JP6799964B2 - プリフォームの製造方法および製造装置並びに成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続強化繊維とマトリックス樹脂を含むプリプレグ材を用いるプリフォームの製造方法および製造装置と、製造されたプリフォームを用いる成形品の製造方法に関する。
遠心力等に対して高い強度や弾性率が要求される筒状体、とくに円筒体の筒状部を、強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化樹脂を使用して成形する技術は広く知られている。繊維強化樹脂は軽量でありながら高い強度や弾性率等の優れた機械特性を発現できるので、大きな遠心力等が加わる部材の素材として、好適なものとなることが多い。
上記のような繊維強化樹脂からなる筒状体を製造する代表的な方法として、従来からフィラメントワインディング法とシートワインディング法が知られている(例えば、特許文献1、2)。また、フィラメントワインディング法とシートワインディング法を組み合わせた製造方法も知られている(例えば、特許文献3)。さらに、クロスとマットの繊維シートを含み、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力により成形する特殊な製造方法も知られている(例えば、特許文献4)。
上記代表的な製造方法のうち、フィラメントワインディング法は、マンドレルを回転させながらマンドレルの周りに樹脂を含浸した強化繊維(強化繊維束)を巻いて樹脂含浸強化繊維層を形成していく方法であるが、一般的に、強化繊維の配向乱れを抑えて所望の方向に高精度に強化繊維を配向させることが難しく、また、成形された繊維強化樹脂中の強化繊維の含有率をあるレベル以上に高めることも困難である。したがって、繊維強化樹脂からなる筒状体に、例えば、負荷としての大きな遠心力に対抗できるだけの高い強度や弾性率を付与するのが通常困難である。
この点、シートワインディング法は、筒状の芯材上に、強化繊維とマトリックス樹脂からなり所定の強化繊維含有率および所定の強化繊維配向となるように予備成形された(例えば、樹脂が半硬化状態となるように予備成形された)プリプレグシートを巻いていく方法(方法1)か、テーブル上に設置したプリプレグシート上に筒状の芯材を転がして該芯材にプリプレグシートを巻き付けていく方法(方法2)であり、予備成形されたプリプレグシートにおける強化繊維含有率および強化繊維配向を適切に設定しておけば、フィラメントワインディング法による成形品よりも優れた性能(より高い強化繊維含有率やより高精度の強化繊維配向)の繊維強化樹脂筒状成形品を得ることが可能である。
特開2014−111366号公報 特開2011−115983号公報 特開2007−203723号公報 特開2005−289067号公報
ところが、従来のシートワインディング法による繊維強化樹脂筒状成形品の製造においては、以下のような問題が残されている。
まず、筒状の芯材にプリプレグシートを巻き付けていく方法であるため、筒状成形品の筒状部の肉厚が厚い場合には長尺のシートを何重にも巻き付けていく必要が生じ、ある程度以上に厚くなると、巻き付けシートに巻きしわが入るため、現実的には肉厚の小さい筒状成形品にしか適用できない。とくに、前述の方法2の場合、テーブル幅/筒状の芯材の周長分ずつしか巻けない(通常、数層(1〜3層巻き)にしか巻き付けできない)。巻きしわが発生すると、強化繊維の配向に乱れが生じ、成形品の機械特性の低下につながる。また、複数のシートを準備して順次巻き付けていくことも考えられるが、そうすると、シート間のつなぎ目にオーバーラップに伴う段差が生じたり、隣接シート間に隙間が生じたりし、現実的には採用できない。
さらに、シートワインディング法により筒状の芯材にプリプレグシートを巻き付けた後には、通常、オーブン中で加熱成形される。加熱とともに加圧も伴うオートクレーブでの成形によって、より高い強化繊維含有率や低いボイド率の高物性を目指そうとしても、オートクレーブで加圧するとしわが入るため、通常オートクレーブ成形の採用は困難である。
