JP6796773B2 - 非フコシル化タンパク質および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオテクノロジー、遺伝子工学および免疫学の分野に関する。具体的には、本発明は、特定の生物学的経路が改変された細胞株の開発に関する。かかる改変は細胞の酵素にあり、具体的には、タンパク質のグリコシル化に関与する酵素にある。本発明は、タンパク質のグリカン鎖の特異的改変が実現されるタンパク質発現系を開発する。グリカン鎖の特異的改変は、抗体を含む非フコシル化タンパク質を産生する。かかる産生物は、治療法およびバイオマーカーの開発、および種々の疾患の診断と予後に用いられる。本発明は、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)技術を採用する。
真核生物におけるグリコシル化は、最も一般的な、共有結合性の翻訳後タンパク質修飾メカニズムとして、数十年間にもわたって精力的に研究されている(Varkiら、2009)。ヒト・トランスクリプトーム(約250〜500の糖遺伝子)の約1〜2%が、グリコシル化に関与しているタンパク質を翻訳することが予測される(CampbellおよびYarema、2005)。細胞タンパク質のグリコシル化は、タンパク質の折り畳み、安定性、細胞内および細胞間輸送、細胞−細胞および細胞マトリックス相互作用等の多くの重要な生物学的機能を果たす。
糖タンパク質には、N-結合型、O-結合型、グリコサミノグリカンおよびグリコシルホスファチジルイノシトール−アンカー型タンパク質の4種類の異なるグループがある。N-結合型グリコシル化は、アスパラギン残基の側鎖アミド窒素を介して生じるが、O-結合型グリコシル化は、セリンまたはスレオニン残基の側鎖中の酸素原子を介する。N-結合型グリコシル化は、Asn−X−Ser/Thrのアミノ酸配列において起こる。ここで、Xは、プロリンおよびアスパラギン酸を除く任意のアミノ酸である(HeleniusおよびAebi、2004)。
フコース(6-デオキシ-L-ガラクトース)は、脊椎動物、無脊椎動物、植物および細菌に存在する多くの糖タンパク質および糖脂質に存在する単糖である。フコシル化は、フコース残基を種々のタンパク質およびオリゴ糖に転移するプロセスである。フコシル化は、フコシルトランスフェラーゼ、グアノシン二リン酸(GDP)‐フコース合成酵素、およびGDP-フコーストランスポーター類を含むいくつかの分子により制御されている。多くのフコシル化糖タンパク質は、分泌タンパク質か細胞表面の膜タンパク質である。フコシル化糖タンパク質の強力な実例として、重要ながんバイオマーカーであるフコシル化アルファ−フェトプロテイン(AFP)がある(Simm、1979)。
2014年には、世界的に見て、新規のがん患者が1410万人、がんによる死亡が820万人、また、がんと共存する人(診断後5年以内)が3260万人いる。がんの高い死亡率は、より効果的な治療の必要性を想起させる。この20年間で、抗がん剤開発おいて最も目立った変化は、古典的な細胞毒性薬から、モノクローナル抗体(mAbs)として知られる、がんに関与するシグナル経路に影響する薬物への転換である。10年前には、市場に2種類のmAbsがあるのみであったが、現在では、アダリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ等の、多様な治療法のための約30種類のFDAに認可されたmAbsがある。mAbsは、製薬産業において最も急速に拡大しているセグメントであり、この急速な拡大は、今後も続きそうである。今では100種類を超えるモノクローナル抗体に基づく生物学的製剤が臨床試験されている。これらの多くが第II相および第III相にあり、承認規制当局に上げられるであろう。本明細書に記載された技術を使用した治療用モノクローナル抗体の改良は、患者の臨床成績を良い方向へ導くものである。
ヒトIgG1抗体は高度にフコシル化された糖タンパク質である。IgG1のAsn-297には、フコース、ガラクトース、バイセクティング(bisecting)N-アセチルグルコサミンおよびシアル酸が可変的に付加した7糖母核から成る2種類のN-結合型二分岐オリゴ糖が存在する。抗体のグリコシル化は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)であるエフェクター機能として知られる特有の生物学的機能の原因となる。ADCCは細胞介在性免疫システムであり、免疫細胞(例えばナチュラルキラー細胞)が、細胞表面抗原に対する抗体を介して特定された標的細胞を溶解する。
IgG分子のエフェクター機能は、抗体のFc領域と、FcγRとして知られる白血球受容体との相互作用または補体成分との相互作用によって定義される。オリゴ糖構造の構成は、FcγR結合を介するエフェクター機能に対して非常に重要である(Shieldsら、2002;Shinkawaら、2003;Niwaら、2004;Niwa、Shoji-Hosakaら、2004;Yamane-Ohnukiら、2004)。ヒトIgG1の結晶構造分析により、オリゴ糖鎖とCh2ドメインの複雑な相互作用が明らかになった(Harrisら、1998;Radaevら、2001)。
ADCCメカニズムの効率は、抗体のフコシル化の度合いに大きく依存しており、フコシル化が低ければ低いほど、それだけADCC速度は高くなる。そのため、フコシル化の消失は、生物学的に著しい結果をもたらす。この消失は非機能性酵素フコシルトランスフェラーゼに起因し、細胞タンパク質の非フコシル化をもたらす。1番目のN-アセチルグルコサミンにフコースが存在しないことは、FcγRIIIα受容体への結合親和性が増大したIgG1抗体をもたらし、結果として、ADCC活性が50〜100倍増加する(Shinkawaら、2003)。非フコシル化IgGによるADCCの改善は、FcγRIIIαへの親和性増大と正比例する。これは、非フコシル化IgG Fcが、正常血清中の高濃度のフコシル化IgGとの競合に打ち勝てるようにする。FcγRIIIαへの非フコシル化IgG Fcの親和性増大に対する妥当な理論的根拠として、受容体−リガンド界面での立体阻害の低減または消失がある(Harris、1998;Radaev、2001)。
哺乳類の発現系では、Fut8遺伝子にコードされる酵素α-1,6-フコシルトランスフェラーゼが、GDP-フコースのフコース部分を、タンパク質中のN-グリカンのN-アセチルグルコサミンに転移することに関与している(Miyoshi、1999)。さまざまな手段によるこの遺伝子機能の破壊は、抗体を含む非フコシル化タンパク質の産生につながる(Naoko Yamane-Ohnuki、2004)。
フコース生合成が障害された哺乳類プラットフォームにおいて開発された治療用抗体の非フコシル化型は、標的腫瘍細胞に向けたADCC効率が向上することにより、フコシル化型を超える臨床上の利点を有する。
歴史的に、遺伝子ノックアウト系は、相同的組み換え(HR)が介在する変異、欠失および/または挿入に完全に依存する。HR系は非常に特異的であるが、ひとつの変異クローンを見いだすためには数千のクローンをスクリーニングする必要があるというように、極めて非効率的である。また、欠失対立遺伝子変異は、さらに多くの時間とより大規模なスクリーニングが必要となる。過去10年間で、DNA配列認識ドメインおよびヌクレアーゼドメインの組み合わせを用いて、目的とする遺伝子組み換えを達成するための数々の技術が考案された。これらの系は、目的とする特異的部位を同定した後に、DNA鎖切断を導入することにおいて効率が高い。ゲノム標的遺伝子座でのDNA二重鎖切断(DSB)は、変異遺伝子に対して使われるDNA修復を活性化する。DNA損傷応答は、真核細胞において広く保存されている。DSBに基づくゲノム工学の概念は、多様性に富む生物間で容易に移転できる。目的とする遺伝子座で二重鎖切断を作り出せば、相同的組み換えおよび非相同末端結合メカニズムを介して、遺伝子ノックアウトの頻度を千倍増加させる。
比較すると、Znフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、各Znフィンガー直列アレイに対して、DNAレベルで3塩基を必要とする。また、Znフィンガーアレイにおける標的部位の重複および個々のフィンガー間のクロストークは、配列特異的ZFNの産生を著しく複雑にする。さらに、ZFNの主要な欠点には、特異的DNA配列認識のためのZFNモチーフを同定するための複雑で時間のかかる実験的選択プロセスが含まれる。
先行技術には、Fut8遺伝子座の破壊についての方法がある。しかしながら、TALEN 技術によるFut8遺伝子座上の特定の位置を標的とする方法はない。
本発明は、Fut8遺伝子座上の特定の位置を標的とするTALEN 技術を用いることにより、先行技術の方法に伴う欠点または制限を克服する。TALEN 技術は、Fut8遺伝子および関連する機能を完全に破壊し、非フコシル化タンパク質を産生する細胞を与える。
その結果、本発明は、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインであって、該DNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6、SEQ ID No.8、SEQ ID No. 11、SEQ ID No.14、SEQ ID No. 17、SEQ ID No.20、SEQ ID No. 23、SEQ ID No.26、SEQ ID No. 29、SEQ ID No.32、SEQ ID No. 35、SEQ ID No.38およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるアミノ酸配列を含むDNA結合ドメイン;上記のDNA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、SEQ ID No. 7、SEQ ID No. 9、SEQ ID No. 12、SEQ ID No. 15、SEQ ID No. 18、SEQ ID No. 21、SEQ ID No. 24、SEQ ID No. 27、SEQ ID No. 30、SEQ ID No. 33、SEQ ID No. 36、SEQ ID No. 39およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;上記のDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼを含む転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質;上記のポリヌクレオチドを含むベクター;上記のベクターを含む細胞;フコシル化活性を持たない細胞を取得する方法であって、該方法は、a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ、およびb)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップを含む方法;非フコシル化タンパク質を取得する方法であって、該方法は、a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ、b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ、およびc)ステップb)の細胞により発現された非フコシル化タンパク質を取得するステップを含む方法;上記の方法により取得された非フコシル化タンパク質;および、上記の非フコシル化タンパク質を、任意に薬学的に許容される賦形剤とともに含有する組成物に関する。
本発明は、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインであって、該DNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6、SEQ ID No.8、SEQ ID No. 11、SEQ ID No.14、SEQ ID No. 17、SEQ ID No.20、SEQ ID No. 23、SEQ ID No.26、SEQ ID No. 29、SEQ ID No.32、SEQ ID No. 35、SEQ ID No.38およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるアミノ酸配列を含むDNA結合ドメインに関する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 6は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 4に結合する。
本発明の別の実施形態において、SEQ ID No.8は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 5に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 11は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 10に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.14は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 13に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 17は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 16に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.20は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 19に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 23は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 22に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.26は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 25に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 29は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 28に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.32は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 31に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.35は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 34に結合する。
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.38は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 37に結合する。
また本発明は、上記のDNA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、SEQ ID No. 7、SEQ ID No. 9、SEQ ID No. 12、SEQ ID No. 15、SEQ ID No. 18、SEQ ID No. 21、SEQ ID No. 24、SEQ ID No. 27、SEQ ID No. 30、SEQ ID No. 33、SEQ ID No. 36、SEQ ID No. 39およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに関する。
また本発明は、上記のDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼを含む、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質に関する。
本発明の一実施形態において、ヌクレアーゼはFok1エンドヌクレアーゼである。
また本発明は、上記のポリヌクレオチドを含むベクターに関する。
また本発明は、上記のベクターを含む細胞に関する。
本発明の一実施形態において、上記の細胞は哺乳類細胞である。
また本発明は、フコシル化活性を持たない細胞を取得する方法であって、該方法は:
a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ;および、
b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ
を含む方法に関する。
また本発明は、
非フコシル化タンパク質を取得する方法であって、該方法は:
a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ;
b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ;および、
c)ステップb)の細胞により発現された非フコシル化タンパク質を取得するステップ
を含む方法に関する。
本発明の一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
本発明の別の実施形態において、非フコシル化抗体は、非フコシル化モノクローナル抗体である。
本発明のさらに別の実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼは、上記のヌクレアーゼタンパク質であり;このヌクレアーゼタンパク質は、Fut8遺伝子配列を切断する。
本発明のさらに別の実施形態において、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするFut8遺伝子配列は、エクソン9で切断される。
本発明のさらに別の実施形態において、フコシルトランスフェラーゼ酵素は、Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373、Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453、Ser-469およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるアミノ酸位置で突然変異する。
本発明のさらに別の実施形態において、細胞は哺乳類細胞である。
本発明のさらに別の実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞である。
本発明のさらに別の実施形態において、細胞は内在性の非フコシル化タンパク質を産生する。
本発明のさらに別の実施形態において、前記方法は、さらに、タンパク質をコードする遺伝子を細胞に導入し、その非フコシル化タンパク質を取得するステップを含む。
また本発明は、上記の方法により取得された非フコシル化タンパク質に関する。
本発明の一実施形態において、タンパク質は非フコシル化抗体である。
また本発明は、上記の非フコシル化タンパク質を、任意に薬学的に許容される賦形剤とともに含有する組成物に関する。
本発明の一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
本発明は、細胞のフコシル化機構の破壊または不活性化により、非フコシル化タンパク質を取得する方法に関する。
一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
好ましいが限定するものではない実施形態において、非フコシル化抗体は、非フコシル化モノクローナル抗体である。
本発明において、「非フコシル化(non-fucosylated)抗体」および「非フコシル化(afucosylated)抗体」の用語は、交互に用いられ、同一の意味と範囲を有する。
本発明は、具体的には、細胞のFUT8遺伝子の破壊または不活性化に関する。FUT8遺伝子は、酵素α-1,6-フコシルトランスフェラーゼをコードする。
本発明の一実施形態において、細胞はタンパク質を自然に産生する細胞である。
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然に産生する細胞である。
本発明の一実施形態において、細胞は一定のタンパク質を自然には産生しない細胞であり、タンパク質をコードする遺伝子が細胞に導入される。
