JP6798230B2 - ゲル組成物、その硬化物、ゲル組成物のキットおよび硬化物の製造方法 - Google Patents

ゲル組成物、その硬化物、ゲル組成物のキットおよび硬化物の製造方法 Download PDF

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本発明は、ゲル組成物、その硬化物、ゲル組成物のキットおよび硬化物の製造方法に関する。
反応や保存時に生じるゲル化は、従来、種々の樹脂組成物における問題として認識されている。例えば、特許文献1には、アリルメタクリレート共重合体について、二重結合の安定性が低いことから、アリルメタクリレートの重合体の合成時や、各種アクリルモノマーをラジカル共重合する場合にゲル化することが記載されている。特許文献2には、環状オリゴシロキサンの製造方法において、反応系がゲル化することが記載されている。特許文献3には、エポキシオリゴマーの製造方法にける反応中のゲル化が記載されている。特許文献4には、アルコキシシランの水溶液が不安定であって、室温で保存しておくだけでも不可逆的にゲル化することが記載されている。特許文献5には、樹脂組成物の保存中に、アクリル系モノマー混合物またはその部分重合物と、分子中にイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物としてゲル化することにより、保存安定性が低下することが記載されている。
特開平9−48821号公報 特開2000−169487号公報 特開2003−40975号公報 特開2008−111023号公報 特開2013−159664号公報
樹脂組成物のゲル化は、特許文献1〜5のいずれにおいても抑制すべきものとされており、ゲル化した樹脂組成物はいわば無用の産物であるとされていた。これに対して、本発明は、短時間で樹脂組成物をゲル化することによりゲル化反応を制御すること、さらには、加工後に硬化させて種々の形状の硬化物を形成可能である加工性の良好なゲル組成物とすることにより、ゲル化した樹脂組成物(ゲル組成物)を積極的に利用することを目的としている。
本発明の課題は、種々の形状を容易に形成することができる、ゲル組成物、その硬化物、ゲル組成物のキットおよび硬化物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、特定のアクリル系化合物とアミン系化合物とを混合することにより、短時間でゲル化することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]に関する。
[1]アクリル官能基を3以上有するポリアクリレート(A)と、アミン化合物(B)と、を含有することを特徴とするゲル組成物。
[2]前記ポリアクリレート(A)がポリマーアクリレートである[1]記載のゲル組成物。
[3]前記ポリアクリレート(A)がデンドリマーアクリレートである[1]記載のゲル組成物。
[4]前記アミン化合物(B)がモノアミン化合物またはジアミン化合物である[1]、[2]または[3]記載のゲル組成物。
[5]前記アミン化合物(B)がアルコキシシリル基を有する[1]〜[4]のいずれか1項に記載のゲル組成物。
[6]前記ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、前記アミン化合物(B)中の前記アミノ基とのモル比が、1.5〜22である[1]〜[5]のいずれか1項に記載のゲル組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載のゲル組成物を硬化させて得られる硬化物。
[8]アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)を含有する第一液と、アミノ化合物(B)を含有する第二液と、を有することを特徴とするゲル組成物形成用のキット。
[9]アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)と、アミノ化合物(B)とを混合してゲル組成物とするゲル化工程と、前記ゲル組成物を硬化させて硬化物とする硬化工程と、を有することを特徴とする硬化物の製造方法。
[10]前記ゲル化工程と前記硬化工程との間に、前記ゲル組成物を所定形状に成形とする成形工程を有する[9]に記載の硬化物の製造方法。
本発明によれば、ポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)とを混合することにより、短時間でゲル組成物を形成することができる。したがって、例えば、ゲル組成物を所定の形状に成形した後に硬化させることにより、種々の形状の硬化物を容易に製造することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<ゲル組成物>
本発明のゲル組成物は、アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)とを、それらのゲル化反応物として含有している。これらの二成分を混合することにより、短時間でゲル化が進行し、加熱工程を経ないでゲル組成物が形成される。ポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)とがマイケル付加によってC−N結合を形成し、オリゴマー化することによってゲル化すると推測される。これら二つの成分を常温で混合した場合、混合してから数分間から数時間程度でゲル組成物が形成される。このため、例えば、ゲル組成物を所望の形状としてから硬化させることにより、種々の形状の硬化物を容易に製造することができる。ゲル化後の硬化反応に関与するのは、アミン化合物と反応せずに残存したアクリル官能基であると推測される。
