JP6815206B2 - ターゲットアッセンブリ、ターゲットアッセンブリの製造方法、ターゲットとバッキングプレートとの分離方法 - Google Patents

ターゲットアッセンブリ、ターゲットアッセンブリの製造方法、ターゲットとバッキングプレートとの分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、スパッタリングに用いるターゲットアッセンブリの技術分野に関し、ターゲットとバッキングプレートとを分離させることが出来るターゲットアッセンブリに関する。
スパッタリング装置には、バッキングプレートにターゲットが固定されたターゲットアッセンブリが取りつけられており、ターゲットがスパッタリングされて基板表面に薄膜が形成されている。
多数枚数の基板に薄膜が形成されると、スパッタリングの合計時間が長くなり、ターゲットは消耗し、使用できない状態になるので、消耗したターゲットのターゲットアッセンブリはスパッタリング装置から取り外され、新しいターゲットアッセンブリが装着される。
ターゲットの取付方法として、ターゲットを低融点(156℃)のInロウ材でバッキングプレートに固定する方法(Inボンディング法)があるが、ターゲットに大電力を投入し薄膜の成膜速度を高くするとターゲットが高温に昇温され、低融点のInロウ材が溶融されてターゲットがバッキングプレートから剥離する虞がある。
他のターゲットの取付方法として、ターゲットとバッキングプレートとを密着させて反応性ガスを含有しない雰囲気中で加圧しながら加熱して、密着面に発生する拡散現象によって、ターゲットをバッキングプレートに固定する拡散接合法がある。
しかし、この方法で作成したターゲットアッセンブリでは、ターゲットは加熱されても剥離せず、使用済みのターゲット残滓をバッキングプレートから取り外そうとすると、ターゲットを掘削する必要がある。
削り取ったターゲットスクラップには不純物が混入している場合が多いため、ターゲットスクラップを再溶融して再生したターゲットは純度が低いという問題がある。また、ターゲット残滓を削り取る際にはバッキングプレートに傷が付くため、バッキングプレートを再使用することができなくなるという問題もある。
S63−270459号公報 2000−239837号公報 2005−256063号公報 WO2012/026349号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、ターゲットとバッキングプレートとを再利用することができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、バッキングプレートと、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤が分散された水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金から成る接合膜と、スパッタリングされるターゲットとを有し、前記バッキングプレートの片面と前記ターゲットの片面とは、前記接合膜に接触され、前記バッキングプレートと前記ターゲットとは前記接合膜によって互いに固定されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤が0.1wt%以上20wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記アルミ酸化防止剤は、前記接合膜中に粒径10nm以下の粒子にされて分散されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが0.04wt%以上8wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのインジウムが2.0wt%以上3.5wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが0.2wt%以上0.5wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.13wt%以上0.25wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのビスマスが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが1.5wt%以上8wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.2wt%以上4wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、セリウムが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明はターゲットアッセンブリであって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、マグネシウムが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有されたターゲットアッセンブリである。
