最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る監視装置は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視装置であって、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、前記出力ラインの電圧を計測する電圧計測部と、前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部と、前記処理部によって作成された前記計測情報を送信する通信部とを備え、前記処理部は、前記出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持し、前記処理部は、前記電流計測部の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、電流計測部の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、本発明の実施の形態に係る監視装置では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
(2)好ましくは、前記電力変換装置は、前記出力ラインの電圧が起動電圧に達すると起動し、前記所定値は、前記起動電圧より小さい。
このように、監視装置が電力変換装置よりも小さい電圧で起動すること、および電力変換装置の起動前においては電力変換装置のスイッチが開放状態になっている等により太陽電池パネルの出力が開放状態であり、出力ラインに電流が流れないことに着目した構成により、無電流状態を精度良く検出し、より適切なオフセット値を取得することができる。
(3)好ましくは、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記処理部は、前記監視装置が起動するごとに前記オフセット値を更新する。
このような構成により、たとえば電流計測部であるセンサのコア部分等に加えられる電流による磁化影響の変動により変化する当該センサのオフセットを良好に補正することができる。
(4)好ましくは、前記通信部は、前記出力ラインを介した電力線通信により前記計測情報を送信し、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。
このような構成により、太陽電池パネルからの出力ラインを効果的に活用し、構成の簡易化を実現した構成において、太陽電池パネルの出力電流の正確かつ容易な計測が可能となる。
(5)より好ましくは、前記太陽光発電システムにおいては、複数の太陽電池パネルからの出力ラインがそれぞれ電力変換装置に電気的に接続され、前記処理部は、前記出力ラインの電圧が、前記起動電圧より小さい所定値に達したときの前記出力ラインの第1電流値と、前記出力ラインの電圧が、前記起動電圧より小さくかつ前記所定値より大きい電圧に達したときの前記出力ラインの第2電流値との差が所定値未満である場合、前記第1電流値または前記第2電流値を前記オフセット値として保持する。
このように、電流計測部の電流計測値を比較して電圧依存性がないことを確認した上でオフセット値を設定する構成により、たとえば、複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングのうち、あるストリングが故障しているために他のストリングと比べて出力電圧が上昇せず、他のストリングからの電流が故障ストリングに流れ込んで無電流状態とはなっていないことを検出することができるため、不適切な電流計測値をオフセット値として使用することを防ぐことができる。
(6)本発明の実施の形態に係る監視方法は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視装置における監視方法であって、前記監視装置は、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、前記出力ラインの電圧を計測する電圧計測部とを備え、前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成するステップと、作成した前記計測情報を送信するステップとを含み、前記出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持するステップとを含み、前記計測情報を作成するステップにおいては、前記電流計測部の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、電流計測部の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、本発明の実施の形態に係る監視方法では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る監視装置は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムにおける監視装置であって、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部と、前記処理部によって作成された前記計測情報を送信する通信部とを備え、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記監視装置は、さらに、前記出力ラインから供給される電気エネルギーを蓄積可能なキャパシタを備え、前記処理部は、所定時刻において、前記キャパシタの蓄積している電気エネルギーを用いて前記計測結果を取得し、取得した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、前記処理部は、前記監視装置が前記電源電圧により動作している状態において、新たに取得した前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、所定時刻において取得した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、出力ラインの電圧を監視することなく、簡易な処理で適切なオフセット値を取得することができる。また、出力ラインからの電源電圧によって監視装置が起動した後の出力ラインの電圧値の大小に依存することなく、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、電流計測部の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、キャパシタを用いる構成により、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作しながら、簡易な構成で夜間等における一時的な動作を実現することができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る収集装置は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムにおける収集装置であって、前記出力ラインの電流の計測結果および電圧の計測結果を前記監視システムにおける監視装置から受信する通信部と、前記電流の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部とを備え、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記処理部は、前記電流および前記電圧の計測結果に基づいて、前記出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持し、前記処理部は、前記電流の他の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置においてオフセット値を算出する代わりに、収集装置においてオフセット値を算出する構成により、監視装置では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。