本発明は、負荷が接続された接続端子の電圧が負荷の取り外し時に不安定になることを防止することを目的とする。
本発明の1つの側面は、エアロゾル吸引器用の制御装置に係り、前記制御装置は、エアロゾル源を加熱し且つ温度と電気抵抗値が相関を持つ負荷が接続される第1接続端子および第2接続端子と、電源と前記第1接続端子との間に配置されたスイッチと、前記第1接続端子に電気的に接続された入力端子を有する増幅回路と、前記第1接続端子と前記第2接続端子とを電気的に接続する抵抗と、前記増幅回路の出力端子が電気的に接続された入力端子および前記スイッチを制御するための出力端子を有する制御部と、を備え、前記負荷は、前記抵抗が前記第1接続端子を介して前記増幅回路の前記入力端子に電気的に接続された状態で、前記第1接続端子および前記第2接続端子に接続されたり、前記第1接続端子および前記第2接続端子から取り外されたりする。
この欄に記載された以下の開示が解決しようとする第1の課題は、オペアンプ等を含み、オペアンプの非反転入力端子又は反転入力端子等に電気的に接続された回路の電圧が比較的高いエアロゾル吸引器用の制御装置であって、オペアンプ等に過電圧が印加されることを防ぐことが可能な制御装置等を提供することである。
また、この欄に記載された以下の開示が解決しようとする第2の課題は、オペアンプの出力端子と電気的に接続された制御部を含むエアロゾル吸引器用の制御装置であって、制御部の電源電圧よりも高い過電圧が制御部に印加されることを防ぐことが可能な制御装置等を提供することである。
上述した第1の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、エアロゾル源を加熱し且つ温度と電気抵抗値が相関を持つ負荷に印加される電圧に応じた出力を行うオペアンプと、前記出力に応じた電圧に基づく処理を行うように構成された制御部と、前記オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子にアノードが電気的に接続されたダイオードとを含むエアロゾル吸引器用の制御装置が提供される。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、電源と前記負荷とを電気的に接続する回路を更に含み、前記回路は、第1領域と、最大電圧が前記第1領域の最大電圧よりも小さい、又は、印加される電圧が前記第1領域に印加される電圧より小さい第2領域と、から構成され、前記反転入力端子と前記非反転入力端子のうち前記ダイオードのアノードが電気的に接続された端子は、前記第1領域に電気的に接続されていてよい。
一実施形態において、前記ダイオードのアノードは、前記第1領域に電気的に接続されていてよい。
かかる構成によれば、ダイオードに順方向電流が流れることによりオペアンプの入力端子に過電圧が印加されることが防がれ、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態において、前記負荷は、前記第1領域に電気的に接続される、又は、含まれていてよい。
かかる構成によれば、負荷、例えばヒータに比較的高い電圧を印加することができ、よって、より効率的にエアロゾルを生成することができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、前記第1領域に印加される一定の電圧を出力するように構成されたコンバータを更に含んでいてよい。
一実施形態において、前記コンバータは、スイッチング・レギュレータであってよい。
かかる構成によれば、負荷、例えばヒータに電源の残量や劣化状態に関わらず安定して電圧を印加することができ、よって、エアロゾルの生成をより安定して制御することができる。
一実施形態において、前記コンバータは、前記ダイオードに流れる順方向電流が許容値を超えず、且つ、前記負荷がエアロゾルを生成可能な電圧を出力するように更に構成されていてよい。
かかる構成によれば、ダイオードに過電流が流れることを防ぐとともにエアロゾルを生成することができる。よって、十分なエアロゾルの生成とダイオードの保護という相反する課題を同時に解決することができる。
一実施形態において、前記コンバータは、前記ダイオードに流れる順方向電流が許容値を超えず、且つ、前記負荷がエアロゾルを生成可能な複数の電圧又は範囲の電圧を出力可能なように構成されていてよい。
一実施形態において、前記制御部は、前記負荷の種類に応じて、前記複数の電圧又は前記範囲の電圧のなかで、前記コンバータの出力電圧を調整するように構成されていてよい。
かかる構成によれば、負荷の種類に応じて適切な電圧を用いることができ、よって、同一の制御装置を用いて様々な種類の負荷を利用可能なエアロゾル吸引器を実施することができる。
一実施形態において、前記オペアンプの電源端子は、前記第2領域に電気的に接続されていてよい。
かかる構成によれば、ダイオードに順方向電流が流れることによりオペアンプの入力端子に過電圧が印加されることが防がれ、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、前記第2領域に印加される電圧を出力するレギュレータを更に含み、前記制御部は、前記制御部の電源端子は、前記第2領域に電気的に接続されていてよい。
かかる構成によれば、比較的低い電圧で駆動される制御部に対して、適切な電圧をレギュレータによって印加することができる。同時に、第2領域の電圧がレギュレータによって安定するため、オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子における過電圧発生時に、ダイオードを介して電力を第2領域へ逃がすことができる。
一実施形態において、前記ダイオードのカソードは、前記第2領域に電気的に接続されていてよい。
一実施形態において、前記ダイオードの順方向の電気抵抗値は、前記オペアンプの電気抵抗値より小さくてよい。
一実施形態において、前記ダイオードのカソードは前記オペアンプの電源端子に電気的に接続される、又は、前記ダイオードのカソードにおける電位は前記オペアンプの電源端子における電位と等しくてよい。
かかる構成によれば、ダイオードに順方向電流が流れることによりオペアンプの入力端子に過電圧が印加されることが防がれ、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、電源と前記負荷との間に並列に電気的に接続された第1回路及び第2回路であって、前記第1回路及び前記第2回路は第1開閉器及び第2開閉器をそれぞれ含み、前記第1回路の電気抵抗値よりも前記第2回路の電気抵抗値の方が高いように構成された第1回路及び第2回路を更に含み、前記制御部は、前記第2開閉器がオン状態である間に、前記オペアンプの前記出力に応じた電圧を取得するように更に構成されていてよい。
かかる構成によれば、既知抵抗を有する電圧取得用の専用回路を有するために、既知抵抗により取得精度が向上する。同時に、当該既知抵抗の影響を受けることなくエアロゾルを生成することができる。これにより、電源例えばリチウムイオン二次電池の蓄電容量の利用効率が向上する。
一実施形態において、前記制御部は、エアロゾルを生成するために前記第1開閉器をオン状態にするように構成されていてよい。
かかる構成によれば、第2回路が有する電気抵抗値の影響を受けることなく負荷に電力を供給することができ、よって、より効率的にエアロゾルを生成することができる。換言すれば、1回の充電でより多くのエアロゾルを生成することができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、前記第1回路及び前記第2回路と直列に電気的に接続された前記負荷と、前記第1回路及び前記第2回路と直列に電気的に接続され、且つ、前記負荷と並列に電気的に接続された第2抵抗とを更に含み、前記負荷は、前記第1回路、前記第2回路と前記第2抵抗に対して着脱可能なように構成されていてよい。
一実施形態において、前記第2回路は第1抵抗を含み、前記第1抵抗の電気抵抗値と、前記第2抵抗の電気抵抗値とは等しくてよい。かかる構成によれば、負荷が取り外されている場合であっても、第2抵抗を介した電気的経路が存在することになり、よって、オペアンプは第2抵抗に印加される電圧に応じた出力を行うことができるから、当該出力が安定する。
また、上述した第1の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、エアロゾル源を加熱し且つ温度と電気抵抗値が相関を持つ負荷に印加される電圧に応じた出力を行うコンパレータと、前記出力に応じた電圧に基づく処理を行うように構成された制御部と、前記コンパレータの入力端子にアノードが電気的に接続されたダイオードとを含むエアロゾル吸引器用の制御装置が提供される。
かかる構成によれば、ダイオードに順方向電流が流れることによりコンパレータの入力端子に過電圧が印加されることが防がれ、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるコンパレータの誤動作などを防ぐことができる。