本発明は、スパッタリングを行う第一のターゲットを取付対象物とし、バッキングプレートのプレートの片面と、前記取付対象物の片面とのうち、いずれか一方を第一の接合面とし、他方を第二の接合面としたときに、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤を含有し、水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金を前記第一の接合面に溶射し、前記アルミ酸化防止剤が分散され、水崩壊性を有する第一の溶射膜を形成する第一のアルミ溶射膜形成工程と、前記第二の接合面と前記第一の溶射膜とを接触させ、又は、前記第二の接合面に前記水崩壊性アルミ合金が溶射されて形成された第二の溶射膜と前記第一の溶射膜とを接触させ、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを押圧しながら加熱して、前記第一の接合面と前記第二の接合面との間に、前記第一の溶射膜又は前記第一の溶射膜と前記第二の溶射膜とから成る接合膜を形成し、前記接合膜によって前記バッキングプレートと前記取付対象物とを固定することで、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを互いに固定させる固定工程と、を有し、互いに固定された前記バッキングプレートと前記取付対象物とから成る第一のターゲットアッセンブリを製造するターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤を、0.1wt%以上20wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記アルミ酸化防止剤は、前記第一の溶射膜中に粒径10nm以下の粒子で分散させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを0.04wt%以上8wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのインジウムを2.0wt%以上3.5wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを0.2wt%以上0.5wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.13wt%以上0.25wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのビスマスを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを1.5wt%以上8wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.2wt%以上4wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、セリウムを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、マグネシウムを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記第一のターゲットの露出するスパッタ面が一回又は複数回数スパッタリングされて前記第一のターゲットの厚みが減少された後、前記接合膜を水分に接触させ、前記接合膜を崩壊させる水接触工程と、厚みが減少された前記第一のターゲットと前記バッキングプレートとを分離させる分離工程とを有するターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記第一のターゲットとは別の第二のターゲットを、前記取付対象物として前記第一のアルミ溶射膜形成工程と前記固定工程とを行い、前記第二のターゲットを前記バッキングプレートに固定して第二のターゲットアセンブリを製造するターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明はターゲットアッセンブリの製造方法であって、前記水接触工程では、水、温水、水蒸気のいずれか一種又は複数種が前記接合膜に接触される前記水分として用いられるターゲットアッセンブリの製造方法である。
本発明は、スパッタリングを行う第一のターゲットを取付対象物とし、バッキングプレートのプレートの片面と、前記取付対象物の片面とのうち、いずれか一方を第一の接合面とし、他方を第二の接合面としたときに、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤を含有し、水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金を前記第一の接合面に溶射し、前記アルミ酸化防止剤が分散され、水崩壊性を有する第一の溶射膜を形成する第一のアルミ溶射膜形成工程と、前記第二の接合面と前記第一の溶射膜とを接触させ、又は、前記第二の接合面に前記水崩壊性アルミ合金が溶射されて形成された第二の溶射膜と前記第一の溶射膜とを接触させ、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを押圧しながら加熱して、前記第一の接合面と前記第二の接合面との間に、前記第一の溶射膜又は前記第一の溶射膜と前記第二の溶射膜とから成る接合膜を形成し、前記接合膜によって前記バッキングプレートと前記取付対象物とを固定することで、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを互いに固定させる固定工程と、前記接合膜を水分に接触させ、前記接合膜を崩壊させる水接触工程と、前記第一のターゲットと前記バッキングプレートとを分離させる分離工程とを有するターゲットとバッキングプレートとの分離方法である。
接合膜の耐熱性が高いので、大電力スパッタリングしてもターゲットがバッキングプレートから剥離しない。
水分で接合膜を崩壊させた後には、接合膜の残滓は残らず、また、取り外した使用済みターゲットには不純物は混入しないので、再生したターゲットの純度は高い。
また、バッキングプレートには傷が付かないので、バッキングプレートを再使用することができる。
溶射膜は種々の材料のターゲットに形成できるから、種々の材料のターゲットに適用することが出来る。
また、大気中でターゲットをバッキングプレートに固定することができるから、ターゲットアッセンブリの製造コストが低くなる。