また、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、監視装置の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、電池を搭載することなく、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作することができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る監視システムは、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムであって、前記出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信する監視装置と、前記監視装置からの前記計測結果を受信する収集装置とを備え、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記収集装置は、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、受信した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、他の前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置においてオフセット値を算出する代わりに、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いる収集装置においてオフセット値を算出する構成により、監視装置では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、監視装置の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、監視装置において電池を搭載することなく、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて監視装置を動作させることができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
(10)本発明の実施の形態に係る監視方法は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視装置における監視方法であって、前記監視装置は、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、前記出力ラインから供給される電気エネルギーを蓄積可能なキャパシタとを備え、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、所定時刻において、前記キャパシタの蓄積している電気エネルギーを用いて前記電流計測部の計測結果を取得し、取得した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持するステップと、前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成するステップと、作成した前記計測情報を送信するステップとを含み、前記計測情報を作成するステップにおいては、前記監視装置が前記電源電圧により動作している状態において、新たに取得した前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、所定時刻において取得した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、出力ラインの電圧を監視することなく、簡易な処理で適切なオフセット値を取得することができる。また、出力ラインからの電源電圧によって監視装置が起動した後の出力ラインの電圧値の大小に依存することなく、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、電流計測部の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、キャパシタを用いる構成により、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作しながら、簡易な構成で夜間等における一時的な動作を実現することができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る監視方法は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムが備える収集装置における監視方法であって、前記出力ラインの電流の計測結果および電圧の計測結果を前記監視システムにおける監視装置から受信するステップと、前記電流および前記電圧の計測結果に基づいて、前記出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持するステップと、前記電流の計測結果に基づく計測情報を作成するステップとを含み、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記計測情報を作成するステップにおいては、前記電流の他の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成する。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置においてオフセット値を算出する代わりに、収集装置においてオフセット値を算出する構成により、監視装置では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。また、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、監視装置の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、電池を搭載することなく、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作することができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
(12)本発明の実施の形態に係る監視方法は、太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムにおける監視方法であって、前記監視システムは、監視装置と、収集装置とを備え、前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記収集装置は、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、前記監視装置が、前記出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信するステップと、前記収集装置が、前記監視装置からの前記計測結果を受信するステップと、前記収集装置が、受信した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持するステップと、前記収集装置が、他の前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成するステップとを含む。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置においてオフセット値を算出する代わりに、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いる収集装置においてオフセット値を算出する構成により、監視装置では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、監視装置の計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。したがって、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。また、監視装置において電池を搭載することなく、太陽電池パネルからの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて監視装置を動作させることができるため、たとえば監視装置が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[太陽光発電システム401の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。
図1を参照して、太陽光発電システム401は、4つの集電ユニット60と、PCS8とを備える。PCS8は、銅バー7と、電力変換部9とを含む。
図1では、4つの集電ユニット60を代表的に示しているが、さらに多数または少数の集電ユニット60が設けられてもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る集電ユニットの構成を示す図である。
図2を参照して、集電ユニット60は、4つの太陽電池ユニット75と、銅バー72とを含む。
図2では、4つの太陽電池ユニット75を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池ユニット75が設けられてもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池ユニットの構成を示す図である。
