JP6807588B2 - 植物緑葉の乾燥粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
植物組織を凍結する凍結工程と、
凍結された植物組織を解凍する解凍工程と、
解凍された植物組織から植物を発生させる発生工程と、
を含む方法により生産された植物の緑葉を原料とすることを特徴とする、植物緑葉の乾燥粉末を製造する方法である。
上記工程を含む方法により生産された植物の緑葉を原料として使用することで、栄養価の高い植物緑葉の乾燥粉末を得ることができる。
凍結工程において、凍結時最低温度を−20℃以下とすることにより、より栄養価の高い植物緑葉の乾燥粉末を得ることができる。
このように緩慢に温度降下をさせることにより、解凍工程後の植物組織の生存率を向上させることができ、原料となる植物緑葉を効率よく生産することができる。
上記期間をかけて植物組織を凍結することによって、より栄養価の高い植物緑葉の乾燥粉末を得ることができる。
このような形態とすることによって、解凍工程後の植物組織の生存率を向上させることができ、原料となる植物緑葉を効率よく生産することができる。
トレハロースを用いることによって、解凍工程後の植物組織の生存率をより向上させることができる。
竹炭の存在下で組織培養を行うことで、後述する栽培工程において無農薬栽培が可能となり、安全性の高い植物緑葉の乾燥粉末を提供することができる。
液体培地では培地中に酸素を行渡らせるため、また竹炭を培地中に分散するために攪拌の必要が生じるが、固体培地であれば攪拌のような操作を加えずに簡便に組織培養を行うことができる。
このような簡易な培地構成であっても本発明は効果を有効に発揮する。
本発明を適用しカルスを再分化することで得られたクローン苗は、後述する栽培工程において無農薬栽培が適用可能となるほどに耐虫性や耐菌性などの抵抗力に優れる。
本発明によれば、抗生物質を加えずともコンタミネーションのリスクが低い。また、抗生物質不使用の形態とすることによって、より抵抗性に優れたクローン苗を得ることができる。
本発明により生産されたクローン苗は抵抗性に優れるため、土壌栽培において無農薬栽培の適用が可能である。
本発明は、上記に列挙された植物の緑葉を原料とすることが好ましい。
本発明の植物緑葉の乾燥粉末は栄養価が高い。
かかる形態の植物緑葉の乾燥粉末は安全性が高い。
以下、本発明の製造方法に係る各工程を詳細に説明するが、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の製造方法に係る原料の種類は、特に限定されるものではないが、例えばパパイヤ科(Caricaceae)、パイナップル科(Bromeliaceae)、バショウ科(Musaceae)、ウリ科(Cucurbitaceae)、フトモモ科(Myrtaceae)、カタバミ科(Oxalidaceae)、クワ科(Moraceae)、アオイ科(Malvaceae)、アカネ科(Rubiaceae)、クスノキ科(Laureaceae)、トケイソウ科(Passifloraceae)、ムクロジ科(Sapindaceae)、フクギ科(Clusiaceae)、カキノキ科(Ebenaceae)、ミカン科(Rutaceae)、バンレイシ科(Annonaceae)、ヤシ科(Arecaceae)、サボテン科(Cactaceae)、バラ科(Rosaceae)に属する植物を例示することができる。
凍結工程に供する植物組織としては、植物より得られる、該植物とは独立した植物個体を発生可能な植物組織が好ましく例示できる。
凍結工程に供する際にこれら組織は、そのまま凍結してもよいし、一部を切除し、切片の形態で凍結してもよい。
また、凍結時最低温度の下限は、好ましくは−200℃以上、より好ましくは−150℃以上、さらに好ましくは−100℃以上、さらに好ましくは−80℃以上、さらに好ましくは−70℃以上、さらに好ましくは−65℃以上である。
このように緩慢に温度降下させる場合には、凍結工程においてはプログラムフリーザーを用いることが好ましい。
なお、「凍結工程の期間」とは、植物組織の温度降下を開始した時点から、解凍工程を開始するまでの期間である。
凍結工程及び解凍工程に供した植物組織が植物の種子である場合には、これを常法に従い播種し、植物個体を発生させることができる。他方、凍結工程及び解凍工程に供した植物組織が種子以外の植物部位である場合には、これをそのまま土壌や培地に移し発芽させてもよいし、また、細かく細断し常法に従い細胞培養を行い、カルス誘導、不定胚誘導、不定芽誘導を行うことで、植物個体を発生させることができる。
特に茎頂培養、葯培養、プロトプラスト培養など、採取した植物組織をカルス誘導し、このカルスを再分化させることでクローン苗を生産する、いわゆるカルス培養に本発明を適用することが好ましい。
竹炭としては真竹、孟宗竹、黒竹、篠竹、千島笹、圏紋竹、矢竹、おかめ笹、支那竹、蓬莱竹、淡竹、布袋竹、亀甲竹、四方竹、唐竹、隈笹、都笹、女竹など、何れの竹由来のものでも構わないが、好ましくは孟宗竹由来の竹炭である。
培地の組成も特に限定されず、無機成分、ビタミン類、炭素源を含む一般的に植物の組織培養に用いられる基本培地、これに必要に応じてアミノ酸類、植物ホルモン類、ココナッツミルク、イーストエキスなどを加えた培地を用いることができる。
