[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る点灯装置は、光源の光量を調整する度合いを示す調光信号を外部から時系列的に取得し、取得した調光信号に基づく電流を前記光源に供給して点灯させる点灯装置において、前記調光信号は、PWM信号であり、取得した調光信号のデューティが第1閾値より大きく、且つ該第1閾値より大きい第2閾値より小さい場合、前記デューティの大小に応じて、前記光源に供給する電流を小大(又は大小)に調整する調光部と、該調光部が調整を開始する前に取得した調光信号のデューティが前記第2閾値より小さい(又は前記第1閾値より大きい)場合、取得した調光信号のデューティを記憶する記憶部と、該記憶部に記憶されたデューティに応じて前記調光部が調整すべき目標の電流に向けて、前記光源に供給する電流を漸増させる漸増部と、該漸増部が電流を漸増させている間に新たに取得した調光信号のデューティが前記記憶部に記憶されたデューティと所定の値以上異なる場合、前記漸増部の動作を禁止する禁止部と、該禁止部が動作を禁止した場合、前記新たに取得した調光信号のデューティに応じて前記調光部が調整すべき新たな目標の電流に向けて、前記光源に供給する電流を漸近させる漸近部とを備えることを特徴とする。
本態様にあっては、PWM信号である調光信号を外部から取得し、取得した調光信号に基づく電流を光源に供給して点灯させる。外部からの調光信号のデューティが第1閾値から第2閾値までの範囲内にある場合、調光信号のデューティの大小の変化(即ち増加及び減少)に応じて、光源に供給する電流を小大に調整する(即ち減少及び増加させる)第1構成、又は光源に供給する電流を大小に調整する(即ち増加及び減少させる)第2構成を採用する。第1構成では調光を開始する前に取得した調光信号のデューティが第2閾値より小さいか否かを判定し、第2構成では調光を開始する前に取得した調光信号のデューティが第1閾値より大きいか否かを判定する。判定が成立した場合、判定したデューティを記憶しておき、当該デューティに応じた目標の電流に向けて光源に供給する電流を漸増させる。電流を漸増させている間に新たに取得した調光信号のデューティが、記憶されたデューティと所定の値以上異なる場合、光源に供給する電流の漸増を中止し、新たに取得した調光信号のデューティに応じた新たな目標の電流に向けて、光源に供給する電流を漸近させる。
(2)前記調光部が電流を調整する都度、取得した調光信号のデューティが前記第2閾値より大きい(又は前記第1閾値より小さい)第3閾値以上(又は以下)である場合、前記調光部の動作を禁止して前記光源に供給する電流を漸減させる漸減部と、該漸減部が電流を漸減させている間に更に新たに取得した調光信号のデューティが前記第2閾値より小さい(又は前記第1閾値より大きい)場合、前記漸減部の動作を禁止する第2の禁止部とを備え、前記漸近部は、前記第2の禁止部が動作を禁止した場合、前記更に新たに取得した調光信号のデューティに応じて前記調光部が調整すべき新たな目標の電流に向けて、前記光源に供給する電流を漸近させるようにしてあることが好ましい。
本態様にあっては、外部から取得した調光信号のデューティに応じて光源に供給する電流を調整する都度、第1構成では取得した調光信号のデューティが第2閾値より大きい第3閾値以上であるか否かを判定し、第2構成では取得した調光信号のデューティが第1閾値より小さい第3閾値以下であるか否かを判定する。判定が成立した場合、判定したデューティに応じた目標の電流に向けて光源に供給する電流を漸減させる。電流を漸減させている間に更に新たに取得した調光信号のデューティが、第1構成における第2閾値より小さい場合、又は第2構成における第1閾値より大きい場合、光源に供給する電流の漸減を中止し、電流を漸減させている間に新たに取得した調光信号のデューティに応じた新たな目標の電流に向けて、光源に供給する電流を漸近させる。
(3)前記漸近部は、前記光源に供給する電流の時間変化率の絶対値を漸次減少させるようにしてあることが好ましい。
本態様にあっては、新たな目標の電流に向けて漸近するように光源に供給する電流について、単位時間当たりの変化量の絶対値、即ち電流変化の傾きの絶対値が漸次小さくなるようにする。
(4)前記漸近部は、前記光源に供給する電流を所定時間毎に変化させるようにしてあり、前記新たな目標の電流と前記光源に供給する電流との差分の大小に応じて、前記所定時間毎に変化させる電流の変化量を大小に調整するようにしてあることが好ましい。
本態様にあっては、光源に供給する電流を所定時間毎に変化させて新たな目標の電流に向けて漸近させる際に、新たな目標の電流と光源に供給している電流との差分が大きいほど、所定時間毎の電流の変化量を大きくする。
(5)調光信号のデューティと、該デューティに応じて前記調光部が調整する電流の大きさとを対応付けて記憶するテーブルを更に備え、前記漸近部は、前記新たに取得した調光信号のデューティに対応付けて前記テーブルに記憶されている電流の大きさを、前記新たな目標の電流とすることが好ましい。