更に、上述した第1の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、エアロゾル源を加熱し且つ温度と電気抵抗値が相関を持つ負荷に印加される電圧に応じた出力を行うオペアンプと、前記出力に応じた電圧に基づく処理を行うように構成された制御部と、前記負荷を含むエアロゾル生成回路とを含み、前記オペアンプの電源電圧は、前記エアロゾル生成回路に印加される電圧に等しく、前記オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子は、前記エアロゾル生成回路に電気的に接続された、エアロゾル吸引器用の制御装置が提供される。
かかる構成によれば、オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子に印加される電圧がオペアンプの電源電圧以下となるために、オペアンプに過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
更にまた、上述した第1の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、上記のような制御装置を備えたエアロゾル吸引器が提供される。
かかる構成によれば、ダイオードに順方向電流が流れることによりオペアンプ又はコンパレータの入力端子に過電圧が印加されることが防がれ、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるオペアンプ又はコンパレータの誤動作などを防ぐことができる。
あるいは、かかる構成によれば、オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子に印加される電圧がオペアンプの電源電圧以下となるために、オペアンプに過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
上述した第2の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、エアロゾル源を加熱し且つ温度と電気抵抗値が相関を持つ負荷に印加される電圧に応じた電圧を発生する出力端子を有するオペアンプと、入力端子を有し、該入力端子に印加される電圧に基づく処理を行うように構成された制御部と、前記オペアンプの前記出力端子と前記制御部の前記入力端子とを電気的に接続する分圧回路とを含むエアロゾル吸引器用の制御装置が提供される。
一実施形態において、前記分圧回路は、前記制御部の前記入力端子に印加される電圧が、前記制御部の電源電圧以下となるように構成されていてよい。一実施形態において、前記オペアンプの電源電圧は、前記制御部の電源電圧よりも高くてよい。
かかる構成によれば、分圧回路により降圧された電圧が制御部の入力端子に印加されることになる。これにより、入力端子に過電圧が印加されることによる制御部の誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態において、前記オペアンプの増幅率は、前記制御部の前記入力端子に印加される電圧が、前記制御部の電源電圧以下となるように設定されていてよい。かかる構成によれば、制御部の入力端子に過電圧が印加されることがなくなり、これにより、入力端子に過電圧が印加されることによる制御部の誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態において、前記オペアンプの電源電圧は、前記負荷を含むエアロゾル生成回路に印加される電圧に等しく、前記オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子は、前記エアロゾル生成回路に電気的に接続されていてよい。
かかる構成によれば、オペアンプの入力端子にオペアンプの電源電圧より高い電圧が印加されることがなくなり、よって、入力端子に過電圧が印加されることによるオペアンプの誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、前記負荷を含むエアロゾル生成回路に一定の電圧を印加するように構成されたコンバータを更に含んでいてよい。一実施形態において、前記コンバータの出力端子は、前記エアロゾル生成回路及び前記オペアンプの電源端子に電気的に接続され、前記オペアンプの反転入力端子又は非反転入力端子は、前記エアロゾル生成回路に電気的に接続されていてよい。
かかる構成によれば、負荷、例えばヒータに安定して電圧を印加することができ、よって、エアロゾルの生成をより精密に制御することができる。一実施形態において、前記コンバータは、前記制御部の前記入力端子に印加される電圧が前記制御部の電源電圧以下になり、且つ、前記負荷がエアロゾルを生成可能となる電圧を出力するように構成されていてよい。
一実施形態において、前記分圧回路は、前記制御部の前記入力端子に印加される電圧が、前記制御部の電源電圧以下となるように構成されていてよい。かかる構成によれば、制御部の入力端子に過電圧が印加されることを防ぐとともにエアロゾルを生成することができ、よって、エアロゾル生成中の制御部の誤動作などを防ぐことができる。
一実施形態において、前記コンバータはスイッチング・レギュレータであってよい。かかる構成によれば、負荷、例えばヒータに安定して電圧を印加することができ、よって、エアロゾルの生成をより精密に制御することができる。
一実施形態において、前記コンバータは、前記制御部の前記入力端子に印加される電圧が前記制御部の電源電圧以下になり、且つ、前記負荷がエアロゾルを生成可能となる複数の電圧又は範囲の電圧を出力可能なように構成されていてよい。
一実施形態において、前記制御部は、前記負荷の種類に応じて、前記コンバータの出力電圧を調整するように構成されていてよい。かかる構成によれば、負荷の種類に応じて適切な電圧を用いることができ、よって、同一の制御装置を用いて様々な種類の負荷を利用可能なエアロゾル吸引器を実施することができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、電源と前記負荷との間に電気的に並列に接続された第1回路及び第2回路であって、前記第1回路及び前記第2回路は第1開閉器及び第2開閉器をそれぞれ含み、前記第1回路の電気抵抗値よりも前記第2回路の電気抵抗値の方が高いように構成された第1回路及び第2回路を更に含み、前記制御部は、前記第2開閉器がオン状態である間に、前記入力端子に印加される電圧を取得するように更に構成されていてよい。
かかる構成によれば、既知抵抗を有する電圧取得用の専用回路を有するために、既知抵抗により取得精度が向上する。同時に、当該既知抵抗の影響を受けることなくエアロゾルを生成することができる。これにより、電源例えばリチウムイオン二次電池の蓄電容量の利用効率が向上する。
一実施形態において、前記制御部は、エアロゾルを生成するために前記第1開閉器をオン状態にするように構成されていてよい。かかる構成によれば、第2回路が有する電気抵抗値の影響を受けることなく負荷に電力を供給することができ、よって、より効率的にエアロゾルを生成することができる。
一実施形態であるエアロゾル吸引器用の制御装置は、前記第1回路及び前記第2回路と直列に電気的に接続された前記負荷と、前記第1回路及び前記第2回路と直列に電気的に接続され、且つ、前記負荷と並列に電気的に接続された第2抵抗とを更に含み、前記負荷は、前記第1回路、前記第2回路と前記第2抵抗に対して着脱可能なように構成されていてよい。
一実施形態において、前記第2回路は第1抵抗を含み、前記第1抵抗の電気抵抗値と、前記第2抵抗の電気抵抗値とは等しくてよい。かかる構成によれば、負荷が取り外されている場合であっても、第2抵抗を介した電気的経路が存在することになり、よって、オペアンプは第2抵抗に印加される電圧に応じた出力を行うことができるから、当該出力が安定する。
更に、上述した第2の課題を解決するため、本開示の実施形態によれば、上記のような制御装置を備えたエアロゾル吸引器が提供される。かかる構成によれば、分圧回路により降圧された電圧が制御部の入力端子に印加されることになる。これにより、入力端子に過電圧が印加されることによる制御部の誤動作などを防ぐことができる。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳しく説明する。なお、本開示の実施形態は、電子たばこ、加熱式たばこ及びネブライザーを含むが、これらに限定されない。本開示の実施形態は、ユーザが吸引するエアロゾルを生成するための様々なエアロゾル吸引器を含みうる。
1 エアロゾル吸引器の概要
図1Aは、本開示の一実施形態に係るエアロゾル吸引器100Aの構成の概略的なブロック図である。図1Aは、エアロゾル吸引器100Aが備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及びエアロゾル吸引器100Aの厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。
