複数の無線通信システムが同一周波数帯を利用している環境において、本実施形態に係る無線通信制御装置は、異なる無線通信システム間の干渉を回避し、各無線通信システムが共存可能になるように各無線通信システムの無線通信端末の動作パラメータを制御する。より具体的には、本実施形態に係る無線通信制御装置は、まず、同一空間内で多数の無線通信端末が使用される環境(無線稠密環境)において利用されているアプリケーションやサービスの種類から各端末が要求する通信のレイテンシーや通信品質を取得する。その後、無線通信制御装置は、取得した情報に基づいて無線通信に用いる新しい動作パラメータ(物理チャネルや送信出力、送信の一時停止など)を無線通信端末毎に指定することで、異なる無線通信システム間の干渉を回避する。
又、無線稠密環境では、Wi−fiなどの送信出力が大きい無線通信システムのスペクトラムによってBluetooth Low Energy(BLE)(Bluetoothは登録商標)やBluetooth(BT)などの送信出力が小さい無線通信システムのスペクトラムが抑圧されてしまい使用できなくなるという問題がある。本実施形態に係る無線通信制御装置は、各端末が要求する通信のレイテンシーや通信品質に基づいて決定された動作パラメータを無線通信端末毎に指定することで、送信出力が小さい無線通信システムのスペクトラムの抑圧も回避することができる。
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1と図2を用いて、無線通信制御装置100と無線通信制御装置100の制御対象である端末装置200における、無線通信制御処理の例を説明する。図1は、本実施形態に係る無線通信制御装置と制御対象の端末装置の例を説明する図である。図2は、本実施形態に係る無線通信制御装置と端末装置間の無線通信制御処理の例を説明するシーケンス図である。
本実施携帯に係る端末装置200は、例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットなどの移動通信端末の一例である。本実施形態に係る無線通信制御装置100は、端末装置200と通信をし、端末装置200の無線通信に用いられる動作パラメータを制御(変更)することができる。無線通信制御装置100は、受信機(RX)110、送信機(TX)120、Wi−fiデコーダー130、BT/BLEデコーダー140、Zigbeeデコーダー150、Main Controller(以下、制御部)160、記憶部170を備える。端末装置200は、受信機210、送信機220、デコーダー230、Terminal Controller(以下、端末制御部)240を備える。更に、端末装置200では、何らかのアプリケーション250が動作しているものとする。なお、端末装置200は、Wi−fi、BLE、BT、Zigbeeなどの方式のスペクトルのうち、少なくとも1つのスペクトルを用いた無線通信をする端末である。そのため、デコーダー230は、端末装置200が搭載している無線通信装置の無線通信方式に対応したデコーダーである。
なお、図1の例は、無線通信制御装置100が1つの端末装置200を制御する実施例であるものの、実際には、無線通信制御装置100は複数の端末装置200を制御及び通信する。又、無線通信制御装置100及び端末装置200は、Wi−fi、BLE、BT、Zigbeeとは異なる無線通信方式も使用可能である。
以下、無線通信制御処理について図1と図2を用いて説明する。無線通信制御装置100の受信機110は、まず、自身が通信可能な範囲に存在するあらゆる種類の環境電波を受信する(ステップS101)。その後、Wi−fiデコーダー130、BT/BLEデコーダー140、Zigbeeデコーダー150は、受信機110が受信した環境電波に含まれる各々の無線通信方式に対応した情報をデコードし、デコードした情報を制御部160に送る。デコードされた情報は、受信した環境電波の無線通信方式の情報、使用周波数(又は物理チャネル)、受信信号強度などを含む。記憶部170は、受信した環境電波の無線通信方式の情報、使用周波数(又は物理チャネル)、受信電力などの情報(以下、環境電波情報)を端末装置に対応させて記憶する。制御部160は、環境電波の発信元である端末装置200に対応する環境電波情報を、端末装置200が使用している無線通信方式におけるビーコン信号のペイロード部に記載して端末装置200宛に送信するように、送信機120を制御する(ステップS102)。送信機120は、端末装置200に対応する環境電波情報を含むビーコン信号を端末装置200宛に送信する。
端末装置200側の受信機210は、無線通信制御装置100からのビーコン信号を受信する(ステップS103)。デコーダー230は、受信機210が受信したビーコン信号をデコードし、デコードした情報を端末制御部240に渡す。
すると、端末制御部240は、自端末側で無線通信を一時的に停止が可能か、送信出力を低減しても問題ないかなどの制御余地があるかの判定処理を開始する。そのために、まず、端末制御部240は、自端末内で動作しているアプリケーション250からサービス属性(例えば、即時性のサービスであるかなど)やアプリケーション250の使用に求められる通信速度、送信デューティーサイクルなどの情報を取得する(ステップS104)。次に、端末制御部240は、自端末内の無線通信部(送信機220、受信機210)などに現在設定されている動作パラメータや使用状況を、内蔵のメモリなどから取得する(ステップS105)。端末制御部240は、アプリケーション250のサービス属性や無線通信部の通信速度などに基づいて、自端末側で無線通信を一時的に停止が可能か、送信出力を低減しても問題ないかなどの制御余地があるか否かを判定する(ステップS106)。送信機220は、制御余地判定の結果情報を含むビーコン信号を無線通信制御装置100宛に送信する(ステップS107)。
無線通信制御装置100の受信機110は、制御余地判定の結果情報を含むビーコン信号を受信する(ステップS108)。その後、Wi−fiデコーダー130、BT/BLEデコーダー140、Zigbeeデコーダー150の何れかのデコーダーは、ビーコン信号をデコードし、デコードした情報を制御部160に送る。制御部160は、端末装置200(実際には複数の端末装置)から収集した制御余地判定の結果情報に基づいて、端末装置200の制御方針を決定する(ステップS109)。制御方針の決定方法は、後述する図4〜図9を用いて詳しく説明する。その後、送信機120は、端末装置200に対応した制御方針を含む制御情報を付与されたビーコン信号を端末装置200宛に送信する(ステップS110)。
