JP6795204B2 - 高分子吸収体の回収方法及び回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済み紙おむつ等の使用済み衛生用品の処理後の排液に含まれる高分子吸収体を排液中から回収する高分子吸収体の回収方法及び回収装置に関する。
病院、施設、家庭等で使用された使用済み紙おむつを処理する使用済み紙おむつの処理方法が特許文献1、2で提案されている。同文献において使用済み紙おむつを処理するには、使用済み紙おむつを処理液を用いて紙おむつを構成する素材としてパルプ、高分子吸収体、ビニール、その他(ゴム等)に分離し、それぞれの素材を回収したり、焼却処分したりしている。使用済み紙おむつを処理液によって素材ごとに分離した後の排液は、水処理されて下水道に放流している。また、回収した素材には、焼却されることなく再利用されるものもある。
特許第3597492号 特許第3569260号
ところが、使用済み紙おむつを処理した後の排液は、水素イオン濃度が強アルカリ性の液体であったり、高分子吸収体が水分を含んだままの状態で含まれていたりする。このような排液は下水道放流基準をオーバーしており、下水道に放流すると下水処理場の機能に障害を及ぼし、また、下水管の内壁に高分子吸収体が付着したりする。このため、下水管に穴があいたり、下水管が詰まったりするおそれがある。
そこで、本発明は、使用済み紙おむつを処理した後の排液に含まれる高分子吸収体を排液中から回収することができる高分子吸収体の回収方法及び回収装置の提供を目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の強アルカリ性排液に含まれる高分子吸収体を前記強アルカリ性排液中から回収する回収方法であって、前記強アルカリ性排液に所定量の中和剤を添加して水素イオン指数を中性の値とし高分子吸収体を析出する中和剤添加工程と、水素イオン指数を中性の値とした前記強アルカリ性排液を撹拌した後に該強アルカリ性排液に凝集剤を添加して少なくとも高分子吸収体を凝集させる凝集剤添加工程と、前記中和剤添加工程で中和され前記凝集剤添加工程で少なくとも前記高分子吸収体が凝集された強アルカリ性排液を撹拌した後に前記強アルカリ性排液を濾過して固形物と液体とを分離する濾過工程と、からなり、前記凝集剤は、無機凝集剤と、高分子凝集剤とであり、前記無機凝集剤を前記強アルカリ性排液に添加し、撹拌した後に前記高分子凝集剤を添加することを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記中和剤添加工程で前記排液に添加する中和剤は、濃度20%〜75%の硫酸であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記排液の水素イオン指数を5以上8以下とした後に、前記凝集剤添加工程で前記凝集剤を前記排液に添加することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の強アルカリ性排液に含まれる高分子吸収体を前記強アルカリ性排液中から回収する高分子吸収体の回収装置であって、中和剤と凝集剤が貯留される薬剤貯留部と、前記強アルカリ性排液に前記薬剤貯留部から前記中和剤が添加され前記凝集剤が添加され少なくとも前記高分子吸収体が凝集されて前記強アルカリ性排液が処理される処理部と、前記処理部で前記高分子吸収体が凝集された前記強アルカリ性排液を濾過して固形物と液体とを分離して前記高分子吸収体を回収する濾過回収部と、からなり、前記処理部は、前記強アルカリ性排液に所定量の中和剤を添加して水素イオン指数を中性値とする中和剤添加槽と、前記水素イオン指数を中性値とした前記強アルカリ性排液に前記無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加槽と、前記無機凝集剤添加槽で前記無機凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液に高分子凝集剤を添加して少なくとも前記高分子吸収体を凝集させる高分子凝集剤添加槽と、前記中和剤添加槽、前記無機凝集剤添加槽、前記高分子凝集剤添加槽にそれぞれ設けられて前記中和剤が添加された前記強アルカリ性排液、前記無機凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液、前記高分子凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液を撹拌する撹拌機と、からなることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記濾過回収部は、前記中和剤が添加され前記無機凝集剤が添加され前記高分子凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液を濾過して前記固形物と前記液体とを分離する濾過器と、前記濾過器で分離された前記液体を貯留する液体貯留槽と、前記濾過器で分離されて濾布に捕捉された前記固形物が貯留される前記固形物貯留槽と、からなることを特徴とする。
