JP6802187B2 - アルミニウム合金物品の衝撃熱処理 - Google Patents

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Description

本発明は、材料科学、材料化学、冶金学、アルミニウム合金、アルミニウム製造、運輸業、自動車両業、自動車業、自動車両製造の分野、および関連分野に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2015年5月8日に提出の米国仮特許出願第62/158,727号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
2xxx、6xxx、および7xxxアルミニウム合金などの熱処理可能な時効硬化性アルミニウム合金は、自動車などの車両内のパネルの生産に使用される。これらの合金は、典型的には、延性T4状態(または調質度)のアルミニウムシートの形態で自動車製造業者に提供されて、製造業者がスタンピングまたはプレス加工によって自動車パネルを生産することを可能にする。要求される強度仕様を満たす機能的な自動車パネルを生産するためには、製造業者は、T4調質度のアルミニウム合金から生産された自動車パネルを熱処理してそれらの強度を増大し、アルミニウム合金をT6調質度に転換しなければならない。自動車製造において、熱処理は、組み立てられた自動車両ボディの塗装焼付プロセス中に外部自動車パネルに対して実行されることが多い。内部自動車部品については、成形後熱処理(「PFHT」)と呼ばれる別個の熱処理が必要とされることが多い。
プレス加工されたアルミニウム自動車パネルを熱処理してそれらの強度を増大させるために自動車両産業で使用される現在のプロセスには、顕著な欠点がある。自動車両ボディの塗装焼付サイクル中の熱処理は、特に車の厚さおよび内部構成要素において必要な温度を達成するために十分な熱力を有する塗装ラインを必要とする。塗装焼付熱処理は、外部パネルが熱シールドとして働き、自動車両ボディの異なる部分の不均一な硬化をもたらすため、特に内部自動車パネルでは困難である。例えば、典型的な塗装焼付サイクル中、外部パネルは、170〜185℃の温度に約20分間曝露され得、それが外部パネルの「焼付」硬化をもたらす。しかしながら、同様の塗装焼付サイクル中、組み立てられた自動車ボディ内のフロアパネルは、130〜160℃の温度に10〜15分間曝露されるだけであり、それは著しい硬化をもたらさない。PFHTは、有効ではあるが不十分である。例えば、PFHTによってパネル内に完全なT6調質度を得るには、約225℃でおよそ30分間の熱処理が必要とされ得る。PFHTは、高いエネルギーコストをもたらし、時間がかかり、生産ラインの高価な修正を必要とする。言い換えると、PFHTは、自動車両生産サイクルに膨大なコストを追加し、かつそれを長引かせる。
本発明は、アルミニウム合金物品および関連生成物ならびにプロセスを提供し、それは、自動車パネルなどのアルミニウム合金部品の生産のために運輸業または他の産業で用いることができる。より一般的には、本発明の生成物およびプロセスは、様々な機械および機構で使用されるアルミニウム部品の製造に用いることができる。
本発明の包含された実施形態は、請求項によって定められるものであり、この概要によって定められるものではない。この概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概説であり、下の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介する。この概要は、特許請求された主題の鍵となる特徴または必須の特徴を特定することを意図するものでも、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図するものでもない。本主題は、本明細書全体、任意またはすべての図面、および各請求項の適切な部分を参照することにより理解されるべきである。
「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「この発明(this invention)」、および「本発明(the present invention)」という用語は、本明細書内で使用される場合、この特許明細書および下の請求項の主題のすべてを幅広く指すことを意図する。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載される主題を制限することも、下の特許請求項の意味または範囲を制限することもない。
2xxx、6xxx、および7xxxアルミニウム合金などの熱処理可能な時効硬化性アルミニウム合金から生産されるアルミニウム合金物品のための改善された熱処理プロセスが開示される。本明細書に開示される熱処理プロセスは、処理されるアルミニウム合金物品の機械特性を、例えば、その強度を増大することによって、改善する。改善された熱処理プロセスは、PFHTなど、アルミニウムパネルを熱処理するために自動車業で現在用いられているプロセスと比較して、著しく短く、かつ超高速の加熱速度を使用する。改善された熱処理プロセスは、予備時効される、または予備時効されない合金に対して実行され得る。
開示された熱処理プロセスは、自動車アルミニウム合金パネルなどの自動車両部品の生産プロセスに効率的に組み込むことができ、有利には、自動車生産サイクルにおけるPFHTに取って代わることができる。同時に、改善された熱処理プロセスによって処理されたアルミニウム合金物品は、PFHTの使用によって達成される強度特性に匹敵する強度特性を達成することができる。「衝撃熱処理」と呼ばれ得る開示された熱処理プロセスは、プレス加工されたアルミニウムパネルを製造するために使用される既存の自動車生産ラインに容易に組み込むことができる。例えば、衝撃熱処理ステーションは、T6またはT61調質度の熱処理されたアルミニウム自動車パネルを生産するために、自動車パネル生産ラインのプレス加工ラインに組み込むことができる。「T61調質度」という用語は、T4調質度の材料よりも降伏強度は高いが伸長性は低く、かつT6調質度より降伏強度は低いが伸長性は高い、T4とT6との間の中間調質度を表すために使用される。「T4調質度」という用語は、中間のバッチ焼鈍および予備時効なしで生産されるアルミニウム合金を指す。加えて、自動車パネルは、T8調質度であってもよい。「T8調質度」という用語は、溶解熱処理され、冷間加工され、次いで人為的に時効されている合金を表すために使用される。本明細書に記載される方法で使用される合金は、予備時効されていても、予備時効されていなくてもよい。
改善された熱処理プロセスは、自動車アルミニウム合金パネルの生産中のそれらの熱処理に適しているが、より一般的には、スタンピングまたはプレス加工されたアルミニウム合金物品などの様々なアルミニウム合金物品の、それらの機械特性を調節するため、例えば、それらの強度を増大させるための熱処理に適用可能である。開示されたプロセスは、衝撃熱処理を、スタンピングされたアルミニウム物品などのアルミニウム合金物品の生産のための既存のプロセスおよびラインに組み込むことができ、それにより、そのプロセスおよび結果として生じる物品を能率的かつ経済的な様式で改善する。いくつかの例において、改善された熱処理プロセスは、予備形成されたアルミニウム物品を加熱するために適切な形状の加熱された器具を使用した接触加熱によって実行される。いくつかの例において、予備形成されたアルミニウム物品は、異なる温度で実施され得る複数の衝撃熱処理ステップに供される。衝撃熱処理ステップのそのような組み合わせは、アルミニウム物品の所望の機械的性質(例えば、強度)を従来の熱処理プロセスよりも短い時間で達成する。1つの例において、スタンピングステップの後、スタンピングされたアルミニウム合金物品は、2つの異なる温度で2つ以上の異なる接触加熱ステップに供され得る。別の例において、スタンピングステップの後、スタンピングされたアルミニウム合金物品の異なる部分は、アルミニウム合金物品の異なる部分において異なる強度的性質を得るために局所的接触衝撃加熱ステップに供され得る。また、自動車両アルミニウム合金パネルなど、改善された熱処理プロセスによって生産されるアルミニウム合金物品が開示される。結果として生じる自動車アルミニウム合金パネルを自動車両ボディの製造に使用することもまた、本発明の範囲内に含まれる。
