JP6789250B2 - ビールまたはシードルベース - Google Patents

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Description

本発明は、麦芽ベースまたはシードルベースの液体と外来の成分とを含む飲料を調製するための方法に関する。特に、本発明は、第1の工程が発酵飲料を第1の濾過工程に供して浸透液画分を得ることを含み、続いてその浸透液画分を第2の濾過工程に供して発酵飲料のエタノール含有量の大部分を含むベース液を得、続いてそのベース液に外来の成分を添加し、それにより所望の芳香飲料を得る、方法に関する。
ビール由来の飲料は、味および飲料設計のさらなる多様化を可能にするが、依然として天然の発酵過程により得られるエタノールに基づくことから、これらは急速により多くの関心を集めている。
そのようなビール由来の飲料の製造における鍵は、好まれる芳香が添加され得る、エタノールを含む中性的な味のベース液を得ることである。エタノールを含む中性的な味のベースは、理想的には、製造が容易で費用効果が高いものである。
ビール濃縮物を製造する目的で、ビールからエタノールが多く含まれた画分を得ることが知られている。米国特許第4265920号明細書および米国特許第4532140号明細書は、通常のアルコール含有量のビールに再構成され得る高アルコールビール濃縮物を得るための2段階法を教示している。米国特許第4265920号明細書の方法は、エタノールおよび揮発性芳香成分とビール成分の残りを含む保持液とを分離するための第1の蒸留工程を含み、この後に、第1の工程からの保持液を濃縮するためのかなり費用のかかる凍結濃縮手順を含む第2の工程が続く。最後に、工程1からの蒸留されたエタノールが、工程2からの凍結濃縮された保持液と組み合わされ、エタノールが多く含まれた最終ビール濃縮物を結果としてもたらす。これに対して、米国特許第4532140号明細書の方法は、第1の工程で、ビールを限外濾過に供して濃縮保持液および含水浸透液を得、次いで第2の工程で、その含水浸透液を逆浸透に供してエタノールおよび揮発性化合物を濃縮し、最後に、工程2からのアルコール画分を工程1からの保持液と一緒に取り出して最終ビール濃縮物を得る。
上記の方法の少なくともいくつかは、ビール(それのアルコール含有量を含む)を濃縮するための一般的なアプローチを提供するが、それらは、高い処理量を維持しかつアルコール損失を最小限に抑えつつ、元のアルコール含有量の大部分を含む、大部分の不揮発性芳香から精製された液体画分を得ることにではなく、水以外の元のビール成分をできるだけ多く保持することに焦点を置く。
本発明は、麦芽ベースの液体と外来の成分とを含む飲料を製造するための方法を提供するものであり、この麦芽ベースの液体は、5ABV以上のアルコール含有量を有するアルコールを天然に含有する麦芽ベースの液体に関する。引き続き、本発明のこれらおよび他の利点が提示される。
本発明は、添付の独立請求項で定義される。好ましい実施形態は、従属請求項で定義される。特に、本発明は、芳香飲料を調製するための方法に関し、その方法は、
a)発酵飲料(1)を、ナノ濾過(A)または限外濾過を含む第1の濾過工程に供して保持液画分(2)およびアルコールと揮発性風味成分とを含む浸透液画分(3)を得る工程と、
b)アルコールと揮発性風味成分とを含む浸透液画分を、逆浸透を含む次の濾過工程に供して少なくとも2ABVを含むベース液を得る工程と、
c)b)からのベース液を外来の芳香と組み合わせ、それにより芳香飲料を得る工程と
を含む。
好ましくは、発酵飲料は、ビールまたはシードル(例えば、2〜16%ABVの間、好ましくは2.5〜10%ABVの間、最も好ましくは3〜8%ABVの間からなるアルコール濃度を有するビールまたはシードル)である。ビールの場合、発酵飲料は、好ましくは、14〜25°Pまたはさらにはそれ以上の初期比重のビールとして定義される高比重ビールである。
工程a)におけるナノ濾過(A)は、好ましくは、18〜41バールの範囲、好ましくは20〜30バールの範囲の圧力下で行われるナノ濾過として定義される高圧ナノ濾過である。
b)における第2の濾過工程(B)は、好ましくは、最初に逆浸透を含み、次いで、前記逆浸透の結果得られるエタノールを含む画分の少なくとも1つの追加の処理をさらに含むものであり、前記処理は、蒸留、分留、または逆浸透を含む。
工程b)において得られるベース液(4)は、好ましくは、2〜20%ABVの間を含む。
本発明の本質のより完全な理解のために、添付の図面に関連して解釈される以下の詳細な説明が参照される。