図1Aに示されるように、エアロゾル吸引器100Aは、第1の部材102(以下、「本体102」という)及び第2の部材104A(以下、「カートリッジ104A」という)を備える。図示されるように、一例として、本体102は、制御部106、通知部108、電源110、センサ112及びメモリ114を含んでもよい。エアロゾル吸引器100Aは、流速センサ、流量センサ、圧力センサ、電圧センサ、電流センサ、温度センサなどのセンサを有してもよく、本開示においてはこれらをまとめて「センサ112」ともいう。本体102はまた、後述する回路134を含んでもよい。一例として、カートリッジ104Aは、貯留部116A、霧化部118A、空気取込流路120、エアロゾル流路121、吸口部122、保持部130及び負荷132を含んでもよい。本体102内に含まれるコンポーネントの一部がカートリッジ104A内に含まれてもよい。カートリッジ104A内に含まれるコンポーネントの一部が本体102内に含まれてもよい。カートリッジ104Aは、本体102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、本体102及びカートリッジ104A内に含まれるすべてのコンポーネントが、本体102及びカートリッジ104Aに代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
貯留部116Aは、エアロゾル源を収容するタンクとして構成されてもよい。この場合、エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体やこれらの混合液体である。エアロゾル吸引器100Aが電子たばこである場合、貯留部116A内のエアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出する成分を含んでいてもよい。保持部130は、貯留部116Aが供給するエアロゾル源を負荷132が加熱可能な位置で保持する。例えば、保持部130は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維やセラミック、またはたばこ原料などを用いることができる。エアロゾル吸引器100Aがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、貯留部116Aは、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、貯留部116Aは、エアロゾル源が消費された際に貯留部116A自体を交換することができるように構成されてもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合の貯留部116Aは、空洞の容器であってもよい。
霧化部118Aは、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作やユーザによる他の操作が検知されると、霧化部118Aはエアロゾルを生成する。例えば、保持部130は、貯留部116Aと霧化部118Aとを連結するように設けられる。この場合、保持部130の一部は貯留部116Aの内部に通じ、エアロゾル源と接触する。保持部130の他の一部は霧化部118Aへ延びる。なお、霧化部118Aへ延びた保持部130の他の一部は、霧化部118Aに収められてもよく、あるいは、霧化部118Aを通って再び貯留部116Aの内部に通じてもよい。エアロゾル源は、保持部130の毛細管効果によって貯留部116Aから霧化部118Aへと運ばれる。一例として、霧化部118Aは、電源110に電気的に接続された負荷132を含むヒータを備える。なお、本出願において、『電気的に接続』は、電気的に接続される2つの要素の間で電気を輸送できる状態を指してもよい。2つの要素の間で電気を輸送できるのであれば、その方式は有線であってもよいし、無線であってもよい。従って、電気的に接続される2つの要素の間には、第3の要素例えば抵抗が含まれる場合もあるし、含まれない場合もある。ヒータは、保持部130と接触又は近接するように配置される。吸引動作やユーザによる他の操作がセンサ112によって検知されると、制御部106は、霧化部118Aのヒータへの電力供給を制御し、保持部130を通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118Aには空気取込流路120が接続され、空気取込流路120はエアロゾル吸引器100Aの外部へ通じている。霧化部118Aにおいて生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118Aにおいて生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
吸口部122は、エアロゾル流路121の終端に位置し、エアロゾル流路121をエアロゾル吸引器100Aの外部に対して開放するように構成される。ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、エアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込む。
通知部108は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部108は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。
なお、カートリッジ104Aは外管として、空気取込流路120及びエアロゾル流路121の一方又は双方は外管内に配置される内管として構成することができる。また、負荷132は、内管である空気取込流路120又はエアロゾル流路121内に配置することができる。貯留部116Aは、外管であるカートリッジ104Aと内管である空気取込流路120又はエアロゾル流路121の間に配置又は形成することができる。
電源110は、通知部108、センサ112、メモリ114、負荷132、回路134などのエアロゾル吸引器100Aの各コンポーネントに電力を供給する。電源110は、一次電池であるか、又は、エアロゾル吸引器100Aの所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができる二次電池であってよい。電源110のみを本体102又はエアロゾル吸引器100Aから取り外すことができてもよく、新しい電源110と交換することができてもよい。また、本体102全体を新しい本体102と交換することによって電源110を新しい電源110と交換することができてもよい。一例として、電源110は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池やリチウムイオンキャパシタなどから構成されていてよい。二次電池である電源110は、当該電池の温度を検知するための温度センサを含むことがある。
センサ112は、回路134の全体又は特定の部分に印加される電圧の値、回路134の全体又は特定の部分に流れる電流の値、負荷132の電気抵抗値に関連する値又は温度に関連する値などを取得するために用いられる1つ又は複数のセンサを含んでもよい。センサ112は回路134に組み込まれてもよい。センサ112の機能が制御部106に組み込まれてもよい。センサ112はまた、空気取込流路120及びエアロゾル流路121の一方又は双方内の圧力の変動を検知する圧力センサ、流速を検知する流速センサ及び流量を検知する流量センサのうちの1以上を含んでもよい。センサ112はまた、貯留部116Aなどのコンポーネントの重量を検知する重量センサを含んでもよい。センサ112はまた、エアロゾル吸引器100Aを用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。センサ112はまた、霧化部118Aへの通電時間を積算するように構成されてもよい。センサ112はまた、貯留部116A内の液面の高さを検知するように構成されてもよい。センサ112はまた、電源110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値、電圧などを求める又は検知するように構成されてもよい。SOCは、電流積算法(クーロン・カウンティング法)やSOC−OCV(Open Circuit Voltage,開回路電圧)法等によって求められてもよい。センサ112はまた、上述した電源110内の温度センサを含んでいてよい。センサ112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどに対する操作を検出可能であってもよい。
制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュール、例えば、MCUであってよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従ってエアロゾル吸引器100Aの動作を制御するように構成されてよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、エアロゾル吸引器100Aの制御に必要な設定データ等が格納されてよい。例えば、メモリ114は、通知部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により取得及び検知の一方又は双方がされた値、霧化部118Aの加熱履歴等の様々なデータを格納してよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出してエアロゾル吸引器100Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。なお、メモリ114は、制御部106に含まれる場合がある。
