JP6804080B2 - 補強工法 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Description

本発明は、補強工法に関するものである。
従来から、粘土質等の軟弱な地盤を補強するため、地面を掘削しながらセメントミルクを注入して撹拌することで生成されるソイルセメントを、土中にて硬化させる補強工法が用いられている。例えば、特許文献1には、回転しながら地盤を掘り起こすビット部と、土中にセメントミルクを噴射するノズルとを備えた掘削機が開示されている。
特開平3−132515号公報
しかしながら、一般的に、土粒子は負に帯電し、セメント粒子は正に帯電している。このため、上述の補強工法においては、土粒子とセメント粒子が静電気力により局所的に凝集し、生成されるソイルセメントが均質とならず、硬化後のソイルセメントの強度が不均一となる場合がある。したがって、セメント粒子の表面に界面活性剤を付着させることが検討されているが、界面活性剤等を別途手配し、運搬することで負担が増すため、使用しないことが望ましい。なお、特許文献1には、土中にセメントミルクを注入する際に、同時に気泡を混合させているが、当該手法ではセメント粒子と土粒子との接触を避けることができず、セメント粒子への土粒子の付着を防止することができない。したがって、特許文献1の手法では、局所的な凝集を改善することはできない。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、セメント粒子の表面に気泡を付着させることで、局所的な凝集を防ぎ、土粒子とセメント粒子とを均一に混合することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、土粒子とセメント粒子とを撹拌混合することによってソイルセメントを生成すると共に当該ソイルセメントを硬化させることにより補強領域を形成する補強工法であって、土粒子とセメント粒子とを混合する混合工程と、上記混合工程より前に行われ上記セメント粒子の表面に気泡を付着させる気泡付着工程とを有する、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、上記気泡付着工程は、上記混合工程が行われる作業現場と同一の現場にて行われる、という手段を採用する。
第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、上記気泡は、粒径が100μm以下で好ましくは50μm以下である、という手段を採用する。
本発明によれば、土粒子とセメント粒子とを混合する前に、セメント粒子の表面に気泡を付着させることができる。これにより、セメント粒子と土粒子との電気的な凝集を防ぐことができ、土粒子とセメント粒子を均一に混合することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る補強工法に用いられる掘削機及びセメントミルク供給部の概略図である。 本発明の一実施形態に係る補強工法に用いられるセメントミルク供給部の概略図である。 本実施形態における補強工法の流れを表すフローチャートである。 実験例1における供試体の一軸圧縮強度の変動係数のグラフである。 実験例1における供試体の一軸圧縮強度の平均のグラフである。 実験例2における気泡径と微細気泡の体積割合との関係を示すグラフである。 実験例2におけるケース毎の条件を示す表である。 実験例2において用いた配合および固化材の条件を示す表である。 実験例2において用いた土の粒径加積曲線を示すグラフである。 実験例2におけるケース毎の一軸圧縮強度のばらつき(変動係数)を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係る補強工法の一実施形態として、土壌中にてソイルセメントを硬化させ、地盤を補強する柱状体(補強領域)を形成する補強工法について説明する。なお、図面の縮尺及び形状は認識可能となるように適宜変更している。図1は、本実施形態に係る補強工法に用いられる掘削機1及びセメントミルク供給部2の概略構成図である。
本実施形態における補強工法は、掘削機1と、セメントミルク供給部2とを用いて行われる。掘削機1は、地面を掘削し、その掘削穴に気泡付着セメントミルクX2(微細気泡が表面に付着したセメント粒子を含むセメントミルク)を注入して撹拌する機械であり、地盤補強を行う現場(作業現場)に配置されている。このような掘削機1は、回転軸10と、回転装置11と、掘削部12と、撹拌部13と、支持機構14とを有している。なお、この掘削機1は、車両部を備え、移動可能であるものとしてもよい。回転軸10は、気泡付着セメントミルクX2が流通可能な中空構造とされており、地面に対して立直されるように支持機構14により回転可能に支持されている。また、回転軸10は、地面側の端部である下端近傍の周面に気泡付着セメントミルクX2を吐出するための吐出口10aを有している。
