JP6815170B2 - 乾燥炉 - Google Patents

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本発明は、ワークの表面に塗布された塗料を乾燥させる乾燥炉に関するものである。
従来、乾燥炉は、自動車ボディなどのワークに塗布された塗料を乾燥させる工程などで使用されている。具体的に言うと、図9に示されるように、乾燥炉101は、炉本体102、コンベア103及びキャリア104を備えている。炉本体102の床部105には、ワーク106の搬送方向に沿って延びる溝部107が設けられ、床部105の裏側には、モータやチェーン等からなるコンベア103が設置されている。また、キャリア104は、先端部にワーク106が支持され、かつ、基端部が床部105の裏側に突出した状態で、コンベア103によって溝部107内を通過しつつワーク106の搬送方向に沿って搬送されるようになっている。
なお、上記の乾燥炉101では、キャリア104の不通過時に、炉本体102内に充満している高温空気が溝部107を介して床部105の裏側に流出してしまう(図9の矢印F1参照)。よって、塗料を確実に乾燥させるためには、絶えず高温空気を供給し続けなければならないため、高温空気の消費量が多くなり、ランニングコストが嵩んでしまうという問題がある。また、高温空気の流出に伴って床部105の裏側空間も高温となるため、裏側空間にあるモータ等の機器を比較的高価な耐熱仕様に変更する必要がある。その結果、イニシャルコストも嵩んでしまうという問題がある。
そこで、エアカーテンを用いることにより、炉本体内の高温空気の流出を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱風押込みノズルから熱風を噴出させることにより、炉本体内の臭気ガス(高温空気)の流出を防止する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−270072号公報(図1等) 特開2009−628号公報(図1等)
ところが、特許文献1,2に記載の従来技術は、炉本体102のワーク出入口からの高温空気の流出を防止する技術であるため、溝部107からの高温空気の流出を防止することができない。なお、ワーク106の塗装が行われる塗装ブースにおいては、乾燥炉101の溝部107と同様の溝部を床部に設け、溝部をゴム板で塞ぐことにより、溝部からの塗料ミストの流出を防止することが提案されている。そこで、乾燥炉101の溝部107をゴム板で塞ぐことにより、溝部107からの高温空気の流出を防止することが考えられる。しかしながら、炉本体102の内部は高温雰囲気下にあり、ゴム板が劣化してしまうため、この技術を採用することは困難である。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炉本体の溝部からの高温空気の流出を防止することにより、ランニングコスト及びイニシャルコストの低減を図ることができる乾燥炉を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、ワークの搬送方向に沿って延びる溝部が床部に設けられた炉本体と、前記床部の裏側に配置されたコンベアと、先端部に前記ワークが支持され、かつ、基端部が前記床部の裏側に突出した状態で、前記コンベアによって前記溝部内を通過しつつ前記ワークの搬送方向に沿って搬送されるキャリアとを備え、前記ワークの表面に塗布された塗料を乾燥させる乾燥炉であって、前記ワークの搬送方向に沿って互いに隣接して配置され、前記キャリアの不通過時に前記溝部を閉塞する初期位置、及び、前記キャリアの通過時に前記溝部を開放する開放位置に変位可能な複数の開閉機構を備えることを特徴とする乾燥炉をその要旨とする。
手段1に記載の発明によれば、キャリアの不通過時に溝部を閉塞する開閉機構が設けられているため、炉本体の溝部からの高温空気の流出を防止することができる。その結果、炉本体内に高温空気を供給し続けなくても、ワークの表面に塗布された塗料が確実に乾燥するため、高温空気の消費量を抑えることができ、ランニングコストの低減を図ることができる。また、溝部からの高温空気の流出が防止されることから、床部の裏側空間が高温になりにくいため、裏側空間にあるモータ等の機器を比較的高価な耐熱仕様に変更しなくても済む。その結果、イニシャルコストの低減も図ることができる。さらに、耐熱性及び耐溶剤性を有する材料を用いて開閉機構を形成すれば、高温雰囲気下にある炉本体の内部に開閉機構を設置したとしても、開閉機構の劣化を防止することができる。
