JP6796249B2 - 蓄熱体及び蓄熱槽 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱体及びその製造方法、並びに蓄熱槽に関する。
蓄熱体としては、例えば、中実体のものがある(特許文献1〜7)。この蓄熱体は、リジェネレイティブ蓄熱式バーナー用蓄熱材として利用されている。
図19に示すように、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーは、通常、蓄熱体91を充填した蓄熱槽90をバーナー94と一体化した燃焼装置92、93を、数十秒間隔で交互に燃焼させる。一方の燃焼装置92のバーナー94が燃焼しているときは、一方の燃焼装置92の排気を他方の燃焼装置93の蓄熱体91に通過させ、蓄熱体91を加熱することで、排気のもつエネルギーを回収する。次に、他方の燃焼装置93のバーナー94が燃焼するときには、燃焼用空気を先ほど加熱した蓄熱体91を通過させることで予熱し、従来であれば捨てていた排気のエネルギーを回収する。このように2つのバーナーを短い間隔で交互に燃焼させることで、バーナーを高い熱効率で燃焼させることができ、燃料消費量を低減することができる(非特許文献1)。
特開平7−190658号公報 特開2001−138417号公報 特開2001−165413号公報 特開2011−38751号公報 特開2012−111825号公報 特開2012−229159号公報 特許第5292690号
大阪ガスホームページ
中実体の蓄熱体は、30秒間程度の比較的短い切替時間では中実体内部まで熱が伝わらず、表層のみで蓄熱及び放熱をしている。中実体の内部は、蓄熱体として有効に活用されていない。この解決策として球径の小さいセラミック球やハニカム構造体も考えられるが、流路が狭くなり、圧力損失の増加や装置のメンテナンスの困難さなどの課題がある。
近年、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーの熱効率を更に高めたいという要望がある。本願発明者は、蓄熱体を他の用途に使用することも視野に入れて、蓄熱体が幅広く使用されるように種々の検討を行った。検討を行う中で、発明者は、蓄熱体の蓄熱性を高めつつ、圧力損失を低くして通気性を高めることを主要な課題とした。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、蓄熱性が高く且つ圧力損失の低い蓄熱体及びその製造方法、並びに蓄熱槽を提供することを課題とする。
本願発明者は、中実体の蓄熱体について昇温挙動を調べたところ、中実体の外表面では昇温速度が速いが、中実体の内部では昇温速度が低く内部の蓄熱への寄与度が低いことが知見された。そこで、本発明者は、中実体の内部をくりぬいて中空体とし、更に、中空体を構成する外殻には、複数の開口孔を開けて、開口孔を通じて中空部に流体を自在に流通させて、圧力損失を低くすることに想到した。
本発明の蓄熱体は、セラミックからなる外殻と、前記外殻の内部に形成された中空部とを有する蓄熱体であって、前記外殻には、前記蓄熱体の外部と前記中空部との間を流体が流通可能な複数の開口孔が開口していることを特徴とする。
上記構成によれば、蓄熱体は、外殻の内部に中空部を有している。外殻は、流体が流通可能な複数の開口孔を有している。蓄熱体に高温の流体を通過させると、蓄熱体の外殻に蓄熱される。また、外殻は内部に中空部をもつため、中実体に比べて、表面積が大きい。高温の流体は、開口孔を通じて中空部に入り、更に開口孔を通って外部に抜け出る。このため、外殻は、外部に面している外表面と、中空部に面している内表面とで高温流体に接触して、素早く温度上昇する。また、蓄熱体は、開口孔を通じて中空部に高温流体が自在に流通するため、蓄熱体を通過する際の圧力損失が少ない。従って、本発明の蓄熱体は、蓄熱性が高く且つ圧力損失が低い。
蓄熱体は複数を蓄熱槽に充填して用いられることが多い。この場合、蓄熱体の開口孔の大きさを変化させることで、蓄熱槽内の流体の流れを制御することができる。
蓄熱体は、多孔中空体であるため、中実体に比べて軽量である。蓄熱槽を軽量化することができる。
蓄熱体の外殻の大きさは、20〜100mmであることが好ましい。外殻の厚みは3〜7mmであることが好ましい。外殻の大きさを1としたときに、開口孔の大きさは比率0.1〜0.21であることが好ましい。この場合には、蓄熱体の圧力損失が低く、且つ、蓄熱性能も高くなる。
