以下に、図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。情報処理装置100は、対象者の各脚が着地した時点を特定するコンピュータである。対象者は、生体である。対象者は、例えば、人間である。対象者は、例えば、医療機関による検査対象である。対象者は、具体的には、医師などの医療関係者による診断や治療、経過観察、または健康管理などを受ける患者である。
また、対象者は、具体的には、医師などの医療関係者によるリハビリ指導などを受ける患者であってもよい。また、対象者は、具体的には、スポーツインストラクターによる運動指導を受ける被指導者であってもよい。対象者は、例えば、自ら健康管理を行う個人であってもよい。対象者は、動物であってもよい。以下の説明では、主として対象者が「患者」である場合について説明する。
ここで、上述の通り、医療分野では、患者に対して適切な医療処置をするために、患者の状態を把握することが求められる。例えば、患者の歩き方は、疾病による身体の不調の度合いや疾病や怪我の回復の度合いなどに影響される傾向があり、患者の状態を把握するためには、患者の歩き方を把握することが求められることがある。このため、患者の歩幅などの患者の歩き方に関する特徴量を精度よく算出し、その特徴量に基づいて、患者の歩き方を把握可能にすることが求められる。特に、日常の患者の歩き方を把握可能にすることが、患者に対して適切な医療処置をするためには好ましい。
これに対し、例えば、患者に装着したセンサ装置によって計測された患者の各脚の加速度を時系列に並べたセンサデータから、患者の各脚が着地した時点を特定し、それらの時点に基づいて患者の歩幅などの特徴量を算出する場合が考えられる。しかしながら、この場合、患者の歩幅などの特徴量を精度よく算出することが難しい場合がある。例えば、患者が歩く場所、患者が歩くときの周囲の環境、患者の状態などの変化によって、患者の各脚が着地した時点を精度よく特定することが難しくなり、患者の歩幅を精度よく算出することが難しくなる。
一方で、例えば、患者の各脚が着地した時点を特定する精度を向上し、患者の歩幅などの特徴量を計測する精度を向上するために、患者の下肢の様々な部位にセンサ装置を装着させる場合が考えられる。しかしながら、この場合、患者の負担の増大化を招いてしまう。例えば、患者は、大腿にセンサ装置を装着すると、歩きづらいと感じてしまう傾向がある。そして、患者は、負担やストレスを感じ、患者に対する診断や治療、経過観察、または健康管理などを受けるためにセンサ装置を利用しようとする意欲が低減してしまう可能性がある。
このため、日常的に、患者の各脚が着地した時点を特定し、患者の歩幅などの特徴量を計測するためには、患者が装着するセンサ装置の数は比較的少なく、センサ装置を装着する部位は、患者が感じる負担やストレスが比較的少ない部位であることが好ましい。具体的には、患者の大腿にセンサ装置を装着せず、患者の脛にのみセンサ装置を装着することが好ましい。
そこで、本実施の形態では、患者の各脚が着地した時点について1以上の候補を一旦特定し、その候補の様々な組み合わせのいずれの組み合わせが、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしいか判定することができる情報処理方法について説明する。これによれば、本実施の形態は、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補の組み合わせを特定することができ、患者の歩幅などの特徴量を精度よく算出することができる。
図1において、情報処理装置100は、患者の各脚の動きに関する計測情報を取得する。計測情報は、例えば、患者の脚に装着された計測機の角速度センサや加速度センサが計測した角速度や加速度を、それぞれ時系列に並べた時系列データである。時系列データは、例えば、センサデータである。
情報処理装置100は、例えば、患者の左脚の脛に装着された計測機から、患者の左脚の脛の角速度や加速度のそれぞれのセンサデータを受信する。また、情報処理装置100は、患者の右脚の脛に装着された計測機から、患者の右脚の脛の角速度や加速度のそれぞれのセンサデータを受信する。これにより、情報処理装置100は、センサデータを、患者の歩幅を特定するために用いることができる。
次に、情報処理装置100は、取得した計測情報に基づいて、患者の歩行期間の1歩ごとに、患者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補を特定する。歩行期間の1歩は、脚を地面から離し、脚をスイングし、脚を着地するまでの動作である。
以下の説明では、1歩の動きを「ステップ」と表記する場合がある。以下の説明では、脚を地面から離すことを「トーオフ(toe−off)」と表記する場合がある。以下の説明では、脚を着地することを「ヒールストライク(heel−strike)」と表記する場合がある。
次に、情報処理装置100は、歩行期間の1歩ごとに特定した1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定する。
次に、情報処理装置100は、特定した複数の候補群のそれぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとの歩幅を算出し、算出した歩行期間の1歩ごとの歩幅に基づいて、歩行期間の1歩ごとに患者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出する。遊脚は、患者の体重がかかっていない脚であり、ステップを行っている脚である。
情報処理装置100は、例えば、1歩目では右脚が遊脚になるため、1歩目の右脚の歩幅を、右脚の累積移動距離に設定する。情報処理装置100は、例えば、2歩目では左脚が遊脚になるため、2歩目の左脚の歩幅を、左脚の累積移動距離に設定する。情報処理装置100は、例えば、3歩目では、右脚が遊脚になるため、3歩目の右脚の歩幅を、右脚の累積移動距離に加算する。情報処理装置100は、例えば、4歩目では、左脚が遊脚になるため、4歩目の左脚の歩幅を、左脚の累積移動距離に加算する。
ここで、患者の歩行運動の模式図110のように、患者の歩行運動には、遊脚になった脚の着地位置が、支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという性質がある。支持脚は、ステップを行っている最中、患者の体重を支えている脚である。
図1の例では、時点t1において、遊脚になった1歩目の右脚の着地位置は、支持脚になった左脚の着地位置の前方の所定の範囲内にある。支持脚になった左脚の着地位置は、歩行運動の開始時の着地位置である。同様に、時点t2において、遊脚になった2歩目の左脚の着地位置は、支持脚になった右脚の着地位置の前方の所定の範囲内にある。支持脚になった右脚の着地位置は、前回遊脚であった時点t1における1歩目の右脚の着地位置から特定可能である。同様に、時点t3において、遊脚になった3歩目の右脚の着地位置は、支持脚になった左脚の着地位置の前方の所定の範囲内にある。同様に、時点t4において、遊脚になった4歩目の左脚の着地位置は、支持脚になった右脚の着地位置の前方の所定の範囲内にある。
以降、情報処理装置100は、この性質を利用し、それぞれの候補群について、各脚が着地した時点を組み合わせた候補群としての尤もらしさを評価する。
情報処理装置100は、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに算出した累積移動距離に基づいて、歩行期間において、患者の各脚の着地位置の間に、所定の関係が現れた度合いを評価する。所定の関係は、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係である。
ここで、例えば、患者は遊脚を支持脚より前に進めながら歩く傾向がある。このため、情報処理装置100は、所定の関係として、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係を用いることが好ましい。
一方で、例えば、患者は疾病や怪我により脚を引きずることがあり、患者は遊脚を支持脚から所定の距離だけ後方まで進めながら歩く場合がある。このため、情報処理装置100は、疾病や怪我を考慮する場合、所定の関係として、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置より所定の距離だけ後方にある起点より前方の所定の範囲内にあるという関係を用いてもよい。
情報処理装置100は、評価した結果に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択し、選択したいずれかの候補群を出力する。情報処理装置100は、例えば、評価した結果、歩行期間の全歩で所定の関係が現れた候補群があれば、その候補群を選択し、出力する。
これにより、情報処理装置100は、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を出力することができ、その候補群に基づいて患者の歩幅を精度よく算出することを可能にすることができる。
また、情報処理装置100は、出力した候補群に基づいて、患者の歩幅のほかにも、候補群に基づいて算出可能な患者の歩き方に関する所定の特徴量を、精度よく算出することを可能にすることができる。患者の歩き方に関する所定の特徴量は、例えば、患者が着地した時点の候補における、患者の脚の角速度や加速度などであり、患者の歩き方が速いか、患者の脚がゆっくり着地したかなどを表す。
情報処理装置100は、患者の下肢の様々な部位にセンサ装置が装着されていなくても、患者の歩幅を精度よく算出することができる。情報処理装置100は、例えば、患者がセンサ装置を装着した場合に感じる負担やストレスが比較的少ない、患者の脛にセンサ装置を装着すれば、患者の歩幅を精度よく算出することができる。
患者は、装着するセンサ装置の数が少なくてもよいため、歩きづらいと感じづらく、負担やストレスを感じづらくなる。そして、患者は、診断や治療、経過観察、または健康管理などを受けるためにセンサ装置を利用しようとする意欲が低減してしまうことを抑制することができる。結果として、患者は、日常的にセンサ装置を利用しやすくなり、情報処理装置100は、日常の患者の歩幅を算出することができる。
また、情報処理装置100は、患者の歩幅を出力すれば、患者の歩幅を医師などの医療関係者に通知することができる。このため、情報処理装置100は、医師などの医療関係者が、患者の歩き方を把握しやすくし、患者に対する診断や治療、経過観察、または健康管理などを効率よく行うことができるようにすることができる。
