JP6792766B2 - 飯台 - Google Patents

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Description

本発明は、主として酢飯を調理するための飯台と呼ばれる調理道具に関する。
従来から、米飯と酢を杓文字で混ぜ合わせて作られる寿司などの酢飯を調理する際は、飯台と呼ばれる調理道具が用いられている。一般的な飯台はサワラ等の木製であり、円形で上部が開放された桶状の調理道具である。
この木製の飯台は水切りが悪く乾燥しづらいため、やがてカビが発生して黒ずみ、衛生的な調理道具とは言えず、まして、その外周には円形に並べた木片を固定するための箍が嵌められ、飯台の洗浄性を妨げている。
そこで、食品工場などでは、プラスチック製やステンレス金属製のたらいを使用して衛生性を保とうとしているが、調理の様子が人目に触れる寿司屋などでは、たらいを調理に使用することは旨さを売るイメージ上とうてい受け入れられない。
この点、特許文献1では、無機充填剤(例えば炭酸カルシウム)や有機充填剤(例えば木粉)を配合した熱可塑性樹脂組成物を素材とし、これを射出成型して製作したすし桶等が提案されている。これにより、特許文献1では木製の飯台に劣らない風合いのある外観を呈するとされている。
特開昭60−168422号公報
ところで、例えば木製で直径48cmのサワラ材の飯台の重量は約1.75kg程度であるのに対し、これを単純にプラスチック製に置き換えると約3倍の5kg程度の重量となり、この重量では、洗浄や取り回しなどの取扱いには重すぎる。
そのため、プラスチックで飯台を製作するには、その肉厚を薄くして軽量化する必要がある。しかし、単に肉厚を薄く(約1/3)すると、特に大口径の飯台では全体の剛性が失われ、ペコペコした感覚となり、両手で外周を掴んだときに容易に変形し易く、取扱い上に問題を生じる。また、肉厚が薄くなると単なるプラスチックの容器となり、旨さを印象づける伝統的な木製飯台の外観と大きく異なってしまい、人目に触れるような寿司屋などでは使用できない。
なお、特許文献1の飯台は、人目に触れても問題がないように風合いを出そうとしているが、木粉等の充填材を配合すると、強度が弱くなるという問題がある。この強度問題を解消するためには肉厚にする必要があるが、肉厚にすると反対に重くなってしまい、やはり洗浄や取り回しなどの取扱い性に課題を残す。また、充填材によっては、全体をプラスチックで形成した飯台に比べて水を吸収し易く、乾燥性に欠けて衛生上の問題も生じる。
そこで、本発明は、従来の木製飯台と一見して同様の外観を備え、加えて清潔感に優れた外観であり、且つ、木製飯台の重量に近い重量であって、取扱いと洗浄が容易で水切り性に優れた衛生的な飯台を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明によれば、上面が開放された円筒状の側面部と、前記側面部の内側に配置されて底面を構成する底面部とを有し、前記底面部の上で主に酢飯を調理するための飯台であって、前記側面部は、その上下端部に配置された合成樹脂製の上下端部材と、この上下端部材に比べて比重が小さい側面用軽量部材とからなる側面芯材部を有し、さらに、この側面芯材部の主面の両面に配置された合成樹脂製の側面表面部材を有しており、前記底面部は、その周縁部に配置された合成樹脂製の周縁部材と、この周縁部材に比べて比重が小さい底面用軽量部材とからなる底面芯材部を有し、さらに、この底面芯材部の主面の両面に配置された合成樹脂製の底面表面部材を有する飯台により解決される。
上記構成によれば、主に酢飯を調理するための飯台は、上面が開放された円筒状の側面部と、側面部の内側に配置されて底面を構成する底面部とを有しているため、一般的な飯台と同様に桶状を呈している。
そして、側面部は、その上下端部に配置された合成樹脂製の上下端部材と、両面に配置された合成樹脂製の側面表面部材を有している。従って、側面部は表面全体が合成樹脂製の材料となり、水分が吸収されることがないため、カビが生えて黒ずむようなこともなく、清潔感があって衛生性に優れている。また、底面部も、合成樹脂製の周縁部材と両面に配置された合成樹脂製の底面表面部材を有して表面全体が合成樹脂製の材料となり、同様に清潔感があって衛生性に優れている。
さらに、側面部は、その側面芯材部の一部に、上下端部材に比べて比重が小さい側面用軽量部材(例えば発泡体)を有し、底面部も、その底面芯材部の一部に、周縁部材に比べて比重が小さい底面用軽量部材(例えば発泡体)を有している。従って、側面部や底面部の厚みを従来の木製飯台と同程度の肉厚状とすることで、一見して木製飯台と同様の外観を呈することができる一方で、このように肉厚状にしても、これらの軽量部材が構成可能である分、製品全体として木製飯台の重量並みの軽量化を図ることができ、取扱いと洗浄が容易となる。
また、好ましくは、前記側面部の、前記上下端部材、前記側面用軽量部材、及び前記側面表面部材の内の何れか又は全部は、夫々が一つ又は複数の材料の端面同士を繋ぎ合わせて円形のリング状となるための接続部を有し、前記接続部前記材料の端部同士が厚み方向に重ね合わされることなく前記端面同士が突き合わされた状態で接続されていることを特徴とする。
上記構成では、側面部を構成する各部材は、円形のリング状となるための接続部を有している。換言すると、一つ又は分割された複数の材料が円形のリング状となるように接続されているため、射出成型等のように1つの大きなリング状の金型を作る必要がなく、低コスト化を図れる。例えば1枚若しくは複数枚の短冊状の合成樹脂材料を形成し、その後、この合成樹脂材料をリング状に曲げ加工などして、その曲げ方向の各両端面同士を接続すれば、側面部を構成する円形でリング状の各部材を形成できる。また、このような方法で形成すれば、射出成型では容易に形成できない肉薄の部材(例えば側面表面部材)も容易に形成して、軽量化に資することができる。
