JP6799844B2 - 船舶揚降装置 - Google Patents

船舶揚降装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6799844B2
JP6799844B2 JP2016149633A JP2016149633A JP6799844B2 JP 6799844 B2 JP6799844 B2 JP 6799844B2 JP 2016149633 A JP2016149633 A JP 2016149633A JP 2016149633 A JP2016149633 A JP 2016149633A JP 6799844 B2 JP6799844 B2 JP 6799844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ship
carriage
holding
mast
land
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016149633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018016249A (ja
Inventor
文明 浦田
文明 浦田
Original Assignee
有限会社浦田造船所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社浦田造船所 filed Critical 有限会社浦田造船所
Priority to JP2016149633A priority Critical patent/JP6799844B2/ja
Publication of JP2018016249A publication Critical patent/JP2018016249A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6799844B2 publication Critical patent/JP6799844B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ship Loading And Unloading (AREA)

Description

この発明は、小型船舶を水上から陸上へ、あるいは陸上から水上へ揚降する船舶揚降装置に関する。
漁船、ボートなどの小型船舶は、定期的又は必要に応じて水上から陸上に引き揚げて、船舶(主に船底)の清掃、メンテナンスを行う必要がある。このため、小型船舶を水上から陸上へ、あるいは陸上から水上へ揚降する船舶揚降装置が用いられている。
このような船舶揚陸装置としては、港等に設置されている小型船舶の揚陸場所に、水中から陸上に亘って敷設したレール上に水中から陸上に移動可能な台車を載置し、水上で台車上に船舶(船低)を載置した後に、ワイヤロープ等で台車と共に船舶を陸上に引き上げる揚陸装置が一般的である。また、船舶を陸上から水上に戻す場合は、台車上に載置した船舶を、台車毎水中に移動させて水上に戻している。
このような船舶揚陸装置では、台車上に船舶を載置する場合に、波や風の影響によって水上の船舶自体が揺動しているため、水上の船舶を台車上の正規の位置に正しい姿勢(台車の進行方向と船舶の船首の向きが同じ)で載置できずに、船舶が台車上からはみ出した状態となる場合がある。この状態で船舶を載置した台車を水中から陸上に移動させると、台車上に載置した船舶が転倒したり、周囲の建造物と接触したりして船舶自体を損傷する恐れがあり、これを防止するために、船舶の搖動状態を考慮してタイミングよく台車上に載置しなければならかった。
そこで、船舶を台車部上に安定した状態で正しく載置固定するために、台車部上にベルト状の船舶支持材と、船舶支持材を巻き上げる船舶揚降装置と、船舶揚降装置を支持する支持部とを設け、船舶支持材により船舶の船底及び側面を包み込むように保持固定して、水面上の船舶を容易かつ安全・確実に陸上へ搬送する船舶搬送装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−263128号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている船舶搬送装置では、ベルト状の船舶支持材により船舶の船底及び側面を包み込むように保持固定するために、船舶支持材を巻き上げる船舶揚降装置等の大掛かりな駆動装置が必要となる。また、ベルト状の船舶支持材の大きさによって揚陸できる船舶の大きさに限りがあり、汎用性に欠けるという問題があった。