図1Bは、本開示の一実施形態に係るエアロゾル吸引器100Bの構成の概略的なブロック図である。図示されるように、エアロゾル吸引器100Bは、図1Aのエアロゾル吸引器100Aと類似した構成を有する。但し、第2の部材104B(以下、「エアロゾル発生物品104B」又は「スティック104B」という)の構成は第2の部材104Aの構成とは異なっている。一例として、エアロゾル発生物品104Bは、エアロゾル基材116B、霧化部118B、空気取込流路120、エアロゾル流路121、吸口部122を含んでもよい。本体102内に含まれるコンポーネントの一部がエアロゾル発生物品104B内に含まれてもよい。エアロゾル発生物品104B内に含まれるコンポーネントの一部が本体102内に含まれてもよい。エアロゾル発生物品104Bは、本体102に対して挿抜可能に構成されてもよい。あるいは、本体102及びエアロゾル発生物品104B内に含まれるすべてのコンポーネントが、本体102及びエアロゾル発生物品104Bに代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
エアロゾル基材116Bは、エアロゾル源を担持する固体として構成されてもよい。図1Aの貯留部116Aの場合と同様に、エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体やこれらの混合液体であってもよい。エアロゾル基材116B内のエアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。なお、エアロゾル基材116Bそのものがたばこ原料から構成されていてもよい。エアロゾル吸引器100Bがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。エアロゾル基材116Bは、エアロゾル源が消費された際にエアロゾル基材116B自体を交換することができるように構成されてもよい。エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。
霧化部118Bは、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作やユーザによる他の操作が検知されると、霧化部118Bはエアロゾルを生成する。霧化部118Bは、電源110に電気的に接続された負荷を含むヒータ(図示せず)を備える。吸引動作やユーザによる他の操作が検知されると、制御部106は、霧化部118Bのヒータへの電力供給を制御し、エアロゾル基材116B内に担持されたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118Bには空気取込流路120が接続され、空気取込流路120はエアロゾル吸引器100Bの外部へ通じている。霧化部118Bにおいて生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118Bにおいて生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
制御部106は、本開示の実施形態に係るエアロゾル吸引器100A及び100B(以下、まとめて「エアロゾル吸引器100」ともいう)を様々な方法で制御するように構成される。
2 エアロゾル吸引器用の制御装置の概要
2−1 第1の制御装置について
2−1−1 回路構成
図2A及び図2Bは、本開示の一実施形態による、エアロゾル吸引器100用の制御装置200Aの概略的な回路構成を示す図である。図2Aには制御装置200Aの各要素に言及するための参照が付され、図2Bには説明で用いる電圧及び電気抵抗値についての参照等が付されている。なお、制御装置200Aは、通知部108、電源110、センサ112、メモリ114、制御部106及び回路134のうち、図示されていない要素を含んでいてもよい。
制御装置200Aは、電源110、制御部106の一例であるMCU、センサ112A及びセンサ112C、負荷132(以下、「ヒータ抵抗」ともいい、その電気抵抗値をRHTRで表す。)、負荷132が制御装置200Aに対して脱着可能な場合における負荷132の接触抵抗254(その電気抵抗値をRCONNECTORで表す。)、負荷132の回路との接続端子256及び接続端子258、第1回路202、第2回路204、第1電界効果トランジスタ(FET)206を含むスイッチQ1、コンバータ208及びレギュレータ242、第2FET210を含むスイッチQ2、第1シャント抵抗212及び第2シャント抵抗252(以下、それぞれ、その電気抵抗値をRshunt1及びRshunt2で表す。)、オペアンプ262、オペアンプ262の反転入力端子に電気的に接続された抵抗264及び抵抗266、ダイオード268、オペアンプ262の出力端子に電気的に接続された抵抗272、抵抗272に電気的に接続されたキャパシタ274を備える。ダイオード268は、オペアンプ262の非反転入力端子にアノードが、オペアンプ262の電源端子(より詳細には、印加される電圧が一般的にVcc及びVEEとしてそれぞれ参照される正側電源端子及び負側電源端子のうちの正側電源端子であってよい。以下、オペアンプ262の電源端子について同様。)にカソードが電気的に接続されてもよい。換言すれば、ダイオード268のカソードにおける電位は、オペアンプ262の電源端子における電位と等しくてよい。
制御装置200Aにおいて、Voutはコンバータ208の出力電圧に、Vsampleはオペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧に、Vrefはオペアンプ262の反転入力端子に印加される電圧に、Vanalogは、オペアンプ262の出力端子の電圧に応じた電圧であって、制御部106に印加される電圧に、Vop−ampはオペアンプ262の電源端子に印加される電圧即ちオペアンプ262の電源電圧に、VMCUは、レギュレータ242の出力電圧であって、制御部106の電源端子に印加される電圧即ち制御部106の電源電圧に、それぞれ対応する。制御装置200Aにおいて、Vop−ampはVMCUに等しい。
負荷132の電気抵抗値は温度に応じて変化する。換言すれば、負荷132はPTCヒータを含んでいてよい。負荷132の電気抵抗値は温度に応じて変化するため、負荷132の温度と負荷132の電気抵抗値は相関を有しているとも言える。負荷132は接続端子256及び接続端子258を介して制御装置200Aの回路に着脱可能に電気的に接続される。負荷132は、制御装置200Aに含まれるものとしてもよいし、含まれないものとしてもよい。
第1シャント抵抗212は、負荷132と直列に電気的に接続され、既知の電気抵抗値Rshunt1を有する。第1シャント抵抗212の電気抵抗値Rshunt1は温度に対して殆ど又は完全に不変であってよい。第1シャント抵抗212は負荷132より大きな電気抵抗値を有する。第2シャント抵抗252は、第1シャント抵抗212と同様の特性のものであってよいが、これに限定されるわけではない。なお、第2シャント抵抗252は、第1シャント抵抗212と直列に電気的に接続される。また、第2シャント抵抗252は、負荷132と並列に電気的に接続される。
センサ112A及びセンサ112Cはセンサ112の一部を構成するものである。実施形態に応じて、センサ112A及び112Cは省略されてよい。スイッチQ1に含まれる第1FET206とスイッチQ2に含まれる第2FET210は、それぞれ電気回路を開閉する開閉器の役割を果たす。開閉器としては、FETだけでなく、IGBT、コンタクタなどの様々な素子を、スイッチQ1及びQ2を構成するために用いることができることは当業者にとって明らかであろう。また、スイッチQ1及びQ2は、同一の特性を有していることが好ましいが、そうでなくてもよい。従って、スイッチQ1及びQ2として用いるFET、IGBT、コンタクタ等は、同一の特性を有していることが好ましいが、そうでなくてもよい。なお、スイッチQ1及びQ2に対して同一の特性を有するものを採用した場合、スイッチQ1とスイッチQ2の1つ当たりの調達コストを下げられる。これにより、制御装置200Aをより低コストで製造することが可能になる。
コンバータ208は、DC/DCコンバータであってよい。コンバータ208は、例えばスイッチング・レギュレータであり、FET214、ダイオード216、インダクタ218及びキャパシタ220を含みうる。コンバータ208が電源110の出力電圧を変換して、変換された出力電圧がVoutとなるように、制御部106はコンバータ208を制御してよい。ここで、コンバータ208は、制御部106による制御により、少なくともスイッチQ2がオン状態である間は、一定の電圧を出力するよう構成されていることが好ましい。また、コンバータ208は、制御部106による制御により、スイッチQ1がオン状態である間も、一定の電圧を出力するように構成されていてもよい。なお、この場合において、コンバータ208が出力する電圧が、厳密に一定であることを要しない。コンバータ208の目標電圧が所定の期間に亘って一定に維持されていれば、コンバータ208は、一定の電圧を出力するように構成されていると言える。なお、スイッチQ1がオン状態である間に制御部106による制御によりコンバータ208が出力する一定の電圧と、スイッチQ2がオン状態である間に制御部106による制御によりコンバータ208が出力する一定の電圧は、同じでもよいし異なっていてもよい。これらが異なる場合、スイッチQ1がオン状態である間に制御部106による制御によりコンバータ208が出力する一定の電圧は、スイッチQ2がオン状態である間に制御部106による制御によりコンバータ208が出力する一定の電圧より、高くてもよいし低くてもよい。かかる構成によれば、電圧や他のパラメータが安定するため、エアロゾルの残量の検出精度が向上することになる。更に、スイッチング・レギュレータをコンバータ208に用いることで、コンバータ208に入力される電圧を一定の電圧に変換する際の損失を小さくすることができる。これにより、エアロゾルの残量の検出精度を向上させつつも、エアロゾルを1回の充電でより多く生成することができる。コンバータ208は、制御部106による制御により、スイッチQ1のみがオン状態である間は、電源110の出力電圧が直接第1回路202に印加されるように構成されていてもよい。このような態様は、制御部106が、スイッチング・レギュレータ208をスイッチング動作が停止する直結モードで制御することによって実現されてもよい。なお、コンバータ208は必須のコンポーネントではなく、省略することも可能である。また、コンバータ208は図2Aに図示された降圧型であってもよいし、昇圧型であってもよいし、昇降圧型であってもよい。なお、コンバータ208の制御は、制御部106以外の別の制御部によって行われてもよい。この別の制御部は、コンバータ208内に設けられてもよい。この場合においては、センサ112Cによって検知された値は、この別の制御部に少なくても入力される。なお、この場合においても、センサ112Cによって検知された値は、制御部106に入力されてもよい。
