JP6808407B2 - 試験用電源装置 - Google Patents

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本発明は、試験用電源装置に係り、さらに詳しくは、基本周波数の交流電源の供給を受ける検査対象装置に対して電源を供給する試験用電源装置の改良に関する。
商用電源から基本周波数の交流電源が供給される電力装置には、太陽電池や燃料電池の出力変換を行うPCS(Power Conditioning System)等がある。この種の電力装置は、商用電源の電圧変動に対する耐性試験に適合することが求められる。例えば、EMC(Electro-Magnetic Compatibility:電磁両立性)試験規格では、基本周波数の電圧波形に様々な周波数の電圧波形が妨害波として重畳された合成波に対するイミュニティ(電磁的な耐性)が要求される。耐性試験では、電源装置から供給される電圧波形が歪んでいても電力装置が正常に動作するか否かが判別される。
上述した耐性試験を行うための試験用電源装置は、ACシミュレータと呼ばれ、リニアアンプ方式の電源装置が知られている。リニアアンプ方式の電源装置は、信号発生器により生成される高調波信号を基本周波数の信号に加算し、能動素子の増幅作用を利用して電力増幅を行う装置であり、定格出力は高々数kVA〜数十kVA程度である。このため、大容量のPCSの耐性試験には適さないという問題があった。
そこで、インバータ方式の電源装置を用いて耐性試験を行うことが考えられる。インバータ方式の電源装置は、複数のスイッチング素子からなるインバータを所定のスイッチング周波数で動作させることによって合成波を生成する装置であり、大容量化が容易である。例えば、基本周波数は50Hz又は60Hzであることから、数kHz〜十数kHz程度のスイッチング周波数が使用される。ところが、上述したEMC試験規格では、基本周波数の40倍といった高次の高調波を生成する必要があり、数kHz〜十数kHz程度のスイッチング周波数で高次の高調波を生成すると、分解能不足によって電圧波形に歪みが生じてしまうという問題がある。
一方、スイッチング周波数を高くすることにより、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができるが、スイッチング周波数を高くすれば、スイッチングによる電力損失が増大してしまうという問題がある。
そこで、基本波に妨害波が重畳された電源を生成するために、基本波を生成するインバータと、妨害波を生成するインバータとを用いることが考えられる。基本波用のインバータよりも高いスイッチング周波数で妨害波用のインバータを動作させれば、スイッチング動作による電力損失の増大を抑制しつつ、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができる。しかしながら、基本波に妨害波を重畳させるために基本波用インバータの出力と妨害波用インバータの出力とをトランスで結合したとしても、所望の負荷電流が得られないという問題がある。例えば、負荷電流の実効値に対する指令値を小さくすることにより、基本波用インバータに対し、負荷電流の実効値を小さくする制御を行ったとしても、検査対象装置に出力される負荷電流が十分に減少しない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スイッチング動作による電力損失の増大を抑制しつつ、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができるとともに、所望の負荷電流を生成することができる試験用電源装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による試験用電源装置は、基本周波数の試験用電源装置であって、上記基本周波数の電圧波形からなる基本波を生成する低帯域インバータと、上記基本周波数よりも高い高帯域テスト周波数の電圧波形からなる妨害波を生成する高帯域インバータと、上記低帯域インバータ及び上記高帯域インバータが1次コイル及び2次コイルにそれぞれ接続され、上記基本波に上記妨害波を重畳させるトランス結合回路と、上記検査対象装置に出力される負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、上記負荷電流に基づいて、上記高帯域インバータを制御するインバータ制御手段とを備える。
この様な構成によれば、低帯域インバータ及び高帯域インバータのスイッチング動作によって電力増幅が行われるため、大容量化が容易である。また、高帯域インバータによって妨害波が生成されるため、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができる。また、トランス結合回路が基本波に妨害波を重畳させるため、1つのインバータによって電力増幅が行われる場合に比べ、スイッチング動作による電力損失の増大を抑制することができる。さらに、検査対象装置に出力される負荷電流に基づいて、高帯域インバータが制御されるため、トランス結合回路の1次コイルに負荷電流に応じた出力電流を発生させることができる。
本発明の第2の態様による試験用電源装置は、上記構成に加え、上記インバータ制御手段が、上記負荷電流に対する指令値と上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値との誤差に基づいて、上記低帯域インバータをフィードバック制御する一方、上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値を電流指令値として用いて上記高帯域インバータをフィードフォワード制御するように構成される。