図1は、本発明に従う方法の鍵となる工程を概略的に図示したブロック図を示すものである。A−ナノ濾過または限外濾過を含む第1の濃縮工程;B−逆浸透を含む第2の濃縮工程;C−第2の濃縮工程からの保持液を外来の芳香と組み合わせる。1−ナノ濾過に供されるビール;2−保持液;3−エタノールと揮発性芳香成分とを含む浸透液;4−発酵飲料中に元々存在したアルコールを少なくとも…体積%含むベース液;5−第2の濃縮工程からの残りの画分;6−芳香飲料;7−外来の芳香。
定義
本明細書で使用される場合、「ビール」という用語は、かなり広い定義に従って解釈されるべきである。
「麦芽汁からの発酵によって得られる、デンプン質または糖質原料を用いて調製された、ホップ粉末またはホップエキスと飲料水とを含む、酒類。オオムギ麦芽およびコムギ麦芽を除いては、以下のもののみが醸造用に考えられ得、例えば、コムギ麦芽、デンプン質または糖質原料と混合され、その総量は、デンプン質または糖質原料の総重量の80%、好ましくは40%を超えないものとする。
(a)トウモロコシ、イネ、糖、コムギ、オオムギおよびそれらの様々な形態。
(b)蔗糖、転化糖、デキストロースおよびグルコースシロップ。
ある国家法によれば、必ずしも全ての麦芽ベースの発酵飲料がビールと呼ばれ得るわけではないのであるが、本発明の文脈において、「ビール」および「麦芽ベースの発酵飲料」という用語は、本明細書では同義語として使用され、交換可能であり得る。本明細書で使用される場合、「再構成されたビール」および「再構成された麦芽ベースの発酵飲料」という用語は、成分の点ではビールと実質的に同一であるが、先に調製されたビール濃縮物への溶媒(すなわち、水または炭酸水)の添加により得られた飲料として理解されるべきであるということになる。
次に、本明細書で使用される場合、「シードル」という用語は、リンゴ汁または10%までのセイヨウナシ汁と混合されたリンゴ汁の発酵の結果として得られるあらゆるアルコール飲料として理解されるべきである。この用語はまた、この発酵リンゴ汁を酸(クエン酸または酒石酸)および/または糖のような標準的なシードル製造用添加物を添加する、濾過する、冷却する、二酸化炭素で飽和させる、低温殺菌するなどによりさらに改変された、シードルという用語下で商品化されている任意の製品を包含する。
本明細書で使用される場合、「非濾過性化合物」という用語は、任意の種類のビールまたはシードルに含まれる、ナノ濾過膜を透過し得ない種々の化合物(すなわち、所与のナノ濾過膜に応じて、分子量保持サイズカットオフである150Da、180Da、または200Daより大きな平均サイズを有するビール化合物)の全てに言及するものとして理解されるべきである。水、一価および一部の二価イオン、低分子アルコール(例えば、エタノール)、低分子エステルならびに多くの揮発性風味成分を含む「濾過性化合物」と対照的に、非濾過性化合物は、糖、主に多糖;糖アルコール、ポリフェノール、ペントサン、ペプチドおよびタンパク質、高分子量アルコール、高分子量エステル、部分的多価イオン、ならびにビールまたはシードルの種類に応じて変わる、多くの他の、主として有機の、極めて異なる化合物を主として含む。複雑さおよび異なるビールまたはシードル組成間の相違のため、非濾過性化合物の全体濃度は、(非常に単純化していて正確ではないが)しばしば「糖濃度」または「固形分濃度」と称されており、密度、粘度、ビールレオロジー、初期比重もしくはエキス、真性比重もしくはエキス、発酵度(RDF)および/またはアルコール含有量などのパラメータを考慮に入れて、質量バランス検討から容易に算出され得る。醸造の実際において、エタノールは、<1g/cmの密度の最も主要な化合物であり、したがって、最も実質的に密度測定に影響を及ぼすので、非濾過性化合物の濃度は、測定されたエタノール量の密度に対して補正される密度(真性エキス)測定から日常的に概算される。そのような測定は当該技術分野においてよく知られており、Anton Paar Alcolyzerデバイスなどの標準的なビール分析システムを用いて日常的に実施されており、よって、ビール醸造における任意の当業者によって直ちにかつ容易に実施可能である。
