まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパターン洋服について説明する。図1は、本実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、(a)は、その洋服本体と、洋服本体側の着脱手段を示す図、(b)は、洋服本体に着脱手段を用いて取替え部を留め付ける態様を示す図である。図1(a)(b)に示すように、本実施形態に係るパターン洋服10は、首回り11から腹部12に亘る開口部13を含む洋服本体10Aと、洋服本体10Aとは別体に形成され、開口部13の少なくとも主要部分を覆う大きさの取替え部10Bと、洋服本体10Aの開口部13の少なくとも主要部分を取替え部10Bが覆うように留め付ける着脱手段14とを有している。図1(a)は、取替え部10Bが無い状態であり、着脱手段14を面ファスナーとした場合、(b)は、取替え部10Bを付けた状態(取替え部10Bが1枚の場合)である。ここで、着脱手段14は、洋服本体10Aの開口部13の周縁部に取替え部10Bの裏面を留め付けるものであり、(面)ファスナー、ホック、ボタン、組み紐、マジックテープ(登録商標)、磁石、ミシン糸等からな
る着脱具から任意の1つ又は2つ以上の組み合わせを選択することができる。即ち、本実施形態では、面ファスナーを用いたが、例えば、幼児、高齢者の力では外れない程度の吸着力を持つ磁石(ソフトマグネット)等でも良いし、ボタンでも良い。尚、着脱手段14として磁石を用いる場合、例えば、磁石をテープ形状に構成して洋服本体の開口部の周縁部等や取替え部に配置する形態だけではなく、洋服本体の全部又は一部(前記開口部の周縁部のみ等)や取替え部の全部又は一部に、磁石を練りこむようにして、衣服(洋服)と磁石との融合を図るようにしても良い。具体的には、磁石又はその粉末を洋服本体や取替え部の全部又は一部の化学繊維に練り込むように構成することが考えられる。以上の構成は、着脱手段として磁石を用いる以下の全ての実施形態においても、同様に採用可能であることは言うまでもない。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、(a)は、その取替え部を複数枚(2枚)とした場合を側面側から見た図、(b)は、取替え部を紙製とし、複数枚(1枚目と2枚目)の繋ぎをミシン糸とした場合を示す図である。図2(a)(b)に示すように、本実施形態に係るパターン洋服20は、取替え部20Bが複数枚重ねて洋服本体20Aに留め付けられ、一枚ずつ取り外し可能に構成されている。着脱手段14を面ファスナーとしたのは、第1の実施形態と同様である。ここで、1枚目と2枚目の形状、寸法は任意に変更可能である。また、材質を紙として、使い捨てとして用いるようにしても良い。更に、図2(b)に示すように、1枚目、2枚目の繋ぎをミシン糸としており、1枚目が汚れたら、ミシン糸により外し破棄するようにしても良い。尚、図2(a)(b)では、取替え部20Bが2枚重ねて洋服本体20Aに留め付けられているが、3枚以上を重ねて洋服本体20Aに留め付けるようにしても良い。 一方、複数枚、例えば、3枚重ねてあることで、1日の中で気分次第でおしゃれも楽しめるため、本実施形態のパターン洋服は、幼児・要介護者・入院患者等だけでなく、これら以外の普通の人にも利用してもらいやすい。即ち、保育士・介護士・看護師(看護助手)等に食事等の世話を受ける幼児・要介護者・入院患者等に装着させて、彼らを世話する者の負担軽減のためだけでなく、自立生活が可能な普通の人が装着し、例えば、1日の中で気分次第で取替え部を交換することで、おしゃれを楽しむようにしても良い。この点は、取替え部を交換できるという点で、本発明の全ての実施形態においても同様である。即ち、本発明のパターン洋服は、その洋服を着る(装着する)幼児・要介護者・入院患者等自身のおしゃれ(可愛く見せる)や彼らを保育・介護・看護等する者の負担軽減だけでなく、自立生活が可能な普通の人が装着した上で、その取替え部を交換することで、おしゃれを楽しむことができるものである。 