JP6806037B2 - インジェクタの取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクタの取付構造に関する。
特許文献1のインジェクタの取付構造においては、シリンダヘッドにインジェクタを取り付けるための取付孔が設けられている。また、このシリンダヘッドには、燃料を燃焼させる燃焼室が設けられていて、この燃焼室にインジェクタの取付孔が接続されている。シリンダヘッドにおけるインジェクタの取付孔には、インジェクタにおける先端側の部分である挿通軸部が挿通されている。このインジェクタは、当該インジェクタの先端から燃焼室に向かって燃料を噴射する。
このインジェクタにおける挿通軸部には、径方向内側に向かって窪んだ環状の環状溝が設けられている。インジェクタの軸線方向において当該インジェクタにおける先端側とは反対側を後端側としたとき、インジェクタの環状溝における後端側の一部は、後端側ほど溝の深さが浅くなるテーパ部になっている。インジェクタにおける環状溝の外面(底面)とシリンダヘッドにおける取付孔の内面との間には筒状のシール部材が位置している。
特許第3830896号公報
特許文献1のインジェクタの先端から噴射された燃料が燃焼すると、燃焼ガスが取付孔と挿通軸部との間の空間に流入し、当該空間におけるシール部材よりもインジェクタの先端側の領域の圧力が上昇する。また、燃焼ガスが取付孔と挿通軸部との空間に流入しないときには、当該空間におけるシール部材よりもインジェクタの先端側の領域の圧力が低下する。このような圧力変動によって、シール部材が挿通軸部の軸線方向に繰り返し移動する。そのため、シール部材には、挿通軸部の軸線方向において当該シール部材が伸びるような変形が生じる。そして、このような軸線方向の変形が繰り返し生じたり長時間に亘って生じたりすると、その変形が戻らない、いわゆるクリープ変形が生じやすい。このように挿通軸部の軸線方向に伸びるようなクリープ変形がシール部材に生じると、シール部材の径方向の厚みが薄くなるため、シール部材における径方向のシール面圧が低下し、燃焼ガスがシール部材よりもインジェクタの後端側に流出しやすくなる。したがって、特許文献1のインジェクタの取付構造における環状溝においては、シール部材のクリープ変形を抑制するという点について、なお改善の余地がある。
上記課題を解決するためのインジェクタの取付構造は、燃料を燃焼させる燃焼室及び前記燃焼室に連通する取付孔が設けられたシリンダヘッドと、前記取付孔に挿通された挿通軸部を有し、先端から前記燃焼室に向かって燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタにおける挿通軸部に取り付けられた筒状のシール部材とを備えるインジェクタの取付構造であって、前記挿通軸部には、当該挿通軸部の径方向内側に向かって窪んだ環状の環状溝が設けられており、前記環状溝の径方向外側の外面からは前記挿通軸部の径方向外側に向かって環状突部が突出しており、前記環状溝における前記環状突部よりも前記インジェクタの先端側の部分である先端側溝部の外径と、前記環状溝における前記環状突部よりも前記インジェクタの先端側とは反対側の後端側の部分である後端側溝部との外径が同一であり、前記環状突部における前記インジェクタの先端側の一部は、前記インジェクタの先端側ほど外径が小さくなったテーパ部となっており、前記環状突部における前記インジェクタの後端側の一部は、前記インジェクタの後端側ほど外径が小さくなったテーパ部となっており、前記先端側溝部、前記環状突部、及び前記後端側溝部の径方向外側の外面と前記取付孔の内面との間には、前記シール部材が位置しており、前記後端側溝部及び前記環状突部の径方向外側の外面と前記取付孔の内面との間の空間に対して、前記シール部材が占める割合であるシール充填率が100%になっている。
上記構成では、挿通軸部の径方向において、シール部材が環状突部の径方向外側の外面と取付孔の内面との間に挟持されることで、当該シール部材の挟持されている部分のシール面圧が高まる。これにより、燃焼ガスがシール部材よりもインジェクタの後端側に流出することを抑制できる。
また、上記構成では、挿通軸部の軸線方向において、シール部材が環状突部と後端側溝部の後端との間に挟持されることで、シール部材が移動することが抑制される。そのため、挿通軸部の軸線方向においてシール部材が移動することによって当該シール部材がクリープ変形することを抑制できる。その結果、シール部材がクリープ変形することに起因して、燃焼ガスがシール部材よりもインジェクタの後端側に流出することを適切に抑制できる。
