JP6814573B2 - 不飽和カルボン酸塩の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィン類と二酸化炭素とを原料とする不飽和カルボン酸塩の製造方法に関する。
二酸化炭素は、生命活動や産業活動により発生し、その多くは大気中に放出され、代表的な地球温暖化の原因物質となることが知られている。特に産業活動によって発生する二酸化炭素は、深刻な廃棄物であると同時に、安価なC1原料でもあることから、二酸化炭素の有効活用技術に大きな期待が寄せられている。
昨今の研究者による熱心な研究の甲斐あって、現在では二酸化炭素を活用した多くの化学変換反応が知られるようになってきた。(例えば、非特許文献1参照。)中でも、エチレンと二酸化炭素を原料としてアクリル酸塩を合成する反応は、二酸化炭素を原料として有用化学品を生み出す夢の反応として、注目されている。
近年の研究により、ニッケルやパラジウムを触媒とする系において、エチレンと二酸化炭素を原料としてアクリル酸塩が得られることが報告された。(例えば、特許文献1、非特許文献2,3参照。)これらの先行技術では酸化的環化、β−水素脱離、配位子交換を経て反応が進行する。この時、酸化的環化において、エチレンと二酸化炭素の共存下でニッケルもしくはパラジウムの遷移金属錯体から極めて安定なメタララクトン中間体が形成されるため、β−水素脱離を進行させるためには高価な塩基やルイス酸を過剰量作用させる必要があった。また、特許文献1では配位子交換において強力にπ配位しているアクリル酸塩を交換するために反応器内を高圧のエチレン雰囲気に置換しなければならなかった。さらに、触媒として使用される金属が、毒性の高いニッケルや高価なパラジウムであり、実用化は容易な状況ではなかった。
米国特許第8697909号明細書
T.Sakakuraら、Chem.Rev.、2007年、第107号、第2365頁−第2387頁 N.Huguetら、Chem.Eur.J.、2014年、第20号、第16858頁−第16862頁 S.C.E.Stieberら、Chem.Commun.、2015年、第51号、第10907頁−第10909頁
上述のように、エチレンと二酸化炭素を原料としてアクリル酸塩を合成する反応において、先行技術では、高価な塩基やルイス酸を過剰量必要としたり、反応中に容器内のガスを排出、置換したり、毒性の高いニッケルや高価なパラジウムを使用したり、という課題が存在するため、経済面、安全面、環境面から工業的なプロセスとして実現性に乏しく、有用なプロセスや触媒の開発が望まれていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高価な塩基やルイス酸を過剰量使用する必要がなく、反応中に容器内のガスを排出、置換する必要なく、毒性の高いニッケルや高価なパラジウムを使用する必要がなく、オレフィン類と二酸化炭素を原料として不飽和カルボン酸塩を提供することを目的とする。
本発明者らは、先行技術において課題となっていた10族元素の平面四配位型メタララクトン種からのβ−水素脱離が円滑に進行しない理由を下記式(1):
Figure 0006814573
におけるβ−水素と中心金属との相互作用が困難な配位環境のためと推測し、β−水素と中心金属との相互作用が容易な下記式(2):
Figure 0006814573
で表される5配位以上のメタララクトン種を形成しうる6族〜9族の元素に着目し、反応検討を行った。6族〜9族の元素を中心に有するメタララクトン種のβ−水素脱離では、過剰量の塩基を共存させる必要はなく、熱もしくは光といったエネルギーを与えることでβ−水素脱離が進行することを初めて明らかにした。この知見を活用して鋭意検討を重ねることで、原料ガスの置換操作も必要とせず触媒的な反応が可能になることを見出した。その結果、上記課題をみごとに解決することに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、6族から9族より選ばれる金属元素を少なくとも一つ含む遷移金属錯体の存在下にオレフィン類と二酸化炭素を反応させてメタララクトン種を得る工程、β−水素脱離により該メタララクトン種をO−カルボキシレート錯体へと変換する工程、該O−カルボキシレート錯体から遷移金属錯体を再生すると共に不飽和カルボン酸を得る工程、とを含む不飽和カルボン酸塩の製造方法である。なお、本発明において、メタララクトン種とは、環内の炭素原子を金属で置き換えた構造の化合物を示す。
本発明の製造方法によれば、高価な塩基やルイス酸を過剰量使用する必要がなく、反応中に容器内のガスの排出や置換を必要とせず、毒性の高いニッケルや高価なパラジウムを使用する必要がなく、オレフィン類と二酸化炭素を原料として不飽和カルボン酸塩を製造することが可能になる。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
<本発明の詳細>
本発明は、遷移金属錯体の存在下にオレフィン類と二酸化炭素を反応させて不飽和カルボン酸塩を製造する不飽和カルボン酸塩の製造方法であり、下記の工程を含む。
遷移金属錯体の存在下にオレフィン類と二酸化炭素を反応させてメタララクトン種を得る工程(工程(I))、
β−水素脱離により該メタララクトン種をO−カルボキシレート錯体へと変換する工程(工程(II))、
該O−カルボキシレート錯体から遷移金属錯体を再生すると共に不飽和カルボン酸塩を得る工程(工程(III))。