なお、複数の開閉機構は、溝部内を通過するキャリアに押圧されることにより、初期位置から開放位置に変位し、キャリアの通過後に、初期位置に自動復帰するものであってもよいし、開閉機構を駆動する駆動機構によって初期位置及び開放位置に変位するものであってもよい。しかし、複数の開閉機構は、溝部内を通過するキャリアに押圧されることにより、初期位置から開放位置に変位し、キャリアの通過後に、初期位置に自動復帰することが好ましい。このようにした場合、耐熱性及び耐溶剤性を有する材料を用いて開閉機構を形成すれば、開閉機構を高温雰囲気下にある炉本体内に設置することができる。さらに、駆動機構等の動力を必要としないため、ランニングコストを抑えることができる。
また、開閉機構は、溝部の幅方向に延びるとともに、ワークの搬送方向に沿って配置された回転軸を基端部に有する開閉片を備え、開閉片は、キャリアの通過時に回転軸を中心として回動することにより、先端部が床部の裏側に押し下げられて開放位置に変位することが好ましい。このようにすれば、開閉片の先端部が炉本体の外側に位置するようになるため、開閉片の先端部と炉本体内を移動するワークとの接触を回避することができる。
ここで、開閉片を構成する材料については特に限定されず、例えば、樹脂材料や金属材料などを挙げることができる。これらの材料は、耐熱性や耐溶剤性などを考慮して適宜選択される。開閉片を構成する樹脂材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ABS、ポリイミド(PI)などが挙げられる。開閉片を構成する金属材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、銅などが挙げられる。なお、開閉片を構成する材料として、木や紙などを用いてもよい。
さらに、開閉機構は、一対の開閉片によって構成され、一対の開閉片は、溝部を挟んで互いに反対側に位置する溝部の開口縁部にそれぞれ設けられていることが好ましい。このようにすれば、溝部の開口縁部へのキャリアの接触が回避されるため、キャリアの破損を防止することができる。また、キャリアは、溝部内を通過するのに伴って開閉片を押し下げる押し下げ板を備えることが好ましい。このようにすれば、開閉片を確実にかつスムーズに押し下げることができる。
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によると、炉本体の溝部からの高温空気の流出を防止することにより、ランニングコスト及びイニシャルコストの低減を図ることができる乾燥炉を提供することができる。
本実施形態における乾燥炉を示す概略断面図。 乾燥炉を示す平断面図。 開閉機構が初期位置に変位した状態を示す概略構成図。 開閉機構が開放位置に変位した状態を示す概略構成図。 図4のA−A線から見たときのキャリアを示す部分側面図。 他の実施形態において、開閉機構が初期位置に変位した状態を示す概略構成図。 他の実施形態において、開閉機構が開放位置に変位した状態を示す概略構成図。 図7のB−B線から見たときのキャリアを示す部分側面図。 従来技術における乾燥炉を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1,図2に示される乾燥炉10は、ワークW1(本実施形態では自動車ボディ)に対して塗装が行われる塗装ブース(図示略)とともに、塗装設備に組み込まれている。乾燥炉10は、塗装ブースを通過したワークW1の表面に塗布された塗料を乾燥させるためのものである。また、乾燥炉10は、設置面(図示略)においてワークW1の搬送方向D1(図2参照)に沿って延設された一対の支持台11と、両支持台11によって支持される炉本体12とによって構成されている。炉本体12は、例えば鉄板などの壁材を用いて略直方体状に形成されており、天井部13、床部14、及び、一対の側壁15,16を備えている。
また、床部14には、同床部14の中央部において搬送方向D1に沿って延びる溝部17が貫通形成されている。本実施形態の溝部17は、長さが4400mm、幅が150mmに設定されている。