本発明では、上記課題を解決するために、単純な構造で、しかも所定範囲内の大きさの異なる小型船舶を台車上に正規の姿勢で挟持して、安全に水中から陸上、又は、陸上から水中へ揚降できる船舶揚降装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は、船舶の前方底面を載置する第1の台車と、船舶の後方底面を載置する第2の台車とにより構成され、水中から陸上に連続した緩斜面上に敷設された2本のレール上を、水中から陸上、又は、陸上から水中へ移動可能な船舶揚降装置であって、前記第1の台車と前記第2の台車との間隔を変更可能に連結する連結手段と、前記第1の台車及び前記第2の台車上に載置する船舶の向きが、前記第1の台車及び前記第2の台車の移動方向と一致するように、船舶の左右側面を挟持する船舶挟持手段と、前記船舶挟持手段を船舶の左右側面に当接、離反するように進退可能とした進退機構と、備え、前記船舶挟持手段は、前記第1の台車に設けられた前記進退機構を構成する左右二個の可動部の上面に、船舶の左右側面に所定間隔を空けて二本ずつ垂直に立設されるとともに、船舶の左右側面と当接する箇所に弾性体が添付された挟持マストからなり、前記挟持マストは、船舶の左右側面を挟持した場合の当該挟持マストの強度を補強するために、前記可動部の外側端から当該挟持マストの中部に亘って補強部材で連結されるとともに、左右二本ずつの当該挟持マスト間はそれぞれ複数の棒によりはしご状に連結され、前記進退機構を構成する左右二個の前記可動部を、船舶の左右側面に当接する方向に移動させることで、前記挟持マストにより船舶の左右側面を挟持することを特徴とする船舶揚降装置とした。
また、船舶の左右側面に垂直に立設された二本の前記挟持マスト間の最上部に、前記進退機構を動作させる駆動モータ、前記駆動モータの回転を前記進退機構の前記可動部に伝達する上部ギア、前記駆動モータの回転のON/OFFや駆動時間を制御する制御部、前記駆動モータに電力を供給する蓄電池が内蔵された制御盤が設置され、さらに、当該制御盤の上面には、太陽光を受光することにより発電し、前記蓄電池に充電するためのソーラーパネルが設置されていることを特徴とする。
本発明によれば、水面下から陸上に敷設されたレール上を移動する第1の台車に、船舶左右側面を挟持するために、所定間隔を空けて二本ずつ垂直に立設された船舶挟持手段である挟持マストと、この挟持マストを船舶左右側面に近接、離反するように進退可能とした進退機構を備えている。この構成により、この左右二本ずつ挟持マストにより船舶の左右側面を挟持して、第1の台車及び第2の台車上に載置する船舶の向き(船首の向き)を、第1の台車及び第2の台車の移動方向と一致するようにできるため、波や風による船舶自体の揺動で左右二本の挟持マスト間で船舶が斜めに位置している状態でも、各台車上に載置される船舶の向きを、台車の進行方向と同じ向きとなるように矯正して、第1の台車及び第2の台車上の正しい位置(第1の台車及び第2の台車の略中央部)に載置固定できるため、台車を水中から陸上に移動させる場合に、台車上に載置した船舶が転倒したり、周囲の建造物と接触したりして破損することを防止することができる。
また、第1の台車と第2の台車とは、各台車間の間隔を変更可能な連結手段により連結されている。つまり、船舶の大きさ(主に全長)に合わせて第1の台車と第2の台車との間隔を変更することで、第1の台車及び第2の台車上に載置される船舶の重心位置が、常に第1の台車と第2の台車との間になるようにすることができる。これにより、重心位置を中心としてその前後の船舶の船底を、第1の台車及び第2の台車上に載置することができるので、第1の台車及び第2の台車の進行方向においても船舶を安定して載置することができ、台車の進行方向前後への船舶の落下等を防止することができる。
また、船舶挟持手段は、船舶の左右側面に所定間隔を空けて二本立設された挟持マストの船舶の左右側面と当接する箇所に弾性体を設けたため、船舶の左右側面を挟持マストにより挟持した場合でも、挟持マストとの摩擦等により船舶の左右側面を傷付けることを防止することができる。
本実施形態に係る船舶揚降装置の全体構成を説明する斜視図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段の構成を説明する斜視図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段による船舶の挟持状態を説明する図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段の操作状況を説明する正面図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段の構成を説明する側面図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段を構成する挟持マストの進退機構を説明する平面図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の船舶挟持手段を構成する挟持マストの進退機構を説明する平面図である。 本実施形態に係る船舶揚降装置の連結手段を構成する連結棒の構成を説明する平面図である。
