JP6814983B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6814983B2
JP6814983B2 JP2018508932A JP2018508932A JP6814983B2 JP 6814983 B2 JP6814983 B2 JP 6814983B2 JP 2018508932 A JP2018508932 A JP 2018508932A JP 2018508932 A JP2018508932 A JP 2018508932A JP 6814983 B2 JP6814983 B2 JP 6814983B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light
image
imaging device
optical path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018508932A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017169656A1 (ja
Inventor
貴真 安藤
貴真 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2017169656A1 publication Critical patent/JPWO2017169656A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6814983B2 publication Critical patent/JP6814983B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N5/00Details of television systems
    • H04N5/222Studio circuitry; Studio devices; Studio equipment
    • H04N5/262Studio circuits, e.g. for mixing, switching-over, change of character of image, other special effects ; Cameras specially adapted for the electronic generation of special effects
    • H04N5/2625Studio circuits, e.g. for mixing, switching-over, change of character of image, other special effects ; Cameras specially adapted for the electronic generation of special effects for obtaining an image which is composed of images from a temporal image sequence, e.g. for a stroboscopic effect
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/50Constructional details
    • H04N23/55Optical parts specially adapted for electronic image sensors; Mounting thereof
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/56Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof provided with illuminating means
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/60Control of cameras or camera modules
    • H04N23/67Focus control based on electronic image sensor signals
    • H04N23/671Focus control based on electronic image sensor signals in combination with active ranging signals, e.g. using light or sound signals emitted toward objects
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/80Camera processing pipelines; Components thereof
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/95Computational photography systems, e.g. light-field imaging systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

本開示は、撮像装置に関する。
ピコセカンドオーダの超高速撮像(超高時間分解撮像ともいう)は、超高速ダイナミクスまたは化学反応の観察に不可欠な技術である。超高速ダイナミクスに関しては、例えば、フェムト秒レーザ加工時などの極短時間で発生する現象の観察により、材料物性の解明、破壊検査、アブレーション観察、または微細加工の精度の向上が図れる。超高速撮像による化学反応観察に関しては、例えば、分子レベルの動きである光化学反応の観測またはタンパク質の挙動の追跡が可能である。超高速撮像による化学反応観察は、医療、創薬、ヘルスケア、またはバイオテクノロジの分野に応用可能である。このような超高速撮像を実現するための技術の例が、例えば非特許文献1および2に開示されている。
Nakagawa, Keiichi et al., "Sequentially timed all−optical mapping photography (STAMP)," Nature Photonics, 8, 9, pp.695−700(2014) Gao, Liang et al., "Single−shot compressed ultrafast photography at one hundred billion frames per second," Nature, 516, 7529, pp.74−77(2014)
従来の超高時間分解撮像では、透過率または反射率の波長依存性に偏りがある対象を撮像する場合には適用できなかったり、高価な装置を用いたりする必要があった。
本開示の一態様は、例えばピコセカンドオーダの超高時間分解撮像を、対象の分光特性に依存せず、かつ、安価に実現し得る新たな撮像技術を提供する。
本開示の一態様に係る撮像装置は、パルス光を発する光源と、前記パルス光の光路上に配置された反射符号化素子と、撮像素子と、を備える。前記反射符号化素子は、前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第1膜と、前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第2膜と、前記第1膜と前記第2膜との間に位置し、かつ前記光路と交差する少なくとも1つの面上に配列された、各々が、入射する光の偏光度、位相、および強度からなる群から選択される少なくとも1つを変調させる、複数の変調領域を含む変調素子と、を含む。前記撮像素子は、対象からの光を受光し、受光した前記対象からの光に基づき、前記対象の画像を示す1つ以上の電気信号を出力する。前記第1膜および前記第2膜からなる群から選択される少なくとも一方は、前記光路に垂直な面に対して傾斜している。前記反射符号化素子は、前記第1膜と前記第2膜との間で前記パルス光を多重反射させながら、前記第2膜から前記パルス光の一部を前記対象に向けて複数回に亘って出射させる。
