JP6791782B2 - 超電導機器の端末構造 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導機器の端末構造に関する。
特許文献1に開示される超電導ケーブルの端末構造は、端末処理したケーブルコアに備える超電導導体の端部と、この端部に電気的に接続される常電導リードと、これらの接続箇所の外周を覆うと共に液体窒素などの冷媒が充填される断熱構造体とを備える。
上記断熱構造体は、ケーブル側断熱容器と、リード側断熱容器と、絶縁部材とを備える。ケーブル側断熱容器は、超電導ケーブルに備えるケーブル断熱管における常電導リード側の端部に設けられる。リード側断熱容器は、常電導リードにおける超電導ケーブル側の端部を覆うように設けられる。絶縁部材は、接地されているケーブル断熱管に接続されて接地電位であるケーブル側断熱容器と、高電位であるリード側断熱容器との間に必要な絶縁性能が得られるように介在される。
特開2013−059211号公報
超電導機器の端末構造の更なる低損失化、小型化が望まれている。
常電導リードなどの常電導材料から構成される部分は、通電によって発熱する。常電導部が多いほど発熱量が多く、この発熱は熱損失となる。上述の超電導導体の端部と常電導リードとの接続箇所を断熱容器に収納する従来の構成では、ケーブルコアの端末処理部分における電流が流れ得る常電導部分、上記接続箇所、及び常電導リードの三者が発熱する。これらの発熱によっても断熱容器内の冷媒が所定の温度を維持できるように、冷凍機などの冷却設備容量を確保し、冷凍機などを制御する必要があり、これらの発熱(損失)をより低減する構成が望まれる。
また、ケーブルコアの端末処理部分と常電導リードとの接続箇所の外周に断熱容器を構築する従来の構成では、端末構造が大型化し易い。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、低損失で、小型にできる超電導機器の端末構造を提供することにある。
本開示に係る超電導機器の端末構造は、超電導機器に備える超電導導体の端部と、前記超電導導体の端部に取り付けられた端末スリーブ部と、前記端末スリーブ部を介して前記超電導導体に電気的に接続されると共に、常電導機器に電気的に接続される電流リードと、前記超電導導体の端部を収納し、前記超電導導体を冷却する冷媒が充填される端末冷媒槽と、前記端末冷媒槽から前記電流リードの少なくとも一部に亘って設けられる端末断熱部とを備える。
前記端末冷媒槽は、前記端末スリーブ部と電気的に接続されて高電位領域を形成する先端側冷媒槽と、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽と、前記先端側冷媒槽と前記根元側冷媒槽とを電気的に絶縁する電気絶縁部とを備える。
前記端末断熱部は、前記根元側冷媒槽の外周に設けられる接地側断熱部と、前記電気絶縁部を介して前記接地側断熱部と分断され、前記先端側冷媒槽の外周から前記電流リードの外周に設けられる高電位側断熱部とを備える。
前記端末スリーブ部は、前記端末冷媒槽の内外に亘って設けられ、前記超電導導体との接続箇所が前記端末冷媒槽内に配置され、前記電流リードとの接続箇所が前記端末冷媒槽外に配置されている
上記の超電導機器の端末構造は、低損失で、小型にできる。
実施形態1の超電導機器の端末構造の縦断面を示す概略構成図である。 実施形態1の超電導機器の端末構造に備える低温絶縁型の超電導ケーブルの一例を示す横断面である。 実施形態2の超電導機器の端末構造の縦断面を示す概略構成図である。 実施形態3の超電導機器の端末構造の縦断面を示す概略構成図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る超電導機器の端末構造は、超電導機器に備える超電導導体の端部と、上記超電導導体の端部に取り付けられた端末スリーブ部と、上記端末スリーブ部を介して上記超電導導体に電気的に接続されると共に、常電導機器に電気的に接続される電流リードと、上記超電導導体の端部を収納し、上記超電導導体を冷却する冷媒が充填される端末冷媒槽と、上記端末冷媒槽から上記電流リードの少なくとも一部に亘って設けられる端末断熱部とを備える。
上記端末冷媒槽は、上記端末スリーブ部と電気的に接続されて高電位領域を形成する先端側冷媒槽と、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽と、上記先端側冷媒槽と上記根元側冷媒槽とを電気的に絶縁する電気絶縁部とを備える。
上記端末断熱部は、上記根元側冷媒槽の外周に設けられる接地側断熱部と、上記電気絶縁部を介して上記接地側断熱部と分断され、上記先端側冷媒槽の外周から上記電流リードの外周に設けられる高電位側断熱部とを備える。
上記端末スリーブ部は、上記端末冷媒槽の内外に亘って設けられ、上記超電導導体との接続箇所が上記端末冷媒槽内に配置され、上記電流リードとの接続箇所が上記端末冷媒槽外に配置されている。