図3を参照して、太陽電池ユニット75は、4つの太陽電池パネル78と、銅バー77とを含む。
図3では、4つの太陽電池パネル78を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池パネル78が設けられてもよい。
太陽光発電システム401では、複数の太陽電池パネル78からの出力ラインすなわち電力線がそれぞれPCS8に電気的に接続される。
より詳細には、太陽電池パネル78の出力ライン1は、太陽電池パネル78に接続された第1端と、銅バー77に接続された第2端とを有する。各出力ライン1は、銅バー77を介して出力ライン5に集約される。銅バー77は、たとえば接続箱76の内部に設けられている。
太陽電池パネル78は、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を出力ライン1へ出力する。ここで、太陽電池パネル78は、たとえば複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングである。
図2および図3を参照して、出力ライン5は、対応の太陽電池ユニット75における銅バー77に接続された第1端と、銅バー72に接続された第2端とを有する。各出力ライン5は、銅バー72を介して出力ライン2に集約される。銅バー72は、たとえば集電箱71の内部に設けられている。
再び図1を参照して、太陽光発電システム401では、上述のように複数の太陽電池パネル78からの各出力ライン1が出力ライン5に集約され、各出力ライン5が出力ライン2に集約され、各出力ライン2が電力変換装置の一例であるPCS8に電気的に接続される。
より詳細には、各出力ライン2は、対応の集電ユニット60における銅バー72に接続された第1端と、銅バー7に接続された第2端とを有する。PCS8において、内部ライン3は、銅バー7に接続された第1端と、電力変換部9に接続された第2端とを有する。
PCS8は、たとえば、コンテナ6の内部に設けられている。PCS8において、電力変換部9は、たとえば、各太陽電池パネル78において発電された直流電力を出力ライン1、銅バー77、出力ライン5、銅バー72、出力ライン2、銅バー7および内部ライン3経由で受けると、受けた直流電力を交流電力に変換して系統へ出力する。PCS8は、出力ライン2の電圧を監視し、出力ライン2の電圧が所定の起動電圧に達すると起動する、すなわち電力変換動作を開始する。これにより、PCS8が起動した際の電流引き込みによる出力ライン2の電圧低下を許容範囲に収めることができる。PCS8は、たとえば、起動前において出力ライン2を開放状態とする。
[監視システム301の構成]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムの構成を示す図である。
図4を参照して、監視システム301は、4つの監視装置101と、収集装置151とを備える。
図4では、1つの集電ユニット60に対応して設けられた4つの監視装置101を代表的に示しているが、さらに多数または少数の監視装置101が設けられてもよい。
監視システム301は、太陽光発電システム401に用いられる。監視システム301では、子機である監視装置101におけるセンサの情報が、親機である収集装置151へ定期的または不定期に伝送される。
監視装置101は、たとえば接続箱76に設けられている。より詳細には、監視装置101は、4つの太陽電池ユニット75にそれぞれ対応して4つ設けられている。各監視装置101は、たとえば、対応の出力ライン1および出力ライン5に電気的に接続されている。
監視装置101は、対応の太陽電池ユニット75における各出力ライン1の電流をセンサにより計測する。
収集装置151は、たとえばPCS8の近傍に設けられている。より詳細には、収集装置151は、たとえば、コンテナ6の内部において、PCS8に対応して設けられ、信号線46を介して銅バー7に電気的に接続されている。なお、収集装置151は、コンテナ6の外部に設けられてもよい。
監視装置101および収集装置151は、出力ライン2,5を介して電力線通信(PLC:Power Line Communication)を行うことにより情報の送受信を行う。
より詳細には、各監視装置101は、対応の出力ライン1の電流の計測結果を示す計測情報を送信する。収集装置151は、各監視装置101の計測結果を収集する。
[監視装置101の構成]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムにおける監視装置の構成を示す図である。図5では、出力ライン1、出力ライン5および銅バー77がより詳細に示されている。
図5を参照して、出力ライン1は、プラス側出力ライン1pと、マイナス側出力ライン1nとを含む。出力ライン5は、プラス側出力ライン5pと、マイナス側出力ライン5nとを含む。銅バー77は、プラス側銅バー77pと、マイナス側銅バー77nとを含む。
図示しないが、図2に示す集電箱71における銅バー72は、プラス側出力ライン5pおよびマイナス側出力ライン5nにそれぞれ対応して、プラス側銅バー72pおよびマイナス側銅バー72nを含む。
プラス側出力ライン1pは、対応の太陽電池パネル78に接続された第1端と、プラス側銅バー77pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン1は、対応の太陽電池パネル78に接続された第1端と、マイナス側銅バー77nに接続された第2端とを有する。
プラス側出力ライン5pは、プラス側銅バー77pに接続された第1端と、集電箱71におけるプラス側銅バー72pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン5nは、マイナス側銅バー77nに接続された第1端と、集電箱71におけるマイナス側銅バー72nに接続された第2端とを有する。
監視装置101は、処理部12と、電圧計測部13と、通信部14と、記憶部15と、4つのセンサ16とを備える。なお、監視装置101は、出力ライン1の数に応じて、さらに多数または少数のセンサ16を備えてもよい。
監視装置101は、たとえば、太陽電池パネル78の近傍に設けられている。具体的には、監視装置101は、たとえば、計測対象の出力ライン1が接続された銅バー77が設けられた接続箱76の内部に設けられている。なお、監視装置101は、接続箱76の外部に設けられてもよい。
監視装置101は、たとえば、プラス側出力ライン5pおよびマイナス側出力ライン5nとそれぞれプラス側電源線26nおよびマイナス側電源線26pを介して電気的に接続されている。以下、プラス側電源線26nおよびマイナス側電源線26pの各々を、電源線26とも称する。
監視装置101は、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。より詳細には、監視装置101は、たとえば、電源線26を介して出力ライン5から受ける電力を用いて動作する。
電流計測部の一例であるセンサ16は、出力ライン1の電流を計測する。より詳細には、センサ16は、たとえば、電流を計測するためのホール素子タイプの電流プローブであり、監視装置101の図示しない電源回路から受けた電力を用いて、計測対象の出力ライン1を通して流れる電流を計測する。
より詳細には、4つのセンサ16は、たとえば、監視装置101の電源回路から電力の供給を受けると、対応のマイナス側出力ライン1nにおける電流をそれぞれ計測し、計測結果を示す信号を処理部12へ出力する。なお、4つのセンサ16は、プラス側出力ライン1pを通して流れる電流を計測してもよい。
電圧計測部13は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電圧を計測する。より詳細には、電圧計測部13は、プラス側電源線26nおよびマイナス側電源線26pに接続され、電源線26の電圧を計測し、計測結果を示す信号を処理部12へ出力する。
処理部12は、定期的または不定期に、センサ16の計測結果に基づく計測情報を作成する。具体的には、処理部12は、各センサ16から受けた信号に対して平均化およびフィルタリング等の信号処理を行った信号をデジタル信号に変換し、たとえば当該デジタル信号の示す計測値を記憶部15に保存する。そして、処理部12は、記憶部15に保存されている計測値に対応のセンサ16のID、および自己の監視装置101のIDを付加した計測情報を作成し、作成した計測情報、および宛先である収集装置151のIDを通信部14へ出力する。
通信部14は、出力ライン2,5経由で情報を送受信することが可能である。具体的には、通信部14は、電源線26および出力ライン2,5を介して収集装置151と電力線通信を行う。通信部14は、処理部12から受けた計測情報を収集装置151へ送信する。
