JP6803005B2 - 事故点探査装置用試験器および事故点探査装置の試験方法 - Google Patents

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本発明は、事故点探査装置の不具合の有無を調べることができる事故点探査装置用試験器および事故点探査装置の試験方法に関する。
はじめに、本発明品の使用対象である従来技術に係る事故点探査装置およびその使用方法について図5,6を参照しながら説明する。
図5(a)は従来技術に係る事故点探査装置の送信器のシステム構成図であり、(b)はこの事故点探査装置のCT受信器の斜視図である。また、図6は従来技術に係る事故点探査装置を用いて事故点(地絡点)を探査する様子を示したイメージ図である。
一般に、電力線に地絡点が存在している場合、電力線に直流パルスを伝送すると、地絡点において直流パルスの反射波が生じる。
従来技術に係る事故点探査装置7は、この現象を利用して検査対象である電力線に地絡点が存在しているか否かを調べることができるよう構成されている。
このような従来技術に係る事故点探査装置7は、図5(a)に示すような送信器15と、図5(b)に示すようなCT受信器17とにより構成されている。
より具体的には、このような事故点探査装置7の送信器15は、図5(a)に示すように、直流パルスを発信する発信部8と、この発信部8から発信される直流パルスを伝送するとともにその反射波を伝送する第1の導線11(ここでは導線11a〜11cを総称して第1の導線11という)と、この第1の導線11の端部に設けられ第1の導線11を電力線23(ここでは第1乃至第3の電力線23a〜23cを総称して電力線23という;図6を参照)に直接又は間接的に接続される端子10(ここでは第1乃至第3の端子10a〜10cを総称して端子10という)と、第1の導線11に伝送される反射波を検出する検知部9と、発信部8および/又は検知部9の動作状況を表示する表示部12と、を少なくとも有してなるものである。
なお、図6では表示部12がディスプレイである場合を例に挙げて説明しているが、表示部12が検知部9において単に直流パルスの反射波の検出の有無のみを示すために設けられている場合は、例えば、ランプの点灯と消灯のみで検知結果を表示することもある。
また、図5(a)に示す送信器15は、さらに、発信部8、検知部9及び表示部12の動作を制御するための制御部13や、この制御部13を制御する操作信号を発信するための操作部(図示せず)を備えている。さらに、図5(a)に示す送信器15は、本体部15aの外部に電源16を備えており、送信器15を動作させるための電力を外部(例えば、車、発電機等)から取得しているが、送信器15に発電設備を内蔵していてもよい。
また、送信器15の本体部15aは、使用時の安全性を確保するために、アース端子14を備えており、このアース端子14を地面に接地した状態で使用する。
このような従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15では、本体部15aの発信部8から発信された直流パルスは、第1の導線11を介して端子10に到達し、この端子10を介して電力線23(図6を参照)に伝送される。また、電力線23に地絡点が存在している場合は、この地絡点において直流パルスの反射波が生じ、この反射波は電力線23を介して送信器15に到達し、この送信器15の検知部9において検知されることで、電力線に地絡点(事故点24)が存在しているか否かの判断が可能になる。
ただし、送信器15から直流パルスを発信してその反射波の有無を調べる場合は、電力線23における地絡点(事故点24)の有無を判断することができるものの、その地絡点が電力線23のどこにあるのかまでは特定することはできない。
そこで、従来技術に係る事故点探査装置7では、送信器15に加えてCT受信器17を用いることで、電力線23上における地絡点を特定することが可能になる。
従来技術に係る事故点探査装置7のCT受信器17は主に、電力線に直接掛止されるかぎ状部18(本体)と、このかぎ状部18の鉛直下方側に垂設される操作棒20と、操作棒20において危険領域の境界を示す鍔状の危険表示線21とを備えてなるものである。このようなCT受信器17では、特に図示しないが、かぎ状部18の内部に直流パルスの反射波を検知するための検知部と、この反射波を検知した際に発光する発光部と、同じく反射波を検知した際にブザー音を発するスピーカーと、これらの動作を制御するための制御部並びに電源(電池)が内蔵されている。
このようなCT受信器17では、かぎ状部18内に内蔵されている検知部において直流パルスの反射波が検知されると、かぎ状部18が発光するとともに、かぎ状部18からブザー音が発せられる。
また、このようなCT受信器17は、電力線23に直接装着して使用するものであるため、操作棒20の危険表示線21よりも鉛直下方位置を把持して操作することになっている。
上述のような従来技術に係る事故点探査装置7(送信器15及びCT受信器17)を用いて電力線23上の地絡点を特定する方法について図6を参照しながら説明する。
先の図5(a),(b)に示すような従来技術に係る送信器15及びCT受信器17を用いて電力線23a〜23cにおける事故点24(地絡点)を特定するには、まず、図6に示すように、電柱22に架設されている電力線23a〜23cのそれぞれに送信器15の第1乃至第3の端子10a〜10cのそれぞれを接続して(図示しないが、通常は電柱22に設けられるカットアウトに接続する)、電力線23a〜23cのそれぞれに対して個別に直流パルスを伝送して、この直流パルスの反射波が送信器15において検出されるか否かを調べる。
そして、送信器15において直流パルスの反射波が検出された場合は、検査対象である電力線(ここでは仮に第1の電力線23a)に事故点24(地絡点)が存在していると判断することができる。この場合、第1の電力線23aにおいて引き続きCT受信器17を用いて地絡点を特定する作業が行われる。
具体的には、第1の電力線23aへの第1の端子10aの接続位置に近い位置から遠ざかる方向にCT受信器17の設置場所を徐々に移動させながら、CT受信器17のかぎ状部18の反応を確認する。
