JP6795727B1 - 膝補助装具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、当該装置を使用者の体に装着するための固定具と、使用者の左右の大腿部に夫々装着される補助器具と、補助器具の一端に固定されているギアと、左右の補助器具にギアを介してモータの動力を伝達するチェーン3とを備える歩行補助装置が開示されている。
特許文献2には、使用者が脚に装着する膝補助装具のエアシリンダによって起立・着座時の脚の動作を補助する脚補助装置が開示されている。
特許文献3には、着座部材を使用者が跨ぐ形態で利用する歩行補助装置が開示されている。この歩行補助装置は、駆動源にて第2関節部分を回動駆動させ、脚リンクを伸び方向、すなわち、着座部材を押し上げる方向に駆動し、使用者の体重の一部を支持する支持力を発生する制御を行っている。
特許文献4には、使用者の両足平の荷重割合によって算出したアシスト力に応じて駆動源を駆動し、歩行をアシストする技術が開示されている。介護福祉支援、家庭での筋力弱体者の自立運動の支援、並びに工場ラインでの重量物運搬支援及び長時間の立ち仕事の支援等に用いられるアシスト装置である。
特許文献5には、大腿部着装部材と、下腿部着装部材と、両者の基端とを回動自在に軸着する枢軸ピンと、枢軸ピンに軸支されたトルク調節ギアと、内端を枢軸ピンに固定し、外端をトルク調節ギア板面に掛止した渦巻バネと、トルク調節摘を備えそれを回転してトルク調節ギアを回転駆動するトルク調節ギア駆動機構と、枢軸ピンの先端に設けた非円柱形状のストッパ凸部及び下腿部着装部材下面のストッパ凸部と嵌合可能な枢軸ピンストッパ凹部とを備える立ち上がり補助具が開示されている。
特許文献6には、リハビリ療法を受けている関節の全動作範囲において、相対的に一定のトルクを加えることができる動作範囲副子を開示している。副子は、それぞれ関節の第1及び第2の側の患者の身体部分に接続するよう構成された、第1及び第2の固定器部と、駆動アセンブリを包含する。第1及び第2の固定器部は、第1及び第2の腕をそれぞれ包含し、回転軸構造により副子の旋回軸回りに旋回自在に連結されている。駆動アセンブリは、従動プーリ、駆動プーリ、バイアス部材、及び連結部を包含する。従動プーリは、副子旋回軸回りに第2の腕に取り付けられる。駆動プーリは、駆動軸回りに、副子旋回軸より間隔を置いて第1の腕に取り付けられる。バイアス部材は、第1の腕と駆動プーリとに連結され駆動プーリにトルクを加える。連結部は、駆動プーリを従動プーリに連結し、第1の固定器部と及び第2の固定器部との間にトルクを加える。バイアス部材は渦巻きバネを包含する。バネは、駆動軸回りに配置され、第1の腕に取り付けられた第1の端及び駆動プーリに取り付けられた第2の端を有する。駆動プーリと従動プーリとはベルトにより連結される。
特許文献7には、腓腹用副子と足支持部とが、継手を介して踝(くるぶし)の高さで結合されており、継手の回転軸が足の側面に対してほぼ直角であり、継手がばねを有しており、該ばねのばね力がつま先の上向き運動の方向に作用する足を支持するための装具が開示されている。
特許文献8には、一の装着具と別の装着具にトーションバネおよびコイルバネを取り付けた歩行補助装具を腰と大腿部の屈折部に装着することにより、バネの特性(元に戻る力)を利用して足を上げようとする僅かな力で足を上げることが出来るようにした発明が開示されている。ただし、技術的な内容は記載されていない。
なお、切り欠きのスペースは、ドーナツ状の円盤の中心から10度から30度の間の任意の角度に設けられるように構成されると好適である。
図3は、本発明に係るケーシング3の内部構造を示す分解斜視図である。
図1、2、3に示すとおり、本発明に係る膝補助装具100の外側の部材は、大別すると、使用者の大腿部に沿わせて装着せしめ、使用者の大腿部と一体に運動する大腿部着装部材1と、使用者の下腿部に沿わせて装着せしめ、使用者の下腿部と一体に運動する下腿部着装部材2と、使用者の膝横付近に設けられ、下腿部着装部材2の上部と一体化したケーシング3とから構成される。