本発明の実施形態を以下図1〜図8を参照して詳説する。
まず、本発明の船舶揚降装置の構成を説明する。図1〜8に示すように、本発明の船舶揚降装置1は、水面下から陸上に連続した緩斜面上に敷設された二本のレール6上を移動可能な第1の台車2及び第2の台車5と、第1の台車2と第2の台車5との間隔を変更可能に連結する連結手段としての連結棒7と、第1の台車2上に船舶の左右側面を挟持して当該第1の台車2上に挟持固定する船舶挟持手段3と、により構成されている。
第1の台車2及び第2の台車5は、第1の台車2にのみ船舶挟持手段3を備えていること以外は同じ構成であり、角鋼(四角い棒状の鋼材)によって平面視で矩形に組まれた台座20と、台座20上に載置された船舶載置部21aと、台座20の四隅下部配設された4個の車輪22とにより構成されている。台座20の四隅下部を支持する4個の車輪22は、水面下から陸上に連続した緩斜面上に敷設された二本のレール6上に載置され、このレール6上を第1の台車2及び第2の台車5が水中から陸上、又は、陸上から水中に移動することにより、第1の台車2及び第2の台車5上に載置された船舶の揚降を可能としている。
なお、第1の台車2の台座20には、ワイヤロープの係止部(図示せず)が設けられており、この係止部に係止されたワイヤロープを陸上に設置された巻取機(図示せず)により巻き取ることで、第1の台車2及び第2の台車5は、水面下から陸上に連続した緩斜面上に敷設された二本のレール6上を水中から陸上に移動する。また、ワイヤロープの巻取を解除することで、第1の台車2及び第2の台車5は、水面下から陸上に連続した緩斜面上に敷設された二本のレール6上を、その自重により陸上から水中に移動する構成としている。なお、この第1の台車2及び第2の台車5の水中と陸上間の移動手段は、第1の台車2及び第2の台車5上に船舶を載置した状態で、台車毎移動させる方法であれば特に限定されるものではない。
第1の台車2の後部の台座20と、第2の台車5の前部の台座20とは、連結手段としての連結棒7で連結されている。連結棒7としては、図8に示すように、太さの異なる二本の丸鋼(円筒状の鋼材)が好適に用いられる。この二本の円筒状の丸鋼のうち、相対的に太い第1連結棒7aの一端の内部に、相対的に細い第2連結棒7bの一端を挿入して、連結ピン7cにより第1連結棒7aと第2連結棒7bとを連結する構成としている。第1連結棒7aの一端は、第1の台車2の後部の台座20に設けられた固着部20a(図5参照)に固設され、他端は第2連結棒7bを内部に挿入可能とした開口端としている。第2連結棒7bの一端は、第1連結棒7aの内部に挿入可能な挿入端とし、他端は第2の台車5の前部の台座20に設けられた固着部20bに固設されている。
第1連結棒7aの開口端近傍には、第1連結棒7aと第2連結棒7bとを連結する連結ピン7cの挿入口7eが設けられている。第2連結棒7bの挿入端には、連結ピン7cの挿入口7dが所定間隔H(例えば、H=500mm)毎に複数設けられている。そして、第2連結棒7bの挿入端を第1連結棒7aの開口端から第1連結棒7aの内部に挿入し、第1連結棒7aの挿入口7eと、第2連結棒7bに設けられた複数の挿入口7dのうちのいずれかとを、連結ピン7cが挿入可能なように位置合わせをして、連結ピン7cを挿入して固定することにより、第1連結棒7aと第2連結棒7bとを連結したり、連結ピン7cによる固定を解除することにより、第1連結棒7aと第2連結棒7bとの連結を解除したりすることが可能な構成としている。
本実施形態における連結手段である連結棒7は、図8に示す構成により、第1連結棒7aの挿入口7eと、第2連結棒7bの複数の挿入口7dのうちの第2の台車5の固着部20b側の挿入口7dとを位置合わせして、連結ピン7cを挿入して連結することにより、第1の台車2と第2の台車5との間隔を所定間隔H単位で狭くすることができる。一方、第1連結棒7aの挿入口7eと、第2連結棒7bの複数の挿入口7dのうちの挿入端側の挿入口7dとを位置合わせして、連結ピン7cを挿入して連結することにより、第1の台車2と第2の台車5との間隔を所定間隔H単位で広くすることができる。
すなわち、本実施形態においては、連結手段としての連結棒7のうち、第2連結棒7bに所定間隔H毎に複数形成された挿入口7dの長さの範囲内で、第1連結棒7aの挿入口7eと位置合わせする第2連結棒7bの挿入口7dを選択することで、第1の台車2と第2の台車5との間隔を広くしたり狭くしたりすることができるようにしている。なお、第1の台車2と第2の台車5との連結手段は、第1の台車2と第2の台車5との間隔を変更可能であればよく、上述した連結棒7の構成による連結に限定されるものではない。