本態様にあっては、調光信号のデューティに対応付けて、光源に供給する電流の大きさをテーブルに記憶してあり、新たに取得した調光信号のデューティに基づいてテーブルを参照することにより、新たな目標の電流を決定する。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る点灯装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る点灯装置を含む点灯システムの構成例を示すブロック図である。図中1は点灯装置であり、点灯装置1は、調光器3から調光信号を時系列的に取得し、取得した調光信号に基づく電流を光源4に供給して点灯させる。調光器3は、使用者が不図示のつまみを回転させることにより、回転角に応じて、光源4の光量を調整する度合いを示す調光信号を点灯装置1に出力する。光源4は、例えばLEDを含み、供給される電流の増減に応じて光量が増減する。
点灯装置1は、調光器3からの調光信号をフォトカプラ11を介して取得し、取得した調光信号のデューティ比(以下、単にデューティという)を検出して後段にPWM信号を出力するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)10を備える。なお、フォトカプラ11は、PWM信号を伝達するための他の回路素子又は他の回路であってもよい(以下同様)。
マイコン10は、CPU(Central Processing Unit )100を含んで構成されている。CPU100は、制御プログラム等の情報を記憶するROM(Read Only Memory )110、一時的に発生した情報を記憶するRAM(Random Access Memory )120、調光信号を取得してPWM信号を出力するための入出力インタフェース(I/O)130、及び経過時間等を計時するタイマ140と互いにバス接続されている。ROM110には、後述する調光テーブル111(テーブルに相当)及びFIFOテーブル112が記憶されている。RAM120には、後述する記憶部121としての記憶領域が確保されている。
点灯装置1は、また、マイコン10が出力したPWM信号を積分する積分回路12と、該積分回路12の出力電圧が入力される演算増幅器(以下、オペアンプという)13とを備える。オペアンプ13は、積分回路12の出力電圧と、後述する抵抗器17の検出電圧との差分を増幅する。なお、マイコン10と積分回路12との間に他のフォトカプラを介在させて絶縁するようにしてもよい。
点灯装置1は、更に、オペアンプ13が増幅した誤差電圧をフォトカプラ14を介して入力するコンバータ用の制御IC15と、該制御IC15によって電圧の変換が制御されるDC/DCコンバータ16と、交流電源5の交流電圧を直流電圧に変換してDC/DCコンバータ16に印加するPFC(Power Factor Controller )回路20とを備える。
DC/DCコンバータ16は、PFC回路20から印加された直流電圧を降圧し、降圧した直流電圧を抵抗器17を介して光源4に印加することにより、光源4に直流電流を供給する。光源4に供給される電流は抵抗器17にて検出され、これによる検出電圧がオペアンプ13に入力されるようになっている。なお、抵抗器17とDC/DCコンバータ16との接続点が、例えば接地電位である基準電位に接続されている。
上述の構成により、抵抗器17に流れる電流が、積分回路12の出力電圧に比例するように制御される。積分回路12の出力電圧は、マイコン10が出力するPWM信号のデューティに比例するから、光源4に供給される電流は、マイコン10が積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティに比例するように制御される。
次に、マイコン10が入出力するPWM信号について説明する。図2は、調光器3からの調光信号及び積分回路12に対する信号の一例を示すタイミングチャートである。図の上段に調光信号を示し、下段に積分回路12に対する信号を示す。図2では、横軸が時間(t)を表し、縦軸が信号のオン/オフ状態を表す。調光信号は、周期がT1(例えば1ms)のPWM信号である。積分回路12に対する信号は、周期がT2のPWM信号である。図2に示す例では、調光信号のデューティが0.3である。
調光信号は、光源4の光量を調整する度合いをデューティによって示す信号である。調光器3は、調光信号のデューティの仕様として5%から90%までをカバーするものが多いため、本実施形態では、5%(第1閾値に相当)から90%(第2閾値に相当)までの変化範囲内で調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を小大に調整する。即ち、調光信号のデューティの増加及び減少(以下増/減ともいう)に応じて、光源4に供給する電流を減少及び増加(以下、減/増ともいう)させる。具体的には、調光信号のデューティをD1とし、光源4に供給する電流の最大値(定数)をImaxとし、光源4に供給する電流(変数)をItgtとした場合、Itgtは、以下の式(1)によって表される。
Itgt=Imax(1−D1’)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
但し、
D1’=(D1−0.05)×0.95/0.85・・・・・・・・・・・・・・(2)
(0.05≦D1≦0.9)
式(1)で用いるD1’を式(2)によってD1から変換して求めているのは、調光信号のデューティD1に係る5%から90%までの変化範囲を、D1’に係る0%から95%までの変化範囲に均等にマッピングするためである。上述したように、光源4に供給される電流は、マイコン10が積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティに比例する。ここで、マイコン10が出力するPWM信号のデューティが1及び0夫々の場合に、光源4に供給される電流がImax及び0となるようにすることができる。この場合、光源4に式(1)で表される電流を供給するには、マイコン10が検出した調光信号のデューティD1を式(2)に代入してD1’を算出し、然る後にデューティが(1−D1’)であるPWM信号を積分回路12に対して出力すればよい。