(a)〜(e):本発明の第一例のターゲットアッセンブリを製造する工程を説明するための図 (f)〜(h):ターゲットとバッキングプレートとを分離する工程を説明するための図 (a)〜(e):本発明の第二例のターゲットアッセンブリを製造する工程を説明するための図 (a)〜(g):本発明の第三例のターゲットアッセンブリを製造する工程を説明するための図 スパッタリング装置を説明するための図 溶射装置を説明するための図
図1(e)の符号2は、本発明の第一例のターゲットアッセンブリを示している。
このターゲットアセンブリ2は、スパッタリングに用いるターゲット10とバッキングプレート12とが、接合膜7によって互いに固定されて構成されている。
このターゲットアセンブリ2の製造工程を説明すると、先ず、図1(a)はターゲット10を示しており、このターゲット10は、成膜物質が板状に成形されている。ターゲット10の平面形状は、四角形又は円形が普通であり、矩形の場合は大面積の二表面と細長の四側面とを有しており、円形の場合は、大面積の二表面と円周側面とを有している。他に、環状のバッキングプレートの外周面に環状のターゲットが設けられたターゲットアッセンブリ等であっても、接合膜の少なくとも一部を水分に接触させることができるターゲットアッセンブリであれば本発明に含まれる。
ここでは板状であるものとして説明すると、このターゲット10の二表面のうち、一面をバッキングプレート12に固定されるターゲット接合面21とし、その反対側の一面を、後述するスパッタリング装置内でスパッタリングされるスパッタ面24とする。
<溶射膜形成工程>
図5の符号60は、このターゲット10を溶射処理する溶射装置である。この溶射装置60は、装置本体61の内部に溶射室63が設けられている。溶射室63の内部には、溶射材料62が配置されており、溶射材料62の液滴から成る溶射物73が放出される放出口66の前面には、ターゲット接合面21が放出口66に向けられたターゲット10が配置されている。
溶射室63には着火装置が配置されており、また、溶射室63にはガス流路64と圧縮空気流路65とが接続されている。
ガス流路64はガス源に接続されており、ガス源から溶射装置60に供給された燃焼ガスと酸素とが、ガス流路64を通って溶射室63の内部に流入すると、着火装置によって着火され、燃焼ガスの燃焼が開始される。
溶射材料62は棒状体であり、その先端が溶射室63の内部に位置するようにされており、溶射材料62の先端は、燃焼ガスのフレーム(炎)69と接触し、又はフレーム69に近接した場所に位置し、燃焼ガスの燃焼によって加熱されている。圧縮空気流路65は圧縮空気源に接続されており、圧縮空気源から溶射装置60に供給された圧縮空気は圧縮空気流路65を流れ、溶射室63に設けられた放出口66から、溶射装置60の外部に噴出される。
このとき、加熱された溶射材料62の先端は溶融されており、圧縮空気の流速が大きいため、圧縮空気が吹き付けられると液滴となって圧縮空気によって移動され、液滴は、圧縮空気と共に、放出口66から放出される。符号73は、放出口66から放出された溶射材料62の液滴から成る溶射物を示している。
ターゲット10のターゲット接合面21は、溶射物73と圧縮空気の進行方向に配置されており、溶射材料62の溶射物73はターゲット接合面21に吹き付けられ、付着すると溶射材料62から成る溶射膜5が成長する(溶射工程)。
溶射材料62は、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤がアルミニウムに添加されたアルミニウム合金であり、後述するように、溶射材料62を構成するアルミニウム合金は、水分と接触すると腐食・溶解反応が発生して崩壊する水崩壊性を有することから、溶射材料62のアルミニウム合金を水崩壊性アルミ合金と称することにする。なお、本発明では、粉末の水崩壊性アルミ合金や、線状の水崩壊性アルミ合金を溶射する溶射装置、コールドスプレー装置を用いても良い。
ターゲット接合面21に所定膜厚の溶射膜5が形成されると、溶射工程は終了する。
この溶射膜5(図1(b))、及び後述するバッキングプレート12に形成された溶射膜6(図2(b))は、例えば膜厚400μm等、膜厚200μm以上600μm以下の範囲が好ましい。
インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤が分散された水崩壊性アルミ合金は、溶射法によってターゲット接合面21に固着する溶射膜5を形成することができる。
溶射膜5は、Al粒子中に粒径10nm以下のアルミ酸化防止剤が分散された構造を有することで、Alの緻密な酸化被膜の形成が抑制され、水崩壊性を発現させる。
<固定工程>
溶射によって形成した溶射膜5は、表面研磨によって表面が平滑化され、また、プレート接合面22も表面研磨によって平滑化される(平滑工程)。
その平滑工程が行われた後、図1(c)に示すように、ターゲット10は、溶射膜5をプレート接合面22に対面させて配置され、図1(d)に示すように、溶射膜5の表面とプレート接合面22とが接触されてバッキングプレート12が台31上に配置され、ターゲット10は、バッキングプレート12上に配置され、ターゲット10のスパッタ面24側に押圧器具32が当接される。
台31の内部のヒータ38と、押圧器具32の内部のヒータ37とは予め通電され、昇温されており、台31と押圧器具32とによって、バッキングプレート12とターゲット10とを押圧し、溶射膜5の表面とプレート接合面22との間に押圧力を印加しながら、バッキングプレート12と溶射膜5とターゲット10とを所定の加熱温度に加熱し、溶射膜5をベーキングすると、溶射膜5が接合膜7となって、ターゲット10のターゲット接合面21とバッキングプレート12のプレート接合面22とが固着され、ターゲット10がバッキングプレート12に固定されたターゲットアッセンブリ2が得られる。
接合方法としては、HIP、ホットプレスなど一般的な加圧・圧着方法が使用できる。
