず、これに替えてあるいは加えて、上・左右ランプの点灯パターン(点滅回数、点灯回数等)であってもよい。これによっても、上・左右ランプについては例えば遊技場の営業イメージなどに合致する発光態様に設定することや、例えば営業日毎に発光態様を変化させて異なる雰囲気で遊技者を飽きさせずに迎え入れることができる。
上記実施形態においては、図20のS955において設定した上・左右ランプの発光態様の設定を、少なくとも遊技を進行させるための操作が検出されて遊技が開始されるまで維持し、それ以降においては維持しない例について説明した。しかし、図20のS955において設定した上・左右ランプの発光態様の設定は、少なくとも遊技を進行させるための操作が検出されて遊技が開始された以降であっても引き継ぐようにしてもよい。例えば、遊技待機状態中やデモ演出中に移行されたときの上・左右ランプの発光態様として用いられるようにしてもよい。これにより、遊技待機状態中やデモ演出中における発光態様を、着席して遊技を開始すべきか否かの判断材料に用いる面白さを提供できる。また、次回電源ON時において、引き継いでいる発光態様で上・左右ランプを点灯制御している状態から電源投入時の発光態様の設定を行うようにしてもよい。なお、前回設定された発光態様を次回電源ON時に引き継ぐ場合であっても設定変更状態に移行されたときには、前回設定された発光態様を特定するための情報をクリアして、デフォルトの発光態様(所定態様)から電源投入時の発光態様の設定を行うようにしてもよい。
上記実施形態においては、エコモードを設定することができるが、電源ON後待機中処理中において(設定変更完了報知中等をも考慮すると結果的には電源投入から遊技開始までの間ともいえる)は、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、同じ発光態様(電力)で上下左右ランプを点灯制御するようにしてもよい。つまり、電源ON後待機中処理中においては、チャンススイッチが操作されるまでは、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、上下左右ランプすべてを所定態様で点灯しているデフォルトの状態となる。これにより、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、チャンススイッチへの操作に応じた発光態様で上・左右ランプを点灯させることができ、エコモードが設定されているために上・左右ランプが点灯しないこと等により発光態様を設定できないといった不具合の発生を防止できる。一方、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、チャンススイッチが操作されたとしても、デザインが施されている下ランプについては所定態様での点灯が維持されるため、これにより、電源投入時においてはエコモードの設定状態にかかわらず上下左右ランプを制御できるため、遊技場店員の作業負担を増大させてしまうことを防止できる。また、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、下ランプの透過部材に施されているデザインの見栄えが変わってしまいスロットマシン1の機種特有の世界観等を示唆できなくなってしまうなどといった不具合の発生を未然に防止できる。また、電源ON後待機中処理中においては、エコモードが設定されているか否かにかかわらず、前述したように液晶表示器27において当該スロットマシン1の機種に関連(例えば紹介)する所定のプロモーションムービーを表示するなど、液晶表示器27を同じように制御するようにしてもよい
なお、上記のものに限らず、電源ON後待機中処理中においては、エコモードが設定されているか否かに応じた発光態様で上下左右ランプを制御するようにしてもよい。例えば、電源ON後待機中処理が開始されたときであって、エコモードが設定されていないときには、上下左右ランプを所定態様で点灯させるのに対し、エコモードが設定されているときには、上・左右ランプを消灯させ、デザインが施されている下ランプのみ所定態様で点灯させるようにしてもよい。この場合であっても、電源ON後待機中処理中においてチャンススイッチが操作されたときには、当該操作に応じて図21等で示したように発光態様を更新するようにしてもよい。例えば、エコモードが設定されていないときには、所定態様で点灯している上・左右ランプの発光態様を更新するようにし、エコモードが設定されているときには、チャンススイッチへの操作に応じて所定態様で上・左右ランプを点灯させ、その後においてもチャンススイッチへの操作に応じて上・左右ランプの発光態様を図21等で示したように更新するようにしてもよい。これにより、電源投入時においてはエコモードの設定状態に応じて上下左右ランプを制御できる。また、電源ON後待機中処理中においては、エコモードであるか否かに応じて液晶表示器27を異なる態様で制御してもよい。電源ON後待機中処理中における液晶表示器27においては、例えば、エコモードが設定されていないときには所定のプロモーションムービーを表示するのに対し、エコモードが設定されているときには所定のプロモーションムービーとは異なり消費電力が抑えられたプロモーション表示(機種タイトル)やエコモード中である旨の表示を行うようにしてもよい。これにより、エコモードの設定を電源ON後待機中処理中における処理にも反映させることができる。
次に、電源投入後において遊技が行われた後において、遊技操作がされないこと等により再び制御される遊技待機状態中についての制御例を説明する。エコモードが設定されていないときの遊技待機状態中においては、上下左右ランプを点灯させるとともに、当該上下左右ランプに囲まれるように配置されている液晶表示器27においては所定のプロモーションムービーを表示するのに対し、エコモードが設定されているときの遊技待機状態中においては、上下左右ランプのうちの上・左右ランプを消灯させるとともに、液晶表示器27においては所定のプロモーションムービーとは異なり消費電力が抑えられたプロモーション表示(機種タイトル)やエコモード中である旨の表示を行う。これにより、例えば、エコモードが設定されているときの遊技待機状態中において、上・左右ランプが消灯しているにもかかわらず、液晶表示器27においてエコモードが設定されていないときと同じ所定のプロモーションムービーを表示してしまうと、上・左右ランプなどの電飾が故障しているのではないかといった誤解を生じさせてしまう虞がある。しかし、エコモードが設定されているときの遊技待機状態中においては、上・左右ランプの消灯に合致させて液晶表示器27においてもプロモーション表示(機種タイトル)が行われるため、上記のような誤解を生じさせてしまうことを防止できる。
(設定変更状態中の電断発生時について)
図15を参照して、設定変更状態中において電断が発生した後、電源復旧したときの内部設定値および表示設定値について説明する。まず、タイミングT1からタイミングT2に至るまで(設定変更ボタンが操作されるまで)の切替前状態において電断発生したときには、電源復旧後において内部設定値および表示設定値は「1」となる。次に、タイミングT2からタイミングT3に至るまで(レバー操作されるまで)の切替後状態において電断発生したときには、表示設定値が「2」に更新されても、電源復旧後において内部設定値および表示設定値は「1」となる。また、タイミングT3からタイミングT4に至るまで(設定キーOFFされるまで)のレバー後確定状態において電断発生したときには、表示設定値が「0」に更新されても、電源復旧後において内部設定値および表示設定値は「1」となる。つまり、設定変更状態中においては、いずれのタイミングで電断が発生した場合であっても、電源復旧後における内部設定値および表示設定値は、切替前状態と同じ値であり内部設定値である「1」に復帰する。これにより、設定変更状態中において電断が発生したときであっても、どの状態まで進んでいたかにかかわらず、内部設定値および表示設定値が切替前状態と同じ値となるため、設定変更する者を混乱させてしまうことを防止できる。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。