JP6815203B2 - ボールジョイントノズル - Google Patents
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Description
そこで、小型・軽量化という観点で優れる可動ノズルとして、ボールジョイントノズルが提案されている。
この図において、従来のボールジョイントノズル1は、ノズル固定部4とノズル可動部5とを有する。
ノズル固定部4は、モータケース2に固定され、モータケース2を貫通する開口2aの内側に球形の球面凹部4aを有する。ノズル可動部5は、ノズル固定部4の球面凹部4aの内側に嵌る球形の球面凸部6を有し、球面凹部4aとの境界面(以下、「摺動面R」と呼ぶ)を介して揺動可能になっている。
この力Fは、球面凸部6を下流側に押し付け、摺動面Rの下流側を介してノズル固定部4で支持される。
しかし、ノズル可動部5の球面凸部6と接触する球面凹部4aは、機軸2bに対し平行に近い鋭角(約15°以下)に位置するので、球面凹部4aの摺動面Rの下流側端部のみに力Fが作用する。その結果、図にAで示す摺動面Rの下流側端部、及びOリング溝6aの角部が接触する部分に局所的に面圧ピークが発生する。この面圧ピークにより、摺動面Rの作動不良(焼付けなど)やシール不良(燃焼ガスの漏れ)が発生する可能性があった。
前記ノズル固定部に揺動可能に取り付けられたノズル可動部と、を備え、
前記ノズル固定部は、半径方向内方に斜めに延び機軸上の揺動中心を中心とする球面状の固定摺動面と、前記固定摺動面より外部に噴射する燃焼ガスの下流側に位置し前記揺動中心を中心とする球面状の固定シール面と、を有し、
前記ノズル可動部は、前記固定摺動面と摺動し前記揺動中心を中心とする球面状の可動摺動面と、前記固定シール面より前記燃焼ガスの下流側に位置し前記揺動中心を中心とする球面状の可動シール面と、を有し、
前記ノズル固定部は、外周部が前記モータケースに固定され、その内側に前記ノズル可動部を取り付けるチャンバアタッチメントを有し、
前記チャンバアタッチメントは、半径方向内方に斜めに延び厚さが一定の球面部分を有し、
前記固定摺動面と前記固定シール面は、前記球面部分の両面を構成する、ボールジョイントノズルが提供される。
従って、可動摺動面が固定摺動面に沿って摺動することにより、ノズルを摺動面(可動摺動面と固定摺動面)を介して揺動させることができる。
なお、ロケットモータは、固体ロケットモータに限定されず、その他のロケットモータ、又は宇宙機のスラスタであってもよい。
図2と図3において、ボールジョイントノズル10は、ノズル固定部12とノズル可動部20を備える。
また、ノズル可動部20は、ノズル固定部12に揺動可能に取り付けられている。
球面状の固定摺動面R1は、半径方向内方に斜めに延び、機軸上の揺動中心Oを中心とする球面形状に形成されている。
球面状の固定シール面S1は、固定摺動面R1の下流側に位置し揺動中心Oを中心とする球面形状に形成されている。
揺動中心Oは、この例において、モータケース2の機軸2bの下流側に位置する。
チャンバアタッチメント14は、その内側に半径方向内方に斜めに延び厚さが一定の球面部分16を有する。
この例において、固定摺動面R1と固定シール面S1は、球面部分16の両面を構成する。
チャンバアタッチメント14は、チタン、スチールなどの金属材からなるのがよい。
断熱部材15は、例えばシリカとフェノール樹脂の混合体である。
球面状の可動摺動面R2は、固定摺動面R1と摺動し、揺動中心Oを中心とする球面形状に形成されている。
球面状の可動シール面S2は、固定シール面S1の下流側又は上流側に位置し、揺動中心Oを中心とする球面形状に形成されている。
また、区別が必要な場合を除き、固定シール面S1と可動シール面S2の一方又は両方を単に、「シール面S」と呼ぶ。固定シール面S1と可動シール面S2の半径はわずかに相違し、その間に一定の隙間を有するのがよい。
またこの例において、ノズル7は、ノズル部8aとスロート部8cを構成する前部7bと、ディフューザ部8bを構成する後部7cとからなる。
前部7bは、例えば、カーボン/カーボン、又はカーボンとフェノール樹脂の混合体であるのがよい。また、後部7cは、例えば、シリカとフェノール樹脂の混合体であるのがよい。
また可動摺動面R2は、摺動金具22に設けられ、可動シール面S2は、シールホルダ24に設けられている。
摺動金具22とシールホルダ24は、チタン、スチールなどの金属材からなるのがよい。
シール部材25は、図3に破線の矢印で示すa→b→cの経路で燃焼ガスが流れてくるのを、シール面Sでシールする。
シール部材25は例えばOリングであり、この例ではシールホルダ24に設けられたシール溝内に収容されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、固定シール面S1にシール溝を設けて、シール部材25を収容してもよい。