具体的には、マイコン10が、図2の上段に示すデューティが0.3の調光信号を取得した場合、光源4に式(1)で表される電流を供給するには、積分回路12に対して、図2の下段に示すデューティが0.72のPWM信号を出力すればよい。出力されるPWM信号の周期は任意の長さでよいが、本実施形態では周期をT2とする。このように、マイコン10は、調光信号のデューティD1を検出して式(2)に適用し、算出されたD1’を式(1)に適用することにより、積分回路12に対して出力すべきPWM信号のデューティを、Imaxの係数として算出することができる。
以上の例では、調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を小大に調整したが、これとは逆に、調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を大小に調整してもよい。この場合のItgt及びD1’夫々は、以下の式(3)及び(4)によって表される。式(3)で用いるD1’を式(4)によってD1から変換して求めているのは、調光信号のデューティD1に係る5%から90%までの変化範囲を、D1’に係る5%から100%までの変化範囲に均等にマッピングするためである。
Itgt=Imax×D1’・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
但し、
D1’=(D1−0.05)×0.95/0.85+0.05・・・・・・・・・(4)
(0.05≦D1≦0.9)
なお、光源4に供給する電流は、式(1),(2)又は式(3),(4)で示されるように、調光信号のデューティD1に対して直線的に変化するものに限定されず、デューティD1に対して曲線的に滑らかに変化するものであってもよい。
図3は、調光信号のデューティとImaxに対するItgtの割合との関係を示すグラフである。図の横軸は調光信号のデューティ(%)を表し、縦軸はItgt/Imax(%)を表す。図中の実線は、調光信号のデューティの大小に応じて光源4に供給する電流を小大に調整する場合の特性を示すものであり、破線は、調光信号のデューティの大小に応じて光源4に供給する電流を大小に調整する場合の特性を示すものである。
図3の実線で示される特性の場合、式(1)よりItgt/Imaxは1−D1’であり、D1’は式(2)で表されるから、調光信号のデューティD1が5%から90%までの範囲内にあるときは、Itgt/Imaxは傾きが−0.95/0.85の直線上の点として表される。調光信号のデューティD1が5%より小さいときのD1’の値は、デューティが5%のときに式(2)によって算出される値と同じく0に固定する。この場合、式(1)よりItgt=Imaxとなる。また、調光信号のデューティD1が90%と97%との間にあるときのD1’の値は、デューティが90%のときに式(2)によって算出される値と同じく0.95に固定する。このときは、式(1)よりItgt=0.05Imaxとなる。
例えば、マイコン10が最初に取り込んだ調光信号のデューティが5%から90%までの範囲内にある場合、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを、式(1)の右辺におけるImaxの係数として算出できる。このデューティが目標の電流の大きさに対応する。これにより、光源4に供給される電流はImaxから0.05Imaxまでの範囲内の目標の電流に設定される。本実施形態では、光源4に供給する電流を、算出された目標の電流に向けて一定の時間内(例えば3秒間)に一定の増加率で漸増させる。以下、このような制御をフェードイン(FI:Fade-In )という。
その後、調光信号のデューティが0%から5%までの範囲内で増/減する間、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを100%に調整する。これにより、光源4に供給される電流はImaxに調整される。また、調光信号のデューティが90%から97%までの範囲内で増/減する間、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%に調整する。これにより、光源4に供給される電流は0.05Imaxに調整される。なお、ここでの97%は、90%(第2閾値)より大きく100%より小さいデューティであればよい。
更にその後、調光信号のデューティが97%(第3閾値に相当)より大きくなったときに、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%から0%に向けて漸減させる(図中の矢印付き実線参照)。これにより、光源4が突然消灯することがないように制御される。なお、図3では、便宜上、調光信号のデューティが97%より大きくなるにつれて実線が右下がりに低下するように描いてあるが、実際にはマイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%から0%に向けて一定の時間内(例えば3秒間)に一定の減少率で漸減させる。以下、このような制御をフェードアウト(FO:Fade-Out )という。