ビール中に溶解した成分の量は、いわゆる比重(相対密度)または見かけ比重としても表され得る。第1のものは、ビールの密度(単位体積当たりの重量)を基準物質として用いられる水の密度で除した値として測定されるのに対して、第2のものは、ある体積のビールの重量を等しい体積の水の重量と比べた値として測定される。例えば、1.050(「50ポイント」)の比重は、物質が、等しい体積の水よりも5%重いことを示している。水の密度(そして結果としてビールの密度も)は温度によって変化する。したがって、比重の場合も見かけ比重の場合も、試料および基準値の測定は、同じ特定の温度および圧力条件下で行われる。圧力は、ほとんどいつも、101.325kPaに等しい1atmであり、温度は、ビール密度を概算するためのさらなるシステムの選択に応じて異なり得る。そのようなシステムの例は、それぞれ醸造業およびワイン産業において一般的に使用されているPlatoおよびBrix尺度の2つの経験的尺度である。両尺度は、溶液の強度を糖の質量百分率として表し、1度Plato(°Pと略す)または1度Brix(°Bxという符号)は、水100グラム中1グラムのスクロースを意味する。主として両尺度が異なる温度のスクロースの溶液について開発されたものであることにより、これらの単位の間には違いがあるが、その違いは非常に微々たるものであるので、それらは実質的に交換可能に使用され得る。例えば、15.5℃で12°Platoにて測定されたビールは、15.5℃の12質量%のスクロースを含有する水−スクロース溶液と同じ密度を有し、この溶液は、12°Brixとほぼ等しく、20℃の12質量%のスクロースを含有する水−スクロース溶液と同じ密度である。Plato尺度およびBrix尺度は、それらが発酵性材料の量に換算した密度測定値を表す点で比重に勝る利点を有し、醸造の初期段階において特に有用である。当然のことながら、ビールも麦芽汁も、スクロースだけにとどまらずより多くの固形分からなるので、それは正確ではない。Plato度と比重との間の関係は直線的ではないが、1°Pは4「醸造者ポイント」(4×0.001)に等しいという充分な近似があり、よって、12°Platoは、1.048[1+(12×4×.001)]の比重に相当する。
「初期比重」または「初期エキス」という用語は、発酵前に測定された比重をいうのに対して、「最終比重」または「最終エキス」という用語は、発酵の完了時に測定される比重に関する。概して、比重は、ビールの、それの発酵の様々な段階における比重をいう。初期の、酵母によるアルコール産生前の麦芽汁(すなわち、ビール発酵前の粉砕麦芽)の比重は、スクロースの量によってほぼ決まる。したがって、発酵の開始時の初期比重示度は、Plato尺度またはBrix尺度における糖含有量を求めるために使用され得る。発酵が進むにつれ、酵母は糖を、二酸化炭素、エタノール、酵母バイオマス、および風味成分に変換する。糖量の低下および水よりもかなり小さい密度を有するエタノールの存在の増加は、その両方が、発酵しつつあるビールの比重の低下に寄与する。最終比重示度と比較される初期比重示度は、消費された糖の量、よって、産生されたエタノールの量を推定するために使用され得る。例えば、レギュラービールの場合、初期比重は1.050で、最終比重は1.010であり得るであろう。同様に、ある飲料の初期比重およびそれのアルコール量を知ることが、発酵の間に消費された糖の量を推定するために用いられ得る。糖が発酵してアルコールとなった程度は、「実際の発酵度」または「RDF」という用語を用いて表され、しばしば、エタノールおよびCOに変えられた初期比重の画分として与えられる。ビールは通常より多くの残存糖、よってより低いRDFを有するので、ビールのRDFは、理論上、それの甘味を示す。
濾過工程は、ビールからの水の部分的または実質的な分離、よって、初期より小さい体積におけるビールに溶解している成分の大部分の保持を可能にする、当該技術分野において認識されている種々の技術のうちの任意のものを含み得る。飲料産業において現在使用されている技術の多くは、いわゆる膜技術に依拠しており、この膜技術は、従来の熱処理プロセスに代わるより安価な方策を提供するものであり、半透膜を利用して物質を2つの画分に分離することを含む。膜細孔サイズよりも小さい粒子を含む画分は、膜を通過し、本明細書で使用される場合、「浸透液」または「濾過液」と称される。膜の供給側に保持される他の全てのものは、本明細書で使用される場合、「保持液」と称される。
典型的な膜濾過システムは、例えば、圧力駆動技術である微細濾過、限外濾過、ナノ濾過および逆浸透を含む。本明細書で使用される場合、「微細濾過」という用語は、0.1〜10μm以上のサイズを有する粒子の保持のための膜濾過技術をいう。通常、微細濾過は、低圧プロセスであり、典型的には0.34〜3バールの範囲の圧力で作動する。微細濾過は、粒子(例えば、酵母、原生動物、大型細菌、有機および無機堆積物など)の分離を可能にする。次いで、本明細書で使用される場合、「限外濾過」という用語は、約0.01μm以上のサイズを有する粒子の保持のための膜濾過技術を意味する。限外濾過は、通常、1000ダルトンより大きい分子量を有する粒子(例えば、大部分のウイルス、あるサイズのタンパク質、核酸、デキストリン、ペントサン鎖など)を保持する。限外濾過の典型的な作動圧力は、0.48〜10バールの範囲である。