第1の台車2及び第2の台車5の上面には、各台車の上部に船舶の船底を載置するための船舶載置部21aが設けられている。この船舶載置部21aの素材としては、上部に載置する船舶の船底を傷つける事がないように、例えば、線路を構成する枕木等の木材が好適に用いられる。
第1の台車2の上面には、後述の船舶挟持手段3の進退機構50(図6参照)と、この進退機構50を覆うための保護カバー21bとが設けられている。この保護カバー21bは、強度・耐水性・成型性が優れている鋼板やFRP『繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)』により長方形に形成されている。なお、第1の台車2の保護カバー21bは必ずしも長方形に形成されたカバーである必要はなく、後述の船舶挟持手段3の進退機構50を構成する長ネジ47(図6参照)に、その上部に載置する船舶の船底から剥離した塗料等が付着して、進退機構50の動作不良が発生することを防止できればよく、少なくとも長ネジ47の上部を覆う形状であればよい。
保護カバー21bで覆われた第1の台車2の上面には、第1の台車2の進行方向に直交する方向(以下、左右方向ともいう)に移動自在とした、船舶挟持手段3の進退機構50を構成する平面視ロの字状(図6参照)の左右二個の可動部33R,33Lが設けられている。左右二個の可動部33R,33Lの上面であり、左右方向外側両端近傍には、それぞれ二本ずつ合計4本の挟持マスト3R,3Lが垂直に立設して連結されている。この挟持マスト3R,3Lは、本実施形態における船舶挟持手段3として機能する。なお、この船舶挟持手段3を構成する素材は、第1の台車2及び第2の台車5を構成する角鋼と同様な素材が用いられる。
可動部33R,33Lの左右方向外側両端近傍に垂直に立設された二本ずつの挟持マスト3R,3Lのさらに左右方向外側端には、可動部33R,33Lの左右方向外側端から挟持マスト3R,3Lの中部近傍に亘って合計4本の補強部材34が斜めに連結されている。この補強部材34により挟持マスト3R,3L間に船舶の左右側面を挟持した場合の挟持マスト3R,3Lの強度を補強する構成としている。また、二本の挟持マスト3R間及び挟持マスト3L間は、複数の棒32ではしご状に連結されている。このように、二本の挟持マスト3R間及び挟持マスト3L間をはしご状に複数の棒32で連結することで、二本の挟持マスト3R間及び挟持マスト3L間を補強するとともに、作業者等がはしご状に形成されている複数の棒32を用いて挟持マスト3R,3Lを昇降可能にしている。
左右二本の挟持マスト3R,3Lの船舶10の左右側面と当接する面には、ポリエステル等の合成樹脂の弾性体31が添付されている。この弾性体31は所定厚み(例えば、50mm)を有しており、船舶10の左右側面を挟持マスト3R,3Lにより挟持した場合でも、摩擦等により船舶10の左右側面を傷付けることを防止するために設けられている。なお、この弾性体31の素材は、ポリエステルに限定されるものではなく、船舶10の左右側面と当接した場合に、船舶10の左右側面を傷つけにくい素材であればよい。
本実施形態における船舶揚降装置1における第1の台車2、第2の台車5及び船舶挟持手段3を構成する角鋼の素材としては、さびにくく強度や耐久性に優れた合金であるステンレス鋼(SUS)が好適に用いられる。また、第1の台車2と第2の台車5との連結手段である連結棒7を構成する丸鋼の素材も、上記角鋼と同様に、さびにくく強度や耐久性に優れた合金であるステンレス鋼(SUS)が好適に用いられる。なお、本実施形態における上述した角鋼や丸鋼の素材は、ステンレス鋼(SUS)に限定されるものではなく、さびに強く強度や耐久性に優れた素材であれば、例えば、金属以外の上述したFRP等の素材を用いることもできる。
二本の挟持マスト3Rの再上部には、後述の進退機構50(図6参照)を制御する制御盤4が設けられている。この制御盤4の内部には、図4に示すように、進退機構50を動作させる駆動モータ42、駆動モータ42の回転を伝達する上部ギア45、駆動モータ42の回転のON/OFFや駆動時間等を制御する制御部41、駆動モータ42に電力を供給する蓄電池(図示せず)等が内蔵されている。さらに、制御盤4の上面には、太陽光等を受光することにより発電するソーラーパネルPが設置されている。
本実施形態においては、制御盤4は、上部に設置したソーラーパネルPにより発電された電力を蓄電池に充電し、この充電した電力を駆動モータ42に供給して進退機構50(図6参照)を動作させる構成としている。これにより、外部電源を常時接続しておく必要がないため、移動する第1の台車2上に制御盤4を設けても外部からの電源供給ケーブル等が第1の台車2の移動の妨げとなることがない。なお、制御盤4には、外部からの電源供給ケーブル等の接続端子(図示せず)が設けられており、外部電源から電力を蓄電池に充電することができるようにしている。これにより、例えば、太陽光により十分な電力の供給が得られない夜間等においても本実施形態の船舶揚降装置1を使用可能としている。また、当然のことながら制御盤4の設置位置は水中に没することのない挟持マスト3Rの再上部としているため、制御盤4の浸水対策としては、通常の船舶上等で使用する制御機器と同じレベルであればよい。