一方、図3の破線で示される特性の場合、式(3)よりItgt/ImaxはD1’であり、D1’は式(4)で表されるから、調光信号のデューティD1が5%から90%までの範囲内にあるときは、Itgt/Imaxは図3に示される傾きが0.95/0.85の直線上の点として表される。調光信号のデューティD1が3%から5%までの範囲内にあるときのD1’の値は、デューティが5%のときに式(2)によって算出される値と同じく0.05に固定する。このときは、Itgt=0.05Imaxとなる。また、調光信号のデューティD1が90%と100%との間にあるときのD1’の値は、デューティが90%のときに式(4)によって算出される値と同じく1に固定する。この場合、式(3)よりItgt=Imaxとなる。
例えば、マイコン10が最初に取り込んだ調光信号のデューティが5%から90%までの範囲内にある場合、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを、式(3)の右辺におけるImaxの係数として算出する。このデューティが目標の電流の大きさに対応する。これにより、光源4に供給される電流は0.05ImaxからImaxまでの範囲内の目標の電流に設定される。この場合についても、光源4に供給する電流を、算出された目標の電流に向けて一定の時間内に一定の増加率で漸増(フェードイン)させる。
その後、調光信号のデューティが3%から5%までの範囲内で増/減する間、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%に調整する。これにより、光源4に供給される電流は0.05Imaxに調整される。また、調光信号のデューティが90%から100%までの範囲内で増/減する間、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを100%に調整する。これにより、光源4に供給される電流はImaxに調整される。なお、ここでの3%は、0%より大きく5%(第1閾値)より小さいデューティであればよい。
更にその後、調光信号のデューティが3%より小さくなったときに、マイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%から0%に向けて漸減させる(図中の矢印付き破線参照)。これにより、光源4が突然消灯することがないように制御される。なお、図3では、便宜上、調光信号のデューティが3%より小さくなるにつれて破線が左下がりに低下するように描いてあるが、実際にはマイコン10は、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを5%から0%に向けて一定の時間内に一定の減少率で漸減(フェードアウト)させる。
上述の例では、積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを、式(1)又は(3)の右辺におけるImaxの係数として算出したが、調光信号のデューティD1に応じて積分回路12に対して出力するPWM信号のデューティを予め算出してテーブルに記憶しておいてもよい。以下では、調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を小大に調整する場合を例にして説明する。また、積分回路12に対して出力すべきPWM信号のデューティを、調整すべきデューティ又は目標のデューティとし、これらのデューティが、調整によって到達すべき電流の大きさ又は目標の電流の大きさと同等であるものとして説明する。
図4は、調光信号のデューティを変換するための調光テーブル111の構成例を示す説明図である。調光テーブル111には、1%から100%までの100通りの調光信号のデューティに対応する100個のデータが記憶されている。これらのデータは、調光信号のデューティD1を式(2)に代入して得たD1’を式(1)に代入し、算出された1−D1’の値を%値で表してD1の%値の順に並べたものである。これは即ち、図3の実線上の点について、横軸の値の%値を縦軸の値の%値に変換するものである。但し97%を超える場合については、フェードアウトを行うのでテーブルには記憶されていない。例えば、検出されたデューティD1が0.16(16%)である場合、調光テーブル111の先頭から16番目のデータである88を読み出すことにより、調整によって到達すべき電流の大きさ、又は目標の電流の大きさが88%と決定される。
次にフェードイン及びフェードアウトについて説明する。図5は、フェードイン中及びフェードアウト中に光源4に供給される電流の時間変化を示すグラフである。図の横軸は時間(t)を表し、縦軸は光源4に供給される電流を表す。実線及び破線はフェードインの場合の電流の変化を示すものであり、一点鎖線はフェードアウトの場合の電流の変化を示すものである。フェードイン及びフェードアウトは、何れも時刻t0に開始されるものとする。
実線で示すように目標の電流I1にフェードインする場合、光源4に供給される電流は、時刻t0からt1までの間に0からI1まで直線的に漸増する。また、破線で示すように目標の電流I2にフェードインする場合、光源4に供給される電流は、やはり時刻t0からt1までの間に0からI2まで直線的に漸増する。一方、一点鎖線で示すように光源4に電流I3が供給されている状態からフェードアウトする場合、光源4に供給される電流は、時刻t0からt1までの間に、I3から0まで直線的に漸減する。但し、フェードイン及びフェードアウト夫々の場合における電流の増加及び減少は、直線的なものに限定されない。