回転装置11は、回転軸10を回転させるための駆動装置であり、支持機構14によって支持されている。この回転装置11は、回転軸10の地面と反対側の端部である上端部に接続されている。掘削部12は、土壌に気泡付着セメントミルクX2を注入する穴を開けるために設けられた回転体である。このような掘削部12は、ベース部12aと、突起部12bとを有している。ベース部12aは、平面が地面と平行となるように回転軸の下端に固定された平板であり、突起部12bを支持している。突起部12bは、ベース部12aの平面から地面に対して垂直に突出している。この突起部12bは、地面に当接して回転されることで、地面を掘削する。撹拌部13は、掘削部12が形成した穴に注入された気泡付着セメントミルクX2と、その周囲の土粒子とを撹拌混合するために設けられた羽根であり、回転軸10に複数取り付けられている。
図2は、本実施形態に係る補強工法に用いられるセメントミルク供給部2の構成図である。このセメントミルク供給部2は、掘削機1と同一の作業現場に設置されている。また、セメントミルク供給部2は、微細気泡供給装置20と、セメントミルク貯留タンク21と、ポンプ22を備えている。
微細気泡供給装置20は、外部から空気を取り込むと共に取り込んだ空気を微細化して微細気泡BとしてセメントミルクX1(微細気泡が供給されていないセメントミルク)に供給する装置であり、セメントミルク貯留タンク21の中に設置されている。この微細気泡供給装置20によって発生する微細気泡Bは、例えば、粒径が100μm以下で好ましくは50μm以下の気泡である。このような微細気泡Bは、気泡径が小さいことから浮力が小さく、液中滞在時間が長い。また、微細気泡Bは、負に帯電しており、正を持つ物体に引き寄せられる特性を持つ。
セメントミルク貯留タンク21は、生成したセメントミルクX1を貯留し、微細気泡Bを吹き込むためのタンクである。ポンプ22は、セメントミルク貯留タンク21において作製された気泡付着セメントミルクX2を掘削機1へと圧送する。
なお、本実施形態において用いられるセメントミルクX1は、セメント粒子を水で溶かしたものである。セメントミルクX1の状態において、セメント粒子は正に帯電しており、負に帯電する粒子を引付けやすい状態となっている。セメントミルク供給部2は、セメント粒子にマイクロバブルあるいはナノバブルからなる微細気泡B(気泡)を付着させた気泡付着セメントミルクX2を生成し、掘削機1へと供給するものである。
続いて、図3を参照して、本実施形態における補強工法について説明する。図3は、本実施形態における補強工法の流れを表すフローチャートである。
まず、セメントミルク作製工程(ステップS1)を行う。このセメントミルク作製工程(ステップS1)では、セメントに水を入れると共に混合してセメントミルクX1を作製する。このセメントミルクX1は、セメントミルク貯留タンク21に貯留される。次に、気泡付着工程(ステップS2)を行う。この気泡付着工程(ステップS2)では、セメントミルク貯留タンク21内のセメントミルクX1に微細気泡供給装置20より微細気泡Bが供給され、セメント粒子の表面に微細気泡を付着させる。このとき、セメント粒子は正に帯電し、微細気泡Bは負に帯電していることから、セメント粒子と微細気泡Bは引き合い、セメント粒子の表面に微細気泡Bが付着する。これによりセメントミルクX1は、気泡が付着したセメント粒子を含む気泡付着セメントミルクX2となる。この気泡付着セメントミルクX2は、掘削機1へと供給される。
次に、混合工程(ステップS3)を行う。この混合工程(ステップS3)では、掘削機1で、柱状体を形成する地面に掘削穴を開け、掘削穴への気泡付着セメントミルクX2を注入すると共に土粒子と混合する。このとき、回転軸10と共に撹拌部13が回転されることで、掘削された土粒子と気泡付着セメントミルクX2とが混合され、ソイルセメントとなる。掘削部12が所定の深さまで掘削を終えると、回転軸10が持ち上げられる。このとき、撹拌部13は上昇しながら穴中のソイルセメントを再撹拌する。