固定工程中の加熱により、Al粒子中に分散した粒径10nm以下のアルミ酸化防止剤の少なくとも一部およびAl粒子の粒界等に存在するアルミ酸化防止剤がバッキングプレートとの接合面に析出して接合に寄与すると考えられる。但し、Al結晶粒中にアルミ酸化防止剤が分散する構造が維持されることで、水崩壊性は維持される。
水崩壊性アルミ合金の組成に応じ、水崩壊性と固着力とのバランスのよい温度と加熱時間が設定される。
Al-In系の材料、例えばAl−3%In−0.4%Si−0.2%Ti(Al以外の元素の数値は、Alの重量100%に対する各元素の重量の比である)の成分の水崩壊性を有する溶射膜では、225℃以上300℃以下の加熱温度範囲中の温度に加熱して接合膜7を形成したときには、水崩壊性が失われないことが確認されている。
また、Al-Bi系の材料、例えばAl−1%Bi−3%Si−0.6%Ti−0.2%Ce−0.5%Mgの成分の水崩壊性を有する溶射膜では、400℃以上425℃以下の加熱温度範囲中の温度に加熱して接合膜7を形成したときには、水崩壊性が失われないことが確認されている。
<スパッタリング工程>
図4の符号50は、スパッタリング装置を示しており、ターゲットアッセンブリ2は、スパッタリング装置50の真空槽51の内部に配置される。
真空槽51には、真空排気装置57とガス供給装置58とが接続されており、真空槽51の内部は、真空排気装置57によって真空排気され、真空雰囲気にされている。
真空槽51の内部のターゲット10のスパッタ面24と対面する位置には、基板ホルダ53が配置され、基板ホルダ53には基板52が配置されている。
基板ホルダ53に配置された基板52の成膜面26はスパッタ面24に向けられており、真空雰囲気にされた真空槽51の内部を真空排気しながら、ガス供給装置58によって真空槽51の内部にスパッタリングガスを供給し、真空槽51を接地電位に接続した状態で、バッキングプレート12にスパッタ電源59からスパッタ電圧を印加すると、ターゲット10のスパッタ面24上にスパッタリングガスのプラズマが形成され、スパッタリングガスがスパッタ面24に入射して、スパッタ面24からスパッタリング粒子が放出される。
スパッタリング粒子は基板52の成膜面26に付着し、成膜面26上に薄膜が成長する。
成膜面26に所定膜厚の薄膜が形成されるとスパッタリングは終了し、薄膜が形成された基板52は、出口側ゲートバルブ79を通過して次段の装置の真空槽77内に搬入され、前段の装置の真空槽76の内部から、未成膜の基板52が入口側ゲートバルブ78を通過して、スパッタリング装置50の真空槽51の内部に搬入され、基板ホルダ53に配置され、ターゲット10のスパッタリングが開始される。
このように、一枚乃至複数の基板52に薄膜が形成されると、ターゲット10は消耗し、スパッタリング粒子が放出された部分のスパッタ面24には、図1(f)に示すように、窪み25が形成される。同図(f)の符号11は、窪み25が深くなり、スパッタリングができなくなった状態のターゲットを示している。
このターゲット11を有するターゲットアッセンブリ15は、真空槽51の内部から取り出され、新しいターゲット10を有するターゲットアッセンブリ2が真空槽51の内部に配置され、基板52に対するスパッタリングが再開される。
<溶解工程>
図1(g)の符号31は、水槽を示しており、水槽31には水(ここでは湯)32が配置されている。
取り出されたターゲットアッセンブリ15は、水32に浸漬されると、ターゲットアセンブリ15の接合膜7の側面は、ターゲット11とバッキングプレート12との間で露出されており、水32に接触する(水接触工程)。
接合膜7は、アルミ酸化防止剤の作用によって、アルミニウムの不働態の形成が防止されており、接合膜7が腐食され、水中に溶解される。なお、水には、湯、水蒸気等が含まれる。接合膜は高温の水ほど溶解しやすい。また、水蒸気等を噴霧しても溶解させることができる。
接合膜7が水に溶解除去された後、ターゲット11とバッキングプレート12とを水32から取り出すと、図1(h)に示すように、ターゲット11とバッキングプレート12とは分離される(分離工程)。
ここで、図1(c)の符号12が分離されたバッキングプレートを示し、符号10が、分離されたターゲット11とは別の未使用のターゲットを示しているものとすると、図1(a)〜(d)に従って説明した手順で、未使用のターゲット10が、分離して再使用するバッキングプレート12に固定され、図1(e)の符号2で示されたターゲットアッセンブリ2が得られる。
分離したターゲット11は、他の分離したターゲットとともに溶解し、又は、更に、ターゲット11を構成する材料を補充して溶解し、新しいターゲットを製造することが出来るので、分離されたターゲット11は、新しいターゲットの一部として再生される。
そして、再生されたターゲットは、図1(a)の符号10のターゲットとして用い、分離されたバッキングプレート12、又は、未使用のバッキングプレートに、図1(b)〜(d)で説明した手順に従って固定し、新しいターゲットアッセンブリ2を得ることができる。
<第二例>
第二例では、バッキングプレート12に溶射膜6を形成し、ターゲット10を固定してターゲットアッセンブリ3を得る方法が示される。
図2(a)はバッキングプレート12が示されている。
このバッキングプレート12は、プレート接合面22を有しており、プレート接合面22に、水崩壊性アルミ合金を溶射し、同図(b)に示すように、プレート接合面22に、バッキングプレート12に対して固着力が大きい溶射膜6を形成し、同図(c)に示すように、ターゲット10の金属が露出するターゲット接合面21を、溶射膜6の表面に対面させ、接触させる。
次に、同図(d)に示すように、台31と押圧器具32及びヒータ37、38とを用い、ターゲット10とバッキングプレート12とを押圧しながら加熱すると、溶射膜6は接合膜8となってターゲット10に接合され、ターゲット10がバッキングプレート12に固定された第二例のターゲットアッセンブリ3が得られる。