この様な構成によれば、低帯域インバータに対するフィードバック制御により、低帯域インバータから所望の負荷電流を出力させることができる。また、高帯域インバータに対するフィードフォワード制御により、負荷電流に対する指令値に応じた出力電流をトランス結合回路の1次コイルに発生させることができる。
本発明の第3の態様による試験用電源装置は、上記構成に加え、上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値を上記トランス結合回路の2次コイル側の位相に整合させる位相整合回路を備え、上記インバータ制御手段が、上記位相整合回路による整合後の検出値を電流指令値として用いて上記高帯域インバータをフィードフォワード制御するように構成される。
この様な構成によれば、トランス結合回路の1次コイル側と2次コイル側との間における位相のずれを考慮して負荷電流の検出値から電流指令値が生成されるため、1次コイルに発生する出力電流の位相が負荷電流に対してずれるのを防止することができる。
本発明の第4の態様による試験用電源装置は、上記構成に加え、上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値からなる上記電流指令値に対し、ピークが一定レベルを超えないように制限するピークカット回路を備えて構成される。この様な構成によれば、負荷の短絡時等に、過電流がトランス結合回路の1次コイルに発生するのを防止することができる。
本発明の第5の態様による試験用電源装置は、上記構成に加え、上記トランス結合回路の上記1次コイルに並列に接続され、閉状態においてバイパス経路を形成する開閉器と、上記開閉器を開状態及び閉状態間で切り替える開閉器制御手段とを備え、上記低帯域インバータが、上記基本波に低帯域テスト周波数の電圧波形が重畳された合成波を生成し、上記開閉器制御手段が、上記低帯域テスト周波数の電源から上記高帯域テスト周波数の電源に変更する場合に、上記開閉器を上記閉状態から開状態に切り替えることにより、上記バイパス経路を遮断するように構成される。
この様な構成によれば、開閉器を切り替えることにより、低帯域テスト周波数の電圧波形が基本波に重畳された合成波からなる電源と、高帯域テスト周波数の妨害波が基本波に重畳された電源とを任意に選択することができる。
本発明の第6の態様による試験用電源装置は、上記構成に加え、上記インバータ制御手段が、上記低帯域テスト周波数の電源を生成する場合に、上記低帯域インバータに上記合成波を生成させる一方、上記高帯域インバータを停止させ、上記高帯域テスト周波数の電源を生成する場合に、上記低帯域インバータに上記基本波を生成させ、かつ、上記高帯域インバータに上記妨害波を生成させ、上記開閉器制御手段が、上記高帯域インバータが動作を開始した後、上記開閉器を上記閉状態から開状態に切り替えるように構成される。
この様な構成によれば、低帯域テスト周波数の電源から高帯域テスト周波数の電源に変更する場合、開閉器が開状態に切り替えられるよりも前に、高帯域インバータの動作が開始されるため、バイパス経路の遮断直後であっても、トランス結合回路の1次コイルに負荷電流に応じた出力電流を発生させることができる。
本発明によれば、スイッチング動作による電力損失の増大を抑制しつつ、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができるとともに、所望の負荷電流を生成することができる。
本発明の実施の形態による試験用電源装置1の一構成例を示したシステム図である。 図1の電源生成ユニット12の構成例を示した図である。 図2の高帯域インバータ123及びトランス結合回路124の詳細を示した図である。 図2のインバータ制御回路129の構成例を示したブロック図である。 図2の電源生成ユニット12の動作例を示した図である。 図1の情報処理端末11内の機能構成の一例を示したブロック図である。 図6の情報処理端末11における高帯域テストの開始時の動作例を示したフローチャートである。 図6の情報処理端末11における高帯域テストの終了時の動作例を示したフローチャートである。 図6の情報処理端末11における故障検出時の動作例を示したフローチャートである。
<試験用電源装置1>
図1は、本発明の実施の形態による試験用電源装置1の一構成例を示したシステム図である。図中には、検査対象のPCS(Power Conditioning System)2に接続された試験用電源装置1が示されている。PCS2は、太陽電池又は燃料電池で発電された直流電力を交流電力に変換し、安定した電圧及び周波数で電力系統へ出力する電力変換装置である。
試験用電源装置1は、基本周波数f0の交流電源の供給を受ける検査対象装置に対し、電源を供給するACシミュレータであり、基本周波数f0の電圧波形に様々な周波数の電圧波形が妨害波として重畳された合成波を生成して各種の耐性試験を行う。この試験用電源装置1は、基本周波数f0や耐性試験のためのテスト周波数を指定する情報処理端末11と、情報処理端末11からのテスト周波数指示に基づいて、合成波を生成し、PCS2に電源として印加する電源生成ユニット12とにより構成される。
情報処理端末11は、例えば、耐性試験用のアプリケーションプログラムに基づいて動作するパーソナルコンピュータである。この情報処理端末11は、閾値周波波fts1未満の低帯域テスト周波数f1を指定し、或いは、閾値周波数fts2以上の高帯域テスト周波数f2を指定するためのテスト周波数指示を生成し、電源生成ユニット12へ出力する。
閾値周波数fts1及びfts2は、いずれも基本周波数f0よりも高い周波数の固定値であり、予め定められる。閾値周波数fts1は、閾値周波数fts2以上である。低帯域テスト周波数f1及び高帯域テスト周波数f2は、ユーザ操作に基づいて指定され、或いは、予め定められたテストスケジュールに従って自動的に指定される。