上記の超電導機器の端末構造は、端末スリーブ部と電流リードとの接続箇所だけでなく、電流リードの全体が端末冷媒槽に収納されずに端末冷媒槽外に露出されている。そのため、常電導リードの端部が冷媒容器に収納された従来の構成などに比較して、上記の超電導機器の端末構造は、冷媒に浸漬される常電導部分が少なく、熱損失を低減できて低損失である。
また、上記の超電導機器の端末構造では、端末スリーブ部と電流リードとの接続箇所が端末冷媒槽外に配置されるため、この接続箇所を温度勾配の形成に利用できる。そのため、電流リードの長さを上述の従来の構成などに備える常電導リードよりも短くでき、上記の超電導機器の端末構造は、小型にできる。
更に、上記の超電導機器の端末構造は、端末冷媒槽に電気絶縁部を備えて、端末冷媒槽における高電位領域と接地電位領域とを電気的に絶縁できる。
その他、上記の超電導機器の端末構造は、端末スリーブ部と電流リードとの接続を端末冷媒槽外で行えて両者を容易に接続できる点、端末スリーブ部と電流リードとの接続箇所を端末冷媒槽外に備えるため端末冷媒槽を形成し易い点などから、施工性にも優れる。
(2)上記の超電導機器の端末構造の一例として、上記超電導機器が超電導ケーブルである形態が挙げられる。
上記形態は、上述のように低損失で小型な超電導ケーブルの端末構造とすることができ、低損失な超電導ケーブルシステムの構築に寄与できる。
(3)上記の超電導機器の端末構造の一例として、上記電流リードは環状のリード本体を備える形態が挙げられる。
上記形態は、特に大電流の交流送電用途の超電導機器の端末構造である場合に損失を効果的に低減できて、低損失である。
(4)上記の超電導機器の端末構造の一例として、上記(3)の環状のリード本体を備える場合に、上記接続箇所が上記端末スリーブ部と上記リード本体とが直接接続されている形態が挙げられる。
上記形態は、部品点数が少なくより小型にし易い上に、工程数を低減できて施工性に優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下に図面を参照して、本発明の実施形態の具体例を説明する。図において同一符号は同一名称物を意味する。実施形態1〜実施形態3では、超電導機器の端末構造として、超電導ケーブルの端末構造を説明する。
[実施形態1]
・端末構造の全体構成
図1,図2を参照して、実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aを説明する。以下の説明では、各構成部材における超電導ケーブルに近い側をケーブル側、常電導機器に近い側を機器側と呼ぶことがある。
実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aは、図2に示す低温絶縁型の超電導ケーブル100に備える超電導導体の端部(この例ではケーブルコア110に備える超電導導体層112の端部)と、超電導導体層112と常温環境で利用される常電導機器(図示せず)の常電導導体とに電気的に接続される電流リード20Aとを備える。常電導機器は、保護機器や遮断器などで構成される変電設備、地中ケーブルや架空送電線などの常電導ケーブルなどが挙げられる。
更に、実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aは、超電導導体層112の端部に取り付けられた端末スリーブ部10と、超電導導体層112の端部を収納し、超電導導体層112を冷却する冷媒130が充填される端末冷媒槽30と、端末冷媒槽30から電流リード20Aの少なくとも一部に亘って設けられる端末断熱部40とを備える。電流リード20Aは、端末スリーブ部10を介して超電導導体層112に電気的に接続される。端末冷媒槽30は、端末スリーブ部10と電気的に接続されて高電位領域を形成する先端側冷媒槽32と、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽34と、両冷媒槽32,34とを電気的に絶縁する電気絶縁部35とを備える。端末スリーブ部10は、端末冷媒槽30の内外に亘って設けられており、超電導導体層112との接続箇所(ここでは低温側端部14)が端末冷媒槽30内に配置されている。
実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aは、端末スリーブ部10における電流リード20Aとの接続箇所(ここでは機器側端部12)及び電流リード20Aが端末冷媒槽30外に配置されている点を特徴の一つとする。以下、図2を参照して、まず超電導ケーブル100を説明し、次に端末構造1Aの詳細な構成及び効果を説明する。
・超電導ケーブル
超電導ケーブル100は、フォーマ111の外周に設けられた超電導導体層112を有するケーブルコア110と、コア110を収納する断熱管120とを備える。この例に示すコア110は、中心から順にフォーマ111、超電導導体層112、電気絶縁層113、遮蔽層114、保護層115を同軸状に備える。ここでは、超電導ケーブル100は、1本のコア110が一つの断熱管120に収納された単心ケーブルであると共に、超電導導体層112と共に電気絶縁層113が断熱管120に収納されて、双方が冷媒130に冷却される低温絶縁型の超電導ケーブルであるものを例示する。例えば、このような単心ケーブルを3本布設して、各ケーブルを各相の送電に利用する三相交流送電路などを構築することができる。超電導ケーブル100は公知の構成を利用できる。以下に、ケーブルコア110の一例を説明する。