図1に示されるように、乾燥炉10は、コンベア21及びキャリア31を備えている。コンベア21は、床部14の裏側空間S1、具体的には、一対の支持台11と床部14とによって囲まれた空間において、設置面上に配置されている。コンベア21は、複数のキャリア31をワークW1の搬送方向D1に沿って搬送する装置である。なお、コンベア21は、無端状のチェーンと、チェーンが巻回される一対のスプロケットと、スプロケットを駆動するモータとを含んで構成されている。チェーンは、キャリア31を載置した状態で駆動することにより、キャリア31を搬送方向D1に沿って移動させるようになっている。なお、本実施形態のキャリア31は、自走するための構成を有していない。
図1,図2に示されるように、キャリア31は、先端部にワークW1が支持され、かつ、基端部が床部14の裏側に突出した状態で、コンベア21によって溝部17内を通過しつつ搬送方向D1に沿って搬送されるようになっている。詳述すると、キャリア31は、溝部17内を通過する支持棒32を備え、支持棒32の先端部は、ワークW1を支持可能な支持治具33の中央部に接続されている。なお、本実施形態の支持治具33は、縦及び横の長さが1000mm以上2000mm以下の平面視I字状をなしている。
一方、図4,図5に示されるように、支持棒32の基端部には、略直方体状をなすブロック材34が一体形成されている。さらに、ブロック材34において互いに反対側に位置する側面35,36には、正面視半円状をなす押し下げ板37がそれぞれ取り付けられている。各押し下げ板37は、キャリア31の支持棒32が溝部17内を通過するのに伴い、開閉機構51の開閉片52a,52bを押し下げる機能を有している。なお、押し下げ板37は、正面視三角形状などの他の形状をなしていてもよい。
図1,図2に示されるように、炉本体12を構成する側壁15,16の内面側には、それぞれ内側壁41,42が設置されている。そして、各内側壁41,42には、複数の吹付ノズル43が設けられている。詳述すると、各内側壁41,42には、4本の吹付ノズル43からなるノズル群が、ワークW1の搬送方向D1に沿って等間隔に配置されている。各吹付ノズル43は、同吹付ノズル43が設置されている内側壁41(または内側壁42)とは反対側の内側壁42(または内側壁41)に向けて開口しており、キャリア31に支持されたワークW1に向けて例えば160℃の高温空気を吹き付けるようになっている。その結果、高温空気が炉本体12内に溜まるようになる。なお、高温空気が炉本体12内に溜まっているときでも、床部14の裏側空間S1は常温(23〜27℃)を維持するようになっている。
図1に示されるように、乾燥炉10は空気供給路44を備えている。空気供給路44上には、炉本体12内に高温空気を供給する空気供給装置45が設置されている。空気供給装置45は、炉本体12内を所定温度(例えば160℃)に調節する空調機であり、空気加熱バーナー(図示略)及びファン(図示略)を備えている。空気加熱バーナーは、燃料ガス供給源(図示略)から供給された燃料ガスを燃焼させることにより、空気供給路44を流れる空気を加熱して、160℃の高温空気とするようになっている。ファンは、加熱された高温空気を、空気供給路44及び吹付ノズル43を介して炉本体12内に供給するようになっている。
図1〜図4に示されるように、溝部17内には空気流出防止装置50が設置されている。空気流出防止装置50は、ワークW1の搬送方向D1に沿って互いに隣接して配置される複数の開閉機構51によって構成されている。各開閉機構51は、一対の開閉片52a,52bによって構成されている。両開閉片52a,52bは、キャリア31の不通過時に溝部17を閉塞する初期位置(図3参照)、及び、キャリア31の通過時に溝部17を開放する開放位置(図4参照)に変位可能になっている。両開閉片52a,52bは、耐熱性及び耐溶剤性を有する金属材料(本実施形態では鉄)からなり、初期位置にあるときに溝部17の幅方向に延びている。両開閉片52a,52bの長さ(溝部17の幅方向に沿った長さ)は、溝部17の幅(150mm)の半分に設定されており、本実施形態では75mmとなっている。よって、両開閉片52a,52bは、初期位置に変位した際に先端同士が当接するようになる。さらに、両開閉片52a,52bの先端は、正面視で曲線状(丸みを有する形状)をなしている。よって、開閉片52a,52bの回動時において、開閉片52aの先端と開閉片52bの先端とが引っ掛かりにくくなる。また、両開閉片52a,52bの厚さ(搬送方向D1に沿った長さ)は、キャリア31の支持棒32の外径よりも小さく設定されている。なお、開閉片52a(または開閉片52b)は、隣接する開閉機構51の開閉片52a(または開閉片52b)に面接触している。