上記第一例においてバッキングプレート12と溶射膜5が固着し難い材料の場合に、本第二例のようにバッキングプレート12に溶射膜6を形成し、ターゲット10と固着することで、ターゲットアッセンブリ3を形成することができる。
<第三例>
以上は、ターゲット10とバッキングプレート12とのうち、いずれか一方に溶射膜5又は6を形成してターゲットアッセンブリ2、3を製造したが、加熱・押圧では、溶射膜5、6に固着しにくい材料がある。
その場合は、図3(a)の固着しにくい材料のターゲット10のターゲット接合面21に溶射膜5を形成し(同図(b))、また、同図(c)の固着しにくい材料のバッキングプレート12のプレート接合面22にも溶射膜6を形成し(同図(d))、同図(e)に示すように、溶射膜5、6同士を対面させてターゲット10とバッキングプレート12と配置し、ターゲット接合面21上の溶射膜5と、プレート接合面22上の溶射膜6とを接触させた状態で、台31と押圧器具32とヒータ37、38とによって、ターゲット10とバッキングプレート12とを押圧しながら加熱し、二層の溶射膜5、6を固着して一枚の接合膜9にし、この接合膜9によってターゲット10をバッキングプレート12に固定すると、第三例のターゲットアッセンブリ4が得られる。要するに、加熱・押圧によって固着しにくい材料はその表面に溶射膜5又は6を形成すればよい。
溶射膜と固着し難い材料同士を接合する場合は、両方の材料に溶射膜を形成し張合わせることで、固着することができる。
第二、第三例のターゲットアッセンブリ3、4も、接合膜8,9の側面が露出されており、水分と接触すると、腐食・溶解するので、第二、第三例のターゲットアッセンブリ3、4も、第一例のバッキングプレート2と同じ工程で、ターゲット10とバッキングプレート12とを分離させることができる。
また、第二、第三例のターゲットアッセンブリ3、4も、第一例のターゲットアッセンブリ2と同じ工程で、使用したターゲット10の再生と、バッキングプレート12の再使用ができる。
なお、ターゲット10とバッキングプレート12のいずれか片方に溶射膜を形成する場合は、加熱・押圧によって固着し難い材料側に溶射膜を形成することで、固着することが可能になる。
また、溶射膜と固着される相手の材料に、メッキやスパッタ法により固着され易い材料の薄膜を形成することで、固着することが可能になる。
<含有率と温度>
本発明には、アルミニウムに、インジウム(In)、又はビスマス(Bi)のいずれか一方又は両方を含有するアルミ酸化防止剤を添加した水崩壊性のアルミニウム合金を用いることができる。
アルミ酸化防止剤については、接合膜が水崩壊性を有する範囲の含有量でアルミニウムに添加することがよく、Al重量100wt%に対してアルミ酸化防止剤が0.1wt%未満の場合、水崩壊性が発現し難く、20wt%を超えると反応性が高すぎる場合、また、溶射材料の形成が難しくなる場合があるので、Al重量100wt%に対して0.1wt%以上20wt%以下の範囲で含有させることが好ましい。
本発明の接合膜が水崩壊性を有するようにするためには、接合膜のAlの結晶粒中に、粒径10nm以下のアルミ酸化防止剤の粒子が分散されているようにすることが望ましい。なお、粒径10nmより大きい粒子が存在していたり、アルミ酸化防止剤の一部が粒界に存在していても、Alの結晶粒中に、粒径10nm以下のアルミ酸化防止剤の粒子が分散していれば、水崩壊性は発現する。
シリコンを添加すると、アルミニウム合金の水崩壊性を抑制して反応性を制御することができる。Al重量100wt%に対するシリコンの含有量が0.04wt%より小さいと、溶射膜と水との反応性を抑制する効果が小さく、他方、Al重量100wt%に対するシリコンの含有量が8wt%を超えると、溶射膜と水との反応性を小さくする効果が大きくなりすぎるので、水に崩壊し難くなる。このため、シリコンの含有量は、Al重量100wt%に対し、0.04wt%以上8wt%以下含有させることが好ましい。なお、水崩壊性を制御する必要が無い場合や、高温の水で崩壊させる場合などは、上記の範囲外にもシリコンの添加量を選択することができる。
本発明の水崩壊性アルミ合金には、更にチタンを含有させることもできる。
アルミニウムに対して0.13wt%未満のTiを添加すると、溶射膜の水崩壊性が低下し、他方、4wt%を超えてTiを添加すると、アルミニウム合金中におけるチタンの偏析が大きくなり、溶射膜の状態が悪化する。
従って、Tiは、0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有することが望ましい。
また、Tiを添加するとアルミニウムの再結晶温度が高くなるので、Al重量100wt%に対して0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有させると、溶射によって溶射膜を形成する際のInの析出を防止することができる。
具体的な材料の一例として、たとえば、Al−Bi−Si−Ti−Ce−Mgが示される。
この例での溶射用水反応性Al複合材料は、Alに、Al重量基準で、0.2wt%以上2wt%以下、好ましくは0.5wt%以上1.5wt%以下のBi、1.5wt%以上8wt%以下、好ましくは3wt%以上5wt%以下のSi、0.2wt%以上4wt%以下、好ましくは1wt%以上2wt%以下のTi、0.2wt%以上2wt%以下、好ましくは0.2wt%以上0.5wt%以下のCe、及び0.2wt%以上2wt%以下、好ましくは0.5wt%以上2wt%以下のMgを添加してなることを特徴とする。
Biが0.2wt%未満であると水との反応性が低下する傾向があり、0.2wt%以上0.5wt%未満であれば若干水との反応性が低い傾向はあるが、0.5wt%以上であれば水との反応性は満足される傾向があり、2wt%を超えると水との反応性が高くなる傾向がある。
Siが0.7wt%未満であると水との反応性の制御効果が低下する傾向があり、5wt%を超えると、溶融材料をインゴットからワイヤーに加工する場合、インゴットからの伸線が難しくなる傾向があり、そして8wt%を超えるとワイヤーまで加工することはできない傾向がある。