上記の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、例えば数ピコセカンド以上数百ピコセカンド以下の超高速撮像を安価に実現し得る撮像装置を提供できる。
図1は、本開示の実施形態1の撮像装置を示す模式図である。 図2は、実施形態1における符号化照明を説明するための図である。 図3Aは、実施形態1における符合化照明から出射される光の強度の2次元分布の一例を示す図である。 図3Bは、実施形態1における符合化照明から出射される光の強度の2次元分布の他の例を示す図である。 図4は、実施形態1における時間分解撮像方法の概要を示すフローチャートである。 図5は、本開示の実施形態2の撮像装置を示す模式図である。 図6は、本開示の実施形態3における光学系を示す図である。 図7は、本開示の実施形態4における反射符号化素子を示す図である。 図8は、本開示の実施形態5における撮像素子の配置を示す図である。
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
非特許文献1は、前述のような超高速撮像を可能にする技術の例を開示している。非特許文献1の技術では、広い波長帯域のパルス光が波長ごとに時間的に引き伸ばされて観察対象を照射する。観察対象の像情報を有する光は、波長に応じて空間的に分離して撮像素子で撮像される。これにより、シングルショットでの超高速撮像が実現される。
非特許文献2は、ストリークカメラを用いて、強度変調符合化された対象の2次元像を時間的にシフトさせて重畳取得することを開示している。取得された重畳画像から、符合化情報に基づいて統計演算処理を行うことにより、ピコセカンドオーダの超高時間分解画像が再構成される。非特許文献2の技術は、圧縮センシング技術の応用例であるといえる。
圧縮センシングとは、少ないサンプル数の取得データから、それよりも多くのデータを復元する技術である。測定対象の2次元座標を(x、y)、波長をλとすると、求めたいデータfは、x、y、λの3次元のデータである。これに対し、撮像素子によって得られる画像データgは、λ軸方向に圧縮および多重化された2次元のデータである。相対的にデータ量が少ない取得画像gから、相対的にデータ量が多いデータfを求める問題は、いわゆる不良設定問題であり、このままでは解くことができない。しかし、一般に、自然画像のデータは冗長性を有しており、それを巧みに利用することでこの不良設定問題を良設定問題に変換することができる。画像の冗長性を活用してデータ量を削減する技術の例に、jpeg圧縮がある。jpeg圧縮は、画像情報を周波数成分に変換し、データの本質的でない部分、例えば、視覚の認識性が低い成分を除去するといった方法が用いられる。圧縮センシングでは、このような技法を演算処理に組入れ、求めたいデータ空間を冗長性で表された空間に変換することで未知数を削減し解を得る。この変換には、例えば、離散的コサイン変換(DCT)、ウェーブレット変換、フーリエ変換、トータルバリエーション(TV)等が使用される。
本発明者は、従来の超高時間分解撮像には、単一波長の光を用いる場合、または、分光特性に偏りがある対象を撮像する場合には適用できなかったり、高価な装置を用いたりする必要があるという課題を見出した。本発明者は、光の反射と変調とを利用することにより、上記の課題を解決できることに想到した。
本開示は、以下の項目に記載の撮像装置を含む。
[項目1]
本開示の項目1に係る撮像装置は、
パルス光を発する光源と、
前記パルス光の光路上に配置された反射符号化素子であって、
前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第1膜と、
前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第2膜と、
前記第1膜と前記第2膜との間に位置し、かつ前記光路と交差する少なくとも1つの面上に配列された、各々が、入射する光の偏光度、位相、および強度からなる群から選択される少なくとも1つを変調させる、複数の変調領域を含む変調素子と、
を含む反射符号化素子と、
対象からの光を受光し、受光した前記対象からの光に基づき、前記対象の画像を示す1つ以上の電気信号を出力する撮像素子と、
を備え、
前記第1膜および前記第2膜からなる群から選択される少なくとも一方は、前記光路に垂直な面に対して傾斜し、
前記反射符号化素子は、前記第1膜と前記第2膜との間で前記パルス光を多重反射させながら、前記第2膜から前記パルス光の一部を前記対象に向けて複数回に亘って出射させる。
[項目2]
本開示の項目1に記載の撮像装置は、
前記1つ以上の電気信号と、前記第2膜から出射された前記パルス光の前記一部の強度の空間分布とに基づいて、各々が前記対象の時間ごとの画像を示す複数のデータを生成する信号処理回路をさらに備えてもよい。
[項目3]
本開示の項目2に記載の撮像装置において、
前記信号処理回路は、統計的方法によって前記複数のデータを生成してもよい。
[項目4]
本開示の項目2または3に記載の撮像装置において、
前記複数のデータの数は、前記1つ以上の電気信号の数よりも多くてもよい。
[項目5]
本開示の項目2から4のいずれかに記載の撮像装置において、
前記信号処理回路は、前記1つ以上の電気信号の値を要素とするベクトルgと、前記第2膜から出射された前記パルス光の前記一部の時間ごとの強度の空間分布によって決定される行列Hとを用いて、
(ここで、τΦ(f)は正則化項、τは重み係数を示す)
の式によって計算されるベクトルf’を、前記複数のデータとして生成してもよい。
[項目6]
本開示の項目1から5のいずれかに記載の撮像装置において、
前記第1膜および前記第2膜の、前記パルス光に対する透過率は、5%以下であってもよい。
[項目7]
本開示の項目1から6のいずれかに記載の撮像装置において、
前記変調素子は、前記光路と交差する第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有し、
前記第1膜は、前記第1面に直接接しており、
前記第2膜は、前記第2面に直接接していてもよい。
[項目8]
本開示の項目1から7のいずれかに記載の撮像装置において、
前記反射符号化素子と前記対象との間に、少なくとも1つの集光レンズを含む光学系をさらに備えていてもよい。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部、又はブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウエアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示している。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
本明細書では、画像を示す信号(例えば、各画素の画素値を表す信号の集合)を、「画像信号」、「画像情報」、または「画像データ」と称することがある。画像を示す信号を、単に「画像」と称することもある。