いくつかの例示的実施形態は以下の通りである。1つの非限定的な例は、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金から生産された成形アルミニウム合金物品の少なくとも一部分を、250〜300℃の熱処理温度まで、10〜220℃/秒の加熱速度で1回以上加熱することと、この熱処理温度を60秒以下の間維持することと、を含む、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金から生産される成形アルミニウム合金物品の強度を増大させるためのプロセスである。別の例は、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金のアルミニウム合金シートから成形アルミニウム合金物品を生産するためのプロセスであり、当該プロセスは、アルミニウム合金シートを成形して成形アルミニウム合金物品を形成することと、成形アルミニウム合金物品の少なくとも一部分を、250〜300℃の熱処理温度まで、10〜220℃/秒の加熱速度で1回以上加熱することと、この熱処理温度を60秒以下の間維持することと、を含む。成形ステップにおいて、成形することは、アルミニウム合金シートをスタンピング、プレス加工、またはプレス成形することによって成形することであってもよい。上の例において、熱処理温度は、5〜30または10〜15秒間維持され得る。時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金は、2xxx、6xxx、または7xxxシリーズアルミニウム合金であってもよい。時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金は、加熱ステップの前はT4調質度、および/または加熱ステップの後はT6もしくはT61調質度であり得る。時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金の降伏強度は、加熱ステップ後に少なくとも30〜50MPa増大され得る。加熱は、伝導加熱であってもよい。成形アルミニウム合金物品の少なくとも部分は、相補形状の1つ以上の加熱ダイの適用によって加熱されてもよい。成形アルミニウム合金物品は、全体的または部分的に加熱され得る。例えば、成形アルミニウム合金物品の1つ以上の部分は、同じまたは異なる温度で加熱され得る。例示的なプロセスは、2つの異なる温度で、および/または異なる期間にわたる、少なくとも2つの加熱ステップを含み得る。例えば、本プロセスは、2つの異なる温度で少なくとも2つの加熱ステップを含み得る。第2の加熱ステップの温度は、第1の加熱ステップの温度よりも低くてもよい。上のプロセスにおいて、成形アルミニウム合金物品は、自動車両パネルであってもよいが、そうである必要はない。別の例は、上に論じられる例示的プロセスなどの開示されたプロセスによって生産される成形アルミニウム合金形態である。成形アルミニウム合金形態は、自動車パネルなどの自動車両パネル、または任意の他の好適な生成物であってもよい。依然として別の非限定的な例は、自動車両ボディの製造のための自動車パネルの使用である。
アルミニウムシートをスタンピングおよび熱処理するプロセスの概略図である。 塩浴浸漬(実線)またはCollin(登録商標)ホットプレス(点線)による熱処理に供された合金AA6451の試料について、時間の関数としての温度のグラフである。 塩浴浸漬およびCollin(登録商標)プレスによって熱処理に供された合金AA6451の試料について、時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 塩浴浸漬(300℃超の温度)およびCollin(登録商標)プレス(300℃以下の温度)によって熱処理に供された合金AA6451の試料について、時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 様々な温度で様々な期間にわたってCollin(登録商標)プレスにおいて熱処理に供された実験用の合金の試料について、時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 合金AA6451の試料に対して実施される図示的な2ステップ熱処理プロセスであり、当該プロセスは、Collin(登録商標)プレスにおける熱処理と、それに続く塩浴浸漬熱処理とを含む。 様々な熱処理プロセスに供された合金AA6451(パネルA)の試料および実験用の合金(パネルB)の試料について、時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 水平クラッシュ試験後の、衝撃熱処理によって処理された合金(パネルAおよびB)、ならびにT4調質度の合金(パネルCおよびD)のクラッシュチューブの図である。 水平クラッシュ試験における合金の変位量の関数としての変形エネルギーおよび負荷のグラフである。 垂直クラッシュ試験後の、衝撃熱処理によって処理された合金(パネルAおよびB)、ならびに従来の熱処理で処理された合金(パネルCおよびD)のクラッシュチューブの図である。 垂直クラッシュ試験における合金の変位量の関数としての負荷およびエネルギーのグラフである。 曲げ性能試験の図式である。 Collin(登録商標)プレスにおいて異なる温度で処理された、または熱風によって異なる温度で処理された合金の時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 T4調質度および2%予ひずみを受けたT4の予備時効されたおよび予備時効されていない合金について、異なる温度での時間の関数としてのRp0.2のグラフである。 プレスラインスタンピングにおける衝撃熱処理の統合の概略図である。
自動車パネルの生産に使用されることの多い、6xxx、2xxx、および7xxxアルミニウム合金などの熱処理可能な時効硬化性アルミニウム合金の強度を増大させるためのプロセスが開示される。熱処理可能な時効硬化性アルミニウム合金の強度を増大させるためのプロセスは、高速加熱速度(例えば10〜220℃/秒)で短い期間(例えば、60秒以下、5〜30秒間、または5〜15秒間)にわたって実施される、200〜350℃での熱処理を伴う「衝撃熱処理」と名付けられた熱処理ステップを伴う。本明細書に開示される衝撃熱処理プロセスは、自動車業で一般的に用いられるPFHTなどの従来の熱処理プロセスと比較して、短い加熱時間および速い加熱速度を用いることによって、熱処理可能なアルミニウム合金の強度を改善する。いくつかの例において、衝撃熱処理は、プレスの加熱ダイの間でアルミニウム合金物品を接触加熱することによって実行されるが、より詳細にさらに論じられるように、他の加熱プロセスが用いられ得る。
短い加熱時間が用いられることにより、いくつかの例に従う衝撃熱処理は、自動車ボディパネルなどのアルミニウム自動車部品の製造のために自動車業で用いられる生産ラインおよびプロセスに有利に組み込むことができる。開示された衝撃熱処理プロセスは、自動車業、またはより一般的には自動車両業に限られず、アルミニウム物品の製造に関わる他の産業で用いることができる。一例において、成形アルミニウム合金物品(またはその部分)は、2xxx、6xxx、または7xxxシリーズアルミニウム合金などの時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金から生産され、その後、250〜350℃の温度で60秒以下の間、1回以上加熱される。別の例において、プロセスは、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金のアルミニウム合金シートから、例えば、アルミニウム合金シートをスタンピング、プレス加工、またはプレス成形することによって物品を成形し、その後、物品を250〜350℃の温度で60秒以下の間、1回以上加熱することを伴う。衝撃熱処理について以下により詳しく論じられる。
衝撃熱処理