そして、このように側面部の各部材の夫々が接続部を有していても、その接続部分は、各材料同士の端部を単に重ね合わせて接続するものではなく、その端面同士を突き合わせた状態で接続しているため、側面部の表面に不規則な出っ張りや段差が形成されることなく、一見上の外観に違和感がなく、また円滑な表面として洗浄性に優れた飯台とすることもできる。
また、好ましくは、上記構成において、前記上下端部材、前記側面用軽量部材、及び前記側面表面部材は、前記リング状の周方向における夫々の前記接続部の位置が異なっていることを特徴とする。
このため、側面部を構成する各部材の接続部の周方向の位置関係が同じであることによって生じる、側面部の周方向の同じ位置に応力が集中するような事態を防止することができる。
即ち、材料の端面同士を突き合わせて接続した接続部の強度は、一定の面積で材料同士を重ね合わせて接続した接続部と比較して、接続面積が小さいことに起因して接続強度が低下する。従って、材料の端面同士を突き合わせた接続部という強度的に弱い部分が存在したとしても、側面部の周方向での各部材の接続部の位置がそれぞれ異なる位置関係にあるため、側面部の特定部分での集中応力を分散して強度の高い側面部を形成することができる。
また、好ましくは、前記側面部は、前記底面部に対応した領域から上方へ向かうに従って外側となるように傾斜していることを特徴とする。
従って、側面部が底面部から上部へ向かって拡がった形状となり、酢飯を調理する際の杓文字の操作がし易くなるのは勿論のこと、複数の飯台どうしを上下に重ねて、保管の際や輸出などの搬送の際のスペースを小さくすることができる。また、側面部は下方に向かうに従って内側となるように傾斜することになるので、例えば、底面部を側面部の内側に嵌める場合にあっては、底面部が抜け落ちる事態を有効に防止することができる。
また、好ましくは、前記底面芯材部と前記底面表面部材との間、及び/又は、前記側面芯材部と前記側面表面部材との間には、いずれの部材よりも強度の高い補強部材が配設されていることを特徴とする。
従って、軽量化のための、側面部の側面用軽量部材や底面部の底面用軽量部材があっても、補強部材により強度の向上を図ることができる。特に、底面部は、調理物の重量を大きく受け、かつ、熱い米飯が載せられて合成樹脂の部分が軟化し、変形したり剛性が低下したりするおそれがあるが、そのようなおそれも有効に防止することができる。
以上、本発明によれば、従来の木製飯台と一見して同様の外観を備え、加えて清潔感に優れた外観であり、且つ、木製飯台の重量に近い重量であって、取扱いと洗浄が容易で水切り性に優れた衛生的な飯台を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る飯台の斜視図。 図1の飯台の側面図(一部切り欠き断面図)。 図2の断面部分の拡大図。 本発明の第1実施形態の第1及び第2変形例であり、側面部の拡大縦断面図。 図1の飯台の側面部を示し、これを部分的に切り欠いた斜視図。 図5の側面部の構成を理解するための図であり、側面部の製造工程の一部。 本発明の第2実施形態に係る飯台であり、図3に対応した拡大断面図。 本発明の第3実施形態に係る飯台の側面部であり、図5に対応した斜視図。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
また、以下の図で同一の符号を付した箇所は同様の構成である。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係る飯台10の斜視図、図2は図1の飯台10の側面図である。なお、図2では側面部と底面部の一部を切り欠いて、その断面を図示しているが、その断面の詳細構造を省略して図示している。
これらの図の飯台10は、酢飯やちらし寿司などを調理する際に、米飯などの食材を収容する調理用具であり、例えば、寿司の酢飯を調理する場合は、概ね以下のように使用される。先ず、飯台10に炊かれた後の熱い米飯を入れ、そこにすし酢を回しかけて、杓文字で切るように混ぜる。次いで、うちわ等で扇いで冷まし、あら熱が取れたら杓文字で裏返す。次いで、再びうちわ等で扇いで冷まし、あら熱が取れたら、上側の開口部10Aに布巾等を掛けて乾燥を防いでおく。使用後は洗浄して乾かし、その後保管する。
以上のような使い方がされる飯台10は、全体が桶状であって、上面が開放された円筒状の側面部20と、側面部20の内側に配置されて底面を構成する底面部30とを有している。そして、側面部20と底面部30とで囲まれた内側空間Sに、上述したように米飯を入れ、底面部30の上で調理するようになっている。
図の飯台10は、平面視が正円形状であって、内径(側面部20の内径であり、底面部30の直径)L1が約43cm、外径(側面部20の外径)L2が約48cm、高さ(側面部20の全高)Hが約11cmの外形とされている。なお、本発明の飯台はこれに限られず、平面視が例えば楕円形状であっても構わない。
側面部20は、飯台10の周側面となる枠体であり、内側空間Sを円形状に囲むように立設している。この側面部20には、木製飯台のような箍がなく、表面の凹凸部を極力排除した形状であるため、洗浄性が高くなっている。
また、側面部20は、少なくとも外部に露出する表面全体が合成樹脂製であり、この点でも洗浄性が高い。本実施形態では全ての部材が合成樹脂製であり、この側面部20の材料などについては後で詳細に説明する。
図2に示すように、側面部20は、縦断面は真っ直な板状であるが、底面部30に対応した領域ARから上方へ向かうに従って外側となるように傾斜している。図の側面部20は、下端から上端に向かうに従って外側となるように(内側空間Sが徐々に拡がるように)傾斜している。換言すれば、底面板30に対する側面板20の成す角度θ1は90度を超えており、好ましくは93度〜110度の角度であり、本実施形態の場合、角度θ1は101度前後とされている。このような傾斜角度を採用する理由は以下の点を総合的に判断するからである。
先ず、このように傾斜角度θ1を設けるのは、側面部20は下方に向かうに従って内側となるように傾斜することになるので、側面部20の内側に嵌められた底面部30の抜け落ちを防止できるからである。