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1の撮像装置100の構成を模式的に示す図である。図1は、撮像装置100だけでなく、測定対象物である対象110、および撮像装置100から出力される画像、および信号処理回路160から出力される複数の画像の例も示している。撮像装置100は、光源120と、ビームエクスパンダ130と、反射符号化素子140と、撮像素子(image sensor)150とを備えている。反射符号化素子140は、光源120と対象110との間に配置されている。ビームエクスパンダ130は、光源120と反射符号化素子140との間に配置されている。撮像素子150は、光源120から出射され、ビームエクスパンダ130、反射符号化素子140、および対象110を透過した光を検出し、対象110の画像を示す電気信号である撮影画像170を出力する。撮影画像170は、信号処理回路160によって処理される。信号処理回路160は、撮影画像170から、時間分解画像F、F、・・・F(まとめて「時間分解画像F」と表現することがある)を生成して出力する。
光源120は、パルス光を発する。光源120は、例えばピコセカンドオーダ以下のパルス幅の高速パルス光を出射するレーザーダイオード等によって実現され得る。ピコセカンドオーダとは、1ピコ秒(ps)以上1マイクロ秒(μs)未満の時間を意味する。光源120は、例えば、数ピコ秒以上数十ピコ秒以下のパルス幅のパルス光を発する。図1は、一例として、光源120が30psのパルス幅のパルス光を出射している状況の例を示している。
光源120が発する光の波長は、特定の波長に限定されず、対象110に応じて適宜決定される。光源120は、可視の波長範囲に限らず、X線、紫外、近赤外、中赤外、遠赤外、または電波(例えばマイクロ波など)の波長範囲の電磁波を出射してもよい。対象110が例えば生体である場合、光源120からの光の波長は、例えば略650nm以上略950nm以下に設定され得る。この波長範囲の光は、赤色から近赤外線の波長範囲に含まれ、体内での吸収率が低いことで知られている。本明細書では、可視光のみならず赤外線および紫外線を含む放射全般を「光」と称する。光源120から出射されたパルス光は、ビームエクスパンダ130を通過して反射符合化素子140に入射する。
ビームエクスパンダ130は、光源120から出射されたパルス光の空間的なサイズを拡大する。ビームエクスパンダ130により、パルス光は、対象110の被検出部を十分覆うだけの照射面積にまで拡大される。ビームエクスパンダ130は、不要であれば省略してもよい。
反射符号化素子140は、光源120からの光の光路上に配置されている。反射符合化素子140は、互いに対向する第1膜142と第2膜144とを有する。第1膜142および第2膜144の各々は、光源120からの光の光路に交差して配置され、光透過性および光反射性を有する。第2膜144は、第1膜142を透過した光の光路上に配置されている。本実施形態における第1膜142および第2膜144は、平行である。第1膜142および第2膜144は、入射するパルス光の進行方向に垂直な方向に対して角度θで傾斜している。第1膜142と第2膜144との距離は、図1に示す例では10mmであるが、これに限定されない。第1膜142と第2膜144との距離は、例えば1mm以上100mm以下であり得る。第1膜142と第2膜144との距離は、角度θに依存して適切な値に設定される。第1膜142と第2膜144とは、厳密に平行である必要はなく、後述する符号化が可能な限りにおいて、互いに傾斜していてもよい。第1膜142および第2膜144の両方が、入射するパルス光の進行方向に垂直な方向に対して角度θで傾斜している必要はない。第1膜142および第2膜144の少なくとも一方が、入射するパルス光の進行方向に垂直な方向に対して角度θで傾斜していればよい。
反射符合化素子140の第1膜142および第2膜144は、例えば、複数の層を含む誘電体膜である。この誘電体膜は、入射光の一部を透過させ、入射光の他の一部を反射する。本実施形態では、第1膜142および第2膜144の各々は、入射光の多く(例えば80%以上99.9%以下)を反射し、入射光の残りの部分を透過させる。第1膜142および第2膜144における反射率および透過率は、上記の例に限らず、用途に応じて適宜設定される。第1膜142および第2膜144は、光反射性を有しているため、「反射素子」と呼ぶことができる。
反射符合化素子140には、空間的にまばらに複数の吸収体146が配置されている。これらの吸収体146は、第1膜142と第2膜144との間の空間、または、第1膜142上もしくは第2膜144上に配置され得る。複数の吸収体146は、2次元的または3次元的に配置され得る。吸収体146は、光の少なくとも一部を吸収する。図1において、吸収体146は、黒い矩形で表現されている。図1は、簡略化のため、少数の吸収体146のみを示しているが、実際には多数の吸収体146が反射符号化素子140内に配置され得る。
吸収体146が配置された領域は、光の強度を変調させる変調領域として機能する。そこで、本実施形態では、複数の吸収体146が配置された複数の変調領域を含む部分を、「変調素子」と称する。すなわち、本実施形態における反射符号化素子140は、第1膜142と第2膜144との間に配置された変調素子を有している。変調素子は、光路に交差する少なくとも1つの面上に配列された、光の強度を変調する複数の変調領域を有する。
反射符合化素子140に入射した光線は、第1膜142と第2膜144との間で多重反射する。多重反射しながら、当該光線の一部は、複数回に亘って第2膜144を透過して対象110に向かう。言い換えれば、反射符号化素子140に入射した光の一部が、時間軸において離散的に、対象110の側に出射する。この過程は、図2に示すように、複数の変調領域である複数の遮光領域を有する符号化照明Pが、遮光領域の配置を変化させながら一定の時間間隔で明滅していると考えることができる。図2は、符号化照明Pの異なる2つの状態である符号化照明Pおよび符号化照明Pを例示している。
本実施形態における反射符号化素子140の第1膜142および第2膜144は、光の進行方向に垂直な平面に対して角度θだけ傾いている。このため、符合化照明Pの状態である符号化パターンは、反射符合化素子140の第1膜142と第2膜144との間を光が往復するごとに変化する。符号化照明Pの符号化パターンを変化させるためには、反射符号化素子140の第2膜144で反射された光が第1膜142で反射されて第2膜144に再び到達するまでの間に光線の位置が変化すれば良い。この光線の位置の変化を生じさせるためには、反射符号化素子140の傾き角度θを大きい値に設定する必要はなく、例えば、0度より大きく10度以下にすれば十分である。
時間軸において離散的に形成される符合化照明P、P、・・・、Pからの光の出射時間差は、反射符合化素子140の屈折率と内部を進行する光の光路長差とによって決まる。例えば、第1膜142と第2膜144との距離が10mm、屈折率が1.5であるとすると、ある時点で第2膜144から出射される光と、多重反射して次に第2膜144から出射される光との間の光路長差は30mmである。光の速度を3.0×10m/sとすると、符合化照明Pが点灯してから次に点灯するまでの時間差は約100psである。この時間差は、第1膜142と第2膜144との距離を縮小することによって短縮できる。例えば、第1膜142と第2膜144との距離を1mmにすれば、時間差は約10psになり、極めて短くなる。