本発明によれば、中和剤添加工程で中和されて高分子吸収体が析出し、凝集剤添加工程で少なくとも高分子吸収体が凝集された排液を濾過工程で固形物と液体とを分離することにより、使用済み紙おむつを処理した後の排液に含まれる高分子吸収体を排液中から回収することができる。これにより、分離した液体を下水道に放流しても、下水管が詰まることがない。
図1は、本発明の実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法の手順を示すブロック図。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る高分子吸収体の回収装置を示す概略構成図。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る高分子吸収体の回収装置に用いられる濾過器の一部を示す拡大説明図。 図4は、排液中から凝集物を回収(除去)した液体(濾過液)の液性状を示す表図。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る高分子吸収体の回収装置を示す概略構成図。
以下、本発明の実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法及び回収装置について説明する。本実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法は、使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の排液に含まれる高分子吸収体を排液中から回収する回収方法である。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、第1の実施形態に係る高分子吸収体の回収方法は、排液に所定量の中和剤11を添加して水素イオン指数(pH)を中性の値とし高分子吸収体を析出する中和剤添加工程1と、水素イオン指数を中性の値とした排液を撹拌した後にこの排液に凝集剤を添加して少なくとも高分子吸収体を凝集させる凝集剤添加工程2と、中和剤添加工程1で中和され凝集剤添加工程2で少なくとも高分子吸収体が凝集された排液を撹拌した後にこの排液を濾過して固形物と液体とを分離する濾過工程3と、からなる。また、中和剤添加工程1、凝集剤添加工程2、では、中和剤を排液に混ぜるための撹拌5、凝集剤を排液に混ぜるための撹拌6、7が設けられている。
また、本実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法では、中和剤添加工程1で排液に添加する中和剤は、濃度20%〜75%の硫酸である。
また、本実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法では、排液の水素イオン指数を5以上8以下とした後に、凝集剤添加工程2で凝集剤を排液に添加する。
さらに、本実施の形態に係る高分子吸収体の回収方法では、凝集剤は、無機凝集剤(PAC原液)12と、高分子凝集剤13とであり、無機凝集剤(PAC原液)12を排液に添加し、撹拌した後に高分子凝集剤13を添加する。
次に、上記高分子吸収体の回収方法による高分子吸収体を回収する回収装置10について説明する。図2に示すように、本実施の形態に係る高分子吸収体の回収装置10は、中和剤11と無機凝集剤12、高分子凝集剤13が貯留される薬剤貯留部14と、排液に薬剤貯留部14から中和剤11が添加され凝集剤12、13が添加されて少なくとも高分子吸収体が凝集された排液4が処理される処理部15と、処理部15で高分子吸収体が凝集された排液4を濾過して固形物と液体とを分離して高分子吸収体を回収する濾過回収部16と、からなる。
薬剤貯留部14は、中和剤11が貯留される中和剤貯留槽17と、無機凝集剤12が貯留される無機凝集剤貯留槽18と、高分子凝集剤13が貯留される高分子凝集剤貯留槽19とからなる。使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の排液4は強アルカリであり水素イオン濃度はpH13となっている。この強アルカリの排液4に、中和剤11として20%〜75%の濃度の硫酸を添加することでpH7.3に中和する。排液4を中和することで、排液4に含まれる高分子吸収体が析出する。
無機凝集剤12は、PAC原液(ポリ塩化アルミニウム)であり、排液4中に含まれている微細な無機粒子を凝集し、フロックを形成させる。高分子凝集剤13は、カチオン系の凝集剤であり、排液4中に含まれている高分子を凝集しフロックを形成して凝集物(サップ)を形成させる。そして、中和剤貯留槽17、無機凝集剤貯留槽18、高分子凝集剤貯留槽19から、中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13が薬剤送液手段20によって処理部15に送られる。