そこで本発明の課題は、とくに上述したような従来のシートワインディング法によるプリフォームの製造における問題点に着目し、巻きしわが入らず、強化繊維の配向に乱れが発生せず、巻き数に制約がなく筒状成形品の筒状部の肉厚が厚い場合にも問題なく円滑に適用でき、しかも巻きしわが発生しないためオートクレーブ成形の採用が可能なプリフォームの製造方法および製造装置と、それによって製造されたプリフォームを用いたより高物性の成形品を成形可能な成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るプリフォームの製造方法は、少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含む帯状に延びるプリプレグ材を、張力をかけながら、芯材上に、前記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように複数回巻き付けることを特徴とする方法からなる。ここで、少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維を含む帯状に延びるプリプレグ材としては、供給方向である一方向に引き揃えられた強化繊維を含む一方向プリプレグ材からなるもの、該一方向に引き揃えられた強化繊維に加え、他の形態の強化繊維を含むプリプレグ材も含まれる。この他の形態の強化繊維としては、例えば、クロス材が挙げられ、該クロス材としては、強化繊維の織物形態、上記供給方向である一方向とは異なる一方向に引き揃えられた一方向強化繊維形態、その一方向強化繊維形態の積層形態、強化繊維の織物形態と一方向強化繊維形態の組み合わせ形態等が挙げられる。これらクロス材との組み合わせ形態の場合、上記供給方向である一方向に引き揃えられた強化繊維の繊維種と、組み合わせられるクロス材の強化繊維の繊維種とは、同一種であっても異種であってもよい。
このような本発明に係るプリフォームの製造方法においては、芯材上にプリプレグ材が張力をかけられながら巻き付けられるので、巻き付けられるプリプレグ材の各層には巻きしわが入らず、プリプレグ材を形成している強化繊維には配向の乱れは発生しない。そのため、目標とする所定の巻き層の形態が精度よく現出され、それによって成形後の目標とする機械特性の発現が可能になる。プリプレグ材にかけられる張力としては、巻きしわが入らず、強化繊維に配向の乱れが発生しないだけの張力であればよく、具体的な張力値としては後述の実施の形態で例示する。また、上記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように複数回巻き付けられるので、プリフォームを形成する強化繊維の連続性が、巻芯から表層まで、すなわち、プリフォームの筒状部分の肉厚の最内層部から最外層部まで、確実に確保され、成形後の強度や弾性率などの高い機械特性が確保され、大きな遠心力等に対する高い抗力の発現が可能になる。また、帯状のプリプレグ材が張力をかけられた状態で巻芯から表層まで連続して巻き付けられていくので、従来のシートワインディング法のように巻き数に制約がなく、肉厚の筒状体であっても問題なく目標肉厚までの巻き付けが可能になる。さらに、帯状のプリプレグ材は張力をかけられた状態でかつ巻きしわのない状態で巻き付けられているので、オートクレーブで加圧されてもしわの発生防止が可能になる。したがって、プリフォームの成形にオートクレーブ成形の採用が可能になり、それによって、より高物性(より高い強化繊維含有率や低いボイド率)の成形品を目指すことが可能になる。
上記本発明に係るプリフォームの製造方法においては、上述の如く、強化繊維が芯材上に巻芯から表層まで連続して延びるようにプリプレグ材を複数回巻き付けることができるように、上記帯状に延びるプリプレグ材は、基本的には一方向に引き揃えられた強化繊維を含む一方向プリプレグ材を含むことが好ましい。
また、上記プリプレグ材の複数回の巻き付け回数としては、従来のシートワインディング法では困難であった10回以上の巻き付け回数が問題なく可能となる。
また、プリプレグ材巻き付けの際にかけられる上記張力としては、所定の一定の張力をかけることも可能であるが、巻きしわの発生をより確実に防止するには、巻芯側で相対的に高張力を、表層側で相対的に低張力をかけるようにすることが好ましい。
また、上記プリプレグ材に使用される強化繊維としては、特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、あるいはこれらを組み合わせた強化繊維の使用が可能であるが、成形品のより高い機械特性を実現するためには、強化繊維が炭素繊維からなることが好ましい。