端末装置200の受信機210は、制御情報を含むビーコン信号を受信する(ステップS111)。デコーダー230は、受信機210が受信したビーコン信号をデコードし、デコードした情報を端末制御部240に渡す。端末制御部240は、無線通信制御装置100側で決定された制御情報に基づいて、無線通信の動作パラメータを変更する(ステップS112)。
この無線通信制御処理を無線通信制御装置100は、定期的に実行してもよい。又、無線通信制御装置100は、新しい端末装置が無線通信制御装置100と通信可能な状態になる毎に、無線通信制御処理を実行してもよい。
本実施形態に係る無線通信制御装置は、異なる無線通信システム間の干渉を回避し、各無線通信システムが共存可能になるように各無線通信システムの無線通信端末の動作パラメータを制御する。一例として、本実施形態に係る無線通信制御装置100は、稠密環境であっても、無線通信における即時性を要求しない端末装置200の無線通信を一時的に停止できることができれば、新しい端末装置が利用するための何れかの周波数帯を空けることができる。
図3は、異なる無線通信システム間での干渉状態の例を説明する図である。図3における干渉なし環境310は、無線通信システム間で干渉していない環境の一例である。干渉あり環境(稠密環境)320は、干渉なし環境310から更にWi−fiを使用した無線通信システムが増え、複数の無線通信システムが互いに干渉している環境の一例である。干渉なし環境310と稠密環境320の例は、縦軸が信号強度(Level)と横軸がWi−fiのチャネル(周波数)で表される。
干渉なし環境310では、Wi−fiが1ch、6ch、11chのチャネルを使用している。又、この干渉なし環境310では、各Wi−fiのチャネルの間の周波数をBLEが利用している。そのため、干渉なし環境310の一例では、Wi−fi及びBLEの周波数の重なり(干渉)がない。
一方、稠密環境320では、Wi−fiが1ch〜12chのチャネルを使用しており、更に、BLEが干渉なし環境310と同じ周波数を利用している。ここで一例として、6chのWi−fiの信号強度は、5ch〜7chの周波数帯で強く、4ch〜5ch及び7ch〜8chの間での周波数帯では段々低下する。そのため、稠密環境320のように、Wi−fiが複数のチャネルを利用することで、利用周波数帯の重複(干渉)が発生する。又、稠密環境320の例では、Wi−fiがBLEの周辺の周波数帯も利用している。すると、BLEの電波はWi−fiの電波に干渉されてしまう。更に、Wi−fiの信号強度はBLEの信号強度よりも強いため、稠密環境320のような環境では、BLEの電波はWi−fiの電波に抑圧されてしまう。このような稠密環境320では、信号強度が弱い無線通信システムは、信号強度が強い無線通信システムに抑圧されてしまい、通信リンクが切れる事象や通信速度の低下などが発生してしまう。
無線通信制御装置100は、稠密環境320から無線通信における即時性を要求しない無線通信システムを一時的に停止し、干渉なし環境310のような環境を作ることで、信号強度が弱い無線通信システムの信号強度が強い無線通信システムからの抑圧を回避させることができる。信号強度が強い無線通信システムの信号強度を低減させることで、信号強度が弱い無線通信システムが受ける抑圧を回避することもできる。又、干渉なし環境310のような環境を作ることで、信号強度が強い無線通信システム(例えばWi−fi)同士の干渉を回避することができる。
次に、無線通信制御装置100と端末装置200の無線通信制御処理に用いられる各種テーブルがどのように生成されるかの例を図4〜図9を用いて順番に説明する。
図4は、無線通信制御装置が管理する第1テーブルの例(その1)を説明する図である。本実施形態に係る無線通信制御装置100は、図2のステップS101で環境電波を受信すると、環境電波に含まれる情報を第1テーブルに格納する。第1テーブルは、Type、BSSID、受信信号強度(RSSI)、CH、TxProom、Chroomの項目を備える。なお、ステップS101で環境電波を受信した際に格納できる第1テーブルの項目は、Type、BSSID、RSSI、CHであり、TxProom、Chroomの項目は、この段階では空白のままである。Typeは、各端末装置200が利用している無線通信方式の情報を示す情報を格納する項目である。BSSIDは、各端末装置200を識別する識別情報を格納する項目である。RSSIは、各端末装置200から受信した電波(信号の受信信号強度を示す情報を格納する項目である。CHは、各端末装置200が利用しているチャネル番号(周波数)を示す情報を格納する項目である。
例えば、第1テーブルの1行目は、BSSID「ab:cd:ef:01:23:45」の識別情報を持つ端末装置にかかる情報である。そして、第1テーブルの1行目に表される端末装置は、Zigbeeの無線通信方式を用いて9chの周波数帯を利用して無線通信制御装置100と通信をしており、無線通信制御装置100が受信する信号の強度は−76dBmである。なお、本実施形態に係る無線通信制御装置100において、ZigbeeやBT/BLEが使用している周波数は、2.4GHz帯のWi−fiの物理チャネル番号に変更して使用するものとする。
図4の第1テーブルが無線通信制御装置100側で生成された後は、端末装置200側でアプリケーションの使用状況を確認する処理(ステップS104)で第2テーブルが用いられる。
図5は、端末装置が管理する第2テーブルの例を説明する図である。第2テーブルは、端末装置200内で動作するアプリケーション250に係る情報を含むテーブルである。第2テーブルは、Service Type、Required Throuhput、Tx duty cycleの項目を備える。
Service Typeは、アプリケーション250の重要度を表す情報である。一例として、Service Typeの「2」は、アプリケーション250の重要度が高い(Higu Priority)場合を表し、「1」は、重要度が低い(Low Priority)場合を表す。Required Throughputは、アプリケーション250の動作に求められる通信速度を表す情報である。一例として、Required Throughputの「2」は、アプリケーション250の動作に高い通信レートが求められる場合を表し、「1」は、動作に低い通信レートが求められる場合を表す。Tx duty cycleは、送信信号の使用率を表す情報である。Tx duty cycleの「2」は、アプリケーション250の信号の使用率が高い場合を表し、「1」は、信号の使用率が低い場合を表す。Tx duty cycleは、一種の通信品質であり、デューティーサイクルが高いものは、通信品質がよい状態である。