さらに、本明細書で使用される場合、「ナノ濾過」という用語は、0.001μm〜0.01μm以上のサイズを有する粒子の保持のための膜濾過技術として理解されるものとする。ナノ濾過は、水、エタノール、一価イオン、およびいくつかの有機分子(例えば、多くの芳香族エステル)を通過させつつ、二価または多価イオン(例えば、二価塩)および大部分のおよそ180ダルトンより大きい有機化合物(オリゴ糖および多くの風味化合物を含む)を保持することが可能である。ナノ濾過については8〜41バールの作動圧力が典型的である。ナノ濾過が18バールから上のこの範囲の上端内の入口圧力下で操作される場合において、本明細書で使用される場合、それは、「高圧ナノ濾過」と呼ばれるものとする。最後に、本明細書で使用される場合、「逆浸透」という用語は、適用される圧力が浸透圧に打ち勝つために使用される高圧膜プロセスをいうものとして理解されるものとする。逆浸透は、通常、0.00005μm〜0.0001μm以上のサイズを有する粒子、すなわち、ほぼ全ての粒子およびイオン種を保持することを可能にする。50ダルトンより上の分子量を有する物質は、ほぼ例外なく保持される。作動圧力は、典型的には21〜76バールの間であるが、特定の用途においては150バールまで達し得る。
ここで、バールという単位は、IUPACの定義によれば、100,000Paに相当する[SI単位で1Pa=1N/m=1kg/m*s]。
さらに、本明細書で使用される場合、「揮発性風味成分」という用語は、ビール中に含まれる、それの複雑な嗅覚プロファイルに寄与する物質であって、それらの化学的性質により水よりも低い沸点を有する物質のうちの任意のものとして理解されるものとする。揮発性ビール風味成分の例としては、アセトアルデヒド、N−プロパノール、酢酸エチル、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、酢酸イソアミル、ヘキサノン酸エチル、オクタン酸エチル、および多くのそれ以外のものが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のために、「外来の芳香」は、発酵させ、本発明に従う方法の濃縮工程(a)および(b)に供した発酵飲料に起源をもたないまたは由来しない芳香または風味化合物として定義される。「外来の芳香」は、発酵させた発酵飲料中に存在しない、天然または合成のいずれかの、任意の種類の芳香または風味化合物であり得、発酵後の段階において濃縮工程(a)および(b)に供される発酵飲料に添加される芳香または風味も含む。
発明の詳細な説明
本発明は、芳香飲料を調製するための方法に関し、この方法は、
a)ナノ濾過(A)または限外濾過を含む第1の濾過工程に発酵飲料(1)を供して保持液画分(2)およびアルコールと揮発性風味成分とを含む浸透液画分(3)を得る工程と、
b)アルコールと揮発性風味成分とを含む浸透液画分を、逆浸透を含む次の濾過工程に供して少なくとも2%ABVを含むベース液を得る工程と、
c)b)からのベース液を外来の芳香と組み合わせ、それにより芳香飲料を得る工程と
を含む。
好ましくは、発酵飲料は、ビールまたはシードル、より好ましくは、5ABV以上、より好ましくは8ABV以上のアルコール含有量を有するラガータイプのビールである。
図1は、本発明に従う芳香飲料を調製するための方法の一般スキームを概略的に図示したものである。第1の工程として、ビール(1)が、>150〜200Daの平均分子量(MW)の大部分のビール成分の通過に対する物理的障壁として作用するが、水、エタノールの大部分、一価塩およびある量のビール風味成分を透過させる、半透膜によるナノ濾過(A)に供される。膜の流入側に保持されるこの第1の画分は、保持液(2)と呼ばれ、収集されるのに対して、アルコールと揮発性風味成分とを含む画分は、浸透液(3)と呼ばれ、第2の濾過工程(B)に導かれる。本発明によれば、第2の濾過工程は、逆浸透を含み、先のナノ濾過工程(A)からの浸透液(3)の、2つの画分への分離を結果としてもたらす。1つ目は、少なくとも2%ABVを含むベース液であり、このベース液は、収集され、外来の芳香(7)とブレンド/混合され、所望の芳香飲料(6)を結果としてもたらす。2つ目は、大部分が水の残りの画分(5)であり、第1の濾過工程の入口に再循環される。所望の芳香飲料(6)は、次に消費され得るか、または所望の味プロファイルおよびアルコール含有量に従ってさらに水で希釈され得る。