上記オレフィン類、不飽和カルボン酸塩としては特に制限はないが、例えばそれぞれ下記一般式(1)、(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006814573
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜24の有機基を表し、該R〜Rの2以上はそれぞれ連結していても良い。)
Figure 0006814573
(式中、Qn+は、n価の陽イオンを表す。nは、1〜4の整数を表す。)
上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜24の有機基を表し、R〜Rの2以上が炭素数1〜24の有機基の場合、2以上がそれぞれ連結していても良い。該炭素数1〜24の有機基としては、反応を著しく阻害するものでなければ、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、炭素数1〜24のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数1〜24のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜24のアシル基、炭素数7〜24のアロイル基、炭素数1〜24のアルキルスルホニル基、炭素数6〜24のアリールスルホニル基、炭素数7〜24のアリールアルキルスルホニル基、炭素数3〜24のトリアルキルシリル基、炭素数8〜24のジアルキルアリールシリル基、炭素数13〜24のアルキルジアリールシリル基、炭素数18〜24のトリアリールシリル基、炭素数4〜24のビス(ジアルキルアミノ)ホスフィノイル基、炭素数2〜24のジアルキルホスフィノイル基、炭素数12〜24のジアリールホスフィノイル基、炭素数2〜24のジアルキルホスホリル基、炭素数12〜24のジアリールホスホリル基、フルオロアルキル基、トリフルオロメチル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基等が挙げられる。R〜Rは、上記一般式(1)記載のオレフィン類の立体障害の観点から嵩高さの小さい置換基が好ましい。中でも、R〜Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、炭素数1〜6の直鎖アルキル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が最も好ましい。
上記炭素数1〜24の有機基の水素原子の1または2以上は置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アロイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、トリアリールシリル基、ビス(ジアルキルアミノ)ホスフィノイル基、ジアルキルホスフィノイル基、ジアリールホスフィノイル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基、カルボキシル基、スルホニル基、アミノ基、シリル基、フッ素原子、塩素原子、フルオロアルキル基、トリフルオロメチル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基等が挙げられる。置換基の炭素数としては、置換基を有する有機基が全体として上記の炭素数であれば特に制限は無いが、例えば0〜23である。
〜Rの2以上がそれぞれ連結する形態としては、R〜Rから選択される2以上が一体となって、2〜3価の有機基を形成していることが例示されるが、例えば、2価の有機基としては、エチレン基、ブチレン基等の炭素数2〜24のアルキレン基;フェニレン基等の炭素数3〜24のアリーレン基;該アルキレン基、アリーレン基の炭素原子の1以上が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子に置換された基;およびこれらの基の水素原子の1以上が置換基で置換された基等が例示される。上記置換基としては、上記炭素数1〜24の有機基の置換基と同様の基が例示される。
上記n価の陽イオンとしては、4級アンモニウムイオン、3級アンモニウムイオン等の1価のアンモニウムイオン;リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン等の1価のアルカリ金属イオン;ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等の2価のアルカリ土類金属イオン;スカンジウムイオン、イットリウムイオン、ランタンイオン、セリウムイオン等の3価の希土類元素イオン;チタンイオン、ジルコニウムイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン等の2〜4価の遷移金属イオン;アルミニウムイオン、ガリウムイオン等の3価の典型金属イオン等が挙げられる。中でも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、4級アンモニウムイオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、4級アンモニウムイオンがより好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがさらに好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
