添付図面に関して説明されるように、多様な好適実施形態に応じたトレーディングツールが、とりわけ高速且つ正確な注文の入力を容易にするために提供される。トレーディングツールのいくつかは、静的な価格スケールつまり軸に関連して表示される、運用注文量及び/又は付け値と言い値の量または他のマーケット情報を示すトレーディング表示と特にうまく連動する。このようなトレーディング表示の例が図3から図5に描かれている。これに関連して、静的が不動を意味するのではなく、むしろ関係において固定されていることを意味することが理解されるべきである。例えば、静的価格尺度目盛りを用いると、尺度目盛り自体は可動であってよいが、表されている価格は後述されるような連結または拡大を条件として、互いに関して固定されたままである。代わりにさまざまなトレーディング表示を生成するトレーディングアプリケーションが使用されてよい。
好適実施形態においては、本明細書に説明されている1つまたは複数のトレーディングツールがコンピュータまたは電子端末で実現される。コンピュータは、マーケット、市況商品またはトレーディング注文の情報を送受するために1つまたは複数の取引所と(中間装置を使用して)直接的または間接的のどちらかで通信することができる。コンピュータまたは端末はトレーダと対話し、取引所に送信される売買注文のコンテンツと特性を作成することができる。トレーディングアプリケーションにより、トレーダはマーケットデータを表示し、売買注文の入力と取り消しを行い、及び/又は注文を表示することができる。本発明の範囲は使用される端末または装置の種類により限定されず、任意の特定のタイプのトレーディングアプリケーションに限定されない。むしろ、トレーディングツールは、本明細書に説明される機能を実行するための処理能力を備えた既存のあるいは将来の任意の端末または装置で実現されてよい。
本明細書にて使用されるように、単語「市況商品」は、取引の対象である事柄を指すにすぎない。それは量及び/又は価格で取引できるどんなものも含む。このような対象の例は、例えば、ファンド、デリバティブ、および前記の組み合わせだけではなく、株式、オプション、債券、先物、通貨およびワラント等のあらゆる種類の売買される金融商品を含むが、これらに限定されるものではない。市況商品は、売買のために取引所によって一覧表示される対象などの「本物」、あるいはユーザによって作成される本物の商品の組み合わせなどの「合成」のどちらかであってよい。
さらに、明細書は、入力および端末表示との対話のためのユーザの単一のアクションの一例として、マウスのシングルクリックを指すことがある。最短時間量で処置を講じることが可能となるために、トレーディングアプリケーションの好適実施形態は、アップクリックを待つのではなく、マウスボタンを押すと反応する。これは対話の好ましいモードを説明することもあるが、本発明の範囲は入力装置としてのマウスの使用、あるいはユーザの単一のアクションとしてのマウスボタンのクリックに限定されない。むしろユーザによる任意のアクションは、マウスボタンあるいはキーボード、ジョイスティックまたはタッチスクリーンなどの他の入力装置の1回または複数回のクリックを備えるかどうかに関係なく、ユーザの単一のアクションと考えられてよい。
電子商取引システムは、単一または複数の取引所におけるトレーディングを同時に可能にするように構成されてよい。例えば、このようなシステムの接続は図1に描かれている。この説明図は、ゲートウェイ107から109にルート104から106を通して接続される複数のホスト取引所101から103を示す。次に、トレーディングステーションとして使用するための複数のクライアント端末110から116が、ゲートウェイ107から109へのそれらの接続を通して複数の取引所で売買を行うことができる。好適実施形態のトレーディングツールが特定のネットワークアーキテクチャに限定されるのではなく、むしろ電子商取引のために使用できる任意のネットワークのワークステーションまたは他のクライアントデバイスでのユーティリティとともに適用されてよいことに留意する必要がある。
電子商取引システムが複数の取引所からデータを受信するように構成されるとき、それぞれの取引所からのデータを、グラフィックユーザインタフェースを使用して表示できるフォーマットに変換することが好ましい。図1に図示される例の場合、アプリケーションプログラムインタフェース(図1に描かれているような「TT API」)が、異なる取引所からの入信データのフォーマットを共通のデータフォーマットに変換する。好適実施形態のこの変換機能は、例えばゲートウェイサーバに、個々のワークステーションに、あるいはその両方になど、ネットワーク内のどこにでも配置されてよい。さらに、ゲートウェイサーバ、クライアントワークステーション、及び/又は他の外部記憶装置での記憶要素は、マーケットにおけるユーザのアクティブな注文、すなわち応じられてもいないし、取り消されてもいないそれらの注文を一覧表示するオーダブックなどの履歴データをキャッシュに入れ、バッファに入れ、または記憶してよい。さまざまな取引所からの情報はクライアントワークステーションの1つのまたは複数のウィンドウに表示できる。したがって、明細書の残りの部分を通して、トレーディング端末が接続される単一の取引所が参照される一方で、本発明の範囲は本明細書に記載されるトレーディング方法に従って、単一のトレーディング端末を使用して複数の取引所で売買を行う能力を含む。
図1に図示されているもののようなシステムでユーザが売買できるようにする市販のトレーディングアプリケーションは、イリノイ州シカゴ(Chicago、Illinois)のトレーディングテクノロジーズインターナショナル社(Trading Technologies International Inc.)のX_TRADER(登録商標)である。X_TRADER(登録商標)は、運用注文量及び/又は付け値と言い値の量が静的価格尺度目盛りに関連して表示されるMD_TRADER(商標)と呼ばれる電子商取引インタフェースも提供する。しかしながら、好適実施形態は、変換機能、記憶機能及び/又は表示機能を実行する特定の製品に限定されない。
複数の好適実施形態は「マーケットの深さ(market depth)」の表示を含み、及び/又はユーザが、市況商品のマーケットの深さを表示し、コンピュータのマウスボタンのクリックなど単一の入力で注文を入力できるようにする。本明細書にて使用されるようにマーケットの深さは、現在の買い注文と売り注文の量およびそれらの関連する価格を含む、使用可能なオーダブックによって表される。言い換えると、以下に注記される限度を条件に、マーケットの深さは、「場内市場」に加えて特定の価格で入力される、それぞれ使用可能な未済買い注文の量および売り注文の量である。売買されている市況商品の場合、場内市場は最高の付け値であり、最低の言い値である。マーケットの深さを含む表示に関係する実施形態について、図2と図3に示されるようなインタフェースが例示的である。マーケット深さを表示できる他のトレーディングアプリケーションは、特に断りのない限り適切な代替策である。さらに、好適実施形態は、マーケットの深さを表示する電子商取引アプリケーションに限定されず、任意の電子商取引アプリケーションとともに活用できる。
一般的に、取引所は価格、注文および充填(fill)情報をゲートウェイ107から109に送信する。X_TRADER(登録商標)などのトレーディングアプリケーションはこの情報を処理し、理論的なグリッドプログラムまたはデータを画面にマッピングするための他の同程度のマッピング技法の位置にそれをマッピングする。クライアントデバイス110から116のようなクライアントデバイス上での表示のための、このような情報の画面グリッドに対する物理的なマッピングは当業者に既知である任意の技法により実行されてよい。本発明は画面表示にデータをマッピングするために使用される方法によって限定されない。
システムのマーケットの深さを完全に表示する能力は、通常、マーケットの深さのどの程度を取引所が提供しているのかに左右される。例えば、無限のマーケットの深さを供給する取引所もあれば、まったくマーケットの深さを提供しないか、あるいは場内市場から離れてほんの少しの注文だけしか提供しない取引所もある。ユーザは、好ましくは、トレーダの画面に表示するマーケットの深さをどれほどにするのかも選ぶことができる。例えば、ユーザは場内市場から所定数のティックの範囲内でマーケットの深さが表示されるのを望んでいるにすぎない場合がある。
図2は、前記に組み込まれた同時係属米国特許出願第09/589,751号に記載された電子商取引インタフェースを描いている。この表示およびシステムは、本発明の1つまたは複数の態様を組み込んでよい、ある種類のトレーディングシステムの一例にすぎない。表示は、売買されている任意の市況商品の場内市場とマーケットの深さを示している。1行目は、最良の(最高の)付け値と量、および最良の(最低の)言い値と量である、売買されている市況商品の場内市場を示している。2行目から5行目は、売買されている市況商品の「マーケットの深さ」を表している。1つの好適実施形態では、マーケットの深さ(2行目から5行目)の表示は、列203で入手可能な二番目に最良の付け値、および204で言い値を示している。各価格レベルの運用付け値量と言い値量もそれぞれ列202と205に表示されている(場内市場―1行目)。場内市場とマーケットの深さの価格と量は、このような情報がマーケットから中継されるにつれてリアルタイムで動的に更新する。
図2に示されている画面表示では、売買されている市況商品(契約)は文字列「CDH0」によって1行目に表されている。深さの列201はさまざまな色を表示してトレーダにステータスを知らせる。黄色は、プログラムアプリケーションがデータを待機中であることを示す。赤は、マーケットの深さがサーバからデータを受信できずに「時間切れとなった」ことを示す。緑は、データがちょうど更新されたことを示す。この図および他のすべての図中の他の列の見出しは以下のように定められる。列202のBidQty(付け値量):各運用付け値の量、列203のBidPrc(付け値価格):各運用付け値の価格、列204のAskPrc(言い値):各運用言い値、列205のAskQty(言い値量):各運用言い値の量、列206のLastPrc(前回価格):マーケットで一致した前回付け値および言い値の価格、ならびに列207のLastQty(前回量):前回価格で売買された量。列208のTotalは所与の市況商品の総売買量を表している。
画面表示自体の構成が、多くの既存のシステムよりさらに便利且つ効率的な方法でユーザに知らせる。トレーダはマーケットの注文の動向を確かめることができるためマーケットの深さを見ることによりうまみを得る。マーケットの深さ表示は、トレーダに、さまざまな価格レベルでマーケットが所与の市況商品に対して有する利害を示す。
該好適実施形態とともに使用されてよい別の種類の表示システムおよび関係するトレーディング方法は、2000年6月9日に出願された米国出願第09/590,692号に詳しく記載されている。この方法は、マーケットの深さや運用注文などの情報を、静的な価格の軸つまりスケールに関連して表示することにより高速且つ正確な売買の実行を確実にする。この種の表示システムを使用する1つの実施形態は、市場価格が変動するのに伴い論理的に平面を上下に変動するマーケットの深さを縦平面に表示する。本発明は特定の表示に限定されない―情報は水平面、n次元、または任意の他の様式で表示できるであろう。これによりトレーダは、迅速且つ効率的に売買することができる。このような表示の例は図3の画面表示に描かれている。
変化する価格レベルが取引されている(つまり、マーケットに入る買い注文と売り注文は異なる価格でマッチングされている)動きの速いマーケットでは、トレーダが迅速に注文を入力し、マーケット情報を迅速に表示・分析できることが有益である。図3に描かれている種類の表示によって、トレーダは、好適実施形態では静的な列として表示される静的価格レベルの隣をクリックして特定の価格レベルで迅速に注文を入力し、運用注文などの情報を迅速且つ容易に確かめることができる。静的な価格は、本発明を逸脱することなく、行、任意の角度、またはn次元を含む任意の事柄で表示できる。また、特定の色を使用して、または他の方法を使用して、特定の価格を表すスケールまたは軸に沿って互いに関連してマーケットの深さレベル、運用注文、または他の情報だけを表示する代わりに、静的価格値を表示しないことも可能である。
図3に図示される表示は、1つの簡略なウィンドウの中に、発注システム、マーケットグリッド、充填ウィンドウおよびマーケット注文の要約を提供する。このような凝縮された表示は、効率的に売買を入力・追跡調査することによりトレーディングシステムを簡略化する。このシステムはマーケットの深さを、論理的な垂直状に、または水平に、または他の便利な角度もしくは形状にて示す。便宜上、縦のフィールドが図に示され、説明されているが、該フィールドは水平または斜めに、またはn次元とすることもできるであろう。該システムは、さらに売買の速度を加速し、所望される量で所望される価格にて注文を入力する尤度も高める。本発明の好適実施形態では、表示は、価格の静的な縦の列であり、付け値と言い値の量は該価格列の脇の縦の列に表示され、対応する付け値と言い値と整列している。
買い注文の量はBidQと呼ばれる列300に、売り注文の量はAskQと呼ばれる列302にある。所与の市況商品の代表的な価格が列304に示され、価格は静的であり「ティック」単位の増分であり、ティックは市況商品ごとに取引所によって設定される価格値の最小変更である。価格はティックとして、ティックの倍数として、または任意の他の様式で表示できる。図3に図示される実施形態では、列は価格全体(例えば95.89)を表示するのではなく、むしろ下2桁(例えば89)だけを表示する。必須価格情報がユーザに伝えられる限り、代わりに他の価格表示仕様が使用されてよい。図示されている例では、場内市場のセル306は89(最良の付け値)で18(最良の買い注文量)で、90(最良の言い値)で20(最良の売り注文量)である。本発明の好適実施形態では、これら3つの列300、302および304は、トレーダがそれらを迅速に区別できるように違う色で示されている。