一定の時間間隔で反射符号化素子140から出射される光のパルスは、対象110を、時間によって異なる符号化パターンによって強度変調する。このように強度変調された対象110の像が、撮像素子150によって取得される。撮像素子150は、反射符号化素子140で多重反射が生じている間(即ち、符号化照明Pが符号化パターンを変化させている間)、露光を継続する。露光中、対象110が高速に動的に変化すると、時間の経過とともに変化する対象110の画像と、符合化照明Pの符合化パターンである光強度の空間分布とが重畳された画像が撮像素子150の撮像面に形成される。撮像素子150は、その画像を示す電気信号である撮影画像170を生成して出力する。図1には、撮像素子150から出力される撮影画像170の例が模式的に示されている。なお、撮像素子150と対象110との間に、少なくとも1つのレンズを含む光学系を設置し、対象110にフォーカスを合わせて撮影してもよい。
撮影画像170は、信号処理回路160に直接的にまたは不図示の記録媒体(例えばメモリ)を介して送られる。信号処理回路160は、撮影画像170を取得すると、既知である符号化照明Pの情報に基づいて、統計演算処理を行う。符号化照明Pの情報は、本実施形態では、反射符号化素子140から出射され、対象110を照射する光の強度の空間分布を示す情報である。これにより、信号処理回路160は、撮影画像170を、複数の時間分解画像F、F、・・・、Fに再構成する。時間分解画像Fk(kは、1以上w以下の整数、wは時間分解数)は、露光を開始してから、反射符号化素子140の第2膜144をk番目に通過する光による画像を表す。時間分解画像Fの相互の時間差は、符号化照明Pの時間差に対応している。例えば、図1に示すように、符号化照明Pが100ps間隔のパルス光である場合には、時間分解画像Fも100ps間隔で得られる。
反射符号化素子140は、光の経路に直交する平面に投影して格子状に区分けしたとき、2次元的に配列された、光透過率が異なる複数の領域を含む。ここでは、反射符号化素子140は、光が入射する方向から見て、縦にM個、横にN個のM×N個の矩形領域を含むものとする。反射符号化素子140における各領域の光透過率の空間分布は、例えばランダム分布または準ランダム分布であり得る。
ランダム分布および準ランダム分布は次の式(1)で定義される自己相関関数を用いて定義することができる。
式(1)において、x(m,n)は、反射符号化素子140において、縦方向にm番目、横方向にn番目に配置された矩形領域の光透過率を表す。iは、矩形領域の位置を示す変数であり、i=−(M−1),・・・,−1,0,1,・・・,(M−1)、j=−(N−1),・・・,−1,0,1,・・・,(N−1)である。ただし、m<1,n<1,m>M,n>Nのときx(m,n)=0とする。このとき、ランダム分布とは、式(1)で定義される自己相関関数y(i,j)がy(0,0)において極大値を有し、その他(i≠0、j≠0)において極大値を有さないことを言う。より具体的には、自己相関関数y(i,j)は、i=0からM−1および−(M−1)に向かうにつれて単調に減少し、かつ、j=0からN−1および−(N−1)に向かうにつれて単調に減少することを言う。また、準ランダム分布とは、自己相関関数y(i,j)がy(0,0)のほかにi方向にM/10箇所以下の極大値を有し、j方向にN/10箇所以下の極大値を有することを言う。
反射符号化素子140の各領域の光透過率は、各領域(セル)の透過率が略0または略1のいずれかの値を取り得るバイナリ−スケールの透過率分布でもよいし、透過率が0以上1以下の任意の値をとり得るグレースケールの透過率分布でも良い。全セルのうちの一部(例えば半分)のセルを、透明領域に置き換えてもよい。そのような構成では、複数の透明領域は、例えば市松状(チェッカー状)に配置され得る。すなわち、反射符号化素子140における複数の領域の2つの配列方向(例えば、縦方向および横方向)において、光透過率が異なる領域と、透明領域とが交互に配列され得る。
反射符号化素子140は、複数の層を含む誘電体膜、有機材料、回折格子構造、各種遮光材料などを用いて構成され得る。
図3Aは、本実施形態における符号化照明Pの強度分布の例を示す図である。図3Aにおいて、光強度を0から1で正規化した場合、白い部分の光強度はほぼ1であり、黒い部分の光強度はほぼ0である。符号化照明Pにおける光強度の2次元分布は、例えばランダム分布または準ランダム分布であり得る。ランダム分布および準ランダム分布の考え方は、前述したとおりである。各符号化照明P、P、・・・、Pは、2次元的に異なるランダム分布を有している。
符号化照明Pによる対象110の符号化過程は、各時間(t=t、t、・・・、t)の光による画像を区別するためのマーキングを行う過程といえる。そのようなマーキングが可能である限り、光強度の分布は任意に設定してよい。図3Aに示す例では、黒い部分の数と白い部分の数との比率は1:1であるが、このような比率に限定されない。例えば、白い部分の数:黒い部分の数=1:9のような一方に偏りのある分布であってもよい。
図3Bは、符号化照明Pの他の構成例を示す図である。この場合、符号化照明Pにおける各領域は、3段階以上の光強度の値を有する。
図3Aおよび図3Bに示すように、符号化照明Pは、時間t、t、・・・、tごとに異なる空間強度分布をもつ。ただし、各時間の空間強度分布は、空間方向に平行移動させた際に一致しても良い。
このような符号化照明Pの空間強度分布に関する情報は、設計データまたは実測によって事前に取得され、後述する演算処理に利用される。
なお、反射符号化素子140では、反射の回数が増加するほど、吸収体146による光の減衰が大きくなる。このため、実際には、図3Aおよび図3Bに示す複数の符号化照明のうち、符号化照明Pが最も明るく、符号化照明Pは最も暗くなる。
次に、撮像素子150および信号処理回路160の構成を説明する。
撮像素子150は、撮像面に2次元に配列された複数の光検出セル(本明細書において、「画素」とも呼ぶ。)を有するモノクロタイプの撮像素子である。撮像素子150は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、赤外線アレイセンサ、テラヘルツアレイセンサ、またはミリ波アレイセンサであり得る。光検出セルは、例えばフォトダイオードを含む。撮像素子150は、必ずしもモノクロタイプの撮像素子である必要はない。例えば、R/G/B、R/G/B/IR、またはR/G/B/Wのフィルタを有するカラータイプの撮像素子を用いてもよい。撮像素子150は、可視の波長範囲に限らず、X線、紫外、近赤外、中赤外、遠赤外、マイクロ波・電波の波長範囲に検出感度を有していてもよい。
信号処理回路160は、撮像素子150から出力された画像信号を処理する回路である。信号処理回路160は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)および画像処理用演算プロセッサ(GPU)とコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現され得る。そのようなコンピュータプログラムは、例えばメモリなどの記録媒体に格納され、CPUなどのプロセッサがそのプログラムを実行することにより、後述する演算処理を実行できる。信号処理回路160は、撮像装置100の外部の要素であってもよい。撮像装置100に電気的に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)、またはインターネット上のクラウドサーバなどの信号処理装置が、信号処理回路160を有していてもよい。そのような信号処理装置と撮像装置とを含むシステムは、「時間分解システム」と称することができる。
以下、本実施形態における撮像装置100の動作を説明する。