また、傾斜角度θ1が大き過ぎると必要以上に外径が大きくなるばかりで、木製の飯台のイメージから遠ざかり過ぎるので好ましくないからである。
また、酢飯を調理する際に米飯と酢を杓文字で切るように混ぜ合わせる際、側面部20付近の混ぜ合わせを容易にするためである。
また、複数の飯台10,100どうしを上下に重ねた際、上の飯台10の側面部20の大半が下の飯台100の内側空間S1に挿入されることで、重ねた上下の寸法を小さくするためである。このように重ねた上下寸法を小さくするのは、保管や搬送の際のスペースを小さくするためである。
底面部30は、円形の板状体であり、その外周端面30aが側面部20の内面20aに密着して嵌合する直径L1とされている。また、底面部30の外周端面30aは、側面部20の傾斜角度θ1と略同じ傾斜角度を有している。このように、外周端面30aが側面部20に密着するように精度よく直径L1と傾斜角度が管理されることで、上述したように傾斜角度θ1を有する側面板20のもとで、底面板30の底部方向へ抜け落ちを防止して、酢飯の重量を効率よく受け止めることができると共に、この受け止め圧力(水密圧力)が水密性を向上させる。
なお、側面部20の内面20aと底面部30の外周端面30aとは、水密性を保つため接着剤などで固着されているのが好ましいが、上記の傾斜角度θ1による上記水密圧力によって一定の水密性が保たれるので、底面部30を固着せず取り外し可能として、分解・洗浄を可能にしてもよい。これは、側面部20と底面部30との交差部分(図2の傾斜角度θ1を表示する部分の角部)は、その断面が角状で洗浄しにくく汚れが溜まりやすいからであるが、当該角部を円弧状に形成して洗浄し易くしてもよい。
図2に示すように、底面部30は、側面部20の下端から約1cm程度の上部に取り付けられ、設置面上で側面部20の下端のみが接触するようにしている。このため、底面部30が例えば加熱や重みで多少歪んでも、高い安定性を確保することができる。
以上の側面部20及び底面部30の厚さDは夫々約11mmであり、木製の飯台とほぼ同様の肉厚となっており、一見して従来の木製と見間違える外観を呈している。
また、色彩についても、本実施形態の場合は木肌色(黄土色ないし茶色)とされ、より木製飯台に似るようにしている。なお、色彩について言えば、必ずしも全体を木肌色とする必要はなく、例えば開口部10A側の縁部21に木肌色とは異なる色彩を付けても構わない。この縁部21の色彩は、異なる飯台10,100毎に異なる色彩としてもよく、これにより、複数の飯台10,100を上下に重ねても、夫々の縁部21,210の色彩が視認可能であり、縁部21,210を見て、どの種類の飯台であるのかを区別できる。従って、例えば酢飯の種類・担当などによって飯台を決めている場合、異なる色彩をその飯台の種別情報とすることができる。
図3は図2の断面部分の拡大図であり、側面部20と底面部30の詳細な構成を説明するための部分拡大断面図である。
〔側面部について〕
先ず、側面部20について説明する。
図3に示すように、側面部20は、その厚み方向について積層構造とされている。即ち、側面部20は、その厚み方向の中央部に芯材である「側面芯材部23」を有すると共に、この側面芯材部23の主面の両面に配置された合成樹脂製の「側面表面部材28,29」を有している。
側面芯材部23は、主に、側面部20を大きな厚みで形成したとしても軽量化を図るためのものであり、その上下端部に配置された合成樹脂製の「上下端部材(上端部材と下端部材)24,25」と、この上下端部材24,25に比べて比重が小さい材料からなる「側面用軽量部材26」とを有している。
本実施形態の場合、側面芯材部23と側面表面部材28,29とは接着剤で接続され、また、側面用軽量部材26と上下端部材24,25も接着剤で接続されている。
図3に示す側面用軽量部材26は、上端部材24と下端部材25とで挟まれて、飯台10の高さH方向の中央領域に配置され、全体は円形のリング状に形成されている。この側面用軽量部材26は側面部20の大半の体積を占めており、比重が小さいだけではなく、上端部材24と下端部材25を合わせた重量よりも軽くなっている。
側面用軽量部材26の材料としては、軽量な芯材が構成可能な材料であれば如何なるものも使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ABS等の熱可塑性樹脂の発泡体、また、ウレタン、フェノール、メラミン、ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂の発泡体などで、これらの2〜30倍程度の合成樹脂の発泡体が好ましく使用できる。
また、その他の材料としては、例えば、ハニカムコア材、中空バルーンを配合した軽量樹脂材、樹脂含浸した繊維構造体、木材等、及びこれらの複合体で、内部に空隙を有し、芯材として加工可能な軽量な材料が適用できる。
なお、このように側面用軽量部材26が空隙を有すると、空気が断熱材になって、飯台10内で保管される温かい米飯の温度を可及的に維持することも可能となる。
図3に示す上下端部材24,25は、主に、水分の吸収を防止して乾燥性を向上させると共に、側面部20の剛性を確保するための部材であり、全体は円形のリング状とされている。この上下端部材24,25は、側面用軽量部材26の上下端面に接続固定された中実の合成樹脂であって、側面用軽量部材26よりも高い剛性を有する。その合成樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が好ましく採用できる。
なお、上下端部材24,25をはじめとして、飯台10の外表面の一部を構成する部材の材料については、安全性の高い適宜な抗菌剤等を配合することで、衛生性をより高めることができる。
上端部材24は、飯台10の高さ方向の寸法H1が、使用時に飯台10が位置ずれしないように縁部21に手の平を置いて指FGを掛けた際、指FGを置くことができる寸法とされているが、本発明はこれに限られるものではない。
下端部材25は、飯台10の高さ方向の寸法H2が、上端部材24の寸法H1に比べて大きく形成されている。この剛性の高い下端部材25の領域に底面部30の外周端面30aが突き当たることで、底面部30と側面部20との接続強度を高めている。