さらに、上記構成では、環状溝における先端側溝部の外径と後端側溝部の外径とが同じになっている。そして、環状突部において、インジェクタの先端側の一部、インジェクタの後端側の一部が、共にテーパ形状になっている。このように、環状溝の内部において外径をできるだけ同じにするとともに、外径が異なる部分においてもその変化度合いを緩やかにして、鋭角な角部が生じないようにしている。したがって、環状溝に取り付けられるシール部材に、局所的に過大な力が作用するなどの負担を低減できる。
本実施形態にかかるインジェクタの取付構造の断面図。 同実施形態にかかるインジェクタの取付構造の拡大図。 同実施形態にかかるシール面圧とガス圧との関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図1〜図3にしたがって説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2における上下を基準として説明する。
図1に示すように、車両の内燃機関は、シリンダヘッド10を備えている。シリンダヘッド10の下面(図1における下側の面)においては、燃料を燃焼させる燃焼室11が上側に向かって窪むように区画されている。シリンダヘッド10の下側には、図示しないシリンダブロックが組み付けられる。シリンダヘッド10に設けられた燃焼室11とシリンダブロックに設けられた気筒が対向配置されることでピストンが往復動作する略円柱状の空間が区画される。また、シリンダヘッド10の上側には、図示しないヘッドカバーが組み付けられる。
シリンダヘッド10においては、上下方向に取付孔15が貫通している。取付孔15は、燃焼室11に連通している。取付孔15は、燃焼室11側(下側)に位置する小径部16と、小径部16よりも上側に位置する大径部17とに大別できる。小径部16は、燃焼室11に開口している。小径部16は、延設方向に直交する断面視で断面円形状になっている。大径部17は、延設方向に直交する断面視で断面円形状になっている。大径部17の内径は、小径部16の内径よりも大きくなっている。大径部17の中心軸線は、小径部16の中心軸線Lと同軸になっている。大径部17は、シリンダヘッド10の上面に開口している。
図1に示すように、シリンダヘッド10の取付孔15には、燃焼室11に向かって燃料を噴射するインジェクタ50が取り付けられている。インジェクタ50は、略円柱状の本体部60と、本体部60よりも軸線方向一方側(先端側)に位置する略円柱状の挿通軸部70とを備えている。本体部60の外径は、取付孔15の大径部17の内径よりも僅かに小さくなっている。
インジェクタ50の挿通軸部70は、本体部60の下端から下側に向かって延びている。挿通軸部70の外径は、本体部60の外径よりも小さくなっている。また、挿通軸部70の外径は、取付孔15の小径部16の内径よりも僅かに小さくなっている。挿通軸部70の中心軸線は、本体部60の中心軸線と同軸になっている。インジェクタ50の挿通軸部70の先端には、図示しない燃料噴射孔が空けられている。インジェクタ50は、その内部に供給された燃料としてのガソリンを、燃料噴射孔を介して燃焼室11に噴射可能になっている。インジェクタ50から噴射された燃料は、シリンダヘッド10の燃焼室11内で燃焼する。
挿通軸部70における径方向外側の外面においては、当該挿通軸部70の径方向内側に向かって環状の環状溝71が窪んでいる。インジェクタ50における環状溝71には、円筒状のシール部材20が取り付けられている。シール部材20の材質は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
インジェクタ50の本体部60は、シリンダヘッド10における取付孔15の大径部17に挿通されている。インジェクタ50の挿通軸部70は、シリンダヘッド10における取付孔15の小径部16に挿通されている。インジェクタ50における本体部60及び挿通軸部70の中心軸線は、取付孔15(小径部16)の中心軸線Lと同軸になっている。また、インジェクタ50の環状溝71に取り付けられたシール部材20は、取付孔15(小径部16)の内面と挿通軸部70の環状溝71における径方向外側の外面(底面)との間に位置している。
次に、インジェクタ50における環状溝71の構成及びシール部材20の取付構成について具体的に説明する。