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然には産生しない細胞であり、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然に産生する細胞であり、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
一実施形態において、細胞は真核細胞である。
一実施形態において、細胞は哺乳類細胞である。
限定するものではない実施形態において、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞である。
限定するものではない実施形態において、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣K1(CHOK1)細胞である。
一実施形態において、CHOK1細胞は抗体産生細胞である。
一実施形態において、本発明の方法により産生された抗体は、治療用抗体である。
別の実施形態において、CHOK1細胞は抗体産生細胞ではなく、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
本発明の一実施形態において、細胞株は、COS、CHO-S、CHO-K1、CHO-DG44、CHO-DUXB11、CHO-DUKX、CHOK1SV、VERO、MDCK, W138、V79、B14AF28-G3、BHK、HaK、NS0、SP2/0-Ag14、HeLa、HEK293-F、HEK293-H、HEK293 -T、YB23HL、P2.G11.16Ag.20、perC6、抗体を産生するハイブリドーマ細胞、胚性幹細胞、ナマルバ(Namalwa)細胞、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera fugiperda、Sf)からの昆虫細胞株、ピキア、サッカロミセスおよびシゾサッカロミセスから成る群より選ばれる。
一実施形態において、細胞は、「フコースノックアウト」細胞もしくは「FKO」細胞、または「フコースノックアウト」プラットフォームもしくは「FKO」プラットフォームと称される。
一実施形態において、細胞は、組み換え細胞と称される。
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、細胞のフコシル化経路を破壊または不活性化するために使用される。
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、細胞のフコシル化経路の1個以上の遺伝子を破壊または不活性化するために使用される。
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子(Fut8遺伝子)、GDP-マンノース4, 6-デヒドラターゼ遺伝子(GMD遺伝子)、GDP-ケト-6-デオキシマンノース3,5-エピメラーゼ4-レダクターゼ遺伝子(FX遺伝子)、GDP-β-L-フコースピロホスホリラーゼ遺伝子(GEPP遺伝子)およびフコースキナーゼ遺伝子から成る群より選ばれる遺伝子を、破壊もしくは不活性化または変異導入するために使用される。
一実施形態において、本発明は、本発明のTALENタンパク質による、Fut8遺伝子およびGMD遺伝子の組み合わせの破壊に関する。
フコシル化の新生経路において、GDP-フコースは、酵素GDP-マンノース4, 6-デヒドラターゼ(GMD)により触媒される、GDP-マンノースのGDP-4-ケト-6-デオキシマンノースへの変換を介して合成される。次に、このGDP-フコースはゴルジ体内に輸送され、酵素α-1,6-フコシルトランスフェラーゼによるタンパク質フコシル化の基質として使用される。この酵素は、GDP-フコースからフコース部分を、N-グリカン鎖のN-アセチルグルコサミンに転移する。
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするFut8遺伝子を破壊することに使用される。
本発明の一実施形態において、フコシルトランスフェラーゼ酵素の活性部位が、TALENタンパク質の標的となる。
具体的な実施形態において、Fut8の遺伝子配列のエクソン9が、TALENタンパク質の標的となる。
TALENタンパク質は、DNA結合ドメインおよびヌクレアーゼドメインで作られている。DNA結合ドメインはさらに2つの部分を有する。二重鎖切断(DSB)標的に残された配列を特定するTALドメインはTAL-Lと呼ばれ、DSB標的に残された配列を特定するTALドメインはTAL-Rと呼ばれる。TAL-LドメインおよびTAL-Rドメインの両方とも、ヌクレアーゼドメインを有する融合タンパク質として発現される。
転写アクチベーター様エフェクター(TALE)として知られるタンパク質ファミリーは、植物病原菌ザントモナス(Xanthomonas)から同定された。このタンパク質ファミリーは、エフェクター特異的DNA配列に結合して、転写を活性化する(Boch、2009;Moscou、2009)。ザントモナスに天然に存在するTALエフェクターは、宿主DNAの特異的配列に結合し、感染した植物の遺伝子発現を変化させる。
天然のTALエフェクタータンパク質は、2つのドメイン、すなわちエフェクタードメインとDNA結合ドメインを有する。DNA結合ドメインの構造は、このドメインが、ゲノムの任意のDNA配列に特異的に結合するように操作することができる。これらのDNA結合タンパク質ドメインは、ヌクレアーゼのような、カスタマイズしたエフェクタードメインに結合させることができ、キメラTALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質が作製される。
TALE/TALENのDNA配列特異性を与えるDNA結合ドメインは、可変数のアミノ酸リピートから成る。各リピートは33〜35アミノ酸を含み、単一のDNA塩基対を認識する。DNA認識は、各リピート中のポジション12および13の、Repeat-Variable Di-Residues(RVD)と呼ばれる2個の高頻度可変性アミノ酸残基によって生じ、これらは特異的DNA配列の認識に重大な意味を持つ。TALエフェクター中のリピートのRVDは、変化させて、特異的な標的のDNA配列を認識するTALタンパク質を作成することができる。RVDは、NI = A、HD = C、NG = T、NN = GまたはAのように、単純な暗号に固有である(Boch、2009;Moscou、2009)。N、I、H、DおよびGは、一文字アミノ酸コードである。
DNA結合ドメインのリピートはTALE発現ベクターの中で構築され、ヌクレアーゼFokIエンドヌクレアーゼ触媒ドメインと共発現させて、TALEヌクレアーゼ(TALEN)が作成される。このようなTALENは、細胞中で発現されると、配列特異的に結合し、二重鎖切断が引き起こされる。この二重鎖切断は、非相同末端結合(Non Homologous End Joining、NHEJ)により修復される。このような細胞プロセスの中で、変異、すなわち、遺伝子配列中での欠失および/または挿入のいずれかは、非機能性タンパク質産生物を与える。
本発明の実施形態において、DNA結合ドメインは、DNA認識ドメインとも呼ばれる。
本発明の一実施形態において、前記TALENタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドおよびタンパク質を含む細胞としても提供される。
具体的実施形態にいて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインをコードするヌクレオチドが提供される。
別の実施形態において、TALENタンパク質のエフェクタードメインまたはヌクレアーゼドメインをコードするヌクレオチドが提供される。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 8のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 8のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6およびSEQ ID No.8から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.9の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.9の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7およびSEQ ID No.9から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 14のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 14のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11およびSEQ ID No.14から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.15の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.15の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12およびSEQ ID No.15から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 20のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 20のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17およびSEQ ID No.20から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.21の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.21の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18およびSEQ ID No.21から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 26のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 26のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23およびSEQ ID No.26から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.27の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.27の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24およびSEQ ID No.27から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 32のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 32のアミノ酸位置から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29およびSEQ ID No.32から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.33の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.33の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30およびSEQ ID No.33から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 38のアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 38のアミノ酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35およびSEQ ID No.38から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.39の核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.39の核酸配列から成る。
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36およびSEQ ID No.39から選ばれる核酸配列を含む。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 6は、SEQ ID No.8と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 11は、SEQ ID No.14と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 17は、SEQ ID No.20と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 23は、SEQ ID No.26と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 29は、SEQ ID No. 32と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 35は、SEQ ID No. 38と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
本発明の一実施形態において、DNA結合ドメインの各ユニットは、ヌクレアーゼとともに、左TALENヌクレオチド配列を有する構築物として調製される。
本発明の一実施形態において、DNA結合ドメインの各ユニットは、ヌクレアーゼとともに、右TALENヌクレオチド配列を有する構築物として調製される。
以下の表は、本発明のTALENタンパク質1〜6に関する核酸配列、アミノ酸配列およびFut8遺伝子上の結合部位を与える。



本発明の一実施形態において、TALENタンパク質のヌクレアーゼ成分は、FUT8遺伝子において標的部位を有する任意のヌクレアーゼである。
本発明の一実施形態において、ヌクレアーゼは、ホーミング・エンドヌクレアーゼである。
別の実施形態において、ヌクレアーゼはメガヌクレアーゼである。ホーミング・エンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの特異性は、非天然標的部位に結合するように設計することができることも知られている。さらに、例となる実施形態において、ホーミング・エンドヌクレアーゼには、I-Scel、I-CeuI、PI-PspI、PI-Sce、I-ScelY、I-CsmI、I-PanI、I-SceII、I-PpoI、I-SceIII、I-CreI、I-TevI、I-TevIIおよびI-TevIIIが含まれる。これらの認識配列は周知である。
一実施形態において、上記のヌクレアーゼの1種類以上の組み合わせは、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとともに使用される。
一実施形態において、遺伝子導入は、TALENタンパク質を細胞に導入するために用いられる。リポフェクション手順は、例となる実施形態として与えられるが、同様に、当業者に周知の任意の遺伝子導入法が本発明の方法に適用される。
別の実施形態において、本発明は、任意の宿主細胞において、組み換えタンパク質を生産する方法を提供する。ここで、宿主細胞は内在性のFUT8遺伝子を発現しており、TALEN技術を介して標的にされ、本明細書で記述されているように、内在性のFUT8遺伝子が破壊される。得られる細胞株はFUT8遺伝子発現がなく、さらに、対象とする遺伝子の発現に用いられる。
本発明において、280種類未満の細胞株を選別することにより、19種類のFUT8ノックアウトクローン細胞株が作成された。比較すると、先行技術で報告されているように、約120,000種のクローン細胞株からわずかに3種類のFUT8 -/- 細胞株が選択されたのみである。
この手順の特異性、安全性および簡便性は、TALENにより提供されるいくつかの利点であり、本発明の方法は、先行秘術の方法より優れている。TALEN介在性遺伝子破壊は、「1つのリピート1つの塩基」コードという独特の利点を提供し、カスタマイズされたTALEリピートアレイが、使用者により定義され、任意の複雑性を持つ標的配列を認識できるようにする。TALEN構築物は、ゲノム編集効率に関してZFNよりさらに有効であり、また著しく低毒性であり、その結果、特定の遺伝子座に対する変異体クローンを作成する上で、効率をより高くする。本発明において、FUT8ゲノム遺伝子座は、TALENによる配列特異的欠失の標的にされる。
本明細書に記述される方法論は、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株(280種類未満のクローン細胞集団から選抜された19種類のCHOK1ノックアウト細胞株)を作成する上で、6.5%を超える成功率となる効率を達成した。本方法論によるこの予期せぬ成果および本発明の特異的TALEN構築物は、FUT8ノックアウト細胞株開発を大幅に改善する。また本発明は、CHOK1 FUT8のDNA配列において、非常に特異的な遺伝子位置を標的とする一組のTALEN構築物のみを使用する。驚くべきことに、TALEN構築物は、標的となったアミノ酸を破壊するだけではなく、フレームシフト突然変異および初期の停止コドンを導入する長期の欠失を引き起こすという結果をもたらす。その結果、本発明は、標的遺伝子座でのDNA改変が最小限であり、また標的となったFUT8遺伝子座でのゲノムレベルでの改変が大きいCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株を実現した。フコースノックアウト表現型について選抜したのが少数のクローン集団であることを考慮すると、このような多くのCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株の作成は、予期せぬことである。この驚くべき成果により、多数のCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株を選抜し、モノクローナル抗体の発現に関して優良なクローン株を確立することができる。
一実施形態において、対象とする遺伝子は、対象とするタンパク質をコードするDNA配列を含む発現ベクターを用いて、得られた細胞株に導入される。その結果、組み換えタンパク質が産生される。
別の実施形態において、対象である発現されたタンパク質には、モノクローナル抗体を含む抗体が含まれる。
実施形態において、FUT8遺伝子の不活性化は、高いレベルで組み換えタンパク質を産生する細胞株をもたらす。
ある実施形態において、FUT8遺伝子の不活性化は、FUT8遺伝子が不活性化されない細胞で産生されるタンパク質と比較すると、タンパク質の1つ以上の活性(機能)を増大させる細胞株を与える。
一実施形態において、細胞により産生される非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
限定するものではない実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化IgG1抗体であり、好ましくは、非フコシル化IgG1モノクローナル抗体である。
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より高いエフェクター機能を示す。
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より、より効果的な治療特性を示す。
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より、より強い抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を示す。
本発明において、開示されるタンパク質の方法、調製および用途は、別段の指示がない限り、分子生物学、生化学、計算化学、細胞培養、組み換えDNA技術、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および関連分野における従来技術を使用する。これらの技術、それらの原理および必要なものは文献で説明されており、当業者には周知である。核酸配列およびアミノ酸配列の同一性の決定技術は、当業者に周知である。