図3,図4に示されるように、両開閉片52a,52bは、搬送方向D1に沿って配置された回転軸53a,53bをそれぞれの基端部に有しており、回転軸53a,53bを中心として回動可能となっている。回転軸53aは、全ての開閉機構51の開閉片52aを厚さ方向に貫通しており、軸受部(図示略)を介して床部14(具体的には、溝部17を挟んで互いに反対側に位置する一対の開口縁部17a,17bのうち、一方の開口縁部17a)に取り付けられている。同様に、回転軸53bも、全ての開閉機構51の開閉片52bを厚さ方向に貫通しており、軸受部(図示略)を介して床部14(具体的には、一対の開口縁部17a,17bのうちもう一方の開口縁部17b)に取り付けられている。よって、両開閉片52a,52bは、溝部17の開口縁部17a,17bにそれぞれ取り付けられている。
また、両開閉片52a,52bにおける回転軸53a,53bよりも基端側の領域には、床部14の裏側に向けて張り出す錘部54が形成されている。よって、本実施形態の開閉片52a,52bでは、回転軸53a,53bよりも基端側領域の幅が、回転軸53a,53bよりも先端側領域の幅よりも大きくなっている。その結果、開閉片52a,52bの基端側領域の重さが、開閉片52a,52bの先端側領域の重さよりも重くなる。また、溝部17の開口縁部17a,17bには、正面視L字状をなすストッパー55が取り付けられている。ストッパー55は、溝部17の幅方向に延びており、基端部が床部14の裏面に取り付けられるとともに、先端部が上方に突出している。ストッパー55の先端部には、開閉片52a,52bの錘部54が係止するようになっている。
次に、乾燥炉10の動作について説明する。
まず、乾燥炉10を起動させる。具体的に言うと、空気供給装置45の空気加熱バーナーを作動させて、燃料ガス供給源から空気加熱バーナーに供給された燃料ガスを燃焼させる。また、空気供給装置45のファンが有するモータを駆動させる。その結果、空気供給路44を流れる空気が、空気加熱バーナーの熱によって温められて高温空気となる。また、空気加熱バーナーによって加熱された空気(高温空気)が、ファンによって空気供給路44に導かれ、炉本体12内に設けられた吹付ノズル43から高温空気が噴出する。なお、乾燥炉10の起動には時間が掛かるため、乾燥炉10を常時運転するようにしてもよい。
その後、乾燥炉10の運転が安定し(具体的には、炉本体12内の温度が160℃になり)、塗装後のワークW1を支持したキャリア31が塗装ブース側のコンベアの終端に搬送されてくると、キャリア31(及びワークW1)は、塗装ブース側のコンベアの終端から乾燥炉10側のコンベア21の始端に移動する。次に、コンベア21のモータを駆動し、コンベア21のチェーンを移動させる。その結果、チェーンに載置されたキャリア31が、コンベア21に沿って移動し、支持棒32が溝部17内を通過する。
なお、キャリア31がコンベア21に沿って移動する際には、吹付ノズル43からキャリア31上のワークW1に対して高温空気が吹き付けられる。その結果、ワークW1の表面に塗布された塗料の溶媒分が蒸発し、塗料が乾燥する。
また、各開閉機構51の開閉片52a,52bは、キャリア31の通過時において、先端部(回転軸53a,53bよりも先端側の領域)が押し下げ板37によって床部14の裏側に押し下げられる。これに伴い、開閉片52a,52bは、回転軸53a,53bを中心として矢印A1方向に回動し、開放位置に変位する(図4参照)。そして、開閉片52a,52bは、キャリア31の通過後において、重い側である基端部(回転軸53a,53bよりも基端側の領域)が自重によって下側(床部14の裏側)に移動する。これに伴い、開閉片52a,52bは、回転軸53a,53bを中心としてキャリア31の通過時とは逆方向(矢印A2方向)に回動し、初期位置に自動復帰する(図3参照)。つまり、本実施形態の空気流出防止装置50は、自動開閉式の空気流出防止装置である。その後、キャリア31は、コンベア21の下流側に移動して、炉本体12外に搬出される。