価格の列の値は静的である。つまり、それらは、再センタリングコマンドが受け取られない限り通常、位置を変えない(詳しく後述される)。しかしながら、付け値列と言い値列300と302は動的である。つまり、それらは所与の市況商品のマーケットの深さを反映するために(縦の例では)上下に動く。LTQ列308は、市況商品の前回売買量を示す。価格値に関する量の値の相対的な位置が、その量が売買された価格を反映する。E/W(実行済み/運用)と呼ばれる列310は、トレーダの注文の現状を表示する。各注文のステータスは、それが入力された価格行に表示されている。例えば、セル312では、Sの隣の数が、該特定の行の価格で売られたトレーダの注文したロットの数を示している。Wの隣の数は、マーケットにある注文したが応じられていないトレーダの注文したロットの数を示している―つまり、システムは注文に応じるのに取り組んでいる。この列の空白は、その価格で注文が入力されていないか、あるいは機能していないことを示す。セル314では、Bの隣の数が該特定の行の価格で買われたトレーダの注文したロットの数を示す。Wの隣の数は、マーケットにあるが応じられていないトレーダの注文したロットの数を示している―つまり、システムは注文に応じるのに取り組んでいる。
多様なパラメータが設定され、情報が列316に提供される。例えば、セル318の「10:48:44」は実際の時刻を示している。セル320のLフィールドとRフィールドは量の値を示し、入力された注文量に追加してよい。このプロセスはこのシステムの下での取引に関して後述される。セル322のLフィールドとRフィールドの下には、現在のマーケットの出来高を表す数が表示される。これは、選ばれた市況商品について売買されたロット数である。セル324の「X10」は正味量、つまり選ばれた市況商品におけるトレーダの現在位置を表示する。数「10」はトレーダの購入から購買を差し引いたものを示す。セル326は「現在量」である。このフィールドはトレーダがマーケットに送る次の注文の量を表している。これは、右クリックと左クリック(上と下)で、あるいはセル328の現在量の下に表示されるボタンをクリックすることで調整できる。これらのボタンは、示される量で現在量を増加する。例えば、それは「10」で10増加し、「1H」で100増加し、「1K」で1000増加する。セル330はクリアボタンである。このボタンをクリックすると現在量のフィールドはクリアされる。セル332は量説明である。これは、トレーダが3つの量の説明から選ぶことができるようにするプルダウンメニューである。ある実施形態においては、該プルダウンメニューはウィンドウの矢印ボタンがクリックされると表示される。ウィンドウには、NetPos(ネット位置)、Offset(オフセット)、およびトレーダが数を入力できるようにするフィールドが含まれる。このフィールドに数を入力すると、デフォルトの購入量または販売量が設定される。このフィールドで「Offset(オフセット)」を選ぶと、セル320のL/Rボタンが有効になる。このフィールドで「NetPos(ネット位置)」を選ぶと現在の正味量(トレーダのネット位置)がそのトレーダの次の売買量として設定される。セル334は+/−ボタンである。これらのボタンは画面サイズを変える―さらに大きくする(+)またはさらに小さくする(−)のどちらかである。セル336はネット0を呼び出すために使用される。このボタンをクリックすると、ネット量(セル332)がゼロにリセットされる。セル338は正味実数(Net Real)を呼び出すために使用される。このボタンをクリックすると、正味量(セル322)がその実際の位置にリセットされる。好適実施形態が、これらの特定のボタンを表示するトレーディングアプリケーションに限定されないことが理解されるべきである。好ましくは、表示されているボタン、およびそれらのボタンで設定される量などのパラメータは、ユーザによってカスタマイズ可能または選択可能である。
場内市場およびマーケットの深さは、マーケットの価格が上昇・下降するにつれて上下する。例えば、図4は、図3のマーケットと同じマーケットを表示する画面であるが、セル400の場内市場が3ティック上昇している後の間隔である。ここでは、市況商品の場内市場は92(最良の付け値)で43(最良の買い注文量)であり、93(最良の言い値)で63(最良の売り注文量)である。図3と図4を比較すると、価格列が静的のままであったが、対応する付け値と言い値は価格列で上昇していた。
マーケットが価格列を上昇または下降するにつれて、場内市場、運用注文、前回売買価格及び/又は量、あるいは興味がある可能性がある他の項目は、トレーダの画面で表示される価格列を上下する。通常、トレーダは将来の売買を評価するために場内市場を確かめることができることを希望する。該システムはこの問題に位置決め機能で対処する。図3の「正味実数」ボタンの下のグレイゾーン324の中の任意の点をシングルクリックすると、システムはトレーダの画面で場内市場を再配置する。代替策として、位置決め機能は、表示の任意の領域内でクリックすることでトリガされるようにプログラムされてよい。また、スリーボタンマウスを使用するときには、真中のマウスボタンをクリックすると、マウスポインタの場所に関係なく、場内市場はトレーダ画面上で再配置されるであろう。あるいは、前記に注記されたように、表示は、場内市場の脇の他の興味がある項目に基づいて再配置されてよい。
水平様式または他の様式で同じ情報および機能を表示し、有効にすることができる。ちょうどマーケットが図3と図4に図示されるこの好適実施形態で縦のスケールを上昇・下降するように、マーケットは水平の表示で左右に動く。データの動的表示から収集される同じデータと同じ情報が提供される。データを動的に表示するために他の向きが使用され、このような向きが本発明の範囲内になるように意図されることが想定されている。
図3と図4に図示されるような表示の実施形態の特殊な機能は、本発明とともに使用できる画面表示の1つの実施形態の典型である。ただし、本発明は決してこれらの機能の各々を活用する画面表示に限定されない。
売買注文を行う
次に市況商品を売買する、具体的には図3に示される種類の代表的な表示を使用して売買注文を発注することが説明される。該表示および取引方法を使用して、トレーダは最初に所望される市況商品、および該当する場合はデフォルトの量を指定する。次にトレーダは、例えば右マウスボタンまたは左マウスボタンのクリックでアイコンを配置し、アクションを表示することにより売買できる。用語「クリック」は「半クリック」、つまりユーザ及び/又はシステム設計者の要件または好みに応じたアクションに対するボタンを押すイベントを指してよい。
売買注文を作成し、該売買注文と関連付けられる量と価格を決定するために、この例示的なシステムによって以下の式が使用される。以下の省略形はこれらの公式で使用される。つまり、P=クリックされた行の(ティック単位の)価格値、R=Rフィールドの値、L=Lフィールドの値、Q=現在量、Qa=Pに等しい、またはPよりよい価格でのAskQ列のすべての量の合計、Qb=Pに等しい、またはPよりよい価格でのBidQ列のすべての量の合計、N=現在のネット位置、Bo=マーケットに送られる買い注文、およびSo=マーケットに送信される売り注文。
右マウスボタンを使用して入力される注文
BidQフィールドがクリックされる場合 Bo=(Qa+R)P(式1)
AskQフィールドがクリックされる場合 So=(Qb+R)P(式2)
左マウスボタンを使用して入力される注文
量説明フィールドで「Offset(オフセット)」モードが選ばれる場合には、
BidQフィールドがクリックされる場合 Bo=(Qa+L)P(式3)
AskQフィールドがクリックされる場合 So=(Qb+L)P(式4)
量説明フィールドで「数」モードが選択される場合には、
Bo=QP(式5)
So=QP(式6)
量説明フィールドで「NetPos(ネット位置)」が選択される場合には、
Bo=NP(式7)
So=NP(式8)
また、注文は、マーケットで入手可能な量に応じて変化する量、トレーダによって事前に設定される量、およびトレーダがどのマウスボタンをクリックするのかについてマーケットに送信できる。この機能を使用して、トレーダは、1回のクリックで選ばれる価格で、あるいは1回のクリックで選ばれる値よりうまく、マーケット内の付け値または言い値のすべてを買い、または売ることができる。また、トレーダはマーケットの未決量から事前に設定された量を加算する、または差し引くこともできるであろう。トレーダがトレーディングセル―つまり、BidQ列またはAskQ列の中でクリックすると、トレーダはマーケットに注文を入力する。注文のパラメータは、トレーダがどのマウスボタンをクリックするのか、およびトレーダがどのような事前設定値を設定したのかに依存する。
図5からの画面表示または表示を使用し、該表示および取引方法を使用する売買の発注が例を使用してここに説明される。BidQ列500の中の18を左クリックすると、89(Prc(価格)列504の対応する価格)という価格で市況商品の17ロット(量説明プルダウンメニューセル502で選ばれる量#)を購入するという注文がマーケットに送信される。同様に、AskQ列506の20を左クリックすると、列506が価格90で17ロットを販売するという注文がマーケットに送信される。
例えば、右マウスボタンを使用すると、注文は、Rフィールド508内の量が加えられたその行の価格に等しい、またはそれよリ優れた、マーケットの総注文量についてクリックされる行に相当する価格でマーケットに送信されるであろう。したがって、87価格行のAskQ列506内で右クリックすると、87という価格で、および150という量でマーケットに売り注文が送信され、この場合150は量30、97、18および5のすべての合計である。量30、97および18は、トレーダの87という売り注文価格を満たす、または改善するであろうマーケットの量のすべてである。この列はそれぞれの対応する価格で市況商品を購入するためのマーケットの未決の注文を表すため、これらの量はBidQ列500に表示される。量5はRフィールド508で事前に設定される量である。
同様に、87という同じ価格レベルにあるBidQ列500を右クリックすると、87という価格で5という量の買い制限注文がマーケットに送られるであろう。該量は前記と同じ方法で決定される。ただし、この例では、マーケットに選ばれた価格に等しい、または選ばれた価格を改善する注文はない―AskQ列506に、この価格に等しい、またはこの価格を改善する量はない。したがって、等しい量またはさらによい量の合計はゼロ(「0」)である。トレーダにより入力される総注文は、Rフィールド508の値となり、5である。
例えば、左マウスボタンおよび量説明フィールド502で選ばれる「Offset(オフセット)」オプションで入力される注文は、前記と同じ様に計算されるが、Rフィールド508の量の代わりにLフィールド510の量が加算される。したがって、92価格行でBidQ列500を左クリックすると、92という価格および96という量でマーケットに買い注文が送信される。量96は、量45、28、20および3のすべての合計である。45、28、および20は、92というトレーダの買い注文価格を満たす、または改善するであろうマーケットのすべての量である。この列はそれぞれの対応する価格で市況商品を売るためのマーケットでの未決注文を表すため、これらの量はAskQ列506に表示される。
LフィールドまたはRフィールド510,508の値は負の数でよい。これは、事実上、マーケットに送信される総量を減少させるであろう。言い換えると、87価格行のAskQ列506を右クリックする例では、Rフィールド508が−5であると、マーケットに送られる総量は140(30+97+18+(−5))となるであろう。
トレーダが量説明フィールド502で「NetPos(ネット位置)」オプションを選んだ場合は、例えば前述したように右クリックが依然として作用する。例えば、左クリックすると、クリックされた価格行に一致する価格、およびトレーダの現在のネット位置に等しい量で注文が入力される。トレーダのネット位置は、選ばれた市況商品でのトレーダの現在地である。言い換えると、トレーダが、トレーダが販売したより10個多く市況商品を購入した場合、この値は10となるであろう。NetPosは右クリックで送信される注文の量に影響を及ぼさないであろう。
トレーダが量説明で数値を選択すると、左クリックでトレーダによって選ばれた現在量についてマーケットに注文が送信されるであろう。現在量のデフォルト値は量説明フィールドに入力される数であるが、それは現在量フィールド502の数字を調整することで変更できるであろう。
該システムの実施形態により、トレーダは、前回売買量(LTQ)列512のどこかで右マウスボタンまたは左マウスボタンのどちらかをシングルクリックすることで自分の運用注文のすべてを削除することもできる(この機能性はさらに、あるいは代替策として画面の一般的な領域に設けることができる)。これにより、トレーダはマーケットをただちに終了できる。本発明の実施形態により、トレーダは特定野価格レベルでマーケットから自分の注文のすべてを削除することもできる。実行済み/運用(E/W)列514でどちらかのマウスボタンをクリックすると、クリックされたセルの中のすべての運用注文が削除される。したがって、トレーダが応じられていない、特定の価格で過去に送信した注文が下手な売買であると考える場合には、トレーダはシングルクリックでこれらの注文を削除できる。
