JP6786941B2 - ガスセンサーデバイス、ガス測定装置、及びガスセンサーデバイスの作製方法 - Google Patents

ガスセンサーデバイス、ガス測定装置、及びガスセンサーデバイスの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセンサーデバイス、ガス測定装置、及びガスセンサーデバイスの作製方法に関する。
現在主流のガスセンサーは、二酸化スズ(SnO2)に代表的にされる半導体材料が検知体として用いられ、半導体材料の表面への化学物質の吸着による電気抵抗の変化を測定する構成となっている。このような構成で気体の高感度測定を行うためには、定電流源を用いて測定用の電流を供給し、かつ良好な検知特性が得られる温度領域までガスセンサーデバイスを加熱制御している。そのため、検知回路の消費電力が増大しやすく、デバイス加熱用のヒーターに多くの電力が消費される。
一方で、常温で抵抗変化型のガスセンサーデバイスを構成できる検知材料も存在する。銅ハロゲン化物の一種である臭化第一銅(CuBr)はその代表的な例である。CuBrを検知材料に用いて、大気中のアンモニアに対して室温で大きい電気抵抗変化を示すデバイスが提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
Analytica Chimica Acta,Vol.515,pp.279 (2004)
CuBrは、アンモニアに対する感度と、アンモニアを優先的に検知するガス種選択性の点で優れた特性を示す。しかし、デバイスの抵抗値が初期値からアンモニア濃度に対応する平衡値に至るまでの時間(立ち上がり時間)が10分程度と長く、測定に時間がかかるという課題がある。
そこで、CuBrを用いたガスセンサーデバイスにおいて、応答速度を最大にする構成と手法を提供することを目的とする。
一つの態様では、ガスセンサーデバイスは、
基板上の臭化第一銅の結晶膜、を有し、前記臭化第一銅の結晶表面が、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されていることを特徴とする。
臭化第一銅(CuBr)を用いたガスセンサーデバイスで、応答速度を最大にすることができる。
固体表面に対するガス分子の吸着の理想的な進行を示す図である。 界面に吸着特性の異なる結晶面がある場合の検知体の応答特性の鈍化を示す図である。 実施形態のガスセンサーデバイスの概略図である。 実施形態のガスセンサーデバイスの作製工程図である。 酸化第一銅(Cu2O)の下地層を有する銅(Cu)膜に臭化第二銅(CuBr2)の溶液を作用させたときの臭化第一銅(CuBr)の結晶の成長を示す模式図である。 臭化第一銅(CuBr)の(111)面の優先的な成長と、ステップ段丘形成のメカニズムを説明する模式図である。 実施例のガスセンサーデバイスの応答特性を抵抗値の経時変化で示す図である。 実施例の手法で作製したCuBrの検知膜の表面のSEM画像である。 実施例のガスセンサーデバイスの各種ガスに対する相対応答強度を、比較例のデバイスと比較して示す図である。 比較例のガスセンサーデバイスの概略図である。 比較例のガスセンサーデバイスの応答特性を、抵抗値の経時変化で示す図である。 比較例のガスセンサーデバイスのCuBr検知膜の表面のSEM画像である。 実施形態のガスセンサーデバイスを用いたガス測定装置の概略図である。
実施形態では、気体中の化学物質を検知する検知体の材料であるCuBrの表面において、特定の結晶面が支配的となる構成を実現することで、ガスセンサーデバイスの応答速度を最大化する。この基本概念は、以下の知見に基づく。
室温で検知動作を行う半導体ガスセンサーデバイスの場合、検知体表面での対象ガスの吸着現象が、デバイスの応答特性を決定づける要因となる。検知体の表面に吸着した単位面積当たりのガス分子の量は、たとえばラングミュア(Langmuir)のモデルを用いて記述され、単位表面積当たりの吸着量が、検知体の抵抗値の変化量に対応する。
図1は、固体表面へのガス分子の吸着の理想的な進行を示す。初期吸着(立ち上がり)の段階では、時間とともに吸着量が増え、ある一定のレベルまで増加すると飽和して吸着平衡状態になる。吸着平衡濃度は、大気中の検知対象ガスの濃度と相関する。検知材料の表面における吸着平衡濃度は、そのガス分子の大気中の濃度に対応するデバイスの応答強度を決定する。また、検知材料表面への検知対象のガス分子の吸着速度が、デバイスの応答の立ち上がり速度を決定する。