Tiが0.2wt%未満であると、固着工程やスパッタ工程中などに熱履歴を経た場合、Al合金溶射膜の溶解性が低下する傾向があり、Ti添加量が高いほど熱履歴を経た後のAl合金溶射膜の溶解性は向上する傾向がある。なお、溶融材料をインゴットからワイヤーに加工する場合に、4wt%程度からインゴットからの伸線は困難になる傾向がある。
Ceが未添加であると、熱履歴を経た後のAl合金溶射膜の溶解性は劣る傾向があり、0.5wt%を超えると格別の溶解性の向上は得られなくなる。
Mgが未添加であると、熱処理を経た後のAl合金溶射膜は安定性が低く、大気中の水分と反応し、粉化現象が発生する。Mgの添加量が0.2wt%未満であると、熱処理後の表面には若干の粉化現象が観察され、0.5wt%以上では粉化現象は発生しない。溶融材料をインゴットに加工する場合に、2wt%程度からインゴットからの伸線が困難になる傾向がある。
さらに、具体的な材料の一例として、たとえば、Al−In−Si−Tiが示される。
この例での溶射用水反応性Al複合材料は、Alに、Al重量基準で、2.0wt%以上3.5wt%以下、好ましくは2.5wt%以上3.0wt%以下のIn、0.2wt%以上0.5wt%以下のSi、及び0.13wt%以上0.25wt%以下、好ましくは0.15wt%以上0.25wt%以下、さらに好ましくは0.17wt%以上0.23wt%以下のTiを添加してなる水反応性Al複合材料である。
Inが2wt%未満であるとAl合金溶射膜と水との反応性が低下する傾向があり、3.5wt%を超えるとAl合金溶射膜と水との反応性が非常に高くなる傾向があり、Al合金溶射膜の取り扱いが難しくなる場合があると共に、In量が増すとコストが大となる。
Siが0.2wt%未満であるとAl合金溶射膜と水との反応性の制御効果が低下する傾向があり、0.5wt%を超えるとAl合金溶射膜と水との反応性が低下しはじめる傾向があり、さらにSiが0.6wt%を超えるとAl合金溶射膜と水との反応性そのものが低下する傾向がある。
Tiが0.13wt%未満であると、Al中の不純物の影響を受け、熱履歴を経た後のAl合金溶射膜の溶解性が低下する傾向があり、0.25wt%を超えると、Al複合材料中でのTiの偏析が大きくなる傾向があり、この材料を用いて溶射する場合に、溶射状態や得られたAl合金溶射膜の見た目の状態が悪化する要因となる。Ti添加量に関しては、Si添加量やCu等の不純物濃度を考慮すると、0.15wt%以上が好ましく、0.17wt%以上がさらに好ましく、また、Tiの偏析を考慮すると0.23wt%以下が好ましい。
なお、上記の各添加物の添加量は、バッキングプレートとターゲットの材質、ターゲットアッセンブリに要求される水崩壊性のしやすさ、固着およびスパッタ時の加熱の条件、溶解条件(水の温度)などにより決めることができ、上記の組成に限定されない。
<接合試験>
SUS304で構成された第一の試験板の表面に水崩壊性アルミ合金(水崩壊性を有するアルミニウム合金)を溶射して溶射膜を形成し、その溶射膜を#1200番の研磨紙で研磨した後、試験材料(金属と合金と無機物とを含む)から成る第二の試験板を接触させ、大気中で押圧しながら加熱した。水崩壊性のアルミ合金の組成と、第一の試験板と第二の試験板の固着状態との関係を、下記表1に示す。
Figure 0006815206
接合できた水崩壊性アルミ合金と試験材料の組みあわせには〇を記載し、接合出来なかった試験材料の組み合わせには×を記載した。
表1中、「サンプル1」は、Al−3%In−0.4%Si−0.2%Tiの成分の水崩壊性のアルミニウム合金であり、「サンプル2」は、Al−1%Bi−3%Si−0.6%Ti−0.2%Ce−0.5%Mgの成分の水崩壊性のアルミニウム合金であり、「サンプル2」の方が、接合できる試験材料の種類が多いのでアルミ酸化防止剤としてはBiの方が優れている。
試験材料のうち、アルミニウム合金であるA1070と、A5052、A6061の組成は、下記表2に示しておく。
Figure 0006815206
各試験材料について、「サンプル1」では、加熱温度が300℃を超えると、接合出来ても水崩壊性が失われることが分かり、「サンプル2」では、425℃を超えると水崩壊性が失われる結果を得た。
なお、接合出来ない試験用金属をターゲット10やバッキングプレート12に用いる場合は、そのターゲット10やバッキングプレート12に、溶射法によって溶射膜5、6を形成すればよい。
または、接合出来ない材料側に、メッキやスパッタ法により接合されやすい材料の接合面を形成することで、接合を可能にすることができる。
また、ターゲット10やバッキングプレート12に溶射法によって溶射膜5、6を形成する場合は、ターゲット接合面21やプレート接合面22を表面処理し、溶射膜5、6とターゲット10又はバッキングプレート12との間の付着力を向上させるようにしてもよい。
2〜4……ターゲットアッセンブリ
5……溶射膜(第一の溶射膜)
6……溶射膜(第二の溶射膜)
7〜9……接合膜
10……ターゲット(取付対象物)
12……バッキングプレート
21……ターゲット接合面
22……プレート接合面
24……スパッタ面
32……水分(水)

Claims (29)

  1. バッキングプレートと、
    インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤が分散された水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金から成る接合膜と、
    スパッタリングされるターゲットとを有し、
    前記バッキングプレートの片面と前記ターゲットの片面とは、前記接合膜に接触され、前記バッキングプレートと前記ターゲットとは前記接合膜によって互いに固定されたターゲットアッセンブリであって、