前述されたような表示およびトレーディング方法を使用して売買注文を発注するためのプロセスが、図6のフローチャートに示されている。売買注文を出す前に、該システムは、カスタマプロファイル、注文量、および最大売買量の選択肢などのデータの入力に予備的なフィールドを提供する。いったんこれらの予備フィールドが入力され、トレーダが売買注文を発注する希望を示すと、該システムは、トレーダが売買を実施するために必要なアクションを実行したかどうかを判断する。例えば、本発明は、売買をクリックしようとする試みが実行されたときに、マウスポインタが売買可能セルの上に配置されたかどうかを判断する。実現可能な売買が要求されたと判断されると、該システムは予備的な設定値と市場価格に基づいた量および価格で制限注文を作成し、取引所に送る。該システムは、トレーダに、注文量事前設定ボタンを変更する機会を与える。これらのパワーボタンのデフォルト量は、1、5、10、20、50および100である。しかしながら、本好適実施形態では、トレーダはこれらのデフォルト量のいくらかまたはすべてを、それぞれの特定のボタンで右クリックを実行し、手動で別の数量を入力することによって変えることができる。
ステップ600では、トレーダは所与の市況商品のためのマーケットを示すトレーディング端末画面で表示を有する。ステップ602では、パラメータは、プルダウンメニューからLフィールドとRフィールド、および現在量フィールド、NetPos(ネット位置)フィールドまたはOffset(オフセット)フィールドなどの適切なフィールドに設定される。ステップ604では、マウスポインタはトレーダによって表示のセル上に配置され、クリックされる。ステップ606では、システムはクリックされたセルが売買可能なセル(つまり、AskQ列またはBidQ列の中)であるかどうかを判断する。売買可能なセルではない場合には、ステップ608で売買注文は作成、または送信されず、むしろ他の量が調整されるか、機能が選択されたセルに基づいて実行される。そうでなければ、ステップ610で、システムは、クリックされたのがマウスの左ボタンだったのか、あるいは右ボタンだったのかを突き止める。それが右であった場合には、ステップ612で、システムは、それがステップ614で注文の総量を決定するときにRフィールドの量を使用する。左ボタンがクリックされた場合には、ステップ616でシステムはどの量説明が選ばれたのかを判断する。つまりOffset(オフセット)、NetPos(ネット位置)または実際の数である。
Offset(オフセット)が選ばれた場合には、システムはステップ618で、それがステップ614で注文の総量を決定するときにLフィールドの量を使用する。NetPosが選ばれたときには、ステップ620でシステムは、売買注文の総量が現在のNetPos値―所与の市況商品におけるトレーダのネット位置であることを突き止める。量の説明として実際の数が使用された場合には、ステップ622でシステムは、売買注文の総量が入力された現在の量となるかどうかを判断する。ステップ614では、システムは、売買注文の総量が、クリックされた行の価格より優れているか、あるいは等しい価格のマーケットのすべての量が加えられた、(ステップ612が取られた場合には)Rフィールドの値、あるいは(ステップ618が取られた場合には)Lフィールドの値であると判断する。これは、(L値またはR値が加えられる)トレーダが入力している注文に応じるマーケットのそれぞれの注文の量を総計する。
ステップ614、622または620のどれかの後に、システムはステップ624で、どの列、つまりBidQかAskQがクリックされたのかを判断する。AskQがクリックされた場合には、ステップ626でシステムはすでに求められた総量の行に対応する価格で売り制限注文をマーケットに送る。BidQがクリックされた場合には、ステップ628でシステムはすでに決定された総量の行に対応する価格でマーケットに買い制限注文を送る。前述されたプロセスは1つの実施形態にすぎず、本発明はこの特定のプロセスまたは任意のプロセスに限定されない。
図2と図3に描かれているタイプの表示画面を実装する1つの市販されている製品は、イリノイ州シカゴのトレーディングテクノロジーズインターナショナル社によって商標X_TRADER(登録商標)で販売されている。図3に描かれている型の表示画面は本明細書ではMD_TRADER(商標)式表示と呼ばれることがある。しかしながら、前述されたように、好適実施形態のトレーディングツールは、特に断りのない限り実質的に任意の電子商取引アプリケーションとともに使用できる。
電子商取引およびその使用についてのグラフィックユーザインタフェースに関する前記情報を考慮して、ここで数多くのトレーディングツールが説明される。例えばトレーダを支援し、取引の効率と適時性を改善するために、これらのトレーディングツールの1つまたは複数がトレーディングアプリケーションに組み込まれてよい。
前回売買量マーカ
好適実施形態に従った「前回売買量(LTQ)マーカ」は、前回売買量(LTQ)の表示を提供する。MD_TRADER(商標)式表示などの静的な価格スケールに関連する動的マーケット情報を含む表示では、LTQマーカは、関連するLTQ価格が変化するにつれてLTQ列を上下に移動してよい。LTQマーカ700の1つの形式が図7に図示され、数値と色または陰影の両方が使用されている。同じ価格での連続売買の場合、LTQマーカ700は、例えばi)前回売買価格でのすべての連続売買の累積量、またはii)前回売買価格での最新の売買だけの量のどちらかを示す可能性がある。複数のLTQ発生のための総量の蓄積は通常ゲートウェイ(つまり取引所)に依存している。しかしながら、大部分のゲートウェイは量を蓄積するであろう。LTQを蓄積しないゲートウェイの場合、図1に描かれているアプリケーションプログラムインタフェースなどのトレーディングアプリケーションは、所望される場合、LTQを累積インジケータに変換してよい。
一般的には、契約が同じ特定価格で売買を続行する限り、LTQは蓄積する。契約が新しい価格で取引されると、マーカはその価格の脇で移動し、量はインジケータボックスの内部に表示され、前回売買の量だけを反映する。契約が、過去の契約が取引された価格で取引される場合には、インジケータはその価格レベルに戻り、インジケータボックスは再びその前回売買量だけを表示する(それは、前回マーカがこの価格にあったときに表示された量に新規に売買された量を加算しない)。LTQ列702内に位置するインジケータは前回売買量の数を単に表示するのではない。むしろ、マーカは、前回契約が取引された(価格列704内の)価格の隣に存在することにより、その売買が発生した価格もユーザに示す。LTQマーカ700は、好ましくはあるが必ずしもということではなく、対応する前回売買価格706に関連付けられている。価格または量の数値がマーカに関連付けられることは必要ではない。
したがって、好適実施形態に従って、LTQマーカ700は前回売買量の視覚的なインジケータである。それが量のインジケータとしてユーザによって認識される限り、任意のタイプのマーカが使用されてよい。色あるいはスライド式スケール、温度計型スケールまたは速度計型スケールなどのグラフィックインジケータなどの他のインジケータが代わりにマーカとして使用されてよい。グラフィックインジケータは関連付けられた数値を含んでよいが、含むことを要求されていない。しかしながら、追加代替策では、LTQなどの興味のある項目の特性を描くためにインジケータの組み合わせが使用されてよい。例えば、量自体は数値でまたは図式で提示されてよく、色は、増加する出来高または減少する出来高、つまり出来高の変化率、あるいはLTQに関連する上昇する価格または下降する価格などの動向を図解するために量インジケータとともに使用されてよい。加えて、前記のいくつかの段落ではLQのマーカとして説明されてきたが、これらのタイプのマーカは、代わりにユーザに興味がある可能性のあるユーザインタフェースでの任意の項目について使用されてよい。
加えて、ユーザインタフェースが、例えば連結制御アイコンの見出し下で後述されるように連結静的価格スケールを表示するように構成されるとき、LTQセル708は価格連結増分に細分化されてよく、LTQマーカは、LTQセル708の対応する細区分内で例えば水平線として示されてよい。この例では、LTQセル708内の水平線であるグラフィックインジケータの位置は、前回売買量の取引が行われた連結範囲内の価格の視覚的な表示を提供する。
マーカの色分け
前記に注記したように、ユーザインタフェースで興味のある項目は、色またはグレースケール陰影を使用して色分けされ、あるいは強調表示されてよい。好適実施形態においては、ユーザインタフェースはMD_TRADER(商標)インタフェースなどの静的価格スケールに関連付けられたマーケットデータを有する図3に図示される型であり、色は、例えば過去のLTQに関連付けられた価格値から、前回売買量(LTQ)に関連付けられた価格値の増加または減少の間の視覚的な区別を提供するためにLTQマーカとともに使用される。MD_TRADER(商標)では、LTQは、前回売買価格(LTP)706に対応するレベルで表示される図7に図示されるように、LTQ列702内の強調表示セルとして提示されてよい。好適実施形態では、強調表示されたセルは、マーケットの価格移動に基づいて変色する。例えば、LTQセル710は、LTQに関連付けられる価格の変動が過去のLTQ708と関連付けられる価格からの上昇であるときに、青色などの1色である背景で表示されてよい。他方、LTQセル712は、過去のLTQ708からの価格の変動が減少するときには、赤色などの別の色背景で表示されてよい。
加えて、色はLTQのような興味のある項目について追加情報を提供してよい。例えば、問題になっている市況商品がその現在のトレーディングセッションの間にまだ売買されていないとき、LTQ列702は灰色などの特定の色で表示されてよく、量が充填されるまでその色のままとなってよい。量が充填されると、そのセッションの最初のLTQを表示するセルが、過去のLTGからのアップティックもダウンティックも示さない緑色などの特定の色で強調表示される。以後充填すると、価格レベルがある売買と別の売買で変化しない場合には、LTQセルは青色または赤色のどちらかで前記例について強調表示され、その場合セルは、LTQの価格に変化があるまで緑色のままとなる。
これは、LTQの表示および色表示(複数の場合がある)がマーケットの価格移動、ステータスまたは動向の視覚的な基準となり、それによりトレーダがマーケットの活動の方向などの追加の情報を迅速に吸収できるようにするという点において、トレーダにとって利点となる。前回売買量の価格の変動を確かめた結果、トレーダはマーケットのステータスおよび動向をさらに容易に決定し、それによりトレーダが注文を入力し、それらの注文に好ましい価格で応じてもらう尤度を改善する。
LTQの色分けはLTQ列72内で色付きのセル(例えば700、708、および710)として表示され、その売買量の価格行に対応する。ある好適実施形態においては、デフォルトにより、色付きセルが、LTQが過去のLTQから価格で上方にティックするときに青色で表示され、LTQが過去のLTQから価格で下方にティックするときの事例では赤色で表示され、価格レベルがある売買から次の売買で同じままであるときの事例では緑色で表示される。これらの好ましい色はある実施形態においてはデフォルト設定値であるが、好ましくは、トレーディングアプリケーションは、トレーダがトレーダ自身の好みに従って色表示を変更できるようにする。加えて、特定の実施形態はセルに適用されている色に関して説明されているが、本発明は、色がセルに適用される実施形態に限定されない。例えば、色は、興味のある項目の特性を描くために、前項でLTQマーカとして使用される水平線などの任意のグラフィックインジケータに適用されてよい。
さまざまな価格フィードのオーバレイ
ある実施形態においては、トレーディングアプリケーションは「さまざまな価格フィードのオーバレイ」を実現する。トレーディングアプリケーションは前記に参照されるX_TRADER(登録商標)、または本明細書に説明されているように適合されている他の任意の市販製品であってよい。多くの例では、特定の市況商品は特定の取引所でのみ売買される。しかしながら、他の例では、市況商品は複数の取引所で売買されてよい。これは、ユーザがさまざまな価格フィード、つまりある特定の市況商品に関してさまざまな取引所からのフィードからの同時情報に関心があるときの1つの例である。別の例としては、Eurexは場内市場ストリームとマーケットの深さのストリームの両方を提供する。一般的に場内市場ストリームはマーケットの深さのストリームより速い。好適実施形態に従って、さまざまなストリームは、単一の取引所からなのか、あるいは複数の取引所からなのかに関係なく、トレーディングウィンドウに市況商品についての情報を投入・表示するためにトレーディングアプリケーションによって使用される。
多くの取引所は複数の価格ストリームを提供するが、これらの取引所は多くの場合トレーダが要求するそれらのフィードだけを供給する。各トレーダは、マーケットの深さとして知られている、例えば特定の市況商品についてマーケットで現在入手可能な量のすべてのストリームを要求する場合があり、あるいはトレーダは場内市場価格だけを受け取ることを要求する場合があり、この場合、場内市場は、その市況商品について入手可能な量がある、最高の購入価格および最低の販売価格である。これは、最良の購入価格および最良の販売価格としても知られている。多くのトレーダはこれらの最良の価格に集中するため、マーケットの深さのストリームを所望しない。したがって、複数の取引所は、場内市場ストリームだけを受け取ることを希望するトレーダの帯域幅を節約することによって利点を得る一方で、さまざまな価格フィードを提供することによってユーザの好みを満たす。