以上の側面用軽量部材26、上端部材24、下端部材25の厚みD1は略同じであって(図の場合は約9mm)、互いに接続して同一面となるように配置されている。
側面用軽量部材26と上下端部材24,25とは接着又は融着して接続可能であり、接着剤で接続する場合は、その接続面を粗面にして、互いの接続強度を高めてもよい。
側面用軽量部材26と上下端部材24,25との接続構造については、図3の飯台10の第1及び第2変形例であり、側面部20の拡大縦断面図である図4に示すようにしても構わない。
即ち、第1変形例に係る図4(A)に示すように、側面用軽量部材26と上下端部材24,25との接続面AXを水平にしてもよい。これにより、手の平で縁部21を下側に押した際(図のF方向に押した際)、接続面AXは該下側に押す力と直交する面となり、側面用軽量部材26と上下端部材24,25との位置ずれを防止できる。また、第2変形例に係る図4(B)に示すように、側面用軽量部材26の接続面に凹凸部40を設け、上下端部材24,25の接続面にこの凹凸部40と係合するようにした係合凹凸部41を設けてもよい。このようにして、側面用軽量部材26と上下端部材24,25との位置ずれをより効果的に防止できる。
図3に戻り、側面表面部材28,29を説明する。
側面表面部材28,29は、水分の吸収を防止して乾燥性を向上させる部材である。また、側面用軽量部材26と上下端部材24,25との接続強度を向上させて、側面部20の剛性を確保するための部材でもある。例えば、この側面表面部材28,29があることで、上述したように、縁部21に手の平を載せて荷重をかけても、側面用軽量部材26と上下端部材24,25との位置ずれを有効に防止できる。
具体的には、側面表面部材28,29は上下端部材24,25と同様で、中実の合成樹脂からなり、上下端部材24,25で例示した合成樹脂と同様の材料である。全体の形態は幅寸法(飯台10の高さH方向の寸法)の大きい円形のリング状(即ち、円形状の筒体)に形成されている。図の側面表面部材28,29の厚みD3は夫々約1mmである。
また、側面表面部材28,29は、側面芯材部23の主面両面(内側の面と外側の面の全体)に接着剤で接続され、側面部20の外観を形成している。このため、より木肌色に近い色彩を備えるのが好ましく、上下端部材24,25と異なる材料を用いても構わない。図の外側の側面表面部材28と内側の側面表面部材29とは同じ材料で形成されているが、剛性が確保できれば異ならせても構わない。
〔底面部〕
次に、底面部30について説明する。
底面部30は、全体的には円形状の板体であり、その厚み方向については積層構造とされている。即ち、底面部30は、その厚み方向の中央部に芯材である「底面芯材部33」を有すると共に、この底面芯材部33の主面の両面に配置された合成樹脂製の「底面表面部材38,39」を有している。
底面芯材部33は、主に、底面部30を大きな厚みで形成しても軽量化を図るためのものであり、その周縁部に配置された合成樹脂製の「周縁部材34」と、この周縁部材34に比べて比重が小さい材料からなる「底面用軽量部材36」とを有している。
底面用軽量部材36は、その全周囲を周縁部材34に囲まれて、飯台10の直径L方向の中央領域に配置され、底面部30の大半の体積を占めており、比重が小さいだけではなく、周縁部材34の重量よりも軽くなっている。
底面用軽量部材36は、軽量な芯材が構成可能な材料であれば如何なるものも使用でき、材料としては、側面用軽量部材26と同等のもの、好ましくは空隙を有する合成樹脂製の発泡体を用いることができる。
ここで、本実施形態の側面用軽量部材26と底面用軽量部材36とでは、異なる発泡体が用いられており、側面用軽量部材26を構成する発泡体は、底面用軽量部材36を構成する発泡体と比較して発泡倍率が大きく、剛性は小さいけれども軽量化されている。これは、側面部20はリング状の連続した板状の立体的構造物であり、物理的に全体の剛性が高く保たれた形状であるため、比較的高い発泡倍率の発泡体を使用している。これに対して底面部30は単なる平板状の形態であり、調理物の重量を略100%受ける部分であり、また、熱い米飯が載せられて合成樹脂製の底面部30が軟化して剛性が低下する可能性もあることから、比較的発泡倍率の低い発泡体を使用している。
例えば、側面用軽量部材26の発泡体の発泡倍率は10倍発泡(約比重0.1)を使用するのに対して、底面用軽量部材36の発泡体の発泡倍率は5倍発泡(比重約0.2)の材料を使用可能である。このようにすることで、軽量化と強度向上という相反する性能を両立させている。即ち、底面部30は調理物の重量が略100%作用するため、底面部30の強度アップを図り、重量は増加しても強度を優先する材料を選定している。そして、底面部30の重量が増加した分、側面部20の重量を小さくして、全体の重量を木製飯台と同様程度にしている。なお、底面部30の強度アップを図る発泡倍率以外の方法としては、底面部30の厚さ(例えば、底面用軽量部材36の厚さ、及び/又は底面表面部材38,39の厚さ)を側面部20と比較して大きく構成する方法もある。
ここで、底面用軽量部材36は、一つ又は複数に分割された材料で構成されていてもよく、この場合には、これら材料は重ね合わされることなく端面同士が突き合わされて接続されるのが好ましい。
図3に示す周縁部材34は、外部から視認不可能であり、主に、底面部30自体の剛性を確保し、また、側面部20との接続強度を確保するための部材である。
周縁部材34は、中実の合成樹脂からなっており、その合成樹脂材料としては、上下端部材24,25と同様のものを利用できる。
この周縁部材34は円形のリング状であって(図1参照)、内側の端面が底面用軽量部材36の外周端面36aに接続固定されている。また、周縁部材34の外側の端面(底面部30の外周端面と同じ)30aは、側面部20の下端部材25が設けられた領域における側面表面部材29と突き当たって接続固定されている。