図2に示すように、現実には、大気との界面を構成する検知体の結晶面の方位ごとに、吸着速度と吸着平衡濃度が異なっている。図2の例では、大気と接する結晶面A、B、Cでそれぞれガス分子の吸着特性が異なり、デバイス全体としての応答特性は、各結晶面が示す性質を総和したものになる。デバイスの抵抗値の時間変化には、大気との界面をなす結晶面の方位の違いによる吸着速度のばらつきが含まれている。ばらつきが大きい場合には、抵抗値が平衡値に到達するまでに要する時間は、吸着速度が最も低い結晶面に依存することになる。そのため、検知体全体として立がり応答が鈍くなる。
検知体と大気との界面を、検知対象のガスの吸着速度が速い特定の方位の結晶面で形成することができれば、ガスセンサーデバイスの抵抗値が平衡値に到達するまでの時間を最小にできるはずである。換言すると、大気との界面でガス吸着速度の速い結晶面を支配的にすることで、デバイスの応答速度を最大にすることができる。
図3は、実施形態のガスセンサーデバイス10の概略図であり、ガスセンサーデバイス10の断面図(A)と、上面図(B)を示す。ガスセンサーデバイス10は、臭化第一銅(CuBr)を検知体として用いる抵抗変化型のガスセンサーデバイスである。CuBrは固体電解質であり、p型半導体としての性質を有する。絶縁性基板11上に形成された一対の電極膜13にまたがって、CuBrを主成分とする検知膜17が配置され、検知膜17と絶縁性基板11及び/または電極膜13との間に酸化銅を含む層14が存在する。
実施形態の特徴として、大気との界面をなす検知膜17の結晶表面は、平坦面と急斜面が組み合わせによるステップ段丘で形成されている。ステップ段丘を形成する結晶面は、(111)面が支配的な面である。この構成の詳細については、後述する。
酸化銅を含む層14は、検知膜17の結晶表面の面方位を主として(111)にするための下地層から得られる層である。検知膜17の結晶表面を(111)面が支配的な面とすることで、ステップ段丘を含む平坦面が発現し、検知対象ガスに対する応答速度と選択性を最大にすることができる。
図4は、検知膜17を有するガスセンサーデバイス10Aの作製工程図である。図4(A)で、シリコン基板21に形成されたシリコン酸化膜22の所定の位置に、金(Au)、白金(Pt)などの貴金属材料で一対の電極膜13を形成する。一対の電極膜13にオーバーラップする酸化第一銅(Cu2O)の下地層24を形成し、Cu2Oの下地層24上に銅(Cu)膜15を形成して、図4(A)の構造体を得る。Cu2Oの下地層24は、銅の薄膜を空気中に晒して酸化することで形成される。
図4(B)で、図4(A)の構造体を臭化第二銅(CuBr2)の溶液25に浸漬し、その後メタノールで洗浄する。これにより、図4(C)に示すように、Cu膜15から臭化第一銅(CuBr)膜の検知膜17が得られる。また、酸化第一銅(Cu2O)の下地層24の一部は、臭化第二銅(CuBr2)によって反応し酸化第二銅(CuO)が生成され、全体として酸化銅を含む層14となる。
図5は、図4(B)から図4(C)に至る過程を説明する模式図である。酸化第一銅(Cu2O)の下地層24の上に形成された銅(Cu)膜を、臭化第二銅(CuBr2)の溶液に浸漬すると、銅の表面で臭化第二銅(CuBr2)が反応し、反応生成物である臭化第一銅(CuBr)の結晶が成長する(図5の工程(a)及び(b))。この時の反応は以下の式で表される。
Cu+CuBr2 → 2CuBr
図5の工程(c)で、臭化第一銅(CuBr)の結晶が、銅(Cu)膜の底まで到達すると、下地である酸化第一銅(Cu2O)が臭化第二銅(CuBr2)と反応して、酸化第二銅(CuO)が生成される。この化学変化の進行に伴って、酸化第一銅(Cu2O)で形成されていた下地層24は、酸化銅の混合物に変化してゆく。
Cu2O+CuBr2 → CuO+2CuBr
図6は、ステップ段丘の形成を説明する模式図である。臭化第一銅(CuBr)の結晶が成長する際に、その周囲に酸化第二銅(CuO)が供給されると、臭化第一銅(CuBr)の表面に、酸化第二銅(CuO)の微結晶が付着する。特に、臭化第一銅(CuBr)の(111)面の格子間隔は、酸化第二銅(CuO)の(021)面の格子間隔の2倍なので、酸化第二銅(CuO)は、臭化第一銅(CuBr)の(111)面に垂直な面28に優先的に付着する(図6(a))。酸化第二銅(CuO)が付着した面では、その方向の成長速度が下がるので、臭化第一銅(CuBr)の結晶は、(111)面に垂直な方向に向かって優先的に成長する(図6(b))。
臭化第一銅(CuBr)の(111)面にほぼ垂直な面28に、酸化第二銅(CuO)が多量に付着すると、その方向への結晶成長は困難になるので、臭化第一銅(CuBr)の(111)面上の新たな起点から、さらに(111)面に垂直な方向に向かって結晶が成長する(図6(c))。このようにして、表面が主として(111)面で構成された臭化第一銅(CuBr)の結晶が生成し、(111)面の端部は、急な崖になって階段状のテラス構造を形成する。この階段状のテラス構造を「ステップ段丘」29と呼ぶ。