医師などの医療関係者は、患者の歩幅を参照し、患者の歩き方を把握し、患者に対する診断や治療、経過観察、または健康管理などを効率よく行うことができる。医師などの医療関係者は、例えば、日常における患者の歩幅を参照し、日常の患者の歩き方を把握することができる。
また、情報処理装置100は、患者に装着するセンサ装置の数が少なくてもよいようにすることができる。このため、情報処理装置100は、患者に対する診断や治療、経過観察、または健康管理などを行うためにセンサ装置を利用しようとする際にかかるコストの低減化を図ることができる。
(情報処理システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100を適用した、情報処理システム200の一例について説明する。
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。図2において、情報処理システム200は、情報処理装置100と、1以上の計測機201とを含む。情報処理システム200において、情報処理装置100と計測機201とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
情報処理装置100は、1以上の計測機201から、計測対象uとなる患者の各脚の動きに関する計測情報を取得するコンピュータである。情報処理装置100は、患者の各脚が着地した時点の候補を組み合わせた複数の候補群のうち、実際に患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を特定する。情報処理装置100は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末などである。
計測機201は、計測対象uとなる患者に装着されるコンピュータである。計測機201は、計測情報を生成し、情報処理装置100に送信する。計測機201は、例えば、図4に示すセンサ部を有し、そのセンサ部の計測値と、そのセンサ部の計測値が得られた計測時刻とを対応付けたセンサデータを、計測情報として生成し、情報処理装置100に送信する。計測機201は、具体的には、装着された患者の部位における角速度を時系列に並べたセンサデータ、および、その部位における加速度を時系列に並べたセンサデータを、計測情報として生成し、情報処理装置100に送信する。
以下の説明では、角速度を時系列に並べたセンサデータを「ジャイロデータ」と表記する場合がある。加速度を時系列に並べたセンサデータを「加速度データ」と表記する場合がある。計測機201は、例えば、センサ装置である。センサ装置は、具体的には、モーションセンサと呼ばれる装置である。計測機201は、例えば、スマートフォン、ウェアラブル端末などであってもよい。
また、計測機201が複数あれば、いずれかの計測機201は、床に埋め込まれる場合があってもよい。計測機201は、床に埋め込まれ、地面から患者への反力に関する計測情報を生成し、情報処理装置100に送信する。地面から患者への反力に関する計測情報は、地面から患者への反力を時系列に並べたセンサデータである。以下の説明では、反力を時系列に並べたセンサデータを「反力データ」と表記する場合がある。
計測機201は、生成した反力データが、いずれの患者についての反力データであるかを特定可能なように、患者に装着された他の計測機201に、反力データを送信し、情報処理装置100に転送させてもよい。また、計測機201は、その計測機201に近づいた患者を特定する識別情報を受信し、反力データと対応付けて情報処理装置100に送信してもよい。計測機201は、例えば、反力センサ装置である。
ここでは、計測機201が、ジャイロデータ、加速度データ、反力データなどのセンサデータを作成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、計測機201から、計測機201のセンサ部の計測値と、そのセンサ部の計測値が得られた計測時刻とを対応付けた対応情報を順次受信し、その対応情報をまとめて、センサデータを生成する場合があってもよい。
ここでは、情報処理装置100と計測機201とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、計測機201と一体である場合があってもよい。ここでは、生体に、計測機201が1つ装着される場合について説明したが、これに限らない。例えば、生体に、複数の計測機201が装着される場合があってもよい。
情報処理システム200は、さらに、表示装置を有する場合があってもよい。この場合、情報処理装置は、患者に関する所定の特徴量などを、表示装置を介して表示する。表示装置は、例えば、PC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォンなどである。
また、情報処理システム200は、さらに、中継装置を有する場合があってもよい。この場合、中継装置は、1以上の計測機201から計測情報を受信し、受信した計測情報をまとめて情報処理装置に送信する。中継装置は、例えば、PC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォンなどである。
情報処理システム200は、例えば、患者の状態を把握する見守りサービスを実現する場合に適用されたり、PHR(Personal Health Record)向けのサービスを実現する場合に適用されたりする。
(情報処理装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報処理装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
記録媒体I/F304は、CPU301の制御にしたがって記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、情報処理装置100から着脱可能であってもよい。
情報処理装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー、タッチパネルなどを有してもよい。また、情報処理装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。
(計測機201のハードウェア構成例)
次に、図4を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる計測機201のハードウェア構成例について説明する。
図4は、計測機201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、計測機201は、CPU401と、メモリ402と、ネットワークI/F403と、センサ部404と、タイマー部405とを有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、計測機201の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ネットワークI/F403は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F403は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F403は、例えば、Wi−Fi(登録商標)に対応する通信回路、Bluetooth(登録商標)に対応する通信回路などである。ネットワークI/F403は、例えば、3G(3rd Generation)に対応する通信回路であってもよい。
センサ部404は、計測機201の状態を計測する。センサ部404は、例えば、計測機201の位置、動き、および向きのうち少なくともいずれかを計測する。センサ部404は、具体的には、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、光センサ、振動センサなどの少なくともいずれかを有する。また、センサ部404は、GPS(Global Positioning Systems)受信機を有し、計測機201のGPS座標を検出してもよい。タイマー部405は、現在の時刻を計測する。
計測機201は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー、タッチパネルなどを有してもよい。また、計測機201は、上述した構成部のほか、記録媒体I/Fや記録媒体を有してもよい。この記録媒体は、計測機201から着脱可能であってもよい。
(情報処理装置100の機能的構成例)
次に、図5を用いて、情報処理装置100の機能的構成例について説明する。
図5は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部500と、取得部501と、特定部502と、算出部503と、評価部504と、選択部505と、出力部506とを含む。
記憶部500は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。取得部501〜出力部506は、制御部となる機能である。取得部501〜出力部506は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、ネットワークI/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
記憶部500は、対象者の各脚の動きに関する計測情報を記憶する。対象者は、例えば、患者である。記憶部500は、例えば、計測機201のセンサ部の計測値と、その計測値が得られた計測時刻とを対応付けて、時系列に並べたセンサデータを記憶する。
計測値は、例えば、矢状面の角速度、横断面の角速度、冠状面の角速度の少なくともいずれかを含む。計測値は、例えば、上下方向の加速度、左右方向の加速度、前後方向の加速度の少なくともいずれかを含んでもよい。計測値は、例えば、振動の大きさ、位置などを含んでもよい。記憶部500は、さらに、対象者の腰の動きに関する計測情報を記憶してもよい。これにより、記憶部500は、センサデータを参照可能にすることができる。