また、周縁部材34は、底面用軽量部材36の外周を取り巻く円形のリング状に形成されており、側面部20の上下端部材24,25と同様に、一つ又は分割された複数の短冊状の材料で円形のリング状に形成されていてもよく、この場合にも、円形のリング状とする接続部を有し、この接続部は重ね合わされることなく端面同士が突き合わされているのが好ましい。
なお、本発明はこれに限られず、側面部20は周縁部材34の外側の端面30aと対向する部分に側面表面部材29を設けずに、周縁部材34の外側の端面30aと側面部20の下端部材25とが接続固定されても構わない。
本実施形態の外側の端面30aは、側面部20の傾斜角度θ1(図2参照)に対応した角度を有する傾斜面とされ、これにより側面部20に密着している。
以上のような底面用軽量部材36及び周縁部材34の厚みD2は略同じであって(図の場合は約9mm)、互いに接続して同一面となるように配置されている。
底面用軽量部材36と周縁部材34とは接着又は融着して接続可能であり、接着剤で接続する場合は、その接続面を粗面にして、互いの接続強度を高めてもよい。
図3に示す底面表面部材38,39は、水分の吸収を防止して乾燥性を向上させると共に、底面部30の剛性を確保するための部材である。
具体的には、底面表面部材38,39は周縁部材34と同様の材料を利用可能であり、中実の合成樹脂からなり、図の場合の厚みは夫々約1mmである。
また、底面表面部材38,39は、底面芯材部33の主面の両面(上下面の全体)に接着剤で接続され、全体的に見れば円形状の薄い板体であって、底面部30の外観を形成している。このため、より木肌色に近い色彩を備えるのが好ましく、周縁部材34と異なる材料を用いても構わない。図の外側の底面表面部材39と内側の底面表面部材38とは同じ材料で形成されているが、剛性が確保できれば異ならせても構わない。
〔飯台の更なる特徴〕
次に第1実施形態の飯台10の更なる特徴について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は図1の飯台10の側面部20の側面表面部材28,29を部分的に切り欠いた斜視図であり、側面部20を構成する各部材がそれぞれリング状に接続されている状態を説明するための図である。また、図6は図5の側面部20の構成を理解するための図であり、側面部20の製造工程の一部(上端部材24をリング状にする製造工程)を示している。
図5に示す側面部20を構成する各部材(側面用軽量部材26、上端部材24、下端部材25、及び側面表面部材28,29)は、夫々が、円形のリング状となるための各接続部JT1〜JT5をそれぞれ一つずつ有している。換言すれば、側面部20を構成する各部材24〜26,28,29は、夫々が、一つ(一枚)の材料で円形のリング状となるように接続されて形成されている。例えば上端部材24では、図6(A)に示すように、合成樹脂材料からなる1枚(1つ)の短冊状の材料240を形成し、その後、この短冊状の材料240を、治具を用いる等の方法によって図6(B)に示すようにリング状に曲げ加工し、次いで、図6(C)に示すように、その曲げ方向の両端面240a,240b同士を接続して、リング状の上端部材24を完成させている。図5に示す側面用軽量部材26、下端部材25、及び側面表面部材28,29も、この上端部材24と同様の方法で形成されている。
また、図6(A)〜(C)の上端部材24は、1枚(1つ)の長手方向が湾曲した短冊状の材料240で構成されているが、例えば、図6(D)(E)のように、複数の分割された短冊状の材料を円弧形状に湾曲させた材料241,242,243で構成してもよく、これら複数の材料241,242,243の端面同士を接続して、同様のリング状の上端部材24を完成させてもよい。この場合の上端部材24は、複数の接続部JT101、JT102、JT103を有することになる。
このように、上下端部材24,25、側面用軽量部材26、及び側面表面部材28,29は、夫々が円形のリング状となるように接続された一つ又は複数の材料からなっているため(曲げられた円形とされているため)、射出成型のように大きな円形の金型を作る必要がなく、低コスト化を図れる。また、射出成型では肉薄の幅広で大口径の部材(例えば厚みが1mm程しかない側面表面部材28,29)を形成するのが容易ではないが、上述した構成であれば肉薄の部材を容易に形成でき、もって飯台10の軽量化に資することもできる。
なお、図5及び図6(A)〜(C)では、各部材24〜26,28,29は、何れも1つ(1枚)の材料により形成されているが、直径1m程度の大きな飯台もあり、この大きな種類の飯台を製作する場合や、長さが長い材料が入手しづらい場合や、取り扱い上複数に分割した方が成形しやすい場合等には、例えば図6(D)(E)に示すようにリング状となるように接続された複数の材料からなってもよい(即ち、複数の材料を繋いで円形状にした構成にしてもよい)。
ところで、このように一つ又は複数の材料を繋ぎ合わせて円形のリング状を形成すると、上述した各部材24〜26,28,29には、それぞれ少なくとも一つ以上の接続部(繋ぎ目)JT1〜JT5が生じる。この接続部JT1〜JT5については、もしも、端部同士を重ね合わせて接続すると、接続部JT1〜JT5における側面部20の厚さが2倍となって、側面部20の外周に部分的に出っ張りや段差等を生じることになる。しかし、本実施形態では、接続部JT1〜JT5の夫々では、厚み方向に材料端部が重ね合わされることなく、材料の端面(例えば上端部材24の両端面240a,240b)同士が突き合わされた状態で接続されている(突き合わせ端面とされている)。従って、側面部20の表面に出っ張りや段差が作られることなく、木製飯台と同様のすっきりした外観を形成でき、また、円滑な表面として洗浄性に優れた飯台10とすることができる。