このように、酸化第一銅(Cu2O)を下地層24とする銅(Cu)膜15を、臭化第二銅(Cu2Br)の溶液を用いて臭化処理を行うことにより、臭化第一銅(CuBr)と大気との界面をなす結晶面が主に(111)面に制限された、臭化第一銅(CuBr)の検知膜17が得られる。臭化第一銅(CuBr)の表面を構成する結晶面のうち、(111)面よりもアンモニアの吸着速度が低いものの割合を極小化することで、応答速度を最大にることができる。また、表面を構成する結晶面が主に(111)面に制限されるため、多数のガス種に対する応答が(111)面の特性に揃う。そのため、ガス種選択性が向上するという効果も得られる。
15mm×15mmの熱酸化膜付きシリコンウェハー上に、幅6mm、長さ12mm、膜厚60nmの金(Au)電極を2つ、間隔を1mmとして、真空蒸着により形成する。熱酸化膜の厚さは100nmである。形成した一対の金(Au)電極にオーバーラップして、5mm×5mm、厚さ3.5nmの銅(Cu)膜を、マスクを用いて真空蒸着により形成する。この構造体を、250℃の空気中に3分間曝露することで、銅(Cu)膜を酸化第一銅(Cu2O)に変化させる。この酸化第一銅(Cu2O)が下地層24となる。続いて、酸化第一銅(Cu2O)膜に、5mm×5mm、厚さ60nmの銅(Cu)膜をマスクを用いて形成する。
得られた構造体を、臭化第二銅(CuBr)の0.1mol/Lの水溶液に1分間浸漬し、メタノールで洗浄することで、臭化第一銅(CuBr)の検知膜17を備えたガスセンサーデバイス10Aを作製した。このガスセンサーデバイス10Aを空気流中に設置し、ガス源を清浄空気と濃度1ppmのアンモニアを含む空気との間で切り替えて、デバイスのアンモニアに対する反応を評価した。
図7は、ガスセンサーデバイス10Aのアンモニアに対する応答を抵抗値の経時変化で示す図である。気流を清浄空気からアンモニアを1ppm含む空気に切り替えた後、40秒で抵抗値が平衡値の90%に到達し、高速応答が実現されている。
図8は、上述した条件で作製した臭化第一銅(CuBr)の検知膜17の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像である。図8から、臭化第一銅(CuBr)の結晶表面が、平坦面(段丘面)と、その端部に形成された急な傾斜(段丘崖)(サークル(1)参照)を含む階段状のテラス構造(ステップ段丘)で形成されていることがわかる。また、表面に露出した平坦面の基本外形が正三角形である(サークル(2)参照)。これは臭化第一銅(CuBr)が分類される立方晶の(111)面に当たる。さらに、2つの平坦面がなす角度が、(111)面同士がなす理論上の二面角である71°に近い箇所が多くみられることから(角度(3)参照)、CuBrの表面を形成する主要な平坦面が、立方晶において最も安定な結晶面である(111)方位であることがわかる。また、CuBrの結晶の(111)面の差し渡しは100nm〜1000nmである。
図9は、アンモニアに対する感度を100としたときの、各種ガスに対する相対感度を示す。実施例のガスセンサーデバイス10Aの相対感度を、後述する比較例のデバイスの相対感度と比較して示す。ここでの応答強度は、各ガスに対する暴露開始後3分後における抵抗の変化率を意味する。
実施例のガスセンサーデバイス10Aは、アンモニアと競合する場合が多い硫化水素に対する相対感度は、アンモニアの1/20である。ここで1/20という場合は、厳密に1/20を意味するのではなく、結晶膜間の誤差やばらつきを含む。比較例では、硫化水素に対する相対感度が約1/10であることから、実施例のガスセンサーデバイス10Aが優れたガス種選択性を有することがわかる。
このように、酸化第一銅(Cu2O)を下地層24に持つ銅(Cu)膜15を、臭化第二銅(CuBr2)の溶液を用いて臭化することにより、界面となる結晶面が主に(111)方位である臭化第一銅(CuBr)の検知膜17が得られる(図8参照)。この検知膜17は高速の応答性を有し(図7参照)、また、優れたガス種選択性を示す(図9参照)。
比較例
図10は、比較例として、酸化第一銅(Cu2O)の下地層24を用いないで形成した臭化第一銅(CuBr)のガスセンサーデバイスを示す。15mm×15mmの熱酸化膜付きシリコンウェハー上に、幅6mm、長さ12mm、膜厚60nmの金(Au)電極を2つ、間隔を1mmとして、真空蒸着法で形成する。熱酸化膜の厚さは100nmである。ここまでは、実施例と同じである。