・・ケーブルコア
・・・フォーマ
フォーマ111は、超電導導体層112を支持する機能を有する。この例のフォーマ111は、金属パイプなどの中空体であり、その内部空間を冷媒130の流路に利用する。冷媒130は、液体窒素などの液体冷媒が代表的である。その他のフォーマ111として、撚線などを用いた中実体などが挙げられる。
・・・超電導導体層
超電導導体層112は、フォーマ111の外周に超電導線材をヘリカル巻きして形成された少なくとも1層の線材層を備える超電導導体である。超電導線材は、例えばBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材などの酸化物超電導体を備えるテープ状線材が挙げられる。図1の超電導導体層112は、複数の線材層が積層された例を示す。積層数は適宜変更できる。フォーマ111と超電導導体層112との間には、適宜、クッション層などを設けることができる。
・・・電気絶縁層
電気絶縁層113は、超電導導体層112とその外部との電気的絶縁を確保する。電気絶縁層113は、絶縁材からなるテープを超電導導体層112の外周に巻回して積層することで形成される。絶縁材は、例えば、クラフト紙やPPLP(登録商標;Polypropylene Laminated Paper)といった半合成紙などの絶縁紙が挙げられる。
・・・遮蔽層
遮蔽層114は、電気絶縁層113の外周に設けられて電界遮蔽を行う。遮蔽層114は、銅やアルミニウム、金属化紙、金属化カーボンといった常電導材料からなるテープや線材などを巻回することで形成される。
・・・保護層
保護層115は、ケーブルコア110の最外周に配置され、その内側に配置された部材(特に超電導導体層112)の機械的保護、遮蔽層114と断熱管120との間の電気的絶縁の確保を目的として設けられる。保護層115は、上述の絶縁紙を遮蔽層114の外周に巻回して積層することで形成される。
その他、ケーブルコア110は、電気絶縁層113の外周に外側超電導層(図示せず)を備えることができる。外側超電導層は、上述の超電導線材をヘリカル巻きして形成することができる。外側超電導層は、例えば、交流送電用途では磁気遮蔽層に利用でき、この場合、遮蔽層114の構成部材とすることができる。
・・断熱管
断熱管120は、内管121と外管122とを有する二重構造管であり、内管121と外管122との間の空間を真空断熱層とする断熱管である。内管121の内部空間は、ケーブルコア110の収納空間であると共に、超電導導体層112の超電導状態を維持するための冷媒130が流通される流路(この例では復路)に利用される。内管121及び外管122は、ステンレス鋼などの金属製のコルゲート管などが挙げられる。この例に示す断熱管120は、内管121と外管122との間にスーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材(図示せず)を備えており、より高い断熱性を有する。断熱管120の外管122の外側には、ビニルやポリエチレンなどの防食材から構成される防食層124を備える。
・超電導ケーブルの端末構造
上述の超電導ケーブル100と常電導機器とを接続する場合に、超電導ケーブル100の端部に例えば図1に示す超電導ケーブルの端末構造1Aを構築する。端末構造1Aは、断熱管120の端部から露出されたケーブルコア110に備える超電導導体層112と電流リード20Aとを電気的に接続して、低温側と機器側との間の電力の授受を可能にする。この端末構造1Aの端末断熱部40は、端末冷媒槽30のうち、コア110の根元側を収納し、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽34の外周に設けられる接地側断熱部43と、コア110の先端側を収納し、高電位領域を形成する先端側冷媒槽32から電流リード20Aに亘って設けられる高電位側断熱部45とを備える。高電位側断熱部45は、電気絶縁部35を介して接地側断熱部43と分離される。この例の高電位側断熱部45は、先端側冷媒槽32の外周に設けられる先端側断熱部450と、電流リード20Aの外周に設けられる引出側断熱部(ここでは常温側断熱部452,中間断熱部454)とを備える。これら先端側断熱部450と中間断熱部454とは重複して配置されて重複領域46を形成する。端末構造1Aは、超電導導体層112の端部の外周に端末冷媒槽30と、端末断熱部40とを備えることで、超電導導体層112の超電導状態を維持できる。また、端末構造1Aは、コア110の端部において段剥ぎなどの端末処理された部分に取り付けられた端末スリーブ部10の一端部(後述する低温側端部14)を端末冷媒槽30に収納し、電流リード20Aを端末冷媒槽30に収納しない。こうすることで、端末構造1Aは、冷媒130を所定の温度に維持しつつ、電流リード20Aに適切な温度勾配を設けられる。以下、主として図1を参照して、端末構造1Aに備える各要素を順に説明する。