この混合工程(ステップS3)におけるソイルセメントは、負に帯電した微細気泡Bがセメント粒子に付着した状態であり、負に帯電している土粒子と微細気泡Bが反発しあう。このため、セメント粒子と土粒子とが凝集することがない。したがって、撹拌部13による撹拌が十分に行われ、均一に混合される。最後に、養生工程(ステップS4)を行う。この養生工程(ステップS4)では、混合された穴中のソイルセメントが完全に硬化するまで養生する。以上の工程により、土壌中に地盤改良体が形成され、地盤の補強が完了する。
ここで、本実施形態に係る補強工法で作製されたソイルセメントの性能を検証するために行った実験について説明する。
(実験例1)
本実験では、まず、セメントと水とを混合したセメントミルクに対して、微細気泡を付着させ、カオリン粘土、珪砂及び水と当該セメントミルクとを混合した供試体αを20本作製した。この供試体αとの比較のため、後述する条件にて供試体A1〜A5及び供試体βを作製した。
供試体A1は、セメントミルクに何も添加しない条件で作製した。供試体A2は、セメントミルクに界面活性剤(グルコン酸ナトリウム)を0.1%添加して作製した。供試体A3は、セメントミルクに界面活性剤(グルコン酸ナトリウム)を0.2%添加して作製した。供試体A4は、セメントミルクに界面活性剤(グルコン酸ナトリウム)を0.3%添加して作製した。供試体A5は、セメントミルクに界面活性剤(グルコン酸ナトリウム)を0.6%添加して作製した。供試体βは、セメントミルクに気泡を付着させ、さらに界面活性剤を0.2%添加して作製した。なお、各供試体のセメントミルク、カオリン粘土及び珪砂の量については、全て条件を同一とした。
図4は、供試体の一軸圧縮強度の変動係数のグラフである。なお、ここで述べる変動係数は、同種の供試体における一軸圧縮強度のバラツキを示しており、セメントミルクとカオリン粘土及び珪砂とが十分に混合されていると、変動係数は減少すると考えられる。実際に補強工事に用いるソイルセメントについては、強度保持のために変動係数を30%以下とすることが望ましい。
しかしながら、図4のグラフに示すように、界面活性剤が無添加である供試体A1は、変動係数が40%を超えており、供試体ごとの強度のバラツキが大きいことがわかる。これに対し、微細気泡を付着させた供試体αは、変動係数が27.1%であり、要求される変動係数の上限の30%を下回っている。これは、界面活性剤を0.3%添加した供試体A4と同程度である。また、界面活性剤を添加して微細気泡を付着させた供試体βについても、供試体αと同程度の変動係数となっている。つまり、微細気泡を付着させたソイルセメントは、界面活性剤を添加したソイルセメントと同様に強度のバラツキが抑えられており、十分均質であるといえる。
図5は、供試体の一軸圧縮強度の平均のグラフである。このグラフが示すように、界面活性剤を添加した供試体A2〜A6と、微細気泡を付着させた供試体αとを比較しても、強度に大きな差は見られない。また、微細気泡のみを付着させた供試体αと、界面活性剤を添加して微細気泡を付着させた供試体βとを比較しても、同程度の強度であるといえる。このことから、微細気泡を付着させた供試体α及び供試体βの強度は、界面活性剤を添加した供試体A2〜A6の強度と同程度であるといえる。
さらに、無添加の供試体A1と微細気泡を付着させた供試体αとを比較すると、微細気泡を付着させた供試体αの方が、一軸圧縮強度が大きいことがわかる。このことから、微細気泡を付着させることで、土とセメントミルクとの混合が促進され、供試体内が均質となり、一軸圧縮強度が増加したと考えられる。
(実験例2)
本実験では、撹拌剪断方式の微細気泡発生装置を用いて実験を行った。この微細気泡発生装置は、筒状の多孔板の内部にインペラを収容し、インペラの収容空間に空気を供給しつつインペラを高速回転させることにより剪断力に微細気泡を発生させると共に、多孔板の周囲に排出された微細気泡を撹拌器で撹拌して拡散させる構成とされている。本実験では、必要に応じてマスフロコントローラで微細気泡発生装置への空気の供給量を調整している。
図6は、マスフロコントローラによる空気供給量の調整を行うことない自然吸気で、インペラを水中で4000rpmにて回転させた場合における、気泡径と微細気泡の体積割合との関係を示すグラフである。この図に示すように、本実験での微細気泡発生装置を自然吸気で4000rpmにて回転させた場合には、20μm〜200μmの気泡径の微細気泡が発生し、特に25μm〜100μmの気泡径の微細気泡が発生する。また、最頻気泡径は50μm程度である。