図5の例におけるアプリケーション250は、重要度が高く(Service Typeが2)、動作に求められる通信速度が高く(Required Throughputが2)、求められる信号の使用率が高い(Tx duty cycleが2)。
ステップS104によりアプリケーション250の第2テーブルを取得すると、端末装置200は、第2のテーブルと図6のような第3テーブルに基づいて、端末装置200の制御余地の有無があるか否かを判定する。
図6は、制御余地の判定に用いられる第3テーブルの例を説明する図である。第3テーブルは、アプリケーション250の動作に求められる第2テーブルに含まれる情報から、制御余地があるか否かを判定するために用いられる真理値表である。ここで、第3テーブルのService Type、Required Throuhput、Tx duty cycleは、第2テーブルの項目と同様の項目である。第3テーブルは、第2テーブルから更に、TxProom、Chroomの項目を備える。TxProomは、送信信号の強度を低減させてもいいか否かを示す情報を表す。TxProomのNOは、送信信号の強度を低減してはいけない状態を表し、YESは、送信信号の強度を低減させてもよい状態を表す。Chroomは、チャネルを一時的に停止してもよいか否かを表す情報である。ChroomのNOは、チャネルを一時的にでも停止してはいけないアプリケーションであることを表し、YESは、チャネルを一時的に停止しても問題のないアプリケーションであることを表す。
真理値表である第3テーブルの1行目は、Service Typeが2、Required Throughputが2、Tx duty cycleが2の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの1行目は、重要度が高く、高速通信が求められ、通信強度が強いことがアプリケーション250の要件である場合の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることができず(TxProomがNO)、又、チャネルを停止してはいけない(ChroomがNO)。そのため、第3テーブルの1行目のようなアプリケーション250には、制御余地がないと判定できる。
真理値表である第3テーブルの2行目は、Service Typeが2、Required Throughputが2、Tx duty cycleが1の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの2行目は、重要度が高く、高速通信が求められ、通信強度は低くても問題がないアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることができず(TxProomがNO)、又、チャネルを停止してはいけない(ChroomがNO)。そのため、第3テーブルの2行目のようなアプリケーション250には、制御余地がないと判定できる。
真理値表である第3テーブルの3行目は、Service Typeが2、Required Throughputが1、Tx duty cycleが2の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの3行目は、重要度が高く、高速通信でなくてもよく、通信強度は高いことが求められるアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることができず(TxProomがNO)、又、チャネルを停止してはいけない(ChroomがNO)。そのため、第3テーブルの3行目のようなアプリケーション250には、制御余地がないと判定できる。
真理値表である第3テーブルの4行目は、Service Typeが2、Required Throughputが1、Tx duty cycleが1の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの4行目は、重要度が高く、高速通信でなくてもよく、通信強度は低くても問題がないアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることができない(TxProomがNO)ものの、又、チャネルを一時的に停止してもよい(ChroomがYES)。そのため、第3テーブルの4行目のようなアプリケーション250には、チャネルを一時的に停止する制御余地があると判定できる。
真理値表である第3テーブルの5行目は、Service Typeが1、Required Throughputが2、Tx duty cycleが2の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの5行目は、重要度が低いものの、高速通信が求められ、通信強度が強いことがアプリケーション250の要件である場合の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させてもよく(TxProomがYES)、一方、チャネルを停止してはいけない(ChroomがNO)。そのため、第3テーブルの5行目のようなアプリケーション250には、送信信号の強度を低減させる制御余地があると判定できる。
真理値表である第3テーブルの6行目は、Service Typeが1、Required Throughputが2、Tx duty cycleが1の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの6行目は、重要度が低いが、高速通信が求められ、通信強度は低くても問題がないアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることが可能であり(TxProomがYES)、又、チャネルを一時的に停止してもよい(ChroomがYES)。そのため、第3テーブルの6行目のようなアプリケーション250には、送信信号の強度を低減させる、又は、チャネルの使用を一時的に停止する制御余地があると判定できる。