処理部15は、使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の排液4が排出される処理槽21と、処理槽21内に設けられた撹拌機22とで形成されている。撹拌機22は、処理槽21内の排液4と中和剤貯留槽17から送られた中和剤11とを撹拌し、処理槽21内の排液4と中和剤11と無機凝集剤貯留槽18から送られた無機凝集剤12とを撹拌し、処理槽21内の排液4と中和剤11と無機凝集剤12と高分子凝集剤貯留槽19から送られた高分子凝集剤13とを撹拌する。
薬剤送液手段20は、中和剤貯留槽17と処理槽21とを連通する管路23と、無機凝集剤貯留槽18とを連通する管路24と、高分子凝集剤貯留槽19とを連通する管路25と、管路23、24、25の途中にそれぞれ設けられた薬注ポンプ26、27、28とで形成されている。そして、薬注ポンプ26、27、28によって、中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13が処理槽21内に送られる。また、処理槽21内には、管路29を通って使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の排液4が送られる。さらに、処理槽21内で、中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13が添加された排液4が、濾過回収部16に送液手段41によって送られる。
送液手段41は、処理槽21と液体貯留槽32とを連通する送液管路42と、この送液管路42の途中に設けられた送液ポンプ43とで形成されている。送液管路42の液体貯留槽32側の先端は、濾過回収部16の濾過器31の上部に位置している。そして、処理槽21内の排液4を送液ポンプ43により濾過器31上に送る。この場合、濾過器31上に送られる排液4の送り量は、濾過器31上の水位で制御されている。
濾過回収部16は、中和剤11が添加され、無機凝集剤12が添加され、高分子凝集剤13が添加された排液4を濾過して固形物と液体とを分離する濾過器31と、濾過器31で分離された液体を貯留する液体貯留槽32と、濾過器31で分離された固形物が貯留される固形物貯留槽33とから形成されている。
濾過器31は、図3に示すように、濾布34と、この濾布34を搬送する濾布搬送機構35と、スクレイパ36とで形成されている。濾布34は、メッシュ状の基布37と、この基布37に電着植毛された長さの異なる繊維群38とで構成されている。濾布34は、液体貯留槽32の上部に、固形物貯留槽33側に向けて登り傾斜した状態で配置され、濾布搬送機構35によって搬送される。濾布搬送機構35は、2つのローラ39、40と、これらのローラ39、40を回転駆動させる図示しない駆動部とで形成され、濾布34は、これらの2つのローラ39、40間に無端状態で巻き付けられている。
そして、ローラ39、40の回転によって濾布34の上面側が固形物貯留槽33側に向けて登り傾斜状態で搬送され、ローラ40によって反転されて、下面側となり、液体貯留槽32の底側に向けて下り傾斜状態で搬送される。濾布34の上面側に、送液手段41によって処理槽21から中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13が添加された排液4が放流される。
濾布34の上面側に放流された排液4は、液体がメッシュ状の基布37を通過して液体貯留槽32内に貯留され、固形物は、繊維群38に付着される。すなわち、無機凝集剤12、高分子凝集剤13によって凝集された固形物である浮遊物質44が繊維群38に付着する。繊維群38に付着した浮遊物質44は濾布34が搬送されてローラ40によって反転されると、固形物貯留槽33の上部であって液体貯留槽32側に設けられたスクレイパ36によって、繊維群38に付着している浮遊物質44が繊維群38から剥離され、固形物貯留槽33内に落下し集積される。固形物貯留槽33内に集積された不溶解性物質(SS)44は、無機凝集剤12によって凝集された凝集物と、高分子凝集剤13によって凝集された凝集物(サップ)からなる。
次に、上記回収装置10によって、使用済み紙おむつの処理後の排液4に含まれる高分子吸収体を排液4中から回収する手順について説明する。図2に示すように、管路29を通して処理槽21内に所定量の排液4を貯留した後に、薬注ポンプ26によって中和剤11を処理槽21内に添加し、撹拌機22によって撹拌する。中和剤11を添加することでpH13の強アルカリ性である排液4は、pH7.3の中性となる。次に、薬注ポンプ27によって無機凝集剤であるPAC原液を処理槽21内に添加し、撹拌機22によって撹拌する。PAC原液を処理槽21内に添加し、撹拌することよって排液4中の無機物が凝集される。このとき、排液4はpH値が若干下がる。さらに、薬注ポンプ28によって高分子凝集剤13を処理槽21内に添加し、撹拌機22によって撹拌する。