・・ケーブルコア
断熱管120の端部から出されたケーブルコア110の端部に端末処理が施されて、フォーマ111、超電導導体層112が順に露出されている。
・・端末スリーブ部
端末スリーブ部10は、ケーブルコア110における上述の端末処理部分であって、超電導導体層112の端部に取り付けられる常電導部材である。端末スリーブ部10は、超電導導体層112に接続され、端末冷媒槽30内に収納される低温側端部14と、端末冷媒槽30に収納されず端末冷媒槽30外に配置される機器側端部12とが一体に成形されている。
低温側端部14は、超電導導体層112との接続箇所として利用され、ケーブルコア110の端部のうち、フォーマ111の端部及び超電導導体層112の端部を嵌め込むスリーブ穴14hを有する有底筒状である。スリーブ穴14hの内面は、フォーマ111が固定されると共に、ハンダなどの適宜な接合材によって超電導導体層112と端末スリーブ部10とが電気的に接続される。フォーマ111と端末スリーブ部10との固定には、圧縮接続などを利用してもよい。低温側端部14は、超電導導体層112との接続に必要な領域を備えていれば図1に示すようにできるだけ小さく(短く)することが好ましい。こうすることで、低温側端部14は端末冷媒槽30内の冷媒130に浸漬されるものの、熱損失を低減できるからである。小型化の観点からも、低温側端部14は小さい(短い)ことが好ましい。
この例の端末スリーブ部10は、スリーブ穴14hに連通して、外部に開口する冷媒孔hrが設けられている。そのため、超電導ケーブルの端末構造1Aは、フォーマ111の内部と端末冷媒槽30の内部との間で連通する冷媒流路を備える。図1,後述する図3,図4の白抜き矢印は、冷媒130の流れ方向の一例を示す。
機器側端部12は、端末冷媒槽30外に配置されて電流リード20Aとの接続箇所として利用される。機器側端部12は、電流リード20Aを接続可能であればよく、その形状は特に問わない。例えば、平板状や角柱状とすると、接続面積を十分に大きく確保できる上に、電流リード20Aを例えばボルトなどで固定する際に安定して固定できる。
・・電流リード
電流リード20Aは、常電導材料で構成されて、冷媒温度から常温までの温度勾配の形成に用いられる部材である。電流リード20Aは、無負荷では常温端の温度が過度に低くならず、負荷時には温度上昇が過大にならない導体であり、運用形態に対応した低損失化や設置条件に対応するための寸法などに設計される。この例では、機器側に配置される棒状のリード本体22Aと、リード本体22Aと端末スリーブ部10との間に介在されて両者を接続する接続部材24とを備える。リード本体22A及び接続部材24は、端末冷媒槽30外に配置されるため、端末冷媒槽30への収納長さが不要であり、上述の条件などによって設計された長さに調整される。リード本体22A及び接続部材24は冷媒130に直接接触せず、端末スリーブ部10を介して冷媒130に熱を伝え得る。
・・・接続部材
接続部材24は、所定の電流を流すことができれば、棒材などの剛性材でも、編組材などの可撓性材でもいずれでも利用できる。接続部材24と端末スリーブ部10の機器側端部12との接続、接続部材24とリード本体22Aとの接続には、図1に示すボルトなどの締結部材を用いたり、マルチバンドと呼ばれるばね接点を備える部材を用いたりなど種々の接続方法を利用できる。リード本体22Aとは独立した接続部材24を備えることで、(a)端末スリーブ部10とリード本体22Aとを接続し易い、(b)接続箇所の構築時に生じ得る寸法誤差などを接続部材24によって吸収できる、(c)常電導機器の接続位置への対応(角度を付けるなど)を容易にする、などを期待できる。
・・・リード本体
リード本体22Aは、上述の条件などによって設計された導体断面積、長さ、形状に形成される。代表的には、リード本体22Aは、常電導機器に接続される一端側の領域が外部環境温度(例えば常温)になり、他端側の領域が上記一端側の領域の温度よりも低い所定の温度になるように設計される。リード本体の形状は適宜変更でき(後述の実施形態参照)、ここでは簡略的に棒状体を例示するが、上述のように常電導機器の位置に応じて、その形状を適宜変更できる。
リード本体22A及び接続部材24は、その外周を高電位側断熱部45の一部(ここでは引出側断熱部)に囲まれる。図1の例示のように引出側断熱部を複数に分割して、各断熱部452,454の断熱性能を異ならせると、電流リード20Aの温度を調整し易い。
・・端末冷媒槽
端末冷媒槽30は、例えば、超電導ケーブル100の断熱管120の端部を封止する封止部材(図示せず)に重複して、端末スリーブ部10の中間領域に至るように設けられて、超電導導体(超電導導体層112)を冷却する冷媒130が充填される容器である。