図4は、本実施形態における時間分解撮像方法の概要を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、反射符号化素子140を用いて入射光の光学特性(例えば光の電界の振幅)を時間ごとに空間的に変調させる。これは、反射符号化素子140における第1膜および第2膜と、その間の変調素子によって実現される。なお、変調させる光学特性は、振幅に限らず、後述する実施形態のように、位相特性または偏光特性でもよい。次に、ステップS102において、反射符号化素子140を透過した光である符号化照明Pによって符号化された対象の像が時間軸において重畳した画像を撮像素子150によって取得する。これは、前述のように、反射符号化素子140において多重反射が生じている間、撮像素子150が露光を継続することによって実現される。続くステップS103において、撮像素子150によって取得された撮影画像170と、符号化照明Pの光強度の空間分布とに基づいて、時間ごとの複数の画像を生成する。
図1には、撮影画像170の例が模式的に示されている。図1に示す撮影画像170に含まれている複数の黒い点は、符号化によって生じた低輝度の部分を模式的に表している。図1に示す黒い点の数および配置は、現実の数および配置を反映していない。実際には、図1に示す数よりも多くの低輝度の部分が生じ得る。撮像素子150における複数の光検出セルによって多重像の情報が複数の電気信号に変換され、撮影画像170が生成される。
次に、撮影画像170、および符号化照明Pの時間ごとの強度の空間分布特性に基づいて、時間ごとの時間分解画像Fを再構成する方法を説明する。
求めたいデータは時間分解画像Fであり、そのデータをfと表す。時間分解数をwとすると、fは各時間の画像データf、f、・・・、fを統合したデータである。求めるべき画像データのx方向の画素数をn、y方向の画素数をmとすると、画像データf、f、・・・、fの各々は、n×m画素の2次元データの集まりである。したがって、データfは要素数n×m×wの3次元データである。一方、符号化照明Pによって符号化および多重化されて取得される撮影画像170のデータgの要素数はn×mである。すなわち、対象110の時間ごとの複数の画像データfのデータ数は、撮像素子150から出力される電気信号である撮影画像170のデータ数よりも多い。本実施形態におけるデータgは、以下の式(2)で表すことができる。
ここで、f、f、・・・、fは、n×m個の要素を有するデータであるため、右辺のベクトルは、厳密にはn×m×w行1列の1次元ベクトルである。ベクトルgは、n×m行1列の1次元ベクトルに変換して表され、計算される。行列Hは、ベクトルfの各成分f、f、・・・、fを時間ごとに異なる符号化情報で符号化し、それらを加算する変換を表す。したがって、Hは、n×m行n×m×w列の行列である。
さて、ベクトルgと行列Hとが与えられれば、式(2)の逆問題を解くことでfを算出することができそうである。しかし、求めるデータfの要素数n×m×wが取得データgの要素数n×mよりも多いため、この問題は不良設定問題となり、このままでは解くことができない。そこで、本実施形態の信号処理回路160は、データfに含まれる画像の冗長性を利用し、圧縮センシングの手法を用いて解を求める。具体的には、以下の式(3)を解くことにより、求めるデータfを推定する。
ここで、f’は、推定されたfのデータを表す。上式の括弧内の第1項は、推定結果Hfと取得データgとのずれ量、いわゆる残差項を表す。ここでは2乗和を残差項としているが、絶対値または二乗和平方根等を残差項としてもよい。括弧内の第2項は、後述する正則化項(または安定化項)である。式(3)は、第1項と第2項との和を最小化するfを求めることを意味する。信号処理回路160は、再帰的な反復演算によって解を収束させ、最終的な解f’を算出することができる。
式(3)の括弧内の第1項は、取得データgと、推定過程のfを行列Hによってシステム変換したHfとの差分の二乗和を求める演算を意味する。第2項のΦ(f)は、fの正則化における制約条件であり、推定データのスパース情報を反映した関数である。働きとしては、推定データを滑らかまたは安定にする効果がある。正則化項は、例えば、fの離散的コサイン変換(DCT)、ウェーブレット変換、フーリエ変換、またはトータルバリエーション(TV)等によって表され得る。例えば、トータルバリエーションを使用した場合、観測データgのノイズの影響を抑えた安定した推測データを取得できる。それぞれの正則化項の空間における対象110のスパース性は、対象110のテキスチャによって異なる。対象110のテキスチャが正則化項の空間においてよりスパースになる正則化項を選んでもよい。あるいは、複数の正則化項を演算に含んでもよい。τは、重み係数であり、この値が大きいほど冗長的なデータの削減量が多くなり、小さいほど解への収束性が弱くなる。重み係数τは、fがある程度収束し、かつ、過圧縮にならない適度な値に設定される。
なお、ここでは式(3)に示す圧縮センシングを用いた演算例を示したが、その他の方法を用いて解いてもよい。例えば、最尤推定法またはベイズ推定法などの他の統計的方法を用いることができる。また、時間分解画像Fの数は任意であり、各時間間隔も任意に設定してよい。
本実施形態によれば、比較的安価な構成で、ピコセカンドオーダ以下の超高速撮像が可能である。本実施形態によれば、狭帯域(例えば単一波長)の光を用いる場合、または、対象110の透過率または反射率の波長依存性に偏りがある場合であっても、高い時間分解能の撮像が可能である。
(実施形態2)
実施形態2の撮像装置は、反射符号化素子140における変調素子が、光の強度ではなく偏光度を空間的に変調させる点で、実施形態1の撮像装置とは異なっている。以下、実施形態1と異なる点を説明し、同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図5は、本実施形態における撮像装置200の構成を模式的に示す図である。本実施形態における反射符号化素子140は、第1膜である第1の反射素子230と、第2膜である第2の反射素子240と、それらの間の変調素子210とを有する。第1の反射素子230および第2の反射素子240の少なくとも1つは、光源120からの光の入射方向に垂直な面に対し、角度θだけ傾斜して設置されている。第1の反射素子230および第2の反射素子240は、所定の光透過率を有しており、一部の光を透過させ、他の一部の光を反射する。第1の反射素子230および第2の反射素子240は、例えば、複数の層を含む誘電体膜で形成することができる。変調素子210は、透過する光の偏光度を2次元的にランダムに変調する。第1の反射素子230が光軸に対して角度θだけ傾いているため、多重反射を繰り返すごとに第2の反射素子240において光線が透過する位置が変化する。このため、2次元的な偏光分布が変化する。したがって、反射符号化素子140は、一定の時間間隔で、対象110に、空間的に偏光方向が異なる光束を出射する。
本実施形態における撮像装置200は、光源120と第1の反射素子230との間に配置された直線偏光子であるポラライザ180と、第2の反射素子240と対象110との間に配置された直線偏光子であるアナライザ190とを備えている。図5に示されている例では、ポラライザ180の偏光透過軸の方向とアナライザ190の偏光透過軸の方向とは一致している。反射符号化素子140の前後にポラライザ180とアナライザ190とをそれぞれ設けることにより、反射符号化素子140から出力された光の偏光状態の空間分布を光強度の空間分布に変換することができる。