例えば、図6中の黒塗り逆三角印(▼)の位置に事故点24(地絡点;通常は目視では確認できない)が存在している場合、この事故点24において直流パルスの反射が起こるため、事故点24の上流側にCT受信器17が掛止されていれば、かぎ状部18が発光するとともにブザー音が発せられる。その一方で、CT受信器17が事故点24を通過している場合は、かぎ状部18が発光せずブザー音も発せられない。
したがって、第1の電力線23a上においてCT受信器17を第1の端子10aの接続位置から遠ざかる方向に暫時移動させながらCT受信器17のかぎ状部18の反応を確認する際に、かぎ状部18が発光してブザー音が発せられるCT受信器17の掛止位置と、その下流側に存在し、かつ、かぎ状部18が発光もせずブザー音も発しないCT受信器17の掛止位置との間に、事故点24(地絡点)が存在していることになる。
このように、従来技術に係る事故点探査装置7によれば、所望の電力線23における事故点24(地絡点)の有無を判断することができ、さらに、その位置についても特定することができる。
ところが、このような事故点探査装置7を用いる場合は、地絡点の探査中に地絡状態(直流パルスの反射波が検知されている状態)が継続しなくなることがある。
この原因としては、例えば、この地絡状態が樹木等の植物が一時的に電力線23に接触するなどして一時的に生じているような場合、電力線23への樹木等の接触状態が解除されると、送信器15において直流パルスの反射波が検知されなくなり、地絡状態が継続しなくなる(反射波が消失する)。
あるいは、送信器15と端子10(第1乃至第3の端子10a〜10c)とをつなぐ第1の導線11(第1乃至第3の導線11a〜11c)に不具合が生じた場合や、送信器15の発信部8又は検知部9に不具合が生じた場合も直流パルスの反射波が検知されなくなる。
特に、地絡状態が継続しない原因が後者である場合、第1の導線11(導線11a〜11c)の不具合の有無の確認は目視で行う他なく、探査中の電力線23において地絡状態が継続しない理由が、地絡状態の自発的な消滅によるものなのか、送信器15側の不具合によるものかを判断することができなかった。
そして、電力線23における地絡状態が何らかの理由により解消されたのであれば、電力線23に対する事故点24の探査作業を終了しても何ら問題はないが、送信器15に不具合が生じたことで地絡状態が継続しなくなっている場合は、電力線23には依然として地絡点が存在している可能性が高いため、引き続き事故点24の位置を特定する作業を行う必要がある。
しかしながら、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15に不具合が生じているか否かを判断することができない場合は、地絡点(事故点)の探査を続けるか否かの判断が容易にはできないため、作業性が向上されないという課題があった。
本願発明と同じ課題を解決しようとする先行技術文献は現時点では発見されていないが、本願発明と関連性を有する分野の先行技術文献としては以下に示すようなものが知られている。
特許文献1には「電力線事故点区間の標定装置」という名称で、変電所等における電力線の相間短絡事故が発生した区間を標定する電力線事故点区間の標定装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、共通母線1,2と接続用母線43との接続部における接続用母線43側と、遮断器4の送電線1L,2L側に子局10a,10b,10cをそれぞれ設け、これら複数の子局とディジタル無線結合12を介して接続した親局11を大地側に設け、子局10a,10b,10cからのデ−タをメモリ回路18に格納し、初期設定回路21によって各子局毎に識別番号と送信遅れ時間を定めたデ−タを親局11内のメモリレジスタ回路26へ順次送信し、その後、母線保護装置8による他装置関連デ−タと判定演算回路27からのデ−タを総合判定回路28へ入力して事故点区間を評定するというものである。
そして、特許文献1に開示される請求項4に記載の発明によれば、電力線側の子局(上述の図5,6におけるCT受信器17に相当)を定期診断することができるという効果を有する。
特許文献2には「通信線路の故障位置探索装置」という名称で、通信線路に故障が発生したときに、その通信線路の端部から故障位置を遠隔探索するために用いる装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、被試験通信線路(1)を接続する端子(6)と、この端子を介してその通信線路にパルスを送信するパルス送信部(2)と、その通信線路から反射パルスを受信するパルス受信部(4)と、表示装置(17)とを備えた通信線路の故障位置探索装置において、前記受信部の受信信号波形をディジタル信号に変換するAD変換回路を含む信号処理回路(11)と、前記被試験通信線路の構成データおよびその線路の故障モード毎のパラメタを与える手段(8)と、前記被試験通信線路上に仮想の故障位置を設定し前記構成データおよび前記パラメタに基づき演算した反射波形と前記信号処理回路の出力する実測した反射波形とを比較し、両波形が実質的に一致するときの仮想の故障位置をその被試験通信線路の故障位置として前記表示装置に表示させる演算部(10)とを備えていることを特徴とするものである。
特許文献2に開示される発明によれば、被試験通信路線上に仮想の故障位置を設定することで、得られた反射パルスの波形と、仮想の故障状態における反射パルスを比較することで、被試験通信路線上における故障の内容を類推することができる。
特開平6−249907号公報 特許第2516422号公報
上述の特許文献1,2に開示される発明を参酌しても、先の図5,6に示すような従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15における不具合の有無やその内容を把握することはできない。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、先の図5,6に示すような従来技術に係る事故点探査装置を用いて電力線の事故点(地絡点)を探査する場合に、送信器の不具合の有無を簡易に検査することができる試験器および試験方法を提供することにある。