破壊されたフコシル化機構を持つ細胞は、抗体を産生する細胞、またはフコシル化の破壊前後に抗体をコードする遺伝子が導入された細胞である。
タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能性断片」とは、配列は全長のタンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一ではないが、全長のタンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一の機能を保持したタンパク質、ポリペプチドまたは核酸である。
本明細書で使用される「抗体」の用語は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製物を含み、また、以下も含む:すなわち、キメラ抗体分子、F(ab’)2およびF(ab)断片、Fv分子、単鎖Fv分子(ScFv)、二量体および三量体抗体断片、ミニボディー、ヒト化モノクローナル抗体分子、ヒト抗体、抗体のFc領域を含む融合タンパク質、およびこれらの分子から生じる任意の機能性断片であって、誘導体分子は、親抗体分子の免疫学的機能性を保持している。
本発明における「モノクローナル抗体」の用語は、均質な抗体集団を有する抗体組成物を言う。抗体は、抗体の種類もしくは起源または作成方法に限定されない。この用語は、すべての免疫グロブリンおよびFab、F(ab')2、Fvもしくはその他の断片、ならびにキメラおよびヒト化均質抗体集団を包含し、これらは、親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示す。
本発明のクローン/細胞は、TAL R4 #003、TAL R4 #013などの用語で呼ばれるが、これらは内部の呼称単位であって、細胞のなんらかの具体的な特性を意味するものではないことに留意すべきである。
一実施形態において、非フコシル化抗体を、任意に薬学的に許容される担体もしくは添加剤または賦形剤とともに含有する組成物が提供される。薬学的に許容される担体もしくは添加剤または賦形剤は、投与される組成物および組成物の投与に用いられる具体的な方法によって決定され、これらは当業者に周知である。
本発明において提供されるすべての配列は、特に明記しない限り、5’から3’方向に読まれる。
賦形剤は、タンパク質の安定化の達成や生物製剤の他の品質の改良に重要である。種々の賦形剤が、タンパク質を安定化するため、抗菌剤として作用するため、剤形の製造を補助するため、薬物送達を調節する、または目的とするため、また、注射にあたって痛みを最小化するために組成物に添加される。
賦形剤は、その作用様式に基づき、大まかに5つのカテゴリーに分割することができる。
1)タンパク質安定化剤:この賦形剤は、タンパク質の未変性高次構造を安定化する。例として、ポリオール、糖、アミノ酸、アミンおよび塩析塩が含まれる。ショ糖とトレハロースは最も頻繁に使用される糖であり、大型のポリオールは小型のポリオールより優れた安定化剤である。
2)高分子化合物とタンパク質:ポリエチレングリコール(PEG)などの親水性高分子化合物、多糖および不活性タンパク質が、タンパク質を非特異的に安定化するため、またタンパク質会合を促進するために使用される。例として、デキストラン、ヒドロキシルエチルデンプン(HETA)、PEG-4000およびゼラチンが含まれる。
3)界面活性剤:非イオン性界面活性剤は、タンパク質を安定化するため、凝集を抑制するため、またタンパク質の再折りたたみを支援するために広く利用される。ポリソルベート80およびポリソルベート20(それぞれツイーン80およびツイーン20としても知られる。)がmAb治療において一般に使用される。他の例には、ブリッジ35、トリトンX-100、プルロニックF127およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が含まれる。
4)アミノ酸:この賦形剤は、さまざまな機序によりタンパク質を安定化する。例として、ヒスチジン、アルギニンおよびグリシンが含まれる。製剤の賦形剤として使用される他のアミノ酸には、メチオニン、プロリン、リジン、グルタミン酸およびアルギニン混合物が含まれる。
5)防腐剤:この化合物は、微生物増殖を防止するために製剤中に含有される。例として、ベンジルアルコール、m-クレゾールおよびフェノールが含まれる。
本発明で使用される生物由来物質は、インド国外から得た。
本発明の最も重要な側面のひとつは、Fut8遺伝子によりコードされるα酵素-1,6-フコシルトランスフェラーゼの活性部位を標的化していることである。この活性部位は、Fut8遺伝子のmRNA上のエクソン9に対応している。この標的化は、無作為選択ではなく、本発明において、この遺伝子または酵素の高度に特異的な部位を決定するための実験により、切断された酵素又は部分的に機能する酵素により引き起こされるフコシル化が避けられるということを確実にする破壊に到達した結果である。
このようにして、酵素の活性部位に相当する領域を標的にすることは、Fut8遺伝子の完全な破壊を確実にし、Fut8遺伝子及酵素活性の部分的な破壊に終わる可能性のある、Fut8遺伝子上の正確な位置を標的にすることができない技術またはFut8遺伝子上の他の位置を標的にする技術と比較して、効果的な結果をもたらす。部分的に機能するフコシル化機構を伴う細胞は、非フコシル化タンパク質と比較して低い治療的機能を示す、部分的にフコシル化されたタンパク質を産生する。本発明の方法により作成された細胞は、完全に、または100%非フコシル化されたタンパク質を産生し、これには100%非フコシル化抗体が含まれる。
本発明は、FUT8コドン配列の活性部位の重大な意味を持つアミノ酸位置で、TALENにより突然変異を導入する。ヒトFUT8遺伝子におけるArg365およびArg366は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼの触媒機能において重要な役割を果たしていることが報告されている(Takahashi、2000)。少数の他の重要なアミノ酸が、種を超えてFUT8遺伝子に保存されていることも報告されている。
本発明の図24は、ラット、ヒト、マウス、ウシおよびチャイニーズハムスターのFut8アミノ酸配列の、3種類の重要なモチーフに広がるアミノ酸位置300〜500について、配列比較を示す。アミノ酸365、366、368、369および373が四角枠で示されており、矢印は、本研究における標的である。他の重要なアミノ酸382、409、410、453および469は、アスタリスクで示される。影付き四角枠のアミノ酸は、共通配列で整列していない残基を示す。
本発明において、CHOK1ゲノムデータベースからのFUT8アミノ酸配列が分析され、これらの重要なアミノ酸は、CHOK1細胞株に由来するFUT8遺伝子においても保存されていることが確認された。配列特異的TALENが設計され、これらのアミノ酸モチーフを標的にして、ゲノム改変が導入される。
これらの重要なアミノ酸の突然変異は、FUT8遺伝子の機能性の完全な破壊を与えると述べられている。TALEN技術を用いる遺伝子標的化は、フコースノックアウト細胞株プラットフォームを作成する新たな手法である。TALEN遺伝子導入細胞は、FUT8遺伝子機能性アッセイにより選抜される。選抜されたクローンは、突然変異に関するゲノムFUT8遺伝子座の塩基配列決定により確認される。次に、変異体フコースノックアウトCHOK1細胞株は、非フコシル化治療的モノクローナル抗体または抗体部分を含む、非フコシル化治療的タンパク質の発現に用いられる。
CHOK1細胞ゲノムにおける完全なFut8遺伝子座は、公開されているゲノムデータベースから分析される。1822872 bp(塩基対)から成るNW_003613860は、Pubmedから得られる。このデータからの完全なFut8遺伝子座(NW_003613860.1)は、570171〜731804塩基の領域に対応する。これは、全部で161634塩基対に相当する。Fut8遺伝子の翻訳領域またはmRNAに対するPubmed受入番号は、XM_003501735.1である。
標的配列は、FUT8遺伝子産物であるα-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素の発現に関与するFUT8遺伝子を包含する。この酵素は、α-1,6結合を経る、GDP-フコースからN-アセチルグルコサミンへのフコース部分の転移を触媒する。
Spidey配列比較ツール((http://www.ncbi.nlm.nih.gov/spidey/spideyweb.cgi)は、mRNA配列をゲノムDNA配列と整列させることにより、Fut8ゲノムDNA中のエクソンを同定するために使用される。以下の表2に示されるように、全部で11個の境界域を伴うエクソンが同定された。ゲノムDNA配列とmRNA配列との間には100%の同一性が認められた。11個のエクソンのすべてを示すFUT8遺伝子の組織体は、本発明の図1に示される。
触媒ドメインにおける非常に重要なアミノ酸残基の部位特異的突然変異誘発の研究によって、FUT8酵素の機能性が確認された。蛍光に基づく解析により測定すると、365および366の位置にある2つのアルギニン残基は、Asp-368、Lys-369およびGlu-373と共に、FUT8触媒活性の低下を示した。
本発明のSEQ ID No.1は、TALEN 標的に関して、CHO(チャイニーズハムスターまたはモンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus))のFut8遺伝子におけるゲノムDNA配列のエクソン9を示す。Arg 365、Arg 366、Asp 368、Lys 369およびGlu 373に対応するヌクレオチド配列は、エクソン9の配列において、下記の太字および下線で示される。
AGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAA
上記の配列において、
AGAは、位置365のアルギニンをコードする。
CGCは、位置366のアルギニンをコードする。
GACは、位置368のアスパラギン酸をコードする。
AAAは、位置369のリジンをコードする。
GAAは、位置373のグルタミン酸をコードする。
ゲノム位置におけるアミノ酸コドン配列を特異的に標的にしたTALENが設計され、合成され、また、発現ベクター、例えばpcDNA3.1でクローン化された。TALEN構築物は一過性にCHOK1細胞に遺伝子導入され;細胞は、単一コロニー生成のために96ウェルプレートに蒔かれる。次に、各クローンは、蛍光に基づくレンズマメ(Lens Culinaris)アグルチニン検定法(LCA)用いて、FUT8遺伝子発現が選別される。FUT8遺伝子破壊が陽性のクローンは、FUT8 遺伝子の変異対立遺伝子について、酵素試験と動態解析を用いてさらに検査される。最後に、TALENを介して実行された突然変異について、FUT8遺伝子座でのゲノム配列が分析される。これらの突然変異は欠失または挿入を伴い、その結果、FUT8コドン配列のフレームシフト突然変異が導入され、配列は破壊され、また酵素は非機能性となる。
上記のプロセスから導かれるフコースノックアウトCHOK1細胞株は、治療目的、バイオマーカー開発、診断および予後の用途のためのタンパク質、モノクローナル抗体、ペプチド、融合タンパク質を発現する細胞株プラットフォームとして使用される。
本発明の特徴は、付随する図面と共にある以下の説明により完全に明らかとなる。図面は、本発明に従っていくつかの実施形態のみを示すものであり、本発明の範囲を限定すると考えられるものではないという理解の下で、本発明は、付随する図面の使用を介して、さらに具体的かつ詳細に説明される。
図1は、Fut8の遺伝子配列の組織体を示す。 図2は、CHOK1 Fut8のアミノ酸配列を示す。 図3は、構築物pcDNA3.1-TALEN_L6を示す。 図4は、構築物pcDNA3.1-TALEN_R6を示す。 および 図5および図6は、第1日および第11日におけるLCA選択CHOK1クローンの写真を示す。 および 図7および図8は、LCA-FITC結合アッセイにおけるCHOK1細胞株について観察されたグラフ結果および蛍光特性を示す。 図9は、LCA選択アッセイにおけるCHOK1クローンのコロニー形態についての倒立位相差顕微鏡像を示す。 および 図10および図11は、LCA-FITC結合アッセイにおいて、CHOK1細胞株について観察されたグラフ図および蛍光特性を示す。 図12は、Fut8ノックアウトクローンについて測定された増殖曲線のグラフ図を示す。 および 図13および図14は、LCAフローサイトメトリーアッセイと、LCA-FITCおよびStrep-FITCフローサイトメトリーアッセイを用いたCHOK1クローンの比較を示す。 図15は、LCA-FITC結合アッセイおよびStrep-FITCアッセイについての蛍光特性を示す。 図16は、LCA選択アッセイにおけるCHOK1クローンの写真図を示す。 および 図17および図18は、LCAフローサイトメトリーアッセイの結果と、LCA-FITCおよびStrep-FITCフローサイトメトリーアッセイを用いたCHOK1クローンの比較を示す。 図19は、LCA-FITCおよびStrep-FITCフローサイトメトリーアッセイを用いたCHOK1クローンについての蛍光特性を示す。 図20は、1%アガロースゲルで流したCHOK1-TAL6-R5 #007サンプルのPCR増幅産物を示す。 図21は、制限消化を行い、1%アガロースゲルで流したpTZ57R/T_TAL R5 #095(5.4 Kb + 0.397 Kb)の制限断片を示す。 及び 図22Aおよび図22Bは、TALEN遺伝子導入CHOK1 FUT8ノックアウトクローンおよびCHOK1対照細胞株について、ゲノムDNAのヌクレオチド配列分析を示す。 図23は、選択されたクローン配列を有するFut8配列のアミノ酸配列比較を示す。 図24は、ラット、ヒト、マウス、ウシおよびチャイニーズハムスターのFut8アミノ酸配列の、3種類の重要なモチーフに広がるアミノ酸位置300〜500について、配列比較を示す。 図25AおよびBは、遺伝子導入手順後のRFP発現細胞の写真図を示す。 図26は、いくつかのCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株およびCHOK1対照細胞株の間の、FUT8遺伝子座ヌクレオチド配列変動の配列ツリーを示す。
図面に示されたさまざまな要素は単に表示されているに過ぎず、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではない。図面のある部分は誇張されている可能性があり、他は最小化されている可能性がある。図面は、当業者によって理解され、適切に実施される発明の実施形態の実例を示すことを目的としている。
さらに本発明は、以下の実施例を参照して説明されるが、本質的に実例であり、いかなる方法によっても、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきものではない。
〔試薬調製〕
Advanced(改良)DMEM完全増殖培養液(500 mL)
1)50 mLのFBS(終濃度10%)を、500 mLフィルターユニットの上室に添加する。
2)10 mLの200 mMグルタミン(終濃度4 mM)を添加する。
3)5 mLの100×ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(終濃度1×)を添加する。
4)改良DMEM培養液で、容量を500 mLに調整する。
5)完全培養液を0.22 μmのフィルターでろ過する。
6)上室を取り外し、容器または培養液瓶を閉じる。
7)培養液は、調整後30日以内に使用できる。
8)培養液は2℃〜8℃で貯蔵し、連続的な光暴露を避ける。
9)LCA選別培養液を調製する場合には、10 mLのストックLCA試薬(10 mg/mL)を500 mLの調製したDMEM培養液と混合し、DMEM培養液中でLCA終濃度200 μg/mLとする。
〔材料と機器〕
1)バイオ安全キャビネット
2)Sorvall ST 16R遠心分離機
3)水槽
4)倒立位相差顕微鏡
5)CO2インキュベーター
6)ミリポアGUAVA 8HT easyCyte卓上フローサイトメーター
7)Vi-cell XR細胞生存率アナライザー
8)血球計数器
9)冷蔵庫
10)エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機
11)マイクロピペット
12)マイクロチップ
13)96ウェル組織培養プレート
14)12ウェル組織培養プレート
15)6ウェル組織培養プレート
16)血清用ピペット(10 mL、25 mL及び50 mL)
17)1000 mLろ過ユニット(0.22 μmポアサイズ)
18)70%エタノール
19)改良DMEM
20)ダルベッコりん酸緩衝食塩液(DPBS)
21)ウシ胎児血清(FBS)
22)ペニシリン ストレプトマイシン(Penstrep)
23)グルタミン
24)0.05%トリプシンEDTA
25)0.4%トリパンブルー
26)マイクロチューブ(1.5 mLおよび2 mL)
27)ファルコンチューブ(15 mLおよび50 mL)
28)ウシ血清アルブミン フラクションV
29)フルオレセイン‐レンズマメ(Lens Culinaris)アグルチニン(LCA-FITC)
30)フルオレセイン‐ストレプトアビジン(Strep-FITC)
〔TALENタンパク質の設計〕
この実験の目的は、FUT8対立遺伝子の特異的不活性化のためのTALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)を設計することである。
(1.1)FUT8遺伝子座における特異的ゲノム配列を標的とすることの理論的根拠
FUT8は、N末端コイルドコイルドメイン、触媒ドメイン及びC末端SH3ドメインの3種類のドメインを含む。FUT8の触媒ドメインC末端部分は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ;α-1,2-フコシルトランスフェラーゼ;およびタンパク質O-フコシルトランスフェラーゼにおける3つの保存領域を持つロスマンフォールドを含む。さらに、部位特異的な突然変異誘発実験により、このフォールド中の3種類のフコシルトランスフェラーゼにすべて高度に保存される数個の残基は、FUT8の酵素活性に必須であることが示される。
推定上の触媒ドメインは、オープンシートα/β構造と、グリコトランスフェラーゼを含む核酸結合タンパク質中に頻繁に見いだされるロスマンフォールドとの2つの構造で構成される。ヒトFUT8酵素タンパク質中の10個のアミノ酸残基であるArg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373、Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453及びSer-469は、本発明の図24で見られるように、脊椎動物、昆虫、線形動物及びホヤ類を含む多様な種間で完全に保存されている。
α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ活性におけるFUT8遺伝子中の特異的アミノ酸配列の寄与を理解するため、FUT8アミノ酸配列の領域を、複数の種間で比較する。分析により、多くの保存領域が361〜370の残基間で高い相同性を持つことが観察され、またこの領域は、酵素の触媒ドメインの必須部分であることが示される。配列比較により、酵素配列は、Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373の位置で高度に保存されたアミノ酸残基を構成することが示される。その結果、これらのアミノ酸位置は、本発明の方法において、TALENタンパク質の標的である。
(1.2)TALEN構築物
TALEN構築物は、ゲノムDNA配列上のTALENの位置に基づき、左および右TALENと呼ばれる二量体形で機能する。2つのTALEN結合部位間の配列が、FokIエンドヌクレアーゼを用いて二重鎖切断を作成する標的であり、スペーサー配列と呼ばれる。各TALENは、20塩基対のDNA配列を認識し、結合するように設計される。左および右TALENは、逆鎖のDNA配列を標的とする。TALEN酵素は、TALE DNA結合ドメインおよび単量体FokIヌクレアーゼドメインを含む融合タンパク質として構築される。FokIヌクレアーゼは、二量体触媒ドメイン立体配置においてのみ機能する。左および右TALEN融合タンパク質が、約14〜20塩基対領域の間隔に結合すると、直ちに、FokI二量体化が起こる。