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の乾燥炉10では、キャリア31の不通過時に溝部17を閉塞する開閉機構51が設けられているため、炉本体12の溝部17からの高温空気の流出を防止することができる。その結果、炉本体12内に高温空気を供給し続けなくても、ワークW1の表面に塗布された塗料が確実に乾燥するため、高温空気の消費量を抑えることができ、ランニングコストの低減を図ることができる。また、溝部17からの高温空気の流出が防止されることから、床部14の裏側空間S1が高温になりにくいため、裏側空間S1にあるモータ等の機器を比較的高価な耐熱仕様に変更しなくても済む。その結果、イニシャルコストの低減も図ることができる。さらに、本実施形態では、耐熱性及び耐溶剤性を有する金属材料(ここでは鉄)を用いて開閉機構51の開閉片52a,52bを形成しているため、高温雰囲気下にある炉本体12の内部に開閉機構51を設置したとしても、開閉機構51の劣化を防止することができる。
(2)本実施形態の開閉片52a,52bは、キャリア31の通過後に、回転軸53a,53bよりも基端側の領域の自重により、開放位置から初期位置に自動復帰する。この場合、開閉片52a,52bを初期位置に復帰させる機構に、バネや磁石といった劣化しやすい部品を用いなくても済むため、開閉機構51の劣化を確実に防止することができる。さらに、開閉片52a,52bを初期位置に復帰させる駆動機構等の動力が不要となるため、ランニングコストを確実に抑えることができる。
(3)本実施形態の開閉片52a,52bは、初期位置に変位した際に先端同士が当接する。また、特定の開閉機構51を構成する開閉片52aの表面56全体は、コンベア21の下流側に隣接する開閉機構51の開閉片52aの裏面全体に面接触可能であり、特定の開閉機構51を構成する開閉片52aの裏面全体は、コンベア21の上流側に隣接する開閉機構51の開閉片52aの表面全体に面接触可能である。同様に、特定の開閉機構51を構成する開閉片52bの表面56全体も、コンベア21の下流側に隣接する開閉機構51の開閉片52bの裏面全体に面接触可能であり、特定の開閉機構51を構成する開閉片52bの裏面全体も、コンベア21の上流側に隣接する開閉機構51の開閉片52bの表面全体に面接触可能である。従って、全ての開閉機構51の開閉片52a,52bが初期位置に変位した際には、溝部17全体を完全に閉塞することができる。ゆえに、開閉片52aと開閉片52bとの隙間、隣接する開閉片52a間の隙間、及び、隣接する開閉片52b間の隙間等を介して、高温空気が床部14の裏側空間S1に漏れることを確実に防止できる。
なお、本実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の開閉片52a,52bは、キャリア31の通過後に、回転軸53a,53bよりも基端側の領域の自重により、開放位置から初期位置に自動復帰するようになっていた。しかし、別の手段を用いて、開閉片52a,52bを初期位置に自動復帰させるようにしてもよい。例えば、開閉片52a,52bの錘部54とストッパー55との間に引張バネを介在させ、開閉片52a,52bが開放位置に変位した際に生じる引張バネの付勢力により、開閉片52a,52bを初期位置に復帰させるようにしてもよい。また、錘部54の下面とストッパー55の上面とにそれぞれ磁石を貼付し、磁力によって開閉片52a,52bを初期位置に復帰させるようにしてもよい。
・上記実施形態の複数の開閉機構51は、溝部17内を通過するキャリア31に押圧されることにより、初期位置(図3参照)から開放位置(図4参照)に変位し、キャリア31の通過後に、初期位置に自動復帰するようになっていた。しかし、各開閉機構51は、同開閉機構51を駆動する駆動機構によって初期位置及び開放位置に変位するものであってもよい。例えば、開閉機構51に、回転軸53aを回転駆動させる駆動機構と、回転軸53bを回転駆動させる駆動機構とを設けてもよい。これらの駆動機構は、モータや複数の歯車等によって構成されている。なお、キャリア31の通過時には、各駆動機構のモータを駆動して回転軸53a,53bを回転させ、開閉片52a,52bを開放位置に変位させる。そして、キャリア31の通過後に、各駆動機構のモータを再び駆動して、回転軸53a,53bをキャリア31の通過時とは逆方向に回転させ、開閉片52a,52bを初期位置に復帰させる。