「オーバレイ」機能を使用するとき、システムは、好ましくはそれが受信する情報のすべてを表示し、表示は連続してセルを更新する。複数のフィードまたはストリームを受け入れ、または受け入れる能力を有することによって、トレーダは、1つのフィードが低速化するか、あるいは使用不可能になった場合には、他のフィードがマーケット情報を更新し続けることを認識するという点でさらに大きな安心感を与えられる。
図8および図9は、ルータ810およびゲートウェイ812を通してそれぞれ第1の価格パケット806と第2の価格パケットと808を搬送する平行フィードを介した、取引所802からクライアント端末804へのデータの転送のためのネットワーク800を示す。クライアント端末804は、フィードによりユーザに搬送されるデータを提示するX_TRADER(登録商標)などのトレーディングアプリケーションを実行している。フィードの1つで、「一時的な中断」つまり失われたデータと呼ばれる混乱がネットワークで発生すると、図9の814で示されるように、上部フィードからのパケットはトレーダの表示の中に送り込まれるのを妨げられる。混乱は、用語が本明細書で使用されるように、データが恒久的に失われてしまう状況に限定されず、むしろデータが破壊されたとき、低速であるとき、あるいはそれ以外の場合で遅延されるときの例もカバーするために総称的に使用される。失われたデータの例で予備のフィードがない場合、表示には価格はなく、トレーディングの機会は失われるであろう。低速のデータまたは遅延したデータでの例で予備のフィードがない場合、トレーディングの決定は有効期限を過ぎた情報に基づいて下されるであろう。
ゲートウェイ812とクライアント端末804の間で発生する混乱814として描かれているが、フィードは取引所802からクライアント端末804への任意の点で混乱され得る。平行フィードのために、混乱の原因には関係なく、現在の情報の表示は中断されない。さらに平行フィードにより、ユーザは2つのフィードの間の速度の差異を利用できるようになり、ユーザに最良の入手可能な情報を表示する。ストリームが1つの取引所802から生じるものとして描かれているが、ストリームは代わりにさまざまな取引所で生じ得ることに留意する必要がある。さらに、通常2つのフィードで十分であるが、好適実施形態はこのように限定されず、3つ以上のフィードからの情報が同時に表示されてよい。
本発明のある実施形態においては、「オーバレイ相違価格フィード」は、Properties(プロパティ)ダイアログボックスの「Use Inside Market Prices(場内市場価格を使用)」にチェックを加え、またはチェックを削除することによって有効または無効にすることができる。この機能を有効にする他の技法が代わりに使用されてよい。複数のフィードがモニタされ、表示される場合、トレーディングアプリケーションは、フィードからのデータが同じではない例で、どのフィードのデータが表示されるのかを決定するためのオプションをユーザに与えてよい。例えば、フィードがさまざまな取引所で生じる例では、ユーザはさまざまなフィードから最良の価格を表示することを選んでよい。フィードが同じ取引所で生じる追加の例では、どのフィードが前回表示されたパケットを搬送したのかに関係なく、直近のパケットからの情報が表示されてよい。他の代替策は前記を検討すると明らかになるであろう。
総運用量の表示
別の好適実施形態は、トレーダの買い注文と売り注文のマーケットで運用されている総量の表示をトレーダに与える。トレーダの総運用量は、トレーダが現在入力したが、まだマーケットで応じられていないすべての注文の満たされていない総量を表す。例えば、トレーディングアプリケーションは、売買されている特定の市況商品のため、およびマーケットにそれらの量を入力した特定のトレーダのための総運用購入量と総運用販売量を表示してよい。図10は、一例として、(1000で)14、13および1の別々の運用販売量と、(1002で)5、1、15、3および1の別々の運用購入量を有するトレーダの表示を示す。この例はMD_TRADER(商標)式トレーディングインタフェースを活用するが、任意の種類のトレーディングインタフェースが代わりに使用されてよい。トレーディングアプリケーションはトレーダの運用販売量の合計(14+13+1=28)と、トレーダの運用購入量の合計(5+1+15+3+1=25)を計算し、この例ではセル1004の中に総量を表示する。総運用量はユーザにとって有用である任意の方法または位置に表示されてよい。本実施形態の別の変形例では、ユーザはそれらのセルで表示される運用量を削除するために、総購入量表示セルまたは総販売量表示セルのどちらかを直接的にクリックしてよい。
セル1004内のトレーダの総運用量の表示は、それがトレーダの運用量からの総エクスポージャーを提供するという点でトレーダのプラスになる。新規注文が入力され、他の注文が応じられるにつれて注文量が連続的に更新されるという点で表示は動的であるが、さまざまな市場価格での量の表示は表示画面のサイズにより制限されている。したがって、トレーダは、表示ウィンドウには現れていない価格で、トレーダが認識していない運用量を有することが有り得る。総運用量表示は、トレーダにトレーダの購入運用量と販売運用量の累計を示すことによりこの欠点を緩和するのに役立つ。表示がゼロ以外の何かを表示する場合、トレーダは、トレーダが現在マーケットで応じられていない運用量を有していることを知るであろう。
好適実施形態では、総運用量の表示は、図10のセル1004に図示されるように、ユーザによって作動されてよいボタンとともにユーザに提示される。前記に注記されたように、ユーザは、ボタン1006、1008をクリックするためにマウスなどの入力装置を使用し、それにより表示された総運用量と関連する運用注文を削除してよい。1つのボタン1006は総購入運用量を表示する。他のボタン1008は、総販売運用量を表示する。各ボタン1006、1008で表示される総計は、図10に図示されるように運用量の列1010に表示されるような総計されていない運用量から計算される。運用量列1010と総量ボタン1006、1008の両方で、好適実施形態では青色などの色で購入量が強調表示され、好適実施形態では販売量は赤色などの別の色で強調表示される。ユーザは、好ましくは、例えばMD_TRADER(商標)において、プロパティ設定ウィンドウを介して総量ボタンを表示するかどうかのオプションを有している。量ボタンは新しいセッションのためにデフォルトで表示される。言うまでもなく、総運用量は、図10に描かれている表示のタイプに対する代替策として任意のトレーディングアプリケーションによって表示されてよい。
動的インジケータ
別の好適実施形態は、例えば静的価格スケールに関する表示のための動的インジケータを貼り付ける能力をユーザに与える。ある実施形態においては、第1の動的インジケータ列は買い注文量列の隣に表示され、第2の動的インジケータ列は売り注文量列の隣に表示される。動的インジケータは、ユーザに例えば特定の価格などの視覚的なインジケータを与えるために、Microsoft EXCELなどのスプレッドシート、あるいは他のサードパーティチャート作成ソフトウェアまたは分析ソフトウェアから動的インジケータ列に適用されてよい。他のトレーディングアプリケーションおよびトレーディングインタフェースが代わりに使用されてよいが、表示画面は、例えばX_TRADER(登録商標)トレーディングアプリケーションによって生成されるMD_TRADER(商標)式表示であってよい。
動的インジケータは、好ましくはマーケット情報と関連付けられる。好適実施形態では、それはユーザにとって興味のある他の任意の項目と代わりに関連付けられてよいが、動的インジケータは価格と関連付けられている。色分けは動的インジケータに適用されてよい。
動的インジケータは、例えばMD_TRADER(商標)式表示で使用されるとき、サードパーティソフトウェアを使用してトレーダによって設定されるように特定の価格と関連付けられてよく、静的価格スケールに関して表示されてよい。動的インジケータが、トレーダの表示の視認可能な領域の外にある価格と関連付けられている場合、それは好ましくは、該関連付けられた価格が視野に入ると画面上で見えるようになる。本発明の好適実施形態はスプレッドシートへの、およびスプレッドシートからのコピーおよび貼り付けを含むが、情報を転送する他の方法も使用されてよい。
この特定の実施形態の使用は、トレーダがスプレッドシート1100に値を入力するか、あるいは貼り付けるときに開始される。例えば、値は、トレーダがモニタすることを希望する特定の価格であってよく、あるいはそれは加えられた計算を含む動的価格であってもよい。インジケータは価格とともに使用することに限定されないが、代わりにトレーダの表示上で興味のある任意の項目について使用されてよい。価格の例では、いったん価格がスプレッドシートに入力されると、トレーダはスプレッドシートから所望される価格セル(複数の場合がある)をコピーし、図11Aに図示されるように、画面の動的インジケータ列1102の1つに該セル(複数の場合がある)を貼り付ける。動的インジケータ列に該セル(複数の場合がある)を貼り付けると、動的インジケータ1104とも呼ばれる表示マーカは、スプレッドシートまたは他のソフトウェアで計算される価格に対応する、インジケータ列1102内のセルを強調表示する。
マーカは、例えばグラフィックシンボルおよび色を含む、トレーダのためのインジケータとしての機能を果たすために適切である任意のものであってよい。このようにして、図11Aは強調表示されたセル1104全体を示すが、マーカは強調表示され、または着色された前景、背景、境界線もしくはセルの一部などのカ色をベースにしてもよい。動的インジケータがセル全体を占めることは必要ではない。例えば、トレーディングインタフェースが静的価格スケールを含み、価格スケールが連結される例では、特定の価格に対応するセル内の位置に動的インジケータを配置することが望ましい場合がある。加えて、マーカは価格の範囲をマーキングしてよい。マーカのタイプはユーザによって選択可能であるのが好ましい。
好ましくは、貼り付けられたセルから、セル(複数の場合がある)のコピー元であるスプレッドシート1100へのリンクが確立される。該リンクはトレーダにスプレッドシート1100内でコピーされた値を変更する能力を与え、動的インジケータ列1102の貼り付けられた値での関連する変更を生じさせる。1つの実施形態では、これはトレーディングインタフェースとサードパーティソフトウェアの間の双方向リンクであってよく、あるいはTLPまたは他の興味のある任意の項目などのトレーディングウィンドウからのマーケットデータをスプレッドシートまたは他のサードパーティソフトウェアにリンクしてよい。適切な任意の型のデータ交換プロトコルが、サードパーティソフトウェアから情報を埋め込むため、あるいはサードパーティソフトウェアに動的インジケータをリンクするために使用されてよい。例えば、Microsoft OLE2.0は、Microsoft Windowsアプリケーションをサードパーティソフトウェアとして使用するときに、これらの機能を実行するために使用されてよい。好適実施形態では、Microsoft OLEはMicrosoft EXCELスプレッドシートからの動的インジケータとセル間のリンクを提供するために活用される。一般的にデータ交換プロトコル、特にリンク技法と埋め込み技法は、当業者に周知である。
貼り付けられた動的インジケータの意味、および加えられた動的計算があるかどうかは、好ましくは個々のトレーダの決定である。例えば、トレーダは動的インジケータに「公正価値分析」(平均価格)を表すことを望んでよい。これは、特定の市況商品が一日中売買された平均価格を計算するであろう。トレーダは、加えられた計算とともにセルをコピーし、動的表示列の中に貼り付ける。平均価格がそれぞれの新規に応じられた量とともに変動するにつれて、動的インジケータは適切な価格とともにインジケータ列を上下に移動するであろう。そのインジケータが画面上で視認可能な価格に移動すると、トレーダは「公正価値」価格の視覚的なインジケータを確認することができ、トレーダはそのように所望する場合、量を入力することを選ぶことができるであろう。「公正価値」価格に関して図解されているが、任意の計算が代わりに使用されてよいことが理解されるべきである。
前記に注記したように、動的インジケータはセルの一部でのみ表示される場合もある。動的インジケータは、例えばセルの残りまたは取り囲むセルとは別の色で強調表示されてよく、あるいは点滅効果を生じさせるために時間変動する色で表示されてよい。動的インジケータはセル内で強調表示された線または着色された線として提示されてよい。動的インジケータが表示されるセルの部分は、例えば価格連結が活用されるときに静的価格スケールの価格の間で低下する価格などの追加情報を伝えるために選択されてよい。図11Bは、動的インジケータがセル1110の一部だけを強調表示することにより表示される、動的インジケータ列1102を描く。
動的インジケータは、トレーダが、それらの移動が前回売買価格、「公正価値」あるいは任意の他の指定された興味のある項目のものであるかどうかに関係なく、例えばトレーダ自身の指定の価格移動をモニタする能力を与えられるという点で、トレーダに利点となる。トレーダの指定された興味のある項目と関連付けられる可視動的インジケータを確かめることにより、トレーダは所望される価格で量を入力する、よりよい機会を有する。さらに、トレーダは、トレーディングセッションを通して他の量を入力し続ける一方、動的インジケータを貼り付けることができ、インジケータはセッションが開いている間更新し続ける。したがって、トレーダは、インジケータによって示されるような望ましい価格が、トレーダがインジケータを最初にコピーし貼り付けた後も長く、マーケット内で使用可能であることに気付くであろう。さらに、動的インジケータは、ユーザがマーケットデータを分析するのに要する時間を、ユーザに視覚的な合図を与えることにより減少し得る。