例えば、TALEN結合配列が5’ T-N19N14-20N19-A 3’である場合、左TALEN配列は5’ T-N19-3’であり、右TALEN配列はアンチセンス鎖配列の5’-N19A-3’である。ここでNは、A、G、T、Cから選ばれる任意のヌクレオチドを表す。Tは、標的DNA配列において、ヌクレオチド塩基のチミンを表す。したがって、左および右TALEN構築物のアミノ酸配列は、次のように表される。
T-SEQ ID No.6
T-SEQ ID No.11
T-SEQ ID No.17
T-SEQ ID No.23
T-SEQ ID No.29
T-SEQ ID No.35
T-SEQ ID No.8
T-SEQ ID No.14
T-SEQ ID No.20
T-SEQ ID No.26
T-SEQ ID No.32
T-SEQ ID No.38
二量体化後のFokIの機能性は、遺伝子位置での厳密な特異性を与える。14〜20塩基対により分離された特異的部位での左および右TALENの両方の結合は、FokI単量体を二量体化させ、二重鎖切断(DSB)に関して機能性となる。ランダムな位置でのTALENの非特異的結合は、いかなるDSBも生成しない。したがって、TALEN構築物のオフターゲット効果は最小である。これは、本発明の方法の主要な利点のひとつであり、大量の配列データの解析により検証される。
(1.3)TALEN構築物を取得する完全なプロセスは、以下のステップで構成される。
1.TALENの設計
2.プライマーの設計
3.オリゴヌクレオチドの合成
4.LB(Luria培地)+アンピシリンプレート上でのTALEN構築物(pcDNA3.1+TAL6_左およびpcDNA3.1+TAL6_右)の形質転換
5.アンピシリン含有LB培地への形質転換細胞(TALEN構築物)の播種
6.DH10BまたはDH5α細胞から、プラスミドDNAであるpcDNA3.1+TAL6_左およびpcDNA3.1+TAL6_右の単離
7.CHOK1細胞への遺伝子導入;LCAアッセイによるスクリーニングと選択
8.キアゲンDNeasy Blood & Tissueキットを用いた、選択したクローンのゲノムDNAの単離
9.分光光度法による定量
10.PCR条件の最適化
11.PCRによるゲノムDNAサンプルの照合確認
12.アガロースゲルによる電気泳動
13.Phusionポリメラーゼを用いるPCR増幅およびTaqポリメラーゼを用いるテーリング
14.キアゲンキットを用いるPCR産物のゲル溶出
15.pTZ57R/Tベクターを用いるTAクローニング
16.DH10BまたはDH5α細胞における連結サンプルpTZ57R/T+TAL(PCR)の形質転換
17.アンピシリン含有LB培地への形質転換細胞(pTZ57R/T+TAL(PCR))の播種
18.キアゲン・プラスミドDNA単離キットを用いたプラスミドDNA(pTZ57R/T+TAL(PCR))の単離
19.制限消化による挿入物の存在の照合確認(部位)
20.プライマーの配列決定;および、
21.配列決定によるINDEL(挿入欠失)の確認
本発明の図1は、Fut8のコード配列およびタンパク質配列を示す。Fut8のゲノム配列は、データベース配列である配列ID NW_003613860から分析した。Fut8のゲノム配列は、570171〜731804塩基に及び、図においてE-1からE-11として表される11個のエクソンを含む。各エクソンに対する塩基対位置も示される。E1、E2およびE3の一部は上流配列において非翻訳領域を構成し、E11の一部も非翻訳領域の一部である。翻訳領域はCDS-1からCDS-9として記述される。各CDSの長さはCDS番号の下に示される。CDS-1からCDS-9は、38個のアミノ酸から105個のアミノ酸まで幅のあるアミノ酸配列をコードする。この図において、黒丸で示されたCDS-7は、TALEN構築物を介するアミノ酸改変の標的である、CDS-7は、ゲノム遺伝子座におけるエクソン9に対応する。
モンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus)またはチャイニーズハムスターのフコシルトランスフェラーゼ8(Fut8)mRNA(3126塩基対)は以下に与えられる。これは、本発明のSEQ ID No. 40としても表される。
NCBI参照配列:XM_003501735.1
CAGGTTGCTGCTCTGGCTTAGGCCATCTATGACCCTGGTGGTGTTTTCATTCACTATAAGTCCTTCCCATCTTTATTAACTGAGCAAGTTCAGctagtaattttagagaccgaggttcaagcaataacacctatctctgcaataccgtgtggctttcttcaatgtcttacatcctaaggaaaggaagCATGTAGAGCCCAGGAAGCACAGGACAAGAAAGCTGCCTCCTTGTATCACCAGGAAGATCTTTTTGTAAGAGTCATCACAGTATACCAGAGAGACTAATTTTGTCTGAAGCATCATGTGTTGAAACAACAGAAACTTATTTTCCTGTGTGGCTAACTAGAACCAGAGTACAATGTTTCCAATTCTTTGAGCTCCGAGAAGACAGAAGGGAGTTGAAACTCTGAAAATGCGGGCATGGACTGGTTCCTGGCGTTGGATTATGCTCATTCTTTTTGCCTGGGGGACCTTATTGTTTTATATAGGTGGTCATTTGGTTCGAGATAATGACCACCCTGACCATTCTAGCAGAGAACTCTCCAAGATTCTTGCAAAGCTGGAGCGCTTAAAACAACAAAATGAAGACTTGAGGAGAATGGCTGAGTCTCTCCGaataccagaaggccctattgatcaggggacagctacaggaagagtccgtgttttagaagaacagcttgttaaggccaaagaacagattgaaaattacaagaaacaagctaggaatgATCTGGGAAAGGATCATGAAATCTTAAGGAGGAGGATTGAAAATGGAGCTAAAGAGCTCTGGTTTTTTCTACAAAGTGAATTGAAGAAATTAAAGAAATTAGAAGGAAACGAACTCCAAAGACATGCAGATGAAATTCTTTTGGATTTAGGACATCATGAAAGgtctatcatgacagatctatactacctcagtcaaacagatggagcaggtgagtggcgggaaaaagaagccaaagatctgacagagctggtccagcggagaataacatatctgcagAATCCCAAGGACTGCAGCAAAGCCAGAAAGCTGGTATGTAATATCAACAAAGGCTGTGGCTATGGATGTCAACTCCATCATGTGGTTTACTGCTTCATGATTGCTTATGGCACCCAGCGAACACTCATCTTGGAATCTCAGAATTGGCGCTATGCTACTGGAGGATGGGAGACTGTGTTTAGACCTGTAAGTGAGACATGCACAGACAGGTCTGGCCTCTCCACTGGACACTGGTCAGgtgaagtgaagga
caaaaatgttcaagtggtcgagctccccattgtagacagcctccatcctcgtcctccttacttacccttggctgtaccagaagaccttgcagatcgactcctgagagtccatggtgatcctgcagtgtggtgggtatcccagtttgtcaaatacttgatccgtccacaaccttggctggaaagggaaatagaagaaaccaccaagaagcttggcttcaaacatccagttattggAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtactccaattatgaatttattagtgataactctatttcttggtcagctggactacacaaccgatacacagaaaattcacttcggggcgtgatcctggatatacactttctctcccaggctgacttccttgtgtgtactttttcatcccagGTCTGTAGGGTTGCTTATGAAATCATGCAAACACTGCATCCTGATGCCTCTGCAAACTTCCATTCTTTAGATGACATCTACTATTTTGGAGGCCAAAATGCCCACAACCAGATTGCAGTTTATCCTCACCAACCTCGAACTAAAGAGGAAATCCCCATGGAACCTGGAGATATCATTGGTGTGGCTGGAAACCATTGGAATGGTTACTCTAAAGGTGTCAACAGAAAACTAGGAAAAACAGGCCTGTACCCTTCCTACAAAGTCCGAGAGAAGATAGAAACAGTCAAATACCCTACATATCCTGAAGCTGAAAAATAGAGATGGAGTGTAAGAGATTAACAACAGAATTTAGTTCAGACCATCTCAGCCAAGCAGAAGACCCAGACTAACATATGGTTCATTGACAGACATGCTCCGCACCAAGAGCAAGTGGGAACCCTCAGATGCTGCACTGGTGGAACGCCTCTTTGTGAAGGGCTGCTGTGCCCTCAAGCCCATGCACAGTAAAATAATGTACTCACACATAACATACAAATGGATTATTTTCTACTTTGCCCTTTAAATATTCTGTCCCCATGAAACAAACACTGCCACATTATGTAATTTAAGTGACACAGACGTTTTGTGTGAGACTTCAAACATGGTGCCTATATCTGAGAGACCTCTGTGATTTACTGAGAAGATGAGAACAGCTCCCTTCTGTGGGGAAGTTGGTTCTTAGTCAGTGGTGGACTGGCCACTGAATTCACTGCAATCAACAGATTCAGAATGAGAATGGATGTTTTTCCTTTATATGGTTGTCTGGATTTTTTTTAAAGTAATTTCATCAGTTCAGTTCATCCACCTCATTAATAAATGAAGGAATATACCAATAAAATCAAATGAAATATTCACTGTCCATTAGGAAGTTTTATAAAACAATGCCATGAACAAAAAATTCTTTAGTACTCAATGTTTCTGGACATTCTCTTTGATAACAAAAATAAATTTTAAAAAGGAATTTTGTAAAGTTTCTGGGATTCTGTATCACTGGATGATGTAGTTATAAGCTTTGTAGTAGAAATATGGGAAGTGGGTTTATAGCTTTTAAGATTTTTTTCTACTTTTGTCCTACTTTTTCTATTTCTGATAGAATAATCATATTTCAAGAGAAGCATTGGTCCCCTCTAATACTAGTAACTGCCTTTAGTCATGCATATTATATGAAGTTGCTAAGAACACGCTTTGGGGGAGGTGTTCACTCTCTTAGTTTGATATTGTTGACTTGATATAATTGAATGAAATAGTCATTCTCTTGCTTCCAG
選択的エクソンは、大文字および小文字で表される。
Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373、Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453oyobi
Ser-469の位置のアミノ酸残基は、FUT8酵素の触媒ドメインにおいて重要な役割を果たしている。その結果、本発明において、アミノ酸位置Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369およびGlu-373でのINDEL(挿入/欠失)突然変異およびフレームシフト突然変異が、FUT8酵素機能を破壊するためにTALENを介して導入される。
TALENの設計は、アミノ酸位置Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369およびGlu-373がFUT8酵素機能に必須であるため、第一に、これらのアミノ酸を標的とすることを目的とする。残りの4個のアミノ酸位置Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453およびSer-469は、2つのTALEN結合配列間の、二重鎖切断の可能性のある部位の下流である。あらゆる欠失もしくは挿入、または、あらゆる他の改変も、これらのアミノ酸に影響を与え、非機能性FUT8酵素をもたらす。本発明の一実施形態において、改変されたCHOK1細胞株の後続のゲノムDNA分析により、欠失、挿入、停止コドンおよびフレームシフト突然変異が明らかとなる。その結果、本発明は、酵素タンパク質のアミノ酸位置Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373、Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453およびSer-469を、直接的または間接的に標的にすることにより、Fut8遺伝子およびフコシルトランスフェラーゼ酵素を破壊することが予測される。
本発明の図2は、CHOK1 Fut8のアミノ酸配列を示す。本発明の方法により破壊されたアミノ酸位置も示される。FUT8遺伝子の完全なアミノ酸配列が与えられる。各CDSからのアミノ酸配列は大きな矢印で示される。小さな矢印は、CDS-7に存在する重大な意味を持つアミノ酸を示し、これらのアミノ酸は、TALEN構築物によりFut8遺伝子において標的となる。
エクソン-9(CDS-7)DNA配列は、本発明のSEQ ID No. 1として表される。
CHO細胞のFut8のエクソン-9(CDS-7)アミノ酸配列は、本発明のSEQ ID No. 2として表される。タンパク質/ペプチド配列における標的アミノ酸位置は下線で示される。
VHVRRTDKVGTEAAFHPIEEYMVHVEEHFQLLERRMKVDKKRVYLATDDPSLLKEAKT
TALEN構築物のために6種類の設計が開発されたプロセスにおいて、標的とされたFut8遺伝子の領域は以下に与えられる。
(1.4)TALENを用いて標的となる対象の配列
(TAL組み合わせ1:TALEN 1Lおよび1R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。エクソン領域における標的となる対象の配列は太文字で表され、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。左および右TALENの結合部位は下線で示される。
本発明は、エクソン9領域の任意のアミノ酸位置での欠失/突然変異に関するTALENを提供する。本発明のTALEN構築物は、2種類以上のTALENタンパク質の任意の組み合わせで、Fut8遺伝子のエクソン9領域の特異的な突然変異を与える。
エクソン9および、それぞれ1000塩基の取り囲んでいる2つのイントロンでできている、この2177塩基の全配列は、本発明のSEQ ID No. 3として表される。TAL 2L/2RからTAL 6L/6Rに対するTALEN設計物も、SEQ ID No. 3として表される。
(TAL組み合わせ2:TAL 2Lおよび2R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。エクソン領域における標的となる対象の配列は太文字で表され、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。左および右TALENの結合部位は下線で示される。
(TAL組み合わせ3:TAL 3LおよびTAL 3R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。エクソン領域9における標的となる対象の配列は太文字で表され、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。左および右TALENの結合部位は下線で示される。
(TAL組み合わせ4:TAL 4LおよびTAL 4R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。左および右TALENの結合部位は下線で示される。エクソン領域9における標的となる対象の配列は、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。
(TAL組み合わせ5:TAL 5LおよびTAL 5R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。左および右TALENの結合部位は下線で示される。エクソン領域9における標的となる対象の配列は、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。
(TAL組み合わせ6:TAL 6LおよびTAL 6R)
cgaaagtacatagtgaaaccagaatattaaatagtgttcatctcctcagacttcattgaaattcagtgtggcacattctccctgcctcacttcatttgtatagaacacacggaacaagtccaatttcctgagagaaacagtgattaagaggaatgtaggaaagaaaagatgactgcatagttattcctgtggtcaaatccacaactggactatagtctgggatgcaaaggaaacagtagcatgaaggtggcacagttaccccagtgtgctacagccctgactccagattcaagacataaccctgtctttggcaacactaagatgcaggagagtgctgggaagtcagtgacttggccattgcaggtcagtgtaagtctgtattccttgctttataacattgtgacttttcttcaaaatgagaaaatgaggtctgtttctgtttgcagttgatagagaaaaaaaatgcaaaaaaagtctgtagtaacttcatgaacataaaataaccaacatctttaaaaggctagcttgtcttaaactacaggaaaagttcatatggatctttgttttcttagatgactttaaattctatgaactgaagtggtagtaactttacagggtaaaatgaaagaaaaaaattaataaactttggcataagaatgttacaagcattatctttaagctttgaattctgttatgattttggtctcaaaaaccaaaaaacttaaatctgttgattccaggttcccatatattcttggatatgccaattactttttctgtaagcaagtgtttcataaaacttttacttaactttcatattgacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctcttagttgaagaaaatccttaattctgggaacttgtggttcttgttgctaactaataggttccaaaatcaaagactacatgtgcaaatattaatctaatcaagtcataccttactagctgtatctgatgcaaattaagaagtctaaaatgaattagactgctgatttgtgtagcatcactagcagtcatcattcaacacagtaccacacttcttagtaccaaaatctgtttaacatactagagtttccataaatcaaattttgtagcctggggcttaagtaacagaagtttatgtctcacagttttgatctgggatattccagatcgaggtcctagtgatattgatttttactctgaagtttcttagcttacaggtagtcactatccagtcatgatacactgtgttgttaaggaatttccattctggggatggaacagaccattagtatatggtacacctagtactactgtggcattaggggaagcacatagacagactttgatgattccccccatgggaggcctcaccctccctgaggactggatgggggagtgagatgggagggttggtgaggggaatgggaaagtgggagggagagggaactgggattggtatgtaaataatatcattttaatttaaataaaaattaatttaaaaagaaagaaagaagcacatagacaaagccgtgagcaaaattggaaattctcagaagatctgggcgaataaaattaaaagataaattatttatgaaatagaggaaggaagaaaaatttagtcttagctcattatactacctcctccaaaaatcatccctaagctttgagtaagtatccctcctctacatattattggtgtatcattgaatacttgtgcacttctgtctccttcagtacattttatatacttttgatgagagtcctagctgtggtataggcctagtaaatattgaattatttactt