例に従うプロセスは、1つ以上の衝撃熱処理ステップをアルミニウム合金物品に適用することを伴う。本明細書に開示される例に従う衝撃熱処理は、衝撃熱処理ステップ(複数可)を説明するために使用され得る、温度、継続時間、または加熱速度などの特性パラメータに従って実施される熱処理である。特性パラメータのうちの1つは、アルミニウム合金物品が高温に保持される時間の長さ(即ち、浸漬時間)であり、それは2秒〜10分、60秒以下、2〜120秒、2〜60秒、2〜30秒、2〜20秒、2〜15秒、2〜10秒、2〜5秒、5〜120秒、5〜60秒、5〜30秒、5〜20秒、5〜30秒、5〜15秒、5〜10秒、10〜120秒、10〜60秒、10〜30秒、10〜20秒、または10〜15秒であり得るが、これに限定されない。例示的な衝撃熱処理浸漬時間のいくつかは、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55秒、1分(60秒)、または2分(120秒)である。2つ以上の衝撃熱処理ステップが、衝撃熱処理プロセスに用いられてもよい。例えば、いくつかの場合、各5秒の2〜5つの衝撃熱処理ステップが実施されてもよく、10〜25秒の累積衝撃熱処理時間をもたらす。複数の熱処理ステップの各々は、上に指定された持続時間のうちの1つにわたって実施されてもよく、異なるステップには異なる持続時間が使用され得る。いくつかの場合において、複数の衝撃熱処理ステップの累積長さ、つまり組み合わせた長さは、上に指定された最大浸漬時間よりも長くてもよい。5〜30秒など、比較的短い期間にわたって熱処理ステップを実施することは、熱処理ステップを、自動車パネル製造ラインなどの特定の製造プロセスおよび生産ラインへ、そのようなラインおよびプロセスの大きな中断なしに効率的に組み込むことを可能にする。本明細書に開示される衝撃熱処理は、より長い浸漬時間を用いた他の熱処理方法によって達成される改善に少なくとも匹敵する、アルミニウム合金の機械特性を改善することができる。
衝撃熱処理のより短い浸漬時間は、時効硬化性アルミニウム合金の機械特性における所望の変化が、比較的短い期間内で調節されるように、衝撃熱処理の温度を選択することによって達成され得る。本明細書に開示される方法に従って衝撃熱処理を用いることによって達成されるアルミニウム合金の機械的性質は、衝撃熱処理の温度、時間、または両方を変化させることによって調整され得る。本明細書に記載されるような衝撃熱処理は、200〜350℃、200〜325℃、200〜320℃、200〜310℃、200〜270℃、250〜350℃、250〜325℃、250〜320℃、250〜310℃、または250〜270℃の例示的な温度を用いる。例えば、衝撃熱処理は、250℃、255℃、260℃、265℃、270℃、275℃、280℃、285℃、290℃、295℃、300℃、305℃、310℃、315℃、320℃、または325℃で実施されてもよい。衝撃熱処理の温度を変化させることによって、結果として生じるアルミニウム合金もしくはアルミニウム合金物品の降伏強度などの機械特性、および/またはこれらの機械特性が達成される速度を調節することができる。例えば、衝撃熱処理の温度を好適な範囲内で上げることは、速度が速いほど降伏強度が増大することを特徴とする、アルミニウム合金のより速い硬化につながり得る。したがって、アルミニウム合金の降伏強度の有益な増大は、より短い時間で達成され得る。より高い浸漬温度を用いて、衝撃熱処理中の降伏強度増大のより望ましい動力学を達成することができる。同時に、衝撃熱処理の上昇した温度が、より低いピーク降伏強度をもたらし得、それは衝撃熱処理温度を選択するときに考慮されるべきである。下により詳細に論じられるように、異なる衝撃熱処理温度で実施される2つ以上の熱処理ステップの組み合わせを用いることは、アルミニウム合金またはアルミニウム合金から作製された物品の好適な機械特性を達成するための1つのアプローチである。衝撃熱処理ステップのうちの1つ以上の温度(複数可)の選択はまた、衝撃熱処理前のアルミニウム合金の性質、例えば、その組成、および処理(調質度を特徴とし得る)による。
一例に従う衝撃熱処理は、10〜200℃/秒、例えば、10〜100℃/秒、10〜50℃/秒、10〜20℃/秒の加熱速度を用いる。加熱速度は、アルミニウム合金物品を加熱するための適切な加熱プロセスまたはシステムを選択することによって達成され得る。一般的に、衝撃熱処理で用いられる加熱プロセスまたはシステムは、上に指定した加熱速度を達成するために十分なエネルギーを送達すべきである。例えば、熱伝導加熱用のデバイスおよびプロセスを使用して、開示された衝撃熱処理に好適な高速加熱速度を達成することができる。そのようなプロセスの一例は、相補形状の加熱器具によるアルミニウム合金の接触加熱である。例えば、衝撃熱処理では、アルミニウム合金物品は、図1に図示されるように、アルミニウム合金物品を、相補形状を有するプレスの1つ以上の加熱ダイに適用することによって処理され得る。図1は、アルミニウムシートをスタンピングおよび熱処理するプロセスの概略図である。図1は、2つの上部ダイ110および2つの底部ダイ120を有するスタンピングプレス100、ならびに上部ダイ110と底部ダイ120との間の圧迫によって形成される成形物品130を示す。図1は、加熱された上部ダイ210および加熱された底部ダイ220を有する加熱プレス200に置かれたスタンピングプレス100によって形成される成形物品130をさらに示す。加熱された上部ダイ210および底部ダイ220は、ダイ210、220が成形物品130の形状を変化させることなく成形物品130の表面に接触するように成形される。より一般的には、接触加熱は、加熱された物体、物質、またはボディとの任意の接触によって行われ得る。加熱された器具の適用は一例である。接触加熱プロセスの別の例は、アルミニウム合金物品を加熱された液体の中に浸漬すること(「加熱浴」)を伴い得る浸漬加熱である。衝撃熱処理はまた、非接触加熱プロセスによって、例えば、放射能加熱によって行われ得る。用いられ得る加熱プロセスのいくつかの非限定的な例は、熱風加熱、接触加熱、誘導による加熱、抵抗加熱、赤外放射加熱、およびガスバーナーによる加熱である。例えば、物品の部分(複数可)の局所加熱を達成するために、好適なサイズおよび形状の接触加熱器具(複数可)が、アルミニウム合金物品の部分(複数可)に適用され得る。他の例において、加熱されたプレスのダイなどの接触加熱器具が、物品全体に適用されてもよく、または物品全体の加熱を達成するために加熱浴が用いられてもよい。もう1つの例において、衝撃熱処理は、先にスタンピングされたアルミニウム物品の形成された部分にのみ実施され、フランジの曲げ/縁曲げ能力を維持するために、フランジ領域には実施されなくてもよい。したがって、調整された衝撃熱処理において、加熱システムおよびプロトコルのデザインおよび最適化が、熱流を管理するため、および/または処理された物品の所望の特性を達成するために使用され得る。
アルミニウム合金物品の衝撃熱処理は、アルミニウム合金の機械的性質のうちの1つ以上に影響を与える。開示された衝撃熱処理によって改善されるアルミニウム合金の機械特性は、降伏強度、最大引張強度、および/または伸長性など、1つ以上の強度特性であり得る。いくつかの例において、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金の強度は、1つ以上の衝撃熱処理ステップによって増大される。例えば、0.2%オフセット降伏強度(Rp0.2)として測定されたアルミニウム合金試料の降伏強度は、少なくとも30〜50MPa、例えば、30〜150MPa、または30〜85MPa増大され得る。アルミニウム合金の異なる機械的性質には、異なるやり方で影響を与えてもよい。例えば、特定の条件下での衝撃熱処理は、より長い期間にわたって実施される熱処理プロセスによって達成されるものに匹敵するアルミニウム合金のRp0.2において改善を達成し得るが、これらの条件下で達成される最大引張強度(R)および/または伸長性は、より長い熱処理プロセスによって達成されるよりも低い場合がある。別の例において、衝撃熱処理がスタンピング後のアルミニウム物品に対して実施される場合、ひずみ硬化および焼付硬化の組み合わせた効果が達成され得る。用いられる温度(複数可)の選択および衝撃熱処理ステップの数などの衝撃熱処理条件は、それらが特定の用途に好適なアルミニウム合金の機械的性質をもたらすように選択される。例えば、自動車パネル製造に用いられる衝撃熱処理条件は、結果として生じる自動車パネルが好適なクラッシュ特性を持つように選択される。
いくつかの例において、2つ以上の衝撃熱処理ステップが用いられる。2つ以上の異なる温度で、異なる期間にわたって、および/または異なる加熱速度で実施される2つ以上の衝撃熱処理ステップを、アルミニウム合金の所望の強度特性を達成するために用いることができる。例えば、2つ以上の異なる温度で、異なる期間にわたって、および/または異なる加熱速度で実施される2つ、3つ、4つ、または5つの衝撃熱処理ステップが用いられてもよい。温度、加熱速度、および/または持続時間などの衝撃熱処理条件の選択は、衝撃熱処理に供されるアルミニウム合金、またはそのような合金から作製される物品の降伏強度などの性質に影響を与え得る。例えば、250〜350℃で(異なる衝撃熱処理ステップは異なる温度で実施され得る)各5秒間にわたってアルミニウム合金部品に対して実施される2〜5つの衝撃熱処理ステップを組み合わせることは、10〜25秒の累積衝撃熱処理時間をもたらし、アルミニウム合金の特徴によって30〜150MPaの降伏強度の増大を達成する。