またこの例で、固定摺動面R1の揺動中心Oは、固定摺動面R1から下流側(図で右側)に離れて位置する。また、固定摺動面R1の軸方向中心と揺動中心Oを結ぶ中心線(以下、揺動中心線L1)と、機軸2bとがなす角度θ(以下、摺動面角θ)が、30°以上、70°以下の鋭角に設定されている。
「固定摺動面R1の軸方向中心」とは、固定摺動面R1に沿って可動摺動面R2が摺動する範囲の軸方向の中点を意味する。また、摺動面角θは狭角である。
ノズル固定部12とノズル可動部20の摺動面Rの半径は、実質的に同一であり、固定シール面S1の半径は、固定摺動面R1より小さく、可動シール面S2の半径は固定シール面S1の半径よりも小さく設定されている。
また、ノズル固定部12とノズル可動部20との間にノズル偏向角検出用のリファレンスロッド34が取り付けられている。
この図において、固定摺動面R1の揺動中心Oは、固定摺動面R1の上流側(図で左側)に離れて位置する。また固定摺動面R1の軸方向中心と揺動中心Oを結ぶ中心線(揺動中心線L2)と、開口2aの機軸2bとがなす角度θ(摺動面角θ)は、30°以上、70°以下の鋭角に設定されている。
ノズル固定部12とノズル可動部20の摺動面Rの半径は、実質的に同一であり、固定シール面S1の半径は、固定摺動面R1より大きく、可動シール面S2の半径は固定シール面S1の半径よりも大きく設定されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、可動摺動面R2が固定摺動面R1に沿って摺動することにより、ノズル7を摺動面R(可動摺動面R2と固定摺動面R1)を介して揺動させることができる。
R 摺動面、R1 固定摺動面、R2 可動摺動面、S シール面、
S1 固定シール面、S2 可動シール面、G 燃焼ガス、θ 摺動面角、
1 ボールジョイントノズル、2 モータケース、2a 開口、2b 機軸、
4 ノズル固定部、4a 球面凹部、5 ノズル可動部、6 球面凸部、
6a Oリング溝、7 ノズル、7a ノズル軸、7b 前部、7c 後部、
8 ガス流路、8a ノズル部、8b ディフューザ部、8c スロート部、
9 Oリング、10 ボールジョイントノズル、12 ノズル固定部、
13 支持部材、14 チャンバアタッチメント、15 断熱部材、
20 ノズル可動部、22 摺動金具、24 シールホルダ、
25 シール部材(Oリング)、32 リニアアクチュエータ、
34 リファレンスロッド
Claims (5)
- モータケースの機軸を中心とする開口に固定されたノズル固定部と、
前記ノズル固定部に揺動可能に取り付けられたノズル可動部と、を備え、
前記ノズル固定部は、半径方向内方に斜めに延び機軸上の揺動中心を中心とする球面状の固定摺動面と、前記固定摺動面より外部に噴射する燃焼ガスの下流側に位置し前記揺動中心を中心とする球面状の固定シール面と、を有し、
前記ノズル可動部は、前記固定摺動面と摺動し前記揺動中心を中心とする球面状の可動摺動面と、前記固定シール面より前記燃焼ガスの下流側に位置し前記揺動中心を中心とする球面状の可動シール面と、を有し、
前記ノズル固定部は、外周部が前記モータケースに固定され、その内側に前記ノズル可動部を取り付けるチャンバアタッチメントを有し、
前記チャンバアタッチメントは、半径方向内方に斜めに延び厚さが一定の球面部分を有し、
前記固定摺動面と前記固定シール面は、前記球面部分の両面を構成する、ボールジョイントノズル。 - 前記固定摺動面の軸方向中心と前記揺動中心とを結ぶ中心線と、前記機軸とがなす角度が、30°以上、70°以下である、請求項1に記載のボールジョイントノズル。
- 前記固定シール面と前記可動シール面との間をシールするシール部材を有する、請求項1又は2に記載のボールジョイントノズル。
- 前記揺動中心は、前記固定摺動面より前記燃焼ガスの下流側又は上流側に位置する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のボールジョイントノズル。
- 前記ノズル可動部は、前記燃焼ガスを外部に噴射するノズルと、前記ノズルの外面に固定された摺動金具及びシールホルダと、を有し、
前記可動摺動面は前記摺動金具に設けられ、前記可動シール面は前記シールホルダに設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のボールジョイントノズル。
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JP2018112114A JP2018112114A (ja) | 2018-07-19 |
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