上述した構成の船舶揚降装置1によれば、図3(a)に示すように、波や風による船舶10自体の揺動により、第1の台車2に設置された左右二本の挟持マスト3R,3L間で船舶10の船首の向きが、第1の台車2の進行方向に対して斜めにずれた状態でも、後述の進退機構50(図6参照)を動作させて左右二本の挟持マスト3R,3Lを船舶10の左右両側面を挟持するように移動させることにより、図3(b)に示すように、第1の台車2及び第2の台車5上に載置される船舶10の船首の向きを、第1の台車2及び第2の台車5の進行方向と同じ向きとなるように矯正して、第1の台車2及び第2の台車5上の正しい位置に載置固定することを可能としている。これにより、第1の台車2及び第2の台車5を水中から陸上、陸上から水中に移動させる場合に、第1の台車2及び第2の台車5上に載置した船舶10が転倒したり、周囲の建造物と接触したりして破損することを防止することができる。
また、図3(a)に示すように、上述した連結手段により、船舶10の重心位置Gが常に第1の台車と第2の台車との間に位置するように、船舶揚降装置1に載置する船舶10の全長に応じて第1の台車と第2の台車との間隔を変更することができる。これにより、図3(b)に示すように、重心位置Gを中心としてその前後の船舶10の船底が第1の台車及び第2の台車5の上面に設けられた船舶載置部21a上に載置することになり、第1の台車及び第2の台車上においてより一層安定した状態で船舶10の船底を載置することができ、第1の台車及び第2の台車の進行方向前後において、船舶10が第1の台車及び第2の台車から前後に落下することを防止することができる。
また、船舶揚降装置1の進退機構50の操作手段は、図4に示すように、作業者60が所持する無線や赤外線等の通信機能を有するリモコン装置61により、作業者60が船舶10の船上で操作することができる。このようにすることで、作業者60は、第1の台車2に設置された左右二本の挟持マスト3R,3L間で挟持される船舶10の船首の向きが、第1の台車2及び第2の台車5の進行方向と一致するように、船舶10の船首の向きの矯正具合を確認しながら船舶揚降装置1の進退機構50を操作することができる。なお、進退機構50の操作手段は特に限定されるものではなく、制御盤4に接続された有線のリモコン装置を用いてもよいし、制御盤4の作業者が操作しやすい位置に各種操作スイッチ等を配設してもよい。
また、作業者60により船上以外の安全な場所(例えば、陸上等)で、船舶揚降装置1の進退機構50を操作できるようにしてもよい。これにより、作業者60が左右二本の挟持マスト3R,3L間に挟まれる等の事故を防止することができ、より安全に船舶揚降装置1の進退機構50を操作することができる。なお、進退機構50を動作させる駆動モータ42としては、例えば、ウインチ等の巻き上げ機に使用される電動モータが好適に用いられる。この巻き上げ機に使用される電動モータは、例えば、過度な負荷を検出した場合に自動的に停止する機能を備えたものである。このため、第1の台車2上に設置された船舶挟持手段3である左右二本の挟持マスト3R,3Lにより、必要以上に船舶10の左右側面を挟持する方向に作業者60が進退機構50を操作した場合でも、駆動モータ42は所定の負荷で自動的に停止するため、船舶10の左右側面を傷つけたり、駆動モータ42を含む進退機構50が過度な負荷により故障したりすることを防止することができる。
次に、本発明の船舶揚降装置1の船舶挟持手段3を動作させる進退機構50を説明する。上述したように、船舶挟持手段3を構成する左右二本の挟持マスト3R,3L及び左右二本の挟持マスト3R,3Lを動作させる進退機構50は、第1の台車2上に設けられている。図4〜7に示すように、本実施形態における進退機構50は、制御盤4内の駆動モータ42、駆動モータ42に連結された上部ギア45、上部ギア45の回転を下部ギア46に伝達するチェーン44、チェーン44で伝達された駆動モータ42の回転を長ネジ47に伝達するために長ネジ47の一端に連結された下部ギア46、可動部33Rの移動量を滑車23R、23Lを介して可動部33Lに伝達するワイヤー51(鋼線)等により構成されている。
本実施形態の進退機構50は、制御盤4内の駆動モータ42に連接された上部ギア45の回転を、チェーン44により下部ギア46に伝達することで実行される。なお、以下の説明では、進退機構50により船舶挟持手段3である左右二本の挟持マスト3R,3Lが船舶の左右側面を挟持又は離反する方向に移動する動作を具体的に説明する。