加えて、本発明の目的は、従来技術に係る事故点探査装置の送信器の不具合の有無の検査ができるだけでなく、CT受信器が正常に作動しているか否かについても検査することができる試験器を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の発明である事故点探査装置用試験器は、直流パルスを発信する発信部と、この発信部から発信される直流パルスを伝送するとともにその反射波を伝送する第1の導線と、この第1の導線の端部に設けられこの第1の導線を電力線に直接又は間接的に接続する端子と、第1の導線に伝送される反射波を検出する検知部と、発信部および/又は検知部の動作状況を表示する表示部と、を少なくとも備えてなる事故点探査装置を試験するための試験器であって、端子を接続可能なソケットと、地面に接続されるアース端子と、ソケットとアース端子とをつなぐ第2の導線と、この第2の導線上に設けられソケットとアース端子の接続状態の切り替えを行うスイッチと、を有していることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、ソケットは従来技術に係る事故点探査装置の送信器における端子を、第1の発明に接続させるという作用を有する。また、アース端子は、第2の導線と地面をつなぐという作用を有する。さらに、第2の導線は、ソケットとスイッチを、また、このスイッチとアース端子とをつないで回路を形成させるという作用を有する。また、第2の導線上に設けられるスイッチは、ソケットとアース端子の電気的な接続状態を切り替え可能にするという作用を有する。
このような第1の発明によれば、従来技術に係る事故点探査装置の送信器が地絡状態にある回路に接続された状態を模擬的に実現するという作用を有する。
第2の発明である事故点探査装置用試験器は、上述の第1の発明であって、試験器は、複数のソケットと、このソケットの総数に対応する数のスイッチと、を備えていることを特徴とするものである。
上述のような第2の発明は、先の第1の発明と同じ作用に加えて、複数のソケット及び、このソケットの総数と対応する数のスイッチを有していることで、被検査対象である送信器の試験時に、この送信器に不具合が生じているという判定結果が得られた際に、その送信器の不具合が、発信部又は検知部の不具合に起因するものであるのか、第1の導線の不具合に起因するものであるのかを判別可能にするという作用を有する。
第3の発明である事故点探査装置用試験器は、上述の第1又は第2の発明であって、CT受信器のかぎ状部を第2の導線に掛止させるための掛止部を備えていることを特徴とするものである。
上述のような第3の発明は、先の第1又は第2の発明と同じ作用に加えて、掛止部は、CT受信器のかぎ状部を直接又は間接的に第2の導線に掛止させるという作用を有する。また、このような掛止部を有する第3の発明は、CT受信器が正常に作動するか否かを確認するための試験器として使用可能になる。
第4の発明である事故点探査装置用試験器は、上述の第3の発明であって、掛止部は、事故点探査装置用試験器を平面視した場合の周縁に設けられていることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、先の第3の発明と同じ作用に加えて、CT受信器のかぎ状部を掛止するための掛止部を、第4の発明を平面視した際の周縁に設けておくことで、第4の発明にCT受信器を掛止した際に、CT受信器の操作棒を事故点探査装置用試験器の外側に配置しておくことが可能になる。
この場合、第4の発明にCT受信器を掛止した際に、CT受信器の操作棒がソケットやスイッチの操作の妨げになるのを防止するという作用を有する。
第5の発明である事故点探査装置の試験方法は、直流パルスを発信する発信部と、この発信部から発信された直流パルスを電力線に伝送するための端子と、発信部と端子とをつなぐ第1の導線と、発信部から発信される直流パルスの反射波を検出する検知部と、発信部および/又は検知部の動作状況を表示する表示部と、を少なくとも備えてなる事故点探査装置を試験するための試験方法であって、端子に事故点探査装置とは別体のアース端子を接続し、この状態で発信部から直流パルスを発信して、検知部において反射波が検出される場合に、事故点探査装置に不具合無しと判定することを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、先の第1の発明を方法の発明として捉えたものであり、その作用は第1の発明による作用と同じである。
このような第1の発明では、そのソケットに被検査対象である事故点探査装置の端子を接続し、さらに、スイッチを「ON」の状態にしてソケットとアース端子とが電気的につながった状態にしてから、被検査対象である事故点探査装置の発信部から直流パルスを第2の導線に対して発信した際に、送信器の検知部において直流パルスの反射波が検知されれば、被検査対象である事故点探査装置の発信部、検知部、及び、そのソケットに接続されている端子につながる第1の導線に不具合はないと判断することができる。
したがって、上記のような第1の発明を用いて従来技術に係る事故点探査装置の送信器に対して試験を行い、不具合がないことが確認された送信器を用いて電力線の事故点(地絡点)の探査を行うことで、この送信器において検出された地絡状態が継続しなくなった時に、その原因が送信器の故障でなく、探査中の電力線に生じていた地絡状態が何らかの原因で自発的に解消されたためであると判断することができる。
よって、第1の発明によれば、従来技術に係る事故点探査装置を用いて電力線の事故点の探査を行う際の、探査精度を向上させるとともに、作業性も大幅に向上させることができる。
第2の発明によれば、第1の発明による効果と同じ効果を有する。また、第2の発明は、ソケット及びスイッチを複数組備えていることで、そのうちの一組のソケット及びスイッチを用いて試験を行った際に、送信器に不具合があるとの判定が得られた際に、これ以外のソケットとスイッチの組み合わせを用いて同じ試験を再度実施することができる。
この場合、送信器側に不具合があることを示す結果が再度得られた場合は、送信器における発信部又は検知部に不具合があると判断できる一方で、送信器側に不具合はないとの判定結果が得られた場合は、その前の試験に用いた端子に接続される第1の導線に不具合が生じていると判断することができる。