本実施形態の接続部JT1〜JT5における上記突き合わせた端面同士の詳細については、外観上大きな露出面積を有する側面表面部材28,29の接続部JT4、JT5の突き合わせ部分は熱融着で接続されているため、接続部が密着して接続が目立ちにくくなっている。これに対し、外観上の露出部分が少ない上下端部材24,25の接続部JT1,JT2と、露出部分が全く無い側面用軽量部材26の接続部JT3の突き合わせ部分は、接着剤で接続されている。これは、側面表面部材28,29と比較して目立ちづらい部位であるため、突き合わせ端面同士の間に介在する接着剤の層(厚さ)のバラツキ等で、突き合わせ間隔が広かったり狭かったりするバラツキ(隙間に見える現象)が生じても、許容され得るからである。
また、本発明はこれに限らず、接続部JT1〜JT5におけるいずれの端面同士も、熱融着での接続若しくは接着剤での接続いずれの接続方法も任意に選択できる。熱融着については、例えばヒーター加熱融着、温風加熱融着、超音波加熱融着、高周波加熱融着、等々の方法が適宜選択でき、また、接着剤については、安全性の高い接着剤が好ましく、例えばシリコン系、エポキシ系、ウレタン系、等の接着剤が適宜選択できる。
ここで、これら接続部JT1〜JT5の夫々の位置関係については、各部材24〜26,28,29の周方向(側面部20の円周方向)SPにおける位置が異なっている。即ち、各部材24〜26,28,29の接続部JT1〜JT5における突き合わせ端面は、互いに周方向SPにおける位置が同じにならないように、それぞれが異なる位置関係で接続されている。これは、突き合わせ端面同士が接続することで形成された接続部JT1〜JT5は他の部分に比べて強度的に弱いために、図のSP方向(「周方向」であり、以下、同様)の位置関係が同一であると、側面部20の周方向の同じ位置に応力が集中して容易に破損する可能性があるためであり、可能な限りこれらの接続部JT1〜JT5同士の位置が同一とならないよう互いにできるだけ離して位置させることが好ましい。これにより、各部材の互いの弱点を補完し合うことで全体の強度を確保している。
なお、図の接続部JT1〜JT5について、各部材24〜26,28,29につき一つの接続部を持つが、これら部材の接続部が複数である場合でも、その周方向の位置関係が同一とならないように配置することで、側面部20の強度の低下を防止することができる。
本実施形態では、接続部JT1〜JT5における突き合わせ端面の形状は、全て側面部20の高さH方向に略沿った垂直直線状に接続されている。
また、おおよそ、同様の接続面積を有する上端部材24の接続部JT1と下端部材25の接続部JT2は略対角方向であり、また、側面用軽量部材26の接続部JT3と側面表面部材28,29の外側又は内側の内いずれか一方との接続部(図の場合は外側の接続部JT4)も略対角方向であり、これらは接続位置が略々平均的に離れた位置関係となっている。なお、側面表面部材28,29の外側又は内側の内いずれか他方の接続部(図の場合は内側の接続部JT5)は、他のいずれの接続部とも周方向の位置が同じとはされていない。
〔飯台の製造工程〕
次に、上述のように側面部20の各部材24〜26,28,29を精密に所望の円形のリング状にし、接続部JT1〜JT5の位置を互いに異ならせるための飯台10の製造方法を、図3、図5、及び図6を参照しながら説明する。
本実施形態では、図5に示す側面部20と図3に示す底面部30とは個別に形成された後、側面部20の規定の位置に底面部30を固着して、飯台10を完成させる。
側面部20については、側面部20の外面20bの形状に対応した内面形状を持つ外型の内面側に、各部材24〜26,28,29を規定の順番で整列配置させる(ステップ1)。この際、各部材24〜26,28,29は、図6で説明したように必要によって専用の治具を用いて曲げ加工し、接着剤を塗布して両端面を突き合わせて円形のリング状とし、さらに、各部材同士の接続面にも接着剤を塗布した上で、外型に配置していく。
そして、各部材24〜26,28,29を順次配置していく際、図5に示す各接続部JT1〜JT5が上述したように周方向の位置が異なるように、例えば外型に設けられた目印を目安にして外型に配置していく。
次いで、側面部20の内面20aの形状に対応した外面形状を持つ内型を挿入して、ステップ1で整列させた各部材24〜26,28,29を外型と内型とで挟み込んで加圧する(ステップ2)。これにより、側面芯材部23の各部材24〜26の突き合わせ端面の接合が確実になると共に、側面表面部材28,29が側面芯材部23の主面両面に積層されて立体形状の概ねの側面部20が成型される(なお、「概ね」とは、積層方向の寸法は外型と内型とで精密に形成できるが、積層方向と直交する方向は精密ではないという意味である)。
なお、側面部20は部品点数が多い関係上、第1に側面芯材部23を成形した後、第2にこの側面芯材部23の両面に側面表面部材28,29を積層成形する、という2工程で製作してもよい。これによって、各部材24〜26,28,29間の接続精度が高められ、より正確で確実な飯台10が製作でき、また、歩留りも向上する。
このような側面部20の製造工程とは別に底面部30を形成する。
具体的には、底面部30は、底面部30の下面に対応した円形状の下型に、接着剤を塗布した図3に示す各部材34,36,38,39を整列配置する(ステップ1−1)。なお、底面部30の内の、底面用軽量部材36、及び底面表面部材38,39は平板状なので曲げ加工をする必要はないが、周縁部材34については、図6に示す上端部材24と同様に一つ又は複数の材料を曲げ加工してリング状にし、その端面に接着剤を塗布し、さらに、各部材同士の接続面にも接着剤を塗布した上で、下型に配置する。
次いで、下型に配置された各部材34,36,38,39を、底面部30の上面に対応した上型によって上部から加圧する(ステップ2−1)。これにより、底面芯材部33を構成する底面用軽量部材36の外周に周縁部材34が接合するとともに、底面表面部材38,39が底面芯材部33の両面に積層した概ねの底面部30が成型される(なお、「概ね」とは、積層方向の寸法は下型と上型とで精密に形成できるが、積層方向と直交する方向は精密ではないという意味である)。
このようにして別個に形成した概ねの側面部20と概ねの底面部30は、側面部20と底面部30の上記積層方向と直交する方向の部材(即ち、側面部20の図3の上下部分と底面部30の外周部分)を旋削して規定の大きさに整形し(ステップ3)、その後、側面部20の規定位置に底面部30を接着等の手段で固着し(ステップ4)、飯台10を完成させる。