図6に示すように、可動部33Rと可動部33Lとが最も離れた状態(つまり、船舶挟持手段3である左右二本の挟持マスト3R,3Lが最も離れた状態)で、制御盤4内の駆動モータ42を所定の回転方向である右回転で動作させると、上部ギア45の回転は、チェーン44を介して、可動部33Rの制御盤4の垂直下のギア接続端35Rに回転自在に配設された下部ギア46に同じ回転方向で伝達される。
下部ギア46は、ギア接続端35Rに回転自在に連結され、さらに、長ネジ47の一端が連結されている。つまり、下部ギア46の回転に連動して長ネジ47も回転する。長ネジ47の他端は保護カバー21bの短手方向右端下部に固設された固定端22Rを挿通して螺着している。そして、長ネジ47が右回転すると、長ネジ47は螺着した固定端22Rを挿通して進退機構50の内側に向かって移動し、長ネジ47が連結されたギア接続端35Rも進退機構50の内側に向かって移動する。これにより、可動部33R全体が、進退機構50の内側方向(図6では上方向)に移動することとなり、可動部33Rの外側端近傍に垂直に立設された二本の挟持マスト3Rも進退機構50の内部方向に移動することになる。
可動部33R全体の進退機構50の内側方向への移動に伴い、可動部33Rの保護カバー21bの内部に位置する移動端34Rが保護カバー21bの内側方向に移動する。可動部33Rの移動端34Rと可動部33Lの保護カバー21bの内部に位置する移動端34Lとはワイヤー51(鋼線)により固定端22Rに設置された滑車23Rを介して連結されている。このため、移動端34Rの保護カバー21bの内側方向の移動量は、滑車23Rによりその移動方向を180度変えて、可動部33Lの移動端34Lに保護カバー21bの内側方向(図6においては下方向)の移動量として伝達され、可動部33L全体が保護カバー21bの内側方向へ移動することとなり、可動部33Lの外側端近傍に垂直に立設された二本の挟持マスト3Lも進退機構50の内側方向に移動することになる。
このように、制御盤4内の駆動モータ42を所定の回転方向である右回転で動作させると、図7に示すように、可動部33Rと可動部33Lとが接近して可動部33Rの挟持マスト3Rと可動部33Lの挟持マスト3Lとの間隔が狭くなる方向(船舶の左右側面に接近する方向)に移動することになる。この挟持マスト3R,3Lの移動により、図3(b)に示すように、船舶10の左右側面を挟持マスト3R,3Lにより船舶10の船首の向きを正しい向きに矯正しつつ挟持することが可能となる。
図7に示すように、可動部33Rと可動部33Lとが最も接近した状態で、制御盤4内の駆動モータ42を所定の回転方向とは逆の左回転で動作させると、その回転は上部ギア45を介してチェーン44により、ギア接続端35Rに回転自在に連結された下部ギア46に同じ回転方向で伝達される。
長ネジ47が左回転すると、長ネジ47は螺着した固定端22Rを挿通して進退機構50の外側に向かって移動し、長ネジ47が固設されたギア接続端35Rも進退機構50の外側に向かって移動する。これにより、可動部33R全体が、進退機構50の外側方向(図7では下方向)に向かって移動することで、可動部33Rの外側端近傍に垂直に立設された二本の挟持マスト3Rも進退機構50の外側方向に移動することになる。
また、可動部33R全体の進退機構50の外側方向への移動に伴い、可動部33Rのギア接続端35Rが保護カバー21bの外側方向に移動する。可動部33Rのギア接続端35Rと、可動部33Lの移動端34Lとは、ワイヤー51(鋼線)により固定端22Lに設置された滑車23Lを介して連結されている。このため、ギア接続端35Rの保護カバー21bの外側方向の移動量は、滑車23Lによりその移動方向を180度変えて、可動部33Lの移動端34Lに保護カバー21bの外側方向(図7においては上方向)の移動量として伝達され、可動部33L全体が保護カバー21bの外側方向へ移動することになる。これに伴い、可動部33Lの外側端近傍に垂直に立設された二本の挟持マスト3Lも進退機構50の外側方向に移動することになる。
このように、制御盤4内の駆動モータ42を左回転で動作させると、可動部33Rと可動部33Lとが離反して可動部33Rの挟持マスト3Rと可動部33Lの挟持マスト3Lとが、図4に示すように、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lとの間隔が広くなる方向に移動することになる。この挟持マスト3R,3Lの移動により、図3(a)に示すように、挟持マスト3R,3Lによる船舶10の左右側面の挟持を解除することが可能となる。
