JP6801320B2 - 艦船搭載レーダ装置 - Google Patents
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Description
一方、合成開口レーダ技術は、自分又は相手の運動を利用し、目標を画像化する技術である(例えば、特許文献1参照)。特に、相手の運動を利用した逆合成開口レーダ技術は、今まで航空機や人工衛星等に搭載されており、航空機から見える艦船を画像化することで、艦船の識別を可能にしている。
なお、以下では、特許文献1等に記載される合成開口レーダ技術を用いて目標を画像化する処理のことを、合成開口レーダ画像の再生処理ということとする。
合成開口レーダで得られる画像の分解能は、使用する周波数帯域幅に依存する。
艦船搭載レーダは1波の周波数帯域幅が狭いため、従来の艦船搭載レーダに合成開口レーダ技術を適用した場合は、十分な分解能を得ることができないという課題があった。
これにより、合成開口レーダによる目標画像の取得が可能となり、識別情報などの目標に関する有用な情報を取得できる。
従来の艦船搭載レーダ装置200は、動揺センサ1、レーダ制御機2、送信機3b、送受信切換器4、アンテナ5、受信機6b、信号処理機7bを備える。
レーダ制御機2は、動揺データ251に基づく動揺補正、タイミング生成、信号変調の機能を有し、アンテナ5から照射するビームの照射方向、照射タイミング等を算出し、送信機3bに出力する。
送信機3bは、位相同期回路(以下、PLL(=phase Locked loop)という)使用の送信信号発生、電力増幅の機能を有し、送信信号を発生させ電力増幅を行う。
アンテナ5は送受切替器4を経由して送信信号を受信し、アンテナ5から送信信号を送信する。
アンテナ5は目標からの反射波を受信し、送受切換器4を経由して反射波を受信機6bに出力する。
受信機6bは、信号増幅、周波数変換、A/D変換、位相検波、利得制御の機能を有し、反射波を増幅、周波数変換、A/D変換、位相検波、利得制御等を実施した受信信号を信号処理機7bに出力する。
信号処理機7bは、信号処理の機能を有し、受信した信号に信号処理を行い目標を検出する。
従来の艦船搭載レーダ装置200は、発信器を複数(#1〜#N)用意し、接続を切換えることで生成する信号の周波数を変えている。1波で送信できる周波数幅は1つの発信器が持つ周波数帯域幅に制限されるため、従来の艦船搭載レーダ装置200の送信周波数帯域幅は狭い帯域幅であった。
図1は、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100の構成を示した図である。
実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100は、動揺センサ1と、レーダ制御機2と、送信機3と、送受切換器4と、アンテナ5と、受信機6と、信号処理機7を備える。
ここで送信機3は、後述のようにシンセサイザ10を備える。
周波数帯域幅の広いシンセサイザ10を用いることにより合成開口レーダ技術による所望の分解能をもつ画像の取得を可能としている。
このように、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100では、従来の艦船搭載レーダ装置200と異なり、目標の画像を取得できる点を特徴とする。
図5は、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100と従来の艦船搭載レーダ装置200において使用可能な周波数帯域を比較した例である。
図6は、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100のレーダリソース配分の概念図である。
図7は、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100の動作を示すフローチャートである。
ビーム制御(S1):
艦船に搭載された(図示しない)航海支援装置に搭載される動揺センサ1は、艦船の揺れを周期的に検出し、動揺データ251として、レーダ制御機2と信号処理機7に出力する。
レーダ制御機2は、動揺データ251に基づく動揺補正、タイミング生成、信号変調の機能を有し、アンテナ5から照射するビームの照射方向、照射タイミング等を算出し、送信機3bに出力する。
送信機3は、送信信号発生、電力増幅の機能を有し、送信信号を発生させ電力増幅を行う。