処理槽21内の所定量の排液4に、中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13を順に添加し、それぞれ撹拌することで、排液4中に浮遊物質44である凝集物(サップ 以下「凝集物44」という)が生成される。すなわち、排液4は、液体と、この液体中に固形物である凝集物44が混在した状態となる。このような状態の排液4を、送液ポンプ43によって、濾過器31の濾布34上に降り注ぐ。濾布34は、濾布搬送機構35によって搬送されている。
液体中に固形物である凝集物44が混在した排液4を濾布34上に降り注ぐと、液体は濾布34の編み目を通って液体貯留槽32内に貯留され、固形物である凝集物44は濾布34の編み目を通ることなく繊維群38に付着する。繊維群38に付着した凝集物44は、濾布34が固形物貯留槽33側へ搬送されてローラ40によって反転されると、スクレイパ36によって凝集物44が繊維群38から剥離され、固形物貯留槽33内に集積される。
これにより、使用済み紙おむつの処理後の排液4から凝集された凝集物44である高分子吸収体が固形物貯留槽33内に回収され、排液4から分離、除去される。この場合、固形物貯留槽33内の凝集物44は、高分子吸収体以外に、無機凝集剤12によって凝集された無機物の凝集物44も含まれている。
以上説明したように、本実施の形態の回収装置10によれば、中和剤11で中和することで高分子吸収体が析出され、高分子凝集剤13で少なくとも高分子吸収体が凝集された排液4を濾過器31で固形物と液体とが分離され、高分子吸収体が凝集物44として回収され、排液4から高分子吸収体を除去することができる。これにより、分離した液体を下水道に放流しても、下水管の内壁に高分子吸収体が付着することがないので、下水管が詰まることがない。
次に、上記回収装置10により排液4から高分子吸収体を回収し、除去した実施例について図4を用いて説明する。使用済み紙おむつを処理後の排液40Lから高分子吸収体を回収(除去)する。使用済み紙おむつを処理後の排液4の水素イオン濃度はpH13の強アルカリ性を有している。
使用済み紙おむつを処理する際に用いられる処理液は、水、次亜塩素酸等の殺菌剤、石灰、洗剤等からなる。そして、使用済み紙おむつを処理、分解すると、すなわち紙おむつを構成する素材としてパルプ、プラスチック、高分子吸収体、その他に分離される。さらに処理液によって高分子吸収体から内部に吸収されている糞尿が分離される。
使用済み紙おむつを処理した後のpH13の排液40Lに、中和剤として75%の硫酸185mLを添加し撹拌した。撹拌後の排液4はpH7.3であり、この排液4に無機凝集剤であるPAC原液30mLを添加し撹拌した。撹拌後の排液4はpH6.8であり、この排液4に高分子凝集剤500mLを添加し撹拌した。75%の硫酸、PAC原液、高分子凝集剤を添加した排液4は、液体中に凝集物が生成された状態となった。この排液4を濾過器31によって液体と固形物の分離し、固形物である凝集物を回収した。
固形物である凝集物を回収した排液4、すなわち排液4中から凝集物を除去した液体(濾過液)の液性状の結果を図4に示す。同図に示すように、排液4中の凝集物SS(2mm以下の不溶解性物質)の回収率は98.3%であり、BOD(生物化学的酸素要求量)の回収率(除去率)は40.0%、COD(化学的酸素要求量)の回収率(除去率)は40.9%、T−N(排液4中の窒素の量)は25.2%、T−P(排液4中のリンの量)は76.8%であった。
図4に示す排液4の液性状の結果から、排液4中の凝集物SS、すなわち高分子吸収体の凝集物は98%以上回収、つまり排液4中から除去されていることが判る。また、液質の汚濁度を示すBOD、CODも、下水道への放流が可能な値となっている。
〔第2の実施形態〕
次に図5に示す第2の実施形態について説明する。上記第1の実施の形態と同構成部分については、図面に同符号を付して説明を省略する。上記第1の実施の形態の回収装置10では、処理部15が一つの処理槽21を備え、この一つの処理槽21内に使用済み紙おむつを処理した後の排液4を所定量貯留し、この排液4に中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13をそれぞれ添加した。これに対して、第2の実施の形態の回収装置50では、処理部55が、中和剤添加槽56と、無機凝集剤添加槽57と、高分子凝集剤添加槽58とが隣接して設けられている。
また、中和剤添加槽56と無機凝集剤添加槽57とは送液手段60によって連通され、無機凝集剤添加槽57と高分子凝集剤添加槽58とは送液手段61によって連通されている。送液手段60は、管路62と、管路62の途中に設けられた送液ポンプ63とで形成され、送液手段61は、管路64と、管路64の途中に設けられた送液ポンプ65とで形成されている。高分子凝集剤添加槽58と濾過回収部16とは、第1の実施形態と同様の送液手段41によって連通されている。