尚、本実施形態では取替え部を紙製としたが、ビニール製や布製等他の材質としても良い。ビニール製であれば、取替え部としての交換容易性に加えて、防水性も得ることができる。尚、複数枚の取替え部において、紙製・ビニール製・布製等、複数種類の材質を混在させても良い。例えば、取替え部20Bを紙を3枚重ねて用いる場合、3枚目になった時、汚れが下着や足元のズボンに染みる可能性もあるため、4枚目に撥水可能な布を用いると、汚れの防止になり易い。尚、4枚目を撥水可能な布にした場合、この4枚目を磁石により着脱可能としても良い。以下の全ての実施形態においても同様である。
図3は、本発明の第3の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、(a)は、その取替え部を折り畳んだ状態を示す図、(b)は、その取替え部を展開した状態を示す図である。図3(a)(b)に示すように、本実施形態に係るパターン洋服30は、その取替え部30Bが折りたたみできるのが特徴であり、その取替え部30Bの下側半分近くが上側(内側)に折り畳んだ状態に収納されている。図3(a)に示すような内側に折り畳んだ状態に維持するには、上述した任意の着脱具を用いれば良い。そして、その取替え部30Bの下側を上側(内側)に折り畳んだ状態を解除し、図3(b)に示すように、その取替え部30Bを展開した状態とすることができる。このような構成により、本実施形態に係るパターン洋服30では、まず、図3(a)に示すような内側に折り畳んだ状態に維持しつつ使用し、食事等で表側S1が汚れたら、図3(b)に示すように、その取替え部30Bを展開した状態にすることで、新たに表れる上部の表側S2を胸かけとして使用することができる。また、図3(b)に示すように、下側に新たに表れる下部の表側S3により膝下あたりまで覆うことができ、イスに座ってテーブル上の食事等をする場合でも、上部の表側S2と下部の表側S3が連続することにより、首の下から胸部を経て膝下までの全域を覆うことが可能となる。これにより幼児や痴呆症の老人等が食事等をする場合にも、本人の服や身体の汚れ、更には、イスや床の汚れを防止することができ、それらの洗濯や掃除の必要が無くなるので、保育者や介護者の負担を減らすことができる。
図4は、本発明の第3の実施形態の変形例に係るパターン洋服の構成を示す図であり、その取替え部を内側に折り畳んだ状態を示す図である。図4に示すように、本実施形態に係るパターン洋服40では、その取替え部40Bが内側への折りたたみ方式に構成されており、その取替え部40Bの下側が上側と本人の身体との間に折り畳んだ状態に収納されている。本実施形態では、パターン洋服40を着た時に、図4に示すような状態で使用される表面S1、S2,S3が構成されることで、折り畳まれたS3部分を展開することにより、同様に、首の下から胸部を経て膝下までの全域を覆うことが可能となる。
図5は、本発明の第4の実施形態に係るパターン洋服の構成の一例を示す図であり、(a)は、その展開の仕方を示す図、(b)は、その展開によりツリー様のデザインが表現された状態を示す図である。図5(a)(b)に示すように、本実施形態に係るパターン洋服50は、その取替え部50Bをデザイン化すると共に、折りたたみを解いてそのデザインを発現させるのが特徴であり、本例では、ツリー様のデザイン化がなされている。ここで、当初は、図5(a)に示すように、その取替え部50Bの下側半分近くが上側(内側)に折り畳んだ状態に収納されている。図5(a)に示すような内側に折り畳んだ状態に維持するには、上述した任意の着脱具を用いれば良い。そして、その取替え部50Bの下側を上側(内側)に折り畳んだ状態を解除し、図5(b)に示すように、その取替え部50Bを展開した状態とすることができ、図5(b)に示すように、その展開によりツリー様のデザインDが表現された状態が現れる。このように、本発明のパターン洋服により、幼児等の本人にとっての可愛らしさ・装飾性も出すことができ、折りたたみを外すと、木のデザインになるので、保育者や親にとっては、視覚を楽しむこともできる。