実際に目標の電流に向けてフェードインを行う場合、又は電流0に向けてフェードアウトを行う場合、光源4に供給する電流を段階的に複数回に渡って増加又は減少させる。以下、フェードイン及びフェードアウト夫々に要する時間をFI時間及びFO時間という。本実施形態では、FI時間及びFO時間が、1秒以上の秒単位の時間に予め設定されており、FI時間又はFO時間を100等分した時間(以下、1ステップの時間という)毎に、光源4に供給する電流をステップ状に増加又は減少させる。
FI時間又はFO時間の間に行う電流の増減は最大100回実行することとなるため、毎回の計算量を低減するために、テーブルを利用することができる。図6は、増減させる電流の割合を記憶したFIFOテーブル112の構成例を示す説明図である。FIFOテーブル112には、0.01(1%)から1.00(100%)までの割合を示す100個の値が昇順に記憶されている。FIFOテーブル112から1ステップの時間毎に順次読み出した値と、最終的に増減させる目標の電流の大きさとを乗算することにより、各ステップにおける電流の大きさが算出される。このようなテーブルを用いることにより、光源4に供給する電流を時間に対して下に凸の曲線で描かれるように滑らかに減少させたり、上に凸の曲線で描かれるように滑らかに増加させたりすることも容易に行える。
例えばフェードインを行う場合、目標の電流の大きさと、FIFOテーブル112のj番目(jは100以下の自然数)の記憶内容とを乗算することにより、jステップ目の電流の大きさが算出される。また、フェードアウトを行う場合、フェードアウトを行う直前の電流の大きさと、FIFOテーブル112の(100−j)番目の記憶内容とを乗算することにより、jステップ目の電流の大きさが算出される。
ところで、フェードインを行っている間に調光信号のデューティが一定の値以上変化した場合、及びフェードアウトを行っている間に調光信号のデューティが90%以下となった場合、フェードイン及びフェードアウトを中断して、新たな調光信号のデューティに応じた調光を行うことが好ましい。図7は、フェードインを中断した場合に光源4に供給される電流の時間変化を示すグラフである。図の横軸は時間(t)を表し、縦軸は光源4に供給される電流を表す。
実線及び該実線を延伸した破線で示される直線は、フェードインが目標の電流I1に向けて時刻t0に開始され、時刻t1に終了する場合の電流の変化を示すものである。時刻t3で電流がI4の時にフェードインが中断された場合、光源4に供給される電流は、実線及び一点鎖線夫々で示されるように、時刻t3からt5及びt6までの間に、新たな目標の電流I5及びI6に向けて、電流の時間変化率の絶対値が漸次減少するように漸近する。この場合、電流I4及びI6の差分よりも、電流I4及びI5の差分の方が大きいため、時刻t5は時刻t6よりも後になる。
フェードアウトを中断し、光源4に供給する電流を新たな目標の電流に向けて漸近させる場合についても同様であるため、ここでの図示を省略する。フェードイン及びフェードアウトが中断された後の電流変化については、例えば冪関数f(t)=atb (a及びcは実数)に基づいて表される曲線に沿って変化するものであってもよい。
図8は、フェードイン/フェードアウト中断後に光源4に供給される電流の変化曲線の一例を示すグラフである。図の横軸は時間(t)を表し、単位はmsである。また、縦軸は電流の大きさを表し、単位は(%)である。図中の実線は、特定の手順に従って電流の大きさを決定した場合の変化特性を示すものである。また、破線は、以下の冪関数を用いた式(5)で表される電流の大きさの変化特性を示すものである。何れも電流の大きさが10%の時にフェードインが中断され、電流の大きさが目標の大きさ100%に向けて漸近する場合の変化特性を示している。
g(t)=−0.37{(90−t)/10}2.5 +100・・・・・・・・・・(5)
上記特定の手順とは、現在の電流の大きさと目標の電流の大きさとの差分に応じて、現在の電流の大きさに加算すべき電流の大きさ(%)を決定するものである。ここでは、差分が35以上のときは20を加算し、15以上35未満のときは10を加算し、6以上15未満のときは5を加算し、3以上6未満のときは3を加算し、3未満のときは1を加算する。目標の電流の大きさが、フェードイン/フェードアウト中断時の電流の大きさよりも小さい場合は、上記の手順で加算を減算に置き換えればよい。このようにして決定した電流の大きさと、上記式(5)によって算出した電流の大きさとは精度よく一致する。
図8に示すグラフの下方には、実線及び破線夫々で示される場合について、各時間の経過後における電流の大きさを対比して示してある。フェードインの中断後の経過時間が0、10、20、30、40、50、60、70、80、及び90(ms)である時の実線で示される電流の大きさが10、30、50、70、80、90、95、98、99、100(%)であるのに対し、破線で示される電流の大きさは10.1、33.0、52.0、67.4、79.3、88.2、94.2、97.9、99.6、及び100(%)である。