また、第1の実施の形態と同様に中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13は薬剤貯留部14の中和剤貯留槽17、無機凝集剤貯留槽18、高分子凝集剤貯留槽19にそれぞれ貯留されている。さらに、中和剤11は、薬剤送液手段20の薬注ポンプ26により管路23を通って中和剤添加槽56内に添加される。無機凝集剤12は、薬剤送液手段20の薬注ポンプ27により管路24を通って無機凝集剤添加槽57内に添加され、高分子凝集剤13は、薬剤送液手段20の薬注ポンプ28により管路25を通って高分子凝集剤添加槽58内に添加される。
また、中和剤添加槽56、無機凝集剤添加槽57、高分子凝集剤添加槽58には、それぞれ撹拌機66、67、68が設けられている。さらに、中和剤添加槽56内には、第1の実施形態と同様に管路29を通って使用済み紙おむつを処理した後の排液4が送られる。
次に、上記回収装置50によって、使用済み紙おむつの処理後の排液4に含まれる高分子吸収体を排液4中から回収する手順について説明する。図5に示すように、管路29を通して中和剤添加槽56内に所定量の排液4を貯留した後に、薬注ポンプ26によって中和剤である濃度20%〜75%の硫酸を中和剤添加槽56内に添加し、撹拌機66によって撹拌する。中和剤11を添加することでpH13の強アルカリ性である排液4は、pH7.3の中性となる。これにより、排液4に含まれる高分子吸収体が析出される。
次に、送液手段60の送液ポンプ63により中和剤添加槽56内の中性となり高分子吸収体が析出された排液4を無機凝集剤添加槽57に送液する。無機凝集剤添加槽57に送られた排液4に、薬注ポンプ27により無機凝集剤12であるPAC原液を添加し、撹拌機67によって撹拌する。このとき、中和剤添加槽56内には、使用済み紙おむつを処理した後の所定量の排液4が管路29により送られ、薬注ポンプ26により中和剤11が添加され,撹拌機66により撹拌される。
無機凝集剤添加槽57で、無機凝集剤12が添加され、撹拌された排液4は、送液ポンプ65により高分子凝集剤添加槽58に送られる。高分子凝集剤添加槽58内に送られた排液4に、薬注ポンプ28により高分子凝集剤13が添加され、撹拌機68により撹拌される。このとき、中和剤添加槽56内で中和剤11が添加された排液4は、送液ポンプ63により無機凝集剤添加槽57に送られる。さらに、中和剤11が添加され、撹拌された排液4が無機凝集剤添加槽57に送られた中和剤添加槽56には、管路29を通って、使用済み紙おむつを処理した後の排液4が所定量送られる。
高分子凝集剤添加槽58内で高分子凝集剤13が添加され、撹拌された排液4は、高分子吸収体が凝集されて凝集物が生成され、液体と混在している。このような状態の排液4を送液ポンプ43により濾過器31の濾布34上に降り注ぐことにより、液体と固形物(凝集物)とに分離し、高分子吸収体を凝集物として排液4から回収され、排液4から除去される。
本実施の形態においても、中和剤11で中和され、凝集剤で少なくとも高分子吸収体が凝集された排液4を濾過器31で固形物と液体とが分離され、高分子吸収体が凝集物44として回収され、排液4から高分子吸収体を除去することができる。これにより、分離した液体を下水道に放流しても、下水管の内壁に高分子吸収体が付着しないので
下水管が詰まることがない。
また、本実施の形態では、3つの処理槽(中和剤添加槽56、無機凝集剤添加槽57、高分子凝集剤添加槽58)を用いて、それぞれ中和剤11、無機凝集剤12、高分子凝集剤13を排液4に添加し処理するので、短絡を防ぎ、回収率を高めることができる。
なお、上記第1、第2の実施の形態では、基布37上に繊維群38を植毛した濾布34からなる濾過器31を用いて、凝集した高分子を回収したが、凝集物が混在した排液4を液体と固形物である凝集物とに分離することができる濾過器であれば他のもの、例えば、メッシュ状の濾布からなるものでも良い。
また、上記第1、第2の実施の形態では、中和剤として濃度75%の硫酸を用いたが、他の中和剤でも良く、無機凝集剤としてPAC原液(ポリ塩化アルミニウム)を用いたが、他の無機凝集剤でも良い。また、濃度75%の硫酸に限らず、硫酸の濃度は20〜75%のものでも良い。また、硫酸以外の酸(塩酸等)も適用可能である。
上記第1、第2の実施の形態では、排液4がpH13程度の強アルカリ性であるため、pH13の状態では、無機凝集剤を添加しても排液4中の無機物が凝集することはない。このため、中和剤11を添加することにより、排液4のpH値を8以下にし、高分子吸収体を析出させて無機凝集剤を添加し排液4中の無機物を凝集させている。
上記第1、第2の実施の形態において、排液4中から回収(除去)した凝集物(不溶解性物質 SS)44は、乾燥させた後にバイオマス燃料の原料とすることができ、また、肥料とすることができる。凝集物を回収(除去)した液体は、ほぼ中性で高分子吸収体が除かれているので、水で希釈することで下水道に放流することができる。この場合でも、高分子凝集剤13で高分子吸収体が凝集されて排液4中から回収(除去)されているので、下水道管の内壁に高分子吸収体が付着することがなく、下水道管が詰まることがない。