よって、第2の発明によれば、ソケット及びスイッチを複数組備えていることで、送信器に不具合が生じていることが明らかになった場合に、その不具合が発信部又は検知部に起因するものなのか、第1の導線の不具合に起因するものなのかを判断することが可能になる。
したがって、第2の発明によれば、従来技術に係る事故点探査装置を用いて電力線の事故点の探査を行う際の作業精度及び作業性を一層向上させることができる。
先の図5,6に示すCT受信器は、地絡点(事故点)の上流側では、地絡点において反射した直流パルスの反射波を検知した際に、機器の一部が発光し、かつ、ブザー音を発するよう構成されている。このため、このようなCT受信器が不具合を有していなければ、第3の発明における第2の導線にCT受信器のかぎ状部を掛止させた状態で、送信器から直流パルスを送信した際にCT受信器を正常に動作させることができるはずである。
つまり、第3の発明におけるソケットに、正常に機能することが確認されている事故点探査装置の送信器の端子を接続し、このソケットに接続されている事故点探査装置用試験器のスイッチを「ON」にして、スイッチが「ON」の状態になっている第2の導線にCT受信器のかぎ状部を掛止して、送信器の発信部から直流パルスを発信すると、この直流パルスはアース端子が接続されている地上において反射されて反射波が生じるので、CT受信器が正常であれば、この反射波がCT受信器において検知されて、CT受信器が発光するあるいはブザー音が発せられる等の反応を示すことになる。
したがって、第3の発明によれば、事故点探査装置の送信器とCT受信器の両方の動作状況を検査することができる試験器を提供することができる。
また、このような第3の発明は、その構造が極めてシンプルであるため装置自体をコンパクトな形態にすることができ、持ち運びも容易である。
よって、第3の発明によれば従来技術に係る事故点探査装置を使用して電力線の事故点を探査している最中でも、必要に応じて何時でも、何度でも送信器及びCT受信器の動作確認を行うことができるので、事故点の探査作業を精度よく、かつ、迅速に行うことができる。
また、第3の発明は、携行できる事故点(地絡点)である。したがって、このような第3の発明を用いて、先の図5,6に示されるタイプの事故点探査装置の使用方法のトレーニングを行うことができる。
第4の発明によれば、CT受信器の動作を確認する際に、CT受信器を第4の発明を平面視した際の周縁に掛止しておくことができるので、CT受信器の操作棒がスイッチの操作の妨げになるのを確実に防止することができる。
よって、第4の発明の操作性を向上させることができるという効果を有する。
第5の発明は、上述の第1の発明を方法の発明として捉えたものであり、その効果は第1の発明による効果と同じである。
従来技術に係る事故点探査装置と本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器のシステム構成図である。 本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器のイメージ図である。 (a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器で従来技術に係る事故点探査装置の送信器を試験する場合の判定基準をまとめた表である。 (a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器で従来技術に係る事故点探査装置のCT受信器を試験する場合の判定基準をまとめた表である。 (a)従来技術に係る事故点探査装置の送信器のシステム構成図であり、(b)このCT受信器の斜視図である。 従来技術に係る事故点探査装置を用いて事故点(地絡点)を探査する様子を示したイメージ図である。
本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器および事故点探査装置の試験方法について図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、図1,2を参照しながら本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器の概要について説明する。
図1は従来技術に係る事故点探査装置と本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器のシステム構成図である。また、図2は本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器のイメージ図である。なお、図5,6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1は、先の図5,6に示される従来技術に係る事故点探査装置7(送信器15及びCT受信器17)の送信器15に接続されて、送信器15の動作を検査するための試験器である。
このような本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1は、図1,2に示すように、従来技術に係る送信器15の端子10のそれぞれに接続可能なソケット2(ここでは第1乃至第3のソケット2a〜2cを総称してソケット2という)と、地面に接続されるアース端子3と、ソケット2とアース端子3とをつなぐ第2の導線4と、この第2の導線4上に設けられるソケット2とアース端子3との電気的な接続状態の切り替えを行うスイッチ5(ここでは第1乃至第3のスイッチ5a〜5cを総称してスイッチ5という)とを有してなるものである。
なお、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1では、ソケット2及びスイッチ5の組数は1組でも複数組でもよい。
特に前者の場合は、つまり、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1がソケット2及びそれに対応するスイッチ5を1組備えている場合は、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1の構造をシンプルにして装置自体の形態をコンパクトにすることができる。