ケーシング3は、ケース本体30と、軸台座33に固定された枢軸ピン32とからなる。また、ケース本体30の一部には、後述する渦巻ばね5の固定端51を収容する渦巻ばね固定端収容部31を備える。
ケーシング3内には、ドーナツ状の円盤のベース4がケーシング3の枢軸ピン32に回動可能に軸装され、大腿部着装部材1の下部と一体化される。また、ベース本体40の外径側の一箇所に切り欠き41を形成する。
さらに、ケーシング3内には、ベース4の外周に渦巻ばね5が2本配設される。そして、渦巻ばね5は、ばね本体50と、その一端がケーシング3の渦巻ばね固定端の収容部31に固定された固定端51と、他端は渦巻きばねの巻きの内側において鈎部のついた自由端52とを備える。ベース4は大腿部着装部材1を介して使用者の膝の屈伸角度に応じてケーシング3内で回動する。したがって、ベース4の切り欠き41において、ベース4の回動により、該回動によりトルクを受ける側、すなわちトルク受け部42に渦巻ばね5の自由端52の鈎部が掛合すると、回動角度に応じたトルクを渦巻ばね5から受け取ることになる。なお、切り欠き41の内径から外径に至るスペースがあそび幅となることは理解できるであろう。
なお、切り欠き41のスペースは、ドーナツ状の円盤の中心から10度から30度の間の任意の角度に設けられるように構成される。
上フレーム11や下フレーム21は、軽量な金属、例えばアルミニウム合金やチタニウム合金で作られるとよい。また、繊維強化プラスチックなどを使用してもよいが、この場合、不飽和ポリエステル樹脂を常温・常圧でも硬化するものを使用するとよい。
ケーシング3内には、ケース本体30と、枢軸ピン32と、枢軸ピン32を固定した軸台座33と、ベース4と、2本の渦巻ばね5とからなる。また、ケース本体30の一部には、後述する渦巻ばね5の固定端51を収容する渦巻ばね固定端収容部31を備える。
枢軸ピン32は、下フレーム21の上端に備えられる軸台座33に固定される。ベース4は、枢軸ピン32を支承する支承孔を備えたドーナツ状の円盤となっている。ベース4はケーシング3の枢軸ピン32に回動可能に軸装され、大腿部着装部材1の下部と一体化される。また、ベース本体40の外径側の一箇所に切り欠き41を形成する。なお、枢軸ピン32は、回転軸に鍛造材、圧延材を用いてもよいが、MCナイロン等樹脂系素材を使用して、軸周にアルミ合金等を配置してもよい。また、ベース4や軸台座32はプラスチックや軽金属の剛性薄板を用いてもよいが、MCナイロンを選択することが好ましい。
ケーシング3内には、ベース4の外周に渦巻ばね5が2本配設され、それぞれの一端がケーシング3の渦巻ばね固定端の収容部31に固定された固定端51で、他端は渦巻きばねの巻きの内側において鈎部のついた自由端52となって、大腿部着装部材1を介して使用者の膝の屈伸角度に応じてケーシング3内で回動する。
図4に示すとおり、渦巻ばね5は、数回渦巻き状に曲回された状態でベース4の外周に載置され、固定端51はケーシング3の渦巻ばね固定端の収容部31に固定され、渦巻きばねの巻きの内側において鈎部のついた自由端52は、ベース4の切り欠き41の内側に挿入された状態でセットされる。
図4(a)は、膝補助装具100の無動作状態であるが、このとき自由端52はベース4の回動によるトルクを受けることはないため、切り欠き41の内径から外径に至るスペースにおいて、名のとおり自由端である。したがって、トルク受け部42に圧力をかけることはない。
そして、使用者の膝曲げが始まり、膝曲げ角度90度となった状態が図4(b)である。ベース4は大腿部着装部材1を介して使用者の膝の屈伸角度に応じてケーシング3内で回動する。すなわち、ベース4の切り欠き41において、ベース4の回動によりトルクを受ける側、すなわちトルク受け部42に渦巻ばね5の自由端52の鈎部が掛合して、回動角度に応じたトルクを渦巻ばね5から受け取り、図4(b)の状態になる。
なお、切り欠き41のスペースは、ドーナツ状の円盤の中心から10度から30度の間の任意の角度に設けられるように構成される。このような角度を設けることにより、一定の遊びが生じ、初動の膝の突っ張りや逆方向への回動を防止することができる。
実測場所:兵庫県神戸市兵庫区東出町2丁目2番26号 株式会社ミツワエンジニアリング本社工場内