端末冷媒槽30は、高電位である超電導導体層112の端部を収納する先端側冷媒槽32と、超電導導体層112の先端よりも根元側領域を収納する根元側冷媒槽34と、両冷媒槽32,34間に介在される電気絶縁部35とを備える。先端側冷媒槽32は、超電導導体層112に電気的に接続される端末スリーブ部10とフランジ部36などを介して電気的に接続されて高電位である。根元側冷媒槽34は、接地電位である超電導ケーブル100の断熱管120に電気的に接続されて接地電位である。電気絶縁部35は、高電位領域を形成する先端側冷媒槽32と、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽34とを電気的に絶縁する。この例の端末冷媒槽30は、その端部に設けられたフランジ部36によって密閉されて、その内部を断熱管120の内管121(図2)と連通する冷媒通路とする。冷媒槽32,34の構成材料には、ステンレス鋼などの金属などが利用できる。
この例の電気絶縁部35は、先端側冷媒槽32と根元側冷媒槽34との間、及び後述する先端側真空槽42と根元側真空槽44との間に介在されて、先端側の槽32,42と根元側の槽34,44とを電気的に絶縁する。電気絶縁部35の内周面は冷媒流通路の一部を構成し、外周面は根元側真空槽44に連続する。
電気絶縁部35は、上述の所定の絶縁を確保できれば、適宜な構成材料、形状、大きさとすることができる。電気絶縁部35の構成材料は、電気絶縁性に優れ、冷媒温度に対する耐低温脆性を有するもの、例えば、エポキシ樹脂やナイロン6などの樹脂、繊維強化プラスチックといった断熱性や強度に優れる複合材料などが挙げられる。その他、外部閃絡対策として、電気絶縁部35の外側に碍管を設けることができる。
・・端末断熱部
超電導ケーブルの端末構造1Aは、接地側断熱部43と高電位側断熱部45とを備える。この例では更に高電位側断熱部45が複数に分割され、各断熱部の一部が重複して設けられている。端末断熱部40を複数の断熱部43,45(450,452,454)の組み合わせとすることで、各断熱部の断熱性能を異ならせたり、電気絶縁部35を介在させたり、端末スリーブ部10と電流リード20Aとの組物の外周に端末断熱部40を形成したりすることなどを容易に行えて、施工性に優れる。かつ、各断熱部の一部を上記組物の径方向に重複して設けることで(重複領域46,435,455などを備えることで)、低温から常温までの温度差がある領域を横断して存在する部材(主に金属部材)を介しての侵入熱を低減できる。上述の重複領域46,435,455のうち、少なくとも一つを省略することができる。この場合、構成部材の簡略化を図ることができる。
・・・接地側断熱部
端末冷媒槽30の外周のうち、ケーブル側領域に設けられる接地側断熱部43は、この例では真空断熱層を備える。高い断熱性能を有する真空断熱層(高真空層)を有することで、冷媒130への侵入熱を小さくできる。接地側断熱部43は、根元側冷媒槽34の外周に根元側真空槽44を備え、電気絶縁部35と両槽34,44とで囲まれる空間を真空引きしている。根元側真空槽44及び後述する先端側真空槽42の構成材料には、ステンレス鋼などの金属などが利用でき、両槽34,44間、両槽32,42間に上述の断熱材などを配置すると断熱性を高められる。
・・・高電位側断熱部
高電位側断熱部45は、この例では、端末冷媒槽30の外周のうち、機器側に設けられる先端側断熱部450と、電流リード20Aの外周に設けられる引出側断熱部とを備える。先端側断熱部450は、電気絶縁部35を介して上述の接地側断熱部43と分断される。この先端側断熱部450は、上述の先端側冷媒槽32の外周に先端側真空槽42を備え、電気絶縁部35と両槽32,42の間とで囲まれる空間を真空引きしている。この例では、上述の接地側断熱部43の一部と先端側断熱部450の一部とがケーブルコア110の径方向に重複されており、重複領域435を形成する。
この例では、電流リード20Aの外周を囲む引出側断熱部は、上述のリード本体22Aの外周を覆う常温側断熱部452と、上述の接続部材24の外周を覆う中間断熱部454とを備える。この中間断熱部454の一部と先端側断熱部450の一部とがケーブルコア110の径方向に重複して設けられ、重複領域46を形成する。また、両断熱部452,454の一部が上記径方向に重複して設けられ、重複領域455を形成する。重複領域455を備えると、電流リード20Aの温度を所定の値に調整して、霜付きを抑制することに有効である。重複領域455の長さは適宜調整するとよい。この例のように先端側断熱部450の機器側領域を中間断熱部454のケーブル側領域で覆って重複させる構成は、施工性に優れる。その他、両断熱部450,454を重複させずに接続して、この接続箇所の外周を覆う断熱部を別途備えることができる。
引出側断熱部は、例えば、非真空断熱層とすることができる。非真空断熱層とすると、構造の簡略化によって施工性に優れる上に、低コスト化が期待できる。非真空断熱層の構成材料は、例えば、ポリウレタンなどの固体熱絶縁体が挙げられ、シート材を巻回したり、複数の分割材を組み合わせたりすることが挙げられる。両断熱部452,454の固体熱絶縁体の材質や厚さなどを異ならせて、両者の断熱性能を異ならせることができる。又は、非真空断熱層は、大気圧よりも圧力が低い減圧層とすることができる。