上記プリプレグ材に使用されるマトリックス樹脂としても特に限定されないが、帯状プリプレグ材を巻き付けてプリフォームを形成した後成形を行う製造プロセスを考慮すると、マトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂からなることが好ましい。
本発明に係るプリフォームの製造装置は、少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含む帯状に延びるプリプレグ材を連続的に案内しながら供給するプリプレグ材案内供給手段と、プリプレグ材案内供給手段による案内供給経路中に設けられ、案内供給されているプリプレグ材に連続的に所定の張力をかける張力付与手段と、張力付与手段により所定の張力がかけられながら供給されてくるプリプレグ材を、芯材上に、前記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように複数回巻き付ける芯材回転駆動手段と、を有することを特徴とするものからなる。
この本発明に係るプリフォームの製造装置においても、上記帯状に延びるプリプレグ材は、基本的には一方向に引き揃えられた強化繊維を含む一方向プリプレグ材を含むことが好ましい。
また、上記張力付与手段としては、例えば、上記案内供給経路中における上下に延びる経路部分内の所定の行程中において上記プリプレグ材に対し着脱可能に設けられ、上記プリプレグ材に取り付けられることにより上記プリプレグ材に対し上記所定の張力を発生させることが可能で、かつ、上記所定の行程の終端側から始端側に上記プリプレグ材への取り付け位置を繰り返し変更可能な錘手段に構成されている構造を採用できる。この構造においては、上記案内供給経路中における上記張力付与手段の下流側に、上記プリプレグ材の案内供給を一旦停止するとともに、上記プリプレグ材にかけられていた上記所定の張力を上記芯材回転駆動手段側に向けて保持することが可能な一旦停止・張力保持手段が設けられていることが好ましい。
または、上記張力付与手段として、上記芯材回転駆動手段により上記芯材上に巻き付けられる上記プリプレグ材に対し上記所定の張力を発生させるべくブレーキをかけるブレーキ手段に構成されている構造を採用することも可能である。
本発明に係るプリフォームの製造装置においても、上記強化繊維が炭素繊維からなることが好ましく、上記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂からなることが好ましい。
本発明に係る成形品の製造方法は、前述したような本発明に係るプリフォームの製造方法により製造されたプリフォームを、オートクレーブにより成形することを特徴とする方法からなる。前述したように、本発明における帯状のプリプレグ材は張力をかけられた状態でかつ巻きしわのない状態で巻き付けられているので、オートクレーブで加圧されてもしわの発生防止が可能になり、プリフォームを成形するに際してオートクレーブ成形の採用が可能になり、それによって、より高物性(より高い強化繊維含有率や低いボイド率)の成形品を得ることが可能になる。
このように、本発明に係るプリフォームの製造方法および製造装置によれば、筒状部を有するプリフォームを製造するに際し、従来のシートワインディング法に比べ、巻き付けられる帯状のプリプレグ材の巻きしわの発生、強化繊維の配向の乱れの発生を防止することが可能になり、しかも巻き数に制約を与えることなく所望の厚みの筒状部を有するプリフォームを容易に製造することができる。そしてこのプリフォームは、帯状のプリプレグが張力をかけられた状態でかつ巻きしわのない状態で巻き付けられているので、本発明に係る成形品の製造方法では、オートクレーブで加圧されてもしわの発生防止が可能になり、オートクレーブ成形の採用が可能になって、より高物性の成形品の成形が可能になる。