基本周波数f0は、商用電源の周波数に対応し、例えば、f0=50Hzである。情報処理端末11は、基本周波数f0の12倍以下の範囲内で予め定められる周波数を閾値周波数fts1及びfts2として、低帯域テスト周波数f1及び高帯域テスト周波数f2を指定する。閾値周波数fts1及びfts2は、例えば、fts1=fts2であり、基本周波数f0の9倍、すなわち、fts1及びfts2=450Hzが用いられる。
低帯域テスト周波数f1は、基本周波数f0の0.33倍以上9倍未満の範囲内で指定される。一方、高帯域テスト周波数f2は、基本周波数f0の9倍以上40倍以下の範囲内で指定される。この様な構成を採用することにより、EMC試験規格で定められた様々な耐性試験を行うことができる。
例えば、個別高調波試験、次数間高調波試験及び周波数スイープ試験を行うことができる。個別高調波試験は、2次から40次までの高調波を順次に重畳させる耐性試験である。次数間高調波試験は、基本周波数f0の非整数倍の電圧波形を次数間高調波と呼び、この次数間高調波を重畳させる耐性試験である。周波数スイープ試験は、0.33次から40次までの高調波を段階的又は連続的に重畳させる耐性試験である。なお、基本周波数f0がf0=60Hzであれば、閾値周波数fts1及びfts2には、540Hzが用いられる。
電源生成ユニット12は、商用電源3から供給される電力を利用して所望の交流電圧を電源として生成するインバータユニットである。商用電源3は、例えば、3相3線式で周波数が50Hz、電圧の実効値が420Vの交流電力を電源生成ユニット12に供給する。
<電源生成ユニット12>
図2は、図1の電源生成ユニット12の構成例を示した図である。この電源生成ユニット12は、コンバータ121、低帯域インバータ122、高帯域インバータ123、トランス結合回路124、開閉器125、出力端子126、コンバータ制御回路127、インバータ制御回路128,129、電流計131,132、電圧計133,134及び双方向サイリスタ135により構成される。
コンバータ121は、商用電源3を利用して直流電圧を生成する変換器であり、複数のスイッチング素子、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)からなる。このコンバータ121は、商用電源3から入力される交流電圧を直流電圧に変換し、低帯域インバータ122及び高帯域インバータ123へ出力する。コンバータ121の各スイッチング素子は、ゲート駆動信号GSによってスイッチングする。コンバータ121から出力される直流電圧は、例えば、650Vである。
低帯域インバータ122は、コンバータ121から入力される直流電圧を低帯域の交流電圧に変換し、トランス結合回路124又は開閉器125を介して出力端子126から出力するスイッチング方式の変換器であり、複数のスイッチング素子、例えば、IGBTからなる。低帯域インバータ122の各スイッチング素子は、ゲート駆動信号GS1によってスイッチングする。
この低帯域インバータ122は、所定のスイッチング周波数fs1、例えば、fs1=7kHzで動作し、基本周波数f0の電圧波形からなる基本波を生成し、或いは、当該基本波に低帯域テスト周波数f1の電圧波形が妨害波として重畳された合成波を生成する。低帯域インバータ122により基本波に重畳される妨害波の電圧レベルは、基本波の電圧レベルの0〜十数%程度である。なお、スイッチング周波数fs1は、数kHzを上回る周波数、例えば、十数kHz、具体的には、16kHz〜18kHzであってもよい。
また、低帯域インバータ122は、基本周波数f0の整数倍の高調波が妨害波として重畳され、或いは、基本周波数f0の非整数倍の次数間高調波が妨害波として重畳された合成波を生成する。次数間高調波には、基本周波数f0の1倍未満の電圧波形が含まれる。
高帯域インバータ123は、コンバータ121から入力される直流電圧を高帯域の交流電圧に変換し、トランス結合回路124へ出力するスイッチング方式の変換器であり、複数のスイッチング素子からなる。高帯域インバータ123の各スイッチング素子は、ゲート駆動信号GS2によってスイッチングする。
この高帯域インバータ123は、低帯域インバータ122よりも高いスイッチング周波数fs2、例えば、fs2=42kHzで動作し、高帯域テスト周波数f2の電圧波形からなる妨害波を生成する。また、高帯域インバータ123は、基本周波数f0の整数倍の高調波又は基本周波数f0の非整数倍の次数間高調波を妨害波として生成する。
また、高帯域インバータ123は、低帯域インバータ122よりも出力が小さい。例えば、低帯域インバータ122の出力が800kVA程度であるのに対し、高帯域インバータ123の出力は、150kVA程度であり、低帯域インバータ122の1/5以下である。
トランス結合回路124は、低帯域インバータ122により生成される基本波に対し、高帯域インバータ123により生成される妨害波を重畳させるための変圧器回路であり、低帯域インバータ122及び高帯域インバータ123が1次コイル及び2次コイルにそれぞれ接続される。このトランス結合回路124により基本波に重畳される妨害波の電圧レベルは、基本波の電圧レベルの0〜十数%程度である。
開閉器125は、低帯域テスト周波数f1の電源を出力する場合に導通し、高帯域テスト周波数f2の電源を出力する場合に遮断する電磁開閉方式のスイッチであり、トランス結合回路124に並列に接続される。この開閉器125は、情報処理端末11からの開閉駆動信号KHにより、開状態(遮断状態)と閉状態(導通状態)とが切り替えられる。
双方向サイリスタ135は、高帯域インバータ123の故障が検出された際に導通する半導体スイッチング素子であり、2つのサイリスタを逆並列に接続することによって構成され、トランス結合回路124に並列に接続される。この双方向サイリスタ135は、情報処理端末11からのゲート駆動信号GKにより、遮断状態と導通状態とが切り替えられる。