又は、引出側断熱部は、例えば、真空断熱層とすることができる。この場合、断熱性能を高められる。また、この場合、両断熱部452,454はそれぞれ、上述の接地側断熱部43と同様に二重槽とすることが挙げられる。
又は、両断熱部452,454の断熱構造を異ならせることができる。例えば、端末冷媒槽30に近い中間断熱部454を真空断熱層とし、常温環境に近い常温側断熱部452を非真空断熱層にすることができる。図1は、中間断熱部454が、内側槽45i及び外側槽45oの二重槽と、その間に設けられる真空断熱層とを備え、常温側断熱部452が非真空断熱層を備える例を示す。この常温側断熱部452は、リード本体22Aの外周に配置された固体熱絶縁体によって形成される。この常温側断熱部452のケーブル側端部を囲むように、中間断熱部454の二重槽の機器側端部を配置している。
その他、引出側断熱部が、電流リード20Aの周囲(図1では接続部材24の周囲)に気相空間を有するように構築されている場合、冷媒130の導入時に気相空間内の気体が液化しない構成とすることが好ましい。例えば、気相空間(図1では内側槽45i)内を大気圧よりも圧力が低い減圧層としたり、水分を除去した乾燥空気、窒素ガスなどの不活性ガスや絶縁ガスなどを大気圧で充填したガス処理層としたりすることなどが挙げられる。密閉された上記気相空間に大気圧のガスが充填された状態で、冷媒130を導入して気相空間内の温度が低下すると、大気圧よりも圧力が低い負圧状態になって、液化温度(又は沸点)が下がってガスの液化を防止し易い。この液化防止の構成は、引出側断熱部が上述の二重断熱槽といった密閉容器を備える場合は勿論、固体熱絶縁体によって密閉した気相空間が形成される場合にも適用できる。又は、電流リード20Aの周囲に上述の固体熱絶縁体などが充填されて、気相空間が実質的に存在しない構成とすることができる。例えば、接続部材24からリード本体22Aに亘って、その外周に固体熱絶縁体が充填されてなる常温側断熱部452を備える形態などとすることができる。
・超電導ケーブルの端末構造の製造方法
上述の実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aは、例えば、以下のコアの端末処理工程と、コアと端末スリーブ部との接続工程と、端末冷媒槽の形成工程と、電流リードの接続工程と、引出側断熱部の形成工程とを備える製造方法によって構築できる。以下、各工程の概略を述べる。
・・コアの端末処理工程
超電導ケーブル100の端部において断熱管120から所定の長さのケーブルコア110を出して段剥ぎなどして、フォーマ111、超電導導体層112などを順に露出する。断熱管120は、例えば、その端部を封止部材などで封止して真空断熱層を形成しておくと、後述の根元側冷媒槽34などの接続を容易に行えて施工性に優れる上に、断熱性能に対する信頼性にも優れる。その他、断熱管120内に窒素ガスなどを充填して、外部から水分が浸入しないようにして、両槽34,44などを接続した後真空引きして接地側断熱部43と連通する真空断熱層を備える形態とすることができる。
・・コアと端末スリーブ部との接続工程
端末スリーブ部10を用意して、低温側端部14のスリーブ穴14hにケーブルコア110の端末処理部分を挿入し、超電導導体層112の端部と端末スリーブ部10とを接続する。
・・端末冷媒槽の形成工程
断熱管120の端部から端末スリーブ部10の中間領域に至り、これらを覆うように端末冷媒槽30を構築する。この例では、フランジ部36と先端側冷媒槽32及び先端側真空槽42と根元側冷媒槽34及び根元側真空槽44と電気絶縁部35とを一体化した一体筒部材を形成しておく。各二重槽間は真空引きする。例えば、断熱管120の端部に設けた上述の封止部材を介して根元側冷媒槽34の一端部を重複させて接続して、上記の一体筒部材を収納対象の外周に配置して液密に接続する。液密・気密な接続には、気密シール材を用いたり、適宜な箇所を溶接などしたりするとよい。
・・電流リードの接続工程
リード本体22A及び接続部材24を用意して、端末スリーブ部10の機器側端部12と接続部材24の一端部とを接続し、接続部材24の他端部とリード本体22Aの端部とを接続する。この工程では、端末スリーブ部10の機器側端部12が端末冷媒槽30から突出している上に、接続部材24及びリード本体22Aが端末冷媒槽30及び引出側断熱部などに覆われていないため、この接続作業を容易に行える。
・・引出側断熱部の形成工程
リード本体22Aの外周を覆うように常温側断熱部452を設ける。図1に示すような棒状のリード本体22Aであれば、固体熱絶縁体などを容易に取り付けられる。接続部材24との接続前に、常温側断熱部452を形成してもよい。常温側断熱部452の端部及び接続部材24の外周を覆うように中間断熱部454を形成する。
以上の工程を終えたら、冷媒130を導入して超電導導体層112を超電導状態に維持することで、超電導ケーブル線路を運転でき、常電導機器との間で電力の授受を行える。
・効果