    前記アルミ酸化防止剤は、前記接合膜中に粒径10nm以下の粒子にされて分散されたターゲットアッセンブリ。
  2. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤が0.1wt%以上20wt%以下の含有率で含有された請求項1記載のターゲットアッセンブリ。
  3. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが0.04wt%以上8wt%以下の含有率で含有された請求項又は請求項のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  4. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有された請求項又は請求項のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  5. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのインジウムが2.0wt%以上3.5wt%以下の含有率で含有された請求項1記載のターゲットアッセンブリ。
  6. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが0.2wt%以上0.5wt%以下の含有率で含有された請求項記載のターゲットアッセンブリ。
  7. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.13wt%以上0.25wt%以下の含有率で含有された請求項又は請求項のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  8. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのビスマスが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有された請求項1記載のターゲットアッセンブリ。
  9. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンが1.5wt%以上8wt%以下の含有率で含有された請求項記載のターゲットアッセンブリ。
  10. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンが0.2wt%以上4wt%以下の含有率で含有された請求項又は請求項のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  11. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、セリウムが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有された請求項乃至請求項10のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  12. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、マグネシウムが0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有された請求項乃至請求項11のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリ。
  13. スパッタリングを行う第一のターゲットを取付対象物とし、
    バッキングプレートのプレートの片面と、前記取付対象物の片面とのうち、いずれか一方を第一の接合面とし、他方を第二の接合面としたときに、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤を含有し、水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金を前記第一の接合面に溶射し、前記アルミ酸化防止剤が分散され、水崩壊性を有する第一の溶射膜を形成する第一のアルミ溶射膜形成工程と、
    前記第二の接合面と前記第一の溶射膜とを接触させ、又は、前記第二の接合面に前記水崩壊性アルミ合金が溶射されて形成された第二の溶射膜と前記第一の溶射膜とを接触させ、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを押圧しながら加熱して、前記第一の接合面と前記第二の接合面との間に、前記第一の溶射膜又は前記第一の溶射膜と前記第二の溶射膜とから成る接合膜を形成し、前記接合膜によって前記バッキングプレートと前記取付対象物とを固定することで、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを互いに固定させる固定工程と、
    を有し、互いに固定された前記バッキングプレートと前記取付対象物とから成る第一のターゲットアッセンブリを製造するターゲットアッセンブリの製造方法。