レギュレータ242は、例えばリニア・レギュレータ、特にLDO(Low Drop−Out Regulator)であってよい。レギュレータ242は、制御部106の電源端子に電気的に接続されており、制御部106を駆動するための電圧VMCUを生成する。
電圧VMCUは、制御部106を駆動するための電圧であるために、比較的低い電圧であってよい。一方で、電圧Voutは負荷132に印加される電圧に関係するものであり、霧化効率を向上させるために比較的高い電圧であることが好ましい。従って、一般的に、電圧Voutは電圧VMCUよりも高い。そのため、制御装置200Aにおいて、電圧Voutは、電圧VMCUに等しい電圧Vop−ampよりも高い。従って、制御装置200Aは、少なくとも、その最大電圧がVoutである第1領域(例えば、限定するわけではないが、290で示す領域)と、その最大電圧がVMCUである第2領域(例えば、限定するわけではないが、292で示す領域)とから構成されている。前述した通り、第2領域の最大電圧VMCUは、第1領域の最大電圧Voutよりも小さい。
なお、それぞれの領域内に昇圧装置が無い限り、最大電圧は領域全体に印加される電圧と等しい。つまり、前述した通り、第2領域に印加される電圧VMCUは、第1領域に印加される電圧Voutよりも小さいとも言える。
図1A及び図1Bに示される回路134は、電源110と負荷132とを電気的に接続し、第1回路202及び第2回路204を含みうる。第1回路202及び第2回路204は、電源110と負荷132の間において電気的に並列に接続される。第1回路202はスイッチQ1を含みうる。第2回路204はスイッチQ2及び第1シャント抵抗212を含みうる。従って、第1回路202は第2回路204よりも小さい電気抵抗値を有しうる。第1回路202から負荷132へと至る回路は、エアロゾル生成回路の少なくとも一部を構成するものである。
図2A及び図2Bにおいて点線矢印で示すように、制御部106は、スイッチQ1、スイッチQ2等を制御することができ、センサ112A及びセンサ112Cにより検知された値を取得することができる。制御部106は、スイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えることにより第1回路202を機能させ、スイッチQ2をオフ状態からオン状態に切り替えることにより第2回路204を機能させるように構成されてもよい。制御部106は、スイッチQ1及びQ2を交互に切り替えることにより、第1回路202及び第2回路204を交互に機能させるように構成されてもよい。
第1回路202はエアロゾル源の霧化に主に用いられる。スイッチQ1がオン状態に切り替えられて第1回路202が機能するとき、負荷132に電力が供給され、負荷132は加熱される。負荷132の加熱により、霧化部118A内の保持部130に保持されているエアロゾル源(図1Bのエアロゾル吸引器100Bの場合、エアロゾル基材116Bに担持されたエアロゾル源)が霧化されてエアロゾルが生成される。
第2回路204は、負荷132に印加される電圧に応じた電圧の値等を取得するために用いられる。オペアンプ262は、センサ112の一部を構成する電圧センサを構成するためのものである。制御装置200Aにおいて、オペアンプ262は増幅回路の一部を構成し、従って制御部106には、電圧Vsampleに応じた(正確には、電圧Vsampleと電圧Vrefとの差分に応じた)電圧Vanalogが印加される。Vanalogは、電圧Vsampleと電圧Vrefとの差分そのものでは無く、電圧Vsampleと電圧Vrefとの差分を増幅したものであってもよい。なお、オペアンプ262の図示されていない電源端子は、グラウンドに電気的に接続されていてよい。また、制御装置200Aにおいて、オペアンプ262の非反転入力端子に電気的に接続されるものと、反転入力端子に電気的に接続されるものとが逆となるように構成してもよい。従って、オペアンプ262の反転入力端子にダイオード268が電気的に接続される場合がある。
2−1−2 第2シャント抵抗252について
第2シャント抵抗252は、以下に詳述するように、負荷132がエアロゾル吸引器100から取り外されたときの電圧Vsample及びそれに応じた電圧Vanalogを安定させ、それによって、負荷132の取り外しを確実に検知するためのものである。
図3A及び図3Bは、それぞれ、負荷132が装着されているとき及び取り外されているときの、制御装置200Aの回路の一部を表す図である。また、以下の説明では、スイッチQ1はオフ状態であり、スイッチQ2はオン状態であるものとする。
負荷132が装着されているとき、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleは、第2シャント抵抗252、抵抗254及び負荷132の合成抵抗340(その電気抵抗値をR’で表す。)と、第1シャント抵抗212とによって電圧Voutが分圧された電圧となる。即ち、
ここで、
一方、負荷132が取り外されているとき、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleは、第1シャント抵抗212と、第2シャント抵抗252とによって電圧Voutが分圧された電圧となる。即ち、
前述した通り、第1シャント抵抗212と第2シャント抵抗252は、抵抗254や負荷132と比べて十分に大きな電気抵抗値を有する。従って、式(2)より明らかにR’はRshunt2と相違するから、式(1)及び(3)より、負荷132が装着されているときと取り外されているときとでは、電圧Vsampleは相違する。従って、電圧Vsampleに応じた電圧Vanalogも、負荷132が装着されているときと取り外されているときとでは相違することになる。これにより、制御部106は、印加される電圧に基づき、負荷132の着脱を検出することが可能である。
ここで、図3Cのように、第2シャント抵抗252が存在しないと仮定した制御装置200Aの回路について検討すると、負荷132が取り外されているとき、電源110から第1シャント抵抗212を通過し再び電源110へと戻る経路が閉回路を構成しなくなり、これにより電圧Vanalogの値が不安定なものとなってしまう。
従って、第2シャント抵抗252を設けることで、負荷132の着脱の検知における精度を大幅に向上させることができる。
2−1−3 ダイオード268について
ダイオード268は、以下に詳述するように、オペアンプ262の非反転入力端子に過電圧が印加されることを防ぐためのものである。
図3Dは、ダイオード268が存在しないと仮定した制御装置200Aの回路の一部を表す図である。
まず、図3Dに示される回路において、スイッチQ1がオン状態であり、スイッチQ2がオフ状態である場合を検討する。図2Bより、電圧Vsampleは電圧Voutと等しい。従って、
Vsample=Vout (4)
また、上述したように、
Vop−amp<Vout (5)
であるから、式(4)及び(5)より、
Vop−amp<Vsample (6)
このことは、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleが、オペアンプ262の電源電圧Vop−ampよりも高くなることを表している。このような場合、オペアンプ262の非反転入力端子には過電圧が印加されていることになり、オペアンプ262の誤動作を引き起こす虞がある。
次に、図3Dに示される回路において、スイッチQ1がオフ状態であり、スイッチQ2がオン状態である場合を検討する。第2シャント抵抗252、抵抗254及び負荷132の合成抵抗340(その電気抵抗値はR’で表される。)と、第1シャント抵抗212との合成抵抗342の電気抵抗値Rは、
R=Rshunt1+R’ (7)
合成抵抗340の電気抵抗値R’は式(2)の通りであるから、合成抵抗342の電気抵抗値Rは、
第1シャント抵抗212を流れる電流をIとおくと、
I=Vout/R (9)