本発明において「ゲル」とは、ポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)との相互作用によって独立した流動性を失い、粘性的な性質と弾性的な性質とを併せもった半固体状のものをいう。具体的に本明細書では、常温(25℃)条件下における動的粘弾性を角周波数10rad/秒の条件で測定して得られる損失正接(tanδ)が0.5未満であるものを「ゲル」とする。なお、損失正接(tanδ)は粘弾牲を示す指標であり、貯蔵弾性率(G1)と損失弾性率(G2)との比G2/G1で定義される。
<ポリアクリレート(A)>
本発明のゲル組成物は、一分子中にアクリル官能基を3以上有しているポリアクリレート(A)(以下、適宜「ポリアクリレート(A)」ともいう。)を含有している。アクリル官能基を一分子中に3以上有することにより、ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、アミン化合物(B)のアミノ基との相互作用によりゲル化して、ゲル状組成物を形成することができる。
アクリル官能基を3以上有するポリアクリレート(A)としては、例えば、ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ビスコートV#802、ビスコートV#1000などが挙げられる。「ビスコート」は大阪有機化学株式会社の商品名である。官能基が16以上のものはPerstorp Specialty Chemicalsが販売しているBoltorn H20(16官能基)、Boltorn H30(32官能基)、Boltorn H40(64官能基)を原料にそれらをアクリル化することで得られる。
短時間でゲル化することができ、アミン化合物(B)の濃度を調整することによりゲル化の時間を調整できるという観点から、ポリアクリレート(A)のうち、ポリマーアクリレートおよびデンドリマーアクリレートが好ましい。また、取扱い性に優れた粘度のゲル組成物が得られるという観点から、デンドリマーアクリレートが好ましい。なお、「ポリマーアクリレート」とは線状高分子にアクリル官能基が結合してなるものをいい、「デンドリマーアクリレート」とはアクリル基を有する枝分子が放射状に組み立てられた球状の巨大分子をいう。
ポリアクリレート(A)一分子中の平均アクリル官能基数は、高速ゲル化すなわち短時間でゲル化してゲル化組成物が得られるという観点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。ポリアクリレート(A)がポリマーアクリレートまたはデンドリマーアクリレートである場合、一分子中のアクリル官能基数はいずれも平均値である。
ポリアクリレート(A)の含有量は、より物理的強度に優れるという観点から、ゲル組成物を100質量%として、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
<アミン化合物(B)>
本発明のゲル組成物はアミン化合物(B)を含有している。アミン化合物(B)は、一分子中に一つのアミノ基を有するモノアミン化合物、二つのアミノ基を有するジアミン化合物、および三つ以上のアミノ基を有するアミン化合物のいずれでもよい。ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、アミン化合物(B)のアミノ基との反応によるゲル化を迅速に進行させるという観点から、ジアミン化合物や、三つ以上のアミノ基を有するアミン化合物が好ましい。アミノ基は、第1級アミノ基、第2級アミノ基のいずれでもよいが、高速ゲル化の観点から、マイケル付加反応に関与する反応点がより多い第1級アミノ基が好ましい。
アミン化合物(B)は、アルコキシシリル基を有していてもよい。アミン化合物(B)がアルコキシシリル基を有することにより、有機化合物と無機化合物とを複合化することが可能になる。また、ゲル組成物を硬化する際、ポリアクリレート(A)のアクリル官能基の光硬化に加えて、アルコキシシリル基のシランカップリングによって硬化物の強度が向上する。
ポリアクリレート(A)およびアミン化合物(B)を合計した含有量は、構造的強度が高いゲルが得られるという観点から、ゲル組成物全体を100質量%として、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
ゲル組成物に含まれるポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)との比率は、常温でゲル化を迅速に進行させるとともに、ゲル組成物の硬化に寄与するアクリル官能基を残存させるという観点から、アクリル官能基/アミノ基のモル比率として1.5〜22が好ましく、10〜22がより好ましく、15〜22がさらに好ましい。
<硬化物>
上述したように、ポリアクリレート(A)とアミン化合物(B)とを混合することにより、短時間でゲル組成物が形成される。このゲル組成物に含まれている未反応のアクリレート(A)を重合することによって硬化物を製造できる。あらかじめ半固体状のゲル組成物を形成することにより、硬化前のゲル組成物を所定形状に成形することが容易になる。そして、所定形状としたゲル組成物を硬化させることによって、複雑な立体形状の硬化物を容易かつ効率的に形成することができる。
<キット>
本発明は、アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)を含有する第一液と、アミノ化合物(B)を含有する第二液と、を有することを特徴とするゲル組成物のキット(セット)として実施することもできる。上述したとおり、ポリアクリレート(A)とアミノ化合物(B)とを混合することによりゲル組成物の形成が容易になるから、上記のキットによれば、必要に応じてゲル組成物を調製し、所定形状の硬化物を簡単に製造することが可能になる。