上記遷移金属錯体としては、活性点となる金属成分、機能を補助する配位子より構成される錯体が好ましく、対陰イオンを有していてもよい。また、錯体の前駆体や原料となる成分を系中で混合して調製してもよい。
上記金属成分としては、6族〜9族の元素を含むものが好ましく挙げられる。クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウムが好ましく、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルトがより好ましく、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルトがさらに好ましく、ルテニウムが特に好ましい。
上記配位子としては、金属成分の凝集を抑制し、反応性を補助、制御するものであれば、特に制限されないが、ピリジン等の単座窒素配位子;トリフェニルホスフィン等の単座燐配位子;2,2’−ビピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の2座窒素配位子;ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)ベンゼン等の2座燐配位子;2,6−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ピリジン、2,6−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ベンゼン、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン等のピンサー型3座配位子;トリス(ジフェニルホスフィノエチル)ホスフィン等の4座配位子等が挙げられる。触媒の安定性と反応性の観点から、2座以上の多座配位子が好ましく、2座以上の燐配位子がより好ましく、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)ベンゼン、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、トリス(ジフェニルホスフィノエチル)ホスフィンがさらに好ましい。
上記対陰イオンとしては、触媒の安定性を高めて活性を維持できるものであれば特に限定されないが、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロ燐酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロ珪酸イオン等のフッ素化無機酸イオン;塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン等のオキソ酸イオン;安息香酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;メトキシドイオン等のアルコキシドイオン;アリールオキシドイオン;炭酸イオン;水酸化物イオン等を好適に用いることができる。中でも、ハロゲン化物イオン、オキソ酸イオン、カルボン酸イオン、アルコキシドイオン、アリールオキシドイオン、炭酸イオン、水酸化物イオンがより好ましく、カルボン酸イオン、アルコキシドイオン、アリールオキシドイオン、炭酸イオン、水酸化物イオンがさらに好ましい。
上記遷移金属錯体のうち、2座燐配位子を有する錯体は、下記一般式(3):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。Zは、任意の配位子または陰イオンまたは空の配位座を表す。Eは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R〜Rの2以上は、それぞれ連結していても良い。)もしくは下記一般式(4):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。Y、Zは、任意の配位子または陰イオンまたは空の配位座を表す。Eは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R〜R11は、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R〜R11の2以上は、それぞれ連結していても良い。)で表される。
上記一般式(3)、(4)で表される遷移金属錯体を触媒として用いることにより、安定して触媒活性の持続する反応系を構築できる傾向にあるため、好ましい。
上記金属イオンとしては、6族〜9族の元素を含むものが挙げられる。0〜2価のクロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウムが好ましく、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルトがより好ましく、0〜2価のマンガン、鉄、ルテニウム、コバルトがさらに好ましく、0価のルテニウムが特に好ましい。