記憶部500は、患者の各脚の着地位置の間にある所定の関係が現れた度合いを評価する評価方法を記憶する。所定の関係は、例えば、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係である。所定の関係は、例えば、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置より所定の距離だけ後方にある起点より前方の所定の範囲内にあるという関係であってもよい。記憶部500は、例えば、評価方法に用いる式として、後述する式(1)〜(15)などを記憶する。
取得部501は、患者の各脚の動きに関する計測情報を取得する。取得部501は、例えば、患者の左脚の脛に装着された計測機201から、患者の左脚の脛の角速度や加速度のそれぞれのセンサデータを受信し、患者の右脚の脛に装着された計測機201から、患者の右脚の脛の角速度や加速度のそれぞれのセンサデータを受信する。これにより、取得部501は、センサデータを、患者の歩幅を特定するために用いることができる。
取得部501は、さらに、患者の腰の動きに関する計測情報を取得してもよい。取得部501は、例えば、患者の腰に装着された計測機201から、患者の腰の加速度のセンサデータを受信する。取得部501は、さらに、地面から患者への反力に関する計測情報を取得してもよい。取得部501は、さらに、患者の移動距離を取得してもよい。これにより、取得部501は、患者の歩幅を特定する精度をさらに向上するために用いる情報を参照可能にすることができる。
特定部502は、取得した計測情報に基づいて、患者の歩行期間の1歩ごとに、患者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補を特定する。特定部502は、例えば、センサデータに基づいて、角速度が閾値を超えて極大値になった動作時点から所定時間内に、上下方向の加速度が下向きに閾値以上になった時点を、候補として特定する。これにより、特定部502は、各脚が着地した時点の候補を特定することができる。
特定部502は、歩行期間の1歩ごとに特定した1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定する。これにより、特定部502は、患者の各脚が着地した時点の組み合わせである可能性がある候補群を特定することができる。
特定部502は、患者によって歩行運動が行われ、患者の歩数が所定の歩数より少ない期間を、歩行期間に設定してもよい。これにより、特定部502は、患者の歩数が所定の歩数より少なく、誤差の蓄積が少なくなりやすくすることができ、算出部503の算出精度の低下を抑制することができる。
算出部503は、特定した複数の候補群のそれぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとの歩幅を算出し、算出した歩行期間の1歩ごとの歩幅に基づいて、歩行期間の1歩ごとに患者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出する。
算出部503は、例えば、1歩目や2歩目では、1歩目や2歩目の脚の歩幅を、その脚の累積移動距離に設定する。算出部503は、例えば、3歩目以降では、その歩において遊脚になった脚の歩幅を、その脚の累積移動距離に加算する。これにより、算出部503は、評価部504の評価の基準を取得することができる。
評価部504は、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに算出した累積移動距離に基づいて、歩行期間において、所定の関係が現れた度合いを評価する。所定の関係は、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係である。
評価部504は、例えば、所定の範囲として、患者の支持脚になった脚の着地位置を始点にし、始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲を用いる。そして、評価部504は、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに、所定の関係が現れたか否かを判定し、所定の関係が現れた回数が多いほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出する。評価部504は、具体的には、図19や図20に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、それぞれの候補群について、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしいかを評価することができる。
評価部504は、例えば、所定の範囲として、患者の支持脚になった脚の着地位置より第2距離だけ後方の位置を始点にし、始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲を用いてもよい。そして、評価部504は、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに、所定の関係が現れたか否かを判定し、所定の関係が現れた回数が多いほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出する。評価部504は、具体的には、図21や図22に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、それぞれの候補群について、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしいかを評価することができる。
評価部504は、さらに、それぞれの候補群について、歩行期間において、患者の両脚の累積移動距離の差分が一定であるほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出してもよい。評価部504は、具体的には、図23に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
評価部504は、例えば、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに、患者の遊脚になった脚の回転方向および回転度合に応じた第2距離を設定し、所定の関係が現れたか否かを判定してもよい。評価部504は、具体的には、図24や図25に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、それぞれの候補群について、患者の各脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしいかを評価することができる。
評価部504は、さらに、それぞれの候補群について、患者の腰の動きに関する計測情報、または患者の各脚の動きに関する計測情報に基づいて、候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した候補ごとの所定の特徴量に基づいて、当該候補群の評価値を算出してもよい。評価部504は、具体的には、図26〜図32に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
評価部504は、さらに、それぞれの候補群について、反力に関する計測情報、または患者の各脚の動きに関する計測情報に基づいて、候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した候補ごとの所定の特徴量に基づいて、当該候補群の評価値を算出してもよい。評価部504は、具体的には、図33に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
評価部504は、さらに、それぞれの候補群について、歩行期間の最終歩における患者の遊脚になった脚の累積移動距離と、取得した患者の移動距離との差分に基づいて、当該候補群の評価値を算出してもよい。評価部504は、具体的には、図34に後述するように、評価値を算出する。これにより、評価部504は、候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
選択部505は、評価した結果に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択する。選択部505は、例えば、算出したそれぞれの候補群の評価値に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択する。選択部505は、具体的には、算出したそれぞれの候補群の評価値の合計値の最大値を特定し、最大値になる候補群を選択する。
出力部506は、選択部505が選択した候補群に関する情報を出力する。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。
(情報処理装置100が候補群を選択する流れの一例)
次に、図6を用いて、情報処理装置100が候補群を選択する流れの一例について説明する。
図6は、情報処理装置100が候補群を選択する流れの一例を示す説明図である。図6において、情報処理装置100は、左脛の角速度と加速度のセンサデータと、右脛の角速度と加速度のセンサデータとを取得する。
情報処理装置100は、それぞれのセンサデータに基づいて、歩行期間において、左脚がヒールストライクした時点の候補P1,P2,R1,R2を特定し、右脚がヒールストライクした時点の候補Q,Sを特定する。以下の説明では、各脚がヒールストライクした時点を「ヒールストライク点」と表記する場合がある。
情報処理装置100は、歩行期間のステップごとに、そのステップに対応する候補のいずれかを選択して組み合わせることにより、候補群A〜Dを特定する。情報処理装置100は、特定した候補群A〜Dを、候補群管理テーブル600を用いて記憶する。情報処理装置100は、それぞれの候補群A〜Dに基づいて、歩行期間のステップごとの歩幅を算出する。情報処理装置100は、算出した歩幅に基づいて、それぞれの歩数のステップにおける累積移動距離を算出する。
情報処理装置100は、遊脚になった脚の着地位置が、支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係を満たす候補群を選択する。ここで、遊脚になった脚の着地位置が、支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係を満たす場合、ステップごとに累積移動距離が単調増加していくことになる。