本明細書の他の場所で論じられるように、衝撃熱処理温度が高いほど降伏強度の増大は速くなり、故に、より短い衝撃熱処理時間を可能にするが、衝撃熱処理に供されるアルミニウム合金の最大降伏強度はより低くなる場合がある。したがって、アルミニウム合金性質の望ましい組み合わせは、衝撃熱処理条件を操作すること、および/またはショット熱処理ステップを組み合わせることによって達成することができる。例えば、より高い温度で実施される1つ以上の衝撃熱処理ステップとより低い温度で実施される1つ以上の熱処理ステップとを組み合わせるプロセスは、温度のうちの1つのみで衝撃熱処理を用いるプロセスより短い時間でより高い降伏強度を達成する合金をもたらすことができる。
いくつかの例において、第1の衝撃熱処理ステップは、第2の衝撃熱処理ステップより高い温度で実施される。例えば、第1のステップは300℃で実施され得る一方、第2の熱処理ステップは250℃で実施され得る。別の例において、スタンピングされたアルミニウム合金物品の異なる部分は、例えば、異なる温度の接触加熱器具を用いて、異なる局所的衝撃熱処理条件に供されて、アルミニウム合金物品の異なる部分において異なる強度的性質を得ることができる。さらには、下により詳細に論じられるように、1つの長い衝撃熱処理ステップよりも、短い持続時間の複数の衝撃熱処理ステップの組み合わせが、アルミニウム合金物品の生産のためのラインおよびプロセスへの衝撃熱処理プロセスのより効率的な統合のために用いられてもよい。異なる衝撃熱処理ステップは、同じまたは異なる加熱方法によって、同じもしくは異なる加熱温度で、および/または同じもしくは異なる持続時間にわたって実施され得る。例えば、器具を加熱することによる接触加熱と加熱浴処理との組み合わせを用いることができる。2つ以上の熱処理ステップを用いる場合、これらのステップは、同時に用いられ得るか(例えば、物品の異なる部分の局所的衝撃熱処理が用いられるとき)、連続的に用いられ得るか、または時間が重複し得る。
アルミニウム合金およびアルミニウム合金物品
本明細書に開示されるような衝撃熱処理は、任意の析出硬化アルミニウム合金(例えば、Al、Mg、Si、および、任意にCuを含有し、かつ時効硬化応答性を呈することができるアルミニウム合金)で実行することができる。開示された衝撃熱処理に供され得るアルミニウム合金は、2xxx、6xxx、および7xxxシリーズ合金などの時効硬化性アルミニウム合金を含む。衝撃熱処理に供され得る例示的なアルミニウム合金は、アルミニウム以外に以下の成分を含んでもよい:0.4〜1.5重量%のSi、0.3〜1.5重量%のMg、0〜1.5重量%のCu、0〜0.40重量%のMn、0〜0.30重量%のCr、および最大0.15重量%の不純物。合金は、合金が析出硬化合金である限りは、代替または追加の成分を含んでもよい。
アルミニウム合金の組成は、衝撃熱処理に対するその反応に影響を与え得る。例えば、熱処理後の降伏強度の増大は、合金中に存在するMgまたはCu−Si−Mg析出物の量によって影響を受ける場合がある。本明細書に開示される衝撃熱処理において好適なアルミニウム合金は、非熱処理状態(例えば、T4調質度)で提供され得るか、または部分的に熱処理された状態(例えば、T61調質度)で提供され得、それらの強度を増大させるために開示されたプロセスに従ってさらに熱処理され得る。合金は、予備時効されていても、予備時効されていなくてもよい。いくつかの例において、衝撃熱処理に供される熱処理可能な時効硬化性アルミニウム合金は、延性T4状態のアルミニウムシートとして、またはそのようなシートから形成された物品として提供される。T4と呼ばれる状態または調質度は、中間のバッチ焼鈍および予備時効なしに生産されるアルミニウム合金を指す。本明細書に開示されるような衝撃熱処理ステップに供されるアルミニウム合金は、T4調質度で提供される必要はない。例えば、アルミニウム合金がスタンピング後に人工時効される材料として提供される場合、それはT8調質度にある。また、アルミニウム合金がスタンピング前に人工時効される材料として提供される場合、それはT9調質度にある。そのようなアルミニウム合金材料は、本明細書に開示されるプロセスに従う衝撃熱処理に供され得る。衝撃熱処理後、アルミニウム合金シートまたはそのようなシートから製造された物品は、T6調質度、または部分的にT6調質度(T61調質度)にあり、そのような調質度に関連した強度特性において改善を示す。上記のように、「T6調質度」という表示は、アルミニウム合金がピーク強度まで溶解熱処理および人工時効されていることを意味する。いくつかの他の例において、衝撃熱処理に供される物品は、最初は部分的に熱処理された状態(T61調質度)で提供され、衝撃熱処理後にはT61またはT6調質度にある。物品が衝撃熱処理前後にT61調質度にある場合など、アルミニウム合金物品の調質度表示が衝撃熱処理後に変化しないとしても、衝撃熱処理は、例えば、アルミニウム合金の降伏強度を増大させるなど、依然としてアルミニウム合金の性質を変化させる。
本明細書に開示される方法に従う衝撃熱処理に好適なアルミニウム合金物品は、アルミニウム合金シートから形成または成形されるアルミニウム合金物品を含む。アルミニウム合金シートは、アルミニウム合金インゴットまたは薄板から生産された圧延アルミニウムシートであり得る。アルミニウム合金物品が生産されるアルミニウム合金シートは、T4またはT61調質度などの好適な調質度で提供される。形成されたまたは成形されたアルミニウム合金物品は、二次元または三次元的に成形されたアルミニウム合金物品を含む。形成または成形されたアルミニウム合金物品の一例は、さらなる成形なしにアルミニウム合金シートから切り抜かれた平たい物品である。形成または成形されたアルミニウム合金物品の別の例は、曲げ、スタンピング、プレス加工、プレス成形、または伸延などの1つ以上の三次元的成形ステップを伴うプロセスによって生産される非平面のアルミニウム合金物品である。そのような非平面アルミニウム合金物品は、「スタンピングされた」、「プレス加工された」、「プレス成形された」、「伸延された」、「三次元的に成形された」、または他の同様の用語で呼ばれ得る。アルミニウム合金物品は、形成前もしくは形成中に追加の熱が物品に適用されないことを意味する「冷間成形」プロセス、または、形成前もしくは形成中に物品が加熱されるか、形成が高温で実施される「温間成形」プロセスによって形成され得る。例えば、温間成形されたアルミニウム合金物品は、150〜250℃、250〜350℃、または350〜500℃に加熱されるか、またはそれらの温度で形成され得る。
本明細書に記載されるプロセスによって提供または生産されるアルミニウム合金物品は、本発明の範囲内に含まれる。「アルミニウム合金物品」という用語は、衝撃熱処理前に提供される物品を指すことができ、当該物品は、衝撃熱処理によって処理されるか、またはそれに供され、また、この用語は、塗装またはコーティングされた物品を含む衝撃熱処理後の物品も指す。衝撃熱処理は、自動車製造などの自動車両業において有利に用いられ得るため、アルミニウム合金物品およびそれらの製造プロセスは、自動車ボディパネルなどの自動車部品を含む。本開示の範囲に入る自動車両部品のいくつかの例は、フロアパネル、後壁部、ロッカー、モータフード、フェンダー、ルーフ、ドアパネル、Bピラー、ロンジロン、ボディ側面、ロッカー、およびクラッシュ部材である。「自動車両」という用語および関連用語は、自動車に限定されず、自動車、車、バス、オートバイ、不斉地用自動車、軽トラック、トラック、および貨物自動車などの様々な車両等級を含むが、これらに限定されない。アルミニウム合金物品は、自動車両部品に限定されず、本明細書に記載されるプロセスに従って製造される他の種類のアルミニウム物品が想定され、含まれる。例えば、衝撃熱処理プロセスは、飛行機、船および他の水上車両、武器、器具、電子デバイスの本体など、機械的デバイスもしくは他のデバイスまたは機械の様々な部品の製造に有利に用いることができる。