図2に示すように、環状溝71の径方向外側の外面(底面)からは、挿通軸部70の径方向外側に向かって環状の環状突部75が突出している。環状突部75の突出長は、環状溝71の深さよりも小さくなっている。この実施形態では、環状突部75の突出長は、環状溝71の深さの3分の1程度になっている。環状突部75は、挿通軸部70の軸線方向において、環状溝71の略中央に位置している。環状突部75は、インジェクタ50の先端側(図2における下側)に位置する先端側テーパ部76、中央に位置する中央突部77、及びインジェクタ50の先端側とは反対側である後端側(図2における上側)に位置する後端側テーパ部78に大別できる。
先端側テーパ部76は、インジェクタ50の先端側ほど外径が小さいテーパ形状になっている。すなわち、先端側テーパ部76の径方向外側の外面は、インジェクタ50の先端側ほど外径が小さくなるように傾斜したテーパ面になっている。後端側テーパ部78は、インジェクタ50の後端側ほど外径が小さいテーパ形状になっている。すなわち、後端側テーパ部78の径方向外側の外面は、インジェクタ50の後端側ほど外径が小さくなるように傾斜したテーパ面になっている。挿通軸部70の中心軸線に対する後端側テーパ部78のテーパ面の角度は、挿通軸部70の中心軸線に対する先端側テーパ部76のテーパ面の角度よりも緩やかになっている。中央突部77の外径は、インジェクタ50の軸線方向において一定になっている。
環状溝71は、当該環状溝71における環状突部75よりもインジェクタ50の先端側の部分である先端側溝部72と、当該環状溝71における環状突部75よりもインジェクタ50の後端側の部分である後端側溝部73とを有する。先端側溝部72の外径D1は、挿通軸部70の軸線方向において略一定になっている。先端側溝部72の外径D1は、環状突部75における先端側テーパ部76の先端の外径と同じになっている。また、後端側溝部73の外径D2は、挿通軸部70の軸線方向において略一定になっている。後端側溝部73の外径D2は、環状突部75における後端側テーパ部78の後端の外径と同じになっている。さらに、後端側溝部73の外径D2は、先端側溝部72の外径D1と同じになっている。換言すると、先端側溝部72の溝の深さと後端側溝部73の溝の深さとは同じになっている。
図2に示すように、先端側溝部72、環状突部75、及び後端側溝部73の径方向外側の外面と、取付孔15(小径部16)の内面との間には、取付空間Aが区画されている。また、取付空間Aは、先端側溝部72の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面とで挟まれた空間である先端側空間Bと、環状突部75及び後端側溝部73の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面とで挟まれた空間である後端側空間Cとに大別できる。
上述したように、インジェクタ50における環状溝71には円筒状のシール部材20が取り付けられ、取付空間Aにはシール部材20が位置している。ここで、インジェクタ50における環状溝71に取り付けられる前のシール部材20の形状について説明する。シール部材20の内径は、先端側溝部72の外径D1及び後端側溝部73の外径D2よりも僅かに小さくなっている。シール部材20の外径は、取付孔15(小径部16)の内径よりも僅かに大きくなっている。また、挿通軸部70の軸線方向において、シール部材20の長さは、後端側溝部73の後端から環状突部75の先端までの長さよりも長く、後端側溝部73の後端から先端側溝部72の先端までの長さよりも短くなっている。
次に、インジェクタ50における環状溝71に取り付けられ、取付空間Aに位置するシール部材20の形状について説明する。シール部材20は、インジェクタ50における環状溝71に取り付けられると、径方向外側に弾性変形して、シール部材20の内径が、先端側溝部72の外径D1、環状突部75の外径、及び後端側溝部73の外径D2とほぼ同じになる。また、シール部材20は、インジェクタ50がシリンダヘッド10の取付孔15に取り付けられると、径方向内側へと弾性変形して、シール部材20の外径が、取付孔15(小径部16)の内径とほぼ同じになる。すなわち、取付空間Aに位置するシール部材20は、挿通軸部70の径方向に圧縮され、インジェクタ50における挿通軸部70の外面と取付孔15の内面との間の隙間を埋める。また、シール部材20は環状溝71におけるインジェクタ50の後端側に位置し、シール部材20の後端と後端側溝部73の後端とが当接している。そして、挿通軸部70の軸線方向先端側のシール部材20の端部は、先端側溝部72にまで至っている。