複数の開口孔は、外殻に均等に配置されていることが好ましい。蓄熱体は、流体を多方向に均等に通過させることができる。多方向に流れる流体の通気性に優れる。
前記開口孔は、前記外殻の内部に正八面体を内接させた接点に配置されていることが好ましい。この場合には、蓄熱体を充填した蓄熱槽の中で、隣合う蓄熱体同士の接点位置に開口孔が配置されにくく、開口孔が隣の蓄熱体に塞がれることを少なくすることができる。
本発明の蓄熱体の製造方法は、前記蓄熱体を成形するキャビティと、前記キャビティを囲み前記蓄熱体の外形に相応する賦形面と、前記キャビティに石膏を供給する注入口とをもつ石膏型と、前記賦形面から蓄熱体に突出するように前記石膏型に配置された中子ピンと、を準備する準備工程と、
セラミック原料を分散媒に分散させてなるスラリーを、前記注入口から前記キャビティに供給して、前記石膏型に前記スラリーの中の前記分散媒を吸収させて、前記スラリーの中の前記セラミック原料を前記賦形面に着肉させて成形体を得る成形工程と、
前記成形体を加熱して焼成させる焼成工程と、をもつ。
上記の製造方法によれば、石膏型の賦形面は、蓄熱体の外形に相応する形状である。石膏型のキャビティにスラリーを注入すると、石膏型の石膏の吸水性能によりスラリーから水が吸収される。キャビティを囲む賦形面に、スラリーの中のセラミック原料が着肉して、賦形面上に、セラミックからなる外殻が形成される。石膏の吸水力により、賦形面には、ほぼ均一厚みのセラミックス原料が着肉する。このため、本製造方法によれば、均一厚みの外殻を成形することができる。
本発明の蓄熱槽は、内部に形成された蓄熱空間と、前記蓄熱空間に流体を導出入する流通穴とをもつ容器、及び前記蓄熱空間に充填された複数の蓄熱体を有する蓄熱槽であって、
前記蓄熱体は、上記に記載の蓄熱体、又は上記に記載の製造方法により製造された蓄熱体からなる。
本発明の蓄熱槽の流通穴を通じて蓄熱空間に熱風を流通させると、蓄熱空間に充填された蓄熱体は、高温の流体により素早く加熱されて蓄熱する。また、蓄熱体は、開口孔を通じて中空部に高温流体を流通させるため、圧力損失も少ない。本発明の蓄熱槽は、蓄熱性能が高く、且つ圧力損失も少ない。
例えば、蓄熱槽は、蓄熱空間において流通穴に向けて高温流体を供給することで蓄熱される。蓄熱槽は、蓄熱後に、流通穴に向けて、蓄熱時に流通させた高温流体よりも低い温度の低温流体を蓄熱空間に供給すると放熱される。低温流体は、蓄熱された蓄熱体により熱を受けて昇温する。所定期間経過毎に、蓄熱空間に流通させる流体を低温流体から高温流体、高温流体から低温流体に切り換えて、高温流体の熱により低温流体を昇温させる。
本発明の蓄熱槽は、所定時間毎に高温流体と低温流体とが切り替わる熱交換器として用いることができる。更に、本発明の蓄熱槽は、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーの給排気経路に設けることで、バーナーの排気熱で燃焼用空気を素早く予備加熱することができる。
蓄熱槽において複数の前記蓄熱体が六方最密構造で充填されたときに形成される前記蓄熱体間の隙間の面積を1としたときに、前記蓄熱体の前記開口孔の開口面積は0.5以上2以下であることがよい。
流体は、蓄熱体の開口孔を通じて中空部に流通する。しかも、蓄熱体の間の隙間にも流体が流通する。蓄熱体の開口孔の開口面積が上記の範囲であることにより、蓄熱体の中空部と蓄熱体の間の隙間の双方に、流体を流通させることができる。このため、蓄熱空間全体に流体が流通して、圧力損失を効果的に低くすることができる。蓄熱体の開口孔の開口面積が過小の場合には、流体は主に蓄熱体の間の隙間を通過し、蓄熱体の中空部には殆ど流通しないおそれがある。蓄熱体の開口孔の開口面積が過大である場合には、流体は主に蓄熱体の中空部を流れ、蓄熱体の間の隙間には殆ど流れないおそれがある。
上記蓄熱槽は、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーに用いられることが好ましい。上記蓄熱槽をリジェネレイティブ蓄熱式バーナーの給排気経路に設けることで、バーナーの排気熱で燃焼用気体を予備加熱することができる。蓄熱槽の高い蓄熱性能と低い圧力損失により、熱効率よくバーナーを燃焼させることができる。蓄熱体は高比表面積を有し且つガス流入時の圧力損失が低い。蓄熱体を充填した蓄熱槽をリジェネレイティブ蓄熱式バーナーの蓄熱層内部に設置することで、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーは、短い切替時間で高温ガスの入出を繰り返したときに、高い熱交換効率を発揮することができる。