上記任意の配位子としては、反応原料に置換可能なものであれば特に限定されないが、エチレン等のオレフィン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;トリエチルアミン等のアミン類;ピリジン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール等の複素環化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類、二酸化炭素等が好ましく例示される。中でも、反応原料への配位子置換の容易さから、オレフィン類、スルホキシド類、エーテル類、ニトリル類、ケトン類、二酸化炭素がより好ましく、オレフィン類、エーテル類、二酸化炭素がさらに好ましく、オレフィン類が特に好ましい。
上記陰イオンとしては、触媒の安定性を高めて活性を維持できるものであれば特に限定されないが、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロ燐酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロ珪酸イオン等のフッ素化無機酸イオン;塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン等のオキソ酸イオン;安息香酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;メトキシドイオン等のアルコキシドイオン;アリールオキシドイオン;炭酸イオン;水酸化物イオン等を好適に用いることができる。中でも、ハロゲン化物イオン、オキソ酸イオン、カルボン酸イオン、3級アルコキシドイオン、アリールオキシドイオン、炭酸イオン、水酸化物イオンがより好ましく、カルボン酸イオン、3級アルコキシドイオン、アリールオキシドイオン、炭酸水素イオン、水酸化物イオンがさらに好ましい。
上記一般式(3)、(4)中、R〜R11は、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R〜R11はそれぞれ連結していても良い。炭素数1〜24の有機基としては、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数1〜24のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数2〜24のジアルキルアミノ基等を好適に用いることができる。中でも、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基を用いることが特に好ましい。
上記炭素数1〜24の有機基の水素原子の1または2以上は置換基で置換されていてもよく、置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、トリアリールシリル基、ジアルキルアミノ基等が例示される。置換基の炭素数としては、置換基を有する有機基が全体として上記の炭素数であれば特に制限は無いが、例えば0〜23である。
2つのR〜R11がそれぞれ連結している形態としては、上記R〜Rの2以上がそれぞれ連結する形態と同様の形態が例示される。
上記一般式(3)、(4)中、Eは、燐原子同士を結ぶことができる2価の有機基であれば特に限定されないが、例えば、エチレン基、ブチレン基等の炭素数2〜24のアルキレン基;フェニレン基等の炭素数3〜24のアリーレン基;該アルキレン基、アリーレン基の炭素原子の1以上が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子に置換された基;およびこれらの基の水素原子の1以上が置換基で置換された基等が例示される。上記置換基としては、上記炭素数1〜24の有機基の置換基と同様の基が例示される。
Eは、単環構造を有していてもよい。言い換えれば、Eで表される架橋構造が環構造を含んでいても良い。
Eが単環構造を有する場合、単環構造と一般式(3)、(4)における2つの燐原子が直接結合するものであってもよく、単環構造と一般式(3)、(4)におけるどちらかの燐原子との間に2価の置換基が挟まれるものであってもよい。
上記2価の置換基としては、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルケニレン基、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子、又は、これらが直列に結合されたもの等が挙げられる。
Eは、縮環構造を有していてもよい。言い換えれば、Eで表される架橋構造が縮環構造を含んでいても良い。
Eが縮環構造を有する場合、縮環構造と一般式(3)、(4)における2つの燐原子が直接結合するものであってもよく、縮環構造と一般式(3)、(4)におけるどちらかの燐原子との間に2価の置換基が挟まれるものであってもよい。
上記2価の置換基としては、単環構造と一般式(3)、(4)における2つの燐原子との間に挟まれる2価の置換基として上述したものと同様である。
Eは、置換基を有していても良い。Eが単環構造及び縮環構造のいずれも有さない場合は、該置換基は、一般式(3)、(4)におけるE、燐原子、及び、Mを含んで構成される環構造中のEの部分の置換基である。Eが単環構造又は縮環構造を有する場合は、該置換基は、単環構造又は縮環構造の置換基、又は、その他の、一般式(3)、(4)におけるE、2つの燐原子、及び、Mを含んで構成される環構造中のEの部分の置換基である。