であり、第1シャント抵抗212における電圧降下はI・Rshunt1であるから、電圧Vsampleは以下のように表せる。
式(10)によれば、Rshunt1及びRshunt2がRconnector及びRHTRよりも十分に大きければ、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleは十分に小さな値になる。従って、Vsampleは、オペアンプ262の電源電圧Vop−ampよりも高くならない。しかしながら、そうでない場合には、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleは、オペアンプ262の電源電圧Vop−ampよりも高くなってしまう。即ち、スイッチQ1がオフ状態であり、スイッチQ2がオン状態である場合であっても、オペアンプ262の非反転入力端子に印加される電圧Vsampleが過大となる場合がある。
図3Eは、上記過大な電圧の問題を解決するための、制御装置200Aにおけるダイオード268に係る等価回路350を表している。
352はオペアンプ262の非反転入力端子に、354はオペアンプ262が有する実質的な抵抗(以下、その電気抵抗値をRop−ampで表す。)に相当する。362及び364は、それぞれ、Vop−amp及びVsampleを発生する電圧源に相当する。
電圧Vop−ampが電圧Vsampleよりおおよそ高いとき、ダイオード268に順方向電流は流れないから、電流は372に示す向きのみに流れることになる。一方、電圧Vsampleが電圧Vop−ampよりおおよそ高いとき、ダイオード268に順方向電流が流れることになる。ここで、ダイオード268の順方向の電気抵抗値より抵抗354の電気抵抗値Rop−ampが十分に大きい場合には、過電圧を持つ電流の大半がダイオード268に流れることになる。
あまりに大きな電流がダイオード268に流れると、ダイオード268の逆流防止機能が低下し、電圧Vop−ampによって生じる電流が負荷132に貫流する虞がある。そのため、ダイオード268に流れる電流は、ダイオード268に依存する最大値を超えないようにする必要がある。以下、ダイオード268に流れる電流がその最大値を超えない条件について検討する。
等価回路350において、ダイオード268に許容される最大の順方向電流をIF_upperと、ダイオード268の順方向の電気抵抗値をRFとおくと、以下の条件を満たすのであれば、ダイオード268に流れる電流がその最大値を超えることはない。
ここで、上述したように、電圧Vsampleは電圧Voutを超えないから、結局、以下の条件を満たすのであれば、ダイオード268に流れる電流がその最大値を超えることはなく、ダイオード268の逆流防止機能が低下することはない。
このように、Voutの値が小さいほどダイオード268の順方向電流が小さくなるため、結果としてダイオード268を保護することができる。しかし、スイッチQ1のオン状態において、Voutはエアロゾルを生成する負荷132に印加される。従って、Voutを小さくし過ぎてしまうと、負荷132がエアロゾルを生成できない虞がある。そこで、Voutは、上述した式(12)の条件と、負荷132がエアロゾルを生成できる程度の電圧であるという条件を同時に満たす必要がある。本願発明者らが鋭意検討した結果、負荷132が常温において約2.4Ωの電気抵抗値を有する場合、Voutが3.3〜3.7V程度であれば、上述した2つの条件を同時に満たすことが判明した。また、負荷132が常温において約1.0Ωの電気抵抗値を有する場合、Voutが2.1〜2.5V程度であれば、上述した2つの条件を同時に満たすことが判明した。
上述した実施形態では、オペアンプ262の入力電圧Vsampleがオペアンプ262の電源電圧Vop−amp以下にするための回路構成について説明した。同様の課題は、オペアンプ262に代えてコンパレータを用いた場合にも生じ得る。このような場合においても、コンパレータの入力端子にアノードが接続されるダイオード268を用いれば、コンパレータの入力電圧がコンパレータの電源電圧以下にすることができる。
2−2 第2の制御装置について
2−2−1 回路構成
図2C及び図2Dは、本開示の別の一実施形態による、エアロゾル吸引器100用の制御装置200Bの概略的な回路構成を示す図である。図2Cには制御装置200Bの各要素に言及するための参照が付され、図2Dには説明で用いる電圧及び電気抵抗値についての参照等が付されている。制御装置200Aと制御装置200Bとは一部の構成が共通であり、図2A及び図2Bと図2C及び図2Dとで同じ符号は同じものを参照している。以下、制御装置200Bの制御装置200Aとの相違点について述べる。
制御装置200Bにおいて、ダイオード268は存在せず、また、オペアンプ262の電源端子には電圧Voutが印加されるように構成されている。従って、制御装置200Bにおいて、オペアンプ262の電源端子に印加される電圧Vop−ampはVoutに等しい。
また、制御装置200Bには、第1抵抗282及び第2抵抗284(以下、その電気抵抗値をそれぞれRdiv1及びRdiv2で表す。)から構成された分圧回路286が含まれている。分圧回路286は、電圧Vanalogを分圧して電圧V’analogを出力するものである。
更に、制御装置200Bにおいて、制御部106には電圧V’analogが入力される。
2−2−2 分圧回路286について
制御装置200Bにおいて、分圧回路286が存在しない場合、制御部106には電圧Vanalogが印加されることになる。ここで、制御装置200Bにおけるオペアンプ262の電源電圧はVoutであるから、オペアンプ262の出力電圧に応じた電圧Vanalogも、Voutに達する可能性がある。一方で、制御部106の電源電圧はVMCUであり、また、上述したように一般的にVMCU<Voutであるから、制御部106には、電源電圧であるVMCUよりも高い電圧Vanalogが印加され、過電圧となる可能性がある。
分圧回路286は、上記問題を防ぐためのものである。制御装置200Bにおいて、制御部106に印加される電圧V’analogと電圧Vanalogとの関係は、以下のように表される。
制御部106に過電圧が入力されないようにするためには、制御部106に入力される電圧V’analogが、その電源電圧VMCU以下であればよい。即ち、
制御装置200Bにおけるオペアンプ262が構成する増幅回路の増幅率をAdとおくと、
電圧Vsampleは電圧Voutを超えないから、
式(14)及び(16)より、電圧VMCUと電圧Voutとが以下の関係を満たすのであれば、上記過電圧の問題は生じない。
従って、式(18)を満たすVoutを出力するようにコンバータ208を調整すること、及び、式(18)を満たすように分圧回路286の第1抵抗282及び第2抵抗284の電気抵抗値Rdiv1及びRdiv2を設定することの一方又は双方を行うことによって、制御部106に過電圧が印加されることを防ぐことができる。別の観点から述べると、式(18)によれば、分圧回路286の第1抵抗282及び第2抵抗284の電気抵抗値Rdiv1及びRdiv2を固定した場合の、コンバータ208の出力電圧Voutの上限値が定まることになる。
このように、Voutの値が小さいほどVanalogが小さくなるため、結果として制御部106を保護することができる。しかし、スイッチQ1のオン状態において、Voutはエアロゾルを生成する負荷132に印加される。従って、Voutを小さくし過ぎてしまうと、負荷132がエアロゾルを生成できない虞がある。そこで、Voutは、上述した式(18)の条件と、負荷132がエアロゾルを生成できる程度の電圧であるという条件を同時に満たす必要がある。本願発明者らが鋭意検討した結果、負荷132が常温において約2.4Ωの電気抵抗値を有する場青、Voutが3.3〜3.7V程度であれば、上述した2つの条件を同時に満たすことが判明した。また、負荷132が常温において約1.0Ωの電気抵抗値を有する場合、Voutが2.1〜2.5V程度であれば、上述した2つの条件を同時に満たすことが判明した。
3 エアロゾル吸引器用の制御装置の動作
3−1 主処理について
図4A及び図4Bは、負荷132の温度を測定し、エアロゾル源の残量を検出するための例示の主処理400のフローチャートである。なお、主処理400は、制御装置200A又は制御装置200Aが含む制御部106が実行するものであり、エアロゾル吸引器100が動作している間、繰り返されるものである。
ステップ410は、第1条件及び第2条件を満たしているかを判定するステップを示している。第1条件及び第2条件を満たしていると判定された場合、処理はステップ420に進み、そうでない場合、ステップ410を繰り返す。第1条件と第2条件については、後述する。
後述する後続のステップ450において、エアロゾル源を霧化するためにスイッチQ1がオン状態とするための信号が送信される。ステップ410により、第1条件と第2条件の少なくとも一方が満たされない場合には、ステップ450に進まず、従って、スイッチQ1をオン状態とすることが禁止されることになる。
ステップ420は、エアロゾルの生成要求を検知したかを判定するステップを示している。エアロゾルの生成要求を検知したと判定した場合、処理はステップ430に進み、そうでない場合、ステップ420を繰り返す。