また、後者の場合、つまり、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1がソケット2及びそれに対応するスイッチ5を複数組備えている場合は、事故点探査装置用試験器1を用いて送信器15の不具合の有無を判断する場合の検査精度を高めることができる。なお、この理由については後段において詳細に説明する。
さらに、図1,2では、送信器15における端子10の総数と、ソケット2及びスイッチ5の組数がともに3である場合を例に挙げて説明しているが、この数は3である必要はなく、任意の自然数nに設定してよい。
また、送信器15における端子10の総数と、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1のソケット2とスイッチ5の組数は一致していてもよいし、一致していなくともよい。
次に、図1乃至図3を参照しながら、先の図1,2に示す従来技術に係る送信器15の、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1による試験手順、並びに、試験結果の判断基準について説明する。
図3(a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器で従来技術に係る事故点探査装置の送信器を試験する場合の判定基準をまとめた表である。なお、図1,2,5,6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いることで従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15に不具合があるか否かを判断することができる。
図1,2に示すような本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて、先の図5,6に示すような従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15を試験するには、はじめに、事故点探査装置用試験器1の第1乃至第3のソケット2a〜2cのそれぞれに、送信器15の第1乃至第3の端子10a〜10cのそれぞれを接続する。なお、この時、スイッチ5(第1乃至第3のスイッチ5a〜5c)を全て「OFF」状態にしておく。
そして、送信器15の第1の端子10aに接続される第1の導線11aと、これにつながる発信部8及び検知部9の動作を確認するには、第1のスイッチ5aを「ON」の状態にしてから、送信器15の発信部8より直流パルスを発生させればよい[図3(a)を参照]。
このとき、第1の端子10aは、第2の導線4を介してアース端子3に接続されることになる。そして、この状態は、地絡点(事故点24)が存在している電力線23に第1の端子10aを接続した状態(図6を参照)と同じである。このため、この状態で送信器15の発信部8から直流パルスを発信して第1の端子10aに伝送すると、アース端子3において直流パルスの反射波が生じ、この反射波は第2の導線4及び第1のソケット2aを介して第1の導線11aに伝送され、最終的に送信器15の検知部9において検知されるはずである。
したがって、この状態で送信器15の発信部8から直流パルスを発信した際に、検知部9において直流パルスの反射波を検出することができれば、つまり、送信器15において地絡状態を検出することができれば、図3(a)に示すように、送信器15の発信部8、検知部9及び第1の端子10aと、これらをつなぐ第1の導線11aには特に不具合はないと判断することができる。
その一方で、図3(a)に示すように、第1の端子10aを第2の導線4を介してアース端子3に接続した状態で、発信部8から直流パルスを発信した際に、検知部9において直流パルスの反射波を検出することができない場合は、発信部8、検知部9及び第1の端子10aと、これらをつなぐ第1の導線11aのいずれかに不具合があると判断することができる。
つまり、先に図6を参照しながら説明したように、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15を用いて第1の電力線23aの事故点を探査している最中に、送信器15においてそれまで検出されていた地絡状態が検出されなくなってしまった場合に、第1の電力線23aに対する探査を一旦中断して、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて使用中の送信器15の試験を行うことで、地絡状態が検出されなくなった原因が送信器15に不具合が生じたことによるものであるか否かを判断することができる。
そして、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて送信器15の動作の試験を行った際に、送信器15が正常に動作していることが確認できた場合は、第1の電力線23aに生じていた地絡状態が何らかの理由により自然に解消されたせいで、送信器15において地絡状態が検知されなくなったと判断することができる。
その一方で、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて送信器15の動作の試験を行った際に、送信器15が正常に動作していないと判断できる場合、つまり、発信部8から直流パルスを発信した際に地絡状態が検出されなかった場合は、送信器15において地絡状態が検出されていなくとも、探査中の検索中の第1の電力線23aには依然として事故点24(地絡点)が存在している可能性が高いと判断することができる。そして、この場合は、第1の電力線23a上における事故点24の探査を継続する必要があることを意味しているため、送信器15を交換して地絡点の探査を継続するなどの処置を講じる必要が生じる。
いずれの場合も、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いることで、従来技術に係る事故点探査装置7を用いて第1の電力線23aを探査する際に、送信器15においてそれまで検出されていた地絡状態が検出されなくなった場合に、その後の対応策の選択が容易になる。したがって、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1によれば、電力線23における事故点24の探査作業の作業精度と作業性を同時に向上させることができる。