以上のように、取替え部が折り畳み可能に構成されているのが好適であり、その折り畳み可能な取替え部を展開すると、形状・模様・色彩又はこれらの結合から成るデザインが表現されるようにすることができる。これにより、本人にとっての可愛らしさ・装飾性も出すことができ、折りたたみを外すと、木のデザインになるので、保育者や親にとっては、視覚を楽しむこともできる。また、図3乃至図5に関して上述した実施形態では、折り畳んだ部分を展開した場合、複数枚になっており、多少の厚みもあるため、膝掛けの替りにもなる。食事中の膝の冷えの防止にも繋がり、室内の温度を上げ過ぎることも減るため、電気代の節約になるだけでなく、環境にも優しくなる。
図6は、本発明の第5の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、その取替え部がマフラー(ネックウォーム)により構成される形態を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るパターン洋服60は、その取替え部60Bは、胸かけ等ではなく、マフラー(ネックウォーム)により構成されている。本実施形態に係るパターン洋服60は、洋服本体60Aと、洋服本体60Aとは別体に形成され、首回り61に相当する開口部63の縁部に沿ってマフラー(ネックウォーム)様に立設される取替え部60Bと、洋服本体60Aの首回り61の縁部と取替え部60Bの下部とを留め付ける着脱手段(図示せず)とを有している。首回り61の縁部と取替え部60Bの下部とを留め付ける着脱手段(図示せず)とは、首回り61の縁部と取替え部60Bの下部を留め付けるファスナー、ホック、ボタン、組み紐、マジックテープ(登録商標)、磁石、ミシン糸等からなる着脱具から任意の1つ又は2つ以上の組み合わせでも良い。本実施形態では、磁石(ソフトマグネット)を選択した。尚、図6に示すように、取替え部60Bには、収納空間66が形成されており、この収納空間66に、例えば、保温材や保冷材を収納させることができる。このように、本実施形態に係るパターン洋服60では、寒いときに、洋服本体60Aに取替え部60Bを装着することで、取替え部60Bをマフラー(ネックウォーム)として用いることができるので、防寒等の効果を得られる。尚、パターン洋服の一形態として、マフラーだけでなく、マスクの脱着可能式についても応用可能である。即ち、取替え部60Bを、例えば、不織布等から成るマスクとして機能するものとし、鼻にフィットするノーズフィッター(軟金属製)や耳に掛けるゴム紐を含む構成とすることができる。このように構成すれば、取替え部60Bを使い捨てのマスクとして使用することも可能なので、ウィルス性肺炎やインフルエンザの予防等に有効である。また、ベッドで横になった高齢者等の寒さを解消することで、寒がる本人のためだけにわざわざ介護室等の室内の温度を上げておく必要性が無くなる。このように、室内の温度が快適に保たれることは、働く介護士達等の労働環境の改善と健康維持につながる。また、暖房の利用を節減できることになるため、環境にも優しくなるだけでなく、介護施設の電気代等の節減にもなる。
図7は、本発明の第6の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、洋服本体がズボンにより構成される形態を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係るパターン洋服70は、ズボンにより構成される。即ち、本実施形態に係るパターン洋服70は、ズボン本体70Aと、ズボン本体70Aとは別体に形成される複数種類の取替え部70Bと、ズボン本体70Aと各取替え部70Bとを留め付ける着脱手段74とを有している。図7に示す例では、4つのパーツによりズボンが構成されている。ここで、着脱手段74は、留め付け具として使用される一方、76は、ゴムであり、装着者(ズボンをはく者)の体型にフィットしやすくするためのものである。