電流計131は、出力端子126に接続されている負荷を流れる負荷電流Ioutを検出し、検出値をインバータ制御回路128及び129へ出力する電流検出器であり、低帯域インバータ122とトランス結合回路124との間に配置される。負荷電流Ioutは、低帯域インバータ122の出力電流である。
電流計132は、高帯域インバータ123の出力電流Iinvを検出し、検出値をインバータ制御回路129へ出力する電流検出器であり、高帯域インバータ123とトランス結合回路124との間に配置される。
電圧計133は、低帯域インバータ122の出力電圧Voutを検出し、検出値をインバータ制御回路128へ出力する電圧検出器であり、電流計131とトランス結合回路124との間に配置される。この電圧計133は、1次コイル及び2次コイルがそれぞれ交流の各相とデルタ結線される。
電圧計134は、高帯域インバータ123の出力電圧Vinvを検出し、検出値をインバータ制御回路129へ出力する電圧検出器であり、トランス結合回路124の1次コイルに並列に配置される。この電圧計134は、1次コイルが交流の各相とスター結線され、2次コイルが交流の各相とデルタ結線される。
コンバータ制御回路127は、コンバータ121を制御するための制御回路であり、ゲート駆動信号GSを生成し、コンバータ121へ出力する。インバータ制御回路128は、情報処理端末11からのテスト周波数指示に基づいて、低帯域インバータ122を制御する制御回路であり、負荷電流Iout及び出力電圧Voutを参照してゲート駆動信号GS1を生成し、低帯域インバータ122へ出力する。
このインバータ制御回路128は、負荷電流Ioutに対する指令値と電流計131による負荷電流Ioutの検出値との誤差に基づいて、低帯域インバータ122をフィードバック制御する。低帯域インバータ122に対するフィードバック制御により、低帯域インバータ122から所望の負荷電流Ioutを出力させることができる。
インバータ制御回路129は、情報処理端末11からのテスト周波数指示に基づいて、高帯域インバータ123を制御する制御回路であり、負荷電流Iout、出力電流Iinv及び出力電圧Vinvを参照してゲート駆動信号GS2を生成し、高帯域インバータ123へ出力する。
このインバータ制御回路129は、負荷電流Ioutに基づいて、高帯域インバータ123を制御する。すなわち、インバータ制御回路129は、電流計131による負荷電流Ioutの検出値を電流指令値として用いて高帯域インバータ123をフィードフォワード制御する。
検査対象のPCS2に出力される負荷電流Ioutに基づいて、高帯域インバータ123が制御されるため、トランス結合回路124の1次コイルに負荷電流Ioutに応じた出力電流を発生させることができる。特に、高帯域インバータ123に対するフィードフォワード制御により、負荷電流Ioutに対する指令値に応じた出力電流をトランス結合回路124の1次コイルに発生させることができる。
また、インバータ制御回路129は、低帯域テスト周波数f1の電源を出力する場合に、開閉器125を閉状態(オン状態)に切り替えることにより、トランス結合回路124に対するバイパス経路を導通させた後、高帯域インバータ123を停止させる。一方、インバータ制御回路129は、高帯域テスト周波数f2の電源を出力する場合に、高帯域インバータ123を動作させた後、開閉器125を開状態(オフ状態)に切り替えることにより、トランス結合回路124に対するバイパス経路を遮断し、インバータ制御回路128に対し、基本波を選択するように指示する。
図3は、図2の高帯域インバータ123及びトランス結合回路124の詳細を示した図である。高帯域インバータ123は、6つのスイッチング素子4と、6つの還流ダイオード5とにより構成され、コンバータ121からの直流入力を3相3線式の交流電圧に変換する。電圧の実効値は、例えば、360Vである。
スイッチング素子4には、スイッチング動作による電力損失が少ないトランジスタ、例えば、炭化ケイ素を用いたFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)などが用いられる。
還流ダイオード5は、スイッチング素子4を保護するための半導体素子であり、スイッチング素子4のソース端子とドレイン端子との間に並列に接続される。インバータ制御回路129からのゲート駆動信号GS2は、スイッチング素子4のゲート端子に入力される。
トランス結合回路124は、3つのトランス6と、トランス6の1次コイルと低帯域インバータ122からの交流入力と出力端子126とを互いに接続するオープンスター結線部と、トランス6の2次コイルと高帯域インバータ123とを互いに接続するデルタ結線部とにより構成される。低帯域インバータ122からの交流入力は、3相3線式の交流電圧であり、実効値は、例えば、420Vである。
オープンスター結線部及びデルタ結線部の構成は、以下の通りである。1次コイルの一端が交流入力の第1相に接続され、他端が第1相の出力端子126に接続されたトランス6の2次コイルは、一端が高帯域インバータ123の第1相に接続され、他端が第2相に接続されている。また、1次コイルの一端が交流入力の第2相に接続され、他端が第2相の出力端子126に接続されたトランス6の2次コイルは、一端が高帯域インバータ123の第2相に接続され、他端が第3相に接続されている。また、1次コイルの一端が交流入力の第3相に接続され、他端が第3相の出力端子126に接続されたトランス6の2次コイルは、一端が高帯域インバータ123の第3相に接続され、他端が第1相に接続されている。