強調表示された動的インジケータの表示は、色が使用される例ではその色が、例えばプロパティウィンドウを通してトレーダによって選択されるが、表示上の購入及び/又は販売動的インジケータ列に表示される。インジケータは表示上の多様な場所に移動できる。言うまでもなく、複数の動的インジケータが任意の動的インジケータ列に表示されてよい。MD_TRADER(商標)式表示を活用する1つの実施形態では、動的インジケータ列は、図11Aに図示されるように、それぞれデフォルトにより購入量列と販売量列のすぐ左と右に表示される。しかしながら、列、行、または他の表示要素全体が動的インジケータの表示専用とされることは必要ではない。動的インジケータは代わりにセル単位で表示に適用されてよいか、あるいは他の表示されている情報をオーバレイしてよい。
範囲外インジケータ
好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーション用のグラフィックユーザインタフェースは、興味のある項目が表示の視認可能範囲外にあるという表示を提供する。トレーディングアプリケーションは、前記に参照されたX_TRADER(登録商標)、または本項に記述されるように適合された他の任意の市販製品であってよい。また、好ましくは、範囲外インジケータは、ユーザが視認可能領域の外側にある興味のある項目(複数の場合がある)を表示できるように、表示を上下に移動させる能力をユーザに提供する。興味のある項目の例は、量および価格などのユーザの運用注文とマーケットの深さの情報を含むが、これに限定されない。
ある実施形態においては、範囲外インジケータは、興味のある項目が視認可能領域の外側にあることをユーザに示す矢印または類似のポインティングアイコンであり、視認可能領域が興味のある項目を表示するために移動する必要がある方向をさらに示す。好ましくは、視認可能領域は、ユーザがポインティングアイコンをクリックするか、あるいはそれ以外の場合にはポインティングアイコンを作動させるときに、興味のある項目にスクロールするまたはジャンプするであろう。範囲外インジケータが使用されるたびに、表示は視認可能領域の外側の最も近い興味のある項目に移動し得る。次に興味のある項目にジャンプする代わりとして、表示は行単位で、列単位で、価格単位で移動し、あるいは選択された興味のある項目に基づいて新しいレベルにジャンプし得る。
例えば、図12Aに図示されるように、109225、109250、109400等の販売価格で量が入力される(表示上で視認可能)。109525は、量が入力される二番目に高い価格であるが、その量が視認可能領域を超える場合、トレーダは、量が視認可能であるように表示を上に移動させるために、この例では「アップ矢印」1200機能として描かれている範囲外量インジケータを使用できる。「アップ矢印」1200機能をそれぞれ次に使用すると、量がマーケットに入力される次の最高価格が表示される。
この例が続行すると、「ダウン矢印」1202機能を利用するときに、同じ一般的な原則が適用する。具体的には図12Aでは、108975、108875、108825等の購入価格でトレーディング画面で量が視認可能である。108650が、量がマーケットに入力される次に最も低い購入価格である場合、トレーダは「ダウン矢印」1202機能を使用し、その量を表示できるであろう。「ダウン矢印」1202機能をそれぞれ次に使用すると、量がマーケットに入力された次に最も低い購入価格が表示される。
この例では、範囲外マーケット量を示す範囲外インジケータ(例えば1200、1202)を使用することによって、トレーダは基本的に取引所により提供されるマーケットの深さ全体を表示できる。マーケットの深さ全体の表示は、例えばユーザの表示画面のサイズ、あるいは任意の時点で表示されるマーケット情報の量についてのユーザの好みによって制限され得る。これらの制約のため、ユーザが見ることができないマーケットの深さや運用注文などの興味のある項目がある可能性がある。範囲外インジケータは、ユーザに興味のある範囲外項目の存在を警告するだけではなく、すべてのこのような情報が、例えば「アップ矢印」1200および「ダウン矢印」1202機能を介して視認可能であることも確実にする。
興味のある項目が視認可能範囲外になると、トレーディングアプリケーションは、好ましくは、例えば興味のある項目に関係する列の上部及び/又は下部で、適宜にそれぞれ上または下を指す矢印を伴ったセルを生成する。マーケットに入力される量のような興味のある項目が視認可能領域の外側になるときだけ、矢印セルは好ましくは有効にされる。興味のある項目が視認可能領域外にならない場合、本発明の1つの実施形態においては、セルはイナクティブであり、矢印のない無地で表示に提示されてよい。ポインティングアイコン付きボタンを使用する代わりとして、好適実施形態によりユーザはマウスホイールまたは他のユーザ入力装置を使用して所望される方向でマーケットデータをスクロールできるようになる。
前記に注記されたように、範囲外インジケータは代わりに、あるいはさらに、範囲外運用注文をユーザに警告するために使用されてよい。この例では、インジケータが使用されるたびに、表示は、好ましくは視認可能領域外であるマーケットにおいてユーザの次の運用注文に移動する。例えば、図12Bに図示され、運用量列に存在する運用量によって証明されるように、トレーダは109200、109250、および109300という販売価格または売り注文価格で量を入力する(表示上に視認可能)。109550が、量が入力されるトレーダの次に最も高い価格であるが、その量が視認可能領域を超える場合、トレーダは、量が現れるように表示を上に移動するために、インジケータ、この例では「アップ売り注文矢印」1204機能を使用できる。「アップ売り注文矢印」1204機能をそれぞれ次に使用すると、マーケットに量が入力されるトレーダの次に最も高い付け値価格が表示される。前述されたように、表示は代わりに行単位で、列単位で、価格単位で移動してよい、あるいは選択された興味のある項目に基づいて新しいレベルにジャンプしてよい。
同じ一般原則が、「ダウン買い注文矢印」1206機能を利用することにより、運用購入注文に関して当てはまる。例えば、図11Bでは、トレーダは109025、109000、108975、108875、および108825という購入価格、つまり買い注文価格でトレーディング画面上に量を入力し、視認可能である。108650がマーケットに量が入力されるそのトレーダの次に最も低い買い注文値である場合には、トレーダはその量を表示するために「ダウン買い注文矢印」1206を使用できるであろう。それぞれ次に「ダウン買い注文矢印」1206機能を使用すると、トレーダがマーケットに量を入力した、そのトレーダの次に最も低い買い注文価格が表示される。どの矢印が使用されているかに関わらず、画面は、トレーダがマーケットに入力した量に移る。
範囲外インジケータ(例えば、1200、1202、1204および1206)を使用することによって、トレーダは好ましくは自分の運用注文のすべてに関する情報を表示し得る。このインジケータは、ユーザの運用注文のすべてが「アップ売り注文矢印」、「アップ買い注文矢印」、「ダウン売り注文矢印」、および「ダウン買い注文矢印」の機能を介して現れることを確実にすることによって、見失われ、忘れられる機会またはエクスポージャーの可能性を低減する。前述されたポインティングアイコンまたは矢印ボタンは、興味のある任意の列の上部及び/又は下部、あるいは興味のある任意の行の左側及び/又は右側に位置してよく、それは、例えば視認可能範囲外になる運用量を含む、視認可能範囲外になるデータを含む。範囲外インジケータの他の用途は、この詳細な説明を読めば当業者に明らかになるであろう。ポインティングアイコン及び/又は矢印ボタンを参照して前述されたが、代わりに、視認可能範囲外に情報があることをユーザに示すことができる限り、任意のタイプのインジケータが使用されてよい。
「温度計」インジケータ
好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーションは、論理的に動的な方法で互いに比例して、購入量および販売量の体積を描く表示をユーザに提供する。トレーディングアプリケーションは、前記に参照されたX_TRADER(登録商標)であってよく、あるいは本項に説明されるように適合される他の任意の市販製品であってよい。X_TRADER(登録商標)のように縦軸に沿って価格を表示するトレーディングアプリケーションで有利に使用される1つの実施形態において、「温度計」インジケータが、図13Aと図13Bに図示されるように、量の列に近接して位置する1つまたは複数の狭い垂直表示列1300、1302(「温度計」)を生成する。温度計1300、1302は、ある特定の市況商品のマーケットでの買い注文と売り注文の総数の数値表示に関連付けられてよく、あるいは関連付けられなくてよい。マーケットで入手可能な量があるとき、温度計1300、1302は、好ましくは、マーケットで購入量対販売量のパーセンテージと一致するように陰影が付けられる。例えば、マーケットの購入量と販売量が等しく、量の50%が購入量であり、50%が販売量であることを意味する場合には、両方の温度計1300、1302とも図13Aに示されるように50%陰影を付けられている。代替実施形態においては、温度計インジケータはユーザにとって興味のある2つの項目の関連性を表し得る。説明図では垂直バーが示されているが、インジケータがユーザにとって適切な情報を伝達できる限り、任意の視覚的なインジケータが代わりに使用されてよいことが理解されなければならない。
好ましくは、これらの温度計列は、ユーザが、論理またはユーザの好みが決定するように表示上の多様な場所に温度計列を移動してよいという点で調整可能である。温度計インジケータが販売量の体積に関して購入量の体積を表現しなければならないときの1つの好ましい位置は、購入量列のすぐ左側で、販売量列の右側である。この実施形態では、温度計の表示は画面に表示される価格の中間点で開始してよい。例えば、図13Aと図13Bでは、中間点は価格90と85の間である。購入量温度計は、中間点から画面に表示される最も低い価格(45)に下降し、販売量温度計は表示されている最高の価格(130)に伸張する。
前記に注記したように、2つの温度計は、購入量と販売量のそれぞれに温度計1つずつで、マーケットで使用可能な量を示している。描かれている実施形態では、両方の温度計とも、現在ユーザの表示上にある中間点価格から伸張する。購入温度計は、好ましくは表示されている最低の価格に達するが、販売温度計は好ましくは表示されている最高の価格まで伸張する。購入量の温度計は、購入量のパーセンテージが増加するにつれて、温度計の上部から下降する。販売量の温度計は、販売量のパーセンテージが上昇するにつれて、温度計の下部から上昇する。購入量または販売量のどちらかが他方より多い場合には、温度計は表示の量に基づいてこの差異を反映させる。例えば図13Bは、マーケットの量の95%が購入量であり、マーケットの量の5%が販売量であるシナリオを反映する。したがって、購入温度計1304は、格差を表現するために販売温度計1306よりはるかに多く陰影が付けられる。温度計インジケータを参照して説明されてきたが、任意のタイプのグラフィックインジケータが、興味のある項目についての情報をユーザに提示するために代わりに使用されてよい。温度計のようなグラフィックインジケータを表示する代替策は、総販売量と総購入量などマーケットの深さを数値で、あるいは購入と販売の間のパーセンテージまたは比率として表現することである。
温度計インジケータは、マーケットにおける購入量対販売量の格差を示すことによってトレーダにプラスになり、それによりトレーダに、購入または販売するための注文を入力すべきかを決定するのに役立つツールを提供する。例えば、マーケットにさらに高いパーセンテージの購入量がある場合には、さらに多数のトレーダが購入を希望するのに対し、マーケットにさらに高いパーセンテージの販売量がある場合、さらに多数のトレーダが販売を希望する可能性がある。したがって、トレーダは、マーケット内のさらに高いパーセンテージの購入量により、トレーダがこのような販売注文を入力すると、トレーダの販売注文が望ましい価格で応じられる、さらに高い確率を有し得ることを推論することができる。販売量のパーセンテージがマーケットでより高い場合には、トレーダは望ましい価格でトレーダの購入注文が応じられる、さらに高い確率を有し得る。
自動スキャルパー
別の好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーションは、自動的に反対売買注文を入力する方法を提供する。好ましくは、トレーディングアプリケーションはMD_TRADER(商標)式表示を使用するX_TRADER(登録商標)である。スキャルピングとは、市況商品の取引で周知である用語であり、それは、トレーダが短期間で相対的に小さな利得のために売買する取引技法を指している。この実施形態では、トレーディングアプリケーションは、自動注文入力機構をユーザに提供することによって、スキャルピングを容易にし、その実施形態はさらに後述される。好ましくは、自動スキャルピングは、横線の形をした1組のインジケータバーを操作するために、ユーザマウスの上のコントロールキーとスクロールホイールを同時に押すなどして、ユーザ入力に基づいて活性化される。代わりに他の作動機構を使用でき、例えばトレーディングアプリケーションによって、あるいはユーザインタフェースで表示されるスキャルピングアイコンを作動することによって生成されるダイアログボックスを使用することを含む。