このため、情報処理装置100は、例えば、ステップごとに累積移動距離が単調増加していく候補群を、遊脚になった脚の着地位置が、支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係を満たす候補群として選択する。情報処理装置100は、選択した候補群に基づいて、患者の歩幅を算出する。これにより、情報処理装置100は、患者の歩幅を算出する精度の向上を図ることができる。
また、上述した関係を満たす候補群が2以上ある場合があり、情報処理装置100は、候補群を1つだけ選択することが難しい場合がある。この場合、情報処理装置100は、さらに、累積移動距離とは異なる他の情報にも基づいて、候補群を選択する精度の向上を図ってもよい。情報処理装置100は、例えば、患者の両脚の累積移動距離の差分を用いて、図23に後述するように、候補群を選択する精度の向上を図る。
また、情報処理装置100は、例えば、候補ごとの所定の特徴量を用いて、図26〜図32に後述するように、候補群を選択する精度の向上を図ってもよい。情報処理装置100は、例えば、患者の腰の動きに関する計測情報を用いて、図26〜図32に後述するように、候補群を選択する精度の向上を図ってもよい。
また、情報処理装置100は、例えば、地面から患者への反力に関する計測情報を用いて、図33に後述するように、候補群を選択する精度の向上を図ってもよい。また、情報処理装置100は、例えば、患者の移動距離を用いて、図34に後述するように、候補群を選択する精度の向上を図ってもよい。
(情報処理装置100が候補群を選択する具体例)
次に、図7〜図36を用いて、情報処理装置100が候補群を選択する具体例について説明する。
図7〜図36は、情報処理装置100が候補群を選択する具体例を示す説明図である。図7において、患者は、右脚と左脚と腰とに計測機201を装着する。患者は、例えば、右脚の脛や左脚の脛に計測機201を装着する。計測機201は、患者の装着した部位において角速度や加速度を計測し、計測値と計測時刻とを対応付けたセンサデータとして、ジャイロデータや加速度データを生成する。
情報処理装置100は、計測機201が生成したジャイロデータや加速度データなどを受信する。ジャイロデータや加速度データの具体例は、図10に後述する。情報処理装置100は、反力センサ装置となる計測機201があれば、その計測機201から反力データを受信してもよい。次に、図8および図9の説明に移行し、計測機201が計測する内容について説明する。
図8に示すように、計測機201は、角速度を計測する場合、例えば、矢状面における角速度、横断面における角速度などを計測する。これにより、計測機201は、例えば、センサデータとして、矢状面における角速度を時系列に並べたジャイロデータ、横断面における角速度を時系列に並べたジャイロデータなどを生成する。各角速度の正方向は図中の矢印の方向と一致する。
図9に示すように、計測機201は、加速度を計測する場合、例えば、上下方向の加速度、左右方向の加速度、前後方向の加速度を計測する。以下の説明では、上下方向の加速度、左右方向の加速度、前後方向の加速度のそれぞれを「上下加速度」、「左右加速度」、「前後加速度」と表記する場合がある。これにより、計測機201は、例えば、センサデータとして、上下加速度を時系列に並べた加速度データ、左右加速度を時系列に並べた加速度データ、前後加速度を時系列に並べた加速度データを生成する。次に、図10の説明に移行する。
図10に示すように、情報処理装置100が受信したセンサデータの一例は、左脚のジャイロデータ1000、左脚の加速度データ1001、右脚のジャイロデータ1002、右脚の加速度データ1003などである。
ジャイロデータ1000は、左脚の矢状面の角速度と横断面の角速度とをまとめて時系列に並べた波形を示している。加速度データ1001は、左脚の上下加速度を時系列に並べた波形を示している。ジャイロデータ1002は、右脚の矢状面の角速度と横断面の角速度とをまとめて時系列に並べた波形を示している。加速度データ1003は、右脚の上下加速度を時系列に並べた波形を示している。次に、図11の説明に移行する。
図11において、情報処理装置100は、左脚の矢状面のジャイロデータと、右脚の矢状面のジャイロデータとに基づいて、歩行期間を特定する。情報処理装置100は、例えば、それぞれのジャイロデータにローパスフィルタを適用して、角速度が閾値を超えて極大値になった時点を検出し、検出した時点の平均エネルギーが大きい期間を歩行期間の候補期間として特定する。以下の説明では、角速度が閾値を超えて極大値になった時点を「ピーク点」と表記する場合がある。
情報処理装置100は、候補期間において、ピーク点前後の特徴量が所定の条件を満たす場合、その候補期間を歩行期間として特定する。情報処理装置100は、歩行期間を特定すると、その歩行期間の開始時刻と終了時刻と歩数とを、歩行期間管理テーブル1100を用いて記憶しておく。次に、図12の説明に移行する。
図12において、情報処理装置100は、特定した歩行期間を複数の部分期間に分割する。情報処理装置100は、例えば、窓幅Wの窓をずらし幅Wでずらしながら、その窓に対応する部分期間を抽出する。情報処理装置100は、それぞれの部分期間について候補群を選択し歩幅を算出するが、以下の説明では、いずれか一つの部分期間について説明を行う。
これにより、情報処理装置100は、歩行期間を処理単位とした場合に比べて、以降の処理において特定する候補群に含まれる候補の数の増大化を抑制することができ、処理量の増大化を抑制することができる。図12の例では、情報処理装置100は、W=4ステップ分とした場合、歩行期間に対する分割結果として、11個の部分期間を抽出する。次に、図13の説明に移行する。
図13において、情報処理装置100は、いずれかの部分期間において、ステップごとにヒールストライク点の候補を特定する。ここで、1ステップでは、脚がスイングした後に、脚がヒールストライクするため、スイングによって角速度が極大値になった後に、ヒールストライクの特徴が現れるという傾向がある。また、ヒールストライクした瞬間には、地面からの反力がはたらき、計測機201は鉛直方向に一瞬だけ加速する性質があるため、ヒールストライクの特徴は、例えば、鉛直方向に閾値以上の加速度が発生したことである。
このため、ヒールストライク点の候補は、脚の角速度が極大値になった時点1301より後の所定の時間内に、鉛直方向に閾値以上の加速度が発生した時点1302,1303などになる。情報処理装置100は、具体的には、歩行期間において、左脚のヒールストライク点の候補P1,P2,R1,R2を特定し、右脚のヒールストライク点の候補Q,Sを特定する。次に、図14の説明に移行する。
図14において、情報処理装置100は、左脚のヒールストライク点の候補P1,P2,R1,R2、右脚のヒールストライク点の候補Q,Sに基づいて、複数の候補群を特定する。ここでは、1歩目に2つの候補P1,P2があり、3歩目に2つの候補R1,R2があり、2歩目と4歩目に1つの候補があるため、2×1×2×1=4つの候補群が特定される。
情報処理装置100は、例えば、歩行期間のステップごとに、そのステップに対応する候補のいずれかを選択して組み合わせることにより、候補群A〜Dを特定する。情報処理装置100は、特定した候補群A〜Dを、候補群管理テーブル1400を用いて記憶する。次に、図15の説明に移行する。
図15において、情報処理装置100は、それぞれの候補群A〜Dに基づいて、歩行期間のステップごとの歩幅を算出する。情報処理装置100は、例えば、ステップにおいて遊脚になった脚の歩幅SLを、支持脚になった脚のヒールストライク点T1から、遊脚になった脚のヒールストライク点T2までの矢状面の角速度の積分値に係数を乗算することにより求めることができる。
具体的には、各脚を1本の棒と見なした場合、支持脚になった脚のヒールストライク点T1から、遊脚になった脚のヒールストライク点T2までの矢状面の角速度の積分値は、股関節の開き度合いを示す角度に対応する。このため、各脚のラインと、歩幅SLのラインとを組み合わせた三角形を考えれば、三角関数を用いて歩幅SLが算出可能であるという性質がある。情報処理装置100は、例えば、下記式(1)を用いて、歩幅SLを算出する。
ここで、SLは、歩幅である。Lは、脚の長さである。gyro(t)は、時刻tの角速度である。T1は、支持脚になった脚のヒールストライク点である。T2は、遊脚になった脚のヒールストライク点である。次に、図16の説明に移行する。
図16において、情報処理装置100は、候補群管理テーブル1400を参照し、ヒールストライク点を特定し、それぞれの候補群A〜Dに基づいて、歩行期間のステップごとの歩幅を算出している。情報処理装置100は、それぞれの候補群A〜Dに対応付けて、それぞれの候補群A〜Dについて算出したステップごとの歩幅を、歩幅管理テーブル1600を用いて記憶する。次に、図17の説明に移行する。
図17において、情報処理装置100は、算出した歩幅に基づいて、それぞれの歩数のステップにおける累積移動距離を算出する。情報処理装置100は、例えば、K番目のステップにおける、左脚と右脚とのうち遊脚になった脚についての累積移動距離を算出する。
情報処理装置100は、例えば、1歩目では左脚が遊脚になるため、1歩目の左脚の歩幅を、左脚の累積移動距離に設定する。情報処理装置100は、例えば、2歩目では右脚が遊脚になるため、2歩目の右脚の歩幅を、右脚の累積移動距離に設定する。情報処理装置100は、例えば、3歩目では、左脚が遊脚になるため、3歩目の左脚の歩幅を、左脚の累積移動距離に加算する。情報処理装置100は、例えば、4歩目では、右脚が遊脚になるため、4歩目の右脚の歩幅を、右脚の累積移動距離に加算する。
情報処理装置100は、それぞれの候補群A〜Dに対応付けて、それぞれの候補群A〜Dについて算出した、それぞれの歩数のステップにおける累積移動距離を、累積移動距離管理テーブル1700を用いて記憶する。次に、図18の説明に移行する。
図18において、情報処理装置100は、累積移動距離管理テーブル1700を参照し、それぞれの候補群A〜Dについて、患者の各脚のヒールストライク点の組み合わせとしての尤もらしさを示す第1確信度を算出する。情報処理装置100は、それぞれの候補群A〜Dに対応付けて、それぞれの候補群A〜Dについて算出した第1確信度を、第1確信度管理テーブル1800を用いて記憶する。次に、図19および図20の説明に移行し、第1確信度を算出する具体例について説明する。
図19のグラフ1900は、ある候補群における歩数と、その歩数における累積移動距離とを対応付けており、横軸が歩数を示し、縦軸が累積移動距離を示す。図19に示すように、ある候補群について、3歩目の累積移動距離が、2歩目の累積移動距離よりも小さくなり、累積移動距離が単調増加していない。