該置換基は、例えば、ヘテロ原子を有するものであってもよく、その他の原子又は原子団であってもよい。該ヘテロ原子を有する置換基としては、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数7〜18のアリールアルコキシ基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数2〜18のアシル基、炭素数7〜18のアロイル基、炭素数2〜18のジアルキルアミノ基、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。該その他の原子又は原子団としては、例えば、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Eの炭素数は、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、8以下であることが更に好ましい。また、Eの炭素数は、2以上であることが好ましい。そして、Eがエチレン、1,2−フェニレン構造であることが特に好ましい。
上記遷移金属錯体が、下記一般式(5):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。Y、Zは、任意の配位子または1価の陰イオンまたは空の配位座を表す。Eは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R12〜R14は、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R12〜R14の2以上は、それぞれ連結していても良い。)で表される錯体である場合も、本発明の特に好ましい形態のひとつである。
上記遷移金属錯体が、下記一般式(6):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。X、Y、Zは、任意の配位子または1価の陰イオンまたは空の配位座を表す。Lは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R15〜R17は、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R15〜R17の2以上は、それぞれ連結していても良い。)で表される錯体である場合も、本発明の特に好ましい形態のひとつである。
上記一般式(3)〜(6)で表される遷移金属錯体の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、オレフィン類の配位した低原子価錯体に所望の配位子を添加し、溶液中にて撹拌して配位子交換を行う方法が最も簡便である。また、トリメチルホスフィン配位子を有する遷移金属錯体と所望の多座燐配位子を溶液中で撹拌する方法も用いられる。必要であれば還元剤を用いて低原子価錯体に還元することも可能である。
本発明の製造方法の各工程は、それぞれバッチ式、流通式等から目的に応じて選択することが可能である。バッチ式反応の場合、反応時間は、適宜設定することができるが、例えば5分以上とすることが好ましく、15分以上とすることがより好ましく、30分以上とすることが更に好ましい。該反応時間は、目標とする反応率に達する範囲で短い方が好ましく例えば100時間以下とすることが好ましい。
本発明の製造方法の各工程には溶媒を用いることができる。反応溶媒は、適宜採用することができるが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物;ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル化合物;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。該反応溶媒は、芳香族又は脂肪族炭化水素、環状エーテル化合物、鎖状エーテル化合物、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、アミド類、尿素類、水が好ましく、環状エーテル化合物、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、アミド類、尿素類、水がより好ましく、環状エーテル化合物、スルホキシド類、アミド類、尿素類がさらに好ましい。該反応溶媒として、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることが特に好ましい。
本発明の製造方法、特に上記工程(I)は、通常オレフィン類および/又は二酸化炭素(好ましくは二酸化炭素)の加圧下で行う。反応速度の観点から、該オレフィン類および/又は二酸化炭素の合計圧力は、0.1atm以上とすることが好ましく、1atm以上とすることがより好ましく、10atm以上とすることが更に好ましい。また、安全性の観点から該圧力は、500atm以下とすることが好ましく、200atm以下とすることがより好ましい。
本発明の製造方法の各工程において反応温度は、触媒の種類によって適宜選択することが可能であるが、十分に高い反応速度を得るためには、0度以上とすることが好ましく、40度以上とすることがより好ましく、80度以上とすることがさらに好ましく、100度〜140度の範囲とすることが特に好ましい。
本発明における原料である、前記一般式(1)で表されるオレフィン類と二酸化炭素とのモル比は、1/10〜10/1が好ましく、1/5〜5/1がより好ましく、1/2〜2/1が更に好ましく、1/1.5〜1.5/1が一層好ましく、1/1が特に好ましい。