  14. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤を、0.1wt%以上20wt%以下の含有率で含有させる請求項13記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  15. 前記アルミ酸化防止剤は、前記第一の溶射膜中に粒径10nm以下の粒子で分散させる請求項13又は請求項14のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  16. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを0.04wt%以上8wt%以下の含有率で含有させる請求項14又は請求項15のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  17. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.13wt%以上4wt%以下の含有率で含有させる請求項14又は請求項15のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  18. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのインジウムを2.0wt%以上3.5wt%以下の含有率で含有させる請求項13記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  19. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを0.2wt%以上0.5wt%以下の含有率で含有させる請求項18記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  20. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.13wt%以上0.25wt%以下の含有率で含有させる請求項18又は請求項19のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  21. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、前記アルミ酸化防止剤としてのビスマスを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させる請求項13記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  22. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、シリコンを1.5wt%以上8wt%以下の含有率で含有させる請求項21記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  23. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、チタンを0.2wt%以上4wt%以下の含有率で含有させる請求項21又は請求項22のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  24. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、セリウムを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させる請求項21乃至請求項23のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  25. 前記水崩壊性アルミ合金には、前記水崩壊性アルミ合金が含有するアルミニウムを100wt%としたときに、マグネシウムを0.2wt%以上2wt%以下の含有率で含有させる請求項21乃至請求項24のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  26. 前記第一のターゲットの露出するスパッタ面が一回又は複数回数スパッタリングされて前記第一のターゲットの厚みが減少された後、前記接合膜を水分に接触させ、前記接合膜を崩壊させる水接触工程と、
    厚みが減少された前記第一のターゲットと前記バッキングプレートとを分離させる分離工程とを有する請求項13乃至請求項25のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  27. 前記第一のターゲットとは別の第二のターゲットを、前記取付対象物として前記第一のアルミ溶射膜形成工程と前記固定工程とを行い、前記第二のターゲットを前記バッキングプレートに固定して第二のターゲットアセンブリを製造する請求項26記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  28. 前記水接触工程では、水、温水、水蒸気のいずれか一種又は複数種が前記接合膜に接触される前記水分として用いられる請求項26又は請求項27のいずれか1項記載のターゲットアッセンブリの製造方法。
  29. スパッタリングを行う第一のターゲットを取付対象物とし、
    バッキングプレートのプレートの片面と、前記取付対象物の片面とのうち、いずれか一方を第一の接合面とし、他方を第二の接合面としたときに、インジウム又はビスマスのいずれか一方又は両方から成るアルミ酸化防止剤を含有し、水崩壊性を有する水崩壊性アルミ合金を前記第一の接合面に溶射し、前記アルミ酸化防止剤が分散され、水崩壊性を有する第一の溶射膜を形成する第一のアルミ溶射膜形成工程と、
    前記第二の接合面と前記第一の溶射膜とを接触させ、又は、前記第二の接合面に前記水崩壊性アルミ合金が溶射されて形成された第二の溶射膜と前記第一の溶射膜とを接触させ、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを押圧しながら加熱して、前記第一の接合面と前記第二の接合面との間に、前記第一の溶射膜又は前記第一の溶射膜と前記第二の溶射膜とから成る接合膜を形成し、前記接合膜によって前記バッキングプレートと前記取付対象物とを固定することで、前記バッキングプレートと前記取付対象物とを互いに固定させる固定工程と、
    前記接合膜を水分に接触させ、前記接合膜を崩壊させる水接触工程と、
    前記第一のターゲットと前記バッキングプレートとを分離させる分離工程とを有するターゲットとバッキングプレートとの分離方法。
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