実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1Aは、電流リード20Aが端末冷媒槽30に収納されず、端末構造1Aにおける冷媒130に浸漬される常電導部分が少ない。この例では、ケーブルコア110に備えるフォーマ111などの常電導部分を除き、超電導導体層112に接触する端末スリーブ部10の低温側端部14程度である。従って、端末構造1Aは、この端末構造1Aに備える常電導部分の発熱に起因する熱損失が少なく低損失である。この端末構造1Aを備えることで、低損失な超電導ケーブルシステムを構築できる。
また、超電導ケーブルの端末構造1Aは、接続部材24を冷媒温度から常温までの間の温度勾配の形成部材として機能させられて、その分だけリード本体22Aを上述の従来の構成に備える常電導リードよりも短くでき、より小型にできる。
更に、超電導ケーブルの端末構造1Aは、電流リード20Aと端末スリーブ部10とが端末冷媒槽30に収納されておらず、両者の接続を端末冷媒槽30外で行える点、端末冷媒槽30自体を形成し易い点などから施工性にも優れる。
加えて、この例の超電導ケーブルの端末構造1Aは以下の効果を奏する。
(1)端末断熱部40の少なくとも一部に非真空断熱層を備えることで、施工性に優れる。
(2)接続部材24を備えることで、端末スリーブ部10とリード本体22Aとを容易に接続でき、施工性に優れる。
(3)引出側断熱部を有しない状態で端末スリーブ部10と電流リード20Aとを接続でき、施工性に優れる。
以下、図3を参照して、実施形態2の超電導ケーブルの端末構造1B、図4を参照して、実施形態3の超電導ケーブルの端末構造1Cを説明する。実施形態2,3の超電導ケーブルの端末構造1B,1Cの基本的構造は、実施形態1と同様であり、主な相違点は電流リード20B,20Cが環状のリード本体22B,22Cを備える点にある。以下、相違点を詳細に説明し、実施形態1と重複する構成及び効果は詳細な説明を省略する。
[実施形態2]
電流リード20Bは、環状のリード本体22Bと、接続部材24とを備える。この例の常温側断熱部452は、環状のリード本体22Bの外周を覆う筒状の外側断熱部452oに加えて、リード本体22Bの内側に柱状の内側断熱部452iを備え、両断熱部452i,452oはリード本体22Bの実質的に全長に亘って重複して設けられている。外側断熱部452oのケーブル側端部は、中間断熱部454(内側槽45iと外側槽45oとの二重槽)に重複して設けられ、重複領域455を形成する。
環状のリード本体22Bは、例えば、銅線といった常電導材料からなる素線の外周に絶縁被覆を施してなる被覆導線を複数撚り合わせた複数の撚線構造体を同心円状などの環状に配置することで構成することが挙げられる。中心線を繊維強化プラスチックなどの低熱伝導性な非導電材で構成し、外周線を被覆導線で構成した撚線構造体などとすると、熱損失をより低減できる。電流リード20Bは、複数の撚線構造体を支持し、電流経路として接続される台座220を備えると、環状に配置した複数の撚線構造体を一体に取り扱えて施工性に優れる。図3に示す台座220は、一面に環状に配置される複数の撚線構造体の支持部を備える板部と、板部の他面から突出し接続部材24に接続される接続突部とを備える。リード本体22Bを複数の撚線構造体で構成すると、リード本体22Bの均流化、抵抗の交直比の低減による損失の低減(特に交流送電時の損失)を期待できる。
内側断熱部452i,外側断熱部452oは、上述の非真空断熱層、真空断熱層(低真空又は高真空)のいずれも利用できる。各断熱部452i,452oの断熱性能が等しい形態、異なる形態のいずれも利用できる。非真空断熱層を備える場合、リード本体22Bの内外と断熱部452i,452oとの間にウレタンシートなどの固体熱絶縁体を隙間なく充填することが挙げられる。
その他、環状のリード本体22Bにはパイプなどを利用できる。パイプは一体成形されているためバラバラにならず取り扱い易く施工性に優れる上に、その厚さを薄くすることで、抵抗の交直比を1に近付け易い。パイプ内に内側断熱部452iを備えてもよいが、省略してもよい。例えば、パイプ内を密閉空間とし、この内部に上述の乾燥空気や窒素ガスなどを大気圧で充填したり、減圧状態としたりすると、上述のようにケーブルコア110の周囲への冷媒130の導入によって密閉空間内の温度が低下して負圧になり、霜付き(凍結)や内部ガスの液化を防止できる。パイプにおける常電導機器の常温側導体との接続端部は、例えば周方向に並列に複数のスリットを設けて櫛歯状などとし、スリット間の各切片をバラバラに取り扱えるようにすると、接続部材を取り付け易い。
環状のリード本体22Bを備える実施形態2の超電導ケーブルの端末構造1Bは、例えば、電流容量が5kA以上、更に8kA以上、10kA以上、更に12kA以上といった大電流を送電する電力線路に好適に利用できる。このような大電流の交流送電用途では表皮効果の影響が大きいものの必要な有効面積を得易く、環状のリード本体22Bに電流を十分に流せる。また、このような大容量用途では、常電導機器の常温側導体の導体断面積がリード本体22Bの導体断面積に比較して大きくなり易い。例えば、複数の撚線構造体を更に撚り合せた中実体をリード本体とする場合、その中心側に位置する撚線構造体の端部を常温側導体と接続するために撚りをほぐし難い上に外方にずらし難く、作業性に劣る。これに対し、複数の撚線構造体が環状に配置されたり、パイプを用いたりしたリード本体22Bであれば、リード本体22Bの端部は外方に位置するため、常温側導体の端部に容易に接続できて施工性に優れる。従って、実施形態2の超電導ケーブルの端末構造1Bは低損失な上に、施工性により優れる。