本実施形態では、ポラライザ180、反射符号化素子140、およびアナライザ190の組み合わせが、図2に示す符号化照明Pとして機能する。本実施形態でも、符号化照明Pは、2次元的な強度分布を示す符号化パターンを有する。
本実施形態における変調素子210は、光源120からの光の光路に直交する1つの面上に2次元的に配列された、光の偏光度を変調させる複数の変調領域を有する。各変調領域には、例えば液晶、水晶、セロハン等の複屈折材料が、領域ごとに偏光方向がランダムになるように配置される。あるいは、偏光度を変調させる空間光変調器(SLM)を用いても良い。SLMは動的に空間的な偏光分布を変更できるが、本実施形態における変調素子210は、空間的にランダムな偏光分布を実現できれば良く、動的に変化させる必要はない。
吸収体を用いて強度変調する実施形態1の構成では、多重反射の際に、反射の回数に応じて遮蔽率が増加する。これに対し、本実施形態の構成では、反射の回数が増加しても遮蔽率が変化しない。したがって、本実施形態によれば、実施形態1よりも多くの符号化照明Pの状態を実現でき、高時間分解撮像の時間分解数を増やすことができる。本実施形態では、例えば、図5に示されているように、第1の反射素子230と第2の反射素子240との間の距離を1.5mmとすれば、約10psごとの画像を取得することができる。
本実施形態における第1の反射素子230および第2の反射素子240の光透過率は、比較的小さい値に設定され得る。第1の反射素子230および第2の反射素子240の光透過率は、例えば、5%以下であってもよく、1%以下であってもよく、0.1%以下であってもよい。一例として、光透過率が1%、光反射率が99%の場合、符号化照明Pから符号化照明P10の光強度は表1に示すとおりである。
この場合、符号化照明Pと符号化照明P10との光強度差を、2割弱に抑えることができ、符号化照明P間の光強度差を低減することができる。第1の反射素子230および第2の反射素子240の光透過率を低くすると、全体的に絶対的な光量が低下する。しかし、光源120の強度を高くすることにより、対象110を強度変調する上で十分な光強度を確保することが可能である。第1の反射素子230および第2の反射素子240の反射率を高くすると、不要な反射光である迷光が多く発生する。そこで、迷光対策を施しても良い。例えば、第1の反射素子230によって光源120側に反射される光の進行方向に光吸収部材を設置しても良い。
第1の反射素子230および第2の反射素子240は、後述の実施形態4(図7)のように、変調素子210に密着していてもよい。これらを密着させることにより、第1膜と第2膜との間の光路長差を小さくすることができる。その結果、符号化照明Pのパルス間隔を縮小できるため、より短い時間での高速撮影を行うことができる。
光源120として、直線偏光を出射するレーザ光源を用いる場合、ポラライザ180を省略しても良い。しかし、この場合でもアナライザ190は配置される。
(実施形態3)
実施形態3は、符号化照明Pの変調パターンを、光学系を用いて縮小する点で、実施形態1、2と異なっている。以下、実施形態1、2と異なる事項を説明し、同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図6は、実施形態3の光学系220を模式的に示す図である。本実施形態の撮像装置は、反射符号化素子140と対象110との間に、少なくとも1つの集光レンズを含む光学系220を備えている。光学系220は、集光光学系であり、比較的高い倍率で、入射光を集束させる。本実施形態における符号化照明Pは、実施形態1、2のいずれの構成を備えていてもよい。
光学系220は、反射符号化素子140から出射した光を集束させることにより、符号化照明Pの空間的なサイズを縮小する。その結果、図6に例示するように、縮小された符号化照明P’で対象110を照射する場合と同等の効果が得られる。光学系220を配置することにより、符号化照明Pの変調パターンの空間解像度を高めることができる。その結果、例えば細胞または分子などの微細な対象110を観察することができる。
光学系220を配置することにより、反射符号化素子140を作成する際の微細加工の負荷を低減することができる。例えば、反射符号化素子140の符号化分布の解像度である隣接する変調領域の中心間の距離が1μm以上10μm以下であっても、光学系220の倍率を、例えば、2倍以上20倍以下にすることにより、サブミクロン(1μm未満)の解像度の符号化照明Pを実現することができる。さらに、紫外線またはX線のような短波長の電磁波を用いれば、空間分解能をさらに向上させることができる。
(実施形態4)
実施形態4は、変調素子210が位相変調素子である点で、実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点を説明し、同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図7は、本実施形態における変調素子210、ポラライザ180、およびアナライザ190の構成を模式的に示す図である。図7では、光源120および撮像素子150などの構成要素の図示は省略されている。本実施形態における変調素子210は、光源120からの光の光路に交差する1つの面上に配列された、光の位相を変調させる複数の変調領域を有している。複数の変調領域は、第2の反射素子240から出射される光の位相が2次元的にランダムに異なるように透過光を変調させる。図7において、変調素子210の黒と白の箇所は、屈折率または位相のシフト量が異なることを示す。例えば、黒の領域を1回透過した光と白の領域を1回透過した光との間で位相が180度異なる。このように構成することで、出射光の位相の空間的な分布が時間軸において異なる符号化照明Pを生成できる。出射光の位相は対象110の位相によりさらに変調される。本実施形態によれば、超高速撮影が可能な位相差顕微鏡を実現できる。本実施形態における撮像素子150は、画素ごとに、位相差の情報をポラライザ180、およびアナライザ190の構成により強度情報に変換して画像情報として出力する。
変調素子210における位相分布は、バイナリ(2種類)の位相分布に限定されない。段階的なグレースケールの位相分布であっても良い。変調素子210は、屈折率の異なる複数の材料、液晶、複屈折材料または空間光変調器(SLM)を用いて容易に構成できる。
図7に示すように、本実施形態における第1の反射素子230および第2の反射素子240は変調素子210に密着している。言い換えれば、第1の反射素子230および第2の反射素子240、および変調素子210は、単一の光学部品として作製され、配置されている。このような構成により、第1の反射素子230および第2の反射素子240間の距離を短くできるため、時間分解能を高めることができる。第1の反射素子230および第2の反射素子240は、変調素子210から離れていても良い。
(実施形態5)
実施形態5は、撮像素子150が対象110の反射像を撮影する点で、実施形態1から4と異なっている。以下、実施形態1から4と異なる点を説明し、同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図8は、本実施形態における撮像素子150の配置を示す図である。符号化照明Pによって光学変調(例えば、強度変調、偏光変調、または位相変調など)された対象110の反射像が撮像素子150によって観察される。本実施形態において、反射符号化素子140の構成は、実施形態1から4のいずれの構成でもよい。
本実施形態では、符号化照明Pから出射される光の強度の3次元的な空間分布が予め取得され得る。これにより、撮像素子150によって取得された画像に基づいて、対象110の3次元像を生成できる。あるいは、符号化照明Pと撮像素子150との間の視差に基づく幾何学的計算により、対象110の3次元像を再構成できる。