本発明は、上記構成を具備しているため、蓄熱性が高く且つ圧力損失の低い蓄熱体及びその製造方法、並びに蓄熱槽を提供することができる。
本発明の蓄熱体の斜視図である。 本発明の蓄熱体の断面図である。 六方最密構造に充填された球体と、六方最密構造に充填された球体の接点を示すための説明図である。 複数の蓄熱体が六方最密構造で集合したときに形成される蓄熱体間の隙間の説明図である。 アルミナ中実体を急速加熱したときのアルミナ中実体の昇温挙動を示す説明図である。 アルミナの熱拡散率と温度の関係を示す説明図である。 充填層の圧力損失を測定する装置の説明図である。 開口孔の直径及びガス流量を変えたときの充填層の圧力損失の測定結果を示す説明図である。 図9(a)は、開口孔の開口面積が空隙の面積よりも大きい場合の流体の流れを示す説明図であり、図9(b)は、開口孔の開口面積が空隙の面積よりも小さい場合の流体の流れを示す説明図である。 開口孔の開口面積が空隙の面積と同じ場合の流体の流れを示す説明図である。 ガス流量を一定とし開口孔の直径を変えたときの充填層の圧力損失の測定結果を示す説明図である。 石膏型を作製するための型枠の分解説明図である。 石膏型の斜視図である。 石膏型にアルミナスラリーを注入するときの石膏型の断面説明図である。 スラリー注入後の静置時の石膏型の断面説明図である。 成形された蓄熱体の写真である。 蓄熱体を鉛直方向に切断した半球の写真である。 蓄熱体の各部位の厚みの測定結果を示す説明図である。 リジェネレイティブ蓄熱式バーナーの説明図である。
本発明の蓄熱体及びその製造方法、並びに蓄熱槽について詳細に説明する。
(蓄熱体)
本発明の蓄熱体は、セラミックからなる外殻と、外殻の内部に形成された中空部とを有する。外殻を構成するセラミックは、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス、またはそれらの複合材からなることがよい。
外殻の形状は、球体がよいが、その他の形状であってもよい。外殻は、例えば、楕円体、四面体、五面体、六面体などの多面体であってもよい。
外殻の厚みは、蓄熱性能を発揮し得る程度の厚みであることがよく、例えば、3〜7mmであることがよく、更に4〜6mmであることが好ましい。外殻の厚みが過小の場合には、蓄熱体の蓄熱性能が低下するおそれがある。外殻の厚みが過大である場合には、急速温度上昇時に外殻で蓄熱に寄与しにくい部分が生じてしまい、急速な蓄熱・放熱を効果的に行うことができなくなるおそれがある。
外殻の大きさは、特に限定しないが、20〜100mmであることがよく、更に30〜80mmであることが好ましい。外殻の大きさは、外殻の大きさの平均値をいう。外殻が球体である場合には、外殻の大きさは外殻の直径に等しい。外殻の大きさが過大である場合には、中空部には多量の流体が流通し得るが、蓄熱体の間の隙間に流体が流れにくくなるおそれがあり、圧力損失が大きくなるおそれがある。外殻の大きさが過小の場合には、中空部を流通する流体が少なくなり、圧力損失が大きくなるおそれがある。
外殻には複数の開口孔が形成されている。開口孔は、流体が流通可能な大きさをもつことが必要である。開口孔の大きさは、外殻の大きさにもよるが、1mm以上であるとよい。開口孔の大きさが過小の場合には、開口孔から中空部に流体が流通しにくくなるおそれがある。開口孔の大きさの上限は、例えば、18mmである。ここで、開口孔の大きさは、開口孔の大きさの平均値をいう。開口孔が円形状である場合には、開口孔の大きさは開口孔の直径に等しい。
外殻の直径を1としたときに、開口孔の直径の比率0.1〜0.21であることがよく、更に0.1〜0.17であることが好ましい。開口孔の直径の比率の大きさがこの範囲内よりも過小になる場合には、流体が開口孔を通じて中空部に流通しにくくなり、蓄熱体の圧力損失が大きくなるおそれがある。開口孔の直径の比率の大きさがこの範囲内よりも過大になる場合には、開口孔を通じて中空部を流体が流通しやすくなり圧力損失は低くなる。一方で、蓄熱体は流体と熱交換しにくくなり、蓄熱体の蓄熱性能が低下するおそれがある。