図2に示すように、シール部材20のうちで後端側空間Cに位置する部分においては、インジェクタ50を取付孔15に取り付ける前(シール部材20が圧縮される前)の当該部分の体積が、インジェクタ50を取付孔15に取り付けた後(シール部材20が圧縮された後)の当該部分の体積よりも大きい。したがって、インジェクタ50を取付孔15に取り付ける前(シール部材20が圧縮される前)において、シール部材20のうち、後端側空間C内に配置されるべき部分の体積は、後端側空間Cの体積に対して100%を越えている。そして、シール部材20は、径方向に圧縮されつつ後端側空間Cの全ての領域に充填されている。すなわち、後端側空間Cに対して、シール部材20が占める割合であるシール充填率は100%になっている。
一方、シール部材20のうちで先端側空間Bに位置する部分においては、インジェクタ50を取付孔15に取り付ける前(シール部材20が圧縮される前)の当該部分の体積が、インジェクタ50を取付孔15に取り付けた後(シール部材20が圧縮された後)の当該部分の体積よりも小さい。したがって、インジェクタ50を取付孔15に取り付ける前(シール部材20が圧縮される前)において、シール部材20のうち、先端側空間B内に配置されるべき部分の体積は、先端側空間Bの体積に対して100%未満になっている。そして、シール部材20が先端側空間Bの全ての領域に充填されていない。すなわち、先端側空間Bに対して、シール部材20が占める割合であるシール充填率は100%未満になっている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、インジェクタ50の先端から噴射された燃料が燃焼すると、燃焼ガスの一部がシリンダヘッド10における取付孔15(小径部16)とインジェクタ50における挿通軸部70との間の空間に流入し、取付空間Aにおけるシール部材20よりもインジェクタ50の先端側の領域の圧力が上昇する。また、燃焼ガスの一部がシリンダヘッド10における取付孔15(小径部16)とインジェクタ50における挿通軸部70との間の空間に流入しないときには、取付空間Aにおけるシール部材20よりもインジェクタ50の先端側の領域の圧力が減少する。
このような燃焼ガスの圧力変動によって、仮に、シール部材20が挿通軸部70の軸線方向に移動すると、シール部材20には挿通軸部70の軸線方向に伸びるようなクリープ変形が生じるおそれがある。このようなクリープ変形がシール部材20に生じると、シール部材20の径方向の厚みが薄くなるため、シール部材20における径方向のシール面圧が低下し、燃焼ガスがシール部材20よりもインジェクタ50の後端側に流出しやすくなる。
図3に示すように、燃焼ガスがシール部材20よりもインジェクタ50の後端側に流出することを防ぐためにシール部材20に必要な必要シール面圧Zは、取付空間Aにおけるシール部材20よりもインジェクタ50の先端側の領域における燃焼ガスの圧力が高くなるほど高くなる。そして、取付空間Aにおけるシール部材20よりもインジェクタ50の先端側の領域における燃焼ガスの圧力が必要シール面圧Zよりも高くなると、シール部材20の径方向外側の外面と取付孔15の内面との間に燃焼ガスが入り込んで空間が押し広げられるため、燃焼ガスがシール部材20よりもインジェクタ50の後端側に流出する。
例えば、背景技術として例示した特許文献1(特許第3830896号公報)のインジェクタ取付構造においては、上述したとおり、当該環状溝におけるインジェクタの後端側の一部が後端側ほど溝の深さが浅くなるテーパ部になっている。そして、インジェクタの環状溝におけるテーパ部の外面(底面)とシリンダヘッドにおける取付孔の内面との間には筒状のシール部材が位置している。上記の特許文献1におけるインジェクタの取付構造においては、図3に示すように、ガス圧がある一定の圧力以下の条件下では、シール部材のシール面圧X1が、必要シール面圧Zを上回っている。したがって、上記の特許文献1におけるインジェクタの取付構造においても、挿通軸部の軸線方向に伸びるようなクリープ変形がシール部材に生じる前であれば、十分なシール面圧が確保できる。