このトランス結合回路124には、1次コイルに並列にコンデンサ130が接続されている。コンデンサ130は、コンデンサ130と1次コイルの漏れインダクタンスとにより、高帯域インバータ123のキャリア除去フィルタを形成するための容量素子である。このコンデンサ130は、トランス6ごとに設けられ、トランス6の1次コイルに並列に接続されている。
開閉器125は、トランス結合回路124の1次コイルに並列に接続され、閉状態において、トランス結合回路124に対するバイパス経路を形成する。この開閉器125は、トランス6ごとに設けられ、トランス6の1次コイルに並列に接続されている。
双方向サイリスタ135は、トランス結合回路124の1次コイルに並列に接続され、導通状態において、トランス結合回路124に対するバイパス経路を形成する。この双方向サイリスタ135は、トランス6ごとに設けられ、トランス6の1次コイルに並列に接続されている。
<インバータ制御回路129>
図4は、図2のインバータ制御回路129の構成例を示したブロック図である。このインバータ制御回路129は、実効値指令生成部21、実効値演算部22、実効値電圧制御部23、瞬時電圧波形制御部24、位相整合回路25、加算器26、ピークカットリミッタ27、瞬時電流波形制御部28及びゲート駆動信号生成部29により構成される。
実効値指令生成部21は、情報処理端末11からの指示に基づいて、出力電圧Vinvの実効値を決めるための実効値指令を生成する。実効値演算部22は、電圧計134により検出された出力電圧Vinvから実効値を求める。実効値電圧制御部23は、出力電圧Vinvの実効値が一定となるようにフィードバック制御する制御部であり、減算器231及び波形指令生成部232により構成される。
減算器231は、実効値指令生成部21により生成された実効値指令に対し、実効値演算部22により求められた実効値を減算して実効値指令の誤差を生成し、波形指令生成部232へ出力する。波形指令生成部232は、情報処理端末11からのテスト周波数指示と減算器231からの実効値指令の誤差とに基づいて、出力電圧Vinvの電圧波形を決めるための波形指令を生成する。波形指令生成部232は、例えば、誤差増幅部及び正弦波生成部により構成され、増幅した誤差と正弦波とから波形指令を作成する。
瞬時電圧波形制御部24は、出力電圧Vinvの瞬時値をフィードバック制御する制御部であり、加算器241及びインバータ電圧PI制御部242により構成される。加算器241は、波形指令生成部232により生成された波形指令に対し、電圧計134により検出された出力電圧Vinvを逆位相で加算して波形指令の誤差を生成し、インバータ電圧PI制御部242へ出力する。インバータ電圧PI制御部242は、加算器241からの波形指令の誤差に基づいて、出力電流Iinvの電流波形を決めるための波形指令を生成する。インバータ電圧のPI制御は、出力を波形指令と出力電圧Vinvの検出値との誤差の1次関数として制御するとともに、誤差の積分に応じて出力を変化させるフィードバック制御である。
位相整合回路25は、電流計131により検出された負荷電流Ioutの位相を一定量ずらすことにより、インバータ電圧PI制御部242の波形指令と整合させる。この位相整合回路25は、負荷電流Ioutの検出値をトランス結合回路124の2次コイル側の位相に整合させる移相器であり、検出値の位相を30°遅らせる。位相のずれ30°は、1次コイル側のスター結線と2次コイル側のデルタ結線との間の位相差に対応している。
インバータ制御回路129は、位相整合回路25による整合後の検出値を電流指令値として用いて高帯域インバータ123をフィードフォワード制御する。この様な構成を採用することにより、トランス結合回路124の1次コイル側と2次コイル側との間における位相のずれを考慮して負荷電流Ioutの検出値から電流指令値が生成されるため、1次コイルに発生する出力電流の位相が負荷電流Ioutに対してずれるのを防止することができる。
加算器26は、インバータ電圧PI制御部242により生成された波形指令に対し、位相整合回路25からの負荷電流Ioutの検出値を電流指令値として同位相で加算し、ピークカットリミッタ27へ出力する。ピークカットリミッタ27は、負荷短絡時の過電流を防止するためのピークカット回路であり、加算器26からの電流指令値に対し、ピークが一定レベルを超えないように制限する。この様な構成を採用することにより、負荷の短絡時等に、過電流がトランス結合回路124の1次コイルに発生するのを防止することができる。
瞬時電流波形制御部28は、出力電流Iinvの瞬時値をフィードバック制御する制御部であり、加算器281,283及びインバータ電流PI制御部282により構成される。負荷電流Ioutは、出力端子126に接続されている負荷を実際に流れる電流であることから、負荷電流Ioutの検出値を出力電流Iinvの波形指令と同位相で加算して瞬時電流波形の指令値とすることにより、高帯域インバータ123を定電流運転状態で動作させるフィードフォワード制御が行われる。
低帯域テスト周波数f1の電源から高帯域テスト周波数f2の電源に切り替える場合、開閉器125を開状態に切り替えることにより、トランス結合回路124のバイパス経路が遮断される。その際、高帯域インバータ123のフィードフォワード制御により、遮断前の負荷電流が維持されるようにトランス結合回路124の1次コイルの両端に電圧が印加されるため、低帯域テスト周波数f1から高帯域テスト周波数f2への電源の切り替えを連続的に行うことができる。
加算器281は、ピークカットリミッタ27からの波形指令に対し、電流計132により検出された出力電流Iinvを逆位相で加算して波形指令の誤差を生成し、インバータ電流PI制御部282へ出力する。インバータ電流PI制御部282は、加算器281からの波形指令の誤差に基づいて、出力電圧Vinvの波形指令値を生成する。加算器283は、インバータ電流PI制御部282により生成された波形指令値に対し、波形指令生成部232により生成された波形指令を同位相で加算し、ゲート駆動信号生成部29へ出力する。