イントロン−1塩基から1000塩基および1178塩基から2177塩基は小文字で表される。エクソン9−1001塩基から1177塩基は大文字で表される。左および右TALENの結合部位は下線で示される。太文字のエクソン領域9における標的となる対象の配列は、具体的にはAGA、CGC、GAC、AAAおよびGAAである。
FUT8ゲノム配列研究により、エクソン9周囲のイントロンおよびエクソン配列が明らかとなる。エクソン9は、FUT8酵素機能に必要な7個の非常に重要なアミノ酸位置のすべてを含む、177塩基対に広がる小さなエクソンである。このエクソンは、この酵素の非常に重要な触媒ドメインをコードする。エクソン9配列は、標的アミノ酸位置に適切に隣接するTALEN DNA結合ドメイン設計をわずかに与える。
構造1〜6は、エクソン9配列において最も可能性のある構造である。これらの構造の中で、TAL1は、標的アミノ酸位置の上流にあるが、TAL2およびTAL3の構造は、標的アミノ酸位置の下流にある。本発明の方法は、すべての、もしくは最大の、または最も重要な標的アミノ酸位置に隣接している2つのDNA結合ドメインを作り出す。
TAL 1L−1RからTAL 6L−6RのすべてのTALEN組み合わせ構築物は、Fut8遺伝子の破壊について分析され、Fut8遺伝子およびその結果の酵素活性の破壊が達成されることを示す。
これらの中から、Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373の位置の、FUT8酵素の機能性において最も研究された突然変異を標的とするためTAL6が選ばれ、例証としてさらに検討される。
しかしながら、本発明において提供されるすべてのTAL組み合わせ、すなわちTAL 1からTAL 6は、本発明において、Fut8遺伝子を効率よく破壊するということに留意するべきである。
(TAL組み合わせ6:TALEN結合部位)
TGTGCTCTCCACTTCTCCCCAGAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCC
上記のFut8遺伝子配列において、左TALEN結合部位は下線で示され、SEQ ID No. 4として表される。右TALEN結合部位は太文字で示され、SEQ ID No. 5として表される。TALEN構築物は、上記の配列を認識するように設計される。イタリック体の部分は、本発明の方法により変異導入される領域をコードするヌクレオチドである。
(1.5)GeneArtからのTALEN合成
構築物−pcDNA3.1-TALEN_L6は、本発明の図3に示される。
構築物−pcDNA3.1-TALEN_R6は、本発明の図4に示される。
TALEN構築物は、2つの部分、すなわちDNA結合ドメインとヌクレアーゼドメインとから成る。また、DNA結合ドメインは2つのドメインを有し、二重鎖切断(DSB)標的に対して左側の配列を特定するTALドメインはTAL-Lと呼ばれ、DSB標的に対して右側の配列を特定するTALドメインはTAL-Rと呼ばれる。TAL-LドメインとTAL-Rドメインの両方とも、Fok1ヌクレアーゼドメインを持つ融合タンパク質として発現される。
この実施例においては、TAL-L6およびTAL-R6の作成が説明される。しかしながらデータは例証として与えられ、他のTAL組み合わせに適用できる。
(TAL-L6構築物の作成)
合成TAL-L6は、合成オリゴヌクレオチドおよび/またはPCR産物から構築される。断片は、100%配列検証されたサブ断片を用いて、TALtrunc_FokIにクローン化される。得られたプラスミドDNAは形質転換細菌から精製され、紫外分光法により定量化される。最終構築物は、配列決定により確認される。
TALEN 6設計に関するTAL-L6結合配列は、5’ TCCACTTCTCCCCAGAGTC 3’であり、RVD (T)-HD-HD-NI-HD-NG-NG-HD-NG-HD-HD-HD-HD-NI-NN-NI-NN-NG-HDに対応する。ここで「(T)」は、最初の結合反復がベクターにより与えられることを示す。
図3は、真核生物発現のためのpcDNA3.1ベクター骨格においてクローン化されたTAL-L6 DNAを示す。TALEN構築物は、2つの部分に設計される。この図で示される構築物は、二重鎖切断(DSB)標的に対して左側のゲノムDNA配列を特定し、TAL-L6と呼ばれる。合成遺伝子TAL_L6は、合成オリゴヌクレオチドおよび/またはPCR産物から構築される。断片は、100%配列検証されたサブ断片を用いて、TALtrunc_FokIにクローン化される。コザック配列を含む完全TAL-L6配列読み枠は、NotIおよびHindIIIの制限酵素部位の内側でクローン化される。プラスミドDNAは形質転換細菌から精製され、紫外分光法により濃度測定される。最終構築物は、配列決定により確認される。用いた制限酵素部位の内側での配列一致は100%である。TAL_L6カセットは、CMVプロモーターのあるpcDNA3.1 (+) A009でクローン化される。構築物は、真核生物選択のためのネオマイシン耐性遺伝子を含む。
(TAL-L6アミノ酸配列)
RVDのアミノ酸配列‐
(T)-HD-HD-NI-HD-NG-NG-HD-NG-HD-HD-HD-HD-NI-NN-NI-NN-NG-HD。これは、本発明のSEQ ID No. 6としても与えられる。
TAL-L6配列(ヌクレオチド配列)は、本発明のSEQ ID No. 7により示される。
(TAL-R6構築物の作成)
合成TAL-R6は、合成オリゴヌクレオチドおよび/またはPCR産物から構築される。断片は、100%配列検証されたサブ断片を用いて、TALtrunc_FokIにクローン化される。得られたプラスミドDNAは形質転換細菌から精製され、紫外分光法により定量化される。最終構築物は、配列決定により確認される。
TAL-R6結合配列は、5’-TGCTTCTGTTCCCACTTTG-3’であり、RVD (T)-NN-HD-NG-NG-HD-NG-NN-NG-NG-HD-HD-HD-NI-HD-NG-NG-NG-NNに対応する。ここで「(T)」は、最初の結合反復がベクターにより与えられることを示す。
図4は、真核生物発現のためのpcDNA3.1ベクター骨格においてクローン化されたTAL-R6 DNAを示す。TALEN構築物は、2つの部分に設計される。この図で示される構築物は、二重鎖切断(DSB)標的に対して右側のゲノムDNA配列を特定し、TAL-R6と呼ばれる。合成遺伝子TAL_R6は、合成オリゴヌクレオチドおよび/またはPCR産物から構築される。断片は、100%配列検証されたサブ断片を用いて、TALtrunc_FokIにクローン化される。コザック配列を含む完全TAL-R6配列読み枠は、NotIおよびHindIIIの制限酵素部位の内側でクローン化される。完全カセットは、隣接制限酵素NotIおよびHindIIIによるTAL_R6断片として表される。プラスミドDNAは形質転換細菌から精製され、紫外分光法により濃度測定される。最終構築物は、配列決定により確認される。用いた制限酵素部位の内側での配列一致は100%である。TAL_R6カセットは、CMVプロモーターのあるpcDNA3.1 (+) A009でクローン化される。構築物は、真核生物選択のためのネオマイシン耐性遺伝子を含む。
TAL-R6アミノ酸配列は、本発明のSEQ ID No. 8で示される。
RVDのアミノ酸配列:
(T)-NN-HD-NG-NG-HD-NG-NN-NG-NG-HD-HD-HD-NI-HD-NG-NG-NG-NN
TAL-R6ヌクレオチド配列は、本発明のSEQ ID No. 9で示される。
構築物‐pcDNA3.1-TALEN_L6は、本発明の図3に示される。
構築物‐pcDNA3.1-TALEN_R6は、本発明の図4に示される。
〔TALEN構築物を用いる細胞の遺伝子導入〕
この実施例は、TALEN構築物でのCHOK1細胞遺伝子導入の方法を含む。また、この実施例は、TALEN技術を用いるFUT8ノックアウトCHOK1細胞株の開発のための単細胞安定細胞株の選択と確認、およびフローサイトメトリーに基づく機能分析による陽性クローンの選択を提示する。
(遺伝子導入手順)
遺伝子導入は、接着型、浮遊型ともに、CHOK1細胞を用いて最適化される。リポソームおよび修飾リポソームを用いる遺伝子導入試薬、例えば、リポフェクタミン2000、リポフェクタミン3000、Plus(登録商標)試薬を伴うリポフェクタミンLTX、MIRUS TransIT×2、MIRUS TransIT 2020、MIRUS TransIT 293、MIRUS TransIT CHOK1遺伝子導入キットが試される。0.5 μg〜5 μgの濃度のDNAが、種々のインキュベーション時間、例えば、4時間、24時間および48時間で検査される。複数のDNAと遺伝子導入試薬の比率(μg:μL)も検査される。最適遺伝子導入効率は、1:5のDNAと遺伝子導入試薬の比率、24時間インキュベーションおよびPlus(登録商標)試薬を伴うリポフェクタミンLTXを用いて達成される。最適化実験は、プラスミドDNAを発現している赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescence Protein(RFP))を用いて行われる。
図25は、本願明細書に記載された遺伝子導入手順を用いた、CHOK1細胞株における遺伝子導入効率を示す。遺伝子導入効率は、プラスミド構築物を発現している赤色蛍光タンパク質を用いて測定される。生細胞の総数と比較した遺伝子導入後に観察される赤色細胞数は、確立した手順の遺伝子効率を決定する。パネルAは明視野像を表し、パネルBは赤色チャネル蛍光に対する同一顕微鏡視野を表す。
遺伝子導入効率は、下記式によって算出される。
遺伝子導入効率=(RFP発現細胞数/細胞の総数)×100
最適化された一過性の遺伝子導入効率は、CHOK1細胞において約40〜50%である。以下の実施例では、最適化された遺伝子導入方法が、すべてのTALEN構造物のCHOK1細胞への遺伝子導入に使われる。
〔CHOK1細胞のTALEN遺伝子導入〕
(2.1)遺伝子導入
CHOK1細胞を、6ウェル組織培養プレートに、90%を超える生存率および0.25×106細胞/ウェルの密度で接種し、4時間接着させる。pcDNA3.1-TALEN_L6およびpcDNA3.1-TALEN_R6構築物は、Plus(登録商標)試薬を伴うリポフェクタミンLTXを用いて遺伝子導入される。2.5 μgの各DNA構築物を、1:5のDNAと遺伝子導入試薬の比率で使用する。細胞は、遺伝子導入後20〜24時間培養する。遺伝子導入前に、DNAの量と質を紫外分光光度法により測定する。A260/280値DNAは、質とタンパク質混入を表す。260 nmおよび280 nmでの吸光度の比が、DNAの純度を評価するために用いられる。A260/280 >1.8であることが、一般に、純粋な、または高品質のDNAとして受け入れられる。3〜4 μLのDNAサンプルをミクロキュベットに入れ、エッペンドルフ・バイオフォトメーターD30を用い、適当なブランクに対してDNA濃度を見積もる。
リポフェクタミンLTX希釈
培養液交換は、遺伝子導入の1時間前に、無血清培養液を細胞に供給する。TALEN構築物およびリポフェクタミンLTX溶液を希釈し、穏やかに撹拌し、20〜25℃で10分間インキュベートする。DNAおよび遺伝子導入試薬希釈液(3 mL)を混合し、20℃〜25℃で30分間インキュベートして複合体を形成させる。培養液をウェルから吸引する。1.5 mLのDNAおよび遺伝子導入試薬複合体を、蒔かれた細胞に滴下して加える。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、4時間培養する。完全培養液を1.5 mL/ウェルで加え、5%CO2インキュベーター中で37℃、20〜24時間培養する。遺伝子導入の20〜24時間後、細胞をトリプシン処理し、続いて単細胞希釈とする。
単細胞希釈は、細胞を、段階希釈により0.5細胞/100 μLの濃度にすることにより得る。細胞計測は、血球計数器を用いて行う。プロセス最適化後、CHOK1細胞を0.5細胞/100 μL/ウェルの密度で播種すると、単細胞コロニーが高収率で示された。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、数日間増殖させる。倒立位相差顕微鏡下で単細胞コロニーを特定するため、プレートスキャニングを行う。明瞭に小さな単一コロニーへと増殖した細胞に、さらなる増殖のためにマークを付ける。2〜3週間後、単細胞クローンをトリプシン処理して、96ウェルプレートの1ウェルから6ウェルプレートの1ウェルに増殖させる。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、2〜3日間増殖させる。細胞は、さらなるスクリーニングのために、24ウェルプレートにおいて1ウェルから2ウェルへさらに増殖させる(レプリカプレート法)。
(2.2)LCA(レンズマメアグルチニン)検定‐セット1
これは、非フコシル化(afucosylated)膜タンパク質を用いる、クローンを選択する機能分析である。フコシル化は多くの細胞タンパク質に対する不可欠の生化学プロセスであり、これらの細胞タンパク質の多くは膜タンパク質である。レンズマメアグルチニン(LCA)は、すべてのフコシル化されたタンパク質に選択的に結合するレクチンである。
フコシル化膜タンパク質を発現する細胞に対して、LCAは認識され、内部移行されて、細胞毒性薬剤として作用する。その結果、フコシル化膜タンパク質を持つ細胞は、丸くなり、最終的にLCA濃度に依存して死滅する。一方で、非フコシル化膜タンパク質を持つ細胞は生存し、高濃度のLCA存在下であってもコロニー形態を維持する。この特性に基づいて、細胞は、FUT8ノックアウトまたは野生型表現型に迅速に分類される。LCA死滅曲線最適化が行われ、200 μg/mLのLCA試薬が、LCAに基づく選択のために使用される。レプリカプレート法の後、1セットをマスタープレートとして保持し、200 μg/mLのLCAがレプリカプレート中のクローンに添加される。50個のクローンについてLCA耐性を検査する。顕微鏡観察を毎日行い、コロニー形態を維持しているクローンを特定し、FUT8ノックアウト細胞のさらなる確認のために試験する。
(2.3)LCA-FITC(レンズマメアグルチニン‐フルオレセインイソチオシアネート)結合アッセイ
フルオレセインイソチオシアネート(FITC)は、LCAに結合される蛍光色素である。したがって、対照CHOK1細胞の細胞膜上のフコシル化されたタンパク質の存在は、フルオレセイン結合型LCAにより認識される。これらの細胞は、特定のフローサイトメーターチャネルでより明るく蛍光を発する。観察される蛍光は、相対蛍光単位(RFU)として表される。フコース経路が破壊された細胞である細胞株は、フコシル化された細胞タンパク質を産生することができないので、細胞膜タンパク質は非フコシル化されている。これらの細胞をフルオレセインLCA複合体で検査すると、背景と同等の蛍光という結果になる。したがって、フコースノックアウト細胞は、対照CHOK1細胞株と比較して、はるかに低いレベル(100 RFU未満)で蛍光を発する。
遺伝子導入したCHOK1細胞および遺伝子導入しなかった対照CHOK1を、トリプシン処理して、微量遠心チューブに移し、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpm(1分間あたりの回転数)で5分間回転させる。培養液を除去し、新鮮培養液をチューブに加える。遺伝子導入したCHOK1細胞も遺伝子導入しなかったCHOK1細胞も、同時に処理される。細胞は、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターを使用する分析に基づく、LCA-FITCフローサイトメトリーの検査を受ける。4個のクローン‐TAL R4 #003、TAL R4 #013、TAL R4 #023およびTAL R4 #024が、Fut8ノックアウト特性について選別される。
フルオレセイン‐レンズマメアグルチニン(LCA-FITC)保存液5 mg/mLを分析緩衝液(2%BSAを含むDPBS)で希釈し、終濃度2 μg/mLとする。細胞は、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpmで5分間回転させる。培養液を吸引し、沈渣を、2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液0.25〜1 mLに再懸濁する。CHOK1対照細胞は、分析緩衝液単独(非染色対照)0.25〜1 mLおよび2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液(染色対照)0.25〜1 mLに再懸濁する。すべてのサンプルは最終的な分析緩衝液で希釈し、0.1〜0.2×106細胞/mLとする。次に、サンプルを、暗所、30分間、氷上でインキュベートする。その次に、各サンプルの200 μLを、96ウェルプレートに等分する。それから、プレートを、データ収集と分析のために、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターに載せる。データ分析は、Incyteソフトウェアを使用して行う。
中央値RFUは、相対蛍光単位の中央値を指す。
(結果)
遺伝子導入したクローンのLCA選択の間において、第1日のクローンの写真は、本願明細書の図5に示され、第11日の写真は図6に示される。これらの写真より、次のクローン、TAL R4 #003、TAL R4 #013、TAL R4 #023およびTAL R4 #024が、200 μg/mLのLCA処理の後であっても、コロニー形態を維持するのが観察される。したがって、これらのクローンは、FUT 8ノックアウト表現型である可能性が考えられる。
図5および図6は、レンズマメアグルチニン(LCA)選択アッセイの結果を示す。複数の単細胞クローン細胞株集団は、TALEN構築物を遺伝子導入した後、レプリカプレートの中で分離される。次に、これらの細胞株は、培養液中で200 μgのLCA試薬を用いて検査される。細胞は、細胞の健康と形態を確認するため毎日観察され、適当な時点で写真が撮影される。図5は、LCA選択開始点から培養1日後に撮影された写真を示し、図6は、培養11日後に撮影された写真を示す。ここに示される細胞株TAL R4#013、TAL R4#023およびTAL R4#024は、LCAに対して耐性を示し、これは、第1日にはわずかしかいない耐性細胞が、LCA試薬存在下での培養の第11日以降に、細胞の多数のコロニーに拡大し、増殖するということにより示される。
画像結果および上記の表に示される蛍光特性は、本願明細書の図7および8でも示される。図は、フローサイトメトリーに基づくLCA-FITC結合アッセイにおいて、CHOK1細胞株TAL R4#003、TAL R4#013、TAL R4#023およびTAL R4#024について観察される画像結果および蛍光特性を示す。このフローサイトメトリーアッセイは、細胞表面に存在するフコシル化タンパク質を検出する。このように、多くのフコシル化タンパク質が対照CHOK1細胞株に存在するにつれて、CHOK1対照細胞は高度に蛍光を発する。TALEN構築物が、遺伝子導入された細胞株においてFUT8遺伝子を破壊することができる場合、これらの細胞株の表面にはフコシル化タンパク質がないため、LCA-FITC蛍光は最小化される。TAL R4#013、TAL R4#023およびTAL R4#024がこのアッセイで検査され、これらの細胞株がCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株であることを示す場合、図は有意な蛍光減少を示す。
これらの図から、TAL R4#013は、LCA-FITC結合特性において完全な変化を示し、予想された非フコシル化表現型を示すと認められる。TAL R4#003は、LCA-FITC結合において約50%の減少を示すが、TAL R4#023およびTAL R4#024は、TAL R4#013が潜在的なFUT8ノックアウトクローンである細胞の混合集団に類似した結合特性を示す。クローンTAL R4#023およびTAL R4#024は、クローン集団を実現するため、後に続く世代で研究される。
(2.4)LCA(レンズマメアグルチニン)選択アッセイ