マウス入力が平行する横線を位置決めするために使用されるこの実施形態の場合、インジケータバーは、類似するこのような量が手動で入力され応じられると、購入量と販売量が自動的に入力され得る価格範囲を定める。さらに具体的には、この機能は、トレーダが手動で入力した購入量が応じられると、自動的に販売量を入力する。同様に、この機能は、トレーダが手動で入力した販売量が応じられると、購入量を自動的に入力する。インジケータバーは、価格を表現する静的なスケールまたは軸に対して移動する。好適実施形態では、インジケータバーは購入列、販売列、および価格列に渡り、それらはトレーダの表示画面上に表示される価格の中心点で共に開始する。図14Aでは、その中間点1400は90と85という価格の間にある。トレーダがこの実施形態を可能にし、トレーダのマウスの上でホイールを上方にスクロールすると、インジケータはさらに離れて移動し、インジケータバー1402の範囲内にさらに多くの価格を残す。トレーダがホイールを下方にスクロールすると、インジケータバーは共により近くに(中間点にさらに近くに)移動し、図14Bに示されるようにインジケータ列内の価格の数を減少させる。
自動的に入力される順序は、好ましくはトレーダの前回の購入または販売の充填と同じ量である。さらに、自動的に入力される注文は、インジケータバーの範囲内で、トレーダの好み及び/又は慣行に応じて、ある特定の1つまたは複数の価格で入力される。1つの実施形態では、自動的に入力される注文は、売り注文の場合ではインジケータバーの範囲内の場内市場を越えた最低の価格となり、買い注文の場合ではインジケータバーの範囲内で最低の価格である。代わりに、自動的に入力される注文は、任意のアルゴリズムに従って計算される1つまたは複数の価格であってよい。例えば、注文される量は(売り注文の場合では)場内市場を超えるか、(買い注文の場合では)場内市場を下回る価格の間で均等に拡散され、インジケータバーの範囲内となり得る。好適実施形態は、自動注文が入力される1つまたは複数の価格を決定するための特定の技法に限定されない。好適実施形態では、ユーザは(最良の価格であるか、または他のなんらかの価格であるかに関係なく)正確に二重の1つまたは複数の注文がどのように送信されるのかについての規則を設定し得る。
例えば、および図14Aに図示されるように、インジケータバー1402は110で最高の価格で、65で最低の価格で設定される。場内市場は、黒い線で示されるように、100という購入価格であり、105という販売価格である。自動スキャルパーを使用しているトレーダが購入列に量を入力し、その量が応じられると、ある実施形態では、該システムは、場内市場を越える最低価格で、インジケータバーの範囲内で販売列に二重の量を自動的に入力し、この例では105という販売価格であろう。
トレーダの位置は購入された市況商品の総量および販売された市況商品の量の差異として定義されてよく、トレーダは、購入される量が販売される量より多いときに長い位置を、販売される量が購入される量より多いときに短い位置を有すると見なされる。トレーダが所有する量が多いほど、トレーダの位置は長くなるであろう。逆に、トレーダが販売する量が多いほど、トレーダの位置は短くなるであろう。毎日のトレーディングセッションの最後に、閉鎖位置と呼ばれる長くも短くもない位置を有することが望ましい場合がある。トレーダがマーケットに入力した購入量が応じられ、このようにしてトレーダに長い位置を与えると、該システムは、ユーザによって作動される場合に、応じられたときにトレーダの位置を閉じる二重販売量を自動的に入力し得る。同様に、トレーダがマーケットに入力した販売量が応じられると、該システムは、応じられるとトレーダの位置を閉じる二重購入量を自動的に入力し得る。自動スキャルパーは、自動的に、且つ好ましくは即時に、応じられるときにトレーダの位置を閉じ、トレーダが長期間長い位置または短い位置を有することを妨げる、二重の購入量または販売量を入力する。
代替実施形態では、自動スキャルパー実施形態は、購入量のために例えばインジケータバーを使用してある範囲を、同時に販売量のために別の範囲を設定するために使用し得る。この実施形態の場合、自動スキャルパーは、自動的に、ユーザによって決定される範囲内の両方の側(購入と販売)を引用する。別の代替実施形態では、複数の自動スキャルピング範囲が、インジケータバーのさまざまな組を使用して、単一トレーディングウィンドウでアクティブであってよい。この実施形態の場合、さまざまな範囲は、例えばインジケータバーのさまざまな組にさまざまな色を使用することにより区別され得る。
価格レベル妥当性チェック
別の好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーションは、前回売買価格(LTP)から指定されたティック数離れた価格で、あるいはLTPとは異なる指定パーセンテージである価格でのマーケットに対する注文の入力を妨げるために、価格レベル妥当性チェック(「PLRC」)と呼ばれる能力をユーザに与える。ティックはなんでもよいが、一般的にはこの詳細な説明においては市況商品ごとに取引所により設定される価格値(例えば、$.01、$.05、$.10または任意の他の値)の最小変動として使用される。トレーディングアプリケーションは、前述されたX_TRADER(登録商標)、あるいは本項で説明されるように適合された他の任意の市販製品であってよい。PLRCはトレーダなどのユーザまたは管理者のどちらかにより有効にされ、構成され得る。管理者がPLRCを有効にするシステムの場合、PLRCはネットワーク上のすべてのクライアント端末に一様に適用されてよく、あるいはそれはケース毎に調整されてよく、それにより例えばトレーダの経験レベルを考慮に入れる。
PLRCは、好ましくは市況商品単位で有効にされ得る。例えば、図15Aでは、トレーダは、トレーダが市場に注文を入力する用意がある、LTPから最大ティック数を示すために5という値を入力した。図15Bに示されているように、売買されている市況商品のマーケットは5というティック値を有する。したがって、90のLTP、5というティック増分および5というPLRC値により決定されるように、トレーダは市況商品を販売することを選択するならば、90、85、80、75、70及び/又は65という価格で注文を入力できる。図15Bで示されているように、90は前回売買価格であり、85、80、75、70および65という価格はそのLTPからの離間が5ティック未満であるか、あるいはそれに等しい販売価格である。トレーダが60という価格またはそれ以下で量を販売しようと試みると、該価格はトレーダのPLRC値が許容する範囲を超えるため、トレーダはそうすることを制限されるであろう。同じトレーダが90、95、100、105、110及び/又は115という価格で市況商品を購入できるであろう。これらの価格のそれぞれはLTPの5ティック(PLRC値)の範囲内である。トレーダが120以上の価格で量を購入しようとすると、該価格はトレーダのPLRC値が許容する範囲を超えるため、トレーダはそうすることを制限されるであろう。代わりに、PLRC機能は、トレーダまたは管理者に対し、ユーザがマーケットに注文を入力することを許容される、LTPからの最大偏差を指定するためにティック数の代わりにパーセンテージを入力することを許容し得る。
代替実施形態では、トレーディングアプリケーションは、不安定性が調整されたPLRC機能を提供し得る。この実施形態では、PLRCは、ユーザがその範囲内で注文を入力してよい、LTPから離れたティック数(またはパーセンテージ)を動的に増減する。ユーザまたはシステム管理者により設定され得る増減は、好ましくは不安定性に基づいている。例えば、トレーダは、不安定性が指定量を超えると指定量分PLRCを動的に増加するようにトレーディングアプリケーションを設定し得る。
PLRC機能を包含することにより、トレーダがあまり望ましくない価格で運用量を満たされる可能性が制限される。場内市場は、使用可能な最良の購入価格と販売価格と見なされる、マーケットで使用可能な量がある、それらの価格である。最良の購入価格は、マーケットに量を有する最高の購入価格であるが、最良の販売価格はマーケットに量を有する最低の販売価格である。一般的には、LTPはその場内市場となる、あるいはその場内市場に近くなる。LTPは、PLRCが開始する中心価格として使用され、そのLTPレベルを上回って、または下回って限られた数の価格レベルで量を入力できる。
トレーディングアプリケーションがX_TRADER(登録商標)である、ある好適実施形態では、PLRCは好ましくはその一例が図15Bに示されているが、「価格レベル妥当性チェック」オプションボックス1500にチェックマークを付けてから、隣接するボックス1502に値を入力し、前回売買価格値を超えて量が応じられるティック数を指定することによって、「Options(オプション)」表示を通して有効にされる。PLRCは運用量の許容価格に境界線を定めることに関して説明されるが、任意の注文と関連付けられる量などの他の多くの取引活動を制約するために、あるいは任意の個々のユーザによって引用される総量を制限するために同じ技法が使用されてよい。これらの変形例のインプリメンテーションは、前述されたPLRCのインプリメンテーションに類似しており、当業者は詳細な説明に基づいて変形例を実現できる。
グループ位置決めおよび自動グリッド位置決め
別の好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーションはトレーディングインタフェース内に興味のある項目を再配置し得る。1つの実施形態では、トレーディングアプリケーションは、例えば静的な軸つまり価格のスケールに関して表示上に場内市場または前回売買価格(「LTP」)を自動的にセンタリングすることによってマーケットの活動を追跡調査する。好ましくは、トレーディングインタフェースにおける任意の他の興味のある項目は、表示内に情報を位置付けるための基礎としての機能を果たし得る。
トレーディングアプリケーションは、好ましくはMD_TRADER(商標)式表示を使用するX_TRADER(登録商標)である。好適実施形態では、LTPはLTP列に表示され、最も最近応じられた量に対応する価格セルのすぐ隣に強調されたセルで示される。LTPセルは、好ましくは最近の充填の量の表示も含む。場内市場は購入列と販売列両方に及ぶ線によって示され、現在マーケット内に量がある最高の購入価格(最良購入価格)と、現在マーケット内に量がある最低の販売価格(最良販売価格)の間に配置される。
好ましくは、ユーザは、位置決め時に、興味のある項目がユーザの表示上の所定の位置に移動されるように、興味のある任意の項目を位置決め機能のための基礎として指定し得る。自動位置決めはタイマによって、または表示の回りの興味のある項目(複数の場合がある)の移動をモニタすることによってトリガされ得る。多くのトレーダにとって2つの興味のある項目は、場内市場およびLTPである。したがって、1つの実施形態では、ユーザは自動再配置のためにこれらの項目の1つを選択し得る。強調表示されたLTPセルまたは場内市場線のどちらかがトレーダの表示の視認可能領域の外側にあるとき、あるいは表示上の位置から所定距離以上離れているときには、LTPセルまたは場内市場線は表示上の所定の場所に自動的に配置されるであろう。好適実施形態において、自動位置決めパラメータは「Options(オプション)」表示からユーザによって選択されてよい。ユーザは、例えば、LTPがトレーダの表示画面の上部または下部からの指定されたセル数であるときに、あるいは場内市場がトレーダの表示画面の上部または下部からの指定されたセル数であるときに、指定された秒数の後に表示を再配置するかどうかを選択し得る。
さらに、トレーディングアプリケーションは、複数のトレーディングウィンドウを同時にユーザに提示し得る。好適実施形態に従って、自動位置決めツールは、任意の数の開放トレーディングウィンドウに大局的に適用され得る。好ましくは、ダイアログボックスまたはメニュー項目は、再配置するためにユーザが任意の数のトレーディングウィンドウをグループ化またはリンクできるようにするために使用され得る。ある実施形態に従って、リンクされたトレーディングウィンドウの少なくとも1つがマスタになり、他のリンクされたトレーディングウィンドウ(複数の場合がある)は、マスタトレーディングウィドウが再配置されるときにはいつでも再配置される。例えば、トレーディングウィンドウの1つは、「すべてを配置する」または任意の類似する指示をメニューまたはダイアログボックスから選択することによって、マスタトレーディングウィンドウとしてユーザによって指定され得る。これは、マスタトレーディングウィンドウが再配置されるとすべての開放レーディングウィンドウを再配置する効果を有し得る。ユーザは、1つまたは複数のトレーディングウィンドウに、「無視」または任意の類似した指示をメニューまたはダイアログボックスから選択することによって、再配置コマンドを無視させることを選択し得る。このグループ再配置機能は(中心マウスボタンをクリックすることによって、または任意の入力装置を使用することによってなど)自動再配置ツールまたは手動再配置とともに使用され得る。トレーディングウィンドウをグループ化する他の技法は、この詳細な説明を検討すると当業者に明らかになるであろう。