再び図4を参照して、収集装置151は、計測情報を、出力ライン2,5、銅バー7,72および信号線46を介して複数の監視装置101から受信する。
収集装置151は、たとえば、ある監視装置101から計測情報を受信すると、受信した計測情報を、当該計測情報に含まれる監視装置101のIDと対応付けて図示しない記憶部に保存する。
収集装置151は、たとえばイーサネット(登録商標)規格に従って、端末装置161と情報の送受信を行う。
収集装置151は、たとえば、端末装置161から計測情報要求を受信すると、記憶部15に保存した計測情報および対応の監視装置101のIDを取得して端末装置161へ送信する。
[動作]
監視システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置が計測結果を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
処理部12は、出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。そして、処理部12は、センサ16の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
より詳細には、図6を参照して、まず、処理部12は、出力ライン1から電源線26経由で電源電圧が供給されることにより監視装置101が起動し、自己が起動すると(ステップS1)、電圧計測部13の計測結果を用いて、出力ライン2の電圧すなわち電源線26の電圧の監視を開始する(ステップS2)。
処理部12は、電源線26の電圧が所定値に達すると(ステップS2でYES)、このときのセンサ16の計測結果である計測値を取得し(ステップS3)、取得した計測値すなわち電流値をオフセット値として記憶部15に保存する。なお、処理部12は、電源線26の電圧が所定値に達したことに応答してセンサ16の計測値を新たに取得する構成であってもよいし、センサ16の計測値を記憶部15に随時保存しておき、電源線26の電圧が所定値に達したタイミングにおいてセンサ16の最新の計測値を記憶部15から取得する構成であってもよい(ステップS4)。
次に、処理部12は、センサ16から計測結果を新たに受けて、記憶部15からオフセット値を取得し(ステップS5)、当該計測結果である計測値からオフセット値を減算した値に対応のセンサ16のID、および自己の監視装置101のIDを付加した計測情報を作成し、作成した計測情報を通信部14経由で収集装置151へ送信する(ステップS6)。
以降、処理部12は、センサ16から新たな計測結果を受けるたびに、オフセット値を用いた計測値の補正および補正後の計測値の収集装置151への送信を行う(ステップS5およびS6)。
図6に示す処理において、たとえば、上記所定値は、PCS8の起動電圧より小さい。また、たとえば、処理部12は、監視装置101が起動するごとにオフセット値を更新する。
より詳細には、処理部12は、たとえば監視装置101が夜間に停止し、日の出に伴って起動するたびに、オフセット値の更新処理を行う。
すなわち、監視装置101は、以下の(1)(2)の動作を行う。
(1)線路電圧すなわち出力ライン1の電圧を監視し、PCS8が起動していない低電圧時のセンサ16の計測値をオフセット値として記憶し、以降の計測値から当該オフセット値を差し引く補正処理を行う。
(2)このオフセット値の設定処理は、毎朝の日の出に伴う監視装置101の電源起動時に行い、オフセット値が更新される。
たとえば、出力ライン1からの供給電圧が300V付近になるとPCS8が起動するのに対し、監視装置101が100V付近の供給電圧で起動する場合、出力ライン1からの供給電圧が100V〜300Vの間はPCS8は動作していない。このとき、PCS8のスイッチが開放状態になっている等により太陽電池パネル78の出力は開放状態であり、出力ライン1に電流は流れていない。
このため、たとえば上記所定値を200Vに設定する、すなわち線路電圧である出力ライン2の電圧の計測値が200Vに達したタイミングにおけるセンサ16の電流計測値をオフセット値とすることが有効である。
また、監視装置101およびPCS8の上記起動状態は毎朝発生することから、毎日オフセット値を更新することが可能である。
たとえばセンサ16のコア部分等に加えられる電流による磁化影響の変動により、オフセット値は変化する可能性があるため、上記のように日々オフセット値を更新することは有効である。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置が計測結果を処理する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
処理部12は、出力ラインの電圧が、PCS8の起動電圧より小さい上記所定値に達したときの出力ラインの計測値1(第1電流値)と出力ラインの電圧が、PCS8の起動電圧より小さくかつ上記所定値より大きい電圧に達したときの出力ラインの計測値2(第2電流値)との差が所定値未満である場合、第1電流値または第2電流値をオフセット値として保持する。
より詳細には、図7を参照して、まず、処理部12は、出力ライン1から電源線26経由で電源電圧が供給されることにより監視装置101が起動し、自己が起動すると(ステップS11)、電圧計測部13の計測結果を用いて、出力ライン2の電圧すなわち電源線26の電圧の監視を開始する(ステップS12)。
次に、処理部12は、電源線26の電圧が所定値1に達すると(ステップS12でYES)、このときのセンサ16の計測結果である計測値1を取得し、取得した計測値1すなわち第1電流値を記憶部15に保存する(ステップS13)。
次に、処理部12は、電源線26の電圧が所定値1より大きい所定値2に達すると(ステップS14でYES)、このときのセンサ16の計測結果である計測値2すなわち第2電流値を取得し、取得した計測値2を記憶部15に保存する(ステップS15)。
なお、処理部12は、電源線26の電圧が所定値1または所定値2に達したことに応答してセンサ16の計測値を新たに取得する構成であってもよいし、センサ16の計測値を記憶部15に随時保存しておき、電源線26の電圧が所定値1または所定値2に達したタイミングにおいてセンサ16の最新の計測値を記憶部15から取得する構成であってもよい。
次に、処理部12は、記憶部15から計測値1および計測値2を取得し、両者の差の絶対値を算出する(ステップS16)。
処理部12は、算出した絶対値が所定値以上である場合(ステップS16でNO)、異常を示す警報を出力する(ステップS20)。
一方、処理部12は、算出した絶対値が所定値未満である場合(ステップS16でYES)、計測値1または計測値2をオフセット値として記憶部15に保存する(ステップS17)。
次に、処理部12は、センサ16から計測結果を新たに受けて、記憶部15からオフセット値を取得し(ステップS18)、当該計測結果である計測値からオフセット値を減算した値に対応のセンサ16のID、および自己の監視装置101のIDを付加した計測情報を作成し、作成した計測情報を通信部14経由で収集装置151へ送信する(ステップS19)。
以降、処理部12は、センサ16から新たな計測結果を受けるたびに、オフセット値を用いた計測値の補正および補正後の計測値の収集装置151への送信を行う(ステップS18およびS19)。
図7に示す処理では、監視装置101は、PCS8の起動電圧以下の領域で、線路電圧すなわち出力ライン2の電圧の数点におけるセンサ16の電流計測値を比較し、線路電圧の相違によらず電流計測値が一定であることを確認した上で、オフセット値を設定する。
たとえば、複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングについて、複数のストリングのうち、あるストリングが故障している場合、他のストリングと比べて出力電圧が上昇せず、他のストリングからの電流が故障ストリングに流れ込む可能性がある。この場合、故障ストリングの出力電圧に応じて流れ込む電流量が変化し、一定値にはならない。
このため、センサ16の電流計測値が一定値にならない場合、無電流状態ではない可能性があり、この状態での電流計測値をオフセット値として使用することは不適である。
したがって、PCS8の起動前の電圧であるたとえば100V〜300Vの範囲において、センサの電流計測値を比較して電圧依存性がないことを確認した上でオフセット値を設定することは有効である。
なお、処理部12は、図6または図7に示す処理を、出力ライン1ごとに行うことが可能である。