LCA選択の第2セットは、25個のクローンに対して行う。1個のクローンだけは、LCA耐性コロニー形態のTAL-R4#111を示す。細胞形態は顕微鏡で観察され、観察結果は、第1、9及び11日に記録される。細胞は定期的に倒立位相差顕微鏡下で観察され、コロニー形態を検査する。これは、本願明細書の図9でも示される。
図9は、CHOK1対照細胞およびLCA選択アッセイにおけるLCA耐性クローンのひとつであるTAL R4#111のコロニー形態を研究するための倒立位相差顕微鏡実験からの代表的な結果を示す。200 μg/mLのLCAでのLCA選択アッセイにおいて、異なる時点で撮影された写真により、CHOK1対照細胞は培養第9日で完全に死滅するが、TAL R4#111クローンは、培養第11日の後であっても連続的な細胞増殖と健康な細胞形態を示すことが明確に示される。
(2.5)LCA-FITC結合アッセイ
LCA-FITC結合アッセイの第2セットのため、次の選択された5個のクローン、TAL R4#003、TAL R4#013、TAL R4#023、TAL R4#024およびTAL R4#111が選別される。フルオレセイン‐レンズマメアグルチニン(LCA-FITC)保存液5 mg/mLを分析緩衝液(2%BSAを含むDPBS)で希釈し、終濃度2 μg/mLとする。細胞は、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpmで5分間回転させる。培養液を吸引し、沈渣を、2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液0.25〜1 mLに再懸濁する。CHOK1対照細胞は、分析緩衝液単独(非染色対照)0.25〜1 mLおよび2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液(染色対照)0.25〜1 mLに再懸濁する。すべてのサンプルは最終的な分析緩衝液で希釈し、0.1〜0.2×106細胞/mLとする。次に、サンプルを、暗所、30分間、氷上でインキュベートする。その次に、各サンプルの200 μLを、96ウェルプレートに等分する。それから、プレートを、データ収集と分析のために、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターに載せる。データ分析は、Incyteソフトウェアを使用して行う。
上記の表に示される結果は、本願明細書の図10のグラフ図および図11の蛍光特性でも示される。
図10および図11は、フローサイトメトリーに基づくLCA-FITC結合アッセイにおいて、CHOK1細胞株TAL R4#003、TAL R4#013、TAL R4#023、TAL R4#024およびTAL R4#111について観察されたグラフ図および蛍光特性を示す。TAL R4#023およびTAL R4#024の細胞株は、この実験で分析されるさらに数日前に継代培養される。このフローサイトメトリーアッセイは、細胞表面に存在するフコシル化タンパク質を検出する。このように、多くのフコシル化タンパク質が対照CHOK1細胞株に存在するにつれて、CHOK1対照細胞は高度に蛍光を発する。TALEN構築物が、遺伝子導入された細胞株においてFUT8遺伝子を破壊することができる場合、これらの細胞株の表面にはフコシル化タンパク質がないため、LCA-FITC蛍光は最小化される。TAL R4#013、TAL R4#023、TAL R4#024およびTAL R4#111がこのアッセイで検査され、これらの細胞株がCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株であることを示す場合、図は有意な蛍光減少を示す。
2個の潜在的な候補、TAL R4 #013およびTAL R4#111は、蛍光特性における変化に基づき、FUT8ノックアウト表現型であることが確認される。TAL R4#111は、実験の第2セットから同定される新しいクローンである。また、このデータは、TAL R4#013のための実験の第1セットからの観察結果を確認する。他の2個のクローン、TAL R4#023およびTAL R4#024は、蛍光特性において完全な変化を示した。TAL R4#023およびTAL R4#024の細胞株は、培養の8〜10継代後にFUT8ノックアウト表現型を示し、クローン集団を実現した。
〔TALEN構築物を用いる細胞の遺伝子導入〕
TALEN 遺伝子導入されたCHOK1細胞の出現頻度を改良する、高い細胞数によるTALEN 遺伝子導入。
(3.1)遺伝子導入
CHOK1細胞を、6ウェル組織培養プレートに、90%を超える生存率および0.5×106細胞/ウェルの密度で接種し、4時間接着させる。pcDNA3.1-TALEN_L6およびpcDNA3.1-TALEN_R6構築物は、Plus(登録商標)試薬を伴うリポフェクタミンLTXを用いて遺伝子導入される。2.5 μgの各DNA構築物を、1:5のDNAと遺伝子導入試薬の比率で使用する。細胞は、遺伝子導入後20〜24時間培養する。遺伝子導入前に、DNAの量と質を紫外分光光度法により測定する。A260/280値DNAは、質とタンパク質混入を表す。260 nmおよび280 nmでの吸光度の比が、DNAの純度を評価するために用いられる。A260/280 >1.8であることが、一般に、純粋な、または高品質のDNAとして受け入れられる。3〜4 μLのDNAサンプルをミクロキュベットに入れ、エッペンドルフ・バイオフォトメーターD30を用い、適当なブランクに対してDNA濃度を見積もる。
培養液交換は、遺伝子導入の1時間前に、無血清培養液を細胞に供給する。TALEN DNAおよびリポフェクタミンLTX溶液を希釈し、穏やかに撹拌し、20〜25℃で10分間インキュベートする。DNAおよび遺伝子導入試薬希釈液(3 mL)を混合し、室温で30分間インキュベートして複合体を形成させる。培養液をウェルから吸引する。1.5 mLのDNAおよび遺伝子導入試薬複合体を、蒔かれた細胞に滴下して加える。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、4時間培養する。完全培養液を1.5 mL/ウェルで加え、5%CO2インキュベーター中で37℃、20〜24時間培養する。遺伝子導入の20〜24時間後、細胞をトリプシン処理し、続いて単細胞希釈とする。
単細胞希釈は、細胞を、段階希釈により0.5細胞/100 μLの濃度にすることにより得る。細胞計測は、血球計数器を用いて行う。プロセス最適化後、CHOK1細胞を0.5細胞/100 μL/ウェルの密度で播種すると、単細胞コロニーが高収率で示された。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、数日間増殖させる。倒立位相差顕微鏡下で単細胞コロニーを特定するため、プレートスキャニングを行う。明瞭に小さな単一コロニーへと増殖した細胞に、さらなる増殖のためにマークを付ける。2〜3週間後、単細胞クローンをトリプシン処理して、96ウェルプレートの1ウェルから6ウェルプレートの1ウェルに増殖させる。細胞は、5%CO2インキュベーター中で37℃、2〜3日間増殖させる。細胞は、さらなるスクリーニングのために、24ウェルプレートにおいて1ウェルから2ウェルへさらに増殖させる(レプリカプレート法)。
(3.2)LCA(レンズマメアグルチニン)選択アッセイ
クローンのLCA選択は、クローンTAL R5 #1〜115に対して200 μg/mLで開始する。次のクローン、TAL R5#007、TAL R5#009、TAL R5#010、TAL R5#016、TAL R5#032、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#052、TAL R5#064、TAL R5#066、TAL R5#067、TAL R5#095、TAL R5#099およびTAL R5#114は、LCA選択下で健康なコロニー形態を示した。細胞は、第11日まで定期的に顕微鏡下で観察する。これらのクローンは、それらのLCA耐性表現型のために選択される。細胞は、マスタープレート(レプリカプレート法)からトリプシン処理によって6ウェルプレートの2ウェルへと拡大され、5%CO2インキュベーター中で37℃、6〜7日間増殖させる。
(3.3)LCA-FITC結合アッセイ
別々のセットのLCA-FITC結合アッセイを、以下の14クローンを用いて行った:TAL R5#007、TAL R5#009、TAL R5#010、TAL R5#016、TAL R5#032、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#052、TAL R5#064、TAL R5#066、TAL R5#067、TAL R5#095、TAL R5#099およびTAL R5#114。フルオレセイン‐レンズマメアグルチニン(LCA-FITC)保存液5 mg/mLを分析緩衝液(2%BSAを含むDPBS)で希釈し、終濃度2 μg/mLとする。細胞は、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpmで5分間回転させる。培養液を吸引し、沈渣を、2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液0.25〜1 mLに再懸濁する。CHOK1対照細胞は、分析緩衝液単独(非染色対照)0.25〜1 mLおよび2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液(染色対照)0.25〜1 mLに再懸濁する。すべてのサンプルは最終的な分析緩衝液で希釈し、0.1〜0.2×106細胞/mLとする。次に、サンプルを、暗所、30分間、氷上でインキュベートする。その次に、各サンプルの200 μLを、96ウェルプレートに等分する。それから、プレートを、データ収集と分析のために、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターに載せる。データ分析は、Incyteソフトウェアを使用して行う。
中央値RFUは、相対蛍光単位の中央値を指す。
本願明細書の図13および14は、LCAフローサイトメトリーアッセイと、それぞれLCA-FITCおよびStrep-FITCアッセイを通してのクローンの比較を示す。次の8クローン、TAL R5#007、TAL R5#010、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#066、TAL R5#095、TAL R5#099およびTAL R5#114に対して、Fut8ノックアウト表現型が観察される。すべてのこれらの8クローンにおいて、対照と比較して蛍光の有意な減少が観察され、それによって、クローンの細胞表面上にフコシル化タンパク質が存在していないことが証明される。このデータは、これらの細胞株が、本発明の方法でTALEN構築物を用いて実行されたFUT8遺伝子破壊により、フコシル化タンパク質がないという機能性の証明を与える。
図13は、LCAフローサイトメトリーアッセイと、LCA-FITCフローサイトメトリーアッセイを用いたCHOK1クローンの比較を示す。CHOK1細胞株、TAL R5#007、TAL R5#009、TAL R5#010、TAL R5#016、TAL R5#032、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#052、TAL R5#064、TAL R5#066、TAL R5#067、TAL R5#095、TAL R5#099およびTAL R5#114が、フローサイトメトリーに基づくLCA-FITC結合アッセイで検査される。このフローサイトメトリーアッセイは、細胞表面上に存在するフコシル化タンパク質を検出する。このように、フコシル化タンパク質が対照CHOK1細胞株に存在するにつれて、CHOK1対照細胞は高度に蛍光を発する。TALEN構築物が、遺伝子導入された細胞株においてFUT8遺伝子を破壊することができる場合、これらの細胞株の表面にはフコシル化タンパク質がないため、LCA-FITC蛍光は最小化される。TAL R5#007、TAL R5#010、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#066、TAL R5#95、TAL R5#099およびTAL R5#114がこのアッセイで検査され、これらの細胞株がCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株であることを示す場合、図は有意な蛍光減少を示す。
図14および15は、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株をスクリーニングするために開発されたLCA-FITCフローサイトメトリーアッセイの特異性を示す。フローサイトメトリー実験は、ストレプトアビジン‐FITC複合体を用いて実施される。ストレプトアビジン‐FITCは、CHOK1対照細胞株の細胞表面タンパク質を認識せず、これはLCA-FITC複合体の特異的相互作用を示す。さらに、ストレプトアビジン‐FITC複合体は、LCA-FITC複合体により特定される陽性細胞株と陰性細胞株の間のk蛍光と同程度のレベルを示す。
(3.4)LCA(レンズマメアグルチニン)選択アッセイ
もう1セットの細胞株が、TAL R5 # 116〜TAL R5#209のクローンに対する200 μg/mLでのLCA選択に使用される。細胞形態パラメータが比較される場合、以下のクローンは健康に増殖していることが分かる:TAL R5#125、TAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176。細胞は、第11日まで定期的に顕微鏡下で観察する。これらのクローンは、それらのLCA耐性表現型のために選択される。細胞は、マスタープレート(レプリカプレート法)からトリプシン処理によって6ウェルプレートの2ウェルへと拡大され、5%CO2インキュベーター中で37℃、6〜7日間増殖させる。
本願明細書の図16は、LCA選択アッセイにおけるTALEN遺伝子導入CHOK1クローンの写真図を示す。複数の単細胞クローンは、レプリカプレートにおいて、LCA選択アッセイを用いて検査される。CHOK1対照細胞株も、TALEN構築物を用いて遺伝子導入したCHOK1細胞と同時に検査される。LCA選択の11日後の細胞株の顕微鏡観察で、CHOK1対照細胞とTAL R5#125クローンのひとつで完全な死が見られる。残りのクローンTAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176は、培養液当たりのLCA試薬が200 μg/mLで、LCA選択の11日後に耐性細胞を示す。これらのクローンは、LCA-FITC結合アッセイによってさらなる確認のために選択される。
(3.5)LCA-FITC結合アッセイ
次の8クローン:TAL R5#125、TAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176に対するLCA-FITC結合アッセイを実施する。
フルオレセイン‐レンズマメアグルチニン(LCA-FITC)保存液5 mg/mLを分析緩衝液(2%BSAを含むDPBS)で希釈し、終濃度2 μg/mLとする。細胞は、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpmで5分間回転させる。培養液を吸引し、沈渣を、2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液0.25〜1 mLに再懸濁する。CHOK1対照細胞は、分析緩衝液単独(非染色対照)0.25〜1 mLおよび2 μg/mLのLCA-FITCを含む分析緩衝液(染色対照)0.25〜1 mLに再懸濁する。すべてのサンプルは最終的な分析緩衝液で希釈し、0.1〜0.2×106細胞/mLとする。次に、サンプルを、暗所、30分間、氷上でインキュベートする。その次に、各サンプルの200 μLを、96ウェルプレートに等分する。それから、プレートを、データ収集と分析のために、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターに載せる。データ分析は、Incyteソフトウェアを使用して行う。
中央値RFUは、相対蛍光単位の中央値を指す。
本願明細書の図17および18は、上記の表の通り、LCA-FITC蛍光アッセイ結果と、ストレプトアビジン‐FITCアッセイとの比較を示す。図19は、蛍光特性を示す。クローンTAL R5#125、TAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176は、LCA-FITCフローサイトメトリーアッセイで検査される。
これらの図から、次の7クローン、TAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176は、Fut8ノックアウト表現型が陽性であることが導き出される。上記のすべてのクローンは、CHOK1対照細胞株と比較して蛍光の有意な減少を示す。ストレプトアビジン‐FITCとの比較は、LCA-FITC複合体の特異的相互作用を保証するために行う。データは、CHOK1対照細胞株およびTALEN遺伝子導入細胞株のいずれかを検査する場合、ストレプトアビジン‐FITC複合体で観察されるバックグラウンド蛍光のみを意味する。図18は、ストレプトアビジン‐FITC複合体と比較する場合、本研究で使用されるLCA-FITC複合体に非特異的相互作用がないことを示す。
図19は、LCA-FITCフローサイトメトリーアッセイを用いたCHOK1 FUT8ノックアウトクローンについての蛍光特性を示す。クローンTAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176のフローサイトメトリー特性は、CHOK1対照細胞株と比較して蛍光の明確な変化を示す。データは、これらのクローンが潜在的CHOK1 FUT8ノックアウト細胞であることを明確に示す。
(3.6)FITC色素の非特異的結合を排除するためのストレプトアビジン‐FITC染色
クローンのストレプトアビジン結合型FITC(Strep-FITC)染色は、FITC色素の非特異的結合がないことを保証するために行う。細胞膜タンパク質はストレプトアビジン‐FITC複合体に結合しないが、フコシル化膜タンパク質はLCA-FITC複合体に特異的に結合する。対照CHOK1細胞は、別々の反応でLCA-FITCおよびStrep-FITCで染色し、この特異性を確認する。すべてのクローンはストレプトアビジン‐FITCおよびLCA-FITC複合体で同様に染色し、非特異的結合を測定する。
以下の14クローンは、前述の実験セットから選別される:TAL R5#007、TAL R5#009、TAL R5#010、TAL R5#016、TAL R5#032、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#052、TAL R5#064、TAL R5#066、TAL R5#067、TAL R5#095、TAL R5#099およびTAL R5#114。
同様に、別個の実験からの別の8クローンも選別され、それらは、TAL R5#125、TAL R5#131、TAL R5#154、TAL R5#161、TAL R5#165、TAL R5#171、TAL R5#172およびTAL R5#176である。
フルオレセイン‐ストレプトアビジン(ストレプトアビジン‐FITC)保存液1 mg/mLを分析緩衝液(2%BSAを含むDPBS)で希釈し、終濃度2 μg/mLとする。細胞は、エッペンドルフ・ミニスピン遠心分離機を使用して、1500 rpmで5分間回転させる。培養液を吸引し、沈渣を、2 μg/mLのストレプトアビジン‐FITCを含む分析緩衝液0.25〜1 mLに再懸濁する。CHOK1対照細胞は、分析緩衝液単独(非染色対照)0.25〜1 mLおよび2 μg/mLのストレプトアビジン‐FITCを含む分析緩衝液(染色対照)0.25〜1 mLに再懸濁する。すべてのサンプルは最終的な分析緩衝液で希釈し、0.1〜0.2×106細胞/mLとする。次に、サンプルを、暗所、30分間、氷上でインキュベートする。その次に、各サンプルの200 μLを、96ウェルプレートに等分する。それから、プレートを、データ収集と分析のために、ミリポアGUAVA easyCyte 8HT卓上フローサイトメーターに載せる。データ分析は、Incyteソフトウェアを使用して行う。
ストレプトアビジン‐FITCとの比較は、LCA-FITC複合体の特異的相互作用を保証するために行う。データは、CHOK1対照細胞株およびTALEN遺伝子導入細胞株のいずれかを検査する場合、ストレプトアビジン‐FITC複合体で観察されるバックグラウンド蛍光のみを意味する。図18は、ストレプトアビジン‐FITC複合体と比較する場合、本研究で使用されるLCA-FITC複合体に非特異的相互作用がないことを示す。