制御部106は、例えば、圧力センサや流速センサ、流量センサ等から得られた情報に基づき、ユーザによる吸引開始を検知した場合に、エアロゾルの生成要求を検知したと判定してよい。より詳細には、例えば、制御部106は、圧力センサの出力値即ち圧力が所定の閾値を下回った場合に、ユーザによる吸引開始が検知されたと判定することができる。また、例えば、制御部106は、流速センサ又は流量センサの出力値即ち流速又は流量が所定の閾値を越えた場合に、ユーザによる吸引開始が検知されたと判定することができる。かかる判定手法においては、ユーザの感覚に合ったエアロゾル生成が可能なため、流速センサ又は流量センサは特に好適である。あるいは、制御部106は、これらのセンサの出力値が連続的に変化し始めた場合、ユーザによる吸引開始が検知されたと判定してもよい。あるいは、制御部106は、エアロゾルの生成を開始するためのボタンが押されたことなどに基づいて、ユーザによる吸引開始が検知されたと判定してもよい。あるいは、制御部106は、圧力センサ、流速センサ又は流量センサから得られた情報とボタンの押下の双方に基づいて、ユーザによる吸引開始が検知されたと判定してもよい。
ステップ430は、カウンタが所定のカウンタ閾値以下かを判定するステップを示している。カウンタが所定のカウンタ閾値以下である場合、処理はステップ440に進み、そうでない場合、処理は後述する図4Bのステップ464に進む。
所定のカウンタ閾値は、1以上の所定の値であってよい。ステップ430の意義については、後述する。ステップ435は、コンバータ208を、後述するステップ534にて設定された出力電圧Voutを発生するように制御するステップを示している。このステップは、コンバータ208が既に電圧Voutを出力している場合には何もしないステップであってよい。また、このステップは、負荷132に電力を供給する前であれば、どのタイミングで実行されてもよい。
ステップ440は、負荷132への給電が停止してから所定の冷却時間が経過したかを判定するステップを示している。負荷132への給電が停止してから所定の冷却時間が経過したと判定した場合、処理はステップ442に進み、そうでない場合、処理はステップ448に進む。
ステップ442は、負荷132の電気抵抗値を取得するために、スイッチQ2をオン状態にするための信号を送信するステップを示している。ステップ443は、制御部106に印加される電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき、負荷132の電気抵抗値をR2として取得し、少なくとも一時的にメモリ114に記憶するステップを示している。後述するように、この電気抵抗値R2は、負荷132の温度と電気抵抗値の相関を較正するために用いられるものである。
電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき負荷132の電気抵抗値を求める手法は、任意である。例えば、負荷132電気抵抗値は電圧Vanalog又は電圧V’analogの値の関数であるから、当該関数を実験的に又は計算によりあらかじめ求めておき、当該関数に従いステップ443において負荷132の電気抵抗値を取得することができる。
なお、電圧Vanalog又は電圧V’analogは、オペアンプ262の出力に応じた電圧であるから、電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき負荷132の電気抵抗値を取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。
また、電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき負荷132の電気抵抗値を取得する処理は、明らかに、制御部206に印加される電圧に基づく処理でもある。
ステップ444は、スイッチQ2をオフ状態にするための信号を送信するステップを示している。
ステップ445は、後述するステップ455において負荷132の温度を取得するために、負荷132の温度と電気抵抗値の相関を較正すべく、基準抵抗値Rrefを表す変数に、直前のステップ443において取得した電気抵抗値R2を代入するステップを示している。
ステップ448は、基準抵抗値Rrefを表す変数に、前回以前のステップ443において取得した電気抵抗値R2の何れか、又は、後述するカートリッジ104Aの交換時に取得した負荷132の電気抵抗値R1の値を代入するステップを示している。
なお、エアロゾル吸引器100の動作中に基準抵抗値Rrefを表す変数の値が保持されるのであれば、ステップ448は、基準抵抗値Rrefを表す変数の値が設定されていない場合に当該変数に電気抵抗値R1の値を代入し、そうでない場合に何もしないステップであってもよい。
なお、ステップ445及びステップ448おける代入は、負荷132の温度と電気抵抗値との相関を表す後述するステップ455において用いる式によって計算される負荷132の温度THTRの精度を向上させるものであり、当該相関を較正する処理の一例である。
ステップ450は、エアロゾル源を霧化するためにスイッチQ1をオン状態にするための信号を送信するステップを示している。ステップ451は、負荷132の電気抵抗値を取得するために、スイッチQ2をオン状態にするための信号を送信するステップを示しており、ステップ452は、精度よく負荷132の電気抵抗値を取得するために、スイッチQ1をオフ状態にするための信号を送信するステップを示している。ステップ451及び452の順序はどちらが先であっても同時であっても構わないが、スイッチに信号を送ってから実際に状態が変化するまでの遅延を考慮すると、ステップ451はステップ452よりも前であることが好ましい。
ステップ453は、制御部106に印加される電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき、負荷132の電気抵抗値をR3として取得するステップを示している。ステップ454は、スイッチQ2をオフ状態とする信号を送信するステップを示している。
ステップ455は、負荷132の温度THTRを取得するステップを示している。負荷132の温度THTRの値は、以下の式により求めることが可能である。
ここで、Trefは所定の基準温度であり、その電気抵抗値がRrefであるときの負荷132の温度に等しいか、又は、当該温度近傍の温度であることが好ましい。例えば、Trefをエアロゾル吸引器100の使用が想定される周囲温度(例えば、室温又は25℃)に設定しておけば、ステップ443や後述するステップ530の実行時における負荷132の温度は、そのようなTrefの近傍の温度となるであろう。αTCRは、負荷132の材質に依存する既知の定数である。
なお、上述したように、式(19)におけるRref及びR3を取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。従って、式(19)に従い負荷132の温度THTRを取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。同様に、式(19)に従い負荷132の温度THTRを取得する処理は、制御部206に印加される電圧に基づく処理でもある。
ステップ460は、直前のステップ455において取得した負荷132の温度THTRをデータ構造であるリストに追加して、後で参照できるようにするステップを示している。なお、リストは例示にすぎず、ステップ460においては配列等複数のデータを保持可能な任意のデータ構造を用いてよい。なお、後述するステップ470において処理がステップ480へ進むと判断されない限り、ステップ460の処理は複数回実行される。ステップ460が複数回実行される場合、データ構造における負荷132の温度THTRは、上書きされず、ステップ460の処理が実行される回数だけ追加される。
ステップ462は、直前のステップ455において取得した負荷132の温度THTRが、所定の第1閾値未満であるかを判定するステップを示している。負荷132の温度THTRが第1閾値未満である場合、処理はステップ470に進み、そうでない場合、処理はステップ464に進む。
第1閾値は、負荷132の温度が超えた場合に、エアロゾル源の枯渇が強く疑われる温度であることが好ましく、例えば300℃である。ステップ464は、スイッチQ1がオン状態となることを禁止するステップを示している。
このステップは、第1条件に係るフラグをメモリ114において設定するステップであってよく、このフラグは、カートリッジ104Aが交換されたときに解除されるものであってよい。即ち、この例では、第1条件はカートリッジ104Aが交換されることであり、当該フラグが解除されるまで即ちカートリッジ104Aが交換されるまで第1条件は満たされないことになり、ステップ410における判定は偽となる。換言すれば、当該フラグが解除されない限り、ステップ410における判定は真とならない。
なお、ステップ462及び464は、負荷132の温度THTRに基づく処理であり、上述したように、式(19)に従い負荷132の温度THTRを取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。従って、ステップ462及び464に係る処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理でありうる。同様に、ステップ462及び464に係る処理は、制御部206に印加される電圧に基づく処理でもありうる。