ここで、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100では、信号生成にシンセサイザ10を用いる。
図2は、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100の信号作成の概念図であり、シンセサイザ10により信号を生成する。図4で説明した従来の艦船搭載レーダ装置200に搭載する各発信器が備えている周波数帯域のすべてを生成できるシンセサイザに変更することで、接続を切換えることなく、従来の艦船搭載レーダ装置200が備えていた周波数帯を送信することが可能となる。また、1波で送信できる周波数幅は、従来の艦船搭載レーダ装置200と比較して広げることができる。
図5で、例えば、従来の艦船搭載レーダは周波数の異なる発信器をn個備える場合、使用可能な周波数帯域は、周波数帯域f1、周波数帯域f2、・・・、周波数帯域fnである。このとき、使用可能な周波数帯域幅はF2となる。
一方、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置100で使用可能な周波数帯域は周波数帯域fxであり、このとき、使用可能な周波数帯域幅はF1である。
アンテナ5は送受切替器4を経由して送信機3から送信信号を受信し、アンテナ5から送信信号を送信する。この際、S1(ビーム制御)で算出した送信方向に送信する。
アンテナ5は、目標からの反射信号を受信する。受信機6は送受切換器4を経て反射信号を受信する。
信号処理機7は、受信信号の信号処理を行う。この時、信号処理において、対空監視と合成開口処理を行う。なお、このとき、信号処理機7は増加した送信帯域幅に合わせて、A/Dサンプリング周波数を高く設定する必要がある。
また、実施形態1に係る艦船搭載レーダ100の機能系統は、合成開口処理のため、動揺補償をする必要がある。そこで、実施の形態1では、図1に示すように、動揺センサ1は信号処理機7に対して動揺データ251を送信する。
図6で(a)は合成開口レーダ技術を備えない従来の艦船搭載レーダ装置200のレーダリソース配分例、(b)は合成開口レーダ技術用にレーダリソースを割り当てた場合のレーダリソース配分例、(c)は実施の形態1に係る艦船搭載レーダ装置のレーダリソース配分例である。
その結果、目標の捜索周期の長期化、捜索覆域の減少、追尾目標のロスト等の問題が発生する。
また、レーダリソースが目標の検定に割り当てられている場合、信号処理(S5)において、従来の検定処理を実行する。
そして、レーダリソースが目標の追尾割り当てられている場合、信号処理(S5)において、追尾ビームを用いて合成開口レーダによる処理を実行する。
これにより、従来通り、目標の追尾を実行しつつ、追尾ビームを用いて合成開口レーダによる処理を実行することにより、目標の画像を取得できる。
このようにすることで、レーダリソースの増加を抑えつつ、目標の画像を得ることができる。
これにより、実施の形態1に係る艦船搭載レーダ100では、目標の画像化が可能となり、目標の識別性能が向上するという効果を奏する。
Claims (3)
- 艦船に搭載し、目標の捜索、検定、追尾を実行する艦船搭載レーダ装置であって、
目標に向けて送信する信号の信号生成用にシンセサイザを用いた送信機を備え、
前記目標から反射された反射信号を信号処理し、信号処理により得られた前記目標を追尾する信号処理機において、
追尾用の信号処理の実行の際、合成開口レーダ画像の再生処理を実行することを特徴とする艦船搭載レーダ装置。 - 艦船の動揺を検出する動揺センサと、
前記動揺センサが出力する動揺データに基づき、前記目標に向けて送信する信号の送信方向を制御するレーダ制御機とを備え、
前記信号処理機は、前記動揺データを用いて前記合成開口レーダ画像の再生処理を実行することを特徴とする請求項1記載の艦船搭載レーダ装置。 - 前記目標の捜索用の信号処理と、前記目標の検定用の信号処理において、前記合成開口レーダ画像の再生処理を実行しないことを特徴とする請求項1、2いずれか記載の艦船搭載レーダ装置。
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- 2016-09-14 JP JP2016179419A patent/JP6801320B2/ja active Active
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