実測日:ばね2個挿入ユニットについて、2019年12月4日
ばね1個挿入ユニットについて、2019年12月4日
表1に示すとおり、ばね2個の場合の実測トルクは、ばねねじれ角度が15度で1.1N−m、30度で3.6N−m、60度で9.0N−m、90度で16.6N−mとなった。ばね1個の場合の実測トルクは、ばねねじれ角度が15度で0.54N−m、30度で1.8N−m、60度で4.5N−m、90度で7.9N−mとなった。
なお、ばね1個挿入ユニットにおいて、ばねねじれ角度が120度のとき、ばねが軸方向に逃げたことが確認されている。
以上の結果から、渦巻ばねは1個挿入よりも2個挿入した方が好適であると考えられる。
実測場所:兵庫県神戸市兵庫区東出町2丁目2番26号 株式会社ミツワエンジニアリング本社工場内
試験日:2020年1月17日
表2に示すとおり、装着性(装着のし易さ、重さ)については全員が◎であった。器具装着による歩行性については、男性全員が◎、女性が〇で、階段の上がり下りについては、男性全員が〇、女性が△であった。器具装着によるサポート感については、スクワット10回する場合、試着者半数が◎、残りの半数が〇であるが、荷物をもってスクワット10回をする場合の器具装着によるサポート感は、全員が◎であった。意見や感想としても、しゃがんだ姿勢から立ち上がるときに、器具装着の効果を大きく感じるとする意見が多数であった。
1 大腿部着装部材
11 上フレーム
12 大腿部ベルト
2 下腿部着装部材
21 下フレーム
22 下腿部ベルト
3 ケーシング
30 ケース本体
31 渦巻ばね固定端の収容部
32 枢軸ピン
33 軸台座
4 ベース
40 ベース本体
41 切り欠き
42 トルク受け部
5 渦巻ばね
50 ばね本体
51 固定端
52 自由端
Claims (1)
- 使用者の膝の屈伸角度に応じて渦巻ばねの弾性力によりトルクを発生させ、該使用者の膝屈伸を補助することを特徴とする膝補助装具であって、
前記使用者の大腿部に沿わせて装着せしめ、前記使用者の大腿部と一体に運動する大腿部着装部材と、
前記使用者の下腿部に沿わせて装着せしめ、前記使用者の下腿部と一体に運動する下腿部着装部材と、
前記使用者の膝横付近に設けられ、前記下腿部着装部材の上部と一体化したケーシングと、
前記ケーシングの中心軸に回動可能に軸装され、前記大腿部着装部材の下部と一体化され、前記大腿部着装部材を介して前記使用者の膝の屈伸角度に応じて前記ケーシング内で回動するベースであって、該ベースはドーナツ状の円盤であって、前記ドーナツ状の円盤の中心から10度から30度の間の任意の角度に設けられて外径側と内径側との間に切り欠きを形成するベースと、
前記ケーシングの中に内装された渦巻ばねであって、その中心側の一端は鉤部を有する自由端で、その他端は、前記ケーシングが前記下腿部着装部材に固定する側に固定される固定端を備える渦巻ばねと、を備え、
前記大腿部着装部材が、前記使用者の大腿部の側面に添えられ上フレームと、前記大腿部に装着する大腿部ベルトを備えたものであり、
前記下腿部着装部材が、前記使用者の下腿部の側面に添えられる下フレームと、前記下腿部に装着する下腿部ベルトを備えたものであり、
前記下フレームは上端に前記中心軸である枢軸ピンと該枢軸ピンを保持する軸台座とを備え、
前記上フレームは下端に前記ベースを備え、前記ベースの前記ドーナツ状の円盤の穴部分が前記枢軸ピンを回動自在に支承する軸受部となり、
前記ケーシングは、前記枢軸ピンと前記軸台座と、前記枢軸ピンを前記穴に軸支した前記ベースとを内装し、前記軸受部を覆って前記枢軸ピンの上部を固定する筒状外装部を備え、
前記ベースの前記切り欠きにおいて、前記ベースの回動により、該回動によりトルクを受ける側に前記渦巻ばねの前記鈎部が掛合すると、回動角度に応じたトルクを前記渦巻ばねから受け取ることになり、前記切り欠きの内径から外径に至るスペースがあそび幅となり、
前記上フレーム、前記下フレーム、前記ベース及び前記軸台座は、軽金属又は繊維強化プラスチックを素材とすることを特徴とする膝補助装具。
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