真理値表である第3テーブルの7行目は、Service Typeが1、Required Throughputが1、Tx duty cycleが2の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの7行目は、重要度が低く、高速通信でなくてもよいが、通信強度は高いことが求められるアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることが可能であり(TxProomがYES)、又、チャネルを一時的に停止してもよい(ChroomがYES)。そのため、第3テーブルの7行目のようなアプリケーション250には、送信信号の強度を低減させる、又は、チャネルの使用を一時的に停止する制御余地があると判定できる。
真理値表である第3テーブルの8行目は、Service Typeが1、Required Throughputが1、Tx duty cycleが1の場合の例である。言い換えると、第3テーブルの8行目は、重要度が低く、高速通信でなくてもよく、通信強度は低くても問題がないアプリケーション250の例である。このようなアプリケーション250を動作させる端末装置200は、送信信号の強度を低減させることが可能であり(TxProomがYES)、又、チャネルを一時的に停止してもよい(ChroomがYES)。そのため、第3テーブルの8行目のようなアプリケーション250には、送信信号の強度を低減させる、又は、チャネルの使用を一時的に停止する制御余地があると判定できる。
一例として、図5の第2テーブルの例では、Service Typeが2、Required Throughputが2、Tx duty cycle2が、アプリケーション250の要件であるため、図6の第3テーブルの1行目に該当し、制御余地はないと判定でされる。
このように、図6の真理値表(第3テーブル)を用いて、端末装置200は、独自にアプリケーションの属性に応じた制御余地の有無を判定する(ステップS106)。その後、端末装置200は、制御余地に係る情報を無線通信制御装置100に送信する(ステップS107)。無線通信制御装置100は、受信した制御余地に係る情報に基づいて、図4の第1テーブルを更新する。
図7は、無線通信制御装置が管理する第1テーブルの例(その2)を説明する図である。無線通信制御装置100は、受信した制御余地に係る情報(TxProomとChroom)に基づいて、図4の第1テーブルを更新する。図7における第1テーブルは、更新後のデータの例である。
無線通信制御装置100の制御部160は、端末装置200から制御余地に係る情報を受信する毎に、端末装置200に対応する行の制御余地(TxProomとChroom)を第1テーブルに反映させる。
図8は、無線通信制御装置が管理する第4テーブルの例を説明する図である。制御余地に係る情報が第1テーブルに反映されると、制御部160は、第4テーブルを生成する。第4テーブルは、2.4GHz帯のWi−fiの物理チャネル毎の総エネルギー量を示す表である。各チャネルの総エネルギー量は、以下の式1で算出できる。
式1は、各チャネルで受信されたRSSIの真値和を計算し、それをdBmの単位に変換した式である。ここで、式1におけるEは、総エネルギー量である。Siは、各無線端末のRSSI(受信信号強度)である。iは、無線端末の数である。
制御部160が各チャネルの総エネルギー量を算出すると、第4テーブルが生成する。図8の例では、チャネル1、5、9、13の総エネルギー量が−50(所定の閾値の一例)よりも強い。総エネルギー量が大きいチャネルは、複数の端末装置が該当するチャネルを同時に利用しているためである。そのため、図8の一例において制御部160は、チャネル1、5、9、13を利用している複数の端末装置について制御余地を判定すると決定する。
図9は、無線通信制御装置が管理する第5テーブルの例を説明する図である。制御部160は、総エネルギー量が所定の閾値よりも強いチャネルを利用している端末装置の情報を第1テーブルより取得する。そのため、第5テーブルの一例では、1、5、9チャネルを利用している端末装置に係る情報が格納されている。第5テーブルは、Type、BSSID、Ch、TxPの項目を備える。Type、BSSID、Chは、第1テーブルと同様の項目である。
制御部160は、第5テーブルの端末装置毎に制御余地があるか否かを第1テーブルのTxP roomとCh roomに基づいて判定する。図9の例では、Wi−fiの1chを利用している「bc:de:f0:12:34:56」のBSSIDを持つ端末装置と、Wi−fiの5chを利用している「cd:ef:01:23:45:67」のBSSIDを持つ端末装置とが、制御余地があるものとする。その後、制御部160は、制御余地がある端末装置について、低減可能な無線信号強度の量を算出する。低減可能な無線信号の強度の量は、例えば、現在の無線信号強度が所定の閾値(第4テーブルで使用した)になるまで低減可能と算出してもよい。制御部160が算出した低減可能な無線信号強度は、端末装置に対応した第5テーブル内のTxPに格納される。
図10は、無線通信制御装置及び端末装置が搭載する受信機の回路の例を説明するブロック図である。図10は、無線通信制御装置100の受信機110と端末装置200の受信機210の例である。受信機110と受信機210は、高周波増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)501、局部発振器502、ミキサ503、Low−Pass Filter(LPF)504,アナログデジタル変換器505、クロック506、Quadrature Phase Shift Keying(QPSK)復調器507を備える。
アンテナ(ANT)が受信した信号は、高周波増幅器501に送られる。高周波増幅器501は、入力された信号を選択及び増幅する低雑音増幅器である。高周波増幅器501で増幅された信号は、ミキサ503に送られる。ミキサ503には、周波数変換のための信号を発信する局部発信器502からの信号と高周波増幅器501から送られてきた信号とが入力される。高周波増幅器501から入力された信号の周波数は、入力された信号の周波数と局部発信器502からの信号の周波数の差の周波数に変換される。ミキサ503で周波数変換された信号は、LPF504に送られる。
LPF504は、入力された信号のうち、遮断周波数より低い周波数の成分を通し、遮断周波数より高い周波数の成分を除去するフィルタ回路である。LPF504は、高い周波数成分が除去した後の信号をA/D変換器505に送る。A/D変換器505は、入力された信号(アナログ電気信号)をデジタル電気信号に変換する回路である。A/D変換後の信号は、QPSK復調器507に送られる。QPSK復調器507は、A/D変換器505から送られてくるデジタル電気信号を、クロック506から送られてくるクロック信号を用いてQPSK方式の復調を行う。