本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、複数の部品からなるか、または複数の部品から組み立てられ得る。例えば、2つ以上の部品から組み立てられる自動車両部品(内部および外部パネルを含む自動車フード、内部および外部パネルを含む自動車ドア、または複数パネルを含む少なくとも部分的に組み立てられた自動車ボディ)が含まれる。さらには、複数の部品からなる、または複数の部品から組み立てられるそのようなアルミニウム合金物品は、それらが組み立てられた後、または部分的に組み立てられた後の、本明細書に開示される方法に従う衝撃熱処理に好適であり得る。また、いくつかの場合において、アルミニウム合金物品は、他の金属もしくは金属合金(例えば、鋼またはチタン合金)を含む、またはそれから製造される非アルミニウム部分または区分を含有し得る。
プロセスおよびシステム
アルミニウム合金物品を生産するプロセスは、本明細書内で論じられるステップのうちの1つ以上を含むことができる。アルミニウム合金物品は、アルミニウム合金シートから生産される。いくつかの場合において、アルミニウム合金シートは、例えば、それをアルミニウム合金物品の前身、またはスタンピングのための前身を意味する「スタンピングブランク」などの「ブランク」と呼ばれる形態に切断することによって区分され得る。したがって、開示されたプロセスは、アルミニウム合金物品の前身またはブランクを生産するステップ(複数可)を含んでもよい。このブランクは、次いで、好適なプロセスによって望ましい形状のアルミニウム物品に成形される。アルミニウム合金物品を生産するための成形プロセスの非限定的な例としては、切断、スタンピング、プレス加工、プレス成形、伸延、または二次元もしくは三次元形状を作ることができる他のプロセスが挙げられる。例えば、プロセスは、アルミニウムシートを、スタンピングプレスにおいてさらに成形される「スタンピングブランク」に切断するステップを含むことができる。プロセスは、スタンピングによってアルミニウム合金シートまたはブランクを成形するステップを含むことができる。一般的に説明されるスタンピングまたはプレス加工プロセスステップにおいて、ブランクは、相補形状の2つのダイの間でそれをプレス加工することによって成形される。
本明細書に開示されるプロセスは、衝撃熱処理の1つ以上のステップを含む。本プロセスは、スタンドアローンステップとして、または他のステップと組み合わせて、衝撃熱処理を含み得る。例えば、本プロセスは、アルミニウム合金物品を成形するステップと、衝撃熱処理の特性パラメータ(温度、加熱時間、および/または加熱速度)に従って成形アルミニウム合金物品を熱処理する1つ以上のステップとを含むことができる。本プロセスは、衝撃熱処理を、スタンピングされたアルミニウム物品(例えば、スタンピングされたアルミニウム合金自動車パネル)などのアルミニウム合金物品の生産の既存のプロセスおよびラインに組み込むことができ、それにより、そのプロセスおよび結果として生じる物品を能率的かつ経済的な様式で改善する。本プロセスを実施し、本明細書に記載される物品を生産するための装置およびシステムは、本発明の範囲内に含まれる。
一例は、一連のスタンピングプレス(「プレスライン」)において物品をスタンピングするいくつかの(2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上など、2つ以上の)ステップを含む、自動車両パネルなどのスタンピングされたアルミニウム合金物品を生産するためのプロセスである。スタンピングステップは、物品の追加加熱が実施されないことを意味する、いわゆる「冷間成形」ステップである。スタンピングブランクは、第1のスタンピングステップの前に提供される。本プロセスは、スタンピングステップのうちの1つ以上に対して異なるプロセス地点で実施される1つ以上の衝撃熱処理ステップを含む。衝撃熱処理ステップのうちの少なくとも1つは、第1のスタンピングステップ前に(即ち、プレスラインの入り口で)スタンピングブランクに対して実施され得る。この場合、T4調質度で提供され得るブランクは、上記衝撃熱処理ステップ後および第1のプレス加工ステップ前にT6またはT61調質度へと転換され得る。少なくとも1つの衝撃熱処理ステップは、最後のスタンピングステップ後に(即ち、プレスラインの最後に)実施されてもよい。この場合、スタンピングされた物品は、ラインの最後に衝撃熱処理ステップによって完全なT6調質度へと転換され得る。衝撃熱処理ステップは、第1または中間のプレス加工ステップのうちの1つ以上の後に含まれてもよい。例えば、プレス加工ラインが5つのスタンピングプレスおよび対応するスタンピングステップを含む場合、そのような中間の衝撃熱処理ステップは、第1、第2、第3、第4の中間スタンピングステップのうちの1つ以上の後に含まれてもよい。中間の衝撃熱処理ステップが含まれる場合、物品は、中間の衝撃熱処理ステップ前はT4またはT61調質度にあり得、中間の衝撃熱処理ステップ後はT61またはT6調質度にあり得る。衝撃熱処理ステップは、様々な組み合わせで生産プロセスに含まれ得る。例えば、中間の衝撃熱処理ステップのうちの1つ以上が用いられるとき、衝撃熱処理ステップはまた、上に論じられるように、プレスラインの最初または最後に含まれ得る。生産プロセスにおける衝撃熱処理ステップの特定の組み合わせおよび配置を決定するときには、様々な検討事項が考慮され得る。例えば、衝撃熱処理ステップ(複数可)がスタンピングステップ(複数可)の前に導入される場合、スタンピングによる形成がより難しくなる場合があるが、生産ラインの他の構成と比較して、結果として生じる物品はより高い強度特性を保持することが可能である。
衝撃熱処理ステップの持続時間および他のパラメータに関する決定、製造プロセスまたはシステムに含まれるべき衝撃熱処理ステップおよび対応するステーションの数および統合地点に関する決定は、様々な検討事項に基づいてなされる。例えば、先に論じられるように、アルミニウム合金の性質の望ましい組み合わせは、衝撃熱処理条件を操作することによって達成され得る。したがって、衝撃熱処理ステップの数およびそれらのパラメータに関する決定は、アルミニウム合金物品の所望の性質に少なくとも部分的に基づき得る。例えば、より長い衝撃熱処理時間は、自動車両パネルに望ましい場合のある、より優れた衝撃特性を達成するのにより好適であり得る。決定を行う際の別の検討事項は、製造(manufacturing)、製作(fabrication)、または生産プロセスへの衝撃熱処理ステップの効率的な統合である。例えば、比較的短い持続時間、例えば、5〜20秒または10〜20秒の衝撃熱処理ステップは、プレス加工ステップ間に実施される中間ステップとしてプレスラインの大きな中断なしに統合され得る。一方、より長い(例えば、30〜60秒以上)衝撃熱処理ステップは、プレスラインの最後に追加ステップとしてより効率的に統合され得る。生産サイクルの要望に基づいて、いくつかの場合においては、より短い持続時間の複数の衝撃熱処理ステップの方を選んで、中間ステップとしてそれらを統合するという決定がなされ得る。先に論じられるように、本プロセスに統合される衝撃加熱ステップは、同じまたは異なる温度で、異なる持続時間にわたって実施され得る。例えば、異なる温度での熱処理のための2つまたは3つの衝撃熱処理ステップまたはステーションが、自動車両パネルの生産ラインに統合され得る。一例において、それぞれ275℃および300℃で、各5秒間にわたって衝撃熱処理を実施する2つの熱処理ステーションが、自動車両パネルの生産ラインに含まれる。
衝撃熱処理は、別個の専用設備(システム、ステーション、機械、または装置)で実施され得る。衝撃熱処理のための設備を組み込む、アルミニウム合金物品を生産または製造するためのシステムも開示される。1つの例示的なシステムは、上に論じられる様々な例にあるような、衝撃熱処理ステーションまたはシステムをライン内の様々な地点に組み込む、アルミニウム合金パネルなどのスタンピングされたアルミニウム合金物品を生産するためのプレスラインである。
衝撃熱処理は、組み立てられた、または部分的に組み立てられた物品または部品に対して実施され得る。例えば、衝撃熱処理は、フードまたはドアなどの自動車両部品に対して、それらが組み立てられた後に実施され得る。別の例において、局所的または部分的衝撃熱処理が、完全または部分的に組み立てられた自動車両ボディに対して、例えば、ボディの部分(複数可)への接触加熱器具の適用によって実施され得る。図示のため、塗装焼付サイクル中に十分に高い温度に達しない、組み立てられた、または部分的に組み立てられた自動車両ボディの部分は、それらの強度を改善するために塗装焼付サイクルの前または後に局所的衝撃熱処理に供され得る。そのような状況において、衝撃熱処理ステップおよび対応するステーションは、自動車両部品またはボディの組立て中または組立て後の何らかの地点で生産ラインに統合され得る。衝撃熱処理を統合するための組立てラインにおける地点の選択は、様々な検討事項によって制御され得る。例えば、衝撃熱処理は、組立て中にボディ部品の最良のリベット締め能力を維持するために、自動車両ボディの組立て後に実施され得る。別の例では、衝撃熱処理ステップは、衝撃熱処理前にボディ部品のリベット締めまたは結合能力を維持するというそのような非限定的検討事項によって制御される地点など、自動車両ボディの組立ての任意のステージの間に含まれ得る。