実際にフェードイン及びフェードアウトの中断後の電流の大きさを決定又は算出するには、上記の手順に従って決定してもよいし、式(5)を適当に変形して算出してもよい。また、図8に示されるような代表的な変化特性を予めテーブルに記憶しておき、上記差分に応じてテーブルの適当な部分を参照することにより、代表的な変化特性の一部が再現されるように算出してもよい。例えば、現在の電流の大きさと目標の電流の大きさとの差分が30%である場合、図8の縦軸上の100%から30%を減算した70%に対応する横軸上の30msの点を起点にして、それより右側の変化特性に対応するテーブルの部分を参照すればよい。
以下では、上述したマイコン10の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図9は、CPU100による初期化処理の手順を示すフローチャートである。図10は、フェードイン、調光、及びフェードアウトを実行するCPU100の処理手順を示すフローチャートである。図11は、フェードイン及びフェードアウト中のCPU100による定周期処理の手順を示すフローチャートである。図12は、フェードイン及びフェードアウトの中断後のCPU100の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示す処理は、電源投入等によるリセット時に起動される。図10に示す処理は、最初に図9に示す初期化処理の終了後に起動され、2回目以降はステップS27から始まる処理として適時に起動される。図11に示す処理は、フェードイン及びフェードアウト中にタイマ140で計時される10ms毎に起動される。但し起動周期は10msに限定されない。図12に示す処理は、図11に示す処理の途中で起動される。図中の「FIFO時間」は、予めRAM120又はROM110に設定されている。「i」、「j」、「FIFOフラグ」、「現在の電流の大きさ」、「増減させる電流の大きさ」及び「現在の電流の大きさ」はRAM120に記憶される。特に「調光デューティ」は記憶部121に記憶される。
図9の処理が起動された場合、CPU100は、RAM120又はROM110からFIFO時間を読み出し(S11)、FIFO時間を100で除算することにより、フェードイン及びフェードアウト(FIFO)の1ステップの時間を算出する(S12)。ここでの除数は100に限定されない。次いで、CPU100は、FIFOの1ステップの時間を10msで除算することにより、1ステップ当たりの処理回数Nを算出する(S13)。例えばFI時間及びFO時間が3秒の場合、Nは3となる。その後、CPU100は、iをNに初期化し(S14)、jを1に初期化して(S15)図9の処理を終了する。
続いて図10の処理が起動された場合、CPU100は、調光器3から調光信号を取り込んで調光信号のデューティ、即ち調光デューティを検出し(S21)、検出した調光デューティが90%以下であるか否かを判定する(S22)。90%以下ではない場合(S22:NO)、90%以下になるまで待機する。調光デューティが90%以下である場合(S22:YES)、CPU100は、検出した調光デューティを記憶部121に記憶する(S23)。
その後、CPU100は、検出して記憶した調光デューティに基づいて調光テーブル111を参照し、目標の電流の大きさを読み出すことによって、増減させる電流の大きさを決定する(S24)。次いで、CPU100は、FIFOフラグを1に設定して(S25)フェードイン中であることを記憶しておく。この場合、図11に示す処理の周期起動を開始する。その後、CPU100は、FIFOフラグが0であるか否かを判定する(S26)。これにより、図11又は図12に示す処理にてフェードイン及びフェードインの中断処理が終了してFIFOフラグが0にクリアされたか否かが判定される。FIFOフラグが0ではない場合(S26:NO)、CPU100は、FIFOフラグが0になるまで待機する。
FIFOフラグが0である場合(S26:YES)、即ちフェードイン及びフェードインの中断処理が終了した場合、CPU100は、調光器3から調光信号を取り込んでデューティを検出し(S27)、検出した調光デューティについて、記憶部121に記憶した調光デューティに対する変更が有るか否かを判定し(S28)、変更が無い場合(S28:NO)、ステップS27に処理を移す。
ステップS28における変更の有無の判定では、例えばデューティの差分が1%以上であるか否かを判定して、一定の範囲内の差分を変更と扱わないようにすることが好ましい。また、記憶部121に記憶したデューティが97%以上である間は、検出した調光デューティが97%未満になるまで変更無しと判定することが好ましい。これにより、フェードアウト終了後に図10のS27から始まる処理が起動されたときに、再びフェードアウトが始まることが防止される。
調光デューティに変更が有る場合(S28:YES)、CPU100は、検出した調光デューティを記憶部121に記憶し(S29)、当該調光デューティが97%以上であるか否かを判定する(S30)。97%以上ではない場合(S30:NO)、CPU100は、検出した調光デューティに基づいて調光テーブル111を参照することにより、調整すべき電流の大きさを決定する(S31)。次いで、CPU100は、決定した電流の大きさを現在の電流の大きさとして記憶し(S32)、当該電流の大きさに応じて、積分回路12に対するデューティを設定して(S33:調光部に相当)、ステップS27に処理を移す。