また、上記例では、太陽電池パネル78の出力電圧等、監視装置101の扱う電圧が正電圧であるとしたが、これに限定するものではない。監視装置101は、負電圧を扱うことも可能である。すなわち、本発明は、負電圧の場合にも適用可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムでは、監視装置101は、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する構成であるとしたが、これに限定するものではない。監視装置101は、たとえば系統側から供給される交流電力を用いて動作する構成であってもよい。すなわち、監視装置101は、電源線26の電圧が上記所定値に達するタイミングにおいて起動済みであればよい。
また、監視装置101は、電力線通信により計測情報を収集装置151へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。監視装置101は、無線通信等、電力線通信以外の通信により計測情報を収集装置151へ送信する構成であってもよい。
ただし、監視装置101が、出力ライン2,5を介した電力線通信により計測情報を収集装置151へ送信するとともに、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する構成により、太陽電池パネル78からの出力ラインを効果的に活用し、構成の簡易化を実現することが可能となる。
ところで、たとえば太陽電池パネルの出力電流をセンサにより計測する監視装置において、センサの状態および種類等によっては、電流が流れていない無電流状態においてもセンサの計測値がオフセットを持ち、ゼロにならない場合がある。このような場合、センサの計測結果を用いて太陽電池パネルの異常を検出することが困難になる可能性がある。
より詳細には、たとえば、複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングについて、複数のストリングのうち、あるストリングにおける太陽電池パネルが劣化している場合、たとえば他のストリングと比較して電流値が小さいこと、また、ケーブル断線等が発生している場合には電流がゼロになることにより、ストリングの異常が検出される。ところが、電流センサの計測値がオフセットを持つと、正しい比較を行うことができなかったり、電流がゼロにならかったりするので、ストリングの異常を検出することが困難となる。
特に、太陽電池パネルの発電電力を用いて監視装置が動作する構成では、電流が流れている状態において監視装置が起動することから、無電流状態においてセンサのオフセット値を取得することは困難である。このような構成の場合、センサを太陽電池パネルの出力ラインから切り離して予めオフセット値を測定する必要があり、手間がかかる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置では、センサ16は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流を計測する。電圧計測部13は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電圧を計測する。処理部12は、センサ16の計測結果に基づく計測情報を作成する。通信部14は、処理部12によって作成された計測情報を送信する。ここで、処理部12は、出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。そして、処理部12は、センサ16の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、センサの計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムでは、PCS8は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電圧が起動電圧に達すると起動する。そして、監視装置101では、上記所定値は、PCS8の起動電圧より小さい。
このように、監視装置101がPCS8よりも小さい電圧で起動すること、およびPCS8の起動前においてはPCS8のスイッチが開放状態になっている等により太陽電池パネル78の出力が開放状態であり、出力ラインに電流が流れないことに着目した構成により、無電流状態を精度良く検出し、より適切なオフセット値を取得することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置では、処理部12は、監視装置101が起動するごとにオフセット値を更新する。
このような構成により、たとえばセンサ16のコア部分等に加えられる電流による磁化影響の変動により変化するセンサ16のオフセットを良好に補正することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置は、太陽電池パネル78からの出力ラインを介した電力線通信により計測情報を送信し、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。
このような構成により、太陽電池パネル78からの出力ラインを効果的に活用し、構成の簡易化を実現した構成において、太陽電池パネル78の出力電流の正確かつ容易な計測が可能となる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムにおいては、複数の太陽電池パネル78からの出力ラインがそれぞれPCS8に電気的に接続されている。そして、監視装置101では、処理部12は、出力ラインの電圧が、PCS8の起動電圧より小さい上記所定値に達したときの出力ラインの第1電流値と出力ラインの電圧が、PCS8の起動電圧より小さくかつ上記所定値より大きい電圧に達したときの出力ラインの第2電流値との差が所定値未満である場合、第1電流値または第2電流値をオフセット値として保持する。
このように、センサの電流計測値を比較して電圧依存性がないことを確認した上でオフセット値を設定する構成により、たとえば、複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングのうち、あるストリングが故障しているために他のストリングと比べて出力電圧が上昇せず、他のストリングからの電流が故障ストリングに流れ込んで無電流状態とはなっていないことを検出することができるため、不適切な電流計測値をオフセット値として使用することを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視方法では、まず、監視装置101は、センサ16の計測結果に基づく計測情報を作成する。次に、監視装置101は、作成した計測情報を送信する。出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。次に、監視装置101は、計測情報を作成する際、センサ16の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、センサの計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る監視方法では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る監視システムと比べてオフセット値の算出タイミングが異なる監視システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る監視システムと同様である。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る監視システムにおける監視装置の構成を示す図である。
図8を参照して、監視装置102は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置101と比べて、さらに、タイマ17と、キャパシタ18とを備える。
キャパシタ18は、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電気エネルギーを蓄積可能である。より詳細には、キャパシタ18は、たとえば、電源線26を介して出力ライン5から受ける電荷を蓄積可能な電解コンデンサである。太陽電池パネル78が発電している状態において、出力ラインには、たとえば1000Vの直流電圧が印加される。
タイマ17は、たとえばカウンタを含み、このカウンタのカウント値が、監視装置102における現在時刻として用いられる。タイマ17は、たとえばキャパシタ18に蓄積されている電気エネルギーを用いて常時動作可能である。タイマ17は、設定された所定時刻になると、その旨を処理部12に通知する。
処理部12は、たとえば、通信部14経由で収集装置151から受信した時刻情報を用いて収集装置151との時刻同期をとる。より詳細には、処理部12は、時刻情報を用いてタイマ17のカウント値を修正することにより、現在時刻を補正する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置がオフセット値を取得する際の動作手順を定めたフローチャートである。