波形指令生成部232により生成される波形指令に基づいてフィードフォワード制御を行うことにより、電圧指令値の変動に対する応答性を向上させることができる。例えば、出力電圧Vinvの実効値を360Vから330Vに下げる指示が情報処理端末11からインバータ制御回路129に入力されれば、出力電圧Vinvの実効値を速やかに下げることができる。一方、出力電圧Vinv及び出力電流Iinvに基づくフィードバック制御により、高帯域インバータ123の出力精度を向上させることができる。
ゲート駆動信号生成部29は、加算器283からの波形指令値に基づいて、ゲート駆動信号GS2を生成し、高帯域インバータ123へ出力する。このゲート駆動信号生成部29は、PWM(パルス幅変調)方式の駆動回路からなり、パルス状のゲート駆動信号GS2を生成する。ゲート駆動信号生成部29は、例えば、三角波信号を生成する信号発振器と、波形指令値を三角波信号と比較する比較器とにより構成される。三角波信号の周波数、すなわち、キャリア周波数は、fs2=42kHzである。
インバータ制御回路128についても、インバータ制御回路129と同様に、電流計131により検出される負荷電流Ioutと、電圧計133により検出される出力電圧Voutとに基づいて、ゲート駆動信号GS1を生成する。
図5は、図2の電源生成ユニット12の動作例を示した図であり、波形指令値7と三角波信号8とからゲート駆動信号GS2が生成される様子が示されている。波形指令値7とは、基本周波数f0が60Hzである場合に、最高次(40次)の高帯域テスト周波数f2としてf2=2.4kHzが指定されたときの指令値である。三角波信号8のキャリア周波数は、42kHzである。
ゲート駆動信号GS2は、正弦波状の波形指令値7と三角波信号8との交点において、電圧レベルがハイとローとの間で切り替えられる矩形波からなる。この様な高次の高帯域テスト周波数f2であっても、キャリア周波数が高いため、十分な分解能が得られ、高調波波形に歪みが生じるのを防止することができる。
<情報処理端末11>
図6は、図1の情報処理端末11内の機能構成の一例を示したブロック図である。この情報処理端末11は、操作部110、負荷電流指定部111、テスト周波数指定部112、開閉器制御部113、故障検出部114及びサイリスタ制御部115により構成される。
操作部110は、ユーザ操作を受け付けて操作信号を生成し、負荷電流指定部111及びテスト周波数指定部112へ出力する。負荷電流指定部111は、操作部110からの操作信号に基づいて、負荷電流Ioutの実効値を指定するための負荷電流指示を生成し、電源生成ユニット12のインバータ制御回路128へ出力する。
例えば、負荷電流Ioutの実効値を小さくする負荷電流指示により、負荷電流Ioutの実効値を小さくするように低帯域インバータ122がフィードバック制御される。その際、負荷電流Ioutの検出値を電流指令値として行われる高帯域インバータ123のフィードフォワード制御により、トランス結合回路124の1次コイルに負荷電流Ioutに応じた出力電流を発生させることができる。
テスト周波数指定部112は、操作部110からの操作信号に基づいて、基本周波数f0、低帯域テスト周波数f1又は高帯域テスト周波数f2を指定するためのテスト周波数指示を生成し、インバータ制御回路128又は129へ出力する。
開閉器制御部113は、開閉器125を開状態及び閉状態間で切り替えるための開閉駆動信号KHを生成し、電源生成ユニット12の開閉器125へ出力する。この開閉器制御部113は、低帯域テスト周波数f1の電源から高帯域テスト周波数f2の電源に変更する場合に、開閉器125を閉状態から開状態に切り替えることにより、開閉器125を通るバイパス経路を遮断する。
この様に開閉器125を切り替えることにより、低帯域テスト周波数f1の電圧波形が基本波に重畳された合成波からなる電源と、高帯域テスト周波数f2の妨害波が基本波に重畳された電源とを任意に選択することができる。また、低帯域テスト周波数f1の電源と高帯域テスト周波数f2の電源との切り替えに開閉器125を用いることにより、双方向サイリスタ等の半導体スイッチング素子を用いる場合に比べ、耐久性を確保することができる。
低帯域テスト周波数f1の電源を生成する場合、インバータ制御回路128が低帯域インバータ122に合成波を生成させる一方、インバータ制御回路129は、高帯域インバータ123を停止させる。また、高帯域テスト周波数f2の電源を生成する場合には、インバータ制御回路128が低帯域インバータ122に基本波を生成させ、かつ、インバータ制御回路129が高帯域インバータ123に妨害波を生成させる。
また、インバータ制御回路129は、高帯域テスト周波数f2の電源から基本波の電源に変更する場合に、開閉器125が開状態から閉状態に切り替えられた後、高帯域インバータ123を停止させる。この様な構成を採用することにより、高帯域テスト周波数f2の電源から基本波の電源に変更する場合、高帯域インバータ123を停止させるよりも前に、開閉器125が開状態から閉状態に切り替えられるため、低帯域インバータ122からトランス結合回路124を介して負荷へ流れる大電流により、トランス結合回路124を介して高帯域インバータ123に過電圧が印加されるのを防止することができる。
開閉器制御部113は、低帯域テスト周波数f1の電源から高帯域テスト周波数f2の電源に変更する場合に、高帯域インバータ123が動作を開始した後、開閉器125を閉状態から開状態に切り替える。開閉器125が開状態に切り替えられるよりも前に、高帯域インバータ123の動作が開始されるため、開閉器125を通るバイパス経路の遮断直後であっても、トランス結合回路124の1次コイルに負荷電流Ioutに応じた出力電流を発生させることができる。
