JP6796873B2 - ハーネスおよび救命胴衣 - Google Patents
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Description
なお、救命胴衣の従来技術として、例えば、前身頃と、後身頃を備える救命胴衣本体において、その襟首部から後襟部を後身頃の背面に沿って起伏自在に吊設し、この後襟部内に浮力材を内装し、後襟部の下端部に把持部を一体的に設けた救命胴衣に関する発明が開示されている(特許文献1)。このような構成の発明によれば、救命胴衣を装着した要救助者が水中に落下した場合、後襟部が水面に浮上するため呼吸を確保可能である。一方で、救助者は、把持部を把持して後方に引っ張ることにより水面に浮かんだ要救助者を救助することができる。
しかし、要救助者を上空から救助する場合では、把持部にロープを接続して吊り上げることが考えられるものの、把持部の1箇所のみにロープを接続したのでは要救助者の体を揺らさず安定的に保持することが困難であり、また把持部や救命胴衣の強度が不足しているおそれもある。そのため、特許文献1に開示された発明を、上空からの救助の場合に使用することは適切でない。
そこで、近年、水中に落下した者を救助するためのものではないが、要救助者を吊り下げて墜落を防止するための救命胴衣の技術が開発されており、それに関して既に発明が開示されている。
以下、特許文献2に開示された発明について説明する。特許文献2に開示された発明は、落石から身体を保護するように、ロープと連結され背板に複数の保護クッションを備えた衣服部と、墜落防止のため、身体部位別に包むように着用するベルトが衣服部内皮に一体に取り付けられるように構成される安全帯を含んでなり、この安全帯は衣服部の前面で両側が互いに平行し、後面で交差するように連結される肩ベルトと、衣服部の胸板前面と側面を連結する胸ベルトと、脚や腰を包む腰兼用下体ベルトからなることを特徴とする着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣である。
このような特徴を有する発明においては、ロープの一端に設けられたフックをベルトの一部を構成する肩ベルトに係合し、かつロープの他端を作業支持台に係合すると、作業者は落下した際に、フックが係合された肩ベルトの1点において作業支持台から吊り下げられる。また、安全帯は引張力の強い糸で織造され、さらに肩ベルト、胸ベルト等により作業者の胴部を確実にホールドできることから、作業者の墜落を未然に防止可能である。したがって、特許文献2に開示された発明を、上空からの救助の場合に十分適用可能であるとも考えられる。
これに対し、建物等に取り残された住人は、体力の弱った高齢者や病人も含まれており、また健常者であっても疲弊している可能性があるため、身体を自在に動かせず装着困難な場合や、時間的余裕がない場合も多いと考えられる。このような場合、手順の煩雑さは大きな不都合となる。
さらに、腰兼用下体ベルトは股関節部に巻回されるとともにロープによって直接吊り下げられないことから、脚部は比較的自由に動かすことができるものと考えられる。そのため、一般人である要救助者が上空から吊り下げられた際に大きく揺さぶられてパニックに陥り、脚部を大きく動かすことでさらに揺れが増大されるおそれがある。このように、特許文献2に開示された発明を上空からの救助の場合に適用すると、要救助者の動きを抑制できない可能性があるため、救助が手間取るおそれがある。
ハーネスの後面では、1本の重複ベルトは鉛直方向に沿って配置され、この重複ベルトの上側端部と一対の背面ベルトは略Y字形状をなす。また、重複ベルトの下側端部と一対の背面ベルトは略Y字形状が上下逆転した形状をなす。
このような構成の発明において、形成手段として、例えば、ベルトに着脱可能又は不能に取り付けられる長さ調整のアジャスターバックルや、背面ベルト同士を縫着した縫着部が考えられる。また、肩吊具としては、金属製のD環、楕円環や円環が考えられる。
上記構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、肩吊具が上方ループ部に挿通されると、肩吊具が背面ベルトの一箇所に上方ループ部を超えてスライド移動不能に取り付けられる。また、形成手段がアジャスターバックルの場合、形成手段自体は背面ベルトに沿ってスライド移動可能である。よって、肩吊具も背面ベルトに沿ってスライド移動可能である。一方、形成手段が縫着部の場合、肩吊具は背面ベルトに沿ってスライド移動しない。
このような構成の発明において、脚吊具として、例えば、金属製の楕円環や円環、D環が考えられる。