処理部12は、太陽電池パネル78からの出力ラインから電源電圧が供給されない所定時刻において、キャパシタ18の蓄積している電気エネルギーを用いて計測結果を取得し、取得した計測結果から当該出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持する。
そして、処理部12は、監視装置102が上記電源電圧により動作している状態において、新たに取得した計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
より詳細には、図9を参照して、まず、処理部12は、日没に伴い出力ライン1からの電源電圧の供給が停止し、たとえばタイマ17からの通知を受け付ける以外の動作を停止している状態において(ステップS21でNO)、たとえば夜間の時刻である所定時刻になった旨の通知をタイマ17から受けると(ステップS21でYES)、キャパシタ18に蓄積されている電気エネルギーを用いて起動する(ステップS22)。
次に、処理部12は、センサ16の計測結果である計測値を取得し(ステップS23)、取得した計測値すなわち電流値をオフセット値として記憶部15に保存する。なお、処理部12は、タイマ17から所定時刻の通知を受けたことに応答してセンサ16の計測値を新たに取得する構成であってもよいし、センサ16の計測値を記憶部15に随時保存しておき、タイマ17から所定時刻の通知を受けたタイミングにおいてセンサ16の最新の計測値すなわち動作停止直前の計測値を記憶部15から取得する構成であってもよい(ステップS24)。
次に、処理部12は、動作を停止し、たとえば日の出まで、すなわち出力ライン1から電源線26経由で電源電圧が供給されることにより監視装置102が起動するまで待機する(ステップS25)。
なお、処理部12は、所定時刻に起動して取得した電流値と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、オフセット値の取得失敗を判定する構成であってもよい。たとえば、閾値が1アンペア未満に設定され、上記電流値が数アンペアである場合、処理部12は、オフセット値の取得を失敗したと判定する。なお、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置が、このようなオフセット値の取得失敗を判定する構成であってもよい。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置が計測結果を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図10を参照して、まず、処理部12は、出力ライン1から電源線26経由で電源電圧が供給されることにより監視装置102が起動し、自己が起動すると(ステップS31)、記憶部15からオフセット値を取得する(ステップS32)。
次に、処理部12は、センサ16から計測結果を受けると(ステップS33)、当該計測結果である計測値からオフセット値を減算した値に対応のセンサ16のID、および自己の監視装置102のIDを付加した計測情報を作成し、作成した計測情報を通信部14経由で収集装置151へ送信する(ステップS34)。
以降、処理部12は、センサ16から新たな計測結果を受けるたびに、オフセット値を用いた計測値の補正および補正後の計測値の収集装置151への送信を行う(ステップS33およびS34)。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置102では、センサ16は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流を計測する。処理部12は、センサ16の計測結果に基づく計測情報を作成する。通信部14は、処理部12によって作成された計測情報を送信する。監視装置102は、当該出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。キャパシタ18は、当該出力ラインから供給される電気エネルギーを蓄積可能である。処理部12は、所定時刻において、キャパシタ18の蓄積している電気エネルギーを用いて計測結果を取得し、取得した計測結果から当該出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持する。そして、処理部12は、監視装置102が電源電圧により動作している状態において、新たに取得した計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
また、本発明の第2の実施の形態に係る監視方法では、まず、監視装置102は、所定時刻において、キャパシタ18の蓄積している電気エネルギーを用いて計測結果を取得し、取得した計測結果から太陽電池パネル78からの出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持する。次に、監視装置102は、センサ16の計測結果に基づく計測情報を作成する。次に、監視装置102は、作成した計測情報を送信する。この計測情報を作成する際、監視装置102は、自己が電源電圧により動作している状態において、新たに取得した計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、所定時刻において取得した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、出力ラインの電圧を監視することなく、簡易な処理で適切なオフセット値を取得することができる。また、出力ラインからの電源電圧によって監視装置102が起動した後の出力ラインの電圧値の大小に依存することなく、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、センサの計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置および監視方法では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
また、キャパシタ18を用いる構成により、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作しながら、簡易な構成で夜間等における一時的な動作を実現することができるため、たとえば監視装置102が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る監視システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る監視システムと比べて収集装置がオフセット値を算出する監視システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る監視システムと同様である。
本発明の第3の実施の形態に係る監視システムでは、監視装置101は、図6および図7に示すようなオフセット値を用いた計測値の補正を行わず、出力ライン1の電流および電圧の計測結果を収集装置151へ送信する。この計測結果には、たとえば同じタイミングにおいてセンサ16および電圧計測部13によってそれぞれ計測された出力ライン1の電流および電圧が含まれる。また、この計測結果には、たとえば、監視装置101において計測値に対応するセンサ16のID、および当該監視装置101のIDが付加されている。
本発明の第3の実施の形態に係る監視システムでは、監視装置101は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信する。
収集装置151は、監視装置101からの計測結果を受信する。収集装置151は、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、たとえば所定時刻において受信した計測結果から当該出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る監視システムにおける収集装置の構成を示す図である。図11では、出力ライン2、内部ライン3および銅バー7がより詳細に示されている。
図11を参照して、出力ライン2は、プラス側出力ライン2pと、マイナス側出力ライン2nとを含む。内部ライン3は、プラス側内部ライン3pと、マイナス側内部ライン3nとを含む。銅バー7は、プラス側銅バー7pと、マイナス側銅バー7nとを含む。