無線通信制御装置100の受信機110において、QPSK復調器507から出力された信号は、Wi−fiデコーダー130、BT/BLEデコーダー140、Zigbeeデコーダー150などに送られる。端末装置200の受信機210においてQPSK復調器507から出力された信号は、デコーダー230に送られる。
図11は、無線通信制御装置のWi−fiデコーダーの回路の例を説明するブロック図である。Wi−fiデコーダー130は、Wi−fiデコーダー回路510を備える。Wi−fiデコーダー回路510は、例えば、Large−Scale Integration(LSI)などで実現される。
Wi−fiデコーダー回路510には、受信機110から送られてきた信号(Rx Out)が入力される。すると、Wi−fiデコーダー回路510は、符号化された信号の符号化を解除(デコード)する。ここでは、Wi−fiの無線通信方式の環境電波の信号をWi−fiデコーダー回路510がデコードすることにより、環境電波からBSSID、RSSI、Chの情報が得られる。BSSID、RSSI、Chの情報は、制御部160に送られる。
図12は、無線通信制御装置のBT/BLEデコーダーの回路の例を説明するブロック図である。BT/BLEデコーダー140は、BT/BLEデコーダー回路520を備える。BT/BLEデコーダー回路520は、例えば、LSIなどで実現される。
BT/BLEデコーダー回路520には、受信機110から送られてきた信号(Rx Out)が入力される。すると、BT/BLEデコーダー回路520は、符号化された信号の符号化を解除(デコード)する。ここでは、BT/BLEの無線通信方式の環境電波の信号をBT/BLEデコーダー回路520がデコードすることにより、環境電波からBSSID、RSSI、Chの情報が得られる。BSSID、RSSI、Chの情報は、制御部160に送られる。
図13は、無線通信制御装置のZigbeeデコーダーの回路の例を説明するブロック図である。Zigbeeデコーダー150は、Zigbeeデコーダー回路530を備える。Zigbeeデコーダー回路530は、例えば、LSIなどで実現される。
Zigbeeデコーダー回路530には、受信機110から送られてきた信号(Rx Out)が入力される。すると、Zigbeeデコーダー回路530は、符号化された信号の符号化を解除(デコード)する。ここでは、Zigbeeの無線通信方式の環境電波の信号をZigbeeデコーダー回路530がデコードすることにより、環境電波からBSSID、RSSI、Chの情報が得られる。BSSID、RSSI、Chの情報は、制御部160に送られる。
図14は、無線通信制御装置の制御部の回路の例を説明するブロック図である。制御部160は、プロセッサ540で実現される。プロセッサ540は、Central Processing Unit(CPU)である。
図2のステップS101〜S102の処理において、プロセッサ540には、Wi−fiデコーダー130、BT/BLEデコーダー140、Zigbeeデコーダー150から送られてくるBSSID、RSSI、Chなどの情報が入力される。すると、プロセッサ540は、これらの情報をメモリに記憶する。なお、メモリは、本実施形態に係る記憶部170として動作する。メモリは、プロセッサ540の動作により得られたデータや、プロセッサ540の処理に用いられるデータも、適宜、記憶する。プロセッサ540は、環境電波情報をビーコン信号のペイロード部に記載した情報(TxIn)を送信機120に出力する。なお、TxInを送信する際に、プロセッサ540は、ビーコン信号の送信先である端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報であるSel Cntを送信機120に出力する。
図2のステップS108〜110の処理において、プロセッサ540は、端末装置200(実際には複数の端末装置)から収集した制御余地判定の結果情報に基づいて、端末装置200の制御方針を決定する処理を実行する。その後、プロセッサ540は、端末装置200に対応した制御方針を含む制御情報(TxIn)を付与されたビーコン信号を送信機120に出力する。なお、TxInを送信する際に、プロセッサ540は、ビーコン信号の送信先である端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報であるSel Cntを送信機120に出力する。
図15は、無線通信制御装置の送信機の回路の例を説明するブロック図である。送信機120は、Wi−fiエンコーダー551、BT/BLEエンコーダー552、Zigbeeエンコーダー553、セレクタ554、局部発信器555、ミキサ556、LPF557、パワーアンプ(PA)558を備える。
TxInが入力されると、Wi−fiエンコーダー551、BT/BLEエンコーダー552、Zigbeeエンコーダー553は、各々の無線通信方式に対応した方式でTxInの情報を符号化する。セレクタ554には、Sel Cntと符号化された情報とが入力される。Sel Cntは、送信先の端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報である。セレクタ554は、Sel Cntで指定された無線通信方式に対応した符号化済みの情報をミキサ556に出力する。
ミキサ556には、周波数変換のための信号を発信する局部発信器555と符号化済み情報とが入力される。符号化済み情報を含む信号の周波数は、符号化済み情報を含む信号の周波数と局部発信器555からの信号の周波数の差の周波数に変換される。ミキサ503で周波数変換された信号は、LPF557に送られる。LPF557は、入力された信号のうち、遮断周波数より低い周波数の成分を通し、遮断周波数より高い周波数の成分を除去するフィルタ回路である。LPF557は、高い周波数成分が除去した後の信号をPA558に送る。PA558は、入力された信号をより大きいエネルギーの出力信号に変換する増幅回路である。PA558から出力された信号は、アンテナから宛先の端末装置200に送信される。
図16は、端末装置のデコーダーの回路の例を説明するブロック図である。デコーダー230は、デコーダー回路560を備える。デコーダー回路560は、例えば、LSIなどで実現される。