さらに、下水道に放流される排液4の液体は、ほぼ中性なので、下水道管の内壁を侵すことがなく、下水道管を損傷させることがない。
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によって本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が請求項に含まれることが意図されている。
本発明に係る高分子吸収体の回収方法及び回収装置は、使用済み紙おむつを処理した後の排液中から高分子吸収体を回収する他に、高分子吸収体を用いた尿取りパッド等の使用済み衛生用品から高分子吸収体を回収する場合にも用いることができる。
1 中和剤添加工程
2 凝集剤添加工程
3 濾過工程
10、50 回収装置
11 中和剤
12 無機凝集剤
13 高分子凝集剤
14 薬剤貯留部
15 処理部
16 濾過回収部




Claims (5)

  1. 使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の強アルカリ性排液に含まれる高分子吸収体を前記強アルカリ性排液中から回収する回収方法であって、
    前記強アルカリ性排液に所定量の中和剤を添加して水素イオン指数を中性の値とし高分子吸収体を析出する中和剤添加工程と、
    水素イオン指数を中性の値とした前記強アルカリ性排液を撹拌した後に該強アルカリ性排液に凝集剤を添加して少なくとも高分子吸収体を凝集させる凝集剤添加工程と、
    前記中和剤添加工程で中和され前記凝集剤添加工程で少なくとも前記高分子吸収体が凝集された強アルカリ性排液を撹拌した後に前記強アルカリ性排液を濾過して固形物と液体とを分離する濾過工程と、からなり、
    前記凝集剤は、無機凝集剤と、高分子凝集剤とであり、前記無機凝集剤を前記強アルカリ性排液に添加し、撹拌した後に前記高分子凝集剤を添加することを特徴とする高分子吸収体の回収方法。
  2. 前記中和剤添加工程で前記強アルカリ性排液に添加する前記中和剤は、濃度20%〜75%の硫酸であることを特徴とする請求項1に記載の高分子吸収体の回収方法。
  3. 前記強アルカリ性排液の水素イオン指数を5以上8以下とした後に、前記凝集剤添加工程で前記凝集剤を前記強アルカリ性排液に添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高分子吸収体の回収方法。
  4. 使用済み紙おむつを処理液で分解処理した後の強アルカリ性排液に含まれる高分子吸収体を前記強アルカリ性排液中から回収する高分子吸収体の回収装置であって、
    中和剤と凝集剤が貯留される薬剤貯留部と、
    前記強アルカリ性排液に前記薬剤貯留部から前記中和剤が添加され前記凝集剤が添加され少なくとも前記高分子吸収体が凝集されて前記強アルカリ性排液が処理される処理部と、
    前記処理部で前記高分子吸収体が凝集された前記強アルカリ性排液を濾過して固形物と液体とを分離して前記高分子吸収体を回収する濾過回収部と、からなり、
    前記処理部は、
    前記強アルカリ性排液に所定量の中和剤を添加して水素イオン指数を中性値とする中和剤添加槽と、
    前記水素イオン指数を中性値とした前記強アルカリ性排液に前記無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加槽と、
    前記無機凝集剤添加槽で前記無機凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液に高分子凝集剤を添加して少なくとも前記高分子吸収体を凝集させる高分子凝集剤添加槽と、
    前記中和剤添加槽、前記無機凝集剤添加槽、前記高分子凝集剤添加槽にそれぞれ設けられて前記中和剤が添加された前記強アルカリ性排液、前記無機凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液、前記高分子凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液を撹拌する撹拌機と、
    からなることを特徴とする高分子吸収体の回収装置。
  5. 前記濾過回収部は、
    前記中和剤が添加され前記無機凝集剤が添加され前記高分子凝集剤が添加された前記強アルカリ性排液を濾過して前記固形物と前記液体とを分離する濾過器と、
    前記濾過器で分離された前記液体を貯留する液体貯留槽と、
    前記濾過器で分離されて濾布に捕捉された前記固形物が貯留される前記固形物貯留槽と、
    からなることを特徴とする請求項4に記載の高分子吸収体の回収装置。
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