プラス側出力ライン2pは、対応の集電ユニット60の集電箱71におけるプラス側銅バー72pに接続された第1端と、プラス側銅バー7pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン2nは、対応の集電ユニット60の集電箱71におけるマイナス側銅バー72nに接続された第1端と、マイナス側銅バー7nに接続された第2端とを有する。
プラス側内部ライン3pは、プラス側銅バー7pに接続された第1端と、PCS8に接続された第2端とを有する。マイナス側内部ライン3nは、マイナス側銅バー7nに接続された第1端と、PCS8に接続された第2端とを有する。
収集装置151は、通信部31と、LAN(Local Area Network)通信部33と、処理部34と、記憶部35とを備える。収集装置151は、たとえば系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。すなわち、収集装置151は、系統側からの電力により常時動作可能である。なお、収集装置151は、系統側からの電力を用いる構成に限らず、電池を備え、この電池により常時動作可能な構成であってもよい。
通信部31は、出力ラインを介した電力線通信を監視装置101と行うことが可能である。
より詳細には、通信部31は、出力ライン2,5経由で情報を送受信することが可能である。具体的には、通信部31は、信号線46および出力ライン2,5を介して監視装置101と電力線通信を行う。
収集装置151における通信部31は、たとえば、複数の監視装置101からの計測結果を出力ライン2,5経由で受信する。すなわち、通信部31は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流および電圧の計測結果を各監視装置101から受信する。
より詳細には、通信部31は、信号線46であるプラス側信号線46pおよびマイナス側信号線46nを介してプラス側銅バー7pおよびマイナス側銅バー7nとそれぞれ電気的に接続されている。
たとえば、通信部31は、計測結果を、出力ライン2,5、銅バー7,72および信号線46を介して複数の監視装置101から受信する。
通信部31は、たとえば、ある監視装置101から計測結果を受信すると、受信した計測結果を処理部34へ出力する。
処理部34は、通信部31から受けた出力ライン1の電流および電圧の計測結果を、たとえば、当該計測結果に付加された監視装置101のID、および現在時刻と対応付けて記憶部35に保存する。そして、処理部34は、後述するように計測結果に基づく計測情報を作成し、記憶部35に保存する。
LAN通信部33は、たとえばイーサネット(登録商標)規格に従って、端末装置161と情報の送受信を行う。
処理部34は、たとえば、LAN通信部33経由で端末装置161から計測情報要求を受信すると、記憶部35に保存した計測情報および対応の監視装置101のIDを取得してLAN通信部33経由で端末装置161へ送信する。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る収集装置が計測結果を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
処理部34は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流および電圧の計測結果に基づいて、当該出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの当該出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。
そして、処理部34は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流の他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
より詳細には、図12を参照して、まず、処理部34は、監視装置101から定期的または不定期に送信される計測結果を通信部31経由で受信して記憶部35に保存していく(ステップS41)。
次に、処理部34は、記憶部35に保存した各計測結果の中から、オフセット値の算出に用いるべき計測値を選択して取得する。具体的には、処理部34は、出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの出力ラインの電流値を選択して取得する。たとえば、上記所定値は、PCS8の起動電圧より小さい。また、たとえば、処理部34は、監視装置101の起動ごとにオフセット値を更新する。また、たとえば、処理部34は、図7と同様の処理によってオフセット値を算出する(ステップS42)。
なお、処理部34は、日没直前または日の出直後等の所定時刻における出力ラインの電流値を選択して取得する構成であってもよい。あるいは、処理部34は、一日の最初または最後に監視装置101が取得した出力ラインの電流値を選択して取得する構成であってもよい。このような場合、たとえば、監視装置101における処理部12は、計測値を取得時刻と対応付けて記憶部15に保存し、計測値およびその取得時刻を計測結果として収集装置151へ送信する。
次に、処理部34は、選択した電流値をオフセット値として記憶部35に保存する(ステップS43)。
次に、処理部34は、記憶部15からオフセット値を取得し(ステップS44)、記憶部35に保存した電流の各計測値からオフセット値を減算して当該計測値を補正する。なお、処理部34は、監視装置101から新たに受信した計測値をオフセット値を用いて補正した後、当該計測値を記憶部35に保存していく構成であってもよい(ステップS45)。
また、処理部34は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置と同様に、選択した電流値と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、オフセット値の取得失敗を判定する構成であってもよい。たとえば、閾値が1アンペア未満に設定され、上記電流値が数アンペアである場合、処理部34は、オフセット値の取得を失敗したと判定する。この場合、処理部34は、オフセット値の算出に用いるべき他の計測値が記憶部35に保存されていれば、当該計測値をオフセット値として用いることが可能である。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る監視システムでは、監視装置101は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信する。収集装置151は、監視装置101からの計測結果を受信する。監視装置101は、当該出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。収集装置151は、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、受信した計測結果から当該出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、当該電流の他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
また、本発明の第3の実施の形態に係る監視システムにおける監視方法では、まず、監視装置101が、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信する。次に、収集装置151が、監視装置101からの計測結果を受信する。次に、収集装置151が、受信した計測結果から当該出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持する。次に、収集装置151が、他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置101においてオフセット値を算出する代わりに、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いる収集装置151においてオフセット値を算出する構成により、監視装置101では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。そして、このようなオフセット値を用いて、センサの計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る監視システムおよび監視方法では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る監視システムでは、監視装置101において電池を搭載することなく、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて監視装置101を動作させることができるため、たとえば監視装置101が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。これは、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムも同様である。