・上記実施形態の開閉片52a,52bは、キャリア31の通過時に回転軸53a,53bを中心として矢印A1方向(図4参照)に回動することにより、先端部が床部14の裏側に押し下げられて開放位置に変位するようになっていた。しかし、開閉片52a,52bは、キャリア31の通過時に回転軸53a,53bを中心として矢印A2方向(図3参照)に回動することにより、先端部が炉本体12内に押し上げられて開放位置に変位するものであってもよい。なお、この場合、ストッパー55としては、正面視I字状をなし、先端部が上方に突出しないものが用いられる。また、この場合においても、回転軸53a,53bを駆動機構によって回転駆動させるようにしてもよい。
また、例えば、図6〜図8の開閉機構71に示されるように、開閉片72a,72bは、溝部17に対して進退可能に構成され、キャリア73の通過時に溝部17の側方に退避して開放位置(図7参照)に変位するものであってもよい。詳述すると、開閉機構71は、上記した開閉片72a,72bに加えて、ガイドレール74及びピンセット状部材75を備えている。開閉片72a,72bは、ワークW1の搬送方向D1から見たときに、基端側に行くに従って徐々に太くなる楔形状をなしている。また、各開閉片72a,72bには、4つの車輪76が回転可能に取り付けられている。各車輪76は、ガイドレール74によって支持されるようになっている。また、ピンセット状部材75は、床部14の開口縁部17a,17bにそれぞれ取り付けられており、互いに開閉可能な一対の腕部77a,77bによって構成されている。下側の腕部77bの先端部はガイドレール74を支持しており、上側の腕部77aの先端部は開閉片72a,72bの上面を押圧している。さらに、キャリア73のブロック材78の上部には、同ブロック材78から互いに反対方向に突出する一対の棒状部材79が設けられ、両棒状部材79の先端には、押し下げ板80がそれぞれ取り付けられている。なお、押し下げ板80は、キャリア73が溝部17内を通過するのに伴って上側の腕部77aを押圧する。そして、開閉片72a,72bは、押し下げ板80に押圧された腕部77aに押圧されるのに伴い、ガイドレール74に沿って溝部17の側方に退避し、開放位置(図7参照)に変位する。
なお、各開閉機構71は、同開閉機構71を駆動する駆動機構によって初期位置及び開放位置に変位するものであってもよい。例えば、駆動機構は、空気圧によって開閉片72a,72bをガイドレール74の延出方向に移動させるエアシリンダであってもよい。なお、キャリア73の通過時には、エアシリンダを駆動して開閉片72a,72bを引き込み、開閉片72a,72bを開放位置に変位させる。そして、キャリア73の通過後に、エアシリンダを再び駆動して開閉片72a,72bを突出させ、開閉片72a,72bを初期位置に復帰させる。
・上記実施形態の開閉機構51は、一対の開閉片52a,52bによって構成され、両開閉片52a,52bは、溝部17を挟んで互いに反対側に位置する溝部17の開口縁部17a,17bにそれぞれ設けられていた。しかし、開閉機構を1本の開閉片のみによって構成し、開閉片を、開口縁部17a(または開口縁部17b)に設けてもよい。この場合、開閉片は、初期位置に変位した際に、先端がもう一方の開口縁部17b(または開口縁部17a)に当接することが好ましい。このようにすれば、開閉片の先端と開口縁部17b(または開口縁部17a)との隙間を介して高温空気が床部14の裏側空間S1に漏れることを防止できる。
・上記実施形態の開閉機構51(空気流出防止装置50)は乾燥炉10に設置されていたが、開閉機構を、乾燥炉10に加えて塗装ブースにも設置するようにしてもよい。
・上記実施形態では、乾燥炉10によって塗料を乾燥するワークW1として自動車ボディを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、インストルメントパネル、コンソールボックス、アームレストなどの自動車用内装部品をワークとしてもよいし、バンパー、空力付加物(スポイラー等)などの自動車用外装部品をワークとしてもよい。また、ワークは、必ずしも自動車用部品でなくてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記開閉機構は、前記溝部の幅方向に延びるとともに、前記ワークの搬送方向に沿って配置された回転軸を基端部に有する開閉片を備え、前記開閉片は、前記キャリアの通過時に前記回転軸を中心として回動することにより、先端部が前記炉本体内に押し上げられて前記開放位置に変位することを特徴とする乾燥炉。