本発明の一実施態様に係るプリフォームの製造装置の側面図である。 図1の装置の斜視図である。 図1の装置の図2とは異なる角度から観た斜視図である。 図1の装置のプリプレグ材巻き付け部の拡大斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係るプリフォームの製造装置を示している。図1において、1は、プリフォームの製造装置全体を示しており、該製造装置1は、少なくとも供給方向(図の矢印方向)に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含む帯状に延びるプリプレグ材2を連続的に案内しながら供給するプリプレグ材案内供給手段3と、プリプレグ材案内供給手段3による案内供給経路中に設けられ、案内供給されているプリプレグ材2に連続的に所定の張力をかける張力付与手段4と、張力付与手段4により所定の張力がかけられながら供給されてくるプリプレグ材2を、芯材5上に、上記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように複数回巻き付ける芯材回転駆動手段6と、を有している。
帯状に延びるプリプレグ材2は、本実施態様では、一方向に引き揃えられた連続強化繊維としての炭素繊維とマトリックス樹脂としての半硬化の熱硬化性樹脂とを含む一方向プリプレグ材からなる。プリプレグ材案内供給手段3は、図1における装置1の下方からまたは左側から供給されてきたプリプレグ材2を装置1内で上方へと案内し上端にて方向転換する鍔付きの案内ローラー7を有している。
図1に加え図2、図3も参照しながら説明するに、張力付与手段4は、本実施態様では、プリプレグ材案内供給手段3による案内供給経路中における上下に延びる経路部分内の所定の行程中においてプリプレグ材2に対し着脱可能に設けられ、プリプレグ材2に取り付けられることによりプリプレグ材2に対し所定の張力を発生させることが可能で、かつ、上記所定の行程の終端側(上端側)から始端側(下端側)にプリプレグ材2への取り付け位置を繰り返し変更可能でかつ自身の重量を変更可能な錘8(錘手段)に構成されている。錘8に対しては、錘8を上記所定の行程に沿って移動できるようにガイド9が設けられており、ガイド9の上記所定の行程の下端側には、錘8の落下や過大な下方への移動を規制する安全装置10が設けられている。
また、本実施態様では、上記案内供給経路中における張力付与手段4の下流側に、プリプレグ材2の案内供給を一旦停止するとともに、プリプレグ材2にかけられていた上記所定の張力を芯材回転駆動手段6側に向けて保持することが可能な一旦停止・張力保持手段11が設けられている。この一旦停止・張力保持手段11は、本実施態様では、プリプレグ材2を固定把持する、固定把持解除可能なニップ式のストッパーから構成されている。
芯材回転駆動手段6は、本実施態様では、減速機付きのモーター12と、減速機付きモーター12による回転駆動力を伝達する左右一対のベルト13と、芯材5が装着され一対のベルト13を介して芯材5と一体的に回転駆動される芯材装着具14とを備えている(図1、図4参照)。芯材装着具14には芯材5が着脱可能に装着される。
なお、上記実施態様では張力付与手段4が錘手段に構成されているが、前述したように、上記張力付与手段として、錘手段の代わりに、芯材回転駆動手段6により芯材5上に巻き付けられるプリプレグ材2に対し上記所定の張力を発生させるべくブレーキをかけるブレーキ手段(図示略)に構成することも可能である。ブレーキ手段としては、例えば、プリプレグ材2の巻き出し供給源あるいはプリプレグ材2の案内供給経路中のいずれかの位置に、張力発生用のトルクを制御可能なブレーキ(例えば、パウダーブレーキ)を設けることによって構成可能である。
上記のように構成されたプリフォームの製造装置1を用いて、本発明の一実施態様に係るプリフォームの製造方法は次のように実施される。
少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含む帯状に延びるプリプレグ材2が、案内供給経路中にセットされ、その先端が図4に示すように芯材5の外周面に適切な方法により固着される。案内供給経路中にセットされたプリプレグ材2に対し、図1のAの位置(所定の行程の始端の位置)にて、所定重量に設定された錘8が取り付けられ、その重量によってプリプレグ材2にその重量に相当する所定の張力がかけられる。この張力がかけられた状態にて、芯材回転駆動手段6が駆動され、芯材5が回転されて、芯材5上にプリプレグ材2が巻き付けられていく。
プリプレグ材2の芯材5上への巻き付けに伴って、プリプレグ材2は案内供給経路中を案内方向に供給が進められていき、それに伴ってプリプレグ材2に取り付けられていた錘8も上方に移動される。この移動中には、錘8はプリプレグ材2に取り付けられたままであるから、プリプレグ材2に上記所定の張力がかけられた状態が維持される。すなわち、プリプレグ材2は所定の張力がかけられた状態で芯材5上に巻き付けられていく。