外殻に形成されている開口孔の数は、少なくとも2つであるが、好ましくは、3以上であることがよく、4以上であることが好ましい。外殻に形成されている開口孔の数の上限は、外殻の大きさの制約などの理由により15であるとよい。
外殻の外表面の表面積を1としたときに、外殻に形成されている複数の開口孔の開口面積の合計の比率は、0.001以上0.3以下であることがよい。開口孔の開口面積の合計の比率が過小の場合には、中空部に流体が流入しにくくなり、熱交換率が低くなるおそれがある。開口孔の開口面積の合計の比率が過大である場合には、外殻の体積が相対的に減少して蓄熱体の蓄熱性能が低下するおそれがある。
開口孔は、外殻の内部に正八面体を内接させた接点に配置されていることが好ましい。図1は、蓄熱体1が中球体で、開口孔2が、外殻3の内部に正八面体を内接させた接点に配置された場合の蓄熱体の斜視図を示し、当該蓄熱体の断面図を図2に示した。蓄熱槽に蓄熱体を複数充填した場合には、最も密に充填した部分が流体の流速の律速になる。蓄熱体が球体の場合、球体を最も密に充填したときの構造は、六方最密構造をとる。図3の左上図は、球体の六方最密構造を示し、左下図は、六方最密構造を上下に離した状態を示し、右図は、六方最密構造をとったときの球体の接点位置を示す。
六方最密構造では、球体は、他の球との接点を多くもつ。球同士の接点に開口孔が存在すると、球の外表面に接する流体の量が少なくなってしまい、流体がほとんど流れない部分が生じてしまうと考えられる。流体が流れない部分が存在すると、蓄熱槽の有効表面積が減少することになり、蓄熱槽の蓄熱効率が低下することが懸念される。このようなことを防ぐために、開口孔2は、外殻3の内部に正八面体を内接させた接点に配置することがよい。この配置の場合には、最密部での蓄熱体1の接点位置に開口孔2が配置されにくくなり、開口孔2が隣の蓄熱体1によって塞がれることを少なくすることができる。また、1つの球状の蓄熱体で向かい合った開口孔同士が直線的につながるため、蓄熱体内部に入ってきた流体が直線的に抜け、その結果圧力損失が小さくなる。
(蓄熱体の製造方法)
本発明の蓄熱体の製造方法は、石膏型のキャビティにセラミックス原料を分散させたスラリーを注入することで蓄熱体を成形し焼成する方法である。スラリーは、セラミックス粉末を分散媒に分散させることで形成されている。セラミックス原料は、例えば、アルミナ粉末、シリカ粉末、炭化珪素などのセラミックス粉末、またはこれらの複合粉末が挙げられる。分散媒は、例えば、水、エタノール、アセトンがあげられる。
石膏型の賦形面は、蓄熱体の外形に相応した形状をもつ。石膏型には、中子ピンが、賦形面から突出するように配置されている。中子ピンは、蓄熱体の開口孔の形成位置に配置されている。石膏型は、吸水性能をもつ石膏で形成されている。石膏型のキャビティに注入口からスラリーを注入すると、スラリーはキャビティを囲む賦形面に触れて、賦形面から吸水される。賦形面にはセラミックス原料が着肉する。賦形面における中子ピンを配置した部分には開口孔が形成される。
スラリーを100質量%としたときにセラミックス原料の含有質量は、35〜55質量%であることが好ましい。賦形面に均一厚みにセラミックス原料を着肉させるためである。
分散媒に分散されるセラミックス原料の粒径は0.1μm以上20μm以下であることがよく、更に0.5μm以上 10μm以下であることが好ましい。セラミックス原料の粒径が過小の場合には、取扱いにくく、セラミックス原料の粒径が過大である場合には、セラミックス原料が重力の影響を受けやすくなり、型のキャビティ内でセラミックス原料が沈降して蓄熱体の厚みが鉛直方向下向きに厚くなり、厚みに勾配ができるおそれがある。
スラリーは、セラミックス原料を十分に分散させているとよい。着肉中にセラミックス原料の沈降が生じにくくなり、キャビティ内の賦形面に均一厚みで着肉することができる。更に、スラリーには、セラミックス原料を十分に分散させるための分散剤が添加されているとよい。分散剤は、一般的にはポリカルボン酸塩などを用いることができる。
上記の製造方法において、注入口からキャビティに供給されるスラリーの量は、キャビティの容積と同じか又はそれよりも多いことが好ましい。具体的には、キャビティの容積を1としたときに、注入口からキャビティに供給されるスラリーの量は1以上2以下であることがよい。この場合には、キャビティを囲む賦形面全体にセラミックス原料を着肉させるためである。