また、本発明の第3の実施の形態に係る収集装置では、通信部31は、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流の計測結果および電圧の計測結果を監視装置101から受信する。処理部34は、当該電流の計測結果に基づく計測情報を作成する。監視装置101は、当該出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作する。処理部34は、当該電流および電圧の計測結果に基づいて、当該出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの当該出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。そして、処理部34は、当該電流の他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
また、本発明の第3の実施の形態に係る収集装置における監視方法では、まず、収集装置151が、太陽電池パネル78からの出力ラインの電流の計測結果および電圧の計測結果を監視装置101から受信する。次に、収集装置151が、当該電流および電圧の計測結果に基づいて、当該出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの当該出力ラインの電流値をオフセット値として保持する。次に、収集装置151が、当該電流の計測結果に基づく計測情報を作成する。そして、収集装置151が、この計測情報を作成する際、当該電流の他の計測結果からオフセット値を減算した電流値を示す計測情報を作成する。
このように、太陽電池パネルの発電状態に応じて起動および停止する監視装置101においてオフセット値を算出する代わりに、収集装置151においてオフセット値を算出する構成により、監視装置101では単に計測結果を送信する簡易な構成としながら、適切なオフセット値をより確実に取得することができる。また、出力ラインの電圧の大きさに着目したタイミングにおいて計測した出力ラインの電流値をオフセット値として用いる構成により、センサの計測値がオフセットを持つ場合でも当該計測値を適切に補正することができる。
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る収集装置および監視方法では、太陽電池パネルの出力電流を正確かつ容易に計測することができる。
また、電池を搭載することなく、太陽電池パネル78からの出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作することができるため、たとえば監視装置101が電池を搭載する場合と比べて装置の長寿命化および低コスト化を実現することができる。これは、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置も同様である。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る監視システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視装置であって、
前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、
前記出力ラインの電圧を計測する電圧計測部と、
前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部と、
前記処理部によって作成された前記計測情報を送信する通信部とを備え、
前記処理部は、前記出力ラインの電圧が上昇して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持し、
前記処理部は、前記電流計測部の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成し、
前記電流計測部は、ホール素子型の電流センサであり、
前記通信部は、前記出力ラインを介した電力線通信により前記計測情報を送信し、
前記電力変換装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記電力変換装置は、起動前において前記出力ラインを開放状態とし、
前記所定値は、前記電力変換装置の起動電圧より小さい、監視装置。
[付記2]
太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムにおける監視装置であって、
前記出力ラインの電流を計測する電流計測部と、
前記電流計測部の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部と、
前記処理部によって作成された前記計測情報を送信する通信部とを備え、
前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記監視装置は、さらに、
前記出力ラインから供給される電気エネルギーを蓄積可能なキャパシタを備え、
前記処理部は、所定時刻において、前記キャパシタの蓄積している電気エネルギーを用いて前記計測結果を取得し、取得した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、
前記処理部は、前記監視装置が前記電源電圧により動作している状態において、新たに取得した前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成し、
前記所定時刻は、前記電源電圧が供給されない時刻であり、
前記電流計測部は、ホール素子型の電流センサであり、
前記通信部は、前記出力ラインを介した電力線通信により前記計測情報を送信し、
前記電力変換装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記電力変換装置は、起動前において前記出力ラインを開放状態とする、監視装置。
[付記3]
太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムにおける収集装置であって、
前記出力ラインの電流の計測結果および電圧の計測結果を前記監視システムにおける監視装置から受信する通信部と、
前記電流の計測結果に基づく計測情報を作成する処理部とを備え、
前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記処理部は、前記電流および前記電圧の計測結果に基づいて、前記出力ラインの電圧が下降して所定値に達したときの前記出力ラインの電流値をオフセット値として保持し、
前記処理部は、前記電流の他の計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成し、
前記監視装置は、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部としてホール素子型の電流センサを備え、
前記通信部は、前記出力ラインを介した電力線通信により前記計測情報を受信し、
前記電力変換装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記電力変換装置は、起動前において前記出力ラインを開放状態とし、
前記所定値は、前記電力変換装置の起動電圧より小さい、収集装置。
[付記4]
太陽電池パネルからの出力ラインが電力変換装置に電気的に接続される太陽光発電システムに用いられる監視システムであって、
前記出力ラインの電流を計測し、計測結果を送信する監視装置と、
前記監視装置からの前記計測結果を受信する収集装置とを備え、
前記監視装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記収集装置は、系統側から供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、受信した前記計測結果から前記出力ラインの電流のオフセット値を取得して保持し、他の前記計測結果から前記オフセット値を減算した電流値を示す前記計測情報を作成し、
前記監視装置は、前記出力ラインの電流を計測する電流計測部としてホール素子型の電流センサを備え、
前記監視装置および前記収集装置は、前記出力ラインを介した電力線通信により前記計測情報をそれぞれ送信および受信し、
前記電力変換装置は、前記出力ラインから供給される電圧を電源電圧として用いて動作し、
前記電力変換装置は、起動前において前記出力ラインを開放状態とする、監視システム。