ここで、患者は遊脚を支持脚より前に進めながら歩く傾向があるため、患者の歩行運動には、遊脚になった脚の着地位置が、支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという性質がある。換言すれば、患者の歩行運動には、ステップごとの累積移動距離が単調増加する傾向がある。この傾向を考慮すれば、図19にグラフが示された候補群は、実際のヒールストライク点を組み合わせた候補群ではない傾向がある。
このため、情報処理装置100は、このような候補群については、第1確信度が小さくなるように、第1確信度を算出することが好ましい。情報処理装置100は、例えば、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置の前方の所定の範囲内にあるという関係が現れ、累積移動距離が単調増加するほど、第1確信度が大きくなるように、第1確信度を算出する。情報処理装置100は、具体的には、下記式(2)および下記式(3)を用いて第1確信度を算出する。
dnは、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分である。H(dn)は、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいか否かを示す値である。H(dn)は、1であれば実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す。ここで、図20の説明に移行し、上記式(2)について説明する。
図20のグラフ2000は上記式(2)を示し、縦軸がH(dn)を示し、横軸がdnを示す。図20のように、上記式(2)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が0より大きければ、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す「1」になる。また、上記式(2)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が0以下であれば、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしくないことを示す「0」になる。情報処理装置100は、上記式(2)を下記式(3)に代入することにより、第1確信度を算出する。
Eは、第1確信度である。上記式(3)は、ステップごとのH(dn)の乗算値である。上記式(3)は、累積移動距離が単調増加すれば、候補群が実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしいことを示す「1」になる。また、上記式(3)は、累積移動距離が単調増加しなければ「0」になる。これにより、情報処理装置100は、第1確信度を算出することができる。次に、図21の説明に移行し、第1確信度を算出する別の具体例について説明する。
図21のグラフ2100は、ある候補群における歩数と、その歩数における累積移動距離とを対応付けており、横軸が歩数を示し、縦軸が累積移動距離を示す。図21に示すように、ある候補群について、2,4歩目の累積移動距離が、それぞれ、1,3歩目の累積移動距離よりも小さくなり、累積移動距離が単調増加していない。
しかしながら、患者は疾病や怪我により脚を引きずることがあり、患者は遊脚を支持脚から所定の距離だけ後方までしか進めずに歩く場合がある。このため、患者の歩行運動には、疾病や怪我を考慮する場合、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置より第2距離だけ後方にある起点より、第1距離だけ前方の終点までの範囲内にあるという性質があることがある。換言すれば、患者の歩行運動には、ステップごとの累積移動距離が単調増加しない場合がある。
このため、情報処理装置100は、図21にグラフが示されたような候補群についても、第1確信度が小さくならないように、第1確信度を算出することが好ましい。情報処理装置100は、具体的には、上記式(2)に代わり下記式(4)を用いることにより、第1確信度を算出する。
dnは、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分である。εは、上述した第2距離に対応する。H(dn)は、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいか否かを示す値である。H(dn)は、1であれば実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す。ここで、図22の説明に移行し、上記式(4)について説明する。
図22のグラフ2200は上記式(4)を示し、縦軸がH(dn)を示し、横軸がdnを示す。図22のように、上記式(4)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が、−εより大きければ、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す「1」になる。また、上記式(4)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が、−ε以下であれば、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしくないことを示す「0」になる。情報処理装置100は、上記式(2)に代わり上記式(4)を、上記式(3)に代入することにより、第1確信度を算出する。次に、図23の説明に移行し、第1確信度を算出する別の具体例について説明する。
図23において、情報処理装置100は、さらに、ステップごとの累積移動距離の増加度合い以外の他の情報にも基づいて、第1確信度を算出することができる。情報処理装置100は、例えば、患者の両脚の累積移動距離の差分を用いて、第1確信度を算出する。
例えば、患者の歩行運動には、異なるステップであっても、同じ脚が遊脚になっている場合、その脚の着地位置が、支持脚になった脚に対してどのくらい前方まで進むのかのばらつきが小さいという傾向がある。このため、情報処理装置100は、患者の両脚の累積移動距離の差分のばらつきが小さいほど、第1確信度が大きくなるように、第1確信度を算出する。情報処理装置100は、例えば、上記式(3)に代わり下記式(5)を用いて第1確信度を算出する。
Vは、ばらつき度である。Vは、例えば、片脚について算出した累積移動距離の差分dnの変動係数である。これにより、情報処理装置100は、第1確信度を算出する精度の向上を図ることができる。次に、図24を用いて、第1確信度を算出する別の具体例について説明する。
図24のグラフ2400は、患者が曲がって歩いた場合の、それぞれの歩数と、その歩数における累積移動距離とを対応付けており、横軸が歩数を示し、縦軸が累積移動距離を示す。図24の例では、患者が曲がって歩いたため、4歩目の累積移動距離が、3歩目の累積移動距離よりも小さくなり、累積移動距離が単調増加していない。
このように、患者が曲がって歩いた場合には内側の脚の歩幅は小さくなる傾向がある。このため、患者の歩行運動には、患者が曲がって歩いた場合、累積移動距離が単調増加しないことがあるという性質がある。換言すれば、患者の歩行運動には、患者の遊脚になった脚の着地位置が、患者の支持脚になった脚の着地位置より第2距離だけ後方にある起点より、第1距離だけ前方の終点までの範囲内にある場合があるという性質がある。このため、情報処理装置100は、上記式(2)に代わり下記式(6)を用いて第1確信度を算出する。
dnは、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分である。ε+δは、上述した第2距離に対応する。δは、n−1歩目に患者が曲がった度合いに対応するパラメータである。H(dn)は、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいか否かを示す値である。H(dn)は、1であれば実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す。ここで、図25の説明に移行し、上記式(6)について説明する。
図25のグラフ2500は上記式(6)を示し、縦軸がH(dn)を示し、横軸がdnを示す。図25のように、上記式(6)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が、−(ε+δ)より大きければ、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしいことを示す「1」になる。また、上記式(6)は、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分が、−(ε+δ)以下であれば、n歩目のヒールストライク点が、実際のヒールストライク点として尤もらしくないことを示す「0」になる。情報処理装置100は、上記式(2)に代わり上記式(6)を、上記式(3)に代入することにより、第1確信度を算出する。
また、情報処理装置100は、上述した第1確信度の算出方法を組み合わせてもよい。情報処理装置100は、例えば、下記式(7)および下記式(8)を用いて、第1確信度を算出する。
E(ε,δ,V)は、第1確信度である。Vは、ばらつき度である。Vは、例えば、片脚について算出した累積移動距離の差分dnの変動係数である。
dnは、n歩目の累積移動距離を、n+1歩目の累積移動距離から減算した差分である。ε+δは、上述した第2距離に対応する。δは、n−1歩目に患者が曲がった度合いに対応するパラメータである。これにより、情報処理装置100は、第1確信度を算出する精度の向上を図ることができる。
また、情報処理装置100は、さらに、累積移動距離とは異なる他の情報にも基づいて、第1確信度のほか、候補群のヒールストライク点の組み合わせとしての尤もらしさを評価するための第2確信度を算出してもよい。他の情報は、例えば、患者の各脚の動きに関する特徴量である。次に、図26および図27の説明に移行し、第2確信度を算出する一例について説明する。
図26および図27において、まず、情報処理装置100は、第2確信度を算出するために、左脚と右脚との複数の特徴量を算出する。