ステップS30で調光デューティが97%以上である場合(S30:YES)、即ちフェードアウトすべき状態になった場合、CPU100は、先に記憶した現在の電流の大きさを、増減させる電流の大きさとして記憶する(S34)。次いで、CPU100は、FIFOフラグを2に設定して(S35)フェードアウト中であることを記憶しておく。この場合、図11に示す処理の周期起動を開始する。その後、CPU100は、FIFOフラグが0であるか否かを判定する(S36)。これにより、図11又は図12に示す処理にてフェードアウト及びフェードアウトの中断処理が終了してFIFOフラグが0にクリアされたか否かが判定される。
FIFOフラグが0ではない場合(S36:NO)、CPU100は、FIFOフラグが0になるまで待機する。FIFOフラグが0である場合(S36:YES)、即ちフェードアウト及びフェードアウトの中断処理が終了した場合、CPU100は、図10の処理を終了する。この後、上述したように、ステップS27から始まる処理が起動された場合、CPU100は、調光器3からの調光信号のデューティを検出して光源4を調光する処理を再開する。
10ms毎に起動される図11の処理では、CPU100は、FIFOフラグが0でないか否かを判定し(S41)、0である場合(S41:NO)特段の処理を実行せずに図11の処理を終了する。即ち、FIFOフラグが0の場合は、フェードイン及びフェードアウトの動作が禁止される。FIFOフラグが0でない場合(S41:YES)、即ちフェードイン又はフェードアウト中である場合、CPU100は、iを1だけデクリメントする(S42)。次いで、CPU100は、iが0であるか否かを判定し(S43)、0ではない場合(S43:NO)、それ以上の処理を行わずに図11の処理を終了する。
iが0である場合(S43:YES)、即ちN回目の処理である場合、CPU100は、iをNに初期化した(S44)後、FIFOフラグが1であるか否かを判定する(S45)。FIFOフラグが1である場合(S45:YES)、即ちフェードイン中である場合、CPU100は、FIFOテーブル112内のj番目の記憶内容である割合を読み出す(S46)。一方、FIFOフラグが1ではない場合(S45:NO)、即ちフェードアウト中である場合、CPU100は、FIFOテーブル112内の(100−j)番目の記憶内容である割合を読み出す(S47)。
ステップS46又はS47の処理を終えた場合、CPU100は、RAM120に記憶してある増減させる電流の大きさと、読み出した割合とを乗算し、乗算結果をjステップ目の電流の大きさとする(S48)。次いで、CPU100は、算出したjステップ目の電流の大きさを現在の電流の大きさとして記憶し(S49)、当該電流の大きさに応じて、積分回路12に対するデューティを設定する(S50:漸増部及び漸減部に相当)。なお、算出した電流の大きさと、更新前の現在の電流の大きさとが1%単位で同じ場合は、ステップS50の処理をスキップしてもよい。
その後、CPU100は、調光器3から調光信号を取り込んでデューティを検出し(S51)、FIFOフラグが1であるか否かを判定して(S52)場合分けする。FIFOフラグが1であるフェードイン中の場合(S52:YES)、CPU100は、検出した調光デューティから、記憶部121に記憶したデューティを減算した値の絶対値を、調光デューティの変化分として算出する(S53)。次いで、CPU100は、算出した変化分が、例えば1%(所定の値に相当)以上であるか否かを判定し(S54)、1%以上である場合(S54:YES)、フェードインを中断するために、後述するステップS61に処理を移す。なお、ステップS54で変化分の判定に用いるパーセンテージは1%に限定されない。
算出した変化分が1%以上ではない場合(S54:NO)、CPU100は、jを1だけインクリメントし(S56)、jが101であるか否かを判定する(S56)。jが101ではない場合(S56:NO)、CPU100は、図11の処理を一旦終了する。jが101である場合(S56:YES)、即ちフェードイン又はフェードアウトを終了すべき場合、CPU100は、FIFOフラグを0にクリアする(S57:禁止部及び第2の禁止部に相当)。この場合、図11に示す処理の周期起動を停止してもよい。その後、CPU100は、jをNに初期化し(S58)、jを1に初期化して(S59)図11の処理を終了する。
一方、ステップS52で、FIFOフラグが1ではないフェードアウト中の場合(S52:NO)、CPU100は、検出した調光デューティが90%以下であるか否かを判定する(S60)。調光デューティが90%以下ではない場合(S60:NO)、フェードアウトを継続してフェードインと共通の処理を実行するためにステップS55に処理を移す。これに対し、調光デューティが90%以下である場合(S60:NO)、CPU100は、検出した調光デューティを記憶部121に記憶し(S61)、フェードアウトを中断するために図12に示すFIFO中断処理を起動して(S62)、ステップS57に処理を移す。
なお、上述した図11の処理では、N×10ms毎に調光信号のデューティを検出したが、10ms毎に調光信号のデューティを検出するようにしてもよい。
ステップS62で図12に示す処理が起動された場合、CPU100は、記憶部121に記憶した調光デューティに基づき、調光テーブル111を参照して新たな目標の電流の大きさを決定する(S71)。次いで、CPU100は、決定した新たな目標の電流の大きさから、RAM120に記憶した現在の電流の大きさを減算して電流の大きさの差分を符号付きで算出し(S72)、算出した差分が0であるか否かを判定する(S73)。差分が0である場合(S73:YES)、CPU100は、図12の処理を終了する。