本実験では、以下の図7に示すケース1〜5の条件で供試体を作製し、それぞれの供試体の一軸圧縮強度のばらつきについて検討した。ケース1では、セメントミルクへの微細気泡の混入を行わずに供試体を作製した。ケース2では、微細気泡発生装置を自然吸気かつインペラ回転数4000rpmとしかつ微細気泡の供給時間を5分として供試体を作製した。ケース3では、微細気泡発生装置への空気の供給量を1分につき50ccとし、インペラの回転数を4000rpmとし、微細気泡の供給時間を5分として供試体を作製した。ケース4では、微細気泡発生装置への空気の供給量を1分につき25ccとし、インペラの回転数を4000rpmとし、微細気泡の供給時間を5分として供試体を作製した。ケース5では、微細気泡発生装置への空気の供給量を1分につき50ccとし、インペラの回転数を4000rpmとし、微細気泡の供給時間を2.5分として供試体を作製した。
なお、各々のケースにおいて、以下の方法で供試体を作製した。乾燥状態のカオリン粘土と珪砂5号を混合し、含水比調整水(水道水)を加えた後、ミキサーで5分間撹拌混合し試料土を作製する。固化材に固化材用水(水道水)を入れ、ハンドミキサーで撹拌混合してセメントミルクを作製する。セメントミルクに微細気泡を混入させる場合、作製したセメントミルクに微細気泡発生装置で所定の時間、微細気泡を混入させる。試料土にセメントミルクを投入した後、ミキサーで1分間撹拌混合し、ソイルセメントを作製する。ソイルセメントを直径5cm、高さ10cmのモールドに3層に分けて詰め、各層タッピングを行い、供試体とする。ケース毎に供試体を20体作製し、これらの供試体は20℃、60%の恒温恒湿下で7日間養生した。
また、本実験では、試料土に粘性土を用いた。図8に試料土の配合および固化材の条件を示し、図9に土の粒径加積曲線を示す。試料土はカオリン粘土(ρ=2.748、I=30.2)と珪砂5号(ρ=2.667)をそれぞれ乾燥状態の質量比7:3で混合した後、含水比調整を行った。固化材には一般軟弱土用のセメント系固化材(以下、固化材)を用い、試料土の質量に対して10%添加した。
実験の結果、ケース1の供試体の平均強度は445kN/mであった。ケース2の供試体の平均強度は521kN/mであった。ケース3の供試体の平均強度は487kN/mであった。ケース4の供試体の平均強度は612kN/mであった。ケース5の供試体の平均強度は619kN/mであった。
また、図10は、ケース毎の一軸圧縮強度のばらつき(変動係数)を示すグラフである。微細気泡を混入していないケース1は強度のばらつきが大きいことが分かる。微細気泡を入れたケース2はケース1と比較して強度のばらつきは大きく低下し、平均強度はやや大きくなった。空気の供給量を1分につき50ccとしたケース3は、ケース2と比較して強度のばらつきはさらに小さくなる。微細気泡の総量をケース3の半分にしたケース4、5は、ケース3と比べて強度のばらつきは大きくなるものの平均強度は高く、微細気泡の量が多いほどばらつきの低減効果が高いことが分かった。ケース2〜5(特にケース3)は、ケース1と比べてばらつきの低減が小さくなることは、図10から明らかである。つまり、図6に示すように、気泡径が100μm以下の微細気泡がセメントミルクに混入されることによって、強度のばらつきを抑止できることが分かった。
以上に説明したような本実施形態に係る補強工法は、土とセメントミルクX1を混合する前に、気泡付着工程(ステップS2)が行われる。これにより、土と混合させるよりも前にセメント粒子の表面に微細気泡Bを付着させることができ、セメントミルクX1の流動性を上昇させることができる。したがって、界面活性剤を使用せずに、土粒子とセメント粒子との局所的な凝集を防ぐことができ、均一に混合することが可能である。
このような本実施形態に係る補強工法によれば、界面活性剤を使用しなくても、土粒子とセメント粒子を均一に混合できるため、界面活性剤等を別途手配し、運搬する負担がなくなる。ただし、上記実験に示すように界面活性剤を添加した場合であっても、十分な均質性及び強度が得られる。このため、本発明は、気泡付着セメントミルクX2に少量の界面活性剤を添加することを除外するものではない。
また、本実施形態に係る補強工法は、気泡付着工程(ステップS2)と混合工程(ステップS3)を同一の作業現場にて行っている。このため、気泡付着セメントミルクX2を作製してから土と混合するまでにかかる時間が短く、セメント粒子に付着した微細気泡Bの多くが残留した状態となっている。これにより、土粒子とセメント粒子との局所的な凝集をより効果的に防ぐことができる。したがって、土粒子とセメント粒子とを均一に混合することが可能である。
また、本実施形態に係る補強工法においては、セメントミルクX1に対して、微細気泡供給装置20を用いて50μm以下の微細気泡Bを付着させている。このため、正に帯電したセメント粒子に対して静電気的に気泡を付着させることができる。したがって、土粒子と微細気泡Bが反発しあうことで、微細気泡Bの付着したセメント粒子は土粒子と局所的に凝集することなく均一に混合することができる。