デコーダー回路560には、受信機210からから送られてきた信号(Rx Out)が入力される。すると、デコーダー回路560は、符号化された信号の符号化を解除(デコード)する。ここでは、デコーダー回路560で符号化解除された信号をRxSigとする。デコーダー回路560は、RxSigを端末制御部240に出力する。
図17は、端末装置の端末制御部の回路の例を説明するブロック図である。端末制御部240は、プロセッサ570で実現される。プロセッサ570は、CPUである。
図2のステップS104〜S106の処理において、プロセッサ570は、アプリケーションからサービス属性(例えば、即時性のサービスであるかなど)やアプリケーションの使用に求められる通信速度、送信デューティーサイクルなどの情報を取得する。なお、アプリケーションとは実際に結線しているわけではない。プロセッサ570は、アプリケーション250のサービス属性や無線通信部の通信速度などに基づいて、自端末側で無線通信を一時的に停止が可能か、送信出力を低減しても問題ないかなどの制御余地があるか否かを判定する処理を実行する。その後、プロセッサ570は、無線通信制御装置100宛に送る制御余地に係る情報(Tx Sig)を送信機220に送信する。
図2のステップS112の処理において、プロセッサ570は、無線通信制御装置100側で決定された動作パラメータの情報(Rx Sig)を受信する。プロセッサ570は、決定された動作パラメータに基づいてチャネルを一時的に停止するか否かの情報である(Ch Cnt)と送信出力を表す(Tx Power Cnt)を送信機220に設定するパラメータとして送信機220に出力する。
図18は、端末装置の送信機の回路の例を説明するブロック図である。送信機220は、ミキサ581、局部発信器582、Tx Controller583、LPF584、PA585を備える。
ミキサ581には、周波数変換のための信号を発信する局部発信器582と端末制御部240からの制御余地に係る情報を含む信号(Tx Sig)とが入力される。Tx Sigの周波数は、Tx Sigの周波数と局部発信器582からの信号の周波数の差の周波数に変換される。ミキサ581で周波数変換された信号は、LPF584に送られる。LPF584は、入力された信号のうち、遮断周波数より低い周波数の成分を通し、遮断周波数より高い周波数の成分を除去するフィルタ回路である。LPF584は、高い周波数成分が除去した後の信号をPA585に送る。PA585は、入力された信号をより大きいエネルギーの出力信号に変換する増幅回路である。PA585から出力された信号は、アンテナから無線通信制御装置100に送信される。
端末制御部240側から送られてきたチャネルを一時的に停止するか否かの情報である(Ch Cnt)と送信出力を表す(Tx Power Cnt)は、Tx Controller583に入力される。Tx Controller583は、入力された情報に基づいて、チャネルの制御命令を局部発信器582に出力し、局部発振器582の信号を制御する。更に、Tx Controller583は、入力された情報に基づいて、送信出力の制御命令をPA585に出力し、PA585の出力を制御する。
図19A及び図19Bは、無線通信制御装置の制御部の処理の例(その1)を説明するフローチャートである。図19A及び図19Bのフローチャートは、図2のステップS101〜S102において制御部160で実行される処理の例である。制御部160は、受信機110が受信した環境電波のうち、Wi−fi信号をスキャンする(ステップS201)。制御部160は、環境電波にWi−fi信号が含まれているか否かを判定する(ステップS202)。環境電波にWi−fi信号が含まれている場合(ステップS202でYES)、制御部160は、Wi−fiを利用している無線端末に対応させて、第1テーブルにType、BSSID、Ch,RSSIを格納する(ステップS203)。制御部160は、ビーコン信号の送信先である端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報であるSel Cntに、無線通信方式がWi−fiであることを示す番号である「1」を設定する(ステップS204)。制御部160は、第1テーブルの情報(環境電波情報)を端末装置に送信する制御をする(ステップS205)。
環境電波にWi−fi信号が含まれていない場合(ステップS202でNO)、制御部160は、受信機110が受信した環境電波のうち、BT/BLE信号をスキャンする(ステップS206)。制御部160は、環境電波にBT/BLE信号が含まれているか否かを判定する(ステップS207)。環境電波にBT/BLE信号が含まれている場合(ステップS207でYES)、制御部160は、BT/BLEを利用している無線端末に対応させて、第1テーブルにType、BSSID、Ch,RSSIを格納する(ステップS208)。制御部160は、ビーコン信号の送信先である端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報であるSel Cntに、無線通信方式がBT/BLEであることを示す番号である「2」を設定する(ステップS209)。制御部160は、第1テーブルの情報(環境電波情報)を端末装置に送信する制御をする(ステップS210)。
環境電波にBT/BLE信号が含まれていない場合(ステップS207でNO)、制御部160は、受信機110が受信した環境電波のうち、Zigbee信号をスキャンする(ステップS211)。制御部160は、環境電波にZigbee信号が含まれているか否かを判定する(ステップS212)。環境電波にZigbee信号が含まれている場合(ステップS212でYES)、制御部160は、Zigbeeを利用している無線端末に対応させて、第1テーブルにType、BSSID、Ch,RSSIを格納する(ステップS213)。制御部160は、ビーコン信号の送信先である端末装置200が利用している無線通信方式を指定する情報であるSel Cntに、無線通信方式がZigbeeであることを示す番号である「3」を設定する(ステップS214)。制御部160は、第1テーブルの情報(環境電波情報)を端末装置に送信する制御をする(ステップS215)。ステップS215の処理が終了すると、図19A及び図19B(図2のステップS101〜S102)の処理は終了する。
図20A〜図20Cは、無線通信制御装置の制御部の処理の例(その2)を説明するフローチャートである。図20A〜図20Cのフローチャートは、図2のステップS108で受信した制御余地判定の結果情報に基づいて制御部160で実行される処理の例である。