ステップS73で差分が0ではない場合(D73:NO)、CPU100は、差分の大きさに応じて加算/減算する電流の大きさを決定し(S74)、決定した電流の大きさを、RAM120に記憶した現在の電流の大きさに加算/減算することによって、現在の電流の大きさを更新すべく記憶する(S75)。この場合、差分がプラスのときは、決定した電流の大きさを加算し、差分がマイナスのときは、決定した電流の大きさを減算する。ここでの加算/減算は、図8を用いて説明した方法による。次いで、CPU100は、更新した電流の大きさに応じて、積分回路12に対するデューティを設定し(S76:漸近部に相当)、10ms(所定時間に相当)だけ待機した(S77)後に、ステップS72に処理を移す。なお、ステップS77で待機する時間は10msに限定されない。
上述の各フローチャートは、調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を小大に調整する場合について記載したものであるが、調光信号のデューティの大小に応じて、光源4に供給する電流を大小に調整する場合は、一部の処理を書き換えればよい。具体的に、図10ステップS22では調光デューティが5%以上であるか否かを判定し、ステップS30では調光デューティが3%以下であるか否かを判定する。また図11のステップS60では調光デューティが5%以上であるか否かを判定すればよい。
上述の各フローチャートにおけるステップS22、S30、S54、S60等の判断分岐では、等号付き不等号である「≧」(大なりイコール)及び「≦」(小なりイコール)を用いたが、単なる不等号である「>」(大なり)及び「<」(小なり)を用いてもよい。
以上のように本実施形態によれば、PWM信号である調光信号を調光器3から取得し、取得した調光信号に基づく電流を光源4に供給して点灯させる。調光器3からの調光信号のデューティが5%から90%までの範囲内にある場合、調光信号のデューティの大小の変化(即ち増加及び減少)に応じて、光源4に供給する電流を小大に調整する(即ち減少及び増加させる)第1構成、又は光源4に供給する電流を大小に調整する(即ち増加及び減少させる)第2構成を採用する。第1構成では調光を開始する前に取得した調光信号のデューティが90%より小さいか否かを判定し、第2構成では調光を開始する前に取得した調光信号のデューティが5%より大きいか否かを判定する。判定が成立した場合、判定した調光デューティを記憶部121に記憶しておき、当該調光デューティに応じた目標の電流に向けて光源4に供給する電流を漸増させる。電流を漸増させている間に新たに取得した調光信号のデューティが、記憶部121に記憶されたデューティと1%以上異なる場合、光源4に供給する電流の漸増を中止し、新たに取得した調光信号のデューティに応じた新たな目標の電流に向けて、光源4に供給する電流を漸近させる。従って、フェードイン中であっても調光器3による軽快な調光操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、調光器3から取得した調光信号のデューティに応じて光源4に供給する電流を調整する都度、第1構成では取得した調光信号のデューティが90%より大きい97%以上であるか否かを判定し、第2構成では取得した調光信号のデューティが5%より小さい3%以下であるか否かを判定する。判定が成立した場合、判定したデューティに応じた目標の電流に向けて光源4に供給する電流を漸減させる。電流を漸減させている間に更に新たに取得した調光信号のデューティが、第1構成における90%より小さい場合、又は第2構成における5%より大きい場合、光源4に供給する電流の漸減を中止し、電流を漸減させている間に新たに取得した調光信号のデューティに応じた新たな目標の電流に向けて、光源4に供給する電流を漸近させる。従って、フェードアウト中であっても調光器3による軽快な調光操作を行うことが可能となる。
更に、本実施形態によれば、新たな目標の電流に向けて漸近するように光源4に供給する電流について、単位時間当たりの変化量の絶対値、即ち電流変化の傾きの絶対値が漸次小さくなるようにする。これにより、光源4に供給する電流を直線的に変化させる場合よりも速やかに、且つ滑らかに目標の電流に近づけることが可能となる。
更に、本実施形態によれば、光源4に供給する電流を10ms毎に変化させて新たな目標の漸近させる際に、新たな目標の電流と光源4に供給している電流との差分が、大きさにして3%未満、3%以上、6%以上、15%以上、及び35%以上と大きいほど、10ms毎の電流の変化量を1%、3%、5%、10%、及び20%と大きくする。これにより、光源4に供給する電流を新たな目標の電流に漸近させる際の演算を簡略化することが可能となる。
更に、本実施形態によれば、調光信号のデューティに対応付けて、光源4に供給する電流の大きさを調光テーブル111に記憶してあり、新たに取得した調光信号のデューティに基づいて調光テーブル111を参照することにより、新たな目標の電流を決定する。これにより、光源4に供給する電流について、通常の調光の場合に調整すべき電流と、フェードインを行う場合の目標の電流と、フェードイン及びフェードアウトを中断した場合の新たな目標の電流とを容易に算出することが可能となる。