上記の製造方法において、注入口から前記キャビティに供給される前記スラリーの中のセラミックス原料の量は、前記蓄熱体を構成しているセラミックスの量にほぼ等しいかそれよりも若干多くすることが好ましい。具体的には、蓄熱体を構成しているセラミックスの量を1としたときに、注入口から前記キャビティに供給される前記スラリーの中のセラミックス原料の量は1以上1.5以下とすることが好ましい。この量のセラミックス原料を含むスラリーを石膏型のキャビティに流し込むことで、蓄熱体を構成しているセラミックスの量に等しいセラミックス原料が賦形面に蓄積する。余剰のスラリーを排泥することなく、蓄熱体を成形することができる。
キャビティにスラリーを注入した後は、石膏型を所定時間静置させて賦形面にセラミックス原料を着肉させるとよい。スラリーの分散媒を石膏に吸水させて賦形面にセラミックス原料を着肉させるためである。
セラミックス原料を着肉させる着肉時間は、30分以上12時間以下がよく、更に1時間以上6時間以下であることが好ましい。着肉時間が過少の場合には、賦形面へのセラミックス原料の着肉が不十分となるおそれがある。
賦形面にセラミックス原料を着肉させて成形体を得た後には、成形体の乾燥を行うとよい。乾燥は、60℃以上で30分間以上3時間以下行うとよい。乾燥は常温で行っても良い。
焼成工程では、成形体を加熱して焼成させる。焼成工程での加熱温度は、1200〜1800℃であることがよく、加熱時間は30分〜2時間であることが好ましい。焼成雰囲気は空気雰囲気であることがよい。
(蓄熱槽)
本発明の蓄熱槽は、内部に形成された蓄熱空間と、蓄熱空間に流体を導出入する流通穴とをもつ容器をもつ。容器内部の蓄熱空間には、本発明の蓄熱体が複数充填されている。流通穴を通じて蓄熱空間に流体を流通させると、流体は蓄熱空間に流通される。蓄熱空間には蓄熱体が充填されている。蓄熱体間の隙間と蓄熱体の中空部を流体は通過する。この間に、流体のもつ熱が、蓄熱空間に充填された蓄熱体に吸収されて蓄熱される。流体が高温である場合には、蓄熱体は高温の流体で暖められ昇温される。流体が低温である場合には、蓄熱体は冷却される。
上記のように蓄熱槽に蓄熱体を高密度に配置した時には、蓄熱体の配置が六方最密構造又はこれに近い構造をとる。図4には、この最密部での蓄熱体1の開口孔2と、蓄熱体1同士の間の隙間5を示した。図4において、開口孔2の開口面積は、右上がりハッチング部分で示される領域の面積をいい、隙間5の面積は右下がりハッチング部分で示される領域の面積をいう。
最密部で仮に、開口孔2の開口面積が空隙5の面積よりも大きい場合には、この最密部に流れてきた流体は主に開口面積の大きな開口孔2に流れ込み、面積の小さな空隙5に流れ込む流体の量は少なくなる。それとは逆に、空隙5の面積が開口孔2の開口面積よりも大きい場合には、流体は、主に面積の大きな空隙5に流れ込む。開口面積の小さな開口孔2に流れ込む流体の量は、空隙5に流れ込む気体の量よりも少なくなる。これらに対して、開口孔2の開口面積と空隙5の面積とがほぼ等しいとき、それぞれに流れ込む流体の量はおよそ等しくなると考えられる。この場合には、流体は外殻3の内部表面と外部表面にそれぞれ等しく接すると予想される。このため、流体が外殻3と接する有効表面積が大きくなると考えられる。流体が外殻3と接する有効表面積が大きくなれば、蓄熱体の圧力損失も大きくなる。
かかる観点から、蓄熱槽において複数の蓄熱体が六方最密構造で充填されたときに形成される蓄熱体間の隙間の面積を1としたときに、蓄熱体の開口孔の開口面積の比率は0.5以上2以下であることがよく、更に0.6以上1.7以下が好ましく、0.7以上1.5以下が最も好ましい。開口孔の開口面積の比率が過小の場合には、蓄熱体内部の中空部に流体が流通しにくく、圧力損失が高くなるおそれがある。開口孔の開口面積の比率が過大の場合には、蓄熱体間の隙間に流体が流通しにくく、圧力損失が高くなるおそれがある。
本発明の蓄熱槽は、蓄熱を必要とされるものに用いることができる。特に、急速な蓄熱と放熱が繰り返される熱交換器として用いることに適している。例えば、本発明の蓄熱槽は、リジェネレイティブ蓄熱式バーナー、蓄熱式ラジアントチューブバーナー、蓄熱式オープンフレームバーナーなどの蓄熱式熱交換器に用いることがよい。特に、リジェネレイティブ蓄熱式バーナーは、数十秒から数分で燃焼と排気とを切り替えるため、急速な蓄熱と放熱が繰り返される。本発明の蓄熱槽は、急速な蓄熱と放熱をすることができる。このため、本発明の蓄熱槽をリジェネレイティブ蓄熱式バーナー用熱交換器に用いることで、燃料消費量を抑え、バーナーを効率よく燃焼させることができる。