本明細書に開示されるようなアルミニウム物品を生産または製造するプロセスは、アルミニウム合金物品を好適な塗料またはコーティングでコーティングまたは塗装するステップを含むことができる。通常、成形されかつ衝撃熱処理されたアルミニウム合金物品は、続いて塗装される。例えば、アルミニウム合金物品が、自動車または他の自動車両パネルとして使用されるとき、組立て後の自動車両のボディは、典型的には、腐食防止および美観のためにコーティングおよび/または塗装される。塗料および/またはコーティングは、噴霧または浸漬によって適用され得る。適用後、塗料および/またはコーティングは、典型的には、「焼付」と一般的に呼ばれるプロセスにおいて処理される。本明細書に開示されるプロセスは、「塗装焼付(paint baking)」「塗装焼付(paint bake)」、「塗装焼付サイクル」、または他の関連用語で呼ばれ得る塗料焼付ステップを含み得る。塗装焼付は、典型的には、160〜200℃で最大1時間の期間、例えば、20〜30分間の熱処理を伴う。アルミニウム合金物品は、塗装焼付サイクル、または塗装またはコーティングをされることなく匹敵する熱処理サイクルを経ることができる。例えば、塗装無しおよび/またはコーティング無しの自動車パネルが、組み立てられた自動車両ボディの一部として装焼付サイクルに供され得る。本明細書の別の場所で論じられるように、塗装焼付サイクルは、物品が製造されるアルミニウム合金の時効に影響を与え得、それ故に、その機械的性質、例えば強度に影響を与え得る。したがって、塗装焼付サイクルまたは同様の熱処理ステップが、本明細書に記載されるプロセスにおいて追加の熱処理ステップとして用いられてもよく、プロセスが、衝撃熱処理ステップに加えて塗装焼付または同様の熱処理ステップを含み得ることを意味する。
利点
本明細書に記載されるプロセスは、とりわけ、自動車両アルミニウム合金パネルの製造に好適であり、自動車両生産サイクルにおけるPFHTに取って代わることができる。衝撃熱処理は、PFHTよりも著しく短く、既存の自動車両生産プロセスおよび生産ラインに容易に組み込むことができる。衝撃熱処理は、一般的に、スタンピングまたはプレス加工されたアルミニウム合金物品などの様々なアルミニウム合金物品の熱処理に、それらの強度を増大させるために適用可能であり得る。衝撃熱処理は、有利には、アルミニウム合金物品の強度を増大させるために、アルミニウム合金物品の生産中に用いられる従来の熱処理ステップに取って代わり得るか、または従来の熱処理ステップに加えて使用され得る。PFHTなどの従来の熱処理ステップを本明細書に開示されるような衝撃熱処理プロセスと置き換えることの利点は、衝撃熱処理プロセスが、より短い熱処理時間に起因するエネルギー効率、かかる時間が少ない、および/または既存の生産プロセスに容易に組み込まれる、例えば、既存のプレスラインにプレスラインの生産速度で組み込まれる、のうちの1つ以上であり得る。そのような統合の利点は、次いでプレスラインが、自動車両パネルなどのスタンピングまたはプレス加工されたアルミニウム合金物品を、T6またはT61調質度で生産でき、それによりプレスライン後に次のプロセスステップに入ることができるということである。本明細書に開示される衝撃熱処理のプロセスはまた、カスタマイズ性に優れており、生産プロセスの改善された柔軟性をもたらす。例えば、衝撃熱処理ステップは、要望に基づいて、生産される物品の所望の特性を生み出すために、自動車両生産サイクルに容易かつ効率的に統合され得る。
本明細書に記載されるプロセスは、衝撃熱処理に供されるアルミニウム合金物品の強度を増大させる。次いで、増大された強度が、自動車パネルなどのアルミニウム物品の厚さを減少させること(ダウンゲージング(down gauging))を可能にし、このようにしてそれらの重量および材料費を減少させ得る。さらには、開示された衝撃熱処理によって達成されるアルミニウム合金の増大された強度特性は、自動車両業、特に自動車業などの様々な産業におけるアルミニウム合金の使用を広げることができる。
以下の実施例は、本発明のいかなる制限となることもなく、同時に、本発明をさらに図示する役割を果たす。むしろ、本明細書内の説明を読んだ後、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者に提案され得る本発明の様々な実施形態、変形形態、および等価物の手段と取られ得る。
以下の実施例において、アルミニウム合金AA6451のシート、および実験用合金組成物(本明細書では「合金A」と呼ばれる)のシートを、T4調質度、スタンピング後条件を模倣するために2%予ひずみを受けたT4調質度で生産した。合金Aは、0.95〜1.05重量%のSi、0.14〜0.25重量%のFe、0.046〜0.1重量%のMn、0.95〜1.05重量%のMg、0.130〜0.170重量%のCr、0〜0.034重量%のNi、0〜0.1重量%のZn、および0.012〜0.028のTi、残部Al、および不純物の組成を有した。試料を、塩浴手続きおよび/またはホットプレスもしくは加硫プレス手続きによって熱処理した。塩浴手続きでは、アルカリ性硝酸塩の融解塩混合物を含有する塩浴炉内に安定した温度で浸漬することによって試料を加熱した。以下の実施例において、ホットプレス手順では、Collin(登録商標)プレスを使用した。プレスを安定した温度まで加熱し、試料をプレスのプレート間に配置して、圧力を印加した。この圧力が、試料の超高速加熱を確実にした。
実施例1
熱処理法の比較
以下の実施例のいくつかで使用される塩浴およびホットプレス加熱法を比較するために、AA6451の試料を塩浴手続きおよびホットプレス手続きによって加熱した。塩浴およびホットプレスにおいてそれぞれ200℃、250℃、および300℃でのデータを収集した。両方の熱処理手続きは、図2に図示されるように、試料の高速加熱を確実にした。図2の実線は、塩浴手続きによって加熱された試料の温度を示し、点線は、ホットプレス手続きによって加熱された試料の温度を示す。目標熱処理温度を達成するのに必要とされる時間は、図2に図示されるように、塩浴手続きの場合はおよそ15秒、スタンピング手続きの場合はおよそ5秒であった。
塩浴およびホットプレス手続きは、合金試料の同等の硬化を提供した。図3に図示されるように、各処理プロセスについて250℃、275℃、および300℃の温度での硬化プロセスを監視するために、試料の0.2%オフセット降伏強度(Rp0.2)を測定した。x軸は、合金が指定の温度に保持される時間を表す。指定の温度までの加熱時間は含まれないが、それは、塩浴浸漬の場合は15秒、およびホットプレスの場合は5秒のように、図2に表されるデータから推測することができる。図3は、塩浴およびホットプレス手続きを使用してほぼ同じ合金硬化が予測されることを示す。したがって、以下の実施例において、1つの手続きのみが各温度で使用されるが、その結果は、一般的には使用される加熱法とは無関係であるその温度での加熱の例である。
実施例2
様々な温度で達成される降伏強度
AA6451の試料および合金Aの試料を200〜350℃の熱処理温度範囲内の様々な温度で熱処理に供し、2%オフセット降伏強度、Rp2.0を測定することによって、ピーク降伏強度を様々な温度で決定した。図4および5は、両方の合金AA6451および合金Aに関して、温度が高いほどより速くピークRp0.2に達したが、200℃から350℃への熱処理温度の上昇が、合金AA6451および合金AのピークRp0.2の減少を引き起こしたことを示す。300℃超の温度の場合は塩浴浸漬によって、300℃以下の温度の場合はCollin(登録商標)プレス内で、合金試料を熱処理に供した。異なる温度での加熱手続きの違いは、利用可能な設備の制約の結果であり、実施例1が同様の硬化が2つの加熱法によって達成されることを示したように、結果に影響を与えるものではない。図4および5において、x軸は、合金が指定の温度に保持される時間を表し、加熱時間は含まない。