好適実施形態では、位置決めツールは表示上に(LTPまたは場内市場などの)興味のある項目をセンタリングする機能を果たす。図16Aに図示されているように、LTPはLTP列1602に表示され、強調表示されたセル1600によって示される(その色はトレーダによって指定されてよい)。このセル1600は、最近に応じられた量に対応する価格セル1604の隣に表示される。場内市場は購入列1608と販売列1610の両方に跨る実線によって示され、現在市場に量がある最高購入価格と現在市場に量がある最低販売価格の間にある。図16Bは、トレーダがどのようにして自動グリッドセンタリング機能を選択し、操作し得るかを示す表示である。スクロールする縦のスケールに適用されるものとして図16Aと図16Bに提示されているが、好適実施形態はこのように限定されないことが理解されなければならない。むしろ、自動位置決めは、情報が表示される移動の方向または次元の数に関係なく適用され得ることが理解されなければならない。
マーケットで量が入力され、応じられると、LTPと場内市場は、変化して前回充填量の価格と最近の最良の購入価格と販売価格を示す。不安定なマーケットでは、相対的に短期間に多数の量に応じることができ、LTPと場内市場の連続変動を生じさせる。LTPと場内市場は、トレーダが、他のトレーダが市況商品をどの価格で最も望ましいと考えるのかを理解するために使用し得る2つのインジケータである。トレーダは、マーケットがどこで取引されているかの視覚的な基準を常に有するために自動位置決めを使用することができ、量を入力し、それらの量を望ましい価格で応じさせる尤度を高める。加えて、自動位置決めは手動位置決めとともに使用し得る。言い換えると、自動位置決めを有効にすることにより、ユーザは手動で表示を再配置することを排除されないことが好ましい。
前回再配置の中間点の強調表示
好適実施形態に従って、トレーダは前回再配置イベントの時点でマーケットに入力された価格及び/又は量の中間点を強調し得る。好ましくは、再配置イベントは、場内市場の回りに表示をセンタリングし、場内市場はマーケットに量がある、売買されている市況商品の最高の購入価格であり、最低の売買価格であり、あるいは代わりに、再配置イベントは、所望するのであれば任意の価格及び/又は量に表示をセンタリングし得る。さらに、再配置イベントは特定の価格にセンタリングする必要はないが、特定の価格、または興味のある他の項目が表示上の所定の位置で、あるいはある位置範囲で配置されることを確実にし得る。
好適実施形態においては、中間点は、表示画面の列に跨る太線で示されるか、別の実施形態での中間点は色、矢印、テキスト等で示されてよい。好ましくは、中間点の線の正確な位置は、前回の再センタリングイベント時に(量が使用可能である)最良の購入価格の行および最良の売り値価格の行の間に表示される価格行の数に依存している。代わりに、中間点の行の位置は買い注文と売り注文の一部、またはすべての量に依存するか、あるいは買い注文と売り注文の一部またはすべての価格と量の組み合わせに依存し得る。さらに別の実施形態においては、特定の価格レベルを表す太線がユーザにとって興味のある任意の項目に関連して表示されてよく、それによってトレーディングインタフェースの内容をユーザの好ましい範囲に沿って調整する。
言うまでもなく、線以外のマーカを代わりに使用し得る。例えば、前記実施形態の多くのように、マーカは強調表示可能であり、色またはグラフィックインジケータが所望の位置で表示上に配置される。本実施形態に従って、トレーダは、現在のマーケットでの最良の付け値価格と売り値価格の間の不一致の視覚的表示から利点を得ることができる。
好適実施形態に従って、(量が入力される)最良の付け値価格行と最良の売り値価格行の間の価格行の数が偶数(またはゼロ)であるときに、中間点線は中間値の間で表示され、これらはウィンドウに表示される最高の購入(付け値)価格と最低の販売(売り値)価格である。例えば、図19Aでは、最良の付け値価格は75であり、最良の売り値価格は100である。この例では、製品の表示は、5の増分のティックで取り引きされる。その結果、最良の付け値価格と最良の売り値価格の間に表示される価格は80、85、90および95である。最良の付け値と最良の売り値の間の価格の総数が偶数であるため、中間点線1800は85という最高の付け値価格と90という最低の売り値価格の間に表示される。代わりに、偶数の行、セルまたは列の中間点を決定するために他の方法も使用できる。
さらに、好適実施形態に従って、(量が入力される)最良の付け値価格と最良の売り値価格の間の価格行の数が奇数であると、中間点線は最良の付け値価格と最良の売り価格の間に表示される価格の中間価格値を意味するセルの上部に表示される。例えば、図19Bでは、最良の付け値価格は85であり、最良の売り値価格は105である。売買されている製品の表示は5という増分でティックする。その結果として、最良の付け値と最良の売り値の間に表示される価格は90、95および100である。最良の付け値と最良の売り値の間の価格の総数が奇数であるため、95が最良の付け値価格と最良の売り値価格の間に表示される価格の中間価格値を意味するため、中間点線1902は95という価格行の上部に表示される。中間点線1902は中間価格値を示すために95という価格行の下部または真中に表示し得ることが理解されなければならない。代わりに、奇数の行、セルまたは列の中間点を決定するために他の方法が使用されてよい。
好適実施形態は縦の静的価格軸またはスケールを有するMD_TRADER(商標)式表示を活用するが、このトレーディングツールは、付け値、言い値及び/又は運用注文等のマーケット情報が、価格の静的スケールまたは軸に関連して表示される、任意の表示とともに活用され得る。スケールまたは軸が縦方向であったり、またはさらに二次元であったりする必要はない。むしろ、マーケット情報は、水平に、斜めに、n次元で、あるいは他の任意の様式で表示することも可能である。
中間点線の表示は、その例が図19Cに図解されるが、「前回再センタリングの中間点を強調表示する」オプションのすぐ左側にあるボックス1906をクリックすることによって、「Options(オプション)」表示を通して有効になり得る。このツールをメニューから選択することなどの当業者にとって既知である他の技法が代わりに使用されてよい。また、中間点を強調表示することは、トレーダが、価格及び/又は量、あるいは他の興味がある任意の項目に対応する中間点を強調表示することを望む、多岐に渡るアプリケーションに適用され得る。
運用量のドラッグアンドドロップ
別の好適実施形態に従って、トレーディングアプリケーションにより、トレーダは、静的価格スケールまたは軸に対して、ある価格レベルから別の価格レベルに運用量をドラッグアンドドロップすることによって、トレーダの運用注文を変更できるようになる。トレーディングアプリケーションは、好ましくはMD_TRADER(商標)式表示を使用するX_TRADER(登録商標)である。運用注文をドラッグアンドドロップするためにMD_TRADER(商標)式表示を使用するときには、ある実施形態において、トレーダは運用量列内のアクティブなセルをクリックする。これによりドラッグアンドドロップ機能が活性化され、トレーダはトレーダのトレーディング画面上のセルを移動させることによってセルを操作できるようになる。このような操作は、一般的に選ばれたデータを「ドラッグする」と呼ばれる。マウスボタンを放す前に、トレーダは運用量列の新規セルにカーソルを移動させることによって運用注文をドラッグする。次に、トレーダは新しいセルにデータをリリースする、つまり「ドロップする」。好適実施形態では、本明細書に記述されるような運用注文をドラッグアンドドロップする能力は、それぞれの個々のトレーディングウィンドウのためにユーザによってオンまたはオフにされ得るオプションである。
データがドロップされる時点で、過去の量は元の価格から削除され、新しい量が、新しい運用量がドロップされたセルに関連付けられる価格で入力され得る。トレーダの運用量に対応する購入列または販売列のどちらかに表示される量も、ドラッグアンドドロップ機能が実行されると新規に選択された価格レベルに移動する。ユーザの運用注文を変更するために任意の手法が使用されてよい。例えば、既存の運用注文の削除と新しい運用注文の入力を生じさせる代わりに、ユーザの運用注文を変更するために、当業者に既知であるような単独の取り消しと交換が使用され得る。
運用量列に表示されるように、運用量をドラッグアンドドロップする能力は、このような量がマーケットで入力される現在の価格に満足しないトレーダによって使用できる。トレーダは量を削除し再入力する必要なく、トレーダの量が入力される価格レベルを変更する能力を与えられ、その結果、その量を単にドラッグアンドドロップするだけで貴重な時間を節約することになる。
好ましくは、ドラッグアンドドロップ機能により、トレーダは運用量列のあるセルから別のセルに単一のセルの運用量全体を、その量が実際に複数の注文から構成されているときに移動できるようになる。例えば、トレーダの運用量が、図17に図示されるように102.54(1700)という価格で30である場合、その量は実際には3つの別々の10ロットの注文から構成されてよく、ロットはともに売買される複数の量から構成されている。トレーダがその運用量を102.57という価格までドラッグアンドドロップすると、30という全体量(3つすべてのロット)は新規価格レベルに結合して移動するであろう。量は別々に入力されたが、いったん入力されれば、それらは結束した全体として取り扱われる。
量全体をドラッグアンドドロップする能力は、その量に関連付けられる注文の数に関係なく、トレーダがトレーダの量の設定を絶えず変える必要がないという点でトレーダに利点になる。また、トレーダは、注文ごとにドラッグアンドドロップ動作を反復する必要はない。例えば、トレーダは10という量で売買している可能性があるため、トレーダがマーケットに量を入力するたびに、トレーダは10ロットの注文を入力している。トレーダが30という量を入力したい場合には、トレーダは量設定を変更するか、適切なセルを3回クリックするかどちらかで、このようにしてマーケットに3つの別々の10ロットの注文を入力することができる。トレーダがある価格レベルから別のレベルに運用量をドラッグアンドドロップすることを選んだ場合は、ドラッグアンドドロップが実行されるセルおよび価格レベルに関連付けられるすべての運用量が新しい価格レベルに移動される。その結果として、トレーダは3回の別個のドラッグアンドドロップ動作を実行する必要はなく、貴重な時間が節約でき、彼らの意図する価格で量が入力され応じられるのを確実するのに役立つ。
トレーダの運用量の表示は、量が入力された価格に対応するセルの中の運用量列に表示される。トレーダの運用量の表示は、入力された量が完全に応じられるまでトレーディング画面上で可視のままとなり、その時点でその特定の運用量の表示は運用量列から消去されるか、あるいは注文が取り消されるか、または削除される。本発明の1つの実施形態では、運用量が表示されるセルはマーケットで現在運用中である量を示す値が後に続く「W」を含む。セルは、元の運用購入量または販売量がどの程度購入され、または販売されたのかを示す値が後に続く「B」または「S」も含む。運用量列に関して説明されているが、実施形態は列の中の運用量を表示するトレーディングインタフェースに限定されず、むしろ本項の教示は運用量の任意の種類の表示に適用され得る。
ドラッグアンドドロップの好適実施形態では、ユーザがマウスボタン、キーパッドまたは他の入力装置をトレーディングインタフェースの所望される位置の上で放すまで、ユーザの未決の運用注文に関して何も変化しない。この機能によりユーザは、初期に入力された注文についてトレーディング待ち行列に自分の場を維持できる。代替実施形態においては、マウスアイコンがトレーディングインタフェースの適切な領域で停止するとすぐに、新しい注文が入力される。
別の代替実施形態は、価格連動が有効にされると運用量のドラッグアンドドロップを可能にする。連結された価格範囲上に新しい注文(複数の場合がある)を割り当てるために、任意の適切なアルゴリズムが使用され得る。この実施形態の場合、好ましくは、ユーザはダイアログボックスの使用などにより、所望されるアロケーションアルゴリズムを選択し得る。例えば、すべての「ドロップされた」注文は、連結スケールで示されている価格のような1つの価格で入力されるか、あるいは運用量は、注文がドロップされる位置に関連付けられる連結範囲で均等に分散されるか、あるいは各運用量は、その元の位置と、注文がドロップされる位置の間の連結価格スケール上で増分によって移動され得る。
さらに別の代替策が、ユーザに、運用注文がドロップされる位置で入力される注文の量の自動修正を可能にする能力を与える。例えば、前記に注記したように、運用注文は、入力装置(例えばマウスボタン)が放されるまで運用中のままでよい。この場合、運用注文はドラッグアンドドロッププロセスの間に応じられ、あるいは部分的に応じられ得る。好ましくは、ユーザは、例えばダイアログボックスを通してこの状況で「ドロップされた」注文に発生することを選択し得る。例えば、運用注文がドラッグアンドドロップの間に応じられる場合、ユーザは、新しい価格で新しい注文が入力されないことを希望する場合がある。また、運用量が部分的に応じられる場合には、ユーザは新しい価格で残りの量だけが入力されることを好む場合がある。このようにして、「ドロップされる」注文はユーザの好みに応じて自動的に修正され得る。
運用量の平均価格
好適実施形態に従って、表示はマーケットで入力されるトレーダの運用購入量および販売量の平均価格を示す。トレーダの運用量は、トレーダが現在入力したが、マーケットで応じられていない注文すべての応じられていない量を表す。好ましくは、該表示は、売買されている特定の市況商品の、およびそれらの量を入力した特定のトレーダの総運用購入量の平均価格および総運用販売量の平均価格を示す。この実施形態の場合、平均運用価格は、例えば、強調表示、色、あるいはそのようなスケールまたは軸が表示される場合に、静的価格スケールまたは軸に関連付けられたグラフィックインジケータを使用して表示され得る。該表示は、平均価格の実際の数値を含んでも、含まなくてもよい。