蛍光特性は、本願明細書の図15に示される。TAL R5#007、TAL R5#010、TAL R5#045、TAL R5#047、TAL R5#066、TAL R5#95、TAL R5#099およびTAL R5#114クローンの蛍光フローサイトメトリー特性が示される。この図から、上記のすべてのクローンは、LCA-FITC染色後、CHOK1対照細胞株と比較して蛍光特性の有意な変化を示すということが導き出される。すべてのクローンのストレプトアビジン‐FITC(Strep-FITC)染色特性は、CHOK1対照細胞株とすべてのTALEN遺伝子導入細胞株を含めてバックグラウンドレベルで観察される。データは、ストレプトアビジン‐FITC複合体が、CHOK1対照およびTALEN 遺伝子導入細胞株のいずれでも、CHOK1細胞膜に結合しないことを裏付ける。陽性クローンで観察される蛍光の減少は、TALEN遺伝子導入された潜在的FUT8ノックアウト細胞株に、フコシル化タンパク質が存在しないことを示す。これは、これらすべての細胞株が、潜在的CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株であることを示す。
(3.7)選択されたクローンの増殖曲線の測定
選択されたクローンの増殖曲線の測定は、増殖特性が、ノックアウト細胞株開発のプロセス中において、野生型CHOK1細胞と比較して有意に変化しないことを保証するために行う。0.1×106個のCHOK1細胞を、6ウェル組織培養プレートに播種する。播種は、各クローンについて、5つの時点に対して行う。時点ごとに、3重に播種する(例えば、5つの時点に対して15ウェル)。細胞計数は、時点ごとに3重で行う。生細胞計数は、血球計数器またはVi-cell XR細胞生存アナライザーのいずれかを用いて行った。それぞれの増殖曲線は、エラーバーとしてSEMを用いて作り出される。表10は、FUT8ノックアウト細胞株のひとつであるTAL-R4#013からの代表的な増殖データを示す。
上記の表に対する図は、本願明細書の図12に与えられる。図から、クローンTAL R4#013が、CHOK1細胞と同様の増殖特性と倍加時間を有することが観察される。LCA-FITCフローサイトメトリーアッセイで確認されるすべてのTALEN遺伝子導入クローンが平行して研究され、図12はTAL R4#013クローンだけの代表例である。
図12は、CHOK1 FUT8ノックアウトクローンの増殖曲線のグラフ図を示す。TALEN構築物遺伝子導入後に発育したフコースノックアウト細胞株は、最適増殖特性について検査される。これらのクローン細胞株は、治療用タンパク質および/またはモノクローナル抗体の過剰発現のために用いられる。生細胞計測は、Vi-Cellカウンターを使用して、最適増殖条件で5日間毎日行われる。CHOK1対照細胞株とTAL R4#013 CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株に対する増殖曲線は同等である。
〔ゲノム塩基配列決定アッセイ〕
機能分析すなわちLCA-FITCフローサイトメトリーアッセイにより選択したTALEN遺伝子導入クローンを、ゲノム塩基配列決定アッセイに使用する。チャイニーズハムスターのFUT8ゲノム遺伝子座は文献(NW_003613860)に報告されており、各細胞株クローンにおける遺伝子組み換え型を理解する野生型配列として用いられる。本実施例の目的は、TALEN遺伝子導入CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株から得られたゲノムDNA塩基配列決定結果を分析することである。ここで報告されるすべての細胞株はクローン細胞株であり、LCA培養液選択アッセイおよびLCA-FITCフローサイトメトリーアッセイから選択される。
簡単には、選択されたクローン細胞株はゲノムDNA単離のための適当な増殖条件で増殖させ、精製されたゲノムDNAは、FUT8標的遺伝子座に隣接しているプライマーを用いるPCR増幅に用い、次に、PCR増幅産物を生成し、E.coliコンピテント細胞を用いる適切なベクターでクローン化し、得られたアンピシリン耐性E. coliコロニーを選択し、培養する。プラスミドDNAは各細菌クローンから単離され、約5〜10の個々の細菌コロニーを、FUT8標的遺伝子座での改変型を理解するため、自動化塩基配列決定法によりクローン細胞株ごとに検査する。
選択されたクローンのゲノム塩基配列決定を行うため、以下の試薬と溶液を使用する。
全ゲノム塩基配列決定手順は、以下の4つのプロセスに分けられる。
A)選択したクローンからのゲノムDNA単離
B)各細胞株について特異的ゲノム遺伝子座を増幅するためのPCR戦略
C)配列決定ベクターにおけるPCR産物のクローニング
D)配列データ解析とINDELの同定
(4.1)選択したクローンからのゲノムDNA単離
クローンCHOK1細胞株は、10%ウシ胎児血清、4 mMグルタミン、100ユニット/mLペニシリンおよび100 μg/mLストレプトマイシンを含む改良DMEM培養液を用い、制御されたインキュベーター中でT175フラスコ中、37℃、5%CO2および75%相対湿度の存在下で増殖させる。細胞増殖は毎日観察し、生存率を監視する。細胞は、80%の培養密度と95%を超える生存率のときに、トリプシン処理により回収する。単離する日に培養液を除去し、トリプシン処理のために先ず接着細胞を10 mLのDPBSで洗浄し、次に4 mLの0.05%トリプシンEDTA溶液を添加する。細胞は37℃で2〜3分間インキュベートし、回収する。次に、細胞を10 mLのDPBSと混合し、1500 rpmで5分間遠心分離する。使用済みの培養液を除去し、細胞ペレットを10 mLのDPBS中に再懸濁する。細胞は、1500 rpmで5分間の遠心分離により再洗浄する。DPBSは吸引により完全に除去する。最終的な細胞ペレットは、ゲノムDNA単離に用いられる。
ゲノムDNAは、CHOK1対照細胞と、LCA耐性を示し、LCAフローサイトメトリーアッセイにより選択されたCHOK1 TALEN遺伝子導入クローン細胞株から単離される。ゲノムDNA単離には、市販のキアゲン ゲノムDNA単離キットを製造業者手順書に従って使用する。
(4.2)PCR戦略設計
チャイニーズハムスターのゲノムDNA塩基配列は、一般公開されているデータベース配列NW_003613860から分析される。エクソン9および10のDNA塩基配列ならびに部分的イントロン塩基配列(配列ID No. 40)が、FUT8標的遺伝子座を増幅するためのPCR戦略の設計に使用される。プライマーは、プライマー長、PCR産物長、GC含量、融解温度ならびにホモ二本鎖およびヘテロ二本鎖形成の可能性に基づいて設計される。プライマーは、以下に提供されるFUT8標的遺伝子座に隣接して設計される。増幅されたPCR産物は、TALEN介在性DSBとそれに続くDNA修復に起因する突然変異の解析を目的とする。以下のヌクレオチド配列は、プライマー配列を持つ対象領域を太文字で表している。
gacctgtactattcaacattcagctatgttaaagtatttgtgaagtgttttgaaatgattttatattttctaaggtgagaataaatgagaaaatgttttaatatgtctccagtgcccccatgactagggatactaattgagtaccagtacattatcagtgtgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtggttctgtatgggattatctc
イントロンは、塩基1〜塩基180までと塩基358から塩基397に小文字で示される。エクソン9は、塩基181〜塩基357に大文字で示される。
Exon 9 is represented from base 181 to base 357 in upper case letters. The primer binding sites of Left and Right are underlined.
エキソン9は、ベース181から大文字で357の基礎を形成すると述べられる。左翼のプライマー結合部位、そして、ちょうど下線を引く。
(4.2.1)PCRによるINDELの特定のためのプライマー設計
ゲノムPCRは、表11に記載の以下のプライマーを用い、キアゲン ゲノムDNA単離キットを使用して実行される。
以下のセクションは、対照細胞株からLCA選択クローン細胞株までのCHOK1ゲノムDNAからのPCR産物生成、E. coliコンピテント細胞におけるPCR産物のクローニング、およびクローン化PCR産物の塩基配列決定についての実験的詳細を与える。
(4.2.2)PCR条件の最適化
実験は、PCR条件を標準化するように設計される。試されるパラメータには、ゲノムDNA濃度(100 ng〜1000ng)、プライマー濃度(2 nmole〜20 nmole)、PCRアニーリング温度(55.8℃〜62.9℃)および時間(20秒〜50秒)、PCR産物伸張時間(30秒〜60秒)が含まれ、PCRサイクル数は30サイクルに設定される。到達した最適化条件は以下のセクションに記載される。PCR反応は、PCR介在性突然変異が制限されることを確実にするため、プルーフリーディングポリメラーゼであるPhusionポリメラーゼを用いて実施される。PCR増幅サイクル後に、テーリングのためにTaqポリメラーゼ酵素が混合物の中に添加される。テーリングステップは、PCR産物に付け足される追加の塩基が、次のセクションで記載される配列決定ベクターにおける直接クローニングを可能にするので重要である。TAクローニングベクターにおけるクローニングのためにPCR産物にdATPオーバーハングを付け足す目的で、Phusionポリメラーゼ増幅産物は、Taq DNAポリメラーゼとともに72℃で15分間インキュベートされる。
(4.2.3)PCRによるゲノムDNAサンプルの照合確認
ゲノムDNAのPCR産物はアガロースゲル電気泳動法で分析され、PCR産物長は分子量標準を用いて確認される。明確な増幅特性を持つPCRサンプルは、次の処理ステップに用いられる。
(4.2.4)キアゲンキットを用いるPCR産物のゲル溶出
増幅されたPCR産物は新たに調製された1%アガロースに添加し、100Vで1時間の電気泳動にかけ、使われないプライマーや増幅過程で生成したその他の二量体から増幅PCR産物を分離する。増幅産物はゲルから切除し、市販のキアゲン・ゲル溶出キットを用いて溶出させる。DNAは、高純度分子生物グレード水により溶出させる。
(4.3)配列決定ベクターにおけるPCR産物のクローニング
次に、アガロースゲルで精製されたPCR増幅産物は、DNA連結プロセスによって市販のpTZ57R/Tベクターでクローニングするために使用する。DNA連結の条件は、予め標準化されている。
(4.3.1)DH10BおよびDH5αE. coliコンピテント細胞における連結されたサンプルpTZ57R/T+TAL(PCR)の形質転換
連結されたDNAは、市販のE. coli DH10Bコンピテント細胞で形質転換させる。高レベルの形質転換効率を達成するために、製造業者により解説される形質転換手順が続いて行われる。形質転換後、E. coli細胞は、形質転換コロニーの増殖のためアンピシリン抗生物質の存在下で増殖させる。
(4.3.2)アンピシリン含有LB培地への形質転換細胞(pTZ57R/T+TAL(PCR))の播種
分離された各コロニーを、5 mLの培養液量のLB+アンピシリン培地に接種し、プラスミドDNA単離のために一晩増殖させる。
(4.3.4)DH10BおよびDH5α形質転換細胞からのプラスミドDNA(pTZ57R/T+TAL(PCR))の単離
一晩増殖させた培養物4.5 mLを、市販のキアゲン・プラスミドDNA単離キットを用い、製造業者の手順に従ったプラスミドDNA単離に用いた。プラスミドDNAは、高純度分子生物グレード水により溶出させる。
(4.3.5)挿入物の存在に関するプラスミドの照合確認
各プラスミド調製物は、適切な制限酵素消化を用いて挿入物の存在を検査され、アガロース電気泳動が続く。挿入物のサイズは、適切な分子量標準と比較される。
(4.4)配列データ解析とINDELの同定
(配列決定)確認されたプラスミドは、次に、pTZ57R/Tベクター骨格に存在する特異的塩基配列決定プライマーで配列決定される。配列データは、適切な手順に従って自動化DNA塩基配列決定装置で作成される。塩基配列決定は、正確な配列情報を確実にするため、順方向プライマーと逆方向プライマーを用いて行われる。
(DNA配列解析)
すべてのプラスミドからのDNA塩基配列決定データが解析される。CHOK1対照細胞株および種々のTALEN介在性FUT8ノックアウトCHOK1クローン細胞株に由来するプラスミドDNAからのDNA塩基配列が比較され、DNA塩基配列の差異が特定される。各CHOK1細胞株クローンからPCR産物が作成され、E. coliでクローン化される。複数のE. coliクローンが、標的ゲノム遺伝子座でのヌクレオチド配列変更を確認するため配列決定される。
FUT8ゲノム標的遺伝子座が欠失および/または挿入(INDEL)により改変されている、潜在的FUT8ノックアウト細胞株を特定するのに、配列データの複合解析が用いられる。次に、明らかな差異を示すために、DNA配列を整列させる。図26は、CHOK1対照細胞株およびFUT8ノックアウトクローン細胞株のヌクレオチド配列の配列比較を与える。DNA塩基配列情報は、標準コドンを使用して、FUT8遺伝子エクソン9のアミノ酸配列を割り当てるのに用いられる。次にアミノ酸配列は、欠失、フレームシフト突然変異、停止コドンの挿入および特定の位置におけるアミノ酸置換を特定するため整列させる。図26は、CHOK1対照細胞株と比較した、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株で観察されるヌクレオチド改変の程度を示す。データは、複数のCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株の間で、FUT8遺伝子座ゲノムDNA組織のスナップショットを提供する。
(4.5)PCR反応
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、DNA増幅に対して強力で、感度が高い技術である。PCRは、3ステッププロセスの複数のサイクルを用いることにより、指数的に特異的DNA配列を増幅する。最初に、二本鎖DNA鋳型は、94℃の高温で変性される。次に、表11に挙げられる配列特異的プライマーを、標的配列に隣接する部位にアニール(60.4℃)させる。耐熱性DNAポリメラーゼ(Phusionポリメラーゼ)はアニールされたプライマーを伸長させ、それによって、最初のDNA配列の量を2倍にする。その次に、この新しく合成された産物は、以降の増幅サイクルの追加的な鋳型になる。この3つのステップは30サイクル繰り返され、目的DNA濃度が109倍増加する結果となる。TAクローニングベクターにおけるクローニングのためにPCR産物にdATPオーバーハングを付け足す目的で、PCR Phusionポリメラーゼ増幅産物は、Taq DNAポリメラーゼとともに72℃で15分間インキュベートされる。
本願明細書の図20は、1%アガロースゲルで流した場合の、クローンCHOK1-TAL6-R5 #007のPCR増幅産物の代表図を示す。ゲノムDNAは単離され、標準化されたPCR条件で、TAL_P01_FwおよびTAL_P01_Rvプライマーを用いて増幅される。増幅産物は、1%アガロースゲルで電気泳動にかける。結果は、予想された産物サイズと増幅産物を示す。PCR増幅産物はゲルで精製され、細菌クローンでクローン化され、ゲノムFUT8遺伝子座の状態を確認するために配列決定される。すべてのクローン細胞株は、DNA塩基配列決定確認のためのこれと同一のプロセス後に検査される。
この代表図は、表11のプライマー配列とPhusionポリメラーゼを用いる標的FUT8ゲノム遺伝子座のPCR増幅を記載する。PCR産物は、テーリングのためにTaq DNAポリメラーゼを用いてさらに修飾される。次に、最終PCR産物は、増幅された断片の溶出のために、アガロースゲルで電気泳動にかけられる。図20の「レーン1」は、ゲル溶出のために電気泳動にかけられる適当なサイズの増幅されたPCR産物を示す。同じプロセスは、QIAEX IIゲル抽出キットを用いてゲル抽出された、CHOK1対照およびFUT8ノックアウトCHOK1クローン細胞株からのPCR増幅産物を増幅するために適用される。
(4.6)連結
PCR増幅されゲル溶出された産物は、市販のpTZ57R/Tベクターで連結される。連結手順は以下に記載される。
上記の連結混合液は4℃で一晩インキュベートし、連結混合液の50%が、熱ショック法によってDH5αまたはDH10B E. coliコンピテント細胞に形質転換される。
(4.7)熱ショック法による連結サンプルの細菌細胞への形質転換
細菌細胞を形質転換する目的は、プラスミドDNAをクローン化し、増殖させることである。コンピテントE. coli細胞(DH5αまたはDH10B)の一定分量20 μLを、−80℃冷凍庫から取り出し、氷上で5分間解凍する。50%の連結サンプル(pTZ57R/T+TAL(PCR))をコンピテント細胞に添加し、穏やかに撹拌して、氷上で20分間インキュベートする。混合物を含むチューブを水槽/空気槽に42℃で50秒間置く。チューブは、氷上に2分間置き戻す。37℃に温めたLB培地(アンピシリン抗生物質不含)0.950 mLを、振盪機で37℃、220 rpmで1時間インキュベートした。得られた培養物の100 μLを、温められたLB+アンピシリン培養プレートに広げる。プレートは、37℃インキュベーターで一晩インキュベートする。
(4.8)QiaPrep Spin Miniprepを用いる細菌細胞からのプラスミドDNA単離
この手順の目的は、次の実験に使用する特異的DNAプラスミドを含む細菌を増殖/培養することである。LB+アンピシリン培地の5 mLを加圧滅菌されたチューブに加え、単離された細菌コロニーを、培養プレートからLB培地+アンピシリン培養チューブに接種する。チューブは、37℃、220 rpmで一晩インキュベートする(細菌の増殖によって約16〜18時間)。一晩培養した4.5 mLを、13 rpmで1分間遠心分離する。プラスミドDNAは、市販のキアゲン・プラスミド単離キットを用いて単離する。プラスミドDNAは高純度分子生物グレード水で溶出し、さらに使用するまで−20℃冷凍庫で保存する。
(4.9)EcoR I-HFおよびHind III-HF酵素の制限酵素を用いて選択された陽性クローン
PCR増幅断片の場合、このように単離されたプラスミドDNAは、挿入の存在を検査される。pTZ57R/Tベクターは、クローン化されたPCR産物に隣接する複数の制限酵素部位を含む。制限酵素部位のEcoRIとHindIIIは、下表に示されるように、制限消化に対してCHOK1senである。反応は、プラスミドDNAを完全に消化するため、37℃で2時間行われる。制限消化後、混合物は、1%アガロースゲルで1時間電気泳動にかけられる。PCR産物挿入物は、もし存在すれば、pTZ57R/Tベクター骨格と分離し、確立された細菌クローンがDNA塩基配列決定に用いられる。
本願明細書の図21は、挿入物の存在を確認するため、pTZ57R/Tベクター中のPCR増幅産物の制限酵素消化を表す。独立した細菌クローンからのプラスミドDNA調製物は、ベクター中でクローン化されたPCR断片に隣接するEcoRIおよびHindIII制限酵素で消化され、混合物は1%アガロースゲルで電気泳動にかけられる。結果として生じるDNA断片のサイズは、DNA分子量標準から推定される。結果は、検査されたすべてのクローンが、およそ397塩基対長のPCR産物挿入物を内部に持つことを明らかにする。pTZ57R/Tベクター骨格は、約5.4 Kbのバンド位置で観察される断片によって表される。このデータに基づき、個々のプラスミドDNAサンプルがDNA塩基配列決定のために選択され、使用される。同じプロセスは、pTZ57R/Tベクターでクローン化されるすべてのPCR産物に適用され、確立されたクローンはDNA塩基配列決定のために選択される。結果は、vector骨格に存在する配列決定プライマーを用いて塩基配列決定される挿入物の存在を示す。
〔塩基配列決定によるINDELの確認〕
選択された細菌プラスミドDNAのDNA塩基配列決定は、pTZ57R/Tベクター骨格に位置する上流および下流の塩基配列決定プライマーを用いて実行される。塩基配列決定データは両方のプライマーを用いて集められ、正確なDNA配列情報のために分析される。複数の細菌プラスミドは、TALEN 構築物により得られたCHOK1対照細胞およびクローンCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株に関して、FUT8標的遺伝子座での複合DNA配列情報を作成するために配列決定される。