また、図示しないが、本発明の第7の実施形態として、取替え部は、少なくとも3枚含まれ、該3枚はそれぞれ相異なる第1、第2及び第3の色に着色されており、当該パターン洋服の装着者の属性に応じて、前記第1、第2又は第3の色の取替え部が使い分けられるようにしても良い。即ち、1枚目→2枚目→3枚目を青→黄→赤というように異なる色彩で認識するように構成することもできる。このような実施形態は、特に介護服で、外国人の登用につき言語、漢字がわからないので、色別することで、その要介護度に応じた介護を実施し易くなるというメリットが得られる。但し、目の見えない人や弱視の人では、色を識別できない可能性が高いので、変形例として、触れて分かるものにより識別する方法でも良い。触ることで分かる数字、いろはの文字等が凸状になるようにパターン洋服の所定の箇所に形成し、或いは矩形状のワッペンを1個、2個、3個というようにパターン洋服の所定の箇所に貼り付ける等により、目の見えない人や弱視の人でもパターン洋服の装着者毎の属性を識別可能になる。更に、後述する第8の実施形態のように、袖の長短を可変に構成できるようにすることで、パターン洋
服の装着者毎の属性を識別するようにしても良い。
図8は、本発明の第8の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、洋服本体がジャケットタイプに構成される形態を示す図である。図8に示すように、本実施形態に係るパターン洋服80は、ジャケットタイプにより構成される洋服本体80Aを有し、この洋服本体80Aは、首回りから腹部に亘る前側が全て(上から下まで)開襟したジャケット様に形成されている。また、首回りから腹部に亘る開襟部の縁部には、着脱手段84として磁石が用いられている。この洋服本体80Aの開襟部には、着脱手段84を介して洋服本体80Aとは別体に形成される一又は複数の取替え部(図示せず)がエプロン状に留め付けられるが、その大きさ・形状・デザイン等は問わない。また、本実施形態のパターン洋服80では、洋服本体80Aの袖部が、複数の袖部着脱手段84C1、84C2、84C3、84C4を用いて、複数の袖部取替え部80B1、80B2、80B3、80B4を順次留め付けることで、袖の長さを可変に調整できるようになっている。従って、着用時の気候や気温等に応じて、袖無し、半袖、長袖等と袖の長さを変えることができる。即ち、袖部取替え部を全く使用しない洋服本体80Aのみで着用すればノースリーブ、袖部取替え部80B1のみを留め付けて着用すれば半袖、袖部取替え部80B1及び80B2を留め付けて着用すれば5分袖、袖部取替え部80B1、80B2及び80B3を留め付けて着用すれば7分袖、全ての袖部取替え部80B1、80B2、80B3及び80B4を留め付けて着用すれば長袖、のパターン洋服として、それぞれ用いることが可能である。尚、図8では、片側の袖のみについて複数の袖部着脱手段84C1からC4と袖部取替え部80B1からB4を図示したが、両側の袖が同様に構成されることは勿論である。ここで、磁石は、砂鉄のように形の変えられるものを用いるのが好適である。砂鉄は、服の縫い目に入れる前に、耐久性の高い細長の袋内に密封し、この細長の袋ごと服の縫い目に入れて接着等するのが好適である。これにより、洗濯をしても磁石(砂鉄)が漏出し、或いはパターン洋服の留め付け構造が破損しないようにすることができる。また、磁石の接着部分は、一般的な縫い目と同程度の薄さに形成するのが望ましい。これにより、装着者の着ごこちの良さを追求することも可能である。
図9は、本発明の第9の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、洋服本体がつなぎタイプに構成される形態を示す図である。図9に示すように、本実施形態に係るパターン洋服90は、つなぎタイプにより構成される洋服本体90Aを有し、この洋服本体90Aは、首回りから肩、胸部、腹部までだけでなく腰から足首までのつなぎ服様に形成されている。即ち、本実施形態に係るパターン洋服90は、首回りから足首に亘る開口部を含む洋服本体90Aと、洋服本体90Aとは別体に形成され、上記開口部の少なくとも主要部分を覆う大きさの取替え部(図示せず)と、洋服本体90Aの上記開口部の少なくとも主要部分を上記取替え部が覆うように留め付ける着脱手段94とを有している。