複数の特徴量は、例えば、ヒールストライク点の候補について、実際のヒールストライク点における両脚の特徴に対応する特徴が現れたか否かを表す特徴量を含む。特徴量は、例えば、ヒールストライク点の候補において、遊脚になった脚の角速度の短期変化量α1と上下加速度の絶対値α3である。また、特徴量は、ヒールストライク点の候補において、支持脚になった脚の矢状面の角速度の短期変化量α2、上下加速度の絶対値α4である。情報処理装置100は、例えば、下記式(9)を用いて短期変化量α1を算出する。
τは、短時間である。gyro(t)は、時刻tにおける角速度である。tは、TやT+τが代入される。Tは、ヒールストライク点の候補である。次に、図26を用いて、短期変化量α1を算出する一例について説明する。
図26のグラフ2600は、横軸が時間を示し、縦軸が角速度を示す。図26に示すように、情報処理装置100は、上記式(9)を用いることにより、ヒールストライク点の前方のτ分の期間における角速度から短期変化量α1を算出する。情報処理装置100は、同様に、短期変化量α2を算出する。
また、複数の特徴量は、例えば、ヒールストライク点の候補の前後における特徴に一貫性が現れたか否かを表す特徴量を含む。特徴量は、例えば、ヒールストライク点の候補において、遊脚になった脚の矢状面の角速度の絶対値β1、長期変化量β2である。情報処理装置100は、例えば、下記式(10)を用いて長期変化量β2を算出する。
ρは、長時間であり、τより長い。gyro(t)は、時刻tにおける角速度である。tは、TやT+τが代入される。Tは、ヒールストライク点である。次に、図27を用いて、長期変化量β2を算出する一例について説明する。
図27のグラフ2700は、横軸が時間を示し、縦軸が角速度を示す。図27に示すように、情報処理装置100は、上記式(10)を用いることにより、ヒールストライク点の前方のρ分の期間における角速度から長期変化量β2を算出する。次に、図28の説明に移行する。
図28において、情報処理装置100は、上述した特徴量α1〜α4、特徴量β1,β2を、複数の候補群のそれぞれの好捕群について、ステップごとに算出する。情報処理装置100は、算出した結果を、特徴量管理テーブル2800を用いて記憶する。次に、図29の説明に移行する。
図29において、情報処理装置100は、特徴量管理テーブル2800を参照し、第2確信度を算出する。情報処理装置100は、例えば、両脚の特徴量α1〜α4が全ステップで閾値以上であり、かつ、特徴量β1,β2のばらつきが閾値以下である候補点集合を、ヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしいと判定するようにする。
このため、情報処理装置100は、両脚の特徴量α1〜α4が全ステップで閾値以上であり、かつ、特徴量β1,β2のばらつきが閾値以下である場合に、第2確信度が大きくなるように、第2確信度を算出する。情報処理装置100は、例えば、下記式(11)〜下記式(14)を用いて、第2確信度を算出する。
E'は、第2確信度である。e1,e2は、それぞれ、下記式(12)および下記式(13)によって定義される、αi nに関する確信度とβj nに関する確信度とである。
αi nは、n歩目における特徴量であり、例えば、特徴量α1〜α4である。H()は、下記式(14)によって定義される。
βj nは、n歩目における特徴量であり、例えば、特徴量β1,β2である。var(βj n)は、βj nの分散値である。H()は、下記式(14)と同様に定義される。
thiは、特徴量α1〜α4に対する閾値である。ここで、図30の説明に移行し、上記式(14)について説明する。
図30のグラフ3000は上記式(14)を示し、縦軸がH(αi n)を示し、横軸がαi nを示す。図30のように、上記式(14)は、特徴量α1〜α4が閾値thiより大きければ、候補群が、実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしいことを示す「1」になる。また、上記式(14)は、特徴量α1〜α4が閾値thi以下であれば、候補群が、実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしくないことを示す「0」になる。次に、図31の説明に移行する。
図31において、情報処理装置100は、それぞれの候補群に対応付けて、その候補群について算出した第1確信度と第2確信度とを、最終確信度管理テーブル3100を用いて記憶する。そして、情報処理装置100は、第1確信度と第2確信度が相対的に大きい候補群を、実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしい候補群として選択する。
情報処理装置100は、例えば、最終確信度として、第1確信度と第2確信度とを乗算した値を算出し、最終確信度管理テーブル3100を用いて記憶する。そして、情報処理装置100は、最終確信度が最大になる候補群を選択する。これにより、情報処理装置100は、ヒールストライク点が一旦1つに定まらない場合であっても、複数の候補群のうち、実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができる。
情報処理装置100は、候補群を選択すると、歩幅管理テーブル1600を参照し、選択した候補群について算出した歩幅を出力する。情報処理装置100は、選択した候補群について算出した歩幅を、最終結果テーブル3101を用いて記憶してもよい。これにより、情報処理装置100は、患者の歩幅を算出する精度の向上を図ることができる。
また、情報処理装置100は、図12において分割した11個の部分期間のそれぞれの部分期間について、同様に候補群を選択し、歩幅を算出する精度の向上を図る。次に、図32の説明に移行し、第2確信度を算出する別の具体例について説明する。
図32において、情報処理装置100は、左脚と右脚との複数の特徴量に基づいて第2確信度を算出した後、腰の動きに関する複数の特徴量を用いて第2確信度を補正する。
腰の動きに関する複数の特徴量は、例えば、ヒールストライク点において患者の上半身が減速する特徴が現れたか否かを示す特徴量、ヒールストライク点の後に上半身が加速する特徴が現れたか否かを示す特徴量を含む。特徴量は、例えば、ヒールストライク点の直前での腰の前後加速度の最小値γ1、ヒールストライク点の直後での腰の前後加速度の最大値γ2である。
図32のグラフ3200は、腰の前後加速度の加速度データを示し、横軸が時間を示し、縦軸が前後加速度を示す。
情報処理装置100は、腰の前後加速度の加速度データに基づいて、ヒールストライク点の候補Tの直前期間[T−ν,T]における腰の前後加速度の最小値を、最小値γ1として算出する。また、情報処理装置100は、ヒールストライク点の候補の直前期間[T,T+ν]における腰の前後加速度の最大値を、最大値γ2として算出する。
そして、情報処理装置100は、特徴量γ1,γ2が閾値以上であると、第2確信度が大きくなるように、第2確信度を算出する。情報処理装置100は、例えば、最小値γ1と、最大値γ2とに基づいて、下記式(15)および下記式(16)を用いて、第2確信度を算出する。
E'は、第2確信度である。e1,e2は、それぞれ、上記式(12)および上記式(13)によって定義される、αi nに関する確信度とβj nに関する確信度とである。e3は、下記式(16)によって定義される、γk nに関する確信度である。
γk nは、n歩目における特徴量であり、例えば、特徴量γ1,γ2である。H()は、上記式(14)と同様に定義される。これにより、特徴量γ1,γ2が閾値以上であると、確信度e3が1に設定され、特徴量γ1,γ2のいずれかが閾値未満であれば確信度e3が0に設定される。
このように、情報処理装置100は、ヒールストライク点において患者の上半身が減速する特徴が現れたか、ヒールストライク点の後に上半身が加速する特徴が現れたかに対応する確信度e3を算出することができる。そして、情報処理装置100は、第2確信度を算出する精度の向上を図ることができる。次に、図33の説明に移行し、第2確信度を算出する別の具体例について説明する。
図33において、情報処理装置100は、反力データに基づいて第2確信度を算出する基準を決定し、特徴量αi n、特徴量βj n、特徴量γk nなどに基づいて第2確信度を算出する。
図33のように、情報処理装置100は、反力センサ装置となる計測機201から、ヒールストライク点における反力を含む反力データを受信する。情報処理装置100は、受信した反力データに基づいて、ヒールストライク点を特定する。
情報処理装置100は、患者の左脚と右脚と腰とに関するジャイロデータや加速度データに基づいて、特定したヒールストライク点について、特徴量αi n'、特徴量βj n'、特徴量γk n'などを、ヒールストライク点における特徴量の基準として記憶する。
次に、情報処理装置100は、それぞれの候補群について、ヒールストライク点の候補ごとに、特徴量αi n、特徴量βj n、特徴量γk nを算出し、基準となる特徴量αi n'、特徴量βj n'、特徴量γk n'とのそれぞれとの類似度を算出する。そして、情報処理装置100は、それぞれの類似度を確信度e1,e2,e3として用い、上記式(15)を用いて第2確信度を算出する。確信度e1,e2,e3は、例えば、ノルムである。
また、情報処理装置100は、さらに、第1確信度と第2確信度とのほか、候補群のヒールストライク点の組み合わせとしての尤もらしさを評価するための第3確信度を算出してもよい。次に、図34の説明に移行し、第3確信度を算出する具体例について説明する。
図34において、情報処理装置100は、センサ装置からGPS座標などに基づく患者の移動距離3400を受信する。ここで、GPS座標などに基づく患者の移動距離3400は、実際のヒールストライク点の組み合わせとして尤もらしい候補群における最終歩の累積移動距離と近い値になる傾向がある。
このため、情報処理装置100は、複数の候補群のそれぞれの候補群の最終歩の累積移動距離と、受信した移動距離3400との誤差εに基づいて、第3確信度を算出する。情報処理装置100は、例えば、下記式(17)を用いて第3確信度を算出する。
ここで、図35の説明に移行し、上記式(17)について説明する。
図35のグラフ3500は、上記式(17)を示し、縦軸がE(ε)を示し、横軸がεを示す。上記式(17)はロジスティック曲線である。a1、a2は、上記式(17)の関数の形状を決定するパラメータであり、予め設定される。a1は、正である。これにより、情報処理装置100は、第3確信度を算出することができる。