上記構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、脚吊具が下方ループ部に挿通されることから、環状ベルトに沿って移動することが防止される。また、脚吊具自体は、環状ベルトに着脱可能であり、装着後でも環状ベルトに沿ってスライド移動可能である。
このような構成の発明においては、第1乃至第3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、第2のジョイントを分離することで、膝を曲げて大腿部を持ち上げなくても大腿部に環状ベルトが巻回される。
このような構成の発明において、前身頃と後身頃は、いずれも、浮体と、この浮体を被覆する被覆布を備え、要救助者を衝撃から防護したり、水没を防止したりすることができる。また、救命胴衣は、例えば、頭部を防護するために前身頃に着脱可能に取り付けられる頭部カバーを備えていても良い。なお、頭部カバーはクッション材と、このクッション材を収容する収容体からなるものが考えられる。
なお、前面固定手段と背面固定手段は、いずれもハーネスを取り外し可能、又は不能に救命胴衣へ固定することができる構成である。前面固定手段と背面固定手段としては、例えば、前者ではハーネスを係着する面ファスナーであり、後者では救命胴衣の被覆布とハーネスを重ねて縫着した縫着部である。
上記構成の発明においては、第5の発明の作用に加えて、要救助者が一対の肩吊具及び一対の脚吊具を介してそれぞれ吊り下げロープで吊り下げられるとき、前面ベルトと重複ベルトはそれぞれ前面固定手段と背面固定手段へ近づくように上方にスライド移動する。しかし、前面固定手段において、前面ストッパーは前面保持部の下方に配置されるように前面ベルトに取り付けられているから、前面ベルトが上方へスライド移動すると前面ストッパーが前面保持部に係止される。よって、前面ベルトが上方へ過剰にスライド移動することが防止される。このような作用は、背面固定手段においても同様である。
このような構成の発明においては、第5又は第6の発明の作用に加えて、肩吊具を背面ベルトに沿って移動させてその位置を調整可能な場合、吊り下げ時の荷重のバランスによっては、肩吊具が腹部側の下方へ過剰にスライド移動するおそれがある。しかし、上方固定手段は肩吊具の下方に配置されるように前身頃の表面に取り付けられているから、肩吊具が上方固定手段に係止され、下方へ過剰にスライド移動することが防止される。
また、一対の肩吊具及び一対の脚吊具の合計4カ所において、要救助者を吊り下げ可能であることから、一点のみで吊り下げる場合と比較して要救助者の体を揺らさず安定的に保持できる。そのため、要救助者が感じる揺れによる恐怖感を軽減可能である。
さらに、脚吊具と環状ベルトが設けられることで、両大腿部をも直接吊り下げることが可能であるから、仮に要救助者がパニックに陥った場合であっても脚部の不要な動きを抑制することができる。したがって、第1の発明によれば、吊り下げ時における優れた安全性を発揮可能である。
図1に示すように、実施例1に係るハーネス1は、一対の背面ベルト2,2と、一対の前面ベルト3,3と、連結ベルト4と、一対の環状ベルト5,5を備える。このうち、一対の背面ベルト2,2は、一端2a,2aが要救助者50(図6参照)の胸部51の左右前面にそれぞれ配置されるとともに他端2b,2bが両肩部52,52及び背部53に架け渡されて両大腿部54,54の高さにそれぞれ到達する。
また、一対の前面ベルト3,3は、上端3a,3aが背面ベルト2,2の一端2a,2aに接続具6,6を介してそれぞれ接続されるとともに下端3b,3bが両大腿部54,54の高さにそれぞれ到達する。
そして、環状ベルト5,5は、両大腿部54,54にそれぞれ巻回され、他端2b,2bと下端3b,3bが互いに異なる位置で接続されている。
また、接続具6は、金属製のバックルであって、アジャスターバックル13と同様の構成をなす。
さらに、第1のジョイント7は、プラスチック製のワンタッチジョイントであって、ジョイント本体7aと、ジョイント本体7aの一方の端面に開口する差込口に差し込んでロックされる差込プレート7bと、差込プレート7bのロックを解除する解除レバー7cからなる。
そして、前面ベルト3の下方は2枚のベルト素材が分離した状態で重なり合い、そのうちの一方が下端3bとなっている。この下端3bは脚吊具10寄りの環状ベルト5に縫着されることで、環状ベルト5に対して直交しつつ環状ベルト5と接続されている。