尚、変形例として、図9に破線で示すように、洋服本体をつなぎではなく、別体としての上着とズボンにより構成しても良い。ここで、つなぎ、上着、ズボンは、前側が全面で開口しており、つなぎの上半身又は上着では前側の両端部に、つなぎの下半身又はズボンでは前側の両端部と股下の内側に、着脱手段94として、上記第8の実施形態と同様の磁石等が用いられている。この洋服本体90Aの開口部には、着脱手94を介して洋服本体90Aとは別体に形成される一又は複数の取替え部(図示せず)がエプロン状又はズボン前側部として留め付けられるが、その大きさ・形状・デザイン等は問わない。従って、季節に合わせて形状・デザイン等を変えることでコーディネートを楽しみ、更には体調管理も可能になる。また、外出時の着替え等、荷物も少なくて済むという利点も得られる。また、繋ぎの服は着脱し難いため、下半身の前面側が着脱可能に構成した。乳幼児・介護者共に、オムツ交換が必要な時、保護者・保育士・介護士の負担を軽減することができる。一方、体重の増えた子どもをオムツ交換台へ乗せるのは親や保育士にとって負担が増えるという問題がある。図9のパターン洋服であればオムツ交換台を利用しなくて済むため、子どもの落下防止につながる。また、子どもが立ったまま服を着脱できるため、親、保育士、子どもにとってもオムツ交換の手間や負担が減るという利点がある。
図10は、本発明の第10の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、その取替え部が靴下(レッグウォーム)により構成される形態を示す図である。図10に示すように、本実施形態に係るパターン洋服100は、つなぎタイプにより構成される洋服本体100Aを有し、その取替え部100Bは、靴下部(レッグウォーム)により構成されている。本実施形態に係るパターン洋服100は、洋服本体100Aと、洋服本体100Aとは別体に形成され、左右の裾101からそれぞれ靴下(レッグウォーム)様に延設される取替え部100Bと、洋服本体100Aの裾101と取替え部100Bの上縁部とを留め付ける靴下部着脱手段104とを有している。裾101と取替え部100Bの上縁部とを留め付ける靴下部着脱手段104は、裾101と取替え部100Bの上縁部とを留め付けるファスナー、ホック、ボタン、組み紐、マジックテープ(登録商標)、磁石、ミシン糸等からなる着脱具から任意の1つ又は2つ以上の組み合わせでも良いが、本実施形態では、磁石(ソフトマグネット)を選択した。このように、本実施形態に係るパターン洋服100は、パンツ(ズボン)の裾と靴下の足首部分に磁石を用いて着脱できるものである。尚、図10に示す例では、本発明の第9の実施形態に係るパターン洋服90(図9参照)と同様のつなぎタイプの洋服本体を有し、且つ、その着脱手段94を介して洋服本体100Aとは別体に形成される一又は複数の取替え部(図示せず)がエプロン状又はズボン前側部として留め付けられるのは、第9の実施形態と同様である。但し、このような着脱手段94や別体のエプロン状又はズボン前側部としての取替え部を有さない、普通のつなぎ服に本実施形態を適用しても良い。即ち、普通のつなぎ服から成る洋服本体に、靴下(レッグウォーム)様に延設される取替え部100Bが靴下部着脱手段104により留め付けられるようにしても良い。更に、つなぎ服ではないズボンのみに同様に適用しても良い。
本実施形態に係るパターン洋服100は、幼児(赤ちゃん)に着せるのに好適である。赤ちゃんは、体が小さいのに、大人と同じ数の汗腺がある。そのため、非常に汗をかき易く、あせもができ易い等、皮膚のトラブルにつながり易い。また、体温調整も上手くできないため、親(保護者)又は大人(保育士等)が気にかける必要がある。赤ちゃんは、足をバタバタさせることが多いため、気が付いたら脱げているということも多い。磁石により簡単に着脱できるようにすると、服同士が密着しているので、すぐに脱げてしまうことが無くなり、親(保護者)又は大人(保育士等)の手間や負担を減らすことができる。スムーズに着脱作業を行うことにより、赤ちゃんの体温調節の面でも速やかな対応が可能となる。