制御部160は、現在受信機110が受信している信号のうちWi−fi信号をスキャンする(ステップS301)。制御部160は、現在受信機110が受信している信号にWi−fi信号が含まれているか否かを判定する(ステップS302)。Wi−fi信号が含まれている場合(ステップS302でYES)、制御部160は、全Wi−fi信号のBSSIDを第1テーブルに格納(更新)する(ステップS303)。制御部160は、まず、BSSIDの値が最小の端末装置を1つ選択する(ステップS304)。制御部160は、選択中の端末装置から受信した制御余地判定の判定結果が、制御余地有りか否かを判定する(ステップS305)。制御余地がある場合(ステップS305でYES)、制御部160は、第1テーブル内のWi−fiを利用している端末装置のCh、RSSIを更新する(ステップS306)。制御部160は、第1テーブル内のWi−fiを利用している端末装置の制御余地情報であるTxProom、Chroomを格納する(ステップS307)。制御余地がない場合(ステップS305でNO)、又は、ステップS307が終了すると、制御部160は、現在選択している端末装置のBSSIDが最後の端末装置(BSSIDの値が最も大きい端末装置)か否かを判定する(ステップS308)。最後の端末装置が選択されていない場合(ステップS308でNO)、制御部160は、現在選択しているBSSIDの次にBSSIDの値が大きい端末装置を選択する(ステップS309)。ステップS309の処理が終了すると、制御部160は、処理をステップS305から繰り返す。
最後のBSSIDまで処理が終了している場合(ステップS308でYES)、又は、Wi−fi信号を含まない場合(ステップS302でNO)、制御部160は、現在受信機110が受信している信号のうちBT/BLE信号をスキャンする(ステップS310)。制御部160は、現在受信機110が受信している信号にBT/BLE信号が含まれているか否かを判定する(ステップS311)。BT/BLE信号が含まれている場合(ステップS311でYES)、制御部160は、全BT/BLE信号のBSSIDを第1テーブルに格納(更新)する(ステップS312)。制御部160は、まず、BSSIDの値が最小の端末装置を1つ選択する(ステップS313)。制御部160は、選択中の端末装置から受信した制御余地判定の判定結果が、制御余地有りか否かを判定する(ステップS314)。制御余地がある場合(ステップS314でYES)、制御部160は、第1テーブル内のBT/BLEを利用している端末装置のCh、RSSIを更新する(ステップS315)。制御部160は、第1テーブル内のBT/BLEを利用している端末装置の制御余地情報であるTxProom、Chroomを格納する(ステップS316)。制御余地がない場合(ステップS314でNO)、又は、ステップS316が終了すると、制御部160は、現在選択している端末装置のBSSIDが最後の端末装置(BSSIDの値が最も大きい端末装置)か否かを判定する(ステップS317)。最後の端末装置が選択されていない場合(ステップS317でNO)、制御部160は、現在選択しているBSSIDの次にBSSIDの値が大きい端末装置を選択する(ステップS318)。ステップS318の処理が終了すると、制御部160は、処理をステップS314から繰り返す。
最後のBSSIDまで処理が終了している場合(ステップS317でYES)、又は、BT/BLE信号を含まない場合(ステップS311でNO)、制御部160は、現在受信機110が受信している信号のうちZigbee信号をスキャンする(ステップS319)。制御部160は、現在受信機110が受信している信号にZigbee信号が含まれているか否かを判定する(ステップS320)。Zigbee信号が含まれている場合(ステップS320でYES)、制御部160は、全Zigbee信号のBSSIDを第1テーブルに格納(更新)する(ステップS321)。制御部160は、まず、BSSIDの値が最小の端末装置を1つ選択する(ステップS322)。制御部160は、選択中の端末装置から受信した制御余地判定の判定結果が、制御余地有りか否かを判定する(ステップS323)。制御余地がある場合(ステップS323でYES)、制御部160は、第1テーブル内のZigbeeを利用している端末装置のCh、RSSIを更新する(ステップS324)。制御部160は、第1テーブル内のZigbeeを利用している端末装置の制御余地情報であるTxProom、Chroomを格納する(ステップS325)。制御余地がない場合(ステップS323でNO)、又は、ステップS325が終了すると、制御部160は、現在選択している端末装置のBSSIDが最後の端末装置(BSSIDの値が最も大きい端末装置)か否かを判定する(ステップS326)。最後の端末装置が選択されていない場合(ステップS326でNO)、制御部160は、現在選択しているBSSIDの次にBSSIDの値が大きい端末装置を選択する(ステップS327)。ステップS327の処理が終了すると、制御部160は、処理をステップS323から繰り返す。
ステップS326の処理が終了した場合、又は、Zigbee信号が含まれない場合(ステップS320でNO)、制御部160は、図2のステップS108で受信した制御余地判定の結果情報に基づいて制御部160で実行される処理を終了する。
図21A及び図21Bは、無線通信制御装置の制御部の処理の例(その3)を説明するフローチャートである。図21A及び図21Bは、図2のステップS109の処理の例である。
制御部160は、第1テーブルの情報を読み込む(ステップS401)。制御部160は、Ch カウンター(CTR)に1を設定する(ステップS402)。Ch CTRは、制御部160がWi−fiのチャネルを指定する際に用いる変数である。Ch CTRに設定される数字は、Wi−fiのチャネル番号である。制御部160は、式1を用いて、Ch CTRに設定されたチャネルの総エネルギー量を算出する(ステップS403)。制御部160は、算出結果を第4テーブルに格納する(ステップS404)。制御部160は、Ch CTRに1を加算する(ステップS405)。制御部160は、Ch CTRが14を超えたか否かを判定する(ステップS406)。言い換えると、ステップS406の処理は、全てのWi−fiのチャネル(全14チャネル)について総エネルギー量の算出が完了したかを判定する。Ch CTRが14を超えていない場合(ステップS406でNO)、制御部160は、処理をステップS403から繰り返す。