図4Aは、様々な温度で熱処理に供されるT4調質度の合金AA6451の実験結果を図示する。パネルA内の水平の点線は、180℃で10時間の熱処理後にT6調質度の同じ合金試料において達成されたRp0.2を示す参照線である。
図4Bは、様々な温度で熱処理に供される2%予ひずみを受けたT4調質度の合金AA6451の実験結果を図示する。パネルB内の水平の点線は、合金をT8X調質度にするために185℃で20分間の熱処理後に同じ予ひずみを受けたT4合金試料において達成されたRp0.2を示す参照線である。図4Bに示されるように、2%予ひずみを受けたT4調質度のAA6451試料については、275℃で約1分間(プレスの合計時間)の熱処理が、約240MPaのRp0.2をもたらしたが、それは、同じ合金に対するシミュレートされた焼付硬化プロセス(185℃で20分間の加熱)中に典型的に達成されるRp0.2に近い。このようにして衝撃T6プロセスを使用することにより、標準の塗装焼付を受けることのない、この合金から形成される一部分、例えば、塗装焼付中に外側部分によって遮断される内側部分が、この合金からの塗装焼付された部分と同じ強度に達することが可能である。
図5Aは、様々な温度で熱処理に供されるT4調質度の合金Aの実験結果を図示する。パネルA内の水平の点線は、180℃で10時間の熱処理後にT6調質度の同じ合金試料において達成されたRp0.2を示す参照線である。
図5Bは、様々な温度で熱処理に供される2%予ひずみを受けたT4調質度の合金Aの実験結果を図示する。パネルB内の水平の点線は、合金をT8X調質度にするために185℃で20分間の熱処理後に同じ予ひずみを受けたT4合金試料において達成されたRp0.2を示す参照線である。図5Bに示されるように、2%予ひずみを受けたT4調質度の合金A試料については、300℃で10〜15秒間(プレスの合計時間)の熱処理が、300MPaのRp0.2をもたらしたが、それは、同じ合金に対するシミュレートされた焼付硬化プロセス(185℃で20分間の加熱)中に典型的に達成されるRp0.2に近い。このようにして衝撃T6プロセスを使用することにより、標準の塗装焼付を受けることの内、この合金から形成される一部分、例えば、塗装焼付中に外側部分によって遮断される内側部分が、この合金からの塗装焼付された部分と同じ強度に達することが可能である。
熱処理条件の試験中に達成されたRp0.2増大の一部を表1に示す。
Figure 0006802187
実施例3
アルミニウム合金試料の組み合わせ熱処理
AA6451および合金Aのシートの試料を、Collin(登録商標)プレス熱処理手続き(300℃で10または30秒)および塩浴手続き(250℃で様々な時間)に続いて空冷を含んだ2ステップ熱処理プロセスに供した。例示的な2ステップの処理プロセスは図6に図示され、それは、300℃で30秒間のCollin(登録商標)プレスによる熱処理、塩浴への移送、および250℃で20秒間の塩浴による熱処理を含む、AA6451の試料を加熱するプロセスのための時間の関数としての合金シート温度のグラフである。
AA6451の試料および合金Aの試料を様々な1ステップまたは2ステップの熱処理に供した。合金の試料を、250℃の塩浴における1ステップの熱処理、300℃で10秒間のCollin(登録商標)プレス処理およびそれに続く250℃の塩浴処理を含む2ステップの熱処理、300℃で10秒間もしくは30秒間のいずれかのCollin(登録商標)プレス処理およびそれに続く250℃の塩浴処理を含む2ステップの熱処理、または300℃のCollin(登録商標)プレスにおける1ステップの熱処理で加熱した。x軸は、合金試料が各温度に保持される時間を表し、加熱時間は含まない。図7に示されるように、AA6451および合金Aの両方において、300℃での1ステッププロセスよりも高いRp0.2値が、両方の2ステッププロセスによって達成された。Rp0.2は、2ステッププロセスの最初の加熱ステップ(300℃)中の方がはるかに速く増大し、300℃での1ステッププロセスは、205℃での1ステッププロセスにおける同じ期間中よりもはるかに速く増大した。しかしながら、Rp0.2は、300℃での1ステップ手続き中に同じ期間にわたって増大したときよりも、両方の2ステッププロセス中の250℃での第2の加熱ステップへ切り替えた後の方がはるかに速く増大した。
実施例4
衝撃熱処理された合金のクラッシュ試験
本明細書に開示される方法で処理された合金試料のクラッシュ性(crashability)を同じ合金の非熱処理(即ちT4調質度)試料と比較した。この合金試料は、Si1.0重量%、Fe0.2重量%、Cu1.0重量%、Mg1.0重量%、Mn0.08重量%、Cr0.14重量%、最大0.15重量%の不純物で残りがアルミニウムの組成を有し、本明細書では「合金B」と呼ばれる。
合金Bのシート(2mm厚)を、500℃の炉内で90秒間(シートを500℃に上昇させるまでの時間は含まない)加熱して、シートを「衝撃T6」調質度にした。次いで、このシートを折り曲げてボルトで締め合わせ、クラッシュチューブを形成した。第2のクラッシュチューブを、T4調質度の合金Bのシート(2mm厚)から形成した。このチューブを準静的3点曲げ設定で試験した(水平クラッシュ試験)。
図8は水平クラッシュ試験後のクラッシュ試験チューブの図を示す。図8Aおよび8Bは、衝撃T6合金Bを示す。図8Cおよび8Dは、T4合金Bを示す。図8に示されるように、両方のチューブが試験に合格した。図9は、水平クラッシュ試験のパンチ変位(mm)の関数としての適用されたパンチ力(kN)および変形エネルギー(kJ)を図示する。図9Aは、衝撃T6調質度の合金Bの変位の関数としての力および変形エネルギーのグラフであり、図9Bは、T4調質度の合金Bの変位の関数としての力および変形エネルギーのグラフである。図9に示されるように、衝撃T6調質度合金は、T4調質度合金よりも26%多くのエネルギーを吸収した(1.9kJと比較して2.4kJ)。
これらの試験は、本明細書に開示される方法で処理された材料が良好なクラッシュ性を有することを示す。本明細書に開示される方法で処理された材料は、T4材料と比較してクラッシュ中により多くのエネルギーを吸収するが、標準的なT6材料ほど多くはない。
本明細書に開示される方法で処理されたアルミニウム合金試料および標準的な熱処理で処理された同じ合金の試料のクラッシュ性も比較した。この合金は、Si0.91重量%、Fe0.21重量%、Cu0.08重量%、Mg0.14重量%、Mn0.68重量%、Cr0.04重量%、最大0.15重量%の不純物で残りがアルミニウムの組成を有し、本明細書では「合金C」と呼ばれる。
T4調質度の合金Cのシート(2.5mm厚)を、275℃の塩浴内で1分間(シートを275℃に上昇させるための25秒は含まない)の衝撃熱処理によって加熱して、シートを「衝撃T6」調質度にした。次いで、このシートを折り曲げてボルトで締め合わせ、クラッシュチューブを形成した。第2のクラッシュチューブを、T4調質度の合金Cのシート(2.5mm厚)から形成した。形成後、このチューブを180℃で25分間加熱して、チューブをISO2107によって規定されるようなT62調質度にした。T62チューブに衝撃T6チューブと同じRp0.2、即ち約200MPaを与えるように追加の加熱条件を選択した。このチューブを、プレス内で一定の準静的速度で垂直圧力下で試験した(垂直クラッシュ試験)。
図10は、垂直クラッシュ試験後のクラッシュ試験チューブの図を示す。図10Aおよび10Cは、試験後のクラッシュチューブの側面を示し、図10Bおよび10Dは、試験後のクラッシュチューブの底面を示す。図10Aおよび10Bは、試験後の衝撃T6合金Cチューブを示す。図10Cおよび10Dは、試験後のT62合金Cチューブを示す。衝撃T6のクラッシュチューブは、垂直クラッシュ試験において、クラッシュ時に断裂または亀裂なく折れ曲がることに成功したが、対照クラッシュチューブは、図10Cで特定される領域410においていくつかの表面亀裂を呈した。負荷およびエネルギーを合金材料の変位の関数として測定した。図11は、衝撃T6材料およびT62材料の変位の関数としての負荷およびエネルギーのグラフであり、衝撃T6チューブの方が、クラッシュ試験中に吸収したエネルギーが少ないことを図示している。
従来の熱処理と比較すると、衝撃熱処理は、ISO6892−1によって測定される極限引張強度は低いが、同様のRp0.2についてISO7438(一般的な曲げ標準)およびVDA238−100によって測定される曲げ性能はわずかに優れた合金をもたらした。図12は、VDA238−100に従って実施される曲げ性能試験の図式である。表4は、試験の結果をまとめたものである。