ここで、船舶揚降装置1のサイズの一例を説明する。図6に示すように、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lとの間隔が最も広くなる状態においては、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lとの間隔は最大5200mmとしている。また、図7に示すように、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lとの間隔が最も狭くなる状態においては、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lとの間隔は最小2600mmとしている。さらに、挟持マスト3Rと挟持マスト3Lと垂直方向の高さは3000mmとしている。
このため、本実施形態の船舶揚降装置1によって揚降可能な船舶の大きさは、船腹の幅が2600mmより大きく、5200mm未満であることが条件となる。また、船舶の左右両側面の高さは、3000mm未満であることが条件となる。この条件にあてはまる大きさの小型船舶であれば、大きさの異なる複数種類の小型船舶を、本実施形態の船舶揚降装置1を用いて安全に船舶を水中から陸上、又は、陸上から水中に安全に揚降することができる。
なお、上述した船舶揚降装置1のサイズはあくまで一例であり、船舶揚降装置1の船舶挟持手段を構成する角鋼(例えば、ステンレス鋼)が使用された挟持マスト3R,3Lの強度や進退機構50を構成する駆動モータ42の性能等に応じて適宜変更可能である。
以上、実施形態を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 船舶揚降装置
2 第1の台車
3 船舶挟持手段
4 制御盤
5 第2の台車
6 レール
7 連結棒
10 船舶
31L,31R 挟持マスト
42 駆動モータ
44 チェーン
45 上部ギア
46 下部ギア
47 長ネジ
50 進退機構

Claims (2)

  1. 船舶の前方底面を載置する第1の台車と、船舶の後方底面を載置する第2の台車とにより構成され、水中から陸上に連続した緩斜面上に敷設された2本のレール上を、水中から陸上、又は、陸上から水中へ移動可能な船舶揚降装置であって、
    前記第1の台車と前記第2の台車との間隔を変更可能に連結する連結手段と、
    前記第1の台車及び前記第2の台車上に載置する船舶の向きが、前記第1の台車及び前記第2の台車の移動方向と一致するように、船舶の左右側面を挟持する船舶挟持手段と、
    前記船舶挟持手段を船舶の左右側面に当接、離反するように進退可能とした進退機構と、
    備え
    前記船舶挟持手段は
    前記第1の台車に設けられた前記進退機構を構成する左右二個の可動部の上面に、船舶の左右側面に所定間隔を空けて二本ずつ垂直に立設されるとともに、船舶の左右側面と当接する箇所に弾性体が添付された挟持マストからなり
    前記挟持マストは、船舶の左右側面を挟持した場合の当該挟持マストの強度を補強するために、前記可動部の外側端から当該挟持マストの中部に亘って補強部材で連結されるとともに、左右二本ずつの当該挟持マスト間はそれぞれ複数の棒によりはしご状に連結され、
    前記進退機構を構成する左右二個の前記可動部を、船舶の左右側面に当接する方向に移動させることで、前記挟持マストにより船舶の左右側面を挟持することを特徴とする船舶揚降装置。
  2. 船舶の左右側面に垂直に立設された二本の前記挟持マスト間の最上部に、前記進退機構を動作させる駆動モータ、前記駆動モータの回転を前記進退機構の前記可動部に伝達する上部ギア、前記駆動モータの回転のON/OFFや駆動時間を制御する制御部、前記駆動モータに電力を供給する蓄電池が内蔵された制御盤が設置され、さらに、当該制御盤の上面には、太陽光を受光することにより発電し、前記蓄電池に充電するためのソーラーパネルが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶揚降装置。
JP2016149633A 2016-07-29 2016-07-29 船舶揚降装置 Active JP6799844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016149633A JP6799844B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 船舶揚降装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016149633A JP6799844B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 船舶揚降装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018016249A JP2018016249A (ja) 2018-02-01