形成した一対の金(Au)電極にオーバーラップして、5mm×5mm、厚さ60nmの銅(Cu)膜をマスクを用いて形成する。得られた構造体を、臭化第二銅(CuBr2)の0.1mol/Lの水溶液に1分間浸漬し、メタノールで洗浄することで、臭化第一銅(CuBr)の検知膜107を備えたガスセンサーデバイスを作製した。このガスセンサーデバイスを空気流中に設置し、ガス源を清浄空気と濃度1ppmのアンモニアを含む空気との間で切り替えて、デバイスのアンモニアに対する反応を評価した。
図11は、比較例のデバイスのアンモニアに対する応答を抵抗値の経時変化で示す図である。気流を清浄空気からアンモニアを1ppm含む空気に切り替えた後、抵抗値が平衡値の90%に到達するまでに要する時間は、75秒である。実施例の40秒と比較して2倍近くの立ち上がり時間がかかっている。逆に言うと、実施例の構成を採用することで、ガスセンサーデバイスの立ち上がり時間を従来の半分近くまで短縮できる。また、図9の表から、比較例のデバイスの硫化水素に対する相対感度がアンモニアの1/10であり、実施例のガスセンサーデバイス10Aと比較すると、実用的なガス種選択性の点で劣っている。
図12は、比較例の条件で作製した臭化第一銅(CuBr)の検知膜107の、SEM画像を示す。この臭化第一銅(CuBr)の結晶表面では、表面を構成する結晶面同士が滑らかに接続されており、特定の方位面が優先的に形成されているわけではないことが示唆されている。
図13は、実施形態のガスセンサーデバイス10(または10A)を用いたガス測定装置1の概略図である。ガス測定装置1は、ガス流入口32とガス排出口33を有する測定チャンバ31と、測定チャンバ31内に配置されるガスセンサーデバイス10(または10A)を有する。ガスセンサーデバイス10(または10A)の電極膜13に接続されるリード35の一方を参照電極(GND)に接続し、他方を固定抵抗36を介して高電位電極(V)に接続する。一対の電極膜13の間の電位差を測定することで、検知膜17の抵抗変化を測定する。抵抗測定器として、たとえば電位差計37を用いる。観測された電位差は検知膜17の抵抗変化を示す。p型半導体であるCuBrの検知膜17の表面に陽イオンと結合するガス分子が吸着すると、銅(Cu)イオンとガス分子が可逆的に結合し、ガス分子からの電子の供与により、検知膜17のキャリア(ホール)が減少する。これにより電気抵抗が上昇する。抵抗値の変化から対象ガスの濃度を算出することができる。
ガス測定装置1は、たとえば呼気に含まれるアンモニア濃度を測定する呼気センサに適用することができる。CuBrの検知膜17の表面にアンモニア分子が吸着すると、銅(Cu)イオンとアンモニア分子が可逆的に結合し、検知膜17のキャリア(ホール)が減少する。これにより電気抵抗が上昇する。
ガス測定装置1は、大気との界面で(111)面が支配的なCuBrの検知膜17を使用しており、応答速度が速く、短時間で測定結果を得ることができる。また、硫化水素に対するアンモニアの選択比が従来の構成の約2倍であり、他のガスに対してアンモニアガスを優先的に検知することができる。呼気中のアンモニアは胃がんの関連物質である。実施形態のガス測定装置1は、呼気中に含まれる微量のアンモニア分子を高感度、高速応答で測定し、疾病の早期発見に寄与できる。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
臭化第一銅の結晶膜、
を有し、前記臭化第一銅の結晶表面が、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されていることを特徴とするガスセンサーデバイス。
(付記2)
前記結晶膜が形成されている基板と、
前記基板と前記結晶膜の間に位置する酸化銅を含む層、
をさらに有することを特徴とする付記1に記載のガスセンサーデバイス。
(付記3)
前記基板に形成された一対の電極膜、
をさらに有し、
前記臭化第一銅の結晶膜は、前記一対の電極膜にオーバーラップして配置され、
前記結晶膜と前記電極膜の間に酸化銅を含む層が存在することを特徴とする付記2に記載のガスセンサーデバイス。
(付記4)
積層方向で前記結晶膜とオーバラップする電極と、
前記電極と前記結晶膜の間に位置する酸化銅を含む層、
をさらに有することを特徴とする付記1に記載のガスセンサーデバイス。
(付記5)前記酸化銅を含む層は、酸化第一銅と酸化第二銅を含むことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記6)前記酸化銅を含む層は、酸化第二銅を主要部とし、表面近傍に酸化第一銅を有することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記7)