Figure 0006802187
実施例5
熱風を使用した衝撃熱処理
熱風での衝撃熱処理は、ホットプレスでの衝撃熱処理と同様の硬化を提供することができる。合金Aの試料を、250℃、275℃、もしくは300℃に加熱されたCollin(登録商標)プレスを使用して、または350℃、400℃、もしくは500℃の熱風を使用して加熱した。
図13は、異なる加熱法を使用して加熱された試料の時間の関数としてのRp0.2の増大を示すグラフである。Rp0.2は、ホットプレス法の方が速く増大したが、熱風法を使用してもわずか約120秒で同様の最大Rp0.2に達した。
実施例6
予備時効材料vs非予備時効材料の衝撃熱処理
T4調質度のAA6451の予備時効試料および非予備時効試料を、250℃および275℃のCollin(登録商標)プレス内で衝撃熱処理した。2%予ひずみを受けたT4調質度のAA6451の予備時効試料および非予備時効試料も、250℃および275℃のCollin(登録商標)プレス内で加熱した。図14は、試料の時効曲線を示す。図14Aは、T4材料の時間の関数としてのRp0.2(MPa)を示し、「PX」は予備時効を示し、図14Bは、T4かつ2%予ひずみ材料の時間の関数としてのRp0.2を示し、ここでも「PX」は予備時効を示す。衝撃熱処理後、250℃および275℃の両方で処理された予備時効されたT4のAA6451は、類似の非予備時効試料より高い強度を提供した。同様に、衝撃熱処理後、250℃および275℃の両方で処理された予備時効された2%予ひずみを受けたT4のAA6451は、類似の非予備時効試料より高い強度を提供した。
実施例7
自動車生産プロセスにおける衝撃熱処理の統合
衝撃熱処理ステップは、プレス加工された自動車パネルの製造のための生産ラインに統合され得る。衝撃熱処理ステップは、そのような処理が有利であり得る任意の地点で統合され得る。例えば、衝撃熱処理ステップは、プレス加工ステーションの後、一連のプレス加工ステーションにおけるプレス間の1つ以上の場所、および/または一連のプレス加工ステーションの最後のプレスの後に統合され得る。生産ラインの一例が、図15に概略的に示される。一連のプレスは、5つのプレス加工ステーションとして配備される。図15に図示される生産ラインは、パネルの最終形状を達成するために必要とされる最大5つのプレス加工ステーション(プレス)を含む。例示的なプロセス中、パネルをプレス加工ステーションに移送する必要性に起因して、プレス加工ステーション前、またはプレス加工ステーション間に待機期間が存在する。図15の矢印によって示されるように、1つ以上の衝撃熱処理ステップが、これらの待機期間中に実施されてもよい。時間の長さは、スタンピング速度に適合する。1つの場合において、衝撃熱処理ステップは、最後のプレス加工ステーションの後に接触加熱ステーションを追加することによって、生産サイクルに統合される。別の場合において、衝撃熱処理ステップは、プレス加工ステーション4と5の間に接触加熱ステーションを追加することによって、生産サイクルに統合される。もう1つの場合において、いくつかの衝撃熱処理ステップが、プレス加工ステーションのそれぞれの後、またはプレス加工ステーション間に接触加熱ステーションを追加することによって、生産サイクルに統合される。衝撃熱処理は、プレス加工ステーション間に統合された接触ステーションで5〜30秒間実施される。衝撃熱処理ステップが30秒超、例えば、30〜60秒を必要とする場合、そのようなステップは、最後のプレス加工ステーションの後に統合された接触加熱ステーションで追加される。生産ラインへの衝撃熱処理の統合は、生産コストを減少させる。
上に引用されるすべての特許、特許出願、刊行物、抜粋は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的の履行において説明されている。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示にすぎない。多数の修正形態およびその適用は、以下の請求項に規定されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者には容易に分かるものとする。

Claims (15)

  1. 時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金シートをプレス成形することにより成形アルミニウム合金物品を形成することと、
    前記成形アルミニウム合金物品の一部または全部を、250〜300℃の熱処理温度まで、10〜220℃/秒の加熱速度で加熱して熱処理することと、
    前記熱処理温度を60秒以下の期間にわたって維持することと、
    を含み、前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金が、前記熱処理前にT4調質度である、アルミニウム合金物品を調製するためのプロセス。
  2. 前記熱処理温度が5〜30秒間維持される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金が、2xxx、6xxx、または7xxxシリーズアルミニウム合金である、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金が、前記熱処理後にT6またはT61調質度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金の降伏強度が、前記熱処理後に30〜50MPa増大される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記熱処理が伝導加熱で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記熱処理が、相補形状の1つ以上の加熱ダイの適用により行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記熱処理が複数回行われ、各熱処理期間が同一または異なる、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記熱処理が複数回行われ、各熱処理温度が同一または異なる、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記熱処理が2回行われ、第2の熱処理温度が第1の熱処理温度より低い、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記成形アルミニウム合金物品が自動車車両パネルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 成形アルミニウム合金物品の一部または全部を、250〜300℃の熱処理温度まで、10〜220℃/秒の加熱速度で加熱して熱処理することと、
    前記熱処理温度を60秒以下の期間にわたって維持することと、を含み、
    前記成形アルミニウム合金物品の一部または全部が、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金を含み、前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金が、前記熱処理前にT4調質度であり、その降伏強度が前記熱処理後に30〜50MPa増大する、アルミニウム合金物品を調製するためのプロセス。
  13. 成形アルミニウム合金物品の一部または全部を、250〜300℃の熱処理温度まで、10〜220℃/秒の加熱速度で加熱して熱処理することと、
    前記熱処理温度を60秒以下の期間にわたって維持することと、を含み、
    前記成形アルミニウム合金物品の一部または全部が、時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金を含み、
    前記時効硬化性の熱処理可能なアルミニウム合金が、前記熱処理前にT4調質度であり、
    前記熱処理が、相補形状の1つ以上の加熱ダイの適用により行われる、アルミニウム合金物品を調製するためのプロセス。
  14. 前記熱処理が複数回行われ、各熱処理期間が同一または異なる、請求項12または13記載のアルミニウム合金物品を調製するためのプロセス。
  15. 前記熱処理が複数回行われ、各熱処理温度が同一または異なる、請求項12または13記載のアルミニウム合金物品を調製するためのプロセス。
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