情報処理装置100は、第3確信度を算出すると、例えば、第1確信度と第2確信度と第3確信度とを乗算した値を、最終確信度として算出する。そして、情報処理装置100は、最終確信度に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択する。これにより、情報処理装置100は、候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
図36において、情報処理装置100は、算出した歩幅に基づいて、患者の歩幅の傾向を特定し、出力する。情報処理装置100は、例えば、対象とする日付範囲の指定を受け付け、その日付範囲の歩幅を読み出す。そして、情報処理装置100は、患者の日々の歩き方の推移を把握可能にするために、日付ごとの歩幅の統計値を算出し、その統計値をグラフ3600のように表示する。
ここで、情報処理装置100は、グラフ3600上に、健康である場合の基準値となる範囲を表示してもよい。また、情報処理装置100は、グラフ3600上に、今後の患者の治療などのように、患者に関する参考イベントが行われるタイミングを表示してもよい。また、情報処理装置100は、グラフ3600上に、日付ごとの患者の歩幅の上限から下限までの範囲を表示してもよい。
(全体処理手順の一例)
次に、図37を用いて、情報処理装置100が実行する全体処理手順の一例について説明する。
図37は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、情報処理装置100は、患者の各脚、または患者の各脚と腰とについて、一定期間分のセンサデータを、計測機201から取得する(ステップS3701)。
次に、情報処理装置100は、取得したセンサデータに基づいて1以上の歩行期間を特定する(ステップS3702)。そして、情報処理装置100は、特定した1以上の歩行期間のいずれかを選択する(ステップS3703)。
次に、情報処理装置100は、選択した歩行期間を1以上の部分期間に分割する(ステップS3704)。そして、分割した1以上の部分期間のいずれかを選択する(ステップS3705)。
次に、情報処理装置100は、選択した部分期間におけるヒールストライク点の候補を特定する(ステップS3706)。そして、情報処理装置100は、特定した候補を組み合わせた複数の候補群を特定する(ステップS3707)。
次に、情報処理装置100は、特定した複数の候補群のいずれかを選択する(ステップS3708)。そして、情報処理装置100は、選択した候補群について、図38に後述する最終確信度算出処理を実行する(ステップS3709)。
次に、情報処理装置100は、特定した複数の候補群をすべて選択したか否かを判定する(ステップS3710)。ここで、選択していない場合(ステップS3710:No)、情報処理装置100は、ステップS3708の処理に戻る。
一方で、選択している場合(ステップS3710:Yes)、情報処理装置100は、算出した最終確信度に基づいて、いずれかの候補群を選択する(ステップS3711)。そして、情報処理装置100は、選択した候補群に基づいて、対象者の歩幅を算出し、算出した歩幅を出力する(ステップS3712)。
次に、情報処理装置100は、分割した1以上の部分期間のすべてを選択したか否かを判定する(ステップS3713)。ここで、選択していない場合(ステップS3713:No)、情報処理装置100は、ステップS3705の処理に戻る。
一方で、選択している場合(ステップS3713:Yes)、情報処理装置100は、特定した1以上の歩行期間をすべて選択したか否かを判定する(ステップS3714)。ここで、選択していない場合(ステップS3714:No)、情報処理装置100は、ステップS3703の処理に戻る。
一方で、選択している場合(ステップS3714:Yes)、情報処理装置100は、全体処理を終了する。
(最終確信度算出処理手順の一例)
次に、図38を用いて、情報処理装置100が実行する最終確信度算出処理手順の一例について説明する。
図38は、最終確信度算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図38において、まず、情報処理装置100は、選択した候補群についてステップごとの歩幅を算出する(ステップS3801)。次に、情報処理装置100は、選択した候補群についてステップごとの累積移動距離を算出する(ステップS3802)。そして、情報処理装置100は、図39に後述する第1確信度算出処理を実行する(ステップS3803)。
次に、情報処理装置100は、左脚と右脚との特徴量を算出する(ステップS3804)。そして、情報処理装置100は、腰の前後加速度の加速度データがあるか否かを判定する(ステップS3805)。ここで、加速度データがない場合(ステップS3805:No)、情報処理装置100は、ステップS3807の処理に移行する。
一方で、加速度データがある場合(ステップS3805:Yes)、情報処理装置100は、腰の特徴量を算出する(ステップS3806)。そして、情報処理装置100は、ステップS3807の処理に移行する。
次に、情報処理装置100は、第2確信度を算出する(ステップS3807)。そして、情報処理装置100は、GPSデータがあるか否かを判定する(ステップS3808)。ここで、GPSデータがない場合(ステップS3808:No)、情報処理装置100は、ステップS3810の処理に移行する。
一方で、GPSデータがある場合(ステップS3808:Yes)、情報処理装置100は、第3確信度を算出する(ステップS3809)。そして、情報処理装置100は、ステップS3810の処理に移行する。
次に、情報処理装置100は、反力データがあるか否かを判定する(ステップS3810)。ここで、反力データがない場合(ステップS3810:No)、情報処理装置100は、ステップS3812の処理に移行する。
一方で、反力データがある場合(ステップS3810:Yes)、情報処理装置100は、第2確信度を再計算する(ステップS3811)。そして、情報処理装置100は、ステップS3812の処理に移行する。
次に、情報処理装置100は、最終確信度を算出する(ステップS3812)。そして、情報処理装置100は、最終確信度算出処理を終了する。
(第1確信度算出処理手順の一例)
次に、図39を用いて、情報処理装置100が実行する第1確信度算出処理手順の一例について説明する。
図39は、第1確信度算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図39において、まず、情報処理装置100は、パラメータ値εを読み込む(ステップS3901)。次に、情報処理装置100は、調整値δを算出する(ステップS3902)。
次に、情報処理装置100は、距離差分のばらつき度Vを算出する(ステップS3903)。そして、情報処理装置100は、評価関数E(ε,δ,V)の値を算出する(ステップS3904)。その後、情報処理装置100は、第1確信度算出処理を終了する。
以上説明したように、情報処理装置100によれば、対象者の歩行期間の1歩ごとに、対象者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定することができる。情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに対象者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出することができる。情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、累積移動距離に基づいて、歩行期間において、対象者の遊脚になった脚の着地位置が、対象者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係が現れた度合いを評価することができる。情報処理装置100によれば、評価した結果に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができ、対象者の歩幅などの特徴量を算出する精度の向上を図ることができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに、関係が現れたか否かを判定し、関係が現れた回数が多いほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出することができる。情報処理装置100によれば、算出したそれぞれの候補群の評価値に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択することができる。これにより、情報処理装置100は、複数の候補群のうち、最も対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができる。
情報処理装置100によれば、所定の範囲に、対象者の支持脚になった脚の着地位置を始点にし、始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲を設定することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者が正常に歩いている場合などに対応して、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができる。
情報処理装置100によれば、所定の範囲に、対象者の支持脚になった脚の着地位置より第2距離だけ後方の位置を始点にし、始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲を設定することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者が脚を引きずって歩いている場合などに対応して、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、歩行期間の1歩ごとに、対象者の遊脚になった脚の回転方向および回転度合に応じた第2距離を設定し、関係が現れたか否かを判定することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者が曲がって歩いている場合などに対応して、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択することができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、歩行期間において、対象者の両脚の累積移動距離の差分が一定であるほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、対象者の腰の動きに関する計測情報に基づいて、候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した候補ごとの所定の特徴量に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、地面から対象者への反力に関する計測情報に基づいて、候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した候補ごとの所定の特徴量に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