オーキシン類としては、ナフタレン酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、p−クロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、インドール酪酸(IBA)およびこれらの誘導体等が例示され、これらから選択される1種以上または2種以上を組み合わせて用い得る。
また、サイトカイニン類としてはベンジルアデニン(BA)、カイネチン、ゼアチンおよびこれらの誘導体等が例示され、これらから選択される1種以上または2種以上を組み合わせて用い得る。
植物ホルモン類としては、オーキシン類のみ、サイトカイニン類のみ、又はオーキシン類とサイトカイニン類の両方を組み合わせて用いうる。
竹炭の存在下で固体培地により組織培養を行う場合には、竹炭を含有する固体培地を用意し、この竹炭含有固体培地上で培養を行ってもよい。
「竹炭を含む組成物」としては竹炭が分散された水又は水溶液などの分散液組成物や、竹炭又は竹炭と竹炭以外の粉末からなる粉末組成物が挙げられる。
上述した方法で組織培養し、植物を再分化することで得られたクローン苗は土壌栽培に供することができる。クローン苗を栽培する栽培工程の具体的な方法は、植物の種類により常法により適宜選択することができる。
本発明は、上述の各工程を経て生産された植物の緑葉を原料として、その乾燥粉末を得るものである。本発明において、植物の「緑葉」には、葉身、新葉、葉柄、托葉を含む植物体の葉の他、果軸、葉鞘、茎、偽茎、葉鞘なども含まれる。また、これらの抽出物を原料とすることもできる。
通常、植物の緑葉は廃棄されるものであるが、本発明は、このような副産物を食用に供し有効利用するものである。また、本発明の製造方法に係る各工程を経て生産された植物を原料とする乾燥粉末は、極めて栄養価が高く、健康食品として有用である。
水分含有量を上記の上限値以下とすることで、製品としての取り扱い易さが向上する。水分含有量は、加熱乾燥法により測定することができる。
このような温度の水又はぬるま湯と植物緑葉の乾燥粉末を混合することで、酵素の失活を防止することができる。
このような温度の水又はぬるま湯と植物緑葉の乾燥粉末を混合することで、溶解性が向上し、飲料として摂取した際の舌触りないしのどごしが良好となる。
本発明の植物緑葉の乾燥粉末100g当たりの水分含量は、好ましくは2g以上、より好ましくは3g以上、より好ましくは3.5g以上である。
なお、本実施例と同様の方法により生産されたパパイヤの緑葉を原料として用いた乾燥粉末も、表1〜3と同様に、ミネラル類やビタミン類等が豊富に含まれる、栄養価の高いものであった。
一方、本発明の実施例のバナナ緑葉より製造した乾燥粉末には、栽培過程で農薬を使用していないことから、当然のことながら残留農薬は検出されなかった。
Claims (9)
- 植物組織を凍結する凍結工程と、
凍結された植物組織を解凍する解凍工程と、
解凍された植物組織から植物を発生させる発生工程と、
を含む方法により生産された植物の緑葉を原料とし、
前記凍結工程における凍結時最低温度が−20℃以下であり、
前記凍結工程において、0.8℃/日以下の速度で温度降下させながら前記植物組織を凍結し、前記凍結工程の期間が100日以上であり、
前記発生工程において、前記植物組織を竹炭の存在下で組織培養を行うことを特徴とする、植物緑葉の乾燥粉末を製造する方法。 - 前記凍結工程において、糖類水溶液中に浸漬した状態で前記植物組織を凍結することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記糖類がトレハロースであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 竹炭を添加した固体培地上で組織培養を行うことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
- 固体培地上に竹炭を含む組成物を積層した培地で組織培養を行うことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 前記組織培養がカルス培養であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
- 抗生物質の非存在下で組織培養を行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
- 前記発生工程により得られたクローン苗を殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる農薬を用いずに土壌栽培する栽培工程を含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
- 前記植物が、パパイヤ、パイナップル、バナナ、コーヒー、羅漢果、グアバ、スターフルーツ、いちじく、カカオ、セイロンシナモン、パッションフルーツ、ライチ、マンゴスチン、ブラックサポテ、ホワイトサポテ、棘葉シュガーアップル、デーツ椰子、レッドドラゴンフルーツ、アーモンドから選ばれる植物であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
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