(アルミナ中実体の昇温挙動)
直径25mmのアルミナ中実体を準備した。アルミナ中実体に温度センサ(タカハシサーモセンサー社製、商品名K型シース熱電対)を設置した。温度センサの設置した部位は、アルミナ中実体の表面から深さ(d)1mm、3mm、7mm、12.5mmである。アルミナ中実体を900℃に設定した電気炉に導入することで急速に加熱した。加熱時のアルミナ中実体の各部位での温度を測定した。測定結果を図5に示した。
図5に示すように、深さ(d)1mmの部位のみが、急速に温度上昇した。深さ(d)3mm、7mm、12.5mmの部位での温度上昇は、いずれも緩やかであった。
(アルミナの熱拡散)
アルミナの熱拡散率を測定した。アルミナの熱拡散率は、以下の式(1)を用いて求めた。アルミナの熱拡散率は300℃、1080℃での実測値を測定した。また、アルミナの熱拡散率の計算値は、280〜1240℃の範囲で求めた。
A=k/(ρCp)・・・(1)
k:アルミナの熱伝導率、ρ;アルミナの密度、Cp:アルミナの比熱容量
アルミナの熱拡散率の計算値と実測値を図6に示した。図6に示すように、アルミナの熱拡散率は、1秒間当たり300℃程度であることがわかった。アルミナ中実体を加熱した場合、表面部が上昇し、その後に徐々に内部に熱が伝導する。図6に示す結果から、数秒間急速に加熱した場合には、表面部のみに熱が伝わり、内部まで熱が伝導しにくいことがわかった。
以上より、アルミナ中実体については、表面部のみが蓄熱に寄与し、内部は蓄熱に貢献しないことがわかった。
(多孔中空球の圧力損失の測定)
中空のアクリル製の多孔中空球を準備した。この多孔中空体は、直径30mmで、厚み2mmである。この多孔中空体に旋盤(日立工機株式会社B13SH、サカイマシンツール社 MD−1)で、開口孔を開けて、多孔中空球を得た。開口孔の位置を図1、図2に示した。開口孔は、6つであり、いずれの開口孔も、多孔中空体の内部に正八面体を内接させた接点に配置されている。開口孔の直径が3mm、5mm、6.5mm、8mmの多孔中空球を、順に試料1、試料2、試料3、試料4とした。各試料について、多孔中空体の大きさを1としたときの開口孔の直径の比率は、試料1から4の順に、0.1、0.17,0.21、0.27である。外殻の外表面の表面積を1としたときに、外殻に形成されている6つの開口孔の開口面積の合計の比率は、試料1〜4の順に、0.015,0.043、0.076、0.119である。この数値は、外殻の半径をRとし、開口孔の半径をrとしたとき、6πr/(4πR―6πr)の式で求めた値である。また、開口孔を形成していない中空の多孔中空体を試料5とした。各試料の寸法関係を表1に示した。
試料1〜5の各多孔中空体を充填した不規則充填層を作製し、それぞれ充填層の圧力損失を測定した。測定方法を図7に示した。図7に示すように、N源81からNガスを流し、流量計82でNガスの流量を測定しつつ、多孔中空体80を45個充填した充填層83にNガスを流通させた。充填層83の高さは52.2cm、カラム径は5.9cmである。Nガスの流量は、5L/min、10L/min、15L/min、20L/minとした。アンプ84において、充填層83に流入したガス圧と、充填層83から流出するガス圧の差とを測定し、これを圧力損失として、電気信号に変換した。レコーダー85にて、圧力損失の電気信号を記録した。各測定条件での圧力損失を図8に示した。
図8に示すように、充填物である多孔中空体の開口孔の直径を大きくしていくと、それに比例して充填層の圧力損失も大きくなり、多孔中空体の開口孔の直径が6.5mmのときに、充填層の圧力損失が極大になった。多孔中空体の開口孔の直径を大きくして、直径が8mmとなるとき、充填層の圧力損失は直径が6.5mmのときよりも減少した。
このように多孔中空球の開口孔の直径を変化させる中、開口孔の直径が6.5mmとなるときには、充填層の圧力損失の挙動が変化している。このことから、開口孔の直径が圧力損失に対して何らかの影響を与えていることがわかった。
圧力損失の測定実験で用いた充填層では、多孔中空体の配置が不規則充填構造である。不規則充填構造は、多孔中空球がランダムに充填された構造をいう。この不規則充填層内では、疎な充填構造を形成している部分と、密な充填構造を形成している部分とが混在している。この内、最も密な充填構造を形成している部分、つまり不規則充填層内の最密部の構造が、圧力損失と深い関係を持っていると考えられる。球体の充填率が最も高い積層構造は、図3に示す六方最密構造をとっている。