情報処理装置100によれば、それぞれの候補群について、歩行期間の最終歩における対象者の遊脚になった脚の累積移動距離と、取得した対象者の移動距離との差分に基づいて、複数の候補群のいずれかの候補群を選択することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択する精度の向上を図ることができる。
情報処理装置100によれば、対象者によって歩行運動が行われ、対象者の歩数が所定の歩数より少ない期間を、歩行期間に設定することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者の脚が着地した時点の組み合わせとして尤もらしい候補群を選択するための処理量の低減化を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)対象者の各脚の動きに関する計測情報を取得し、
取得した前記計測情報に基づいて、前記対象者の歩行期間の1歩ごとに、前記対象者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補を特定し、
前記歩行期間の1歩ごとに特定した前記1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定し、
特定した前記複数の候補群のそれぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとの歩幅を算出し、算出した前記歩行期間の1歩ごとの歩幅に基づいて、前記歩行期間の1歩ごとに前記対象者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出し、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとに算出した前記累積移動距離に基づいて、前記歩行期間において、前記対象者の遊脚になった脚の着地位置が、前記対象者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係が現れた度合いを評価し、
評価した結果に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択し、
選択した前記いずれかの候補群を出力する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
(付記2)前記制御部は、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとに、前記関係が現れたか否かを判定し、前記関係が現れた回数が多いほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出し、
算出した前記それぞれの候補群の評価値に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)前記所定の範囲は、前記対象者の支持脚になった脚の着地位置を始点にし、前記始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲である、ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)前記所定の範囲は、前記対象者の支持脚になった脚の着地位置より第2距離だけ後方の位置を始点にし、前記始点から第1距離だけ前方にある位置を終点にする範囲である、ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記5)前記制御部は、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとに、前記対象者の遊脚になった脚の回転方向および回転度合に応じた前記第2距離を設定し、前記関係が現れたか否かを判定する、ことを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)前記制御部は、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間において、前記対象者の両脚の累積移動距離の差分が一定であるほど、当該候補群の評価値が大きくなるように、当該候補群の評価値を算出する、ことを特徴とする付記2〜5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記7)前記制御部は、
前記対象者の腰の動きに関する計測情報を取得し、
前記それぞれの候補群について、前記対象者の腰または各脚の動きに関する計測情報に基づいて、前記候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した前記候補ごとの所定の特徴量に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択する、ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記8)前記制御部は、
地面から前記対象者への反力に関する計測情報を取得し、
前記それぞれの候補群について、前記反力に関する計測情報と前記対象者の各脚の動きに関する計測情報とに基づいて、前記候補ごとに所定の特徴量を算出し、算出した前記候補ごとの所定の特徴量に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択する、ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記9)前記制御部は、
前記対象者の移動距離を取得し、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の最終歩における前記対象者の遊脚になった脚の累積移動距離と、前記歩行期間における前記対象者の移動距離との差分に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択する、ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記10)前記対象者によって歩行運動が行われ、前記対象者の歩数が所定の歩数より少ない期間を、前記歩行期間に設定する、ことを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記11)前記制御部は、
選択した前記いずれかの候補群に基づいて、前記歩行期間の1歩ごとの前記対象者の歩幅を特定し、
特定した前記歩幅を出力する、ことを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記12)計測機と前記計測機と通信可能な情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記計測機は、
対象者の各脚の動きに関する計測情報を生成し、
前記情報処理装置は、
前記計測機から前記計測情報を取得し、
取得した前記計測情報に基づいて、前記対象者の歩行期間の1歩ごとに、前記対象者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補を特定し、
前記歩行期間の1歩ごとに特定した前記1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定し、
特定した前記複数の候補群のそれぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとの歩幅を算出し、算出した前記歩行期間の1歩ごとの歩幅に基づいて、前記歩行期間の1歩ごとに前記対象者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出し、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとに算出した前記累積移動距離に基づいて、前記歩行期間において、前記対象者の遊脚になった脚の着地位置が、前記対象者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係が現れた度合いを評価し、
評価した結果に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択し、
選択した前記いずれかの候補群を出力する、
ことを特徴とする情報処理システム。
(付記13)コンピュータが、
対象者の各脚の動きに関する計測情報を取得し、
取得した前記計測情報に基づいて、前記対象者の歩行期間の1歩ごとに、前記対象者の遊脚になった脚の着地に対応する時点の1以上の候補を特定し、
前記歩行期間の1歩ごとに特定した前記1以上の候補のいずれかを選択して組み合わせた、複数の候補群を特定し、
特定した前記複数の候補群のそれぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとの歩幅を算出し、算出した前記歩行期間の1歩ごとの歩幅に基づいて、前記歩行期間の1歩ごとに前記対象者の遊脚になった脚の累積移動距離を算出し、
前記それぞれの候補群について、前記歩行期間の1歩ごとに算出した前記累積移動距離に基づいて、前記歩行期間において、前記対象者の遊脚になった脚の着地位置が、前記対象者の支持脚になった脚の着地位置の所定の範囲内にあるという関係が現れた度合いを評価し、
評価した結果に基づいて、前記複数の候補群のいずれかの候補群を選択し、
選択した前記いずれかの候補群を出力する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。