ステップ466は、通知部108上のUI(ユーザ・インターフェース)において所定の通知を行うステップを示している。この通知は、カートリッジ104Aを交換すべきことを示す通知であってよい。
ステップ470は、エアロゾル生成要求が終了したかを判定するステップを示している。エアロゾル生成要求が終了したと判定された場合、処理はステップ480に進み、そうでない場合、処理はステップ450に戻る。制御部106は、例えば、圧力センサや流速センサ、流量センサ等から得られた情報に基づき、制御部106がユーザによる吸引終了を検知した場合に、エアロゾル生成要求が終了したと判定してよい。ここで、例えば、制御部106は、圧力センサの出力値即ち圧力が所定の閾値を越えた場合に、ユーザによる吸引終了が検知されたと、換言すればエアロゾルの生成が要求されていないと判定することができる。また、例えば、制御部106は、流速センサ又は流量センサの出力値即ち流速又は流量が所定の閾値を下回った場合に、ユーザによる吸引終了が検知されたと、換言すればエアロゾルの生成が要求されていないと判定することができる。なお、この閾値は、ステップ420における閾値より大きくても、当該閾値と等しくても、当該閾値より小さくてもよい。あるいは、制御部106は、エアロゾルの生成を開始するためのボタンが離されたことなどに基づいて、ユーザによる吸引終了が検知された、換言すれば、エアロゾルの生成が要求されていないと判定してもよい。あるいは、制御部106は、エアロゾルの生成を開始するためのボタンが押下されてから、所定時間が経過するなどの所定の条件が満たされたら、ユーザによる吸引終了が検知されたと、換言すればエアロゾルの生成が要求されていないと判定してもよい。
ステップ480は、負荷132の1以上の温度THTRが保持されているリストにおける最大値が、所定の第2の閾値未満かを判定するステップを示している。当該最大値が第2閾値未満である場合、処理はステップ488に進み、そうでない場合、処理はステップ482に進む。
第2閾値は、負荷132の温度が超えた場合に、エアロゾル源の枯渇が疑われるものの、貯留部116Aからエアロゾル源の供給が間に合わない等による保持部130におけるエアロゾル源の一時的な不足の可能性もある温度であることが好ましい。従って、第2閾値は第1閾値より小さくてよく、例えば250℃である。
ステップ482は、スイッチQ1がオン状態となることを一時的に禁止するステップを示している。このステップは、第2条件に係るフラグをメモリ114において設定するステップであってよく、このフラグは、当該フラグの設定から所定時間経過したときに解除されるものであってよい。即ち、この例では、第2条件はフラグが設定されてから所定時間が経過することであり、当該フラグが解除されるまで即ち当該フラグの設定から所定時間が経過するまで第2条件は満たされないことになり、ステップ410における判定は一時的に偽となる。換言すれば、当該フラグが解除されない限り、ステップ410における判定は真とならない。なお、所定時間は10秒以上、例えば11秒であってよい。
なお、ステップ480及び482は、負荷132の温度THTRに基づく処理であり、上述したように、式(19)に従い負荷132の温度THTRを取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。従って、ステップ480及び482に係る処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理でありうる。同様に、ステップ480及び482に係る処理は、制御部206に印加される電圧に基づく処理でもありうる。
ステップ484は、通知部108上のUIにおいて所定の通知を行うステップを示している。
この通知は、エアロゾルの吸引をしばらく待つよう促す通知であってよい。
ステップ486は、カウンタをインクリメント、例えばカウンタに1を加算するステップを示している。ステップ488は、カウンタ及びリストを初期化するステップを示している。このステップにより、カウンタは0となり、リストは空となってよい。
本実施形態においては、エアロゾル生成要求が終了した後のステップ480において、負荷132の温度THTRと第2閾値を比較している。本実施形態に代えて、エアロゾル生成要求が終了する前に負荷132の温度THTRと第2閾値を比較してもよい。この場合、負荷132の温度THTRが第2閾値以上と判断された場合、エアロゾル生成要求が終了するまで、負荷132の温度THTRと第2閾値の比較をこれ以上行わなくてもよい。
3−2 補助処理について
図5は、主処理400を補助する例示の処理500のフローチャートである。補助処理500は、主処理400と同時に又は並列に実行することができる。
ステップ510は、カートリッジ104Aの交換を検知したかを判定するステップを示している。カートリッジ104Aは負荷132を含むものであるから、制御部106は、2−1−2にて述べたように、電圧Vanalog(又は電圧’Vanalog)に基づき負荷132の着脱を検知することによって、カートリッジ104Aの交換を検知することができる。カートリッジ104Aの交換を検知した場合、処理はステップ520に進み、そうでない場合、ステップ510を繰り返す。
ステップ520は、負荷132の電気抵抗値を取得するために、スイッチQ2をオン状態にするための信号を送信するステップを示している。ステップ530は、制御部106に印加される電圧Vanalog又は電圧V’analogに基づき、負荷132の電気抵抗値をR1として取得し、少なくとも一時的にメモリ114に記憶するステップを示している。
ステップ532は、交換されたカートリッジ104Aの種類を識別するステップを示している。カートリッジ104Aの種類の識別は、ステップ530にて取得した電気抵抗値R1に基づき、当該カートリッジが含む負荷132の種類(材質を含み、例えば、ニクロムであるかSUSであるか)を特定することを含む。
ステップ534は、特定した負荷132の種類に基づき、負荷132に最適な出力電圧Voutを設定するステップを示している。2−1で述べたようなオペアンプ262の入力電圧Vsampleがオペアンプ262の電源電圧Vop−ampより高くなりえる実施形態においては、最適な出力電圧Voutは、ダイオード268の過電圧による誤動作を防ぎ、且つ、負荷132がエアロゾルを生成可能となる電圧であることが好ましい。より詳細には、最適な出力電圧Voutは、ダイオード268に流れる順方向電圧が許容値を超えず、且つ、負荷132がエアロゾルを生成可能となる電圧であることが好ましい。
2−2で述べたような制御部106に入力される電圧Vanalogが制御部106の電源電圧VMCUより高くなりえる実施形態においては、最適な出力電圧Voutは、制御部106の過電圧による誤動作を防ぎ、且つ、負荷132がエアロゾルを生成可能となる電圧であることが好ましい。より詳細には、制御部106に入力される電圧Vanalog若しくは電圧V’analogが制御部106の電源電圧VMCU以下となり、且つ、負荷132がエアロゾルを生成可能となる電圧であることが好ましい。本願発明者らが鋭意検討した結果、負荷132が常温において約2.4Ωの電気抵抗値を有する場合、Voutが3.3〜3.7V程度であれば、上述した最適な出力電圧Voutが満たすべき条件を満たすことが判明した。また、負荷132が常温において約1.0Ωの電気抵抗値を有する場合、Voutが2.1〜2.5V程度であれば、上述した2つの条件を同時に満たすことが判明した。このように負荷132の種類に応じて、複数の最適な出力電圧Vout又は最適な出力電圧Voutの範囲が求まる。コンバータ208は、負荷132の種類に応じて、複数のそのような電圧又はそのような範囲の電圧を出力可能なように構成することができる。
なお、ステップ532及び534はR1に基づく処理であり、R1を取得する処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。従って、ステップ532及び534に係る処理は、オペアンプ262の出力に応じた電圧に基づく処理である。同様に、テップ532及び534に係る処理は、制御部206に印加される電圧に基づく処理でもある。
ステップ540は、スイッチQ2をオフ状態にするための信号を送信するステップを示している。ステップ550は、処理400において使用される上述したカウンタ及びリストを初期化するステップを示している。
上述したステップ462、ステップ480、ステップ510は、オペアンプ262の出力に応じた電圧であるアナログ信号を、制御部106の内部に設けられたA/Dコンバータでデジタル値に変換し、これを所定の閾値と比較することで実現できる。この方法に替えて、オペアンプ262の代わりにコンパレータを用い、且つ、コンパレータの基準電圧を所定の閾値に対応する値にすることで、上述したステップ462、ステップ480、ステップ510を実現することができる。このようにコンパレータを用いる場合でも、前述したダイオード268や分圧回路286によって、コンパレータや制御部を過電圧から保護できることは、当業者であれば明らかであろう。
4 おわりに
以上、本開示の実施形態が説明されたが、これらが例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本開示の範囲は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。