加えて、下端3bと環状ベルト5の間には、これらに対して傾斜して架け渡される補強ベルト3cが備えられている。補強ベルト3cの両端が前面ベルト3と環状ベルト5に対して縫着されていることにより、下端3bと環状ベルト5との接続が強化されている。なお、前面ベルト3を構成する2枚のベルト素材のうちの他方は、補強ベルト3cの直上において、図示しない環状のゴムベルトによって前面ベルト3の下端3bと重ねて挟持される。
そして、上方の保持手段11の3個の挿通孔11bには、背面ベルト2,2と重複ベルト2Aが挿通される。すなわち、上方の保持手段11は、背面ベルト2,2が要救助者50(図6参照)の体軸に対して互いに対称的に傾斜して配置され、1本の重複ベルト2Aが体軸に沿って配置されることにより、背面ベルト2,2の途中に取り付けられる。
また、下方の保持手段11は、上方の保持手段11と上下を逆転させて背面ベルト2,2の途中に取り付けられる。
図2に示すように、背面ベルト2は、その一箇所に上方ループ部L1を形成するために背面ベルト2に設けられる形成手段12を備える。そのため、肩吊具9は、上方ループ部L1に挿通される第1の環状部材である。
具体的には、形成手段12は、例えばプラスチック製のバックルであって、略長方形の枠体12aと、この枠体12aの短辺同士を連結する連結枠12bと、外側上方に突出するように枠体12aの短辺に形成される半円状の摘み部12cからなる。
また、肩吊具9は、金属製のD環であって、その直線部9aは筒状をなす例えばプラスチック製のローラー9bとともに上方ループ部L1に挿通される。よって、肩吊具9の湾曲部は、直線部9aを中心として略180度の範囲内で回動可能である。
図3(a)に示すように、環状ベルト5は、第2のジョイント8と、この第2のジョイント8に隣接する脚吊具10と、3個のアジャスターバックル14,14,14´を備える。このうち、背面ベルト2の他端2bを挟んで配置される2個のアジャスターバックル14,14は、第2のジョイント8及び脚吊具10に対し、環状ベルト5の半周程度の間隔を空けて配置される。また、環状ベルト5には、脚吊具10寄りに前面ベルト3の下端3bが接続される。なお、背面ベルト2の他端2bのループ状に形成された内部には環状ベルト5が挿通されているため、他端2bは2個のアジャスターバックル14,14を超えて移動することができない。
また、ジョイント本体8aの他方の端面寄りには、環状ベルト5が分離され折り曲げられて形成される一対の分離端5a,5bのうち、一方の分離端5aが係止される柱状の係止部8dが設けられる。さらに、分離端5aの切断端は、アジャスターバックル14と同一形状のアジャスターバックル14´により、環状ベルト5と重ねて挟持される。すなわち、係止部8dとアジャスターバックル14´は、環状ベルト5の全周の長さを調整する長さ調整手段として機能するものである。
これに対し、他方の分離端5bは、下方ループ部L2が形成され、分離端5bの切断端は、環状ベルト5に縫着されている。なお、環状ベルト5の分離端5bの縫着部分は図3中の死角に位置しているため、図3中には示されていない。
脚吊具10は、下方ループ部L2に挿通される第2の環状部材であって、具体的には、その一部を開閉可能とするヒンジ構造を備えた金属製の楕円環である。
そして、最後に第1のジョイント7の差込プレート7bをジョイント本体7aに差し込む。そうした後、一対の肩吊具9,9と一対の脚吊具10,10にそれぞれロープRをフックF(図6参照)を介して係止すれば、要救助者50を吊り下げ可能となる。なお、吊り下げられた際には、要救助者50の姿勢をやや後傾した座位に維持することができる。
さらに、ハーネス1によれば、肩吊具9,9と脚吊具10,10という合計4箇所において、要救助者50を吊り上げることができるので、一点のみで吊り下げる場合と比較して要救助者50の体を揺らさず安定的に保持できる。そのため、要救助者50が感じる揺れによる恐怖感を軽減可能である。加えて、合計4箇所で吊り下げると、要救助者50の荷重を分散できるため、環状ベルト5,5と脚吊具10,10に係止した各ロープRを高強度とすることで、安全性も向上させることができる。
さらに、ハーネス1によれば、脚吊具10が下方ループ部L2に挿通されて環状ベルト5に沿って移動することが防止されるため、ハーネス1を装着時にロープRを脚吊具10へ容易に係止することができる。また、金属製の脚吊具10の重みで環状ベルト5が捩じれるおそれが考えられるが、環状ベルト5には背面ベルト2の他端2bと前面ベルト3の下端3bが互いに異なる位置で接続されるため、実際にはそのようなおそれはない。
さらに、折り曲げられた分離端5aの切断端は、アジャスターバックル14´により環状ベルト5と重ねて挟持されるため(図3を参照)、分離端5aの切断端が係止部8dから抜け落ちたり、分離端5aの切断端が揺動して装着作業の邪魔になったりすることを抑制できる。