概して、本発明に従うナノ濾過(A)に供されるビール(1)は、好ましくは、酵母および直径0.2μmを超える他の粒子の大部分を除去するために任意のレギュラービール清澄化技術を用いて処理された、透明なビール(例えば、ラガー)である。そのような技術は、標準的であり、ビール調製の当該技術分野においてよく知られている。例えば、それらは、遠心分離、任意選択で遠心分離が先行する例えばキースラガー(珪藻土)による濾過、または他の種類の標準的な微細濾過技術を含む。ビールは、好ましくは、2〜16%ABVの間、好ましくは2.5〜10%ABVの間、最も好ましくは3〜8%ABVの間からなるアルコール濃度を有する。ビールの場合、発酵飲料は、好ましくは、14〜25°Pまたはさらにはそれ以上の初期比重のビールとして定義される高比重ビールである。
上記のことに即して、本発明は、ビールのナノ濾過、特に高圧ナノ濾過が、保持液中のより大きなビール風味化合物の大部分を保持することを可能にするだけでなく、第1の浸透液へのアルコールの良好な処理量を提供し、それにより、第2の濾過工程における中性的なビールベースの製造を可能にするという知見に基づいている。有利に経済的な実施形態において、ナノ濾過は、多段階操作として実施され、保持液が徐々に濃縮されていく間に何段階にもわたって進行していき、ビール中のアルコールの大部分が、浸透液に移される。そのような高い濃縮能力は、特に、150〜200ダルトンまたは同様のものの範囲においてポリマースパイラル膜を用いて達成され得ることが観察された。そのような膜の例としては、薄膜複合材料ATF(交互接線濾過、Refine Technology)膜(例えば、DOWおよびParker domnick hunterから現在入手可能なもの)が挙げられる。
ナノ濾過工程後に、元のビールの味特性をさらに除去するために、浸透液画分が第2の濾過工程b)に供給され、前記工程は逆浸透を含む。
本発明の可能な実施形態において、本発明の方法の工程b)は、最初に逆浸透を含み、次いで、前記逆浸透の結果得られるエタノールを含む画分の少なくとも1つの追加の処理をさらに含むものであり、前記処理は、分留、好ましくは蒸留、または逆浸透を含む。前記実施形態において、アルコールと揮発性風味成分とを含む画分である含水浸透液は、最初に、逆浸透を含む工程に供されて、逆浸透を含む工程前よりも高い濃度のアルコールを含む保持液画分および残りの画分を得、その後、アルコールを含む前記保持液画分はさらに、分留、好ましくは蒸留、または逆浸透を含む少なくとも1つのさらなる濃縮工程に供されて、アルコールを含むベース液および残りの画分を得る。
本発明の実施形態のさらなる発展において、逆浸透が、高分離逆浸透、すなわち、60〜120バールの範囲内に含まれる作動圧力下において0〜12℃の温度で行われる逆浸透である方法が提供される。

Claims (7)

  1. 芳香飲料を調製するための方法であって、前記方法は、
    a)発酵飲料(1)を、ナノ濾過(A)または限外濾過を含む第1の濾過工程に供して保持液画分(2)およびアルコールと揮発性風味成分とを含む浸透液画分(3)を得る工程と、
    b)アルコールと揮発性風味成分とを含む前記浸透液画分を、逆浸透を含む第2の濾過工程に供して少なくとも2%ABVを含むベース液を得る工程と、
    c)b)からの前記ベース液を外来の芳香と組み合わせ、それにより前記芳香飲料を得る工程と
    を含む、方法。
  2. 前記発酵飲料が、ビールまたはシードルである、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)における前記ナノ濾過(A)が、18〜41バールの範囲の圧力下で行われるナノ濾過として定義される高圧ナノ濾過である、請求項1または2に記載の方法。
  4. b)における前記第2の濾過工程(B)が、最初に逆浸透を含み、次いで、前記逆浸透の結果得られるエタノールを含む画分の少なくとも1つの追加の処理をさらに含むものであり、前記処理は、蒸留、分留、または逆浸透を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程b)におけるアルコールを含む前記ベース液(4)が、2〜20%ABVの間を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記発酵飲料(1)が、14〜25°Pまたはさらにはそれ以上の初期比重のビールとして定義される高比重ビールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記発酵飲料(1)が、2〜20%ABVの間からなるアルコール濃度を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
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