故障検出部114は、高帯域インバータ123の故障を検出し、検出信号をサイリスタ制御部115へ出力する。故障検知部114は、例えば、高帯域インバータ123の出力電流Iinv、出力電圧Iinv又は温度Tに基づいて、高帯域インバータ123の故障を検出する。具体的には、出力電流又は出力電圧の急激な変化や温度の上昇によって高帯域インバータ123の故障が検知される。
サイリスタ制御部115は、故障検出部114の検出結果に基づいて、電源生成ユニット12の双方向サイリスタ135を遮断状態から導通状態に切り替えるためのゲート駆動信号GKを生成し、双方向サイリスタ135へ出力する。
インバータ制御回路129は、故障の検出によって双方向サイリスタ135が導通状態に切り替えられた後、高帯域インバータ123を停止させる。この様な構成を採用することにより、高帯域インバータ123の故障を検知して当該インバータを停止させた際に、低帯域インバータ122からトランス結合回路124を介して負荷に流れる大電流により、トランス結合回路124を介して高帯域インバータ123に過電圧が印加されるのを確実に防止することができる。
双方向サイリスタ135は、半導体スイッチング素子であることから、開閉器125等の機械的に動作するデバイスに比べ、応答速度が速い。このため、スイッチング素子の動作遅れによって高帯域インバータ123に過電圧が印加されるのを確実に防止することができる。
開閉器制御部113は、故障検出部114の検出結果に基づいて、開閉器125を開状態から閉状態に切り替える。サイリスタ制御部115は、開閉器125が閉状態に切り替えられた後、双方向サイリスタ135を導通状態から遮断状態に切り替える。この様な構成を採用することにより、双方向サイリスタ135の使用が短時間に制限されるため、双方向サイリスタ135の電流耐量を抑えることができる。
図7のステップS101〜S103は、図6の情報処理端末11における高帯域テストの開始時の動作例を示したフローチャートである。図中には、低帯域テスト周波数f1による耐性試験の終了後に、高帯域テスト周波数f2による耐性試験を開始する場合の処理手順が示されている。まず、情報処理端末11は、電源生成ユニット12のインバータ制御回路128に対して基本周波数f0を指示し、インバータ制御回路129に対して高帯域テスト周波数f2を指示する(ステップS101)。
次に、情報処理端末11は、インバータ制御回路129に対し、高帯域インバータ123の動作開始を指示する(ステップS102)。次に、情報処理端末11は、高帯域インバータ123が動作を開始した後、電源生成ユニット12の開閉器125を閉状態から開状態に切り替えることにより、開閉器125を通るバイパス経路を遮断し(ステップS103)、この処理を終了する。
図8のステップS201〜S203は、図6の情報処理端末11における高帯域テストの終了時の動作例を示したフローチャートである。図中には、高帯域テスト周波数f2による耐性試験の終了後に、電源生成ユニット12の交流出力を基本波に戻す場合の処理手順が示されている。
まず、情報処理端末11は、電源生成ユニット12の開閉器125を開状態から閉状態に切り替える(ステップS201)。次に、情報処理端末11は、閉状態への切り替えにより、開閉器125を通るバイパス経路を導通させた後、電源生成ユニット12のインバータ制御回路129に対し、高帯域インバータ123の停止を指示する(ステップS202)。高帯域インバータ123の動作が停止することにより、電源生成ユニット12の交流出力は、基本波成分のみに復帰する(ステップS203)。
図9のステップS301〜S304は、図6の情報処理端末11における故障検出時の動作例を示したフローチャートである。図中には、高帯域インバータ123の故障が検出された場合の処理手順が示されている。まず、情報処理端末11は、電源生成ユニット12の双方向サイリスタ135を遮断状態から導通状態に切り替える(ステップS301)。
次に、情報処理端末11は、インバータ制御回路129に対し、高帯域インバータ123の停止を指示する(ステップS302)。次に、情報処理端末11は、開閉器125を開状態から閉状態に切り替えた後(ステップS303)、双方向サイリスタ135を導通状態から遮断状態に切り替え(ステップS304)、この処理を終了する。
本実施の形態によれば、低帯域インバータ122及び高帯域インバータ123のスイッチング動作によって電力増幅が行われるため、大容量化が容易である。また、低帯域インバータ122よりも高いスイッチング周波数fs2で動作する高帯域インバータ123によって高次の妨害波が生成されるため、高次の高調波波形に歪みが生じるのを防止することができる。また、トランス結合回路124が基本波に高次の妨害波を重畳させるため、1つのインバータによって電力増幅が行われる場合に比べ、スイッチング動作による電力損失の増大を抑制することができる。
また、PCS2に出力される負荷電流Ioutに基づいて、高帯域インバータ123が制御されるため、トランス結合回路124の1次コイルに負荷電流Ioutに応じた出力電流を発生させることができる。
また、本実施の形態によれば、高帯域インバータ123の故障が検出されれば、双方向サイリスタ135を遮断状態から導通状態に切り替えることにより、双方向サイリスタ135を通るバイパス経路を速やかに形成することができる。このため、高帯域インバータ123が故障した際に、低帯域インバータ122から負荷へ流れる大電流によって、トランス結合回路124を介して過電圧が高帯域インバータ123に印加されるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、高帯域インバータ123が炭化ケイ素を用いたFETからなる場合の例について説明したが、本発明は、高帯域インバータ123の構成をこれに限定するものではない。例えば、高帯域インバータ123をFET又はIGBTにより構成しても良い。