本開示における撮像装置は、例えばピコセカンドオーダ以下の超高速撮像用のカメラまたは測定機器に有用である。本開示における撮像装置は、例えば、超高速ダイナミクス、化学反応または分子の挙動の観察等に応用できる。
100,200 撮像装置
110 対象
120 光源
130 ビームエクスパンダ
140 反射符合化素子
150 撮像素子
160 信号処理回路
170 撮影画像
180 ポラライザ
190 アナライザ
210 変調素子
220 光学系
230 第1の反射素子
240 第2の反射素子
F,F,F,F 時間分解画像
P,P’,P,P,P 符合化照明

Claims (8)

  1. パルス光を発する光源と、
    前記パルス光の光路上に配置された反射符号化素子であって、
    前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第1膜と、
    前記光路と交差し、光透過性および光反射性を有する第2膜と、
    前記第1膜と前記第2膜との間に位置し、かつ前記光路と交差する少なくとも1つの面上に配列された、各々が、入射する光の偏光度、位相、および強度からなる群から選択される少なくとも1つを変調させる、複数の変調領域を含む変調素子と、
    を含む反射符号化素子と、
    対象からの光を受光し、受光した前記対象からの光に基づき、前記対象の画像を示す1つ以上の電気信号を出力する撮像素子と、
    を備え、
    前記第1膜および前記第2膜からなる群から選択される少なくとも一方は、前記光路に垂直な面に対して傾斜し、
    前記反射符号化素子は、前記第1膜と前記第2膜との間で前記パルス光を多重反射させながら、前記第2膜から前記パルス光の一部を前記対象に向けて複数回に亘って出射させる、
    撮像装置。
  2. 前記1つ以上の電気信号と、前記第2膜から出射された前記パルス光の前記一部の強度の空間分布とに基づいて、各々が前記対象の時間ごとの画像を示す複数のデータを生成する信号処理回路をさらに備える、
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記信号処理回路は、統計的方法によって前記複数のデータを生成する、
    請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記複数のデータの数は、前記1つ以上の電気信号の数よりも多い、
    請求項2または3に記載の撮像装置。
  5. 前記信号処理回路は、前記1つ以上の電気信号の値を要素とするベクトルgと、前記第2膜から出射された前記パルス光の前記一部の時間ごとの強度の空間分布によって決定される行列Hとを用いて、
    (ここで、τΦ(f)は正則化項、τは重み係数を示す)
    の式によって計算されるベクトルf’を、前記複数のデータとして生成する、
    請求項2から4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記第1膜および前記第2膜の、前記パルス光に対する透過率は、5%以下である、
    請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 前記変調素子は、前記光路と交差する第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有し、
    前記第1膜は、前記第1面に直接接しており、
    前記第2膜は、前記第2面に直接接している、
    請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 前記反射符号化素子と前記対象との間に、少なくとも1つの集光レンズを含む光学系をさらに備える、
    請求項1から7のいずれかに記載の撮像装置。
JP2018508932A 2016-03-31 2017-03-10 撮像装置 Active JP6814983B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016071757 2016-03-31
JP2016071757 2016-03-31
PCT/JP2017/009703 WO2017169656A1 (ja) 2016-03-31 2017-03-10 撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017169656A1 JPWO2017169656A1 (ja) 2019-02-14
JP6814983B2 true JP6814983B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=59964187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018508932A Active JP6814983B2 (ja) 2016-03-31 2017-03-10 撮像装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10531015B2 (ja)
JP (1) JP6814983B2 (ja)
CN (1) CN108605086B (ja)
WO (1) WO2017169656A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107121709B (zh) * 2017-06-01 2023-07-25 华南师范大学 一种基于压缩感知的对象成像系统及其成像方法
JP7023817B2 (ja) * 2018-09-19 2022-02-22 本田技研工業株式会社 表示システム、表示方法、およびプログラム
CN109218583B (zh) * 2018-10-09 2023-09-01 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 基于透射式压缩成像系统的超快二维阵列成像系统
US11284786B2 (en) * 2019-03-07 2022-03-29 ZSquare Ltd. Spatial encoding system decoding system imaging system and methods thereof
US11240433B2 (en) * 2019-06-20 2022-02-01 Lawrence Livermore National Security, Llc System and method for x-ray compatible 2D streak camera for a snapshot multiframe imager
CN110780333A (zh) * 2019-09-30 2020-02-11 南京航空航天大学 一种基于双编码板的伽马相机及其用于放射性物质定位的方法
CN111273050B (zh) * 2020-02-12 2022-05-20 清华大学 信号采集处理方法及装置
JP7449214B2 (ja) 2020-10-02 2024-03-13 浜松ホトニクス株式会社 分散測定装置および分散測定方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0776711B2 (ja) * 1987-08-31 1995-08-16 新技術事業団 高時間分解全反射分光法及び測定装置