ところで、側面部20は、3次元形状の外型と内型とによって成型されるため、底面部30に対して上方に向かうに従って外側に拡がる形態であるのが好ましい。これによって、当該外型と内型との加圧面が規定の角度で斜めとなり、斜めの成分をもって加圧するため、垂直方向への加圧の分力によって側面方向(図3の側面表面部材28,29と側面芯材部23とが並ぶ方向であり、以下、同じ)へも加圧され、外型と内型に挟まれる各部材の側面方向の積層成型が好ましくなる。そのため、底面部30に対する側面部20の成す角度θ1(図2参照)は91度〜115度の角度であるのが好ましく、さらに好ましくは93度〜110度の角度とされるのがよい。
本発明の第1実施形態は以上のように構成されており、飯台10は、全体を中実の合成樹脂で形成しておらず、側面部20及び底面部30の中央部の大半を各軽量部材26,36で構成し、小さな体積の上下端部24,25と周縁部材34、及び肉薄の各表面部材28,29,38,39だけを中実の合成樹脂で構成しているため、外形形状が木製飯台と略同じであっても、全体重量を木製飯台と略同等若しくはより軽量な合成樹脂製の飯台とすることができる。例えば本実施形態と同じ大きさの木製飯台の重量は約1.75kgであるのに対して、本実施形態での飯台10の総重量は約1.64kgである。その外観も木製飯台と見間違える形態であり、木製と同様の取扱い及び取り回しが可能である。
ところで、本実施形態では、図5に示すように、側面用軽量部材26、上下端部材24,25、及び側面表面部材28,29は、夫々、図6の如く一つ又は複数の材料でリング状に接続された一つの部材を構成しているが、本発明はこれに限られず、リング状に接続された複数の材料(即ち複数のリング状の材料)から一つの上記部材を構成してもよい。この場合、一つの部材は、側面部20の高さH方向に複数に分割された状態(即ち輪切り状の複数)で構成されることになる。そのため、各輪切り分割片の端面同士を突き合わせた接続部は、各部材24〜26,28,29につき複数存在する状態にあるが、可能な限りこれらの接続位置が周方向について同一とならないよう考慮し、全ての接続部の位置が略々平均的に離れた位置関係とするのがよい。このように側面部20の高さH方向に輪切り状に分割した複数の材料で構成する場合は、高さH方向の幅が広い、例えば側面用軽量部材26、側面表面部材28,29に適用するのが好ましい。
また、図3の側面用軽量部材26と底面用軽量部材36とでは、発泡倍率の異なる発泡体が用いられているが、本発明はこれに限られず、発泡倍率が同じ発泡体を用いて構わない。
ここで、本発明では、側面部20の、上下端部材24,25、側面用軽量部材26、及び側面表面部材28,29の何れの部材も、円形のリング状に形成された部材であればよく、例えば継ぎ目の無い一体的に成型された一体成形品による部材で構成してもよい。
また、図6で説明したような湾曲した短冊状の材料の端部同士を接続して円形のリング状とした部材で側面板20を構成する場合には、上記各部材24〜26,28,29の内の何れかの部材が、このような円形のリング状とするための接続部を有していればよく、必ずしも全部の部材が同様の接続部を有した部材で構成されていなくても構わない。
この場合、例えば、外観上可能な限り接続部の痕跡を残したくない場合等の側面表面部材28,29を、或いは、側面部20の強度をさらに向上させたい場合等の上下端部材24,25について、継ぎ目の無い一体的に成型された一体成形品を採用するのがよく、上記の接続部が無くなり外観上に違和感なく、また、強度的にも優れた部材にできるうえ、製造工程を簡略化することもできる。
〔第2実施形態〕
図7は本発明の第2実施形態に係る飯台12であり、図3に対応した拡大断面図である。
この図において、図1〜図6の飯台10と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図7の飯台12が上記した飯台と異なるのは、底面部30の構成と、この底面部30と側面部20との接続構造についてである。
すなわち、飯台12では、特に底面部30に関しての強度アップと取り付け保持力アップを目的とし、底面部30には、底面芯材部33と各底面表面部材38,39との間に、そのいずれの部材よりも強度の高い補強部材42が配設されている。
底面部30は、単なる平板状の形態であり、調理物の重量をほぼ100%受ける部分であり、また、熱い米飯が載せられて合成樹脂製の底面部30が軟化して剛性が低下する可能性もある。このため、底面芯材部33の主面の両面(上下両面)に補強部材42を配設して底面部30の強度向上を図っている。なお、補強部材42の上面側と下面側は同じ構成である。
補強部材42としては、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属板のほか、ガラス繊維、合成繊維等による繊維強化プラスチック板、さらに、紙基材、不織布基材、布基材等の繊維性基材にフェノール、メラミン、ポリエステル、エポキシ等による熱硬化性樹脂を含浸して硬化させた樹脂含浸硬化板、等が好ましく適用できる。これらの材料は、他の部材34,36,38,39に比べて剛性も高く、これにより、底面用軽量部材36の領域に杓文字を突き当てても、木製飯台と同様の感触を得られるようにしている。そして、これらの剛性の高い材料からなる補強部材42を、例えば0.1〜2mm程度の厚さで底面芯材部33の主面の両面に配置することで、底面部30の強度のアップを効率よく得ることができる。
なお、第2実施形態では、底面部30の底面用軽量部材(発泡体)36の発泡倍率と、側面部20の側面用軽量部材(発泡体)26の発泡倍率とは、同じ発泡倍率(例えば10倍)としている。これは、底面部30が上記補強部材42の採用で効率よく強度アップされるため、発泡体をより軽量として全体の重量増加を低減させるためである。