前記臭化第一銅の結晶表面は、(111)面が支配的であることを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記8)前記平坦面と平坦面がなす二面角は71°またはその近傍の値であることを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記9)
前記臭化第一銅の結晶膜の硫化水素ガスとアンモニアガスに対する選択比は1対20であることを特徴とする付記1〜8のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記10)前記臭化第一銅の結晶膜の平坦部の差し渡しは100nm〜1000nmであることを特徴とする付記1〜9のいずれかに記載のガスセンサーデバイス。
(付記11)
測定チャンバと、
前記測定チャンバ内に配置される付記1〜10のいずれかに記載のガスセンサーデバイスと、
前記ガスセンサーデバイスに接続される抵抗測定器と、
を有するガス測定装置。
(付記12)
基板上に酸化第一銅の下地層と銅膜をこの順に積層した積層体を形成し、
前記積層体を臭化第二銅の溶液と反応させて臭化第一銅の検知膜を形成する、
ことを特徴とするガスセンサーデバイスの作製方法。
(付記13)
前記検知膜の形成の過程で、特定の結晶面が支配的なテラス構造が発現することを特徴とする付記12に記載のガスセンサーデバイスの作製方法。
1 ガス測定装置
10、10A ガスセンサーデバイス
11 絶縁性基板
13 電極膜
14 酸化銅を含む膜
15 銅(Cu)膜
17 臭化第一銅(CuBr)の検知膜
22 酸化膜
24 酸化第一銅(Cu2O)の下地層
25 臭化第二銅(CuBr2)の溶液
29 ステップ段丘
31 測定チャンバ
32 ガス流入口
33 ガス排出口
37 電位差計(抵抗測定器)

Claims (6)

  1. 臭化第一銅の結晶膜、
    を有し、前記臭化第一銅の結晶表面が、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されており、
    前記ステップ段丘を形成する結晶面は、(111)面が支配的な面であり、
    前記結晶膜が形成されている基板と、前記基板と前記結晶膜の間に位置する酸化銅を含む層、をさらに有する
    ことを特徴とするガスセンサーデバイス。
  2. 前記基板に形成された一対の電極膜、
    をさらに有し、
    前記臭化第一銅の結晶膜は、前記一対の電極膜にオーバーラップして配置され、
    前記結晶膜と前記電極膜の間に前記酸化銅を含む層が存在することを特徴とする請求項に記載のガスセンサーデバイス。
  3. 一対の電極膜が形成された基板と、
    前記基板上に、積層方向で前記電極膜とオーバーラップして形成された臭化第一銅の結晶膜と、
    前記電極と前記結晶膜の間に位置する酸化銅を含む層と、
    を有し、前記臭化第一銅の結晶表面が、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されており、
    前記ステップ段丘を形成する結晶面は、(111)面が支配的な面である、
    ことを特徴とするガスセンサーデバイス。
  4. 測定チャンバと、
    前記測定チャンバ内に配置される請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサーデバイスと、
    前記ガスセンサーデバイスに接続される抵抗測定器と、
    を有するガス測定装置。
  5. 基板上に、酸化第一銅の下地層と銅膜をこの順に積層した積層体を形成し、
    前記積層体を臭化第二銅の溶液と反応させて臭化第一銅の検知膜と、前記基板と前記検知膜の間に位置する酸化銅を含む層とを形成し、
    前記検知膜の結晶表面は、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されており、前記ステップ段丘を形成する結晶面は、(111)面が支配的な面である
    ことを特徴とするガスセンサーデバイスの作製方法。
  6. 一対の電極膜が形成された基板上に、酸化第一銅の下地層と銅膜をこの順に積層した積層体を形成し、
    前記積層体を臭化第二銅の溶液と反応させて臭化第一銅の検知膜と、前記電極膜と前記検知膜の間に位置する酸化銅を含む層とを形成し、
    前記検知膜の結晶表面は、平坦面と急斜面を含むステップ段丘で形成されており、前記ステップ段丘を形成する結晶面は、(111)面が支配的な面である
    ことを特徴とするガスセンサーデバイスの作製方法。
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