また、セメントミルクX1に微細気泡Bを吹き込むことにより作製された気泡付着セメントミルクX2は、微細気泡Bがセメント粒子間に入り込むことで、流動性が高くなり、さらに体積が増加する。したがって、本実施形態に係る補強工法において使用するセメントミルクX1の量を削減することが可能となる。
また、セメントミルクX1に界面活性剤を添加すると、ソイルセメントの硬化を阻害し、強度が発現するまでに要する時間が延びることが確認されている。これに対し、本実施形態においては、セメントミルクX1には界面活性剤を添加せずに、微細気泡を付着させている。したがって、ソイルセメントの硬化を阻害することがなく、界面活性剤無添加のソイルセメントと同様の硬化時間にて硬化し、強度が発現する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)本実施形態では、掘削機1によって地面を掘削し、土壌中にてソイルセメントを生成する補強工法としたが、本発明はこれに限定されない。掘削機1を用いず、コンクリートミキサ等を用いて、予め用意された土と気泡付着セメントミルクX2とを混合するものとしてもよい。コンクリートミキサを用いて混合する構成とすると、砂防工事や、落盤防止のための補強工事について適用可能である。
(2)また、本実施形態における混合工程(ステップS3)を行った後、硬化前のソイルセメント内にH型鋼を埋没させてから養生することで、より強固な柱状体を形成することが可能である。
(3)本実施形態では、気泡付着工程を、混合工程と同一の作業現場にて実施するものとしたが、本発明はこれに限定されない。気泡付着工程を作業現場と別の場所で行うものとしてもよい。気泡付着工程を作業現場と別の場所で行うものとすると、例えば工場等で気泡付着セメントミルクX2を生成できるため、気泡付着セメントミルクX2を大量に生成することが可能となる。
(4)本実施形態では、セメントミルクX1を作製後に気泡付着工程が行われるものとしたが、本発明はこれに限定されない。微細気泡を含む水とセメントとを混合して気泡付着セメントミルクX2を作製するものとしてもよい。セメントミルクX1は粘性が高いため、使用できる微細気泡供給装置は限られるが、水は粘性が低いため、使用可能な微細気泡供給装置が多くなる。
(5)本実施形態では、セメントミルクX1に微細気泡を付着させるものとしたが、本発明はこれに限定されない。セメントミルクX1に微細気泡Bを付着させ、さらに界面活性剤を添加するものとしてもよい。
(6)本実施形態では、微細気泡供給装置20を用いて、粒径が50μm以下の微細気泡をセメント粒子に付着させるものとしたが、本発明はこれに限定されない。セメント粒子に付着させる気泡は50μm以上のものとしてもよい。
(7)本実施形態では、混合工程において、撹拌部13が回転されることによって、気泡付着セメントミルクX2と土粒子を混合するものとしたが、本発明はこれに限定されない。混合工程は、例えば、土粒子に対して、回転軸10の径方向外側に向かって気泡付着セメントミルクX2を高圧噴射することで、土に気泡付着セメントミルクX2を吐出すると共に土粒子と気泡付着セメントミルクX2とを混合するものとしてもよい。
1 掘削機
10 回転軸
10a 吐出口
11 回転装置
12 掘削部
12a ベース部
12b 突起部
13 撹拌部
2 セメントミルク供給部
20 微細気泡供給装置
21 セメントミルク貯留タンク
22 ポンプ
X1 セメントミルク
X2 気泡付着セメントミルク
B 微細気泡

Claims (3)

  1. 土粒子とセメント粒子とを撹拌混合することによってソイルセメントを生成すると共に当該ソイルセメントを硬化させることにより補強領域を形成する補強工法であって、
    土粒子とセメント粒子とを混合する混合工程と、
    前記混合工程より前に行われ、セメントミルクの内部にて負に帯電した気泡を発生させることによって前記セメント粒子の表面に気泡を付着させる気泡付着工程と
    を有することを特徴とする補強工法。
  2. 前記気泡付着工程は、前記混合工程が行われる作業現場と同一の現場にて行われることを特徴とする請求項1記載の補強工法。
  3. 前記気泡は、粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の補強工法。
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