本発明の製造方法において、工程(I)〜工程(III)はワンポットで行っても良く、それぞれ順番に行っても良い。工程(I)〜工程(III)の各工程の一部または全部を分けて行う場合には、いずれかの工程の間に精製工程などを設けても良い。工程(I)〜工程(III)をワンポットで同時に行う方法が特に好ましい。
上記工程(I)〜工程(III)の反応式の具体例を、オレフィン類がエチレンの場合について、以下に示す。
工程(I):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表し、Mn+2は、n+2価の金属イオンを表す。nは0〜2の整数を表す。Lは配位子または対陰イオンまたは空の配位座を表し、同一または異なっていても良い。)
工程(II):
Figure 0006814573
(式中、Mn+2は、n+2価の金属イオンを表す。nは0〜2の整数を表す。Lは配位子または対陰イオンまたは空の配位座を表し、同一または異なっていても良い。)
工程(III):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表し、Mn+2は、n+2価の金属イオンを表す。nは0〜2の整数を表す。Lは配位子または対陰イオンまたは空の配位座を表し、同一または異なっていても良い。Qn+は、n価の陽イオンを表す。nは、1〜4の整数を表す。)
本発明の製造方法は、上記工程(I)〜工程(III)(以下、合わせて「反応工程」ともいう)を含んでいればよく、精製工程、抽出工程、乾燥工程等の他の任意な工程を含んでいてもよいが、例えば反応工程で得られるカルボン酸塩を使用して、中和、透析,膜分離等の適切な方法によってカルボン酸を得る工程を含んでいてもよい。
酸型の不飽和カルボン酸は、例えば酸型の不飽和カルボン酸塩もしくは不飽和カルボン酸塩を含む組成物に酸を添加してpHを酸性にする工程(中和工程)を含んで製造される。なお、この際に生成する塩等は、濾過、透析、膜分離等により分離、除去しても良い。
更に、該酸型の不飽和カルボン酸を製造する工程は、酸型の不飽和カルボン酸を単離するために、酸型の不飽和カルボン酸を含む組成物に有機溶剤を添加して酸型の不飽和カルボン酸を析出させたり、抽出したりする工程を含んでいても良い。
なお、上記の工程は必要により組み合わせて行ったり、それぞれ繰り返し行なうことができる。
上記中和工程において、酸とは、鉱酸、有機酸のいずれでも良く、例えば塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、リン酸、ホウ酸、炭酸、酢酸、クエン酸等が例示されるが、安価な面から好ましくは塩酸、硫酸を使用することが好ましい。また、中和工程において、pHは2未満にすることで製造効率が高くなることから好ましい。より好ましくは、pHは1程度にすることである。
中和工程における酸の添加量は、カルボキシル基に対して当モル以上、好ましくは1.3倍モル以上添加することが好ましい。
酸型の不飽和カルボン酸を製造した後、蒸留、乾燥・固化させても良い。
本発明の製造方法で得られたカルボン酸塩やカルボン酸も本発明のひとつである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
各種測定及び評価は以下の方法により行った。
液体NMR(H−NMR、13C−NMR、及び、31P−NMR)測定は、JEOL ECX−500、JEOL ECX−400、JEOL ECZ−500、Bruker DRX−500を用いて実施し、H−NMRは、500MHzもしくは400MHzで測定した。13C−NMRは、125MHzで測定した。31P−NMRは、202.5MHzで測定した。
ESI−MSは、SHIMADZU LCMS−2020を用いて測定した。
IRは、JASCO FT/IR−460 plus ATR PRO450−S accessory を用いて測定した。
GCは、SHIMADSU GC−2010 equipped with DB−WAXETR columnを用いて測定した。
UV照射は、 USHIO Optical Modulex OPM2−502XQ with a cold filter SC0451 (Asahi Spectra Co.,Ltd.) and a band pass filter LX0365 (Asahi Spectra Co.,Ltd.)を用いて実施した。
X線構造解析は、Rigaku R−AXIS Varimax RAPID−II with IP area detector system using CuKα radiation、Rigaku Saturn724+ (4x4 bin mode) using MoKα radiation を用いて実施した。
<実施例1>
[本発明の触媒の合成例]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、ジクロロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウム(II):錯体Aと2当量のビス(ジエチルホスフィノ)エタンを量り採り、トルエンを添加して100度で7時間撹拌した後、徐々に室温まで冷却した。溶媒を減圧留去するとビス[ビス(ジエチルホスフィノ)エタン]ルテニウム(II)ジクロリド:錯体Bが得られた。H−NMR、13C−NMR、及び、31P−NMRを測定し、錯体Bの生成を確認した。アルゴン雰囲気下、錯体BをTHFに溶解し、エチレン雰囲気下、ナトリウムを添加した。室温で3日間撹拌した後溶媒を減圧留去し、得られた固体をペンタンで洗浄した後に減圧下にて脱溶媒を行うとビス[ビス(ジエチルホスフィノ)エタン]エチレンルテニウム(0):錯体Cが得られた。H−NMR、13C−NMR、及び、31P−NMRを測定し、またX線結晶構造解析により錯体Cの生成を確認した。