また、第2実施形態の側面部20は、その下側の内周面であって、下端部材25が存在する位置に、底面部30の周縁部材34と係合される適宜な形状の切り込み部40が形成されている。切り込み部40は円筒状の側面部20の内周面に形成されたリング状の窪みであり、この窪みと符合する形状に加工された周縁部材34の先端部分がその窪みに挿入して嵌合するようになっている。これにより、底面部30の側面部20への取り付け強度を確実なものとして、重量の大きな調理物に対する底面部30の保持力アップを図っている。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態に係る飯台14の側面部20の例であり、図5に対応した斜視図である。
この図において、図1〜図7の飯台10,12と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図8の飯台14の側面部20が上記した飯台10の側面部20と異なるのは、接続部JT1〜JT5の構成についてである。
すなわち、図8の側面部20では、接続部JT1〜JT5における突き合わせ端面の形状(例えば上端部材24の突き合せ端面240a,240b)が、図5の垂直直線状以外の突き合わせ形状の例を示し、接続部JT1〜JT5の夫々の突き合わせ端面が、高さH方向の位置によって周方向の位置が異なるようにしている。
図の場合は、例示として、上端部材24と下端部材25の突き合わせの端面は斜めに接続され、また、側面用軽量部材26の突き合わせ端面は斜めの階段状に接続され、また、側面表面部材28,29の突き合わせ端面はコの字の階段状に接続されている。
これにより、図5の垂直方向の直線的接続に比較して、各接続部JT1〜JT5の夫々においても、突き合わせ端面の幅(距離)が周方向へ拡がるため、周方向にかかる応力の集中を拡幅分散させて、側面部20の全体強度を向上できる。なお、接続部JT1〜JT5同士の周方向の位置関係についても、上述したように、可能な限り同一とならないよう考慮し、全ての構成材料の接続位置が略々平均的に離れた位置関係とするのがよい。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、一つ又は複数の材料を接続して円形のリング状を形成するようにした各部材24〜26,28,29の夫々の繋ぎ目である接続部JT1〜JT5については、接着剤を主体として突き合せ端面(例えば図6の240a,240b)同士を接続しているが、外観上と強度上の観点と成形性の観点から、突き合せ端面同士を予め熱融着を主体として接続するようにしてもよい。
或いは、射出成型等の合成樹脂の成型加工手段によって、接続部JT1〜JT5を持たない円形状に一体成形した成形品で各部材24〜26,28,29を構成してもよく、飯台の製造が容易となる。
さらに、接続部を持たない部材と接続部を持つ部材を組み合わせて本発明の側面部20を構成するようにしてもよい。
例えば、側面表面部材28,29は外観上目立つ部位であるため、突き合せ端面同士に若干の隙間が発生することは外観上商品価値を下げることになるため、接続部JT4,JT5(図5参照)を持たない材料で構成してもよく、或いは、側面部20の強度をさらに向上させたい場合には、上下端部材24,25について、接続部JT1,JT2を持たない材料で構成して、強度的に優れた側面部としてもよい。
また、外観上、上下方向から見えることになる側面部20の上下端部材24,25と側面表面部材28,29については、適宜着色したり絵柄等の装飾手段を設けたりすることで、木製飯台との違和感をより軽減してもよい。
また、内側の側面表面部材29は洗浄性の観点等から円滑な表面であるのが好ましいが、外側の側面表面部材28については、サンドブラスト等で表面処理をして粗面にしてもよい。これにより、外側表面に風合いを出し、また、滑り止めとすることもできる。
10,12,14・・・飯台、20・・・側面部、23・・・側面芯材部、24・・・上端部材、25・・・下端部材、26・・・側面用軽量部材、28,29・・・側面表面部材、30・・・底面部、33・・・底面芯材部、34・・・周縁部材、36・・・底面用軽量部材、38,39・・・底面表面部材

Claims (5)

  1. 上面が開放された円筒状の側面部と、前記側面部の内側に配置されて底面を構成する底面部とを有し、前記底面部の上で主に酢飯を調理するための飯台であって、
    前記側面部は、その上下端部に配置された合成樹脂製の上下端部材と、この上下端部材に比べて比重が小さい側面用軽量部材とからなる側面芯材部を有し、さらに、この側面芯材部の主面の両面に配置された合成樹脂製の側面表面部材を有しており、
    前記底面部は、その周縁部に配置された合成樹脂製の周縁部材と、この周縁部材に比べて比重が小さい底面用軽量部材とからなる底面芯材部を有し、さらに、この底面芯材部の主面の両面に配置された合成樹脂製の底面表面部材を有する
    ことを特徴とする飯台。
  2. 前記側面部の、前記上下端部材、前記側面用軽量部材、及び前記側面表面部材の内の何れか又は全部は、夫々が一つ又は複数の材料の端面同士を繋ぎ合わせて円形のリング状となるための接続部を有し、前記接続部前記材料の端部同士が厚み方向に重ね合わされることなく前記端面同士が突き合わされた状態で接続されていることを特徴とする請求項1の飯台。
  3. 前記上下端部材、前記側面用軽量部材、及び前記側面表面部材は、前記リング状の周方向における夫々の前記接続部の位置が異なっていることを特徴とする請求項2の飯台。
  4. 前記側面部は、前記底面部に対応した領域から上方へ向かうに従って外側となるように傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の飯台。
  5. 前記底面芯材部と前記底面表面部材との間、及び/又は、前記側面芯材部と前記側面表面部材との間には、いずれの部材よりも強度の高い補強部材が配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の飯台。
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