なお、第2の端子10b及び第3の端子10cに対しても同様の試験を行うことで、図3(b),(c)に示すように、第2の端子10bや第3の端子10cに接続されている第1の導線11aや第1の導線11bに不具合が生じているか否かを判断することができる。
また、先にも述べた通り、送信器15の第1の端子10aを本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1の第1のソケット2aに接続した状態で、地絡状態が検出されなかった場合でも、この試験結果のみでは、発信部8、検知部9及び第1の端子10aと、これらをつなぐ第1の導線11aのどこに不具合が生じているのかを正確に判断することはできない。
しかしながら、第1のソケット2aに接続されている第1の端子10aを第2のソケット2bに接続し直して再度同様の試験を行った際に、送信器15において地絡状態を検出することができれば、送信器15における発信部8及び検知部9は正常に動作しており、不具合を有しているのは第1の端子10aと発信部8及び検知部9をつなぐ第1の導線11aであると判断することができる。
その一方で、第1のソケット2aに接続されている第1の端子10aを第2のソケット2bに接続し直して再度同様の試験を行った場合でも、地絡状態を検出することができない場合は、第1の導線11aや第1の導線11bではなく、発信部8又は検知部9に不具合が生じている可能性が高いと判断することができる。
さらに、特に後者の場合、第2のソケット2bに接続されている第1の端子10aを第3のソケット2cに接続し直して再度同様の試験を行った場合に、送信器15において地絡状態を検出することができれば、送信器15における発信部8及び検知部9は正常に動作していて、不具合を有しているのは第1の導線11a及び第1の導線11bであると判断することができる。
その一方で、第2のソケット2aに接続されている第1の端子10aを第3のソケット2cに接続し直して再度同様の試験を行った場合でも、送信器15において地絡状態を検出することができない場合は、発信部8又は検知部9に不具合が生じている可能性が極めて高いと判断することができる。これは、送信器15の使用時に、第1の導線11a〜11cの全てに同時に不具合が生じる可能性は極めて低いと考えられるためである。
このように、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1が、ソケット2及びスイッチ5を複数組備えている場合は、送信器15に生じている不具合の内容を具体的に特定することができる。
なお、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1に設けるソケット2及びスイッチ5の組数を多くすればより高精度に不具合の内容を把握することができる反面、装置自体が大型化して持ち運びや保管時の利便性が損なわれてしまう。このため、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1では、ソケット2及びスイッチ5は3組あれば十分である。
上述の通り、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1によれば、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15を用いて電力線23(図6を参照)上の事故点24を探査する場合の作業精度及び作業効率を大幅に向上させることができる。
続いて、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1に付加することができる選択的必須構成要素とそれによる作用効果について図1,2及び図4を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1は、送信器15の試験器としてのみならず、CT受信器17の試験器としても使用することができる。
図4(a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る事故点探査装置用試験器で従来技術に係る事故点探査装置のCT受信器を試験する場合の判定基準をまとめた表である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1は、その装置に選択的必須構成要素として、従来技術に係るCT受信器17のかぎ状部18(例えば、図5,6を参照)を、ソケット2とスイッチ5とをつなぐ第2の導線4に掛止させるための掛止部6を備えていてもよい。
より具体的には、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1が、ソケット2及びスイッチ5を1組のみ備える場合は、これらをつなぐ第2の導線4上に一箇所の掛止部6を有していてもよい。
また、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1が、複数組のソケット2及びスイッチ5を備える場合は、個々のソケット2とそれに対応するそれぞれのスイッチ5とをつなぐ第2の導線4のそれぞれに掛止部6を設けておいてもよい。
例えば、図2に示すように、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1が、3つの第1乃至第3のソケット2a〜2cと、これに対応する第1乃至第3のスイッチ5a〜5cを備えている場合は、第1のソケット2aと第1のスイッチ5aとをつなぐ第2の導線4、第2のソケット2bと第2のスイッチ5bとをつなぐ第2の導線4、第3のソケット2cと第3のスイッチ5cとをつなぐ第2の導線4のそれぞれに、CT受信器17のかぎ状部18掛止させるための掛止部6(第1乃至第3の掛止部6a〜6c)を設けておいてもよい。
また、図2に示す本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1では、第1のソケット2aと第1のスイッチ5aとをつなぐ第2の導線4が第1の掛止部6aを通過するように、第2のソケット2bと第2のスイッチ5bとをつなぐ第2の導線4が第2の掛止部6bを通過するように、第3のソケット2cと第3のスイッチ5cとをつなぐ第2の導線4が第3の掛止部6cを通過するように、それぞれ配設されている。