この不規則充填層内の最密部で、流速が律速になっており、充填層全体の流速を決定し、充填層全体の圧力損失を決定しているのではないかと考えられる。この不規則充填層の圧力損失を決定する要素として、その最密部での多孔中空球の開口孔の開口面積と、多孔中空球同士の間の隙間の面積の割合が挙げられる。図4には、最密部での、蓄熱体1としての多孔中空体の開口孔2と、多孔中空体同士の間の隙間5を示した。開口孔2の開口面積は、右上がりハッチング部分で示される領域の面積をいい、隙間5の面積は右下がりハッチング部分で示される領域の面積をいう。
図9(a)に示すように、最密部で仮に、開口孔2の面積が空隙5の面積よりも大きい場合には、この最密部に流れてきた気体は主に開口面積の大きな開口孔2に流れ込み、面積の小さな空隙5に流れ込む気体の量は少なくなる。それとは逆に、図9(b)に示すように、空隙5の面積が開口孔2の面積よりも大きい場合には、流れてきた気体は、主に面積の大きな空隙5に流れ込み、面積の小さな開口孔2に流れ込む気体の量は、空隙5に流れ込む気体の量よりも少なくなる。
これらに対して、図10に示すように、開口孔2の開口面積と空隙5の面積とがほぼ等しいとき、それぞれに流れ込む気体の量はおよそ等しくなると考えられる。この場合には、気体は多孔中空体の内部表面と外部表面にそれぞれ等しく接すると予想される。このため、気体が多孔中空体と接する有効表面積が大きくなると考えられる。気体が多孔中空体と接する有効表面積が大きくなれば、圧力損失も大きくなる。
次に、気体の流量を20L/minと一定にして、開口孔の直径と空隙の面積とを変化させた際の充填層の圧力損失を測定した。その結果を図11に示した。
図11に示すように、多孔中空球の開口孔の直径が大きくなり、開口孔の面積が大きくなるにつれて、圧力損失も増大した。開口孔の面積と空隙の面積が等しくなるような開口孔の直径は6.5mmあたりであり、このときに圧力損失も最大となった。
以上より、多孔中空球が充填物となっている不規則充填層の圧力損失は、その最密部での空隙の面積と開口径の面積の割合と深い関係をもっていると言える。また、開口孔の直径の大きさを制御することで、気体が接する多孔中空球の有効表面積を制御できると考えられる。
(実施例)
セラミック製の蓄熱体を鋳込み成形法で作製した。まず、石膏型を作製した。石膏型を作製するために、透明アクリル部材を組み合わせて型枠を作製した。図12に示すように、型枠は、直方体で内部が空洞の型枠71と、6つの円柱形状の中子72と、球体73とからなる。球体73は、蓄熱体の外形と同じ形状をなす。中子72の断面形状は、蓄熱体の開口孔と同じ形状である。型枠71には、球体73を入れる。型枠71の6つの各面には中心に孔74が開いている。この孔74には、中子72が挿入され、球体73に当接させる。
型枠71の内部に石膏のスラリーを流し入れ、鋳型を作製した。1回目は、石膏スラリーを型枠71のちょうど半分の高さになるように流し込み、それを減圧下で脱泡した後50℃で2日かけて固化した。その後、1回目に石膏スラリーを流し込んで作製した石膏型の上に2回目の石膏スラリーを流し込んだ。固化したときに半割の上下部分が癒着することを防ぐために、1回目に作製した石膏型の上をビニールテープで仕切りを作り、その上から2回目の石膏スラリーを流し込んだ。その後1回目と同様に固化させ、石膏の鋳型を作製した。なお、石膏スラリーは、米山薬品工業株式会社の焼石膏130gに対して水85gを配合、手で攪拌して得られたものを使用した。
石膏型を40℃で約48時間乾燥させた。得られた石膏型を図13に示した。石膏型は、上下一対の半割型61,62からなる。半割型61,62の中央には、蓄熱体の外形と同一形状の球面をもつキャビティ63が形成されている。球面の6カ所には小孔64が形成されている。
図14に示すように、半割型61,62の上面を除く、5面に形成された小孔64には、開口孔を形成するための中子ピン65を挿入した。上側の半割型61の上面に形成された孔64には、開口孔形成と同時にスラリーを注入するための樹脂シートを丸めたストロー状のパイプ66を挿入した。