しかし、仮に要救助者50がパニックに陥った場合であっても、脚吊具10,10と環状ベルト5,5が設けられることによって、両大腿部54,54を直接吊り下げることが可能なので、両脚部の不要な動きを抑制することができ、救助時の安全性を確保できる。
図4及び図5に示すように、実施例2に係る救命胴衣15は、実施例1に係るハーネス1が取り付けられる救命胴衣であって、一対の前身頃16,16と、後身頃17を備える。前身頃16,16は、それぞれ浮体(図示せず)と、この浮体を被覆する被覆布16a,16aと、前身頃16,16同士を連結する線ファスナー16b,16bを備える。後身頃17は、浮体(図示せず)と、この浮体を被覆する被覆布17aを備える。よって、救命胴衣15は、要救助者50(図6参照)を衝撃から防護したり、要救助者50が溺れることを防止したりすることができる。
さらに、前身頃16,16は、その表面に前面ベルト3,3を固定する前面固定手段18,18がそれぞれ設けられ(図4,6を参照)、後身頃17は、その表面に重複ベルト2Aを固定する背面固定手段19が設けられる(図5を参照)。
加えて、前身頃16,16には、その表面に背面ベルト2,2を固定する上方固定手段28,28が、前面固定手段18,18の上方で、かつ肩吊具9,9の下方に配置されるようにそれぞれ設けられる。
前面保持部20は、例えば被覆布16aに縫着される前面縫着部21と、この前面縫着部21を挟んで両側に設けられ互いに係着する前面ファスナー22a,22aを備え、前面ベルト3を前身頃16に対して上下方向に沿って移動可能に保持するとともに、前面ストッパー23を係止可能である。
具体的には、前面保持部20は、例えば合成繊維製の細長形状をなす基材を備え、前面ファスナー22a,22aは、この基材に縫着される面ファスナーである。また、前面ストッパー23は、アジャスターバックル14と同様の構成をなすバックルである。
背面保持部24は、被覆布17aに縫着される背面縫着部25と、この背面縫着部25を挟んで両側に設けられ互いに係着する背面ファスナー26a,26aを備え、重複ベルト2Aを後身頃17に対して移動可能に保持するとともに、背面ストッパー27を係止可能である。
具体的には、背面保持部24は、前面保持部20と同様に、例えば合成繊維製の細長形状をなす基材を備え、背面ファスナー26a,26aは、この基材に縫着される面ファスナーである。また、背面ストッパー27は、アジャスターバックル14と同様の構成をなすバックルである。
また、要救助者50が肩吊具9,9及び脚吊具10,10を介してそれぞれ吊り下げロープRで吊り下げられるとき、前面ベルト3,3と重複ベルト2Aはそれぞれ前面固定手段18,18と背面固定手段19に対して上方にスライド移動する場合がある。しかし、前面固定手段18において、前面ストッパー23は前面保持部20の下方に配置されるように前面ベルト3に取り付けられているから、前面ベルト3が上方へスライド移動すると前面ストッパー23が前面保持部20に係止される。よって、前面ベルト3が上方へ過剰にスライド移動することが防止される。なお、図4では、前面ストッパー23と同一構造のストッパー(符号なし)が前面保持部20を挟むように前面縫着部21の上方において前面ベルト3に取り付けられているため、前面ベルト3が下方へ過剰にスライド移動することも防止される。ただし、このストッパーは省略されても良い。
背面固定手段19においても、背面ストッパー27は背面保持部24の下方に配置されるように重複ベルト2Aに取り付けられているから、重複ベルト2Aが上方へスライド移動すると背面ストッパー27が背面保持部24に係止される。よって、重複ベルト2Aが上方へ過剰にスライド移動することが防止される。
図6に示すように、実施例1に係るハーネス1が取り付けられた救命胴衣15は、ハーネス1の肩吊具9,9および脚吊具10,10のそれぞれにロープRの先端に連結されたフックFが係止され、4点で吊られる状態となる。ただし、本図では、1つの脚吊具10のみにロープR及びフックFが係止された状態を示しており、残りの肩吊具9と脚吊具10については、ロープR等の図示を省略している。
すると、救命胴衣15の前面固定手段18,18と背面固定手段19(図5参照)により、ハーネス1の前面ベルト3と重複ベルト2A(図5参照)が上方へ過剰にスライド移動することが防止されるため、吊り上げられる際に環状ベルト5,5が要救助者50の股関節部に上昇することが防止される。さらに、脚吊具10,10が設けられることで、常に両大腿部54,54をロープR,Rで吊り上げることが可能となる。よって、要救助者50の姿勢がやや後傾した座位に維持される。