そして、例えば、第1のソケット2aと第1のスイッチ5aとをつなぐ第2の導線4が通過する第1の掛止部6aを用いてCT受信器17の動作の試験を行うには、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15に本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を接続し、さらに、この事故点探査装置用試験器1の第1の掛止部6aにCT受信器17のかぎ状部18を掛止すればよい。
この状態は、先の図6に示される、事故点24を有している第1の電力線23aに従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15を接続し、かつ、事故点24の上流側近傍にCT受信器17のかぎ状部18が掛止されている状態と同じ状態である。
ただし、この場合、CT受信器17が掛止されている第2の導線4につながるスイッチ5を「ON」の状態にしておく必要がある。
この場合、送信器15が正常に動作することが明らかであり、かつ、CT受信器17が正常な状態であれば、発信部8から直流パルスを発生させた際に、かぎ状部18が発光するとともにかぎ状部18からブザー音が発せられるはずである。
したがって、上述のような状況で発信部8から直流パルスを発生させた際に、CT受信器17がどう反応をするかを確認することでCT受信器17が正常に動作するか否かを判断することができる。
具体的には、図1,2に示すように、例えば、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15が3つの端子10(第1乃至第3の端子10a〜10c)を有している場合で、かつ、その全てが本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1に接続されている状態でCT受信器17の試験を行う場合は、図4(a)〜(c)に示すように、CT受信器17が掛止されている第2の導線4につながっているスイッチ5を「ON」にした状態にしてから、送信器15の発信部8から直流パルスを発信させればよい。
この場合、図4(a)〜(c)に示すように、CT受信器17のかぎ状部18が発光し、かつ、かぎ状部18からブザー音が発せられれば、事故点探査装置用試験器1に掛止されているCT受信器17は正常に動作していると判断することができる。
なお、本願明細書では、CT受信器17が直流パルスの反射波を検知した場合に、かぎ状部18が発光するとともにブザー音を発するタイプのCT受信器17を用いる場合を例に挙げて説明しているが、直流パルスの反射波を検知した際のCT受信器17における検知状態の表示方法は、本願明細書に記載されているものに限定される必要は特になく、本願明細書に記載されるもの以外の表示方法が採用されていてもよい。その場合は、図4に示すような試験を行った際に、CT受信器17が予め設定されているような反応を示した場合に、そのCT受信器17は正常に動作していると判断することができる。
なお、図4(a)〜(c)では、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて1台のCT受信器17の動作試験を行う場合を例に挙げて説明しているが、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1が複数のソケット2及びそれに対応するスイッチ5を有している場合は、複数台のCT受信器17の動作試験を同時に行うことができる。
この点について詳細に説明すると、例えば、図1,2に示すような本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて複数台のCT受信器17の動作を試験するには、3つのソケット2の全てに送信器15の端子10を接続し(このとき、端子10が接続されるソケット2につながるスイッチ5は全て「ON」の状態にしておく必要がある)、さらに、第1乃至第3の掛止部6a〜6cのそれぞれにCT受信器17を掛止してから、送信器15の発信部8から直流パルスを発生させればよい。
この場合、第1乃至第3の掛止部6a〜6cのそれぞれに掛止されているCT受信器17が反応すれば、より具体的には、例えば、かぎ状部18が発光し、かつ、ブザー音が発せられれば、そのCT受信器17は正常に動作していると判断することができる。
言うまでもないが、図1,2に示す本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて動作試験を行うCT受信器17の台数は2台でもよい。
このような掛止部6を備えている本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1によれば、従来技術に係る事故点探査装置7の送信器15のみならずCT受信器17の動作確認も行うことができる。
なお、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1をCT受信器17の試験器として用いる場合は、送信器15が正常に動作しているという前提のもとで試験を行う必要がある。このため、予め送信器15に対して先の図3に示す試験を行って送信器15が正常に動作することが確認された後にCT受信器17の試験(図4を参照)を行うとよい。
この場合、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いることで、従来技術に係る事故点探査装置7における送信器15及びCT受信器17の動作を確認した上で電力線23上の事故点24の探査を行うことができる。
あるいは、電力線23に対する事故点24の探査中に必要に応じて送信器15やCT受信器17の動作を確認することができる。
この結果、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1によれば、従来技術に係る事故点探査装置用試験器1を用いて電力線23における事故点24の探査作業を正確にかつ迅速に行うことができる。