また、本実施の形態では、試験用電源装置1の電源生成ユニット12が2つのインバータ回路により構成される場合の例について説明したが、本発明は、電源生成ユニット12を3以上のインバータ回路によって構成するものにも適用可能である。例えば、2つの低帯域インバータ122を並列に接続することにより、出力を大容量化しても良い。
また、本実施の形態では、閾値周波数fts1及び閾値周波数fts2を互いに一致させて低帯域テスト周波数f1と高帯域テスト周波数f2とが重複しない場合の例について説明した。しかし、本発明は、閾値周波数fts2を上回る周波数を閾値周波数fts1とすることによって低帯域テスト周波数f1の調整範囲と高帯域テスト周波数f2の調整範囲とが重複するような構成であってもよい。
1 試験用電源装置
11 情報処理端末
110操作部
111 負荷電流指定部
112 テスト周波数指定部
113 開閉器制御部
114 故障検出部
115 サイリスタ制御部
12 電源生成ユニット
121 コンバータ
122 低帯域インバータ
123 高帯域インバータ
124 トランス結合回路
125 開閉器
126 出力端子
127 コンバータ制御回路
128,129 インバータ制御回路
130 コンデンサ
131,132 電流計
133,134 電圧計
135 双方向サイリスタ
21 実効値指令生成部
22 実効値演算部
23 実効値電圧制御部
231 減算器
232 波形指令生成部
24 瞬時電圧波形制御部
241 加算器
242 インバータ電圧PI制御部
25 位相整合回路
26 加算器
27 ピークカットリミッタ
28 瞬時電流波形制御部
281,283 加算器
282 インバータ電流PI制御部
29 ゲート駆動信号生成部
2 PCS
3 商用電源
4 スイッチング素子
5 還流ダイオード
6 トランス
7 波形指令値
8 三角波信号

Claims (6)

  1. 基本周波数の交流電源が供給される検査対象装置について、電圧波形歪みの耐性試験を行うための試験用電源装置において、
    上記基本周波数の電圧波形からなる基本波を生成する低帯域インバータと、
    上記基本周波数よりも高い高帯域テスト周波数の電圧波形からなる妨害波を生成する高帯域インバータと、
    上記低帯域インバータ及び上記高帯域インバータが1次コイル及び2次コイルにそれぞれ接続され、上記基本波に上記妨害波を重畳させ、上記検査対象装置に供給する電圧波形を生成するトランス結合回路と、
    上記検査対象装置に出力される負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
    上記負荷電流に基づいて、上記高帯域インバータを制御するインバータ制御手段とを備えたことを特徴とする試験用電源装置。
  2. 上記インバータ制御手段は、上記負荷電流に対する指令値と上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値との誤差に基づいて、上記低帯域インバータをフィードバック制御する一方、上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値を電流指令値として用いて上記高帯域インバータをフィードフォワード制御することを特徴とする請求項1に記載の試験用電源装置。
  3. 上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値を上記トランス結合回路の2次コイル側の位相に整合させる位相整合回路を備え、
    上記インバータ制御手段は、上記位相整合回路による整合後の検出値を電流指令値として用いて上記高帯域インバータをフィードフォワード制御することを特徴とする請求項2に記載の試験用電源装置。
  4. 上記負荷電流検出手段による負荷電流の検出値からなる上記電流指令値に対し、ピークが一定レベルを超えないように制限するピークカット回路を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の試験用電源装置。
  5. 上記トランス結合回路の上記1次コイルに並列に接続され、閉状態においてバイパス経路を形成する開閉器と、
    上記開閉器を開状態及び閉状態間で切り替える開閉器制御手段とを備え、
    上記低帯域インバータは、上記基本波に低帯域テスト周波数の電圧波形が重畳された合成波を生成し、
    上記開閉器制御手段は、上記低帯域テスト周波数の電源から上記高帯域テスト周波数の電源に変更する場合に、上記開閉器を上記閉状態から開状態に切り替えることにより、上記バイパス経路を遮断することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の試験用電源装置。
  6. 上記インバータ制御手段は、上記低帯域テスト周波数の電源を生成する場合に、上記低帯域インバータに上記合成波を生成させる一方、上記高帯域インバータを停止させ、上記高帯域テスト周波数の電源を生成する場合に、上記低帯域インバータに上記基本波を生成させ、かつ、上記高帯域インバータに上記妨害波を生成させ、
    上記開閉器制御手段は、上記高帯域インバータが動作を開始した後、上記開閉器を上記閉状態から開状態に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の試験用電源装置。
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