Ch CTRが14を超えた場合(ステップS407でYES)、制御部160は、BSSIDカウンター(CTR)の値が最小の端末装置を設定する(ステップS407)。制御部160は、BSSID CTRに設定されている端末装置に対応するTxProom、Chroom(制御余地)の情報を第1テーブルから取得する(ステップS408)。制御部160は、現在の動作パラメータTxPに制御余地のTxProomを加算する(ステップS409)。次に、制御部160は、第1テーブルの制御余地ChroomにYES(制御余地有り(該当チャネルを一時的に停止してもよい))が設定されているか否かを判定する(ステップS410)。ChroomにYESが設定されている場合(ステップS410でYES)、制御部160は、Chを一時的に停止するCh@Eminを動作パラメータに設定する(ステップS411)。ChroomにNOが設定されている場合(ステップS410でNO)、又は、ステップS411の処理が終了すると、制御部160は、現在のBSSID CTRの次にBSSIDが大きい端末装置を選択する(ステップS412)。制御部160は、動作パラメータTxP及びChを第5テーブルに記憶する(ステップS413)。制御部160は、BSSID CTRが最大に達したか否かを判定する(ステップS414)。ステップS414は、言い換えると、全ての端末装置に対して処理が完了したか否かを判定している。BSSID CTRが最大に達していない場合(ステップS408でNO)、制御部160は、処理をステップS408から繰り返す。BSSID CTRが最大に達している場合(ステップS408でYES)、制御部160は、図2のステップS109に対応する処理を終了する。
図22は、無線通信制御装置の制御部の処理の例(その4)を説明するフローチャートである。図22は、図2のステップS110の処理の際の制御部160の処理の例である。
制御部160は、まず、BSSIDの値が最小の端末装置を1つ選択する(ステップS501)。制御部160は、第5テーブルから選択した端末装置に該当するType、
TxP、Chを取得する(ステップS502)。制御部160は、TypeがWi−fi、BT/BLE、Zigbeeであるかを判定する(ステップS503)。TypeがWi−fiであるとき(ステップS503でWi−fi)、制御部160は、Sel Cntに1を設定する(ステップS504)。TypeがBT/BLEであるとき(ステップS503でBT/BLE)、制御部160は、Sel Cntに2を設定する(ステップS505)。TypeがZigbeeであるとき(ステップS503でZigbee)、制御部160は、Sel Cntに3を設定する(ステップS506)。
ステップS504〜S506の何れかが終了すると、Sel Cntに該当する通信方式を用いて、BSSID、TxP、Ch(TxPとChは動作パラメータ)を端末装置に送信する指示を送信機120に出力する(ステップS507)。制御部160は、BSSID CTRが最大に達したか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508は、言い換えると、全ての端末装置に対して処理が完了したか否かを判定している。BSSID CTRが最大に達していない場合(ステップS508でNO)、制御部160は、処理をステップS502から繰り返す。BSSID CTRが最大に達している場合(ステップS508でYES)、制御部160は、図2のステップS110に対応する処理を終了する。
図23は、端末装置の端末制御部の処理の例(その1)を説明するフローチャートである。図23は、図2のステップS104〜106の処理における端末制御部240の処理の具体例である。
端末制御部240は、無線通信制御装置100から第1テーブルを受信したか否かを判定する(ステップS601)。端末制御部240は、アプリケーション250に係る情報である第2テーブルをリクエストする(ステップS602)。端末制御部240は、リクエストに対する回答を受信したか否かを判定する(ステップS603)。回答を受信している場合(ステップS603でYES)、端末制御部240は、第3テーブル(真理値表)に基づいて、TxProom(TxP制御余地)とChroom(Ch制御余地)を決定する(ステップS604)。回答を受信できない場合(ステップS603でNO)、端末制御部240は、TxProom(TxP制御余地)とChroom(Ch制御余地)を「余地無し」と決定する(ステップS605)。ステップS604又はステップS605の処理が終了すると、端末制御部240は、送信機220に制御余地に係る情報を無線端末制御装置100に送信する制御をする(ステップS606)。ステップS606の処理が終了すると、図2のステップS104〜S106に対応する処理は終了する。
図24は、端末装置の端末制御部の処理の例(その2)を説明するフローチャートである。図24は、図2のステップS111〜112の処理における端末制御部240の処理の具体例である。
端末制御部240は、第5テーブルを無線通信制御装置100から受信したか否かを判定する(ステップS701)。端末制御部240は、第5テーブルに含まれるCh、TxP(動作パラメータ)を送信機220に通知し、設定させる(ステップS702)。ステップS702の処理が終了すると、図2のステップS111〜112に対応する処理は終了する。
本実施形態に係る無線通信制御装置は、異なる無線通信システム間の干渉を回避し、各無線通信システムが共存可能になるように各無線通信システムの無線通信端末の動作パラメータを制御する。無線通信制御装置100は、稠密環境320から無線通信における即時性を要求しない無線通信システムを一時的に停止し、干渉なし環境310のような環境を作ることで、信号強度が弱い無線通信システムの信号強度が強い無線通信システムからの抑圧を回避させることができる。信号強度が強い無線通信システムの信号強度を低減させることで、信号強度が弱い無線通信システムが受ける抑圧を回避することもできる。又、干渉なし環境310のような環境を作ることで、信号強度が強い無線通信システム(例えばWi−fi)同士の干渉を回避することができる。
<その他>
無線通信制御装置が、複数存在する場合、互いの装置間で周辺の端末装置200の情報を共有してもよい。且つ、情報を共有して取得した無線通信制御装置は、共有して取得した情報に基づいて、端末装置200の動作パラメータを決定してもよい。