CA2345262A1 (en) * 1998-09-24 2000-03-30 The Secretary Of State For Defence Improvements relating to pattern recognition
US7567596B2 (en) * 2001-01-30 2009-07-28 Board Of Trustees Of Michigan State University Control system and apparatus for use with ultra-fast laser
US7450618B2 (en) * 2001-01-30 2008-11-11 Board Of Trustees Operating Michigan State University Laser system using ultrashort laser pulses
JP4452825B2 (ja) * 2004-08-05 2010-04-21 国立大学法人電気通信大学 静止画像形成方法及びその記録装置
JPWO2006093305A1 (ja) * 2005-03-01 2008-08-07 パイオニア株式会社 光ピックアップ装置
JP5034953B2 (ja) * 2006-01-20 2012-09-26 住友電気工業株式会社 撮像システム
US7756407B2 (en) * 2006-05-08 2010-07-13 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. Method and apparatus for deblurring images
JP4344761B2 (ja) * 2007-06-15 2009-10-14 シャープ株式会社 固体撮像装置およびそれを備えた電子機器
JP2009055479A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Panasonic Corp イメージセンサ及び電磁波イメージング装置
DE102008012635A1 (de) 2008-03-05 2009-09-10 Carl Zeiss Microlmaging Gmbh Verfahren und Anordnung zur zeitaufgelösten Spektroskopie
JP5610254B2 (ja) * 2008-06-18 2014-10-22 株式会社リコー 撮像装置及び路面状態判別方法
CN104054266B (zh) 2011-10-25 2016-11-23 中国科学院空间科学与应用研究中心 一种时间分辨单光子或极弱光多维成像光谱系统及方法
JP6120280B2 (ja) * 2013-08-20 2017-04-26 国立大学法人 東京大学 高速撮影システム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN108605086B (zh) 2020-10-27
WO2017169656A1 (ja) 2017-10-05
JPWO2017169656A1 (ja) 2019-02-14
US20180367742A1 (en) 2018-12-20
CN108605086A (zh) 2018-09-28
US10531015B2 (en) 2020-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6814983B2 (ja) 撮像装置
Sun et al. Single-pixel imaging and its application in three-dimensional reconstruction: a brief review
Mait et al. Computational imaging
US9927300B2 (en) Snapshot spectral imaging based on digital cameras
Anand et al. Single-shot mid-infrared incoherent holography using Lucy-Richardson-Rosen algorithm
US8525091B2 (en) Wavefront imaging devices comprising a film with one or more structured two dimensional apertures and their applications in microscopy and photography
Antipa et al. Single-shot diffuser-encoded light field imaging
KR102083875B1 (ko) 홀로그래픽 영상에 대한 품질 측정 장치 및 방법
Brady et al. Compressive tomography
KR102343626B1 (ko) 광을 검출하기 위한 장치, 시스템 및 방법
US20200120299A1 (en) Method and system for time-of-flight imaging with high lateral resolution
CN113048907B (zh) 一种基于宏像素分割的单像素多光谱成像方法及装置
Osorio Quero et al. Single-pixel imaging: An overview of different methods to be used for 3D space reconstruction in harsh environments
US11412118B2 (en) Electromagnetic wave phase/amplitude generation device, electromagnetic wave phase/amplitude generation method, and electromagnetic wave phase/amplitude generation program
JP2020529602A (ja) 符号化開口スペクトル画像解析装置
Abregana et al. Phase retrieval by amplitude modulation using digital micromirror device
JP2022524923A (ja) 散乱媒質を介したイメージングシステム及び方法
CN114710615B (zh) 高效单像素成像方法及系统
US10082659B2 (en) Microscope
Li et al. High spatial resolution time-of-flight imaging
US11559208B2 (en) Imaging with scattering layer
US20210364429A1 (en) Dual Wavelength Imaging and Out of Sample Optical Imaging
WO2023176638A1 (ja) 光学装置
Antipa Lensless Computational Imaging Using Random Optics
Li Coded Memory Effect Imaging

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201204

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6814983

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151