また、要救助者50を上空から吊り上げられる際に、ハーネス1の背面ベルト2,2及び前面ベルト3,3が要救助者50の身体に直接接触しないから、要救助者50の体が締め付けられることがなく、要救助者50に与える負荷を軽減することができる。また、環状ベルト5,5についても、救命胴衣15の前面固定手段18,18と背面固定手段19により、環状ベルト5,5が要救助者50の股関節部に上昇することが防止されるため、要救助者50に与える負荷を軽減することができる。
加えて、ハーネス1の肩吊具9,9および脚吊具10,10の4点で吊られて、要救助者50の姿勢がやや後傾した座位に維持されるため、不安定な姿勢で吊り上げられることがなく、要救助者50に安心感を与えることができる。
特に、上方固定手段28により、肩吊具9が下方へ過剰にスライド移動することを防止できるので、要救助者50の頭部が大きく後傾せず、要救助者50に不快感や頚部の痛み等を感じさせないようにすることが可能である。
Claims (7)
- 一端が要救助者の胸部の左右前面にそれぞれ配置されるとともに他端が両肩部及び背部に架け渡されて両大腿部の高さにそれぞれ到達する一対の背面ベルトと、
上端が前記一端に接続具を介してそれぞれ接続されるとともに下端が前記両大腿部の前記高さにそれぞれ到達する一対の前面ベルトと、
前記一端同士又は前記上端同士を第1のジョイントを介して分離可能に連結する連結ベルトと、
前記両大腿部に巻回され、前記他端と前記下端が互いに異なる位置でそれぞれ接続される環状ベルトと、
一対の前記背面ベルトの途中にそれぞれ取り付けられる一対の肩吊具と、
一対の前記環状ベルトの途中にそれぞれ取り付けられる一対の脚吊具と、
一対の前記肩吊具と一対の前記他端の間において間隔を空けて取り付けられ、一対の前記背面ベルトを重ねて1本の重複ベルトとして保持する一対の保持手段を備えることを特徴とするハーネス。 - 前記背面ベルトは、その一箇所に上方ループ部を形成するために前記背面ベルトに設けられる形成手段を備え、
前記肩吊具は、前記上方ループ部に挿通される第1の環状部材であることを特徴とする請求項1に記載のハーネス。 - 前記環状ベルトは、その一箇所に下方ループ部が形成され、
前記脚吊具は、前記下方ループ部に挿通される第2の環状部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハーネス。 - 前記環状ベルトは、第2のジョイントを備え、
この第2のジョイントは、前記環状ベルトを分離可能に連結することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のハーネス。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のハーネスが取り付けられる救命胴衣であって、
この救命胴衣は、一対の前身頃と、後身頃を備え、
前記前身頃は、その表面に前記前面ベルトを固定する前面固定手段が設けられ、
前記後身頃は、その表面に前記重複ベルトを固定する背面固定手段が設けられることを特徴とする救命胴衣。 - 前記前面固定手段は、前記前身頃に固定される前面保持部と、この前面保持部の下方に配置されるように前記前面ベルトに取り付けられる前面ストッパーからなり、
前記前面保持部は、前記前身頃に縫着される前面縫着部と、この前面縫着部を挟んで両側に設けられ互いに係着する前面ファスナーを備え、前記前面ベルトを前記前身頃に対して移動可能に保持するとともに、前記前面ストッパーを係止可能であり、
前記背面固定手段は、前記後身頃に固定される背面保持部と、この背面保持部の下方に配置されるように前記重複ベルトに取り付けられる背面ストッパーからなり、
前記背面保持部は、前記後身頃に縫着される背面縫着部と、この背面縫着部を挟んで両側に設けられ互いに係着する背面ファスナーを備え、前記重複ベルトを前記後身頃に対して移動可能に保持するとともに、前記背面ストッパーを係止可能であることを特徴とする請求項5に記載の救命胴衣。 - 前記前身頃は、前記表面に前記背面ベルトを固定する上方固定手段が、前記前面固定手段の上方、かつ前記肩吊具の下方に配置されるように設けられ、
前記上方固定手段は、前記前身頃に縫着される上方縫着部と、この上方縫着部を挟んで両側に設けられ互いに係着する上方ファスナーを備え、前記背面ベルトを前記前身頃に対して移動可能に保持するとともに、前記肩吊具を係止可能であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の救命胴衣。
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