<硬化物の製造方法>
本発明は、アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)とアミノ化合物(B)とを混合してゲル組成物とするゲル化工程と、前記ゲル組成物を硬化させて硬化物とする硬化工程と、を有する硬化物の製造方法として実施することもできる。この場合、ゲル化工程と硬化工程との間に、ゲル組成物を所定形状に成形する成形工程を実施することが好ましい。硬化工程の前の成形工程により、ゲル組成物を所望の立体形状としておくことにより、ゲル組成物を硬化させる硬化工程によって、複雑な形状の硬化物であっても容易かつ効率的に形成することができる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において用いる、一分子中のアクリル官能基数が3以上のポリアクリレート(A)、アミン化合物(B)、ジオールおよびアクリレートの名称ならびにその略号を示す。この略号を使用して、以下の実施例を説明する。
<ポリアクリレート(A)>
M305:一分子中にアクリル官能基を3以上有するポリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能基、分子量298)およびペンタエリスリトールテトラアクリレート(4官能基、分子量352)の混合物(商品名:アロニックスM305、東亜合成(株)製)

8KX−077:UV硬化型ポリマーアクリレート、アクリレート官能基数約48、平均分子量23,000(大成ファインケミカル(株)社製)
V#1000:デンドリマーアクリレート、アクリレート官能基数約6〜12、分子量約1,000〜2,000(大阪有機化学(株)製)
<アミン化合物(B)>
DB3APE:第1級アミノ基を2つ有するジアミン化合物、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、分子量220.31(東京化成工業(株)製)
APMS:第1級アミノ基を1つ有し、アルコキシシリル基を有するモノアミン化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、分子量179.29(東京化成工業(株)製)

<ジオール>
DG:ジエチレングリコール、分子量106.12
<アクリレート>
THFMA:アクリル官能基を一分子中に1つ有するアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、分子量170.21
1,6HXA:アクリル官能基を一分子中に2つ有するポリアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、分子量226.3
アクリレートおよびアミンからなるゲルを以下に示すように作製した。表1に実施例1〜4および比較例1〜3の成分および物性等についてまとめた。
[実施例1]
サンプル管に、M305(アクリル官能基を一分子中に3以上有するポリアクリレート)を2.70gおよびDB3APE(第1級アミノ基を2つ有するジアミン化合物)を0.30g仕込み、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時点(両成分が均一に溶解した時点)を起点として、目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル組成物となるまでの時間(ゲル化時間)を計測したところ6時間(360分間)であった。
続いて、レオメーター(Anton Paar社製 粘弾性測定装置MCR302)を使用して、ゲル化したサンプル(ゲル組成物)の損失正接を測定した。角周波数を10rad/秒として貯蔵弾性率と損失弾性率とを測定した。これらの測定結果を用いて計算した損失正接(tanδ)は0.401であった。
[実施例2]
表1に示すとおり、M305に代えて8KX−077(UV硬化型ポリマーアクリレート)を用いたこと、および攪拌にVOLTEXミキサーを用いたこと以外、実施例1と同様にしてゲル組成物を作製した。ゲル化時間は1分間、損失正接は0.277であった。
[実施例3]
表1に示すとおり、M305に代えてV#1000(デンドリマーアクリレート)を用いたこと、および攪拌にVOLTEXミキサーを用いたこと以外、実施例1と同様にしてゲル組成物を作製した。ゲル化時間は2分間、損失正接は0.0232であった。
[実施例4]
表1に示すとおり、M305に代えてV#1000(デンドリマーアクリレート)を用いたこと、およびDB3APEに代えてAPMS(第1級アミノ基を1つ有し、アルコキシシリル基を有するモノアミン化合物)を用いたこと、ならびに、攪拌にVOLTEXミキサーを用いたこと以外、実施例1と同様にしてゲル組成物を作製した。ゲル化に要した時間は9時間(540分間)、損失正接は0.0302であった。
[比較例1]
表1に示すとおり、M305に代えてTHFMA(アクリル官能基を一分子中に一つ有するアクリレート)を用いたこと、および、攪拌にVOLTEXミキサーを用いたこと以外、実施例1と同様にした。成分の溶解から24時間(1440分間)経過時点においてゲル組成物を得ることができず、その損失正接を測定したところ、1.19であった。
[比較例2]
表1に示すとおり、DB3APE(アミン化合物(B))0.3gに代えて、DG(ジエチレングリコール)0.145gを用いたこと、および、攪拌にVOLTEXミキサーを用いたこと以外、実施例1と同様にした。成分の溶解から24時間経過時点においてゲル組成物は得られず、その損失正接を測定したところ22であった。