また、本実施形態に係るパターン洋服100は、ベッドで寝て過ごす高齢者等に着せるのにも適している。ベッドで寝ている高齢者や要介護者、入院患者等は、体を横にしている機会が多いため、寒さを感じ易い。心臓から離れた足元は、特に、寒さを感じ易い部位であるため、多くの介護施設等ではベッドで寝ている高齢者等の本人に靴下を履かせて寒さを解消することもある。しかしながら、横になっている間に脱げ易かったり、寝ている間に体温が上がり、すぐに脱ぎたいと本人が感じる場合もある。本実施形態に係るパターン洋服100は、図10に示すように、磁石を用いて靴下(レッグウォーム)様の取替え部100Bを着脱し易いように構成されているので、横になっていても脱げにくいという利点がある上に、ベッドで横になった高齢者や要介護者、入院患者等が脱ぎたいという希望を介護士等に伝えた際に、すぐに脱がせることが可能なので、介護士等の負担を軽減することにつながる。また、ベッドで横になった高齢者等の寒さを解消することで、寒がる本人のためだけにわざわざ介護室等の室内の温度を上げておく必要性が無くなる。このように、室内の温度が快適に保たれることは、働く介護士達等の労働環境の改善と健康維持につながる。また、暖房の利用を節減できることになるため、環境にも優しくなるだけでなく、介護施設の電気代等の節減にもなる。
図11は、本発明の第11の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す第1の図であり、その着脱手段がワンタッチロック機能を有する形態を示す図である。即ち、服を磁石で合わせるだけでは弱いことも考えられるので、本実施形態に係るパターン洋服110では、密着する4箇所111、112、113、114にスライド・ロック機能を設けた。本発明のパターン洋服を着る人には高齢者・乳幼児も含まれることから、すぐに脱げない工夫も必要な場合がある。そこで、本実施形態に係るパターン洋服110では、4箇所111、112、113、114それぞれの黒で示す部分にN極、白で示す部分にS極というように磁石を設け、磁石のS極とN極が吸着し合いワンタッチで着脱できるようにした。また、磁石のS極とN極が吸着し合いワンタッチで着脱できることを利用して、背中部分も2枚など、服を重ねて着るようにしても良い。このようにすれば、汗をかいてもその下に着ている1枚だけを着脱のみで簡単に脱ぐようにすることで、不快感を無くすことができる。また、2枚重ねて着ることで、乳幼児は抱っこされた時などに背中の寒さを軽減できる。このように、本実施形態に係るパターン洋服110では、磁石を利用してワンタッチで着脱できるので、自力でも着脱(着替え)が可能であり、着せる人、着せてもらう人双方のストレスの軽減・時間の短縮になる。例えば、ベッドで横になっている患者(要介護者)・赤ちゃん(乳幼児)は、寝たまま横向きになるだけでワンタッチで着脱して着替えが可能であり、着せる人、着せてもらう人の便宜であること大である。更に、汗をかいた1枚、汚した1枚のみワンタッチで脱げるので、洗い物が最小限で済む。また、各枚ごとの柄(デザイン)を変えるようにすれば、背中でもおしゃれを楽しめる。
図12は、本発明の第12の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、(a)は、ロックが解除された状態、(b)は、ロックされた状態、をそれぞれ示す。本実施形態に係るパターン洋服120では、図12(a)に示すように、着るときは、例えば、121M部分を右にスライドさせると、S極部分とN極部分が合わさるので、図12(b)に示すように、ロックされる。一方、脱ぐ(脱がせる)時は、121M部分を左に半分スライドさせれば、S極部分とS極部分、N極部分とN極部分が合わさる状態となり、図12(a)に示すように、反発の力でロックが解除されるようになる。パターン洋服120の右上の1箇所についてのみ図示及び説明したが、他の3箇所等も同様の構成としても良いのは勿論である。