JP6799844B2 true JP6799844B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=61076618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016149633A Active JP6799844B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 船舶揚降装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6799844B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102422648B1 (ko) * 2020-10-13 2022-07-18 대우조선해양 주식회사 함정 상하가 설비용 함 예인 대차 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018016249A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102253903B1 (ko) 풍력 에너지 발전소 및 구성 방법
US7708514B2 (en) Automated shipboard material handling and storage system
US9061744B2 (en) Working system for floating structure, floating structure, working ship, and working method for floating structure
ES2542831T3 (es) Convertidor de energía eólica que usa cometas
US9193571B2 (en) Unloading and loading crane arrangement, container terminal and method for unloading and loading a ship
KR101282350B1 (ko) 컨테이너선의 데크하우스 및 그 데크하우스를 이용한 컨테이너 적재방법
US7194971B2 (en) Lift arrangement for boats
KR101991546B1 (ko) 에어로포일 세일
US20190084654A1 (en) Gangway for transferring personnel and equipment from a first device to a second device
EP3715628B1 (en) System and method for loading and transporting offshore wind turbines on a ship
CA2866999A1 (en) Maintenance system with a cargo elevator for a wind turbine maintenance program
JP2004511706A (ja) 風力発電地帯
CN109383712A (zh) 一种船艇布放回收装置
KR20120132168A (ko) 선박용 현측 사다리
JP2005521823A (ja) 風力発電施設
JP6799844B2 (ja) 船舶揚降装置
WO2011141748A2 (en) Improved access to structures
WO2018020056A1 (es) Sistema para el montaje/desmontaje de palas en aerogeneradores
US20100028105A1 (en) Floating Device for Transporting and Transferring Containers
ES2311371B1 (es) Mejoras introducidas en la patente de invencion p 200502260, por "marina sobre-elevada".
BRPI0814199B1 (pt) Dispositivo de manipulação de âncora
JP7393331B2 (ja) 輸送器
CN115973358A (zh) 一种水上换电系统
CN215883989U (zh) 一种水下机器人投放回收装置
CA3223088A1 (en) System for lifting and moving heavy objects

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6799844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250