上方に向けて移動される錘8は、やがて図1のBの位置(所定の行程の終端の位置)に到達する。この時、プリプレグ材2の案内供給が一旦停止される。一旦停止は、本実施態様では、芯材回転駆動手段6による芯材5の回転駆動の一旦停止によって行われるが、一旦停止の状態は一旦停止・張力保持手段11で保持される。まず、一旦停止・張力保持手段11は、案内供給が停止されているプリプレグ材2をその位置にて固定把持する。この固定保持は、プリプレグ材2にそれまでの所定の張力がかけられた状態で行われ、この固定保持により、とくに一旦停止・張力保持手段11から芯材5までの位置に存在しているプリプレグ材2は、その所定の張力がかけられたままの状態に保たれる。
この状態にて、図1のBの位置(所定の行程の終端の位置)にあった錘8がプリプレグ材2から取り外され、取り外された錘8はガイド9に沿って元の位置A(所定の行程の始端の位置)に戻され、再びプリプレグ材2に取り付けられてプリプレグ材2に錘8の重量に相当する所定の張力がかけられる。錘8がプリプレグ材2から一旦取り外されると、プリプレグ材2にかけられていた張力は一旦無くなるが、この無張力状態は、上述のように所定の張力がかけられたままの状態に保たれている一旦停止・張力保持手段11による固定保持位置より先には伝播しない。元の位置Aで錘8が再びプリプレグ材2に取り付けられ、錘8の重量に相当する所定の張力がかけられると、一旦停止・張力保持手段11による固定保持が解除され、案内供給されるプリプレグ材2の全体にわたって所定の張力がかけられた状態が再現され、芯材5上へのプリプレグ材2の巻き付けが続行される。この動作の繰り返しにより、所定の張力をかけながら、芯材5上に、強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように目標とする複数回プリプレグ材2を巻き付けることが可能になり、巻き数も実質的に自由に設定可能となる。その結果、巻き付けられた繋ぎ目の無いプリプレグ材2によって、問題なく目標とする肉厚の筒状部を有する筒状プリフォームが得られることになる。
このように、芯材5上にプリプレグ材2が所定の張力をかけられながら巻き付けられるので、前述したように、巻き付けられるプリプレグ材2の各巻き付け層には巻きしわが入らず、プリプレグ材2を形成している強化繊維には配向の乱れは発生しない。したがって、目標とする所定の巻き層の形態が精度よく現出され、それによって成形後の目標とする機械特性の発現が可能になる。また、上記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように複数回巻き付けられることになるので、プリフォームを形成する強化繊維の連続性が、巻芯から表層まで、すなわち、プリフォームの筒状部分の肉厚の最内層部から最外層部まで、確実に確保され、成形後の強度や弾性率などの高い機械特性が確保されて、大きな遠心力等に対する高い抗力の発現が可能になる。さらに、従来のシートワインディング法のような巻き数の制約がなく、肉厚の筒状体であっても問題なく目標肉厚までの巻き付けが可能になる。
上記巻き付けられるプリプレグ材2にかけられる所定の張力としては、使用するプリプレグ材2の構成にも左右されるが、例えば、プリプレグ材2の幅当たり、100〜700MPa程度が好ましい。かけられる張力は巻き付け開始から終了まで所定の一定張力とすることも可能であるが、巻きしわのより確実な発生防止をはかるためには、巻芯側で相対的に高張力に、表層側で相対的に低張力になるように順次変更することが好ましく、上記実施態様に係る装置の場合には、錘8の重量を適切に順次段階的に低下させていくことが好ましい。ブレーキ手段を用いる装置の場合には、張力を無段階に制御することが可能である。
本発明に係るプリフォームの成形品への成形においては、上記の如く巻きしわや強化繊維の配向乱れの発生のない状態で、かつ、筒状部分の肉厚の最内層部から最外層部まで強化繊維の連続性が確保された筒状プリフォームが、マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂が使用されている場合には加熱によって樹脂の硬化、成形品への成形を行うことができる。とくに、本発明に係るプリフォームは、所定の張力をかけられた状態で巻き付けられているので、巻きしわや強化繊維の配向乱れが発生しないため、一般的には加圧によりしわが発生しやすく繊維配向が乱れやすいと考えられているオートクレーブ成形の採用が、問題なく可能になる。オートクレーブ成形によって、より高物性(より高い強化繊維含有率や低いボイド率)の成形品を得ることが可能になる。