図13は、本発明の第13の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す図であり、(a)は、ロックが解除された状態、(b)は、ロックされた状態、をそれぞれ示す。本実施形態に係るパターン洋服130では、131M部分が図示のような構成であり、図13(a)に示すように、着るときは、例えば、131M部分を右にスライドさせると、S極部分とN極部分が合わさるので、図13(b)に示すように、ロックされる。一方、脱ぐ(脱がせる)時は、131M部分を左に半分スライドさせれば、S極部分とS極部分、N極部分とN極部分が合わさる状態となり、図13(a)に示すように、反発の力でロックが解除されるようになる。パターン洋服130の右上の1箇所についてのみ図示及び説明したが、他の3箇所等も同様の構成としても良いのは勿論である。
図14乃至図16は、本発明の第14の実施形態に係るパターン洋服の構成を示す第1乃至第3の図であり、その取替え部がフード様頭巾(帽子)により構成される形態を示す図である。即ち、本実施形態に係るパターン洋服(全体構成は図示せず)の取替え部(フード様頭巾(帽子))140は、地球温暖化による気温の上昇という深刻な悩みを解消すべく案出されたものであり、図14及び図15に示すように、頭上141、後頭部142、首部分143、144は、それぞれポケットになっている。これらのポケットに保冷材を入れることで、夏の暑さを解消し、熱中症の改善につなげることができる。また、フード様頭巾(帽子)140は、太陽の日差しを遮る役目も果たすため、皮膚を守る効果も得られる。一方、上述したポケットに寒い季節にはカイロを入れることで、寒さの防止にも役立つ。
また、図16に示すように、フード様頭巾(帽子)140は、フードを広げた場合、枕(水まくら)の代わりになる。熱で倒れた際にも、頭の保護になり、上述したポケットに保冷材を入れることで、冷やしたままで、要介護者は横になれる。熱で寝込んだ場合も、水まくらのズレ防止にも役立つ。 一方、図14乃至図16において、ライフジャケットのように、頭の部分にも空気を入れられるように工夫すれば、水の危険からも身を守ることにつながる。図14乃至図16においてフードの黒で縁取られた部分には、磁石を導入し、寒い季節にはファーを取り付ける等により、利用者が季節に合わせて快適に利用することもできる。尚、図14において、140Aの部分は、磁石のS極とN極の組合せになっており、フード様頭巾(帽子)140をワンタッチで付ける時のズレ防止に役立つ。
図17乃至図20は、本発明の第15の実施形態に係るパターン洋服150の構成を示す第1乃至第4の図である。本実施形態に係るパターン洋服150では、脇から手首にかけての取替え部160と腰から脇にかけての取替え部170を含み、両取替え部160、170がそれぞれ独立して構成されている。本実施形態に係るパターン洋服150でも、図17乃至図20において、それぞれの黒で示す部分にN極、白で示す部分にS極というように磁石を設け、磁石のS極とN極が吸着し合いワンタッチで着脱できるようにしている。
図17において、(a)は、両取替え部160、170を含むパターン洋服150全体の正面側、(b)は、両取替え部160、170を含むパターン洋服150全体の背面側、をそれぞれ示す。図18は、図17に示した両取替え部160、170を含むパターン洋服150を他の角度から見た図であり、(a)は、そのパターン洋服150の左半分の概略斜視図、(b)は、そのパターン洋服150の右半分の概略斜視図、をそれぞれ示す。図19は、本実施形態に係るパターン洋服150において、脇から手首にかけての取替え部160と腰から脇にかけての取替え部170を拡大して示す図、図20は、その脇から手首にかけての取替え部160を拡大して示す図である。