吸水に伴い、スラリー液面高さが変動するが、液面が安定するまで徐々にスラリー68を追加注入した。注入されるスラリーは、アルミナ粉を水に分散させたものである。アルミナ粉は、住友化学株式会社製で、直径0.5μm、比重3.95である。スラリーの全体を100質量%としたときに、アルミナ粉40質量%、水60質量%である。石膏型のキャビティの容積は14mlであるのに対して、注入されたスラリーは20mlである。
スラリー注入完了後、石膏型を1日間放置した。図15に示すように、スラリーの中のアルミナ粉が型面に着肉して成形体67が形成された。その後、石膏型から中子ピン65を抜き取り、成形体67を取り出した。成形体67を50℃で乾燥後、大気炉を使って最高1275℃まで昇温し、焼結させて、セラミック製の多孔中空体を得た。図16に、得られた蓄熱体の写真を示した。
蓄熱体の厚みを測定した。蓄熱体の厚みを測定するために、蓄熱体を、鉛直方向に割って半球を得た。図17は、この半球の写真を示す。図17に示すように、半球の上下方向での厚みの勾配はなく、どの部分も均一に見えた。
図17に示すように、得られた半球の周方向に12カ所番号を振り分けた。半球の周方向の厚みを、振り分けた番号を測定位置として12カ所測定した。半球の各箇所での厚みの測定は、デジタルノギス(AS ONE Corporation社E02-150 122-521)を用いた。半球の各箇所での厚みの測定結果を図18及び表2に示した。
図18及び表2に示すように、蓄熱体の厚みに大きく目立ったばらつきはなかった。蓄熱体の平均厚みは3.8mmであった。実験前では、石膏型にアルミナスラリーを流し込み、多孔中空セラミック球を成形する過程で、重力により鉛直方向下向きの方向に厚みが大きくなり、それに比べて、その逆の上向きの方向は厚みが小さくなる可能性があると懸念された。しかしながら、この予想に反してセラミック球の厚みは、鉛直方向で大きなばらつきは殆どなかった。
これは、石膏型内でセラミック球を成形していく過程で、実験で用いたアルミナスラリー内のアルミナ粒子は微細で、また互いに凝集することなく分散していたため、石膏型のキャビティではアルミナ粒子は重力による沈降よりも石膏型の吸引力の方が支配的になっていることが主な原因であると考えられる。
1:蓄熱体、2:開口孔、3:外殻、4:中空部、5:空隙

Claims (7)

  1. セラミックからなる外殻と、前記外殻の内部に形成された中空部とを有する球体状の蓄熱体(但し、中空部に殻体と独立して動きうる芯体を収容してなる場合を除く)であって、
    前記外殻が、直径が20mm以上100mm以下の球体で、3mm以上7mm以下の均一な厚みを有し、且つ、前記外殻には、前記蓄熱体の外部と前記中空部との間を流体が流通可能な6つの円形の開口孔が開口しており、該開口孔は、前記外殻の球体内部に正八面体を内接させたと仮定した場合に接点となる6箇所に均等に配置されており、
    前記外殻の直径を1としたときに、前記開口孔の直径の比率が0.1〜0.21であることを特徴とする蓄熱体。
  2. 前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、窒化硅素、炭化ケイ素及びそれらの複合材からなる群から選ばれる少なくともいずれかである請求項1に記載の蓄熱体。
  3. 前記外殻の直径を1としたときに、前記開口孔の直径の比率は0.1〜0.17である請求項1又は2に記載の蓄熱体。
  4. 前記外殻の外表面の表面積を1としたときに、外殻に形成されている複数の開口孔の開口面積の合計の比率は、0.015以上0.076以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄熱体。
  5. 内部に形成された蓄熱空間と、前記蓄熱空間に流体を導出入する流通穴とをもつ容器、及び前記蓄熱空間に充填された複数の蓄熱体を有する蓄熱槽であって、
    前記蓄熱体は、請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄熱体であることを特徴とする蓄熱槽。
  6. 前記容器内に複数の前記球体状の蓄熱体が六方最密構造で充填されてなり、形成される前記蓄熱体間の隙間の面積を1としたときに、前記蓄熱体の1つの記開口孔の開口面積の比率が0.5以上2以下である請求項に記載の蓄熱槽。
  7. リジェネレイティブ蓄熱式バーナーに用いられる請求項又はに記載の蓄熱槽。
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