しかし、上記の特許文献1におけるインジェクタの取付構造において、挿通軸部の軸線方向に伸びるようなクリープ変形がシール部材に生じて当該シール部材の径方向の厚みが薄くなると、シール部材における径方向のシール面圧は、図3に示すように、クリープ変形が生じる前のシール面圧X1からシール面圧X2まで低下する。この場合、特にガス圧が高い領域(図3においては、ガス圧P2よりも高圧力の領域)では、シール部材における径方向のシール面圧X2が必要シール面圧Zを下回ってしまう。その結果、燃焼ガスがシール部材よりもインジェクタの後端側に流出してしまう。
図2に示すように、本実施形態では、挿通軸部70の径方向において、シール部材20が先端側溝部72、環状突部75、及び後端側溝部73の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面との間に挟持されている。そして、挿通軸部70の径方向において、環状突部75の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面との間の距離は、先端側溝部72及び後端側溝部73の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面との間の距離に比べて小さい。そのため、シール部材20における環状突部75の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面との間に挟持されている部分のシール面圧は特に高くなる。これにより、図3に示すように、シール部材20における径方向のシール面圧Yは、環状溝71に環状突部75が設けられていない構成に比較して相応に高くなる。その結果、燃焼ガスがシール部材20よりもインジェクタ50の後端側に流出することを抑制できる。
また、図2に示すように、本実施形態では、後端側空間Cに対するシール部材20のシール充填率は100%になっているため、挿通軸部70の軸線方向において、環状突部75(後端側テーパ部78)と後端側溝部の後端との間にはシール部材20が隙間なく充填されている。そして、シール部材20は、挿通軸部70の軸線方向において環状突部75(後端側テーパ部78)と後端側溝部の後端との間に挟持されたようになっている。このようにシール部材20が挿通軸部70の軸線方向に挟持されることで、挿通軸部70の軸線方向におけるシール部材20の移動が抑制される。そのため、挿通軸部70の軸線方向においてシール部材20が移動することによる挿通軸部70の軸線方向に伸びるような当該シール部材20のクリープ変形を抑制できる。これにより、図3に示すように、クリープ変形に起因するシール面圧の低下は生じず、シール部材20のシール面圧としてシール面圧Yが維持される。その結果、燃焼ガスがシール部材20よりもインジェクタ50の後端側に流出することを適切に抑制できる。
さらに、図2に示すように、本実施形態では、環状突部75における先端側テーパ部76及び後端側テーパ部78が共にテーパ形状になっているため、環状突部75が中央突部77のみで構成されている場合に比べて、先端側溝部72、環状突部75、及び後端側溝部73の径方向外側の外面における変化の度合が緩やかになる。そのため、シール部材20を後端側空間Cに位置させる際に、シール部材20が、先端側溝部72、環状突部75、及び後端側溝部73の径方向外側の外面の形状に追従して弾性変形しやすい。その結果、先端側溝部72、環状突部75、及び後端側溝部73の径方向外側の外面とシール部材20の内面との間に意図しない隙間が生じることを抑制できる。これにより、本実施形態では、後端側空間Cに対するシール部材20のシール充填率をより確実に100%にできる。
本実施形態では、環状溝71における先端側溝部72の外径D1と後端側溝部73の外径D2とが同じになっている。そして、環状突部75において、先端側テーパ部76及び後端側テーパ部78が共にテーパ形状になっている。このように、環状溝71の内部において外径をできるだけ同じにするとともに、外径が異なる部分においてもその変化度合いを緩やかにして、鋭角な角部が生じないようにしている。したがって、環状溝71に取り付けられるシール部材20に、局所的に過大な力が作用するなどの負担を低減できる。