代替実施形態において、マーケットに入力されるトレーダの運用購入量及び/又は販売量の価格の分布が表示される。この代替実施形態では、平均価格も表示された価格の分布において、あるいはその分布の回りに表示され得る。平均価格及び/又は価格の分布はテキストフォーマットで表示されてよく、(例えばカラーインジケータを使用して)カラーフォーマットで表示されてよく、(例えばテキストと色を使用して)グラフィックフォーマットで表示されてよいも理解される必要がある。
例えば、図18は、96という市場価格での2つの運用購入量、95という価格での8つの運用購入量、および94(1800)という価格での2つの運用購入量を有するトレーダ用の画面を示す。好ましくは、それらの運用購入量の平均価格は、量の合計から運用量の価格を除算することにより計算され、その平均は後述されるように表示される。好適実施形態においては、(平均価格は、他の既知のタイプの統計及び/又は数値分析を使用して計算されてよいが)運用購入量の平均価格は以下のとおりに計算される。
運用購入量の総価格/総購入量=運用購入量の平均価格
((2×96)+(8×95)+(2×94))/(2+8+2)=95
(192+760+188)/12=95
1140/12=94
好ましくは、運用販売量の平均価格を求めるために同じ計算が活用される。前記例からの例を使用すると、図18は、101という市場価格で4つの別々の運用販売量、100という価格で2つの運用販売量、および99(1802)という価格で4つの運用販売量を有するトレーダのための画面も表示する。運用販売量の平均価格は本明細書に説明されるように表示され、その価格は以下のように計算される。
運用販売量の総価格/総販売量=運用販売量の平均価格
((4×101)+(2×100)+(4×99))/(4+2+4)=100
(404+200+396)/10=100
3005/10=100
好ましくは、運用量の平均価格の計算は契約単位であり、トレーダが運用量を入力する別々の市況商品ごとに別々の平均価格が計算・表示されることを意味する。
好ましくは、トレーダの運用購入量および販売量の平均価格及び/又は価格の分布の表示は、市況商品のマーケットに入力されるトレーダの平均価格を他のすべての現在の購入量と販売量に比較するために使用できる。この機能は、トレーダが最も望ましい価格で売買していることを確実にしようとすることによりトレーダに利点となる。
好適実施形態では、トレーダの運用量の平均価格の表示は表示内で2つの別々のセルとして表示される―一方はトレーダの運用販売量の平均購入価格1804を表示し、他方はトレーダの運用購入量の他の平均販売価格1806を表示する。好適実施形態では、平均購入価格は運用量列の下部に表示され、平均販売価格1806は図18に図示されるようにその列の上部に表示される。さらに、好適実施形態では、平均販売価格セルの価格は赤色で強調表示され、平均購入価格セルの価格は青色で強調表示される。ただし、平均販売価格および平均購入価格が画面上のどこでも表示でき、平均販売価格および平均購入価格がテキストで、任意の色で、テキストと色の両方で、等で表示され得ることが理解される必要がある。
空白スポットの色分け
好適実施形態に従って、マーケットに入力される量がない価格に相当する表示の購入列と販売列の中のセルは、このような量が入力されているそれらのセルと視覚的に区別される。対応する量がない購入価格レベルと販売価格レベルは「空白スポット」2000と呼ばれ、好適実施形態では、図20Aに図示されているように、マーケットがどこで取引されているのかのよりよい視覚的な表現を提供する手段として、稠密なセルとは異なる陰影で表示される。空色スポット2000は、稠密なセルより明るい陰影または暗い陰影で、別の色で、または入力される量があるそれらのセルからの網掛けなどの別のテクスチャで表示され得る。好ましくは、新しい量がマーケットに入力され、既存の量が応じられてマーケットから除去されるにつれ、空色スポット2000は相応に変化する。加えて、ユーザが、空色スポットが表示される方法を選択できることが好ましい。
ある実施形態に従って、量を含む購入セルおよび販売セルと量を含まないセルの視覚的な差異により、トレーダは、ある特定の価格で量がマーケットで使用可能かどうかを迅速に認識するのがさらに容易になるという点で、利点を有し得る。したがって、購入量に関心のあるトレーダはこのような量が使用可能な拡張された表示を有し、販売量に関心のあるトレーダは、他のトレーダが市況商品をどこで販売しているのかをさらに容易に計ることができる。
好適実施形態では、色分けは、現在マーケットに量がない価格レベルで表示の購入列と販売列に表示され得る。これらの価格レベルに対応する購入セルと販売セルは、このような量が入力されるそれらのセルとは視覚的に異なるように表示される。色分けは、空色スポットオプションのすぐ左側のボックス2002にチェックマークを付けることで、図20Bに図示されている「Options(オプション)」表示の「色分け空色スポット」フィールドを通して有効にされ得る。
別の好適実施形態では、色分け及び/又は陰影付けは量のないセルだけではなく、量が閾値を下回るセルにも適用され得る。好ましくは、該閾値はユーザまたは管理者によって設定されてよい。さらに、ユーザは1つのトレーディングウィンドウ内、または複数のトレーディングウィンドウ全体のどちらかで異なる閾値を設定し得る。異なる閾値レベルが活用されると、ユーザは色分けの意味を迅速に認識できるように、各閾値には別の色が割り当てられることが好ましい。
開放位置の正味価格の表示
好適実施形態に従って、トレーダは運用買い注文と売り注文の正味価格の表示を提供される。テキスト、色、テキストと色の組み合わせなどの視覚インジケータ、またはグラフィックインジケータが、運用買い注文と売り注文の正味価格をトレーダに強調表示するために使用される。グラフィックインジケータは、線または色付きピクセルも含む任意の形を取ってよい。
ある実施形態では、位置が、購入される注文の数(長い位置)と販売される注文の数(短い位置)の差異である、正味価格開放位置を表示することが有用であり得る。トレーダの位置は、購入または販売される注文数が等しくないときに開放である。これらの注文が等しい場合、トレーダの位置は閉鎖していると見なされる。注文が取引所で売買されるとき、トレーダは、複数の量について、およびトレーダの注文を構成する量のさまざまな価格レベルで複数の充填を受け取ることが可能である。この特徴は、充填が発生した正味価格を決定するために、これらの複数の充填の価格レベルを取り入れる。次に、トレーダは、ある位置からの取引が利益、損失、またはスクラッチ(利益でも損失でもない)を実現する結果となるかどうかを図るために、この正味価格を使用できる。
トレーダの開放位置の正味価格を求めるために、この実施形態は、応じられた量の総価格を、購入または販売のどちらかの総量(トレーダの現在位置としても知られる)で除算する。例えば、ある市況商品の10個(99で4個、100で2個、および101で4個)の契約を購入したトレーダは長い10の位置を有し、トレーダがトレーダの位置を閉じるためには10個の契約を販売する必要があることを意味する。トレーダの応じられた量の正味価格は100となり、次にように計算されるであろう。
応じられた量の総価格/現在位置=開放位置の正味価格
(4@(で)99+2@(で)100+4@(で)101)/10=100
(396=200=404)/10=100
(1000)/10=100
前記計算に基づき、100という値はトレーダの開放位置のトレーダの正味価格として表示される。正味価格は、図21に図示されるような正味価格の価格レベルセルあたりのボックス2100、正味価格の表示のための別の列、正味価格の価格レベル全体のボックス、または正味価格のための特徴的な色を含むがこれに限定されない複数の方法の1つで表示できる。特定のトレーダが量を購入した結果長い位置を有する場合、購入される追加量により、トレーダの開放位置の正味価格が計算し直される。好ましくはそのトレーダが量を販売する場合、トレーダの位置は変化するが、表示されている正味価格は一定のままとなる。任意の追加購入量はトレーダの位置とその位置の正味価格の両方を実質的に変更するが、すべての以後の販売量はトレーダの位置だけを調整し、位置が閉鎖されるまでのみ、そのように行うであろう。トレーダが販売量(複数の場合がある)が応じられた結果として短い位置でトレーディングセッションを開始する場合、このような販売量が応じられると、トレーダの以後の販売量は位置とトレーダの開放位置の正味価格の両方を変更するであろう。応じられた購入量は正味価格を変更しないが、代わりに位置だけに、その位置が閉鎖されているまでだけ影響を及ぼす。その結果、トレーダの長い位置の正味価格が、位置が増加するにつれて増加することのみを許容されるとき、および短い位置の正味価格が、位置が短くなるにつれて増加することのみが許容されるときに、トレーダがどこで(どの価格で)購入または販売する必要があるのかを計ることはさらに容易になる。
トレーダは、マーケットの不安定性に応じて価格が繰り返し変動する可能性があるときに、トレーダの開放位置の正味価格の視覚的な表現が、このような価格を知的に計算する必要性を低減または排除するという点で利点を得る。連続購入量が応じられたトレーダは長い位置を有し、その長い位置の正味価格を意味する表示を見るであろう。応じられるあらゆる販売量は、その正味価格に計算して入れられない。同様に、連続販売量が応じられるトレーダは短い位置を有し、その短い位置の正味価格を意味する表示を見るであろう。応じられるあらゆる購入量はその正味価格に計算されて入れられない。トレーダは、トレーダが(トレーダの購入量のすべてまたはトレーダの販売量のすべてのどちらかの)トレーダの一次位置の正味価格の表示をつねに有するという点でこのような特徴から利点を有し、したがってトレーダに、トレーダが収益をあげ、位置を閉鎖するために追加の量を購入または販売する必要がある価格レベルのさらによい表示を与えるであろう。代わりに、トレーダの開放位置の平均価格は、応じられた買い注文と売り注文の両方に基づき計算され得る。
正味価格を示すマーカは、例えばグラフィックシンボル、番号及び/又は色などを含む、トレーダのためにインジケータとしての機能を果たすために適切である任意のものであってよい。したがって、図21は色付き、陰影付きまたは強調表示されたボックスで囲まれたセル2100を示しているが、マーカは代わりにユーザインタフェースのどこかで図形または数値的に表示され得る。マーカがセル全体を占めることは必要ない。例えば、トレーディングインタフェースが静的価格スケールを含み、価格スケールが連結されている例では、特定の価格に一致するセル内の位置にマーカを配置することが望ましい場合がある。マーカのタイプはユーザにより選択可能であるのが好ましい。
連結制御アイコン
好適実施形態に従って、トレーダは、取引に使用されるのと同じインタフェース上でユーザに表示される制御アイコンによって、価格情報または他の有用な情報を連結してよい。価格情報の連結は、前記に組み込まれた米国特許出願第09/971,087号に説明されている。本明細書に説明されている実施形態においては、制御アイコンは好ましくは、取引に使用されるのと同じ画面上でユーザに提示され、それにより、ユーザが、制御アイコンが調整されるに従いマーケット情報の自分の視認を維持できるようにする。
好適実施形態においては、制御アイコンは図22に図示される左から右または右から左にドラッグできるスライドコントロール2200であるが、代替実施形態においては、右回り方向または左回り方向で回転できるダイヤル、あるいはトレーディングアプリケーションのグラフィックユーザインタフェースを通して作動可能な任意の他の制御アイコンを含み得る。価格情報がスライドコントロール2200を通して連結可能な好適実施形態に従って、スライドコントロール2200が左端までドラッグされるとき、表示は1ティック、つまり短縮されていない進行で番号を提示する。価格情報は、各取引所が価格情報およびユーザの好みを提供する方法に応じて、(通貨などの)ティック以外の別の方法で表示されてもよい。スライドコントロール2200が右に動くにつれて、コントロールは価格および他の関連値(例えば、付け値/言い値量、運用注文等)を連結し、それによりスライドコントロール2200がさらに右に移動すると、漸次的にさらに連結するようになる値を表示し、ティックの倍数の価格の表示を生じさせる。好ましくは、制御アイコンの各増分は、ダイアログボックスまたは当業者に既知である他の任意の手段などによって、ユーザによって選択され得る。
連結の対象となる縦方向の価格スケールに関して説明されているが、好適実施形態は価格スケールを連結することに限定されず、縦方向の表示要素を連結することにも限定されない。むしろ、その向きまたは次元数に関係なく、任意の数値シーケンスが連結の対象となる。好適実施形態によって、ユーザインタフェースに提示されるアイコンを介したユーザ選択可能連結が可能になる。
制御アイコンを調整することによる価格情報の連結は、それにより多数の価格及び/又は付け値量/言い値量などの関連値ならびに運用注文をいつでも迅速に表示できるようにするという点でトレーダに利点となる。したがって、トレーダはそれらの価格で入力される量の全部ではないが、大多数を見るより大きな機会を有するだけではなく、トレーダ自身の量を入力する価格のさらに大きなスペクトルも有する。
結論
好適実施形態、代替実施形態および特定の実施例の前記説明は、限定ではなく例示によって示されることが理解されるべきである。例えば、本明細書に説明される特徴は多岐に渡る表示に組み込むことができるであろう。本実施形態の範囲内の多くの変更および変型は、その精神から逸脱することなく加えられてよく、本発明はあらゆる形のこのような変更および変型を含む。