本実施形態に係るパターン洋服150の特徴は、まず、第1に、パターン洋服150の側面が取り外しできることである。ここで、取り外し可能にする理由は、(a)脇の汗をかいたときに、洋服自体を交換しないで、汗をかいた部分だけを簡単に交換できること。これにより、気になる汗染み、不快感から解放され易い。(b)年齢や体型の変化(例えば、怪我等により要介護になった場合、ギブス等を付けた時等にも応用可能である)による腹部や腕廻りのパーツを交換することにより洋服を長く着続けることができ、また、好みの洋服であれば、手放さず、着る楽しみを継続できる。以上の理由から、下着としての利用も可能である。尚、脇から手首にかけての取替え部160と腰から脇にかけての取替え部170が、それぞれ独立して構成されているので、脇から手首にかけての取替え部160のみを独立して交換可能である。これにより、例えば、点滴を行う時、予定外の怪我やコルセットを巻く場合等に大変便利である。また、本人の洋服を新たに購入しなくてよいので、節約につながる。脇の下は汗をかき易い部位なので、汗をかいて不快な場合でも、パターン洋服150全体ではなく脇から手首にかけての取替え部160のみを独立して交換できるので、患者・要介護者と看護師・介護者双方の負担を減らすことができる。更に、脇から手首にかけては、手が届きにくいので、磁石にすることで服の着脱が楽になり、患者・要介護者と看護師・介護者双方の負担を減らすことができる。尚、熱を測るときなど、脇部分を少し外すだけで体温計を脇に当て易くなる。一方、腰から脇にかけての取替え部170のみを独立して交換することも可能である。これにより、例えば、怪我やコルセットを着用しなければならない時などの予定外の服装の変化が考えられる場合、腰から脇にかけて蛇腹を広げるとサイズ変更になる。従って、本人の洋服を新たに購入しなくてよいので、節約につながる。腰から脇にかけても、手が届きにくいので、磁石にすることで服の着脱が楽になり、患者・要介護者と看護師・介護者双方の負担を減らすことができる。以上のように脇から手首にかけての取替え部160と腰から脇にかけての取替え部170がそれぞれ独立して構成され、交換可能であれば、乳幼児や一般の人にも、非常に便利である。
また、図17乃至図20には示してないが、肩の部分はスリットにしても良い。パターン洋服150の肩や脇部分は、特に引きつり易いため、自由の部分があると、着用者は快適に居られると考えられるからである(スリットが無くても良い)。尚、洋服側面、着脱部分は、マジックテープ(登録商標)、ボタン、磁石、チャック等により着脱可能にすることができるのは勿論である。
また、腕周辺には個人差もあるため、サイズを変えられるように施すと、着用者は快適で居られると考えられる。下着として利用する場合は、着用者はなお着心地の良さを得られる。更に、着脱交換部分、特徴は、図示の通りである。また、腹部周辺にも個人差があるため、サイズを変えられるように施すと、着用者は快適で居られると考えられる。着脱部分はそのまま、他の部分をサイズ別とし幅を変えると、着用者の体型に合わせて長く着ることができる。尚、下着として利用する場合は、着用者はなお着心地の良さを得られる。
図21は、本発明の第16の実施形態に係るパターン洋服180の構成を示す図であり、本実施形態に係るパターン洋服180において、(a)は、脇の下だけの取替え部182R、182Lがポケット様に構成された形態、(b)は、(a)を横から見た図、をそれぞれ示す。本実施形態に係るパターン洋服180では、左右・裏表関係なく着脱が可能であるため、どちらにも利用できるので、服の向き、右手側、左手側などの確認の必要が無いので、ストレス軽減につながる。また、図21(a)に示すように、パターン洋服180がノースリーブタイプなので、手や腕に障害のある方でも簡単に着られる。脇の下だけの取替え部182R、182Lが存在するので、この取替え部182R、182Lを簡単に取り替えられることから、脇にかかる部分は交換することで、汗による汗染みの不快感を軽減できる。また、脇の下だけの取替え部182R、182Lがポケット様に構成されているので、これらのポケットに保冷材を入れることもできる。熱を出した時には、脇の下は冷やすと熱が下がり易く、要介護者にとっても気持ちが落ち着くし、介護する方にも負担軽減になる。