また、本実施形態では、環状突部75の突出先端、すなわち環状突部75における中央突部77の径方向外側の外面は、挿通軸部70の軸線方向において外径(溝の深さ)が一定で平坦になっている。上述したように、シール部材20における環状突部75の径方向外側の外面と取付孔15(小径部16)の内面との間に挟持されている部分のシール面圧は特に高くなる。このようにシール面圧が高くなる部分において、環状溝71における中央突部77とシール部材20とを平坦な面で接触させることで、シール部材20に対して局所的に意図しない過大な力が作用することを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、インジェクタ50の形状は、適宜変更できる。例えば、インジェクタ50における挿通軸部70の外径は、本体部60の外径と同じになっていてもよい。この場合には、シリンダヘッド10における取付孔15が大径部17のみを備えていればよい。そして、取付孔15における大径部17の内径は、インジェクタ50における挿通軸部70の外径よりも僅かに大きくなっていればよい。
・上記実施形態において、環状突部75の形状は適宜変更できる。例えば、環状突部75の突出先端の外面は、挿通軸部70の軸線方向において平坦になっていなくてもよい。すなわち、環状突部75は、中央突部77を備えず、先端側テーパ部76及び後端側テーパ部78のみを備えていてもよい。
・上記実施形態において、挿通軸部70の中心軸線に対する先端側テーパ部76及び後端側テーパ部78のテーパ面の角度は適宜変更できる。例えば、挿通軸部70の中心軸線に対する先端側テーパ部76のテーパ面の角度は、挿通軸部70の中心軸線に対する後端側テーパ部78のテーパ面の角度よりも緩やかになっていてもよいし、同じであってもよい。
・上記実施形態において、環状突部75の突出長は、環状溝71の深さよりも短いのであれば、シール部材20の形状や材質に応じて適宜変更できる。例えば、環状突部75の突出長は、環状溝71の深さの2分の1程度や4分の1程度になっていてもよい。
・上記実施形態において、インジェクタ50の軸線方向において、環状溝71に対する環状突部75の位置は適宜変更できる。
・上記実施形態において、挿通軸部70の軸線方向におけるシール部材20の長さは適宜変更できる。例えば、挿通軸部70の軸線方向において、シール部材20の長さは、後端側溝部73の後端から環状突部75の先端までの長さと同じになっていてもよい。すなわち、この場合には、先端側空間Bに対して、シール部材20が占める割合であるシール充填率は100%になる。
A…取付空間、B…先端側空間、C…後端側空間、L…中心軸線、Y…シール面圧、Z…必要シール面圧、D1…外径、D2…外径、X1…シール面圧、X2…シール面圧、10…シリンダヘッド、11…燃焼室、15…取付孔、16…小径部、17…大径部、20…シール部材、50…インジェクタ、60…本体部、70…挿通軸部、71…環状溝、72…先端側溝部、73…後端側溝部、75…環状突部、76…先端側テーパ部、77…中央突部、78…後端側テーパ部。

Claims (1)

  1. 燃料を燃焼させる燃焼室及び前記燃焼室に連通する取付孔が設けられたシリンダヘッドと、前記取付孔に挿通された挿通軸部を有し、先端から前記燃焼室に向かって燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタにおける挿通軸部に取り付けられた筒状のシール部材とを備えるインジェクタの取付構造であって、
    前記挿通軸部には、当該挿通軸部の径方向内側に向かって窪んだ環状の環状溝が設けられており、
    前記環状溝の径方向外側の外面からは前記挿通軸部の径方向外側に向かって環状突部が突出しており、
    前記環状溝における前記環状突部よりも前記インジェクタの先端側の部分である先端側溝部の外径と、前記環状溝における前記環状突部よりも前記インジェクタの先端側とは反対側の後端側の部分である後端側溝部との外径が同一であり、
    前記環状突部における前記インジェクタの先端側の一部は、前記インジェクタの先端側ほど外径が小さくなった先端側テーパ部となっており、
    前記環状突部における前記インジェクタの後端側の一部は、前記インジェクタの後端側ほど外径が小さくなった後端側テーパ部となっており、
    前記先端側溝部、前記環状突部、及び前記後端側溝部の径方向外側の外面と前記取付孔の内面との間には、前記シール部材が位置しており、
    前記後端側溝部及び前記環状突部の径方向外側の外面と前記取付孔の内面との間の空間に対して、前記シール部材が占める割合であるシール充填率が100%になっており、
    前記挿通軸部の中心軸線に対する前記先端側テーパ部のテーパ面の角度は、前記挿通軸部の中心軸線に対する前記後端側テーパ部のテーパ面の角度よりもきつくなっている
    ことを特徴とするインジェクタの取付構造。
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