また、図2に示すように、CT受信器17のかぎ状部18を掛止するための掛止部6(例えば、第1乃至第3の掛止部6a〜6c)は、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を平面視した場合の周縁に設けておいてもよい。
この場合、掛止部6にCT受信器17のかぎ状部18を掛止した場合に、CT受信器17の操作棒20が事故点探査装置用試験器1上に配設されることがないので、ソケット2への端子10の着脱や、スイッチ5の操作の妨げになる恐れがなくなる。
この結果、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いてCT受信器17の試験を行う際の操作性及び作業性を大幅に向上させることができる。
さらに、上述のような本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1と、従来技術に係る事故点探査装置7を用いて、従来技術に係る事故点探査装置7の使用方法の説明やトレーニングを行うことができる。
この場合、従来技術に係る事故点探査装置7の使用方法の習得を、電力線23を使用して行う必要がないので、安全にかつ簡易に事故点探査装置7の使用のためのトレーニングを行うことができる。
最後に、本実施の形態に係る事故点探査装置の試験方法について図1,2を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る事故点探査装置(送信器15)の試験方法は、直流パルスを発信する発信部8と、この発信部8から発信される直流パルスを電力線23(図6を参照)に伝送するための端子10と、発信部8と端子10とをつなぐ第1の導線11と、発信部8から発信された直流パルスの反射波を検出する検知部9と、発信部8および検知部9の動作状況を表示する表示部12と、を少なくとも備えてなる事故点探査装置7の送信器15を試験するための試験方法であって、端子10に事故点探査装置7とは別体のアース端子3を接続し、この状態で発信部8から直流パルスを発信して、検知部9において地絡状態が検出される場合に、事故点探査装置7の送信器15に不具合無しと判定するものである。
このような本実施の形態に係る事故点探査装置(送信器15)の試験方法は、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いて事故点探査装置7の送信器15の動作を確認する手順を方法の発明として捉えたものである。
このような本実施の形態に係る事故点探査装置(送信器15)の試験方法によれば、本実施の形態に係る事故点探査装置用試験器1を用いる場合に発揮される効果と同じ効果を有する。
以上説明したように本発明は従来技術に係る事故点探査装置に不具合があるか否かを判定する際に用いる事故点探査装置用試験器および事故点探査装置の試験方法であり、電力供給設備の保守点検に関する技術分野において利用可能である。
1…事故点探査装置用試験器 2…ソケット 2a…第1のソケット(ソケット1) 2b…第2のソケット(ソケット2) 2c…第3のソケット(ソケット3) 3…アース端子 4…第2の導線 5…スイッチ 5a…第1のスイッチ(スイッチ1) 5b…第2のスイッチ(スイッチ2) 5c…第3のスイッチ(スイッチ3) 6…掛止部 6a…第1の掛止部 6b…第2の掛止部 6c…第3の掛止部 7…事故点探査装置 8…発信部 9…検知部 10…端子 10a…第1の端子(端子1) 10b…第2の端子(端子2) 10c…第3の端子(端子3) 11,11a〜11c…第1の導線 12…表示部 13…制御部 14…アース端子 15…送信器 15a…本体部 16…電源 17…CT受信器 18…かぎ状部 19…蓋体 20…操作棒 21…危険表示線 22…電柱 23…電力線 23a…第1の電力線 23b…第2の電力線 23c…第3の電力線 24…事故点(地絡点)

Claims (5)

  1. 直流パルスを発信する発信部と、この発信部から発信される前記直流パルスを伝送するとともにその反射波を伝送する第1の導線と、この第1の導線の端部に設けられ前記第1の導線を電力線に直接又は間接的に接続する端子と、前記第1の導線に伝送される前記反射波を検出する検知部と、前記発信部および/又は前記検知部の動作状況を表示する表示部と、を少なくとも備えてなる事故点探査装置を試験するための試験器であって、
    前記端子を接続可能なソケットと、地面に接続されるアース端子と、前記ソケットと前記アース端子とをつなぐ第2の導線と、この第2の導線に設けられ前記ソケットと前記アース端子の接続状態の切り替えを行うスイッチと、を有していることを特徴とする事故点探査装置用試験器。
  2. 前記事故点探査装置用試験器は、複数の前記ソケットと、
    前記ソケットの総数に対応する数の前記スイッチと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の事故点探査装置用試験器。
  3. CT受信器のかぎ状部を前記第2の導線に掛止させるための掛止部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の事故点探査装置用試験器。
  4. 前記掛止部は、前記事故点探査装置用試験器を平面視した場合の周縁に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の事故点探査装置用試験器。
  5. 直流パルスを発信する発信部と、この発信部から発信された前記直流パルスを電力線に伝送するための端子と、前記発信部と前記端子とをつなぐ第1の導線と、前記発信部から発信される前記直流パルスの反射波を検出する検知部と、前記発信部および/又は前記検知部の動作状況を表示する表示部と、を少なくとも備えてなる事故点探査装置を試験するための試験方法であって、
    前記端子に前記事故点探査装置とは別体のアース端子を接続し、この状態で前記発信部から前記直流パルスを発信して、前記検知部において前記反射波が検出される場合に、前記事故点探査装置に不具合無しと判定することを特徴とする事故点探査装置の試験方法。
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