[実施形態3]
電流リード20Cは、独立した接続部材24を備えておらず、端末スリーブ部10の機器側端部12と環状のリード本体22Cとが直接接続される。電流リード20Cは、その一端部を機器側端部12との接続端部とする。例えば、複数の撚線構造体の一端部又はパイプの一端部(スウェージ加工などにより細くしてもよい)を圧縮スリーブ225などに挿入して圧縮によって一体化し、圧縮スリーブ225の一端部を端末スリーブ部10の機器側端部12に接続するとよい。環状のリード本体22C、常温側断熱部452(内側断熱部452i,外側断熱部452o)に関する点などは、上述の実施形態2を参照するとよい。
実施形態3の超電導ケーブルの端末構造1Cも、実施形態2の端末構造1Bと同様に大電流用途、特に交流送電の電力線路に利用した場合に低損失である。特に、端末構造1Cは、電流リード20Cを端末スリーブ部10に直接接続するため、独立した接続部材24を省略して部品点数を低減できる上に、接続長さの短縮によって更なる小型化が望める。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、以下の変更が可能である。
(1)超電導機器として、多心一括型の超電導ケーブル、電気絶縁層が液体冷媒に浸漬されない常温絶縁型の超電導ケーブル、直流送電用の超電導ケーブルに適用できる。
(2)超電導機器として、超電導コイルを備える種々の超電導機器、例えば超電導変圧器、超電導限流器、超電導モータ、超電導磁石、超電導電力貯蔵装置などに適用できる。これらの機器では、冷媒として液体窒素の他、液体ヘリウムなどが利用できる。
(3)電流リードと端末スリーブ部とが一体成形されたものを利用できる。この場合、更なる小型化、部品点数の削減による施工性の向上が望める。
本発明の超電導機器の端末構造は、超電導ケーブルなどの各種の超電導機器と、常温環境で利用される常電導電力機器との接続箇所に利用できる。
1A,1B,1C 超電導ケーブルの端末構造
10 端末スリーブ部 12 機器側端部 14 低温側端部
14h スリーブ穴 hr 冷媒孔
20A,20B,20C 電流リード 22A,22B,22C リード本体
24 接続部材 220 台座 225 圧縮スリーブ
30 端末冷媒槽
32 先端側冷媒槽 34 根元側冷媒槽 35 電気絶縁部 36 フランジ部
40 端末断熱部
43 接地側断熱部 45 高電位側断熱部
42 先端側真空槽 44 根元側真空槽 45i 内側槽 45o 外側槽
46,435,455 重複領域
450 先端側断熱部 452 常温側断熱部 454 中間断熱部
452i 内側断熱部 452o 外側断熱部
100 超電導ケーブル 110 ケーブルコア
111 フォーマ 112 超電導導体層 113 電気絶縁層 114 遮蔽層
115 保護層
120 断熱管 121 内管 122 外管 124 防食層
130 冷媒

Claims (4)

  1. 超電導機器に備える超電導導体の端部と、
    前記超電導導体の端部に取り付けられた端末スリーブ部と、
    前記端末スリーブ部を介して前記超電導導体に電気的に接続されると共に、常電導機器に電気的に接続される電流リードと、
    前記超電導導体の端部を収納し、前記超電導導体を冷却する冷媒が充填される端末冷媒槽と、
    前記端末冷媒槽から前記電流リードの少なくとも一部に亘って設けられる端末断熱部とを備え、
    前記端末冷媒槽は、前記端末スリーブと電気的に接続されて高電位領域を形成する先端側冷媒槽と、接地電位領域を形成する根元側冷媒槽と、前記先端側冷媒槽と前記根元側冷媒槽とを電気的に絶縁する電気絶縁部とを備え、
    前記端末断熱部は、前記根元側冷媒槽の外周に設けられる接地側断熱部と、前記電気絶縁部を介して前記接地側断熱部と分断され、前記先端側冷媒槽の外周から前記電流リードの外周に設けられる高電位側断熱部とを備え、
    前記端末スリーブ部は、前記端末冷媒槽の内外に亘って設けられ、前記超電導導体との接続箇所が前記端末冷媒槽内に配置され、前記電流リードとの接続箇所が前記端末冷媒槽外に配置されている超電導機器の端末構造。
  2. 前記超電導機器は、超電導ケーブルである請求項1に記載の超電導機器の端末構造。
  3. 前記電流リードは、環状のリード本体を備える請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の超電導機器の端末構造。
  4. 前記接続箇所は、前記端末スリーブ部と前記リード本体とが直接接続されている請求項3に記載の超電導機器の端末構造。
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