本発明に係るプリフォームの製造方法および製造装置は、連続強化繊維を用いるあらゆる筒状プリフォームの製造に適用可能であり、とくに高い機械強度を有しオートクレーブ成形による高物性の成形品を目指す場合に好適なものである。
1 プリフォームの製造装置
2 プリプレグ材
3 プリプレグ材案内供給手段
4 張力付与手段
5 芯材
6 芯材回転駆動手段
7 案内ローラー
8 錘
9 ガイド
10 安全装置
11 一旦停止・張力保持手段
12 減速機付きモーター
13 ベルト
14 芯材装着具
A、B 錘の位置

Claims (8)

  1. オートクレーブによる成形に供されるプリフォームの製造方法であって、少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含みマトリックス樹脂が半硬化状態となるように予備成形された帯状に延びるプリプレグ材を、シートワインディング法により、前記プリプレグ材に着脱可能に取り付けられる錘を用いて前記プリプレグ材に前記錘の重量に相当する前記プリプレグ材の幅当たり100〜700MPaの張力をかけながら、芯材上に、該芯材の軸方向における同一位置にて、前記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように10回以上の巻き付け回数巻き付けることを特徴とする、プリフォームの製造方法。
  2. 前記プリプレグ材が、一方向に引き揃えられた強化繊維を含む一方向プリプレグ材からなる、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  3. 前記張力として、巻芯側で相対的に高張力を、表層側で相対的に低張力をかける、請求項1または2に記載のプリフォームの製造方法。
  4. 前記強化繊維が炭素繊維からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  5. 前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂からなる、請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  6. オートクレーブによる成形に供されるプリフォームの製造装置であって、少なくとも供給方向に連続して延びる強化繊維とマトリックス樹脂とを含みマトリックス樹脂が半硬化状態となるように予備成形された帯状に延びるプリプレグ材を連続的に案内しながら供給するプリプレグ材案内供給手段と、プリプレグ材案内供給手段による案内供給経路中に設けられ、案内供給されているプリプレグ材に着脱可能に取り付けられる錘を用いて前記プリプレグ材に前記錘の重量に相当する前記プリプレグ材の幅当たり100〜700MPaの張力を連続的にかける張力付与手段と、張力付与手段により前記張力がかけられながら供給されてくるプリプレグ材を、芯材上に、該芯材の軸方向における同一位置にて、前記強化繊維が巻芯から表層まで連続して延びるように10回以上の巻き付け回数巻き付ける芯材回転駆動手段と、を有することを特徴とするプリフォームの製造装置。
  7. 前記張力付与手段が、前記案内供給経路中における上下に延びる経路部分内の所定の行程中において前記プリプレグ材に対し着脱可能に設けられ、前記プリプレグ材に取り付けられることにより前記プリプレグ材に対し前記張力を発生させることが可能で、かつ、前記所定の行程の終端側から始端側に前記プリプレグ材への取り付け位置を繰り返し変更可能な前記錘を有する錘手段に構成されている、請求項6に記載のプリフォームの製造装置。
  8. 前記案内供給経路中における前記張力付与手段の下流側に、前記プリプレグ材の案内供給を一旦停止するとともに、前記プリプレグ材にかけられていた前記張力を前記芯材回転駆動手段側に向けて保持することが可能な一旦停止・張力保持手段が設けられている、請求項7に記載のプリフォームの製造装置。
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