JP6803210B2 - 歯科用補綴物 - Google Patents
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Description
[1]基材と樹脂層を含む歯科用補綴物であって、
前記基材がジルコニアを含み、
前記樹脂層が重合性単量体(a)と重合開始剤(b)を含む重合性組成物(A)の重合硬化物であり、
前記基材の一部又は全部が前記樹脂層で被覆されており、
前記樹脂層の厚さが、1μm〜500μmであることを特徴とする歯科用補綴物;
[2]前記基材と重合性組成物(A)との界面が、分子内に酸性基を少なくとも1つ有する接着性単量体(c)を含む接着性組成物(B)で接着された、前記[1]の歯科用補綴物;
[3]前記基材が、ジルコニア及びその安定化剤を含む、前記[1]又は[2]の歯科用補綴物;
[4]前記安定化剤が、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、及び酸化ランタンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[3]の歯科用補綴物;
[5]前記安定化剤がイットリアであり、前記イットリアの含有量が、ジルコニアと安定化剤との合計100モル%において3〜6モル%である、前記[3]の歯科用補綴物;
[6]、前記重合性単量体(a)が、三官能以上の(メタ)アクリレート単量体を含む、前記[1]〜[5]のいずれかの歯科用補綴物;
[7]前記基材の△Lを△L1と表記し、前記歯科用補綴物の△Lを△L2と表記し、△L1から△L2への変動率を以下の式:
[△Lの変動率]=(△L2−△L1)/△L1×100(%)
で表すとき、△Lの変動率は2.5%以上である、ただし、前記基材及び前記歯科用補綴物のL*a*b*表色系(JIS Z 8781−4:2013)における色度(色空間)のL*値について、試料の背景を白色にして測定したL*値を第1のL*値とし、第1のL*値を測定した同一の試料について、試料の背景を黒色にして測定したL*値を第2のL*値とするとき、△Lは、前記第1のL*値から前記第2のL*値を控除した値であり、△Lを測定した前記基材の厚さは1.2mmであり、前記樹脂層は、前記基材のうち、前記背景とは反対側の面に配される、前記[1]〜[6]のいずれかの歯科用補綴物。
イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルアクリレート(2,2−ビス[4−〔3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(2,2−ビス[4−〔3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、通称Bis−GMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラ(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラキス(アクリロイルオキシメチル)−4−オキサヘプタン−1,7−ジオール1−(メタ)アクリラート等が挙げられる。特に、取り扱い性及び安全性の観点から、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
[△Lの変動率]=(△L2−△L1)/△L1×100(%)
本発明の歯科用補綴物に相当する試料を作製して、△Lの変動率を測定した。まず、安定化剤としてイットリアを6モル%含有するジルコニア粉末を直径約18mmの円柱状金型に、焼結後の基材の厚みが1.2mmとなるようにジルコニア粉末を入れた。次に、ジルコニア粉末を30kNで成形した後、170MPaでCIP(Cold Isostatic PRESSING;冷間静水等方圧プレス)処理を1分間施して成形物を作製した。
基材表面を機械的に研磨し、表面を滑沢にすることにより得られる透光性向上効果との区別を行うため、基材は参考例1と同じ厚さ1.2mmとし、参考例1のつや消し状態の基材を、さらに最終仕上げとして基材の両面を2000番のサンドペーパーで研磨処理し、上述の方法にて第1のL*値(白色背景)、及び第2のL*値(黒色背景)を測定し、第1のL*値と第2のL*値の差である△L2を算出し、△L1に対する△L2での変動率を上述の式に基づき算出した。測定結果を下記表1に示す。
接着性プライマー組成物(B)として以下の組成物を作製した。即ち、酸性基を含む重合性単量体(c)として、10−メタクリロキシデシルジハイドロジェンホスフェート(通称、MDP)を0.3重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン(通称、3−MPS)を1重量部、エタノールを100重量部を均一に混合溶解した。
歯科用補綴物における基材中の安定化剤の含有率による△Lの変動率への影響について試験した。安定化剤の含有率の異なる歯科用補綴物の試料を作製し、各試料の色度を測定して変動率を算出した。安定化剤の含有率以外の歯科用補綴物の作製方法及び色度の測定方法は上記実施例と同じである。基材の安定化剤として、イットリアを使用した。樹脂層の厚さは30μmとした。表3に、測定結果を示す。
基材としてアルミナ(特許文献4にあるビタ社製 商品名:インセラム)を使用したこと以外は実施例2及び3と同様にして試料を作製した。得られた透光性の変動率及び光沢について評価した結果を下記の表4に示す。
実施例1〜6においては基材の片面に樹脂層を有する歯科用補綴物を作製したが、実施例9においては基材の両面に樹脂層を有する歯科用補綴物を作製して、△Lの変動率への影響について試験した。樹脂層の厚さは片面につき15μmとした。基材中のイットリア含有率は6モル%とした。それ以外は、実施例1〜6と同様である。表5に、測定結果を示す。
2 樹脂層
10 歯科用補綴物
20 歯科用補綴物
21 測定装置
22 下敷き
Claims (5)
- 基材と樹脂層を含む歯科用補綴物であって、
前記基材がジルコニアを含み、
前記樹脂層が重合性単量体(a)と重合開始剤(b)を含む重合性組成物(A)の重合硬化物であり、
前記重合性単量体(a)が、三官能以上の(メタ)アクリレート単量体(a−3)を含み、
前記重合開始剤(b)が、光重合開始剤(b−1)を含み、
前記基材が、ジルコニア及び酸化イットリウムを含み、
前記基材の一部又は全部が前記樹脂層で被覆されており、
前記樹脂層の厚さが、7μm〜50μmであることを特徴とする歯科用補綴物。 - 前記基材と重合性組成物(A)との界面が、分子内に酸性基を少なくとも1つ有する接着性単量体(c)を含む接着性組成物(B)で接着された、請求項1に記載の歯科用補綴物。
- 前記酸化イットリウムの含有量が、ジルコニアと酸化イットリウムとの合計100モル%において3〜6モル%である、請求項1又は2に記載の歯科用補綴物。
- 前記三官能以上の(メタ)アクリレート単量体(a−3)が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラ(メタ)アクリレート、及び2,2,6,6−テトラキス(アクリロイルオキシメチル)−4−オキサヘプタン−1,7−ジオール1−(メタ)アクリラートからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
- 前記基材の△Lを△L1と表記し、前記歯科用補綴物の△Lを△L2と表記し、△L1から△L2への変動率を以下の式:
[△Lの変動率]=(△L2−△L1)/△L1×100(%)
で表すとき、△Lの変動率は2.5%以上である、ただし、前記基材及び前記歯科用補綴物のL*a*b*表色系(JIS Z 8781−4:2013)における色度(色空間)のL*値について、試料の背景を白色にして測定したL*値を第1のL*値とし、第1のL*値を測定した同一の試料について、試料の背景を黒色にして測定したL*値を第2のL*値とするとき、△Lは、前記第1のL*値から前記第2のL*値を控除した値であり、△Lを測定した前記基材の厚さは1.2mmであり、前記樹脂層は、前記基材のうち、前記背景とは反対側の面に配される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
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