(2)上記手段1において、前記開閉機構は、前記溝部の幅方向に延びるとともに、前記ワークの搬送方向に沿って配置された回転軸を基端部に有する開閉片を備え、前記開閉片は、耐熱性及び耐溶剤性を有する金属材料からなることを特徴とする乾燥炉。
(3)上記手段1において、前記開閉機構は、前記溝部の幅方向に延びるとともに、前記ワークの搬送方向に沿って配置された回転軸を基端部に有する開閉片を備え、前記キャリアは、前記溝部内を通過する支持棒を備え、前記開閉片の厚さは、前記支持棒の外径よりも小さいことを特徴とする乾燥炉。
(4)上記手段1において、前記開閉機構は、前記溝部に対して進退可能な開閉片を備え、前記開閉片は、前記キャリアの通過時に前記溝部の側方に退避して前記開放位置に変位することを特徴とする乾燥炉。
(5)技術的思想(4)において、前記開閉片は、耐熱性及び耐溶剤性を有する金属材料からなることを特徴とする乾燥炉。
(6)ワークに対して塗装が行われる塗装ブースと、前記塗装ブースを通過した前記ワークの表面に塗布された塗料を乾燥させる乾燥炉とを備える塗装設備であって、前記塗装ブース及び前記乾燥炉の少なくとも一方は、前記ワークの搬送方向に沿って延びる溝部が床部に設けられた本体部と、前記床部の裏側に配置されたコンベアと、先端部に前記ワークが支持され、かつ、基端部が前記床部の裏側に突出した状態で、前記コンベアによって前記溝部内を通過しつつ前記ワークの搬送方向に沿って搬送されるキャリアと、前記ワークの搬送方向に沿って互いに隣接して配置され、前記キャリアの不通過時に前記溝部を閉塞する初期位置、及び、前記キャリアの通過時に前記溝部を開放する開放位置に変位可能な複数の開閉機構とを備えることを特徴とする塗装設備。
10…乾燥炉
12…炉本体
14…床部
17…溝部
17a,17b…開口縁部
21…コンベア
31,73…キャリア
37,80…押し下げ板
51,71…開閉機構
52a,52b,72a,72b…開閉片
53a,53b…回転軸
D1…搬送方向
W1…ワーク

Claims (6)

  1. ワークの搬送方向に沿って延びる溝部が床部に設けられた炉本体と、
    前記床部の裏側に配置されたコンベアと、
    先端部に前記ワークが支持され、かつ、基端部が前記床部の裏側に突出した状態で、前記コンベアによって前記溝部内を通過しつつ前記ワークの搬送方向に沿って搬送されるキャリアと
    を備え、前記ワークの表面に塗布された塗料を乾燥させる乾燥炉であって、
    前記ワークの搬送方向に沿って互いに隣接して配置され、前記キャリアの不通過時に前記溝部を閉塞する初期位置、及び、前記キャリアの通過時に前記溝部を開放する開放位置に変位可能な複数の開閉機構を備えることを特徴とする乾燥炉。
  2. 前記複数の開閉機構は、前記溝部内を通過する前記キャリアに押圧されることにより、前記初期位置から前記開放位置に変位し、前記キャリアの通過後に、前記初期位置に自動復帰することを特徴とする請求項1に記載の乾燥炉。
  3. 前記複数の開閉機構は、同開閉機構を駆動する駆動機構によって前記初期位置及び前記開放位置に変位することを特徴とする請求項1に記載の乾燥炉。
  4. 前記開閉機構は、前記溝部の幅方向に延びるとともに、前記ワークの搬送方向に沿って配置された回転軸を基端部に有する開閉片を備え、
    前記開閉片は、前記キャリアの通過時に前記回転軸を中心として回動することにより、先端部が前記床部の裏側に押し下げられて前記開放位置に変位する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乾燥炉。
  5. 前記開閉機構は、一対の前記開閉片によって構成され、
    一対の前記開閉片は、前記溝部を挟んで互いに反対側に位置する前記溝部の開口縁部にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の乾燥炉。
  6. 前記キャリアは、前記溝部内を通過するのに伴って前記開閉片を押し下げる押し下げ板を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の乾燥炉。
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