[比較例3]
表1に示すとおり、M305に代えて1,6HXA(アクリル官能基を一分子中に2つ有するポリアクリレート)を用いたこと以外、実施例1と同様にした。成分の溶解から24時間経過時点においてゲル組成物は得られず、その損失正接は1.68であった。
実施例1〜実施例4はいずれも、ゲル化時間が数分から数時間経過した時点において、目視によりゲル組成物の形成が確認され、その損失正接は0.5未満であった、対して、比較例1および比較例3はいずれも、成分の溶解から24時間経過した時点においてゲル組成物が形成されなかった。この結果から、一分子中に3以上のアクリル官能基を有するポリアクリレート(A)がゲル組成物の形成に必要といえる。
アミン化合物(B)の代わりにジオールを用いた比較例2は、溶解から24時間経過した時点においてゲル組成物が形成されなかった。この結果から、ゲル化には、一分子中に3以上のアクリル官能基を有するポリアクリレート(A)と、アミン化合物(B)と、を併用する必要があるといえる。
実施例2および実施例3のゲル化時間は、実施例1および実施例4よりもさらに短縮された。この結果から、ポリアクリレート(A)として、ポリマーアクリレートまたはデンドリマーアクリレートを用いることによってゲル化時間が短縮できることが分かった。また、ポリマーアクリレートおよびデンドリマーアクリレートを用いた場合、アミン化合物(B)の濃度を低くすることにより、ゲル化時間を長くすることもできる。したがって、ポリアクリレート(A)として、ポリマーアクリレートまたはデンドリマーアクリレートを用いて、アミン化合物の濃度を調整することにより、ゲル化時間を所望の時間に調整することが可能である。ゲル化時間を調整可能であることは、製造プロセスに応じてゲル組成物を形成できるという点において有利である。
デンドリマーアクリレートを用いた実施例3のゲル組成物は、ポリマーアクリレートを用いた実施例2のゲル組成物に比べて粘度が低く取扱い性が良好であった。また、ゲル化後において、ポリアクリレート(A)を溶解する溶媒がゲル組成物から流出することもなかった。このように、デンドリマーアクリレートは、作業性が良好な取扱い性の良いゲル組成物が得られるという点において、より好ましいといえる。
アミン化合物(B)として、第1級アミノ基を1つ有し、アルコキシシリル基を有するモノアミン化合物を用いた実施例4は、実施例1〜実施例3同様、ゲル組成物を得ることができた。アルコキシシリル基を有するアミン化合物(B)を用いることにより、ゲル組成物中のポリアクリレート(A)の残存アクリル官能基による光硬化に加えて、アルコキシシランのシランカップリングによって、ゲル組成物を硬化することができる。また、ゲル組成物を有機材料および無機材料のいずれとも親和性の良好な有機と無機との複合材料(ハイブリッド)とすることが可能になる。
表1に示すように、実施例1〜4で得られたゲル組成物はいずれも、常温条件下におけるゲル化時間は数分間から数時間程度であった。このように短時間で製造できる本発明のゲル組成物は製造プロセスの面で優れているといえる。
本発明のゲル組成物は、短時間で調製することができるから、必要に応じてゲル化して硬化させることにより、種々の形状の硬化物の製造に適したゲル組成物として利用できる。

Claims (9)

  1. アクリル官能基を3以上有するポリアクリレート(A)と、アミン化合物(B)と、を含有し、前記ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、前記アミン化合物(B)のアミノ基とのモル比が、前記アクリル官能基/前記アミノ基のモル比として、10〜22であることを特徴とするゲル組成物。
  2. 前記ポリアクリレート(A)がポリマーアクリレートである請求項1記載のゲル組成物。
  3. 前記ポリアクリレート(A)がデンドリマーアクリレートである請求項1記載のゲル組成物。
  4. 前記アミン化合物(B)がモノアミン化合物またはジアミン化合物である請求項1、2または3記載のゲル組成物。
  5. アクリル官能基を3以上有するポリアクリレート(A)と、アミン化合物(B)と、を含有し、前記アミン化合物(B)がアルコキシシリル基を有するゲル組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲル組成物を硬化させて得られる硬化物。
  7. アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)を含有する第一液と、アミノ化合物(B)を含有する第二液と、を有し、前記ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、前記アミン化合物(B)のアミノ基とのモル比が、前記アクリル官能基/前記アミノ基のモル比として、10〜22であることを特徴とするゲル組成物形成用のキット。
  8. アクリル官能基数が3以上であるポリアクリレート(A)と、アミノ化合物(B)とを、前記ポリアクリレート(A)のアクリル官能基と、前記アミン化合物(B)のアミノ基とのモル比が、前記アクリル官能基/前記アミノ基のモル比として、10〜22で混合してゲル組成物とするゲル化工程と、
    前記ゲル組成物を硬化させて硬化物とする硬化工程と、
    を有することを特徴とする硬化物の製造方法。
  9. 前記ゲル化工程と前記硬化工程との間に、前記ゲル組成物を所定形状に成形する成形工程を有する請求項8に記載の硬化物の製造方法。
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