以下に与えられるものは、本発明の方法により、TALEN構築物によるCHOK1対照細胞株およびCHOK1 FUT8ノックアウトクローン細胞株からのゲノムDNA配列であり、Fut8遺伝子における挿入および/または欠失突然変異の存在を裏付ける。CHOK1対照細胞を含む各細胞株からの増幅された標的ゲノム遺伝子座は、複数の独立した細菌クローンにおけるPCR産物としてクローン化される。配列検証は、FUT8標的遺伝子座の対立遺伝子可変性を理解するため、複数の独立した細菌クローン(5〜15種までの幅がある)から、順方向および逆方向配列決定プライマーを用いて実行される。以下のDNA配列データは、種々のFUT8ノックアウト細胞株からの標的FUT8遺伝子座でのゲノム配列を代表する。
(DNA塩基配列分析)
CHOK1対照細胞株(野生型)− エクソン9の配列は大文字である。イントロン配列は小文字であり、下線が引かれている。
tgctctccacttctccccagAGTCCATGTCAGACGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtg
CHOK1 FUT8ノックアウトクローン細胞株の配列は、以下に与えられる。エクソン9の配列は、この細胞株において突然変異していることが観察される。

TALR4#003a - tgctctccacttctccccagAGTCCATGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtg

TAL R4 #013a -
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TAL R4 #013b -
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TAL R4 #023a -
tgctctccacttctccccagAGTCCATAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtg

TAL R4 # 024b -
tgctctccacttctccccagAGTCCATGTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtg

TALR4#111a - tgctctccacttctccccagAGTCCGCACTGACAAAGTGGGAACAGAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAAgtaagttagaccaacaagtg

TAL R4 #111b -
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TAL R5 #007 a -
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TAL R5 #047 a -
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TAL R5#095 a -
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TAL R5#095 b -
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FUT8遺伝子配列において欠失を示すFKO細胞株クローンにおける代表的なゲノムDNA配列の配列比較が、本願明細書の図22に与えられる。図22Aおよび22Bは、ヌクレオチド配列分析を示す。TALEN遺伝子導入され、選択されたCHOK1 FUT8ノックアウトクローンおよびCHOK1対照細胞株のゲノムDNAが、標的ゲノムFUT8遺伝子座をPCR増幅するために使われる。配列データが、順方向および逆方向配列決定プライマーを用いて配列決定された5〜15種の独立した細菌クローンの分析から集められる。塩基配列決定データは、CHOK1対照細胞株と比較して、複数のクローンにおいてさまざまな長さの欠失を示唆する。113塩基の最も長い欠失はクローンTAL R4#013で観察され、最も小さい欠失は、クローンTAL R5#095における2塩基だけである。すべての欠失は、TALEN標的部位に位置する。図22Bにおいて、左右TALEN DNA結合部位は、中抜きボックスで示される。図22は、配列データが、CHOK1対照細胞株と比較して、新しいDNA配列の挿入を示すクローンTAL R5#095aのひとつの対立遺伝子を示す。
データは、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株のFUT8ゲノム遺伝子座に存在する、さまざまなINDELを示唆する。多くの場合は、標的塩基で非常に特異的な改変があることが観察され、他の場合では、変化は広く、DNAのより長い伸展を伴う。TALEN構築物によるゲノム改変のそのような多様性は、非相同末端結合による内因性のDNA二重鎖切断修復に起因して起こり得る。これらの細胞株のすべては、2つの別々の機能的スクリーニング分析、すなわちLCA培養液選択アッセイおよびLCA-FITCフローサイトメトリーアッセイにより選択される。結果は、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株を単離し、同定するためには、これら両方の機能分析の効率が高いことも意味する。
本願明細書で示されるTALEN構築物の設計は、この一対のTALEN構築物が、CHOK1細胞株において標的となったFUT8遺伝子座で、高度に配列特異的遺伝子変更を提供するように特有であることが示される。
(CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株のアミノ酸配列分析)
CHOK1対照細胞株およびCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株のFUT8ゲノムDNA配列は、DNA配列INDEL がFUT8タンパク質状態に与える影響を理解するため、さらに分析される。標的となったFUT8遺伝子座でのDNA配列は、脊椎動物のコドンバイアスを用いてアミノ酸配列に翻訳される。エクソン9領域のアミノ酸配列は詳しく研究され、結果は図12にまとめられる。CHOK1対照細胞株と比較する場合、FUT8ノックアウト細胞株では、小さくは3個のアミノ酸(TAL -R4 # 111)から大きくは10個のアミノ酸(TAL R4 #003)までが、FUT8ノックアウト細胞株において取り除かれる欠失を含む改変が示される。
多くの例において、FUT8タンパク質のC末端領域を改変して非機能性酵素にする、フレームシフト突然変異が観察される。さらに、いくつかの例において、フレームシフト突然変異の効果として停止コドンが導入され、その結果、これらのクローン(TAL R4 #013およびTAL R4 #023)においてFUT8タンパク質は切り詰められ、非機能性である。
さらに、FUT8タンパク質配列における標的アミノ酸の選択が非常に効果的であることが観察される。一対のTALEN構築物のみを持つ野生型FUT8タンパク質の、Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369およびGlu-373位置での標的とする保存アミノ酸は、複数のノックアウト細胞株の標的遺伝子座で突然変異を作り出す。
FUT8遺伝子配列において欠失を示すCHOK1対照細胞株およびCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株の代表的なアミノ酸配列の配列比較が、本願明細書の図23に与えられる。翻訳されたアミノ酸配列は、標準コドン使用を用いて予測される。データは、観察されるヌクレオチド欠失および/または挿入に起因して、FUT8アミノ酸配列に関するさまざまな効果を示す。黒矢印は、本発明で標的とされるFUT8機能性に対して決定的であるアミノ酸を示す。エクソン9領域の他の重要なアミノ酸は、アスタリスクで示される。クローンTAL R4#111、TAL R5#007、TAL R5#047およびTAL R4#003は、この領域の他のアミノ酸に加えて、Arg366での特異的アミノ酸位置の標的とされた欠失を示す。残りのクローンは、欠失と、その後に続くフレームシフト突然変異を示し、初期の停止コドンをもたらす。これらすべての改変は、TALEN遺伝子導入CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株における非機能性FUT8タンパク質を示す。
さらに、TALEN構築物は、FUT8酵素の触媒ドメインに含まれる特異的アミノ酸位置Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453およびSer-469とともに、重要なモチーフIIおよびモチーフIIIを含む、FUT8酵素のc-末端領域を破壊するフレームシフト突然変異を作り出した。これらの重大な突然変異の最終的な結果は、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株におけるFUT8遺伝子のタンパク質産生物である、非機能性α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素である。
実施例7
〔非フコシル化抗体の産生のためのフコースノックアウト細胞株の使用〕
フコースノックアウトCHOK1細胞発現プラットフォームは、非フコシル化抗体、特に非フコシル化モノクローナル抗体の発現のために用いられる。モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする抗体遺伝子は、適切な遺伝子発現プラスミドでクローン化され、上述の実施例で記載されたフコースノックアウトCHOK1細胞プラットフォームに遺伝子導入される。このプラットフォーム/方法を用いて産生されるモノクローナル抗体は、非フコシル化抗体として発現される。産生物は、治療用途のためのバイオ後続薬モノクローナル抗体産生物を開発するための確立された手順およびガイドラインに従って精製される。このプラットフォームを使用して産生された非フコシル化バイオ後続薬抗体は、高レベルのADCCをもたらし、その結果、優れた治療結果が得られる。
本発明のLCA-FITCサイトメトリーデータおよびさらなる配列決定実験により、FKO細胞株は膜タンパク質をフコシル化できないことが確認される。したがって、本発明で得られる細胞は、非フコシル化タンパク質、特に非フコシル化抗体を産生する。高いADCCといった非フコシル化抗体の特有の特徴と治療優位性は、当業者に周知である。
開示と例示は、明確さと理解を目的とする説明と実施例により与えられるが、種々の変更と改良が本発明の意図または範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者には明白である。したがって、前述の説明および実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきものではない。
本発明の範囲は、詳細な説明によってではなく、本願明細書に添付される請求項により限定されることが意図されている。以下の請求項が、本願明細書で開示される一般的なおよび特定の特徴のすべてを含むことを目的とすることも理解される。
多くの修正変更は、上記の教示の観点から可能である。したがって、請求項に記載された主題は、具体的に記載された以外に行うことができると理解される。例えば「a」、「an」、「the」または「said」の冠詞を用いて、単数で要素を請求するいかなる参考文献も、本発明を限定するものとして解釈されることはない。
本願明細書の実施例の説明は、現在の知識を適用することにより、さまざまな応用のための修正および/または翻案に適切である実施例の一般の性質を明らかにする。このような本発明の具体的な実施例から一般的な概念を逸脱しない範囲で、そのような修正および翻案は、開示された実施例と同等の意味と範囲の中にあると理解され、見なされるべきものである。
本願明細書で使用される語句または用語は、説明の目的のためであり、いかなる限定も意図するものではないことも理解される。本願明細書の全体を通じて、「comprise」または変形である「comprises」もしくは「comprising」(含む)は、使われる場合はいつでも、言明された要素、整数もしくはステップ、または要素、整数もしくはステップの群の組み入れを意味するが、他の要素、整数もしくはステップ、または要素、整数もしくはステップの群の排除ではないと理解される。
本願明細書で数値的な限定または範囲が記載されている場合、終点は含まれる。また、数値的な限定または範囲内で、値および部分的な範囲は、明確に書き出されたように、具体的に含まれる。
本願明細書中のいかなる複数および/または単数用語の使用に関しても、当業者は、事情および/または応用に適切と考えられれば、複数から単数、および/または単数から複数に置き換えることができる。
この明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、論文などに関するいかなる議論も、単に本発明に対する背景を提供する目的のためだけにある。これらの事柄のいずれかまたはすべては、本願の優先日前にいずれかに存在したので、本発明に関連する分野において先行技術基盤の一部分を形成し、または一般の知識であるという告白として受け取られるものではない。
本出願を通して引用されるすべての参考文献、特許および公開された特許出願の内容は、すべての目的のために、参照によって本願明細書に組み込まれる。

Claims (22)

  1. 完全に破壊されたFUT8遺伝子を含むフコースノックアウト細胞であって、該FUT8遺伝子は、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のペアによって破壊され、該転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質が、SEQ ID No.6とSEQ ID No.8、SEQ ID No.11とSEQ ID No.14、SEQ ID No.17とSEQ ID No.20、SEQ ID No.23とSEQ ID No.26、SEQ ID No. 29とSEQ ID No.32、またはSEQ ID No.35とSEQ ID No.38のアミノ酸配列を含むDNA結合ドメインを有する、フコースノックアウト細胞。
  2. SEQ ID No.6が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.4に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  3. SEQ ID No.8が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.5に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  4. SEQ ID No.11が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.10に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  5. SEQ ID No.14が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.13に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  6. SEQ ID No.17が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.16に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  7. SEQ ID No.20が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.19に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  8. SEQ ID No.23が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.22に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  9. SEQ ID No.26が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.25に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  10. SEQ ID No.29が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.28に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  11. SEQ ID No.32が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.31に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  12. SEQ ID No.35が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.34に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  13. SEQ ID No.38が、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No.37に結合する、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  14. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞。
  15. 請求項1に記載のフコースノックアウト細胞を取得する方法であって、該方法が:
    a)SEQ ID No.7とSEQ ID No.9、SEQ ID No.12とSEQ ID No.15、SEQ ID No.18とSEQ ID No.21、SEQ ID No.24とSEQ ID No.27、SEQ ID No.30とSEQ ID No.33、およびSEQ ID No.36とSEQ ID No.39から成る群より選ばれるポリヌクレオチドシーケンスペアを含む、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物のペアを取得するステップ;および、
    b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ
    からなる方法。
  16. 非フコシル化タンパク質を取得する方法であって、該方法が:
    a)SEQ ID No.7とSEQ ID No.9、SEQ ID No.12とSEQ ID No.15、SEQ ID No.18とSEQ ID No.21、SEQ ID No.24とSEQ ID No.27、SEQ ID No.30とSEQ ID No.33、およびSEQ ID No.36とSEQ ID No.39から成る群より選ばれるポリヌクレオチドシーケンスペアを含む、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物のペアを取得するステップ;
    b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、請求項1に記載のフコースノックアウト細胞取得するステップ;および、
    c)ステップb)の細胞により発現された非フコシル化タンパク質を取得するステップ
    からなる方法。
  17. 非フコシル化タンパク質が、非フコシル化抗体である、請求項16に記載の方法。
  18. 非フコシル化抗体が、非フコシル化モノクローナル抗体である、請求項17に記載の方法。
  19. 細胞が哺乳類細胞である、請求項15または16に記載の方法。
  20. 細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である、請求項19に記載の方法。
  21. 細胞が内在性の非フコシル化タンパク質を産生する、請求項16に記載の方法。
  22. さらに、タンパク質をコードする遺伝子を細胞に導入し、非フコシル化タンパク質を取得するステップを含む、請求項16に記載の方法。
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