前述の合成例により錯体Fとして、下記一般式(3):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。Zは、任意の配位子または1価の陰イオンを表す。Eは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R〜Rの2以上は、それぞれ連結していても良い。)で表される錯体のうち、Mとして0価のルテニウムを、Zとしてエチレンを、Eとしてエチレンを、R〜Rとしてエチル基を有する錯体を示したが、その他の錯体についても同様の方法により合成することができ、下記一般式(4):
Figure 0006814573
(式中、Mは、n価の金属イオンを表す。Y、Zは、任意の配位子または1価の陰イオンを表す。Eは、燐原子同士を結ぶ炭素数1〜24の架橋構造を表し、二重結合を有していても良く、単環構造又は縮環構造を有していても良く、置換基を有していても良い。R〜R11は、同一又は異なって、炭素数1〜24の有機基を表し、R〜R11の2以上は、それぞれ連結していても良い。)で表される錯体についても同様の方法により合成することができる。
<実施例2>
[本発明の素反応例:酸化的環化]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、錯体C(5μmol)にN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(0.5ml)を添加し、エチレンおよび二酸化炭素を封入し、60℃にて2時間加熱すると収率88%で錯体Dが生成した。31P−NMRを測定し、内部標準物質:亜燐酸トリフェニルとの比から、錯体Dの収率を求めた。H−NMR、13C−NMR、及び、31P−NMR、IR、ESI−MSを測定し、またX線結晶構造解析により錯体Dの生成を確認した。
<実施例3>
[本発明の素反応例:加熱によるβ−水素脱離]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、錯体D(2.5μmol)にDMA(0.5ml)を添加し、100℃にて2時間加熱すると収率34%で錯体Eが生成した。31P−NMRを測定し、錯体Eの収率を求めた。
<実施例4>
[本発明の素反応例:光照射によるβ−水素脱離]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、錯体D(2.5μmol)にDMA(0.5ml)を添加し、0℃にて10時間365nmの光を照射すると収率100%で錯体Eが生成した。31P−NMRを測定し、錯体Eの収率を求めた。
<実施例5>
[本発明の触媒反応例1]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、錯体F(2.5μmol)とナトリウム2−フルオロ−フェノキシド(62.5μmol)にDMA(2ml)を添加し、エチレン、二酸化炭素加圧条件下140℃にて6時間加熱攪拌したのち、塩酸で処理するとアクリル酸(9.25μmol)が得られた。GCを測定し、内部標準物質との比から、アクリル酸の収率を求めた。
<実施例6>
[本発明の触媒反応例2]
Figure 0006814573
アルゴン雰囲気下、錯体G(10μmol)と炭酸ナトリウム(250μmol)とナトリウム2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチル−フェノキシド(250μmol)にDMA(2ml)を添加し、エチレン、二酸化炭素加圧条件下140℃にて6時間加熱攪拌したのち、塩酸で処理するとアクリル酸(15μmol)が得られた。GCを測定し、内部標準物質との比から、アクリル酸の収率を求めた。
上述のとおり、本発明の製造方法によれば、高価な塩基やルイス酸を過剰量使用することなく、反応中に容器内のガスの排出や置換を必要とせず、毒性の高いニッケルや高価なパラジウムを使用することなく、オレフィン類と二酸化炭素を原料として不飽和カルボン酸塩を提供することが可能になる。

Claims (3)

  1. 6族から9族より選ばれる金属元素を少なくとも一つ含み、2座以上の多座配位子が複数配位した又は3座以上の多座配位子が一つ配位した遷移金属錯体の存在下にオレフィン類と二酸化炭素を反応させてメタララクトン種を得る工程、
    β−水素脱離により該メタララクトン種をO−カルボキシレート錯体へと変換する工程、
    該O−カルボキシレート錯体から遷移金属錯体を再生すると共に不飽和カルボン酸塩を得る工程、とを含む不飽和カルボン酸塩の製造方法。
  2. ルテニウムを含み、2座以上の多座配位子が複数配位した又は3座以上の多座配位子が一つ配位した遷移金属錯体の存在下にオレフィン類と二酸化炭素とを反応させることを特徴とする不飽和カルボン酸塩の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の不飽和カルボン酸塩を、中和する工程及び/又は透析する工程